JP3190323B2 - 車両用油圧緩衝器のセルフポンプ式高調整装置 - Google Patents

車両用油圧緩衝器のセルフポンプ式高調整装置

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JP3190323B2 JP10440089A JP10440089A JP3190323B2 JP 3190323 B2 JP3190323 B2 JP 3190323B2 JP 10440089 A JP10440089 A JP 10440089A JP 10440089 A JP10440089 A JP 10440089A JP 3190323 B2 JP3190323 B2 JP 3190323B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車両用油圧緩衝器のセルフポンプ式車高調
整装置に関する。
[従来の技術] 車両用油圧緩衝器のセルフポンプ式車高調整装置は、
例えば特開昭58−56985号公報から公知である。この場
合、セルフポンプ式車高調整装置が取り付けられる車両
用油圧緩衝器は、一端に取付け部材を有するシリンダ
と、このシリンダ内に摺動自在に嵌合するピストンと、
このピストンから突出しかつ自由端に取付け部材を有す
るピストンロッドと、ピストンとシリンダの間の油室に
接続されたオイルタンクと、シリンダとピストンロッド
の各ばね受けの間に張架された懸架ばねとを有するリヤ
ークッションである。このリヤークッションに設けられ
る車高調整装置は、油圧ジャッキ部として、リヤークッ
ションの取付け部材に固着されたプランジャケースと、
プランジャケースの外周に摺動自在に嵌合するプランジ
ャとを有し、このプランジャの内側端部にあるばね座と
プランジャケースの間に高圧ジャッキ室が形成されてい
る。さらに、シリンダ内のピストンロッドの端部に圧縮
時に開きかつ伸長時に閉じるチェックバルブを設け、こ
のチェックバルブと高圧ジャッキ室をピストンロッドに
同心に設けた長孔により連通している。自動二輪車の走
行中、リヤークッションの圧縮行程でピストンロッド先
端のチェックバルブが開き、伸長行程でチェックバルブ
が閉じるので、シリンダの油室の油がピストンロッド内
の長孔を通ってプランジャケースの高圧ジャッキ室に流
れる。この繰り返しにより、油が圧縮行程ごとにポンプ
作用で高圧ジャッキ室に導かれ、高圧ジャッキ室が拡張
してプランジャが懸架ばねを圧縮する。車体は懸架ばね
でバランスされているので、懸架ばねの圧縮によりばね
荷重が増加し、車体を押し上げて車高を増加させる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このセルフポンプ式車高調整装置で
は、車高を一定に保つことはできるが、荒れ地走行時に
は車高を高くして走破性を向上し、平坦な市街地走行時
にはライダーの足の接地性を高めたいという要求には応
えられなかった。
本発明の目的は、車高を走行路面状況に応じて適宜切
り換えることができる車両用油圧緩衝器のセルフポンプ
式車高調整装置を提供することである。
[課題を解決するための手段] 請求項1に記載の発明は、油圧緩衝器のシリンダ内の
油室を進退するピストンロッドと、シリンダ内の油室と
連通する油溜室と、車体と車軸間の距離を調整して車高
を調整するジャッキ部とを有し、前記油溜室の作動油を
前記シリンダ内の油室を介して前記ジャッキ部内の油圧
ジャッキ室に供給して車高アップ可能とするとともに、
前記ジャッキ部内の油圧ジャッキ室の作動油を前記油溜
室に戻して車高ダウン可能とすることにより、車高を調
整するセルフポンプ式車高調整装置において、前記油圧
緩衝器のシリンダ内の油室とジャッキ部内の油圧ジャッ
キ室を接続する油路に車高をアップ位置とダウン位置に
切り換える車高調整切換装置を設け、前記車高調整切換
装置の本体に設けた孔に回転可能な切換弁を収容し、 前記シリンダ内の油室と前記ジャッキ部内の油圧ジャ
ッキ室を連通する前記油路のうち前記シリンダ内の油室
に連通する第一の油路と、前記ジャッキ部内の油圧ジャ
ッキ室に連通する第二の油路と、前記油溜室に連通する
第三の油路と、リリーフ弁を介して前記油溜室に連通す
る第四の油路のそれぞれを上記孔の切換弁収容面に開口
し、前記切換弁が、一方の油路と他方の油路の2つの油
路を有し、2つの油路は互いに接続し、かつそれぞれ2
つのポートを備えてなり、車高アップ時には、前記切換
弁の一方の油路がその2つのポートのそれぞれを介して
前記第三の油路と前記第四の油路に接続し、前記他方の
油路がその2つのポートのそれぞれを介して前記第一の
油路と前記第二の油路に接続し、車高ダウン時には、前
記切換弁の一方の油路がその2つのポートのそれぞれを
介して前記第一の油路と前記第二の油路に接続し、前記
他方の油路がその2つのポートのそれぞれを介して前記
第三の油路と前記第四の油路に接続し、前記一方の油路
の2つのポートのうち、車高アップ時に前記第三の油路
に接続され、かつ、車高ダウン時に前記第二の油路に接
続されるポート側に、車高アップ時に前記シリンダ内の
油室から前記第三の油路への流れを阻止し、車高ダウン
時に前記シリンダ内の油室から前記第二の油路への流れ
を阻止する第二のチェックバルブを設け、前記第一の油
路から分岐して前記油溜室に連通する油路を形成し、こ
の油路に圧縮行程で開く弁と伸張行程で開く弁を内蔵し
た押し側ブローバルブを設けるようにしたものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において更
に、前記第四の油路に設けた前記リリーフ弁が、前記ジ
ャッキ部内の油圧ジャッキ室の内圧が所定値以上になる
と開弁するようにしたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の発明に
おいて更に、前記第二の油路に、前記ジャッキ部内の油
圧ジャッキ室から前記シリンダ内の油室側への流れを阻
止し、かつ、車高ダウン時に開弁する第一チェックバル
ブを設けたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3の発明において更
に、前記切換弁の他方の油路の2つのポートのうち、車
高アップ時に前記第二の油路に接続され、かつ、車高ダ
ウン時に前記第四の油路に接続されるポート側に切り欠
き面を形成し、前記切換弁の外周と前記第一チェックバ
ルブとの間にタペットを装入し、前記タペットは車高ア
ップ時に前記切り欠き面に位置し前記第一チェックバル
ブを閉じ、車高ダウン時に前記切り欠き面を形成してい
ない円周部分に位置して前記第一チェックバルブを開弁
するようにしたものである。
[作用] 請求項1の発明によれば、下記の作用がある。
車高調整切換装置の本体の孔内に回動可能に切換弁を
装入し、切換弁には、互いに接続される一方の油路と他
方の油路からなる2つの油路を形成し、車高アップ時に
は、他方の油路がシリンダ内の油室に連通する第一の油
路とジャッキ部内の油圧ジャッキ室に連通する第二の油
路に接続され、一方の油路が第三の油路と第四の油路に
接続され、車高ダウン時には、一方の油路が第一の油路
と第二の油路に接続され、他方の油路が第三の油路と第
四の油路に接続されるようにしたから、車高を走行路面
状況に応じて適宜切り換えることができる。そして、押
し側ブローバルブに、伸長工程で開く弁を設けたので、
伸長時に油圧緩衝器のシリンダ内の油室に作動油を補充
することができる。
請求項2の発明によれば、下記の作用がある。
車高アップが完了してジャッキ部内の油圧ジャッキ室
の内圧が所定値以上になると開弁するリリーフ弁を第四
の油路に設けたので、シリンダ内油室からの作動油は第
四の油路を通って油溜室に戻ることができる。したがっ
て、車高アップ完了後も、油圧緩衝器の伸縮が止まるこ
とがない。
請求項3の発明によれば、下記の作用がある。
第一チェックバルブは、ジャッキ部内の油圧ジャッキ
室からシリンダ内の油室側への流れを阻止するので、油
圧緩衝器の伸長行程時にもジャッキ部内の油圧ジャッキ
室の作動油がシリンダ内の油室側へ逆流することなく、
車高アップすることができる。また、第一チェックバル
ブは、車高ダウンにセットした時に開弁するので、ジャ
ッキ部内の油圧ジャッキ室からシリンダ内の油室および
油溜室に作動油を戻して車高をダウンすることができ
る。
請求項4の発明によれば、下記の作用がある。
回動可能な切換弁の外周の一部に切り欠き面を設け、
この切換弁と第一チェックバルブとの間にタペットを設
けることにより、第一チェックバルブを簡単な構成で開
閉することができる。
[実施例] 以下、本発明を図面に示す実施例により詳細に説明す
る。
第1図に、車両用油圧緩衝器である自動二輪車用リヤ
ークッションとフロントフォークを同時に車高調整でき
るセルフポンプ式車高調整装置の全体図を示す。
第一の油圧緩衝器であるリヤークッション1は、一端
に車軸または車体の一方の取付け部材2を有するシリン
ダ3と、このシリンダ3内に摺動可能に装着されたピス
トン4と、このピストンから取付け部材2と反対側へ突
出しかつ自由端に車軸または車体の残りの他方の取付け
部材5を有するピストンロッド6とを有し、ピストンロ
ッド側端部に設けられたばね受け7と、シリンダ側端部
に設けられたばね受け8との間に懸架ばね9が張架され
ている。ピストン4には、通常のように減衰力発生装置
が設けられている。また、通例のように、リヤークッシ
ョン1のシリンダ3とピストン4の間の油室Aは、管接
手14から延びる管路15によりオイルタンク16の油室Bに
通じる管接手17に接続されている。オイルタンク16は、
弾性材料製の隔壁18により仕切られたガス室Cと油室B
を有し、例えばガス室C内の圧力は10kgf/cm2程度の圧
力に設定してある。
セルフポンプ式車高調整装置の一部を形成する周知の
ジャッキ部10は、リヤークッション1のシリンダ3の外
周に固着されたスリーブ11を有し、このスリーブにプラ
ンジャケース12が固定され、このプランジャケース12の
内周面とスリーブの外周面の間にプランジャ13が摺動可
能に装着され、プランジャ13の端部に懸架ばね9の圧力
によりばね受け8の端面が当接している。このようにし
て、プランジャケース12とプランジャ13の間に高圧ジャ
ッキ室Dが形成される。
第二の油圧緩衝器であるフロントフォーク20は、車軸
側外筒21と、この外筒21内を摺動可能な車体側内筒22と
からなり、外筒底部から上方へ突出するシートパイプ
(図示省略)の上端のばね受け(図示省略)と、内筒22
の上端のばね受け23との間に懸架ばね24が張架されてい
る。
また、セルフポンプ式車高調整装置の一部を構成する
フロントフォーク20のジャッキ部25は、内筒22の上端に
固着されたフォークボルト22aに取り付けられたプラン
ジャケース26と、このプランジャケース内を摺動可能に
嵌合していてかつ貫通孔27を有するプランジャ28と、こ
のプランジャから外方へ突出するロッド29とからなる。
これによって、プランジャケース26とプランジャ28の間
に高圧ジャッキ室Eが形成される。ロッド29の先端に前
記のばね受け23が取り付けられている。
本発明によるセルフポンプ式車高調整装置を構成する
車高調整切換装置30は、リヤークッション1のシリンダ
内の油室Aと、リヤークッション1のジャッキ部10の高
圧ジャッキ室Dおよびフロントフォーク20のジャッキ部
25の高圧ジャッキ室Eとをそれぞれ接続する油路に設け
られ、自動二輪車の座席の後方下部に配設されて、乗車
姿勢のまま操作可能である。
オイルタンク16は、車高調整切換装置30の本体31と一
体にねじにより結合されている。本体31には、前述した
管接手17が、油路32と33の間に設けられた押し側ブロー
バルブ70を介してオイルタンク16の油室Bに接続されて
いる。この押し側ブローバルブ自体は、周知のものであ
って、車高調整切換装置30の部分を構成しないので、詳
細な説明は省略する。押し側ブローバルブ70は、常時閉
じているが、リヤークッション1の圧縮行程で油室Aか
らの圧力油によりばねに抗して開く弁と、伸長行程で油
室Aが減圧されたときにばねに抗して開く弁とを内蔵し
ている。前者の弁の開弁圧は、ライダー1名の乗車時に
おいて、リヤークッション、フロントフォークの各懸架
ばね9、24の受ける分担荷重よりも高く設定し、例えば
30kg/cm2とする。
車高調整切換装置30の本体31には、さらに車高アップ
・ダウン切換弁34が回動可能に装入されており、この切
換弁34は、第1図と第3図に示す車高アップ位置と、第
2図と第4図に示す車高ダウン位置との二つの位置に切
り換えることができる。切換弁34は、回転軸35と、この
回転軸の端部に固定された握り36とからなる。回転軸35
は、ジャッキ部10と25の高圧ジャッキ室DとEにそれぞ
れ導かれる二列の平行な同じ構造の第一と第二の通路を
有する。第3図において、リヤークッション1のジャッ
キ部10に導かれる第一通路には回転軸35を横切る貫通孔
(一方の油路)38aにばね36により付勢された第二のチ
ェックバルブ37が配置され、この第二のチェックバルブ
37と直交して貫通路(他方の油路)38bが配置されてい
る。フロントフォーク20のジャッキ部25に導かれる切換
弁34の第二の通路にも、同様に、ばね36′、チェックバ
ルブ37′、貫通路38a′、38b′が設けられている。切換
弁34の第一通路は、リヤークッション1の油室Aに向か
う上流側部分(第一の油路)が油路39を経て油路32と接
続され、かつ第二通路は、油路40、41、39を経て油路32
と接続されている。
さらに切換弁34の第一通路と第二通路のジャッキ部10
と25に向かう下流側部分(第二の油路)は、それぞれタ
ペット42、42′を介して第一のチェックバルブ43、43′
に接続されている。この第一のチェックバルブ43、43′
は、それぞれ本体31にねじこまれたボルト44、44′の孔
に挿入されたばね45、45′により、リヤークッション1
の油室Aとジャッキ部10、25をそれぞれ接続する油路を
常時遮断するように付勢されている。ボルト44の周りの
管接手46は、管路47を経てリヤークッション1のジャッ
キ部10の高圧ジャッキ室Dに開口するプランジャケース
12のポート48に接続され、一方ボルト44′の周りの管接
手46′は管路49を経てフロントフォーク20のジャッキ部
25の高圧ジャッキ室Eに開口するポート50に接続されて
いる。
前述したタペット42、42′は、第3図と第4図からよ
く分かるように、軸心に沿って貫通孔51を有し、さらに
この貫通孔51と平行に表面に沿って溝52を有し、この溝
が横孔53を介して貫通孔51と接続されている。一方、切
換弁34の回転軸35には、貫通路38、38′と直交する切り
欠き面35a、35a′が形成されている。第1図と第3図の
車高アップ切換え位置では、第一のチェックバルブ43、
43′がその弁座に着座して油路を遮断し、かつタペット
42、42′が切換弁34の切り欠き面35a、35a′(図示省
略)に接触している。また、第2図と第4図の車高ダウ
ン切換え位置では、切換弁34の回転軸35の周面に当接す
るタペット42、42′により第一のチェックバルブ43、4
3′が押されて弁座から離れ、その結果ジャッキ部10、2
5の高圧ジャッキ室DとEがそれぞれタペット42、42′
の溝52、52′、横孔53、53′、貫通孔51、51′を経て切
換弁34、34′の第二のチェックバルブ37、37′側に連通
する。
また、車高アップ時にジャッキ部10と25の高圧ジャッ
キ室DとEの内圧が所定値以上となったときにリヤーク
ッション1のシリンダ内の油室A内の油をオイルタンク
16の油室Bに戻すために、リリーフ弁60(第3図と第4
図)が、リヤークッション1とフロントフォーク20のジ
ャッキ部をそれぞれリヤークッション1の油室Aに連結
する二つの油路をバイパスする第四の油路66、65にそれ
ぞれ設けられている。すなわち、このリリーフ弁60は、
本体31に設けたシリンダ孔61に摺動可能に挿入された弁
体62と、この弁体をオイルタンク16の油室B側に付勢す
るばね63とからなる。弁体62は、ばね63に向いた端部側
にピストン部分62aを有し、大径のシリンダ孔61とピス
トン部分62aの端面との間に油室Fが形成され、この油
室Fがジャッキ部10、25側に油路64を経て接続され、一
方弁体62のピストン部分と反対側の先端面と小径のシリ
ンダ孔61の間に油室Gが形成され、この油室Gが第四の
油路65を経てオイルタンク16の油室Bに接続され、かつ
第四の油路66を経て切換弁34に接続されている。
また、第2図と第4図に示す車高ダウン時の切換え位
置で市街地等の平坦路を走行している際に、リヤークッ
ション1の圧縮行程で減衰力を発生させるために、切換
弁34の第四の油路66と反対側の第三の油路80、68のう
ち、第三の油路80に二乗孔67が設けられており、この二
乗孔が、前記の押し側ブローバルブ70をバイパスして油
室Bに連通する第三の油路68を経てオイルタンク16と連
通している。なお、この二乗孔67は、車高アップ時の切
換え位置では、第3図に示すように切換弁34の第二のチ
ェックバルブ37により閉鎖されている。
このように構成されたセルフポンプ式車高調整装置の
作用を説明する。市街地を走行するときに、切換弁34を
第2図、第4図の車高ダウン位置に切り換える。走行
中、リヤークッション1の圧縮行程でピストン4がシリ
ンダ3に進入すると、油が油室Aからピストン4の孔を
通り、バルブ4aを押し上げて油室Aと反対側の油室に流
れ、このときの抵抗により圧縮側減衰力を発生する。同
時にピストンロッドの進入体積分の油室Aの油は、油路
39、40を経て切換弁34の二列の第一と第二の通路に流れ
るが、第二のチェックバルブ37、37′によりジャッキ部
への油路が閉じられているので、油路38、38′を経て二
乗孔67、67′を通り(このとき圧縮側経減力を発生す
る)、第三の油路68より押し側ブローバルブ70をバイパ
スしてオイルタンク16の油室Bに流入し、ガス室Cはピ
ストンロッドの侵出入に伴う体積補償を行なう。また、
ピストン速度の高速時においては、管路15、管接手17、
油路32を経て、押し開かれたブローバルブ70を通って油
路33よりオイルタンク16の油室Bに流入する。伸長行程
では、油室A′内の油がピストン4の斜めの孔を通り、
バルブ4bを押し上げて油室Aに流れ、このとき伸び側減
衰力を発生する。この油室Aからピストンロッドが抜か
れた体積分だけの油が、オイルタンク16の油室B内から
油路33、ブローバルブ70、油路32、管接手17、管路15を
通り、リヤークッション1の油室Aに流れて補充され
る。
荒れ地走行に入る際に、切換弁34を第1図と第3図に
示した車高アップ切換え位置に切り換えると、リヤーク
ッション1の圧縮行程時にピストンロッドの進入体積分
の油が油室Aより油路15、管接手17、油路32に到り、ブ
ローバルブ70の開弁圧に達するまでは、油室Aの油が一
方の列の油路39と他方の列の油路41、40を経て切換弁34
の二列の貫通路38、38′を通り、タペット42、42′の貫
通孔51、51′を通り、さらに第一のチェックバルブ43、
43′をばね45、45′に抗して押圧して流れ、それから一
方では管接手46、管路47を経てリヤークッション1のジ
ャッキ部10の高圧ジャッキ室Dに流入し、他方では管接
手46′より管路49、ポート50を経てフロントフォーク20
のジャッキ部25の油圧ジャッキ室Eに流入する。また、
リヤークッション1の油室A内より流入する作動油の圧
力がブローバルブ70の開弁圧に達すると、油はブローバ
ルブ70のバルブを押し下げ、オイルタンク内の油室Bに
も流入する。リヤークッション1の伸長行程時には、油
室A内が減圧されるので、第一のチェックバルブ43、4
3′が吸引されて閉じ、リヤークッション1とフロント
フォーク20のジャッキ部の油は逆流できず、ブローバル
ブ70の逆止弁が開いてオイルタンク16の油室B内の油が
前と同様に管路15を経てリヤークッション1の油室A内
に流れてピストンロッドの抜けた体積分の油を補充す
る。このようなリヤークッション1の圧縮と伸長工程の
繰り返しにより、第一のチェックバルブ43、43′の作用
を介してセルフポンピング作用が行われ、リヤークッシ
ョン1の圧縮工程ごとに油がリヤークッション1とフロ
ントフォーク20のジャッキ部の高圧ジャッキ室DとEに
導かれ、それぞれの懸架ばね9と24を徐々に圧縮してゆ
く。ジャッキ部の高圧ジャッキ室DとEの内圧が所定値
以上になると、その高圧油が油路64を通じてリリーフ弁
60のピストン部分62aを第3図で左側へばね63に抗して
押し、これによって弁体62の先端が弁座62bから離れる
ので、リヤークッション1のシリンダ油室A内の油が第
四の油路66から第四の油路65を通ってオイルタンク16の
油室Bに戻される。
このようにして、懸架ばね9と24が徐々に圧縮される
が、車体は懸架ばね9と24によりバランスされているの
で、それぞれのプランジャ13と28が懸架ばね9と24を圧
縮することにより懸架ばね荷重が増加し、車体を押し上
げて車高が増加することになる。
荒れ地走行から市街地走行に入ったときに、切換弁34
を第2図、第4図の位置に切り換えると、リヤークッシ
ョン1とフロントフォーク20のジャッキ部の高圧ジャッ
キ室DとE内の高圧油が、それぞれ開いている第一のチ
ェックバルブ43、43′を通り、タペット42の溝52、横孔
53、貫通路51を経て、切換弁34、34′の第二のチェック
バルブ37、37′をばね36、36′に抗して押圧して開き、
主に油路38、38′を経て第三の油路80を通り、二乗孔6
7、67′を通り、第三の油路68より押し側ブローバルブ7
0をバイパスしてオイルタンク16の油室Bに流入する。
これにより、リヤークッション1とフロントフォーク20
のジャッキ部の高圧ジャッキ室DとEの油が抜かれるの
で、それぞれプランジャ13と28が後退し、従って車高が
減少することになる。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、車高を走行路面状況に
応じて適宜切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるセルフポンプ式車高調整装置を備
えた第一の油圧緩衝器と第二の油圧緩衝器の全体図で、
セルフポンプ式車高調整装置の切換弁が車高アップ位置
に切り換えられている状態を示す縦断面図、第2図は第
1図のセルフポンプ式車高調整装置の切換弁が車高ダウ
ン位置に切り換えられた状態を示す部分縦断面図、第3
図は第1図の線III−IIIに沿って切断した部分断面図、
第4図は第2図の線IV−IVに沿って切断した部分断面図
である。 1……第一の油圧緩衝器、 3……シリンダ、 4……ピストン、 A……ピストンとシリンダの間の油室、 6……ピストンロッド、 7、8……ばね受け、 9、24……懸架ばね、 10、25……ジャッキ部、 12、26……プランジャケース、 13、28……プランジャ、 D、E……油圧ジャッキ室、 16……オイルタンク、 20……第二の油圧緩衝器、 34……切換弁、 37、37′……第二のチェックバルブ、 43、43′……第一のチェックバルブ、 60……リリーフ弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62K 25/00 - 25/32 B60G 17/00 - 17/08 F16F 9/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧緩衝器のシリンダ内の油室を進退する
    ピストンロッドと、シリンダ内の油室と連通する油溜室
    と、車体と車軸間の距離を調整して車高を調整するジャ
    ッキ部とを有し、前記油溜室の作動油を前記シリンダ内
    の油室を介して前記ジャッキ部内の油圧ジャッキ室に供
    給して車高アップ可能とするとともに、前記ジャッキ部
    内の油圧ジャッキ室の作動油を前記油溜室に戻して車高
    ダウン可能とすることにより、車高を調整するセルフポ
    ンプ式車高調整装置において、 前記油圧緩衝器のシリンダ内の油室とジャッキ部内の油
    圧ジャッキ室を接続する油路に車高をアップ位置とダウ
    ン位置に切り換える車高調整切換装置を設け、 前記車高調整切換装置の本体に設けた孔に回転可能な切
    換弁を収容し、 前記シリンダ内の油室と前記ジャッキ部内の油圧ジャッ
    キ室を連通する前記油路のうち前記シリンダ内の油室に
    連通する第一の油路と、前記ジャッキ部内の油圧ジャッ
    キ室に連通する第二の油路と、前記油溜室に連通する第
    三の油路と、リリーフ弁を介して前記油溜室に連通する
    第四の油路のそれぞれを上記孔の切換弁収容面に開口
    し、 前記切換弁が、一方の油路と他方の油路の2つの油路を
    有し、2つの油路は互いに接続し、かつそれぞれ2つの
    ポートを備えてなり、 車高アップ時には、前記切換弁の一方の油路がその2つ
    のポートのそれぞれを介して前記第三の油路と前記第四
    の油路に接続し、前記他方の油路がその2つのポートの
    それぞれを介して前記第一の油路と前記第二の油路に接
    続し、 車高ダウン時には、前記切換弁の一方の油路がその2つ
    のポートのそれぞれを介して前記第一の油路と前記第二
    の油路に接続し、前記他方の油路がその2つのポートの
    それぞれを介して前記第三の油路と前記第四の油路に接
    続し、 前記一方の油路の2つのポートのうち、車高アップ時に
    前記第三の油路に接続され、かつ、車高ダウン時に前記
    第二の油路に接続されるポート側に、車高アップ時に前
    記シリンダ内の油室から前記第三の油路への流れを阻止
    し、車高ダウン時に前記シリンダ内の油室から前記第二
    の油路への流れを阻止する第二のチェックバルブを設
    け、 前記第一の油路から分岐して前記油溜室に連通する油路
    を形成し、この油路に圧縮行程で開く弁と伸張行程で開
    く弁を内蔵した押し側ブローバルブを設けたことを特徴
    とするセルフポンプ式車高調整装置。
  2. 【請求項2】前記第四の油路に設けた前記リリーフ弁
    が、前記ジャッキ部内の油圧ジャッキ室の内圧が所定値
    以上になると開弁するものである請求項1記載のセルフ
    ポンプ式車高調整装置。
  3. 【請求項3】前記第二の油路に、前記ジャッキ部内の油
    圧ジャッキ室から前記シリンダ内の油室側への流れを阻
    止し、かつ、車高ダウン時に開弁する第一チェックバル
    ブを設けた請求項1または2に記載のセルフポンプ式車
    高調整装置。
  4. 【請求項4】前記切換弁の他方の油路の2つのポートの
    うち、車高アップ時に前記第二の油路に接続され、か
    つ、車高ダウン時に前記第四の油路に接続されるポート
    側に切り欠き面を形成し、前記切換弁の外周と前記第一
    チェックバルブとの間にタペットを装入し、前記タペッ
    トは車高アップ時に前記切り欠き面に位置し前記第一チ
    ェックバルブを閉じ、車高ダウン時に前記切り欠き面を
    形成していない円周部分に位置して前記第一チェックバ
    ルブを開弁する請求項3に記載のセルフポンプ式車高調
    整装置。
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