JP3046317B2 - 車両用油圧緩衝器のセルフポンプ式車高調整装置 - Google Patents

車両用油圧緩衝器のセルフポンプ式車高調整装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両用油圧緩衝器のセルフポンプ式車高調
整装置に関する。
〔従来の技術〕
本出願人が先に出願した特願平1−104400号の特許出
願の明細書に記載された車両用緩衝器のセルフポンプ式
車高調整装置の概略の油圧回路図を第7図と第8図に示
す。普通、二輪車の車両用油圧緩衝器は前輪と後輪の車
体と車軸の間にそれぞれ配設され、かつ車体と車軸間の
距離を調整して車高を調整する車高調整装置を備えてい
る。この車高調整装置では、走行中セルフポンピング作
用を行う二輪車の後輪側の車両用油圧緩衝器すなわちリ
ヤークッション101のシリンダ内のポンプ室Aと、リヤ
ークッションのシリンダ上部外周に設けた油圧ジョッキ
部110の後輪側油圧ジャッキ室Bおよび前輪側の緩衝器
すなわちフロントフォークの内筒内上部に設けたジャッ
キ部125の前輪側油圧ジャッキ室Cとを接続する第一の
油路131が、車高アップ位置と車高ダウン位置の二つの
切り換え位置を有するロータリー式の切換弁機構150の
上流(ポンプ室側)で前輪側と後輪側油圧ジャッキ室C
とBに向かう二つの油路に分岐してそれぞれ切換弁機構
150の第三のチェックバルブ156と156′を通っている。
切換弁機構150には、車高アップ位置と車高ダウン位置
とに切り換えられるロータリー切換弁151が設けられ、
このロータリー切換弁の下流(後輪側油圧ジャキ室B,前
輪側油圧ジャッキ室C側)にこれと隣接してタペット15
5、155′および第三のチェックバルブ156、156′が設け
られ、この第三のチェックバルブは二つの前輪側と後輪
側油圧ジャッキ室側からポンプ室側への作動油の流入を
阻止する。また、前記第一の油路131には、切換弁機構1
50の上流に、緩衝器の圧縮行程で減衰力を発生するバル
ブ機構140が設けられ、このバルブ機構のさらに上流で
第一の油路131から分岐して油溜室Dに連通する第二の
油路136が形成され、この第二の油路に、油溜室Dから
リヤークッション101のシリンダ内のポンプ室Aへの作
動油の流れを許す第一のチェックバルブ139が設けられ
ている。
二輪車の走行中、リヤークッションのセルフポンピン
グ作用により圧縮行程でポンプ室Aから圧力油が圧縮側
減衰バルブ機構140を通るときに圧縮側減衰力を発生
し、第7図に示したロータリー切換弁151の位置では、
このロータリー切換弁内に介装された第二のチェックバ
ルブ153、153′が後輪側油圧ジャッキ室110、前輪側油
圧ジャッキ室125へ連通する油路を閉じる位置に切り換
わるため、ポンプ室Aからの作動油は油路158、158′を
介して油溜室Dへ戻され、一方、フロントフォークとリ
ヤークッションのそれぞれの前輪側の後輪側油圧ジャッ
キ室CとB内の油はロータリー切換弁の外周により押し
上げられたタペットによって弁座157、157′から離座し
たそれぞれの第三のチェックバルブ156、156′の外周、
タペット外周の切り欠き55a、第一の油路31m、31l(第
5図)を通って油溜室Dへ戻ることができ、車高がダウ
ンする。荒れ地走行に入るときに、ロータリー切換弁15
1を回して第8図の位置にすると、リヤークッション101
のポンプ室A内の油が緩衝器のポンピング作用によりタ
ペット内の第一の油路31l(第5図)、第三のチェック
バルブ156、156′を通り、前輪側と後輪側油圧ジャキ室
CとBに流入して車高を増大させる。なお、従来技術の
部品の符号は、本発明の対応する部品の符号に100をプ
ラスして示してある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の構造の車高調整装置では、車高
アップ時間が長く、荒れ地走行に入ってら比較的長い距
離を走ってからでないと、車高アップが完了しなかっ
た。
それ故、本発明の目的は、車高アップが比較的短時間
で完了する車両用油圧緩衝器のセルフポンプ式車高調整
装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、本発明による車両用油
圧緩衝器のセルフポンプ式車高調整装置は、 車体側と車軸側の間に配置された後輪側の油圧緩衝器
内に形成されたポンプ室と、車体側と車軸側間の距離を
調整して車高調整するための前輪側油圧ジャッキ室およ
び後輪側油圧ジャッキ室と、 油溜室と、 前記ポンプ室と油溜室を連通する第二の油路と、 前記第二の油路に、前記ポンプ室から前記油溜室への
作動油の流れを阻止する方向に設けられた第一のチェッ
クバルブと、 前記ポンプ室と前記前輪側油圧ジャッキ室または後輪
側油圧ジャッキ室のいずれか一方の油圧ジャッキ室を連
通する第一の油路と、 前記第一の油路に直交するように形成されかつそれぞ
れ前記油溜室に連通するリリーフ油路と第三の油路と、 前記第一の油路の前記ポンプ室側である上流側、前記
第一の油路の前記油圧ジャッキ室側である下流側、前記
リリーフ油路および前記第三の油路を接続する車高調整
切換装置と、 前記車高調整切換装置の本体に内装されたロータリー
切換弁と、 前記ロータリー切換弁内に直交して形成された一方の
油路(31i)と他方の油路と、前記ロータリー切換弁を
車高アップ位置に回転させたときに前記第三の油路に対
向しかつ前記ロータリー切換弁を車高ダウン位置に回転
させたときに前記第一の油路の下流側に対向するように
配置された前記一方の油路(31i)の一方のポートと、 前記一方の油路の前記他方の油路との交差点と前記一
方の油路の一方のポートとの間に、車高アップ位置設定
時に前記ポンプ室から前記第三の油路への作動油の流れ
を阻止しかつ車高ダウン位置設定時に前記ポンプ室から
前記第一の油路の下流側への作動油の流れを阻止する方
向に設けられた第二のチェックバルブと、前記ロータリ
ー切換弁の下流側の第一の油路に車高アップ時に前記前
輪側油圧ジャッキ室または後輪側油圧ジャッキ室から前
記ポンプ室への作動油の流れを阻止する方向に設けられ
かつ車高ダウン位置設定時に開弁する第三のチェックバ
ルブと、 前記リリーフ油路に設けられかつ前記第三のチェック
バルブの下流の油圧をパイロット圧として開弁するリリ
ーフ弁とを備え、 前記第三のチェックバルブの下流の第一の油路から分
岐して、前記前輪側油圧ジャッキ室または後輪側油圧ジ
ャッキ室の他方の油圧ジャッキ室に連通する第四の油路
を設けたことを特徴とする。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に示す実施例により詳細に説明す
る。
第1図に、車両用油圧緩衝器である自動二輪車用リヤ
ークッションとフロントフォークを同時に車高調整でき
るセルフポンプ式車高調整装置の全体図を示す。
第一の油圧緩衝器であるリヤークッション1は、一端
に車軸または車体の一方の取付け部材2を有するシリン
ダ3と、このシリンダ3内に摺動可能に装着されたピス
トン4と、このピストンから取付け部材2と反対側へ突
出しかつ自由端に車軸または車体の残りの他方の取付け
部材5を有するピストンロッド6とを有し、ピストンロ
ッド側端部に設けられたばね受け7と、シリンダ側端部
に設けられたばね受け8との間に懸架ばね9が張設され
ている。ピストン4には、通常のように減衰力発生装置
が設けられている。
セルフポンプ式車高調整装置の一部を形成する後輪側
のジャッキ部10は、リヤークッション1のシリンダ3の
外周に固着されたスリーブ11を有し、このスリーブにプ
ランジャケース12が固定され、このプランジャケース12
の内周面とスリーブの外周面の間にプランジャ13が摺動
可能に装着され、プランジャ13の端部に連結されたスプ
リングカラー8aに懸架ばね9の圧力によりばね受け8の
端面が当接している。このようにして、プランジャケー
ス12とプランジャ13の間に後輪側油圧ジャッキ室Bが形
成される。
第二の油圧緩衝器であるフロントフォーク20は、車軸
側外筒21と、この外筒21内を摺動可能な車体側内筒22と
からなり、外筒底部から上方へ突出するシートパイプ
(図示省略)の上端のばね受け(図示省略)と、内筒22
の上端のばね受け23との間に懸架ばね24が張架されてい
る。
また、セルフポンプ式車高調整装置の一部を構成する
フロントフォーク20のジャッキ部25は、内筒22の上端に
固着されたフォークボルト22aに取りつけられたプラン
ジャケース26と、このプランジャケース内を摺動可能に
嵌合していてかつ貫通孔27を有するプランジャ28と、こ
のプランジャから外方へ突出するロッド29とからなる。
これによって、プランジャケース26とプランジャ28の間
に前輪側油圧ジャッキ室Cが形成される。ロッド29の先
端に前記のばね受け23が取りつけられている。
リヤークッション1のシリンダ内のポンプ室Aをリヤ
ークッション1のジャッキ部10の後輪側油圧ジャッキ室
Bに接続する第一の油路31が設けられ、この第一の油路
31に車高調整切換装置30が設けられ、実際にはこれは自
動二輪車の座席の後方下部に配設されて、乗車姿勢のま
ま操作可能である。第一の油路31は、後述のように、第
一の油路31a、31b、31c、31d、31e(31h、31i、31j)31
k、31g(31l、31m)31nから構成される。
第3図に示すように、車高調整切換装置の本体32には
フリーピストン33が装入されたオイルタンク34が螺着さ
れ、本体32はオイルタンクの蓋部材を兼ねている。フリ
ーピストン33により仕切られるオイルタンクの一方のガ
ス室Eにはガスが充満され、オイルタンクの他方の油溜
室Dには油が充満される。
第1図において、リヤークッション1のシリンダ内の
ポンプ室Aに第一の油路31aを介して接続された本体32
の管継手35の第一の油路31bは、第一の油路31cに接続さ
れ、この第一の油路31cには、圧縮側減衰力を発生する
バルブ機構40が設けられている。一方、第一の油路31
b、31cと直角に交差して下方の油溜室Dに連通する第二
の油路36(第2図、第3図)には、ばね38によりシート
37に着座して常時油溜室Dへの開口を閉鎖するように付
勢された第一のチェックバルブ39が設けられている。
第4図に示す前述したバルブ機構40において、スペー
サー41とボトムピース42の間にリング状のチェックバル
ブ43が配設され、ボトムピース42の中心孔44には、本体
32にねじこまれたホルダ45に外部から調整可能に螺着さ
れたニードル弁46の先端部が近接して絞られた流路を形
成している。ボトムピース42には、さらに中心孔44の周
囲に複数の通孔47が配設され、リング状のチェックバル
ブ43が伸長時に複数の通孔47を開放するように配設され
ている。
さらに、バルブ機構40からその下流へ向かう第一の油
路31dは、後輪側油圧ジャッキ室Bに到る上流側の第一
の油路31eを経て切換弁機構50に導かれる。この切換弁
機構50は回転可能なロータリー切換弁51を有し、このロ
ータリー切換弁51内には、二つの直交する第一の油路31
h、31i(第2図または第3図参照)が設けられている。
第1図と第2図のロータリー切換弁51の位置は、車高ア
ップ位置であり、第3図は車高ダウン位置である。ロー
タリー切換弁51は90゜回動し、また90゜戻すという回動
操作で、車高アップ位置と車高ダウン位置の二つの位置
を取ることができるように本体32内の孔に装入されてい
る。車高アップ状態(第1、2図)のときには、ロータ
リー切換弁51内に穿孔された直交する第一の油路31hの
両端のポートのうち、一方のポートが、第一の油路31の
ロータリー切換弁51の上流側の第一の油路31eに向き、
かつ他方のポートが第一の油路31のロータリー切換弁51
の下流側の第一の油路31kに向くようにセットされる。
ポートの開口する面は、第2図から分かるようにロータ
リー切換弁51の外周面より内方に引っ込んだ周溝51aの
底面に位置する。この周溝は180゜以上の角度にわたっ
て設けられている。車高ダウン位置(第3図)のときに
は、第一の油路31hの一方のポートが、油溜室Dに連通
する第三の油路54に向き、かつ他方のポートがリリーフ
油路66に向くようにセットされる。ロータリー切換弁51
内のもう一方の直交する第一の油路31iでは、一方のポ
ートにオリフィス31jが形成され、このオリフィスは、
第一の油路31iの他方のポート開口面に外周を加締め固
定された菊座菌52aと第二のチェックバルブ53との間に
付勢されたばね52により常時閉じている。第一の油路31
iは、車高アップ位置(第1、2図)にセットしたと
き、オリフィス31jが油溜室Dに連通する第三の油路54
に対向し、かつオリフィスと反対側のポートがリリーフ
油路66に対向する。車高ダウン位置(第3図)にセット
したときには、オリフィス31jが第一の油路31のロータ
リー切換弁51の下流側の第一の油路31kに対向し、かつ
オリフィスと反対側のポートがロータリー切換弁51の上
流側の第一の油路31eに向く。第一の油路31のロータリ
ー切換弁51の下流側の第一の油路31k内にある小径の円
筒孔75の下流側に向いたテーパー段部に弁座59(第2a
図)が形成され、この弁座に第三のチェックバルブ56が
ばね57により押圧されている。小径の円筒孔75内には、
一端でロータリー切換弁51の外周に180゜以上の角度に
わたって形成された周溝51aに摺接しかつ他端で前記第
三のチェックバルブ56を開閉する円筒状のタペット55が
摺動可能に装入されている。前記周溝51aを設けた理由
は、ロータリー切換弁51の外周面に互いに90゜に交差し
たポートを設けると、ロータリー切換弁51を90゜右へ回
動して、また90゜戻すという回転操作を誤って途中の45
゜で止めてしまったような場合に(もちろんこれを防止
するための90゜回動ストッパーおよびクリック機構を付
けてあるが)、ロータリー切換弁51の上流側の第一の油
路31eが、ロータリー切換弁の第一の油路31hまたは31i
のポートと合致しない状態になり、第一の油路31eの上
流の作動油はオイルロック状態となり、緩衝器は緩衝運
動をすることができなくなり、大きな衝撃荷重が加わっ
た場合には、緩衝器の破壊につながる。これを防止する
ために、90゜以内のいずれの位置でもロータリー切換弁
51の上流側の第一の油路31eとリリーフ油路66とが連通
するように形成したものである。タペット55は、第5図
から明らかなように、中心を通る第一の油路31lと、こ
の第一の油路31lと直交してタペット55の切り欠き面55a
に開口する分岐路31mとを有する。さらに第1図に示す
ように、ロータリー切換弁51の下流側の第一の油路31k
は、横に分岐した第一の油路31nに設けられた管継手58
から第一の油路31gを介して後輪側油圧ジャッキ室Bに
接続される。この横に分岐した第一の油路31nから管継
手58′を介して第四の油路80が第一の油路31から分岐し
てこの第四の油路80によりもう一方の前輪側油圧ジャッ
キ室Cに接続される。
ロータリー切換弁51の下流側の第一の油路31kは、第
2、3図に示すように、また横の油路68を経てブローバ
ルブ70に接続され、このブローバル70は油路69、第三の
油路54を介して油溜室Dに接続されている。ブローバル
70は、ばね71によりガイドホルダ72に保持されたボール
73が弁座を常時閉じているが、車高アップ時(第2図)
に第三のチェックバルブ56の下流の作動油が異常に昇圧
した場合、ばね71に抗して開いて油溜室Dに戻す安全回
路として設けられている。
また、車高アップ時にジャッキ部10の後輪側油圧ジャ
ッキ室Bおよびジャッキ部25の前輪側油圧ジャッキ室C
の内圧が所定値以上になったときにリヤークッション1
のポンプ室A内の油をオイルタンク34の油溜室Dに戻す
ために、リリーフ弁60(第2図または第3図)が、ロー
タリー切換弁51の孔51′内から分岐して油溜室Dに連通
するリリーフ油路66、バイパス油路65に設けられてい
る。すなわち、このリリーフ弁60は、本体32に設けた孔
61に摺動可能に挿入された弁体62と、この弁体をオイル
タンク34の油溜室D側に付勢するばね63とからなり、孔
61は基端側が大径d1に形成され、かつ本体32に形成され
たバイパス油路65に面する先端側が小径d2に形成され、
バイパス油路65の開口面に段部が形成され、この段部に
弁体62の先端が当接することにより弁座62′が形成され
る。弁体62は、本体31に形成されたリリーフ油路66と前
記バイパス油路65との連通をばね63の付勢力により通常
遮断している。さらに、弁体62は、先端側が小径に形成
されかつ基端側が大径に形成され、ばね63により孔61内
の弁座に付勢されているが、孔61の大径部と弁体62の小
径部との間には、前輪側油圧ジャッキ室Cまたは後輪側
油圧ジャッキ室Bに連通する本体32のパイロット油路64
に開口する油室Fが形成されている。
以上述べた油圧緩衝器のセルフポンプ式車高調整装置
の本発明の配置を、先行技術を示す第8図と比較して概
略の油圧回路で示すと、第6図のように本発明では第一
の油路31にある第三のチェックバルブ56の下流で前輪側
油圧ジャッキ室Cと後輪側油圧ジャッキ室Bとが連通し
ている。第6図はロータリー切換弁を車高アップ位置に
切り換えたときの本発明の回路図を示し、第7図はロー
タリー切換弁を車高ダウン位置に切り換えたときの従来
型の回路図を示す。
〔作用〕
以上のように構成された油圧緩衝器のためのセルフポ
ンプ式車高調整装置の作用を説明する。市街地を走行す
るときに、ロータリー切換弁51を第3図の車高ダウン位
置に切り換える。走行中、リヤークッション1の圧縮行
程でピストン4がシリンダ3に侵入すると、油がポンプ
室Aからピストン4の孔を通り、バルブ4aを押し上げて
ポンプ室と反対側のシリンダ油室に流れ、このときの抵
抗により圧縮側減衰力を発生する。同時にピストンロッ
ドの侵入体積分のポンプ室Aの油は、第一の油路31aか
ら第一の油路31bに入る。この第一の油路31bから分岐し
て油溜室Dに連通する第二の油路36の第一のチェックバ
ルブ39(第2図)が閉じられているので、さらに第一の
油路31cを経て圧縮側減衰力を発生するバルブ機構40に
油路44(第4図)より流入し、ニードル弁46との絞られ
た流路により圧縮側減衰力を発生する。さらに、バルブ
機構40を出た油は、ロータリー切換弁51の上流側の第一
の油路31dよりロータリー切換弁51の上流側の第一の油
路31eを経て切換弁機構50のロータリー切換弁51内の第
一の油路31i(第3図)に流れるが、第二のチェックバ
ルブ53によりジャッキ部への油路が閉じられているの
で、第三の油路54を経てオイルタンク34の油溜室Dに流
入する。ガス室Eは、ピストンロッドの侵出入に伴う体
積補償を行う。伸長行程では、ポンプ室A内の油がピス
トン4の斜めの孔を通り、バルブ4bを押し上げてポンプ
室Aに流れ、このとき伸び側減衰力を発生する。このポ
ンプ室Aからピストンロッドが抜かれた体積分だけの油
が、オイルタンク34の油溜室Dから、ポンプ室A内の減
圧により開かれた第一のチェックバルブ39(第3図)を
通り、第二の油路36、第一の油路31b、管継手35、第一
の油路31aを経てリヤークッション1のポンプ室Aに流
れ、直接かつ迅速に補充される。また、バルブ機構40
(第4図)のボトムピース42の複数の通孔47を閉塞して
いるリング状のチェックバルブ43を開いてこちらからも
シリンタ内ポンプ室Aに還流する。
荒れ地走行に入る際に、ロータリー切換弁51を第1図
または第2図に示した車高アップ位置に切り換えると、
リヤークッション1の圧縮行程時にピストンロッドの侵
入体積分の油がポンプ室Aより第一の油路31a、31b、31
c(第1図)を経てバルブ機構40に入り、ニードル弁46
に絞られて圧縮側減衰力を発生し、さらに油は、ロータ
リー切換弁51の上流側の第一の油路31dよりロータリー
切換弁51の上流側の第一の油路31eを経てロータリー切
換弁51内の第一の油路31hを通り、タペット55の中心の
第一の油路31lを通って、さらに第三のチェックバルブ5
6をばね57に抗して押圧してロータリー切換弁51の下流
側の第一の油路31kを流れ、リリーフ弁62の開弁圧に達
するまでは、ポンプ室Aの油は第一の油路31nにより互
いに連通している第一の油路31gと第四の油路80を経て
それぞれ後輪側油圧ジャッキ室Bと前輪側油圧ジャッキ
室Cに流入する。この場合、前輪側油圧ジャッキ室Cと
後輪側油圧ジャッキ室Bが第三のチェックバルブ56の下
流で互いに連通しているので、これらの間を作動油が自
由に出入りし、車体がピッチング運動を行うことがで
き、従って緩衝器のポンプ作用が促進されて車高上昇時
間が短くなる。リヤークッション1のポンプ室A内より
流入する作動油の圧力がさらに上昇してブローバルブ70
の開弁圧に達すると、圧力油がブローバルブ70のボール
73を押し下げ、油溜室Dにも流入する。
リヤークッション1の伸長行程時には、ピストンロッ
ドのシリンダ外への退出によりポンプ室A内が減圧され
るので、第三のチェックバルブ56が吸引されて、反対側
の対向する弁座59を閉じ、リヤークッション1とフロン
トフォーク20のジャッキ部10、25の油が逆流できない
が、このときシリンダのポンプ室A内の減圧により第一
のチェックバルブ39が開くので、オイルタンク34の油溜
室D内の油が直接第二の油路36、第一の油路31b、31aを
経てリヤークッション1のポンプ室A内にて流れてピス
トンロッドの抜けた体積分の油を迅速に補償する。この
ようなリヤークッション1の圧縮と伸長行程の繰り返し
により、第三のチェックバルブ56の作用を介してセルフ
ポンピング作用が行われ、リヤークッションの圧縮行程
ごとに油が後輪側油圧ジャッキ室Bと前輪側油圧ジャッ
キ室Cに導かれ、それぞれの懸架ばね9と24を徐々に圧
縮してゆく。後輪側と前輪側油圧ジャッキ室BとCの内
圧が所定値以上になると、その高圧油がパイロット油路
64(第2図)を通して油室Fに作用し、リリーフ弁60の
弁体62を第2図で上側へばね63に抗して押し、これによ
って弁体62の先端が弁座62bから離れるので、リヤーク
ッション1のシリンダのポンプ室A内の油がリリーフ油
路66からバイパス油路65を通ってオイルタンク34の油溜
室Dに戻される。
このようにして、懸架ばね9と24が徐々に圧縮される
が、車体は懸架ばね9と24によりバランスされているの
で、それぞれのプランジャ13と28が懸架ばね9と24を圧
縮することにより懸架ばね荷重が増加し、車体を押し上
げて車高が増加することになる。
荒れ地走行から市街地走行に入ったときに、ロータリ
ー切換弁51を回動させて第3図の車高ダウン位置に切り
換えると、タペット55がロータリー切換弁51の外側の円
周部で押し上げられ、第三のチェックバルブ56を弁座59
から離脱させる。すると、後輪側油圧ジャッキ室Bおよ
び前輪側油圧ジャッキ室C内の高圧油が開いている第三
のチェックバルブ56の外周を通り、タペット55のそれぞ
れの軸方向外周の切り欠き面55aにより小径の円筒孔内
周に区画された通路からタペット(第5図)に穿孔され
た径方向の第一の油路31m、さらに第一の油路31lを経
て、ロータリー切換弁51のオリフィス31jを通り、ロー
タリー切換弁内に介装された第二のチェックバルブ53を
ばね52に抗して押圧して開き、ロータリー切換弁の第一
の油路31hから本体32の第三の油路54を通って油溜室D
に流入する。これにより、後輪側油圧ジャッキ室Bと前
輪側油圧ジャッキ室Cの油が抜かれるので、それぞれプ
ランジャ13と28が後退し、従って車高が減少することに
なる。
〔発明の効果〕
本発明では、車両用油圧緩衝器に形成されたポンプ室
と車高調整するための前輪側または後輪側油圧ジャッキ
室の一方の側の油圧ジャッキ室とを接続する第一の油路
に設けられ、後輪側油圧ジャッキ室からポンプ室側への
作動油の流入を阻止するチェックバルブの下流で前輪側
油圧ジャッキ室に連通する第四の油路が分岐し、チェッ
クバルブの下流で前輪側と後輪側の油圧ジャッキ室が連
通しているので、両方の油圧ジャッキ室との間を作動油
が自由に出入りし、このため車体が前後方向のピッチン
グ運動を行うことができる。従って、上下方向振動の振
幅にピッチング運動の振幅が加わり、車両用油圧緩衝器
のポンプ作用が大幅に増大し、車高上昇時間が短くな
る。実際に行ったテスト結果によると、前輪側油圧ジャ
ッキ室と後輪側油圧ジャッキ室が第三のチェックバルブ
56の下流で分岐していて直接連通していない従来型の車
高調整装置に比較して、本発明による車高調整装置の効
率が未舗装のラフコースで1.8に倍および舗装ラフコー
スで1.2倍に増加した。
また、本発明の第6図と従来の第7、8図を比較すれ
ば分かるように、本発明の第一の油路31と第四の油路80
は第三のチェックバルブ56の下流で分岐してそれぞれ後
輪側油圧ジャッキ室Bと前輪側油圧ジャッキ室Cへ連通
しているために、ロータリー切換弁内には共通の一本の
油路を設けるだけですみ、車高調整切換装置の小型化お
よび部品点数の削減につながるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるセルフポンプ式車高調整装置を備
えた自動二輪車のリヤークッションとフロントフォーク
の全体図で、セルフポンプ式車高調整装置のロータリー
切換弁が車高アップ位置に切り換えられている状態を示
す縦断面図、第2図は第1図の線II−IIに沿って切断し
たセルフポンプ式車高調整装置の部分断面図、第2a図は
第2図のロータリー切換弁、タペット、第三のチェック
バルブの付近の拡大図、第3図は第2図と同様な部分断
面図であるが、ロータリー切換弁が車高ダウン位置に切
り換えられた状態を示す図、第4図は第1図のセルフポ
ンプ式車高調整装置のバルブ機構を示す部分断面図、第
5図はセルフポンプ式車高調整装置のロータリー切換弁
に隣接するタペットの斜視図、第6図は本発明によるセ
ルフポンプ式車高調整装置を備えたリヤークッションと
フロントフォークのための概略油圧回路図で、車高アッ
プ位置に切り換えられた状態を示す図、第7図は従来型
のセルフポンプ式車高調整装置を備えた車両用油圧緩衝
器のための油圧回路図で、車高ダウン位置に切り換えら
れた状態を示す図、第8図は第7図の位置から車高アッ
プ位置に切り換えられた状態にある従来型の同様な油圧
回路図である。 A……シリンダ内のポンプ式 B……後輪側油圧ジャッキ室 C……前輪側油圧ジャッキ室 D……油溜室 30……車高調整切換装置 31……第一の油路 51……ロータリー切換弁 53……第二のチェックバルブ 56……第三のチャックバルブ 80……第四の油路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体側と車軸側の間に配置された後輪側の
    油圧緩衝器内に形成されたポンプ室と、 車体側と車軸側間の距離を調整して車高調整するための
    前輪側油圧ジャッキ室および後輪側油圧ジャッキ室と、 油溜室と、 前記ポンプ室と油溜室を連通する第二の油路と、 前記第二の油路に、前記ポンプ室から前記油溜室への作
    動油の流れを阻止する方向に設けられた第一のチェック
    バルブと、 前記ポンプ室と前記前輪側油圧ジャッキ室または後輪側
    油圧ジャッキ室のいずれか一方の油圧ジャッキ室を連通
    する第一の油路と、 前記第一の油路に直交するように形成されかつそれぞれ
    前記油溜室に連通するリリーフ油路と第三の油路と、 前記第一の油路の前記ポンプ室側である上流側、前記第
    一の油路の前記油圧ジャッキ室側である下流側、前記リ
    リーフ油路および前記第三の油路を接続する車高調整切
    換装置と、 前記車高調整切換装置の本体に内装されたロータリー切
    換弁と、 前記ロータリー切換弁内に直交して形成された一方の油
    路(31i)と他方の油路と、 前記ロータリー切換弁を車高アップ位置に回転させたと
    きに前記第三の油路に対向しかつ前記ロータリー切換弁
    を車高ダウン位置に回転させたときに前記第一の油路の
    下流側に対向するように配置された前記一方の油路(31
    i)の一方のポートと、 前記一方の油路の前記他方の油路との交差点と前記一方
    の油路の一方のポートとの間に、車高アップ位置設定時
    に前記ポンプ室から前記第三の油路への作動油の流れを
    阻止しかつ車高ダウン位置設定時に前記ポンプ室から前
    記第一の油路の下流側への作動油の流れを阻止する方向
    に設けられた第二のチェックバルブと、 前記ロータリー切換弁の下流側の第一の油路に車高アッ
    プ時に前記前輪側油圧ジャッキ室または後輪側油圧ジャ
    ッキ室から前記ポンプ室への作動油の流れを阻止する方
    向に設けられかつ車高ダウン位置設定時に開弁する第三
    のチェックバルブと、 前記リリーフ油路に設けられかつ前記第三のチャックバ
    ルブの下流の油圧をパイロット圧として開弁するリリー
    フ弁と備え、 前記第三のチャックバルブの下流の第一の油路から分岐
    して、前記前輪側油圧ジャッキ室または後輪側油圧ジャ
    ッキ室の他方の油圧ジャッキ室に連通する第四の油路を
    設けたことを特徴とするセルフポンピング式車高調整装
    置。
  2. 【請求項2】前記ポンプ室と前記油溜室を連通する第二
    の油路が前記ポンプ室と前記ロータリー切換弁の間の第
    一の油路から分岐していることを特徴とする請求項1に
    記載のセルフポンピング式車高調整装置。
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