JP3190034B2 - 酸化物系触媒、その製造法、該触媒を用いたco▲下2▼の接触水素化方法、および該触媒を用いたco▲下2▼とh▲下2▼からの液状炭化水素の製造法 - Google Patents

酸化物系触媒、その製造法、該触媒を用いたco▲下2▼の接触水素化方法、および該触媒を用いたco▲下2▼とh▲下2▼からの液状炭化水素の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、還元処理したCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag
系触媒からなるCO2の接触水素化反応用の酸化物系触媒
およびその製造法に関するものである。また、該触媒を
用いたCO2の接触水素化方法、および該触媒を用いたCO2
とH2からの液状炭化水素の製造法に関するものである。
従来の技術 近年、CO2の蓄積による地球の温暖化が深刻な環境問
題となっており、CO2の排出量の削減が急務となってい
る。もしCO2を液体燃料等の有用成分に変換し再資源化
することができれば、地球温暖化の問題および石油資源
の節減が一挙に達成できることになる。
〈CO2の接触水素化によるメタノールの合成〉 CO2の接触水素化によりメタノールを得ることについ
ては種々の提案がなされており、そのためのメタノール
合成触媒の研究も進行している。この目的の触媒として
は、酸化物系触媒、金属触媒および合金触媒が知られて
おり、これらの中では酸化物系触媒の性能が良いとされ
ている。酸化物系触媒の例としては、 ZnO、 ZrO2、 Cu/ZnO、 Cu/oxide、 Cr2O3/ZnO、 Cu/ZnO/oxide、 Cu/ZnO/Al2O3、 ZnO/oxide などがあげられる。
〈メタノールからの液状炭化水素の合成〉 メタノールからの炭化水素の合成触媒については、特
開昭53−58499号公報に、 M2/nO:Al2O3:(8〜50)SiO2 (Mは原子価nのカチオン)の組成を有し、特定のX線
粉末回析パターンおよび特定のn−ヘキサン吸着能を有
する結晶性アルミノシリケートゼオライト触媒を用いた
報告がある。
また本発明者らは、次に示すような一連の出願を行っ
ている。
・特開昭57−63135号公報 結晶性アルミノシリケートゼオライト触媒使用 ・特開昭57−144038号公報 結晶性アルミノシリケートゼオライト触媒使用 ・特開昭59−62348号公報 アミン修飾高シリカゼオライト触媒使用 ・特開昭59−62349号公報 高シリカゼオライト触媒使用 ・特開昭59−136386号公報 高シリカゼオライト触媒使用 ・特開昭60−12135号公報 メタロシリケート触媒使用 そのほか、本発明者らの発表にかかるJournal of Cat
alyst,98,491−501(1986)には、H型の鉄−シリケー
ト触媒を用いてメタノールから炭化水素を得る方法が示
されている。
〈CO2とH2からの液状炭化水素の製造〉 CO2の接触水素化によりメタノールに富むガスを合成
すると共に、反応ガスから直接液状炭化水素を合成する
方法も知られている。
すなわち、本発明者らの発表にかかる「日本化学会59
春季年会、受賞講演予稿集、308頁」および「石油学会
第33回年会、特別講演、第34回研究発表会、講演要旨、
71〜74頁」には、第1反応器と第2反応器を直列に結
び、第1反応器においては、還元処理したCuO/ZnO/Cr2O
3/Al2O3触媒あるいはそれをPdで修飾した触媒を用いてC
O2およびH2からメタノールに富むガスを製造し、ついで
第1反応器からの導出ガスをそのまま第2反応器に供給
し、第2反応器においてH型のFe−シリケート触媒と接
触させることにより、液状炭化水素に富む成分に変換す
る方法が示されている。
この方法は、地球温暖化の原因とされているCO2の削
減対策と石油資源の節減とが一挙に達成される可能性を
有するため、現在最も注目を浴びている方法である。
発明が解決しようとする課題 CO2の接触水素化によるメタノール合成については上
記のように種々の検討がなされており、メタノールから
の炭化水素の合成についても上記のように種々の検討が
なされている。
しかしながら、本発明者らが「日本化学会59春季年
会、受賞講演予稿集、308頁」および「石油学会第33回
年会、特別講演、第34回研究発表会、講演要旨、71〜74
頁」で発表した方法、つまり、還元処理したCuO/ZnO/Cr
2O3/Al2O3触媒あるいはそれをPdで修飾した触媒を用い
てCO2およびH2からメタノールを製造する方法も、CO2
化率およびメタノール選択率の点でなお改良の余地があ
った。
もし、上記の方法に比し、第1反応器での反応におけ
るCO2転化率およびメタノール選択率を向上できれば、C
O2およびH2からの液状炭化水素の製造は一挙に実現化す
ることになる。
本発明は、このような背景において、CO2の接触水素
化反応用の新規な酸化物系触媒とその製造法を提供する
こと、および該触媒を用いたCO2の接触水素化方法を提
供すること、さらには該触媒を用いたCO2とH2からの液
状炭化水素の製造法を提供することを目的になされたも
のである。
課題を解決するための手段 本発明のCO2の接触水素化反応用の酸化物系触媒は、
還元処理したCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒であっ
て、その還元処理前の組成が、 CuO 15〜35重量%、 ZnO 20〜50重量%、 Cr2O3 0.6〜 5重量%、 Al2O3 25〜40重量%、 Ag 0.5〜 8重量% であるものである。
また、本発明のCO2の接触水素化反応用の酸化物系触
媒の製造法は、Cu、Zn、CrおよびAlの水溶性塩の水溶液
を静置状態でNH3ガスと接触させてゲル化した後、乾
燥、焼成したものX1に、Al2O3に含浸法によりAgの水溶
性塩を含浸させた後、乾燥、加熱分解、水素還元を行っ
たものX2を物理的に混合して、上記の組成を有するCuO
−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒を得、これをさらに使
用の前にH2で還元処理することを特徴とするものであ
る。
本発明のCO2の接触水素化方法は、CO2およびH2を主成
分とする混合ガスを反応器に供給し、請求項1記載の還
元処理したCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒との接触
によりメタノールに富むガスに変換することを特徴とす
るものである。
また、本発明のCO2とH2からの液状炭化水素の製造法
は、CO2およびH2を主成分とする混合ガスを第1反応器
に供給し、請求項1記載の還元処理したCuO−ZnO−Cr2O
3−Al2O3−Ag系触媒との接触によりメタノールに富むガ
スに変換する第1工程、該第1工程からの導出ガスを引
き続き第2反応器に供給し、H型のFe−シリケート触媒
との接触により液状炭化水素に富む成分に変換する第2
工程からなることを特徴とするものである。
以下本発明を詳細に説明する。
酸化物系触媒 本発明のCO2の接触水素化反応用の酸化物系触媒は、
還元処理したCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒であっ
て、その還元処理前の組成は、 CuO 15〜35重量%、 ZnO 20〜50重量%、 Cr2O3 0.6〜 5重量%、 Al2O3 25〜40重量%、 Ag 0.5〜 8重量% に設定される。
CO2の接触水素化に供した場合、このような組成にお
いて最適のCO2転化率およびメタノール選択率が得られ
る。
たとえばAg成分に着目した場合、Agの添加量が上記範
囲より少ないときはAg添加効果が不足してCO2転化率お
よびメタノール選択率の向上の度合が小さく、一方その
割合が余りに多いときは、Agのシンタリングなどを伴っ
て効果が減少するおそれがあり、なおかつ触媒コストが
極端に高くなり、実用性を損なうようになる。なお、Ag
に代えてRh、Ru、Pdを用いることも試みたが、Rhの場合
は反応抑制作用があってCO2転化率が減少し、RuはCO2
化率を顕著に向上させるものの、メタノール選択率が著
減して専らメタンが生成してしまう。Pdは良い結果を与
えるが、Agに比してはCO2転化率およびメタノール選択
率がやや低い。
酸化物系触媒の製造 上記の酸化物系触媒は、好適には次の方法により調製
される。
すなわち、まず、Cu、Zn、CrおよびAlの水溶性塩(た
とえば硝酸塩)を水に溶解して水溶液を調製する。塩の
添加順序は任意である。塩の濃度はできるだけ高濃度に
することが望ましい。次に、この水溶液を静置状態でNH
3ガスと接触させてゲル化させる。水溶液の温度は室温
ないし70℃程度とするのが通常であり、殊に50〜60℃前
後とすることが望ましい。NH3ガスとの接触は、NH3ガス
を用いる方法、NH3水からNH3ガスを揮散させる方法など
が採用される。いずれの場合にも、水溶液自体は実質的
に撹拌せず、水溶液表面からNH3ガスを吸収させるよう
にすることが好ましい。ゲル化時の圧力は常圧で行う
が、多少加圧しても差し支えない。ゲル化後は、乾燥を
行った後、高温で(たとえば300〜500℃程度で)焼成
し、必要に応じ打錠、破砕、篩分け等を行う。これをX1
とする。
別途、Al2O3(通常はγ−アルミナを使用する)に通
常の含浸法によりAgの水溶性塩を含浸させてから乾燥
し、これを加熱分解後水素還元して、Agを担持させたAl
2O3を準備しておく。これをX2とする。そして、このよ
うにして得たX1とX2とを物理的に混合し、上記の組成を
有するCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒を得る。
なお、X1中のAl2O3とX2のAl2O3との重量比は、5:5〜
9:1、殊に6:4〜8:2とすることが好ましく、後者の割合
が余りに小さくても大きくても、最適の触媒性能が得ら
れなくなる。
その後、上記で得た触媒(CuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3
Ag系触媒)につき、さらに使用の前にH2で還元処理を行
う。
この還元処理は、H2をN2などの不活性ガスで稀釈して
用い、温度200〜600℃程度にて数分ないし数時間(たと
えば10分〜5時間)処理することによりなされる。
上に述べた方法は、通常の共沈法により得られた同じ
組成の触媒に比し、活性が著しく高い。
CO2の接触水素化 上記の酸化物系触媒は、CO2の接触水素化触媒として
用いられる。
CO2の接触水素化は、CO2およびH2を主成分とする混合
ガスを反応器に供給し、上記の酸化物系触媒との接触さ
せることにより達成できる。これによりメタノールに富
むガスが得られる。
この反応器における反応は、後述のCO2およびH2から
の液状炭化水素の製造における第1反応器における反応
と同じであるので、そこで詳述するものとし、ここでは
原料ガスについてのみ説明を行うことにする。
原料ガスとしては、CO2およびH2を主成分とする混合
ガスが用いられる。
このうちCO2は、発電所や製鉄所から排出される燃焼
ガス、天然ガス、石油精製ガス、アンモニア合成副生ガ
ス、コークス炉などから、膜分離法、圧力スイング分離
法、吸収分離法等の手段により分離取得することができ
る。
H2は、水の電気分解により得られるH2、工場内の他の
プロセスあるいは他工場から供給されるH2などを用いる
ことができる。
CO2とH2の混合比は、理論的にはモル比で1:3に設定す
るが、2:8〜7:3程度の範囲であれば許容される。COを含
む場合はCO2の割合を適度に調整後、原料ガスとして供
給すればよい。
なお原料ガスは、本発明の趣旨を損なわない限りにお
いて、CO2とH2以外の成分、たとえばN2、CO、H2O、炭化
水素、アルコールなどを含んでいても差し支えない。た
だし、触媒毒となるおそれのある含イオウ化合物や窒素
酸化物、反応速度を遅延するおそれのあるO2は、許容限
度以下にまで除去しておくことが望ましい。
CO2およびH2からの液状炭化水素の製造 CO2およびH2からの液状炭化水素を得るには、CO2およ
びH2を主成分とする混合ガスを第1反応器に供給し、上
記の還元処理したCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒と
の接触によりメタノールに富むガスに変換する第1工
程、該第1工程からの導出ガスを引き続き第2反応器に
供給し、H型のFe−シリケート触媒との接触により液状
炭化水素に富む成分に変換する第2工程を実施すること
により達成される。
第1反応器内部には、上記の酸化物系触媒が固定床ま
たは流動床として充填される。なお酸化物系触媒の還元
処理は、CuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒を反応器に
充填してから行ってもよい。この反応器は、加熱可能に
構成される。
第1工程における反応圧力は20〜120気圧程度、殊に3
0〜100気圧程度、反応温度は150〜300℃、殊に200〜280
℃程度が適当である。圧力が余りに低いときはCO2転化
率、メタノール選択率が低下し、圧力が余りに高くなる
と装置コスト、エネルギーコストの点で不利となる。温
度が余りに低いときはCO2転化率、メタノール選択率が
低下し、温度が余りに高いときは優先的にメタン化反応
が生ずる上、エネルギー的に不利となる。
第1工程を経た導出物は、その一部を第1反応器の前
にリサイクルすることもできる。
第2工程で使用される触媒、つまりH型のFe−シリケ
ート触媒は、水溶性Fe塩、含窒素有機カチオンおよび無
機酸を含有する水溶液G1とケイ酸塩水溶液G2とをイオン
調整剤水溶液G3に添加して激しく撹拌し、生成した沈澱
ゲルを分離して擂潰し、ついでこれを不活性ガス雰囲気
下で水熱合成し、得られた結晶を洗浄後、乾燥し、さら
に高温で焼成した後、硝酸アンモニウム水溶液を用いて
イオン交換反応させ、洗浄、乾燥を行ってから、さらに
空気中で焼成することにより得られる。ここで含窒素有
機カチオンとしては、テトラプロピルアンモニウムブロ
マイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テト
ラエチルアンモニウムヒドロキシドなどが用いられ、無
機酸としては硫酸などが用いられ、イオン調整剤として
は塩化ナトリウムなどが用いられる。
Fe含量の大きいH型のFe−シリケート触媒を得るとき
は、水溶性Fe塩の水溶液にSiO2含量の多いケイ素塩水溶
液とアンモニア水を添加混合し、生成した沈澱ゲルにつ
き上記と同様の操作を施せばよい。
第2反応器内部には、上記のH型のFe−シリケート触
媒が固定床または流動床として充填される。この反応器
は加熱可能に構成される。
第2工程における反応圧力は通常常圧に設定するが、
もし必要なら加圧または減圧下に行ってもよい。反応温
度は250〜400℃、殊に270〜350℃程度が適当である。温
度が余りに低いときは転化率が低くなり、温度が余りに
高いときはエネルギー的に不利となる上、液状炭化水素
選択率が低下するようになる。
第2工程の反応に際しては、第2反応器の前に、低級
オレフィン、第2反応器からの導出物の一部、環状オレ
フィンまたは易オレフィン生成性アルコールを追加供給
することができ、これにより液状炭化水素の選択率が向
上する。
ここで低級オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、イソブチレンなどがあげられる。第2反
応器からの導出物には低級オレフィンも含まれるので、
この低級オレフィンが利用されることになる。環状オレ
フィンとしては、シクロヘキセンなどがあげられる。易
オレフィン生成性アルコールとしては、エタノール、イ
ソプロパノール、アリルアルコール、シクロヘキサノー
ルなどがあげられ、これらのアルコールは触媒表面でオ
レフィンに変換されることになる。
その他 なお上記においては、CO2およびH2から液状炭化水素
を得る最適な方法として、第2工程でH型のFe−シリケ
ート触媒を用いる場合について述べたが、第1工程で上
記の酸化物系触媒を用いる限りは、第2工程で他の触媒
を用いてもよい。
作用 還元処理したCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒から
なる本発明のCO2の接触水素化反応用の酸化物系触媒に
あっては、Agを添加しないものに比しCO2転化率および
メタノール選択率が顕著に向上する。また、Agに代えて
他の貴金属を添加したものに比してもすぐれた結果が得
られる。
このことから、触媒中のAgはH2スピルオーバーの拠点
となっているものと考えられる。
実 施 例 次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。
実施例1 酸化物系触媒の調製 下記の処方にて高濃度水溶液を調製した。
Cu(NO3・3H2O 3.82g Zn(NO3・6H2O 7.57g Cr(NO3・9H2O 0.29g Al(NO3・9H2O 7.89g 水 65.0 g 合計 84.6 g この水溶液84.6gをトレイに入れて温度60℃の恒温槽
内に静置し、さらにこの恒温槽内に28重量%濃度のアン
モニア水150mlを入れたトレイを置き、15分間放置し
た。これにより、揮散したNH3ガスが水溶液に吸収さ
れ、水溶液がゲル化した。
得られたゲルを温度120℃で一夜乾燥した後、空気雰
囲気下に、室温から150℃まで30分かけて昇温し、引き
続き150℃から350℃まで2時間かけて昇温し、さらに35
0℃で3時間焼成した。
焼成物を放冷後、打錠成型してから破砕し、篩分けに
より10〜24メッシュの部分を取得した。これにより、Cu
O−ZnO−Cr2O3−Al2O3系触媒が得られた。これをX1とす
る。
また、γ−Al2O3に通常の含浸法によりAgを担持させ
た。すなわち、AgNO3 0.33gを水1.0gに溶解して水溶液
を調製し、これをγ−Al2O3 0.54gに含浸させてから乾
燥し、さらに加熱分解後、水素還元した。これをX2とす
る。
このX2を上記のX1と機械的に混合した。これにより、 CuO 24.0重量% ZnO 39.8重量% Cr2O3 1.2重量% Al2O3 31.0重量% Ag 4.0重量% の組成を有するCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒が得
られた。
ついでこの触媒をステンレス鋼製の管に充填し、N2
稀釈した1容量%濃度のH2ガスを流速100ml/minにて通
し、室温〜500℃で1時間、さらに500℃で30分間還元処
理した。
H型のFe−シリケート触媒の調製 FeCl3・6H2O 0.22g、H2SO43.38ml、テトラプロピル
アンモニウムブロマイド5.75g、NaCl 11.95gおよび水60
mlよりなる水溶液G1と、水ガラス69g、水45mlよりなる
水溶液G2とを、NaCl40.6g、H2SO41.55ml、テトラプロピ
ルアンモニウムブロマイド2.16g、NaOH 2.4gおよび水20
8mlよりなる水溶液に添加し、pHを9〜11に保ちながら
室温にて激しく撹拌した。生成した沈澱ゲルを遠心分離
により分離し、1時間擂潰した。
別途、水60ml、FeCl3・6H2O 0.23g、H2SO43.38ml、
テトラプロピルアンモニウムブロマイド7.53gよりなる
水溶液と、水45ml、水ガラス6.0gよりなる水溶液とを、
水104ml、NaCl26.3gよりなる水溶液に添加して混合水溶
液を調製すると共に、その水溶液の上澄み液を取得し
た。
上記の擂潰物と上記の上澄み液とを混合してオートク
レーブに入れ、オートクレーブ内の雰囲気をN2ガスで3k
g/cm2Gに置換した。室温から160℃にまで1.5℃/minの速
度で昇温し、さらに12℃/minの速度で210℃まで昇温し
た。得られた結晶をClイオンが検出されなくなるまで蒸
留水で洗浄後、120℃で3時間乾燥し、さらに空気流中
で540℃にて3.5時間焼成した。これを1Mの硝酸アンモニ
ウム水溶液を用いて2回イオン交換反応させ、蒸留水で
洗浄後、100℃で一夜乾燥を行ってから、さらに空気中
で540℃にて3.5時間焼成した。これにより、H型のFe−
シリケート触媒が得られた。
反 応 内径10mmのステンレス鋼製の第1反応器に上記の還元
処理したCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒1.8mlを充
填した。
また、内径10mmのステンレス鋼製の第2反応器に上記
のH型のFe−シリケート触媒3.6mlを充填した。
第1反応器と第2反応器とを直列につなぎ、それぞれ
をオーブン中にセットした。また、CO225容量%、H275
容量%の混合ガスを充填したボンベ、ストップバルブ、
減圧弁、ニードル弁、流量計、圧力計、熱電対、温度記
録計、ガスサンプラー、ヒーター等を付設した。また分
析のために、インテグラーを備えたガスクロマトグラフ
を設置した。
ボンベから混合ガスを第1反応器に供給すると共に、
下記の条件で反応を行った。第1反応器からの導出ガス
は、分析のためのサンプリング量を除き、全量第2反応
器に送った。
第1反応器 圧力 50気圧、 温度 250℃、 空間速度 4700hr-1 第2反応器 圧力 1気圧、 温度 300℃、 空間速度 1680hr-1 第1反応器からの導出ガスをサンプリングして分析し
たところ、CO2転化率は27.1%であった。メタノール選
択率は17.2%(63.5Cwt%)、CO選択率は9.7%(35.8Cw
t%)、ジメチルエーテル選択率は0.2%であり、メタン
は痕跡量しか生成しなかった。
また、第2反応器からの導出物中の炭化水素の分析結
果は次の通りであった。メタノール転化率は34.0%、炭
化水素選択率は1パスの場合で80.1%であった。
C1成分 0.4% C2成分(飽和) 0.0% C2成分(不飽和) 8.2% C3成分(飽和) 3.0% C3成分(不飽和) 17.7% C4成分(飽和) 8.9% C4成分(不飽和) 15.7% C5成分 14.6% C6以上成分(脂肪族) 28.4% 芳香族成分 3.1% C5成分、C6以上成分(脂肪族)および芳香族成分の合
計量、つまりガソリン成分は46.1%であった。
比較例1 Cu(NO3・3H2O、Zn(NO3・6H2O、Cr(NO3
・9H2O、Al(NO3・9H2Oおよび水をそれぞれ3.82
g、7.57g、0.29g、11.83g、50.0g宛秤量し、これらの塩
を水に溶解して73.5gの高濃度水溶液を調製した。各成
分の百分率は次の通りとなる。
Cu(NO3・3H2O 5.2重量% Zn(NO3・6H2O 10.3重量% Cr(NO3・9H2O 0.4重量% Al(NO3・9H2O 16.1重量% 水 68.9重量% 合計 100 重量% この水溶液73.5gを用い、以下実施例1のX1の製造法
と同じ条件でゲル化、焼成、打錠成型、破砕、篩分けを
行った。これにより、 CuO 25.0重量% ZnO 41.5重量% Cr2O3 1.2重量% Al2O3 32.3重量% の組成を有するCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3系触媒が得られ
た。
ついでこの触媒を実施例1と同じ条件で還元処理し
た。
この触媒を第1反応器における触媒として用い、他の
条件については実施例1と同一にして実施例1の反応を
繰り返した。
第1反応器からの導出ガスをサンプリングして分析し
たところ、CO2転化率は20.5%であった。メタノール選
択率は10.5%(51.2Cwt%)、CO選択率は10.5%(48.8C
wt%)であり、メタンは痕跡量しか生成せず、ジメチル
エーテルは検出されなかった。
比較例2 Pd(NO330.46gを水1.0gに溶解して水溶液を調製
し、これをγ−Al2O3 0.55gに含浸させてから乾燥し、
さらに加熱分解後、水素還元した。これをX2とする。
このX2を実施例1で同じ方法で調製したX1と機械的に
混合した。これにより、 CuO 24.2重量% ZnO 39.7重量% Cr2O3 1.2重量% Al2O3 30.9重量% Pd 4.0重量% の組成を有するCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Pd系触媒が得
られた。
ついでこの触媒を実施例1と同じ条件で還元処理し
た。
この触媒を第1反応器における触媒として用い、他の
条件については実施例1と同一にして実施例1の反応を
繰り返した。
第1反応器からの導出ガスをサンプリングして分析し
たところ、CO2転化率は24.8%であった。メタノール選
択率は13.8%(55.6Cwt%)、CO選択率は11.0%(44.4C
wt%)であり、メタンおよびジメチルエーテルは検出さ
れなかった。
また、第2反応器からの導出物中の炭化水素の分析結
果は次の通りであった。メタノール転化率は33.0%、炭
化水素選択率は80.0%であった。
C1成分 0.4% C2成分(飽和) 0.0% C2成分(不飽和) 8.0% C3成分(飽和) 3.2% C3成分(不飽和) 18.3% C4成分(飽和) 8.8% C4成分(不飽和) 15.9% C5成分 14.4% C6以上成分(脂肪族) 28.3% 芳香族成分 2.7% C5成分、C6以上成分(脂肪族)および芳香族成分の合
計量、つまりガソリン成分は45.4%であった。
発明の効果 本発明のCO2の接触水素化反応用の酸化物系触媒を用
いれば、CO2の接触水素化反応におけるCO2転化率および
メタノール選択率が従来の触媒を用いた場合に比し向上
し、工業的な実用化の域に達する。
また、CO2およびH2からの液状炭化水素の製造に適用
したときも、液体燃料として使用可能な液状炭化水素を
一挙に得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 小濱 亨 京都府京都市左京区田中関田町26 寺井 荘2―2 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】還元処理したCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag
    系触媒であって、その還元処理前の組成が、 CuO 15〜35重量%、 ZnO 20〜50重量%、 Cr2O3 0.6〜 5重量%、 Al2O3 25〜40重量%、 Ag 0.5〜 8重量% であるCO2の接触水素化反応用の酸化物系触媒。
  2. 【請求項2】Cu、Zn、CrおよびAlの水溶性塩の水溶液を
    静置状態でNH3ガスと接触させてゲル化した後、乾燥、
    焼成したものX1に、Al2O3に含浸法によりAgの水溶性塩
    を含浸させた後、乾燥、加熱分解、水素還元を行ったも
    のX2を物理的に混合して CuO 15〜35重量%、 ZnO 20〜50重量%、 Cr2O3 0.6〜 5重量%、 Al2O3 25〜40重量%、 Ag 0.5〜 8重量% の組成を有するCuO−ZnO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒を
    得、これをさらに使用の前にH2で還元処理することを特
    徴とする酸化物系触媒の製造法。
  3. 【請求項3】CO2およびH2を主成分とする混合ガスを反
    応器に供給し、請求項1記載の還元処理したCuO−ZnO−
    Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒との接触によりメタノールに富
    むガスに変換することを特徴とするCO2の接触水素化方
    法。
  4. 【請求項4】CO2およびH2を主成分とする混合ガスを第
    1反応器に供給し、請求項1記載の還元処理したCuO−Z
    nO−Cr2O3−Al2O3−Ag系触媒との接触によりメタノール
    に富むガスに変換する第1工程、該第1工程からの導出
    ガスを引き続き第2反応器に供給し、H型のFe−シリケ
    ート触媒との接触により液状炭化水素に富む成分に変換
    する第2工程からなることを特徴とするCO2およびH2
    らの液状炭化水素の製造法。
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