JP3187933B2 - 蛍光体およびそれを用いた蛍光ランプ - Google Patents

蛍光体およびそれを用いた蛍光ランプ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、 2価のEuを付活剤とし
た青色ないし青緑色発光のハロ燐酸塩蛍光体およびこれ
を用いた蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般照明用の蛍光ランプとしては、近
年、いわゆる三波長域発光型の蛍光ランプが主流になっ
ている。この種の三波長域発光型蛍光ランプは、比較的
狭帯域の発光スペクトル分布を有する青色発光、緑色発
光および赤色発光の 3種の蛍光体を任意の割合で混合
し、この混合蛍光体で所要の蛍光膜(蛍光体層)を形成
した構成を有している。
【0003】三波長域発光型蛍光ランプに用いる青色発
光蛍光体としては、例えば 一般式:(M,Eu)10 (PO4 6 X2 ……(1) (式中、 MはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれた少なくと
も 1種の元素を、 Xは F、ClおよびBrから選ばれた少な
くとも 1種の元素を示す)で表される 2価のEuを付活剤
としたハロ燐酸塩蛍光体が知られている(特公昭46-406
04号公報、同48-33159号公報、特開昭56-92984号公報等
参照)。また、上記 (1)式中の M成分の組成比を変えた
青緑色発光のハロ燐酸塩蛍光体等も使用されている(特
開昭58-40762号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
三波長域発光型蛍光ランプにおいては、点灯中に蛍光ラ
ンプの発光色度が経時変化するという問題があった。こ
の点に関しては、上記(1)式等で表される青色ないし青
緑色発光のハロ燐酸塩蛍光体は、他の緑色発光の蛍光体
や赤色発光の蛍光体に比べて、点灯時間の経過に伴う発
光輝度の劣化が大きく、これが上記発光色度の経時変化
に多分に影響を及ぼしているといえる。このようなこと
から、三波長域発光型蛍光ランプにおける点灯中の発光
色度の経時変化を防止する上で、青色ないし青緑色発光
のハロ燐酸塩蛍光体の発光輝度の経時劣化を抑制するこ
とが強く望まれている。
【0005】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、高い発光効率(高発光輝度)および
高演色性を呈し、かつ発光輝度の経時劣化を抑制した青
色ないし青緑色発光の蛍光体を提供することを目的とし
ており、またそのような蛍光体を用いることで、発光色
度の経時変化を抑制した高発光輝度型の蛍光ランプを提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、 2価のEuを付活剤とした青色ないし
青緑色発光のハロ燐酸塩蛍光体について、詳細に実験お
よび検討を行ったところ、ハロ燐酸塩蛍光体中のハロゲ
ン元素の組成比を化学量論比よりも少なくすることによ
り、点灯経時に伴う発光輝度の劣化を大幅に低減ないし
は抑制し得ることを見出だした。
【0007】本発明は上記したような知見に基づいて成
されてもので、本発明の蛍光体は、 一般式:(M,Eu)10 (PO4 6 X2-x ………(2) (式中、 MはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれた少なくと
も 1種の元素を、 Xは F、ClおよびBrから選ばれた少な
くとも 1種の元素を示し、 xは 0< x≦0.5 を満足する
数である)で実質的に表されることを特徴としている。
【0008】また、本発明の蛍光ランプは、ガラス管内
壁面に蛍光体の被着層を具備する蛍光ランプにおいて、
前記蛍光体の被着層は、上記 (2)式で実質的に表される
蛍光体を、少なくとも青色系発光成分として含有するこ
とを特徴としている。
【0009】本発明の蛍光体においては、ハロゲン元素
の含有組成比が重要な因子を成している。すなわち、 2
価のEuで付活したハロ燐酸塩蛍光体の化学量論組成比に
おいては、ハロゲン元素の組成比(化学式中の係数)は
2.0となるが、本発明においては化学量論組成比からハ
ロゲン元素の数を所定の範囲内で減らすことによって、
発光輝度の経時劣化を抑制している。この化学量論組成
比から減らすハロゲン元素の数(上記 (2)式中の xの
値)は、極僅かであってもその効果を得ることができる
が、実用的には 0.001以上とすることが好ましい。ただ
し、 xの値が 0.5を超えると、すなわちハロゲンの組成
比が 1.5未満となると、発光輝度の絶対値自体が低下し
てしまう。よって、 (2)式における xの値を 0< x≦0.
5 を満足させることにより、高発光輝度を満足させた上
で、発光輝度の経時劣化を抑制することが可能となる。
より好ましい xの値は 0.001〜 0.4の範囲である。
【0010】本発明の青色ないし青緑色発光のハロ燐酸
塩蛍光体は、例えば以下のようにして製造される。ま
ず、上記 (2)式で表される蛍光体の各出発原料を用意す
る。アルカリ土類元素源としては、例えばその酸化物
や、水酸化物、炭酸塩等の高温において容易にアルカリ
土類元素の酸化物となる化合物等を、Eu源としては酸化
物や炭酸塩等を用意する。リン酸源としてはアルカリ土
類元素のリン酸塩やリン酸水素化物等を、ハロゲン元素
源としてはアルカリ土類元素のハロゲン化物等を用意す
る。
【0011】これらの各出発原料を所定量秤量し、十分
に混合する。混合比率は、例えばハロゲン元素量が大過
剰となるように設定する。この充分に混合した原料混合
物をルツボ等の耐熱容器に収容し、弱還元性雰囲気中に
て 900℃〜1200℃程度の温度で、 2時間〜 5時間程度焼
成する。次に、得られた焼成物に粉砕、水洗等の処理を
加える。この段階で得られるハロ燐酸塩は、化学量論組
成比に従うものである。従って、以下に示すような工程
をさらに実施し、ハロゲン元素を揮発させることによ
り、本発明によるハロ燐酸塩蛍光体が得られる。
【0012】ハロゲン元素の揮発は、再度弱還元性雰囲
気中で焼成したり、また煮沸洗浄を行う等により実現で
きる。この際、弱還元性雰囲気中での焼成温度や焼成時
間、あるいは煮沸洗浄時間を制御し、ハロゲン元素量を
上記 (2)式に適合させることによって、本発明の蛍光体
が得られる。上記ハロゲン元素の揮発工程としての焼成
条件は、例えば 600℃〜 900℃程度の温度で、 0.5時間
〜 2時間程度とすることが好ましい。また、煮沸洗浄時
間は、 0.5時間〜 5時間程度とすることが好ましい。
【0013】本発明の蛍光ランプは、上述したような本
発明によるハロ燐酸塩蛍光体を、少なくとも青色ないし
青緑色発光成分として含有する蛍光体層を有するもので
ある。また、三波長域発光型蛍光ランプに適用する際、
赤色発光蛍光体および緑色発光蛍光体としては、各種の
蛍光体を使用することが可能である。またさらに、演色
性を高めるために、他の発光成分例えば青緑色発光蛍光
体、深赤色発光蛍光体等を加えることも可能である。
【0014】
【作用】本発明の青色ないし青緑色発光の蛍光体におい
ては、ハロ燐酸塩蛍光体の化学量論組成比からハロゲン
元素量を若干減じているため、点灯経時に伴う発光輝度
の劣化が抑制され、よって高い発光輝度および高演色性
を安定に保持・発揮することができる。このような青色
ないし青緑色発光の蛍光体を用いることにより、蛍光ラ
ンプの点灯過程での発光色度の経時変化を抑制すること
が可能となる。よって、長時間に亘って優れた高発光効
率および高演色性を呈する蛍光ランプが得られる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0016】実施例1 ハロ燐酸塩蛍光体の各出発原料として、 SrHPO4 6.00mol SrCO3 2.90mol Eu2 O 3 0.05mol CaCl2 1.00mol BaCl2 ・2H2 O 3.00mol を上記した量で秤量し、よく混合した後、1000℃で 3時
間、弱還元性雰囲気下(例えば5%水素-95%窒素混合ガ
ス)で焼成した。こうして得た生成物を純水でよく洗浄
した後、組成分析を行ったところ、 (Ca0.10Sr0.70Ba
0.10Eu0.1010 (PO4 6 Cl2 で表される組成を有して
いた。なお、このハロ燐酸塩は、化学量論比組成による
従来のハロ燐酸塩蛍光体である。
【0017】次に、上記で得たハロ燐酸塩を、 900℃で
2時間、弱還元性雰囲気下(例えば5%水素-95%窒素混合
ガス)で再び焼成した。こうして得たハロ燐酸塩の組成
分析を行ったところ、 (Ca0.10Sr0.70Ba0.10Eu0.1010
(PO4 6 Cl1.90で表される組成を有しており、本発明
によるハロ燐酸塩蛍光体が得られていることを確認し
た。
【0018】このようにして得た本発明によるハロ燐酸
塩蛍光体を用いて、常套の手段によって、図1に構成を
示す蛍光ランプ(FL20SS/18)を作製した。図1におい
て、1はガラス管(発光管)、2はガラス管1の内壁面
に被着形成された蛍光体層、3は口金部であり、ガラス
管1内には少量の水銀および電離性ガスが封入されてい
る。
【0019】また、本発明との比較として、上記ハロゲ
ン元素の揮発工程前の従来のハロ燐酸塩蛍光体を用い
て、同様にして蛍光ランプ(FL20SS/18)を作製した。
【0020】これらの各蛍光ランプについて、初期発光
輝度と1000時間点灯後の発光輝度とをそれぞれ測定した
ところ、初期発光輝度は比較例の蛍光ランプ(100%)に対
し、実施例の蛍光ランプは100.5%とほぼ同等であった
が、1000時間点灯後の発光輝度は、比較例を100%とした
とき、実施例の蛍光ランプは105.5%と、発光輝度の劣化
が低減されていることを確認した。
【0021】さらに、上記実施例で合成したハロ燐酸塩
蛍光体、および比較例の蛍光体をそれぞれ青色ないし青
緑色の蛍光体として用いると共に、(La,Ce,Tb)PO4 を緑
色発光の蛍光体、および(Y,Eu)2 O 3 を赤色発光の蛍光
体として用いて、それぞれ三波長域発光型蛍光ランプを
常套の手段により作製し、特性を比較した。両蛍光ラン
プの発光輝度は、初期および1000時間点灯後でほとんど
同等であったが、1000時間点灯後の発光色度は、比較例
の発光色度の変化量を100%としたとき、実施例の蛍光ラ
ンプでは 20.0%と、大幅にその変化量が抑制されてい
た。なお、この三波長域発光型蛍光ランプの構成におい
て、演色性をさらに高めるため、他の青緑色発光の蛍光
体や深赤色発光の蛍光体を添加した場合も同様の結果を
示した。
【0022】実施例2 ハロ燐酸塩蛍光体の原料として、 SrHPO4 4.00mol BaHPO4 2.00mol BaCO3 2.90mol Eu2 O 3 0.05mol CaCl2 0.50mol SrCl2 ・6H2 O 3.00mol を上記した量で秤量し、よく混合した後、1100℃で 2時
間、弱還元性雰囲気下(例えば5%水素-95%窒素混合ガ
ス)で焼成した。こうして得た生成物を純水でよく洗浄
した後、組成分析を行ったところ、 (Ca0.05Sr0.65Ba
0.20Eu0.1010 (PO4 6 Cl2 で表される組成を有して
いた。なお、このハロ燐酸塩は、化学量論比組成による
従来のハロ燐酸塩蛍光体である。
【0023】次に、上記で得たハロ燐酸塩を、 700℃で
1時間、弱還元性雰囲気下(例えば5%水素-95%窒素混合
ガス)で再び焼成した。こうして得たハロ燐酸塩の組成
分析を行ったところ、 (Ca0.05Sr0.65Ba0.20Eu0.1010
(PO4 6 Cl1.95で表される組成を有しており、本発明
によるハロ燐酸塩蛍光体が得られていることを確認し
た。
【0024】このようにして得た本発明によるハロ燐酸
塩蛍光体を用いて、常套の手段によって、図1に構成を
示す蛍光ランプ(FL20SS/18)を作製した。また、本発明
との比較として、上記ハロゲン元素の揮発工程前の従来
のハロ燐酸塩蛍光体を用いて、同様にして蛍光ランプ
(FL20SS/18)を作製した。
【0025】これらの各蛍光ランプについて、初期発光
輝度と1000時間点灯後の発光輝度とをそれぞれ測定した
ところ、初期発光輝度は比較例の蛍光ランプ(100%)に対
し、実施例の蛍光ランプは101.0%とほぼ同等であった
が、1000時間点灯後の発光輝度は、比較例を100%とした
とき、実施例の蛍光ランプは106.5%と、発光輝度の劣化
が低減されていることを確認した。
【0026】さらに、上記実施例で合成したハロ燐酸塩
蛍光体、および比較例の蛍光体をそれぞれ青色ないし青
緑色の蛍光体として用いると共に、(La,Ce,Tb)PO4 を緑
色発光の蛍光体、および(Y,Eu)2 O 3 を赤色発光の蛍光
体として用いて、それぞれ三波長域発光型蛍光ランプを
常套の手段により作製し、特性を比較した。両蛍光ラン
プの発光輝度は、初期および1000時間点灯後でほとんど
同等であったが、1000時間点灯後の発光色度は、比較例
の発光色度の変化量を100%としたとき、実施例の蛍光ラ
ンプでは 18.0%と、大幅にその変化量が抑制されてい
た。なお、この三波長域発光型蛍光ランプの構成におい
て、演色性をさらに高めるため、他の青緑色発光の蛍光
体や深赤色発光の蛍光体を添加した場合も同様の結果を
示した。
【0027】実施例3 ハロ燐酸塩蛍光体の原料として、 SrHPO4 5.00mol CaHPO4 1.00mol BaCO3 2.90mol Eu2 O 3 0.05mol CaCl2 3.00mol SrCl2 ・6H2 O 1.00mol を上記した量で秤量し、よく混合した後、1000℃で 4時
間、弱還元性雰囲気下(例えば5%水素-95%窒素混合ガ
ス)で焼成した。こうして得た生成物を純水でよく洗浄
した後、組成分析を行ったところ、 (Ca0.40Sr0.45Ba
0.20Eu0.1010 (PO4 6 Cl2 で表される組成を有して
いた。なお、このハロ燐酸塩は、化学量論比組成による
従来のハロ燐酸塩蛍光体である。
【0028】次に、上記で得たハロ燐酸塩を、 800℃で
2時間、弱還元性雰囲気下(例えば5%水素-95%窒素混合
ガス)で再び焼成した。こうして得たハロ燐酸塩の組成
分析を行ったところ、 (Ca0.40Sr0.45Ba0.20Eu0.1010
(PO4 6 Cl1.80で表される組成を有しており、本発明
によるハロ燐酸塩蛍光体が得られていることを確認し
た。
【0029】このようにして得た本発明によるハロ燐酸
塩蛍光体を用いて、常套の手段によって、図1に構成を
示す蛍光ランプ(FL20SS/18)を作製した。また、本発明
との比較として、上記ハロゲン元素の揮発工程前の従来
のハロ燐酸塩蛍光体を用いて、同様にして蛍光ランプ
(FL20SS/18)を作製した。
【0030】これらの各蛍光ランプについて、初期発光
輝度と1000時間点灯後の発光輝度とをそれぞれ測定した
ところ、初期発光輝度は比較例の蛍光ランプ(100%)に対
し、実施例の蛍光ランプは100.1%とほぼ同等であった
が、1000時間点灯後の発光輝度は、比較例を100%とした
とき、実施例の蛍光ランプは104.0%と、発光輝度の劣化
が低減されていることを確認した。
【0031】さらに、上記実施例で合成したハロ燐酸塩
蛍光体、および比較例の蛍光体をそれぞれ青色ないし青
緑色の蛍光体として用いると共に、(La,Ce,Tb)PO4 を緑
色発光の蛍光体、および(Y,Eu)2 O 3 を赤色発光の蛍光
体として用いて、それぞれ三波長域発光型蛍光ランプを
常套の手段により作製し、特性を比較した。両蛍光ラン
プの発光輝度は、初期および1000時間点灯後でほとんど
同等であったが、1000時間点灯後の発光色度は、比較例
の発光色度の変化量を100%としたとき、実施例の蛍光ラ
ンプでは 25.0%と、大幅にその変化量が抑制されてい
た。なお、この三波長域発光型蛍光ランプの構成におい
て、演色性をさらに高めるため、他の青緑色発光の蛍光
体や深赤色発光の蛍光体を添加した場合も同様の結果を
示した。
【0032】実施例4 上記実施例3と同様にして作製した、 (Ca0.40Sr0.45Ba
0.20Eu0.1010 (PO46 Cl2 で組成が表されるハロ燐
酸塩を、沸騰させた水中で 5時間煮沸洗浄した。こうし
て得たハロ燐酸塩の組成分析を行ったところ、 (Ca0.40
Sr0.45Ba0.20Eu0.1010 (PO4 6 Cl1.90で表される組
成を有しており、本発明によるハロ燐酸塩蛍光体が得ら
れていることを確認した。
【0033】このようにして得た本発明によるハロ燐酸
塩蛍光体を用いて、常套の手段によって、図1に構成を
示す蛍光ランプ(FL20SS/18)を作製した。また、本発明
との比較として、上記ハロゲン元素の揮発工程前の従来
のハロ燐酸塩蛍光体を用いて、同様にして蛍光ランプ
(FL20SS/18)を作製した。
【0034】これらの各蛍光ランプについて、初期発光
輝度と1000時間点灯後の発光輝度とをそれぞれ測定した
ところ、初期発光輝度は比較例の蛍光ランプ(100%)に対
し、実施例の蛍光ランプは100.5%とほぼ同等であった
が、1000時間点灯後の発光輝度は、比較例を100%とした
とき、実施例の蛍光ランプは105.0%と、発光輝度の劣化
が低減されていることを確認した。
【0035】さらに、上記実施例で合成したハロ燐酸塩
蛍光体、および比較例の蛍光体をそれぞれ青色ないし青
緑色の蛍光体として用いると共に、(La,Ce,Tb)PO4 を緑
色発光の蛍光体、および(Y,Eu)2 O 3 を赤色発光の蛍光
体として用いて、それぞれ三波長域発光型蛍光ランプを
常套の手段により作製し、特性を比較した。両蛍光ラン
プの発光輝度は、初期および1000時間点灯後でほとんど
同等であったが、1000時間点灯後の発光色度は、比較例
の発光色度の変化量を100%としたとき、実施例の蛍光ラ
ンプでは 21.0%と、大幅にその変化量が抑制されてい
た。なお、この三波長域発光型蛍光ランプの構成におい
て、演色性をさらに高めるため、他の青緑色発光の蛍光
体や深赤色発光の蛍光体を添加した場合も同様の結果を
示した。
【0036】実施例5〜18 表1に組成を示す各ハロ燐酸塩蛍光体を上記実施例と同
様にして製造し、それぞれ蛍光ランプ(FL20SS/18)を作
製すると共に、ハロゲン元素の揮発工程前の従来のハロ
燐酸塩蛍光体を用いて同様に蛍光ランプを作製した。こ
れらを用いて、上記実施例と同様にして発光特性を測定
した。その結果を併せて表1に示す。なお、表中の比較
例は本発明の範囲外としたものである。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
い発光輝度を呈し、かつ点灯中の発光輝度の経時劣化が
少ない、青色ないし青緑色発光の蛍光体を提供すること
が可能となる。そして、三波長域発光型蛍光ランプの青
色系発光の蛍光体成分として、本発明の蛍光体を用いる
ことにより、上述した特性によって高い発光輝度を呈す
るだけでなく、点灯中の発光色度の変化も抑制されるた
め、経時安定性に優れた高発光輝度および高演色型の蛍
光ランプを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による蛍光ランプの構成を示
す一部切欠断面図である。
【符号の説明】 1……ガラス管 2……蛍光体層 3……口金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元島 洋子 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社 東芝 堀川町工場内 (72)発明者 寺島 賢二 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社 東芝 堀川町工場内 (56)参考文献 特開 平4−79150(JP,A) 特開 平4−4289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/00 - 11/89 H01J 61/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:(M,Eu)10 (PO4 6 X2-x (式中、 MはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれた少なくと
    も 1種の元素を、 Xは F、ClおよびBrから選ばれた少な
    くとも 1種の元素を示し、 xは 0< x≦0.5 を満足する
    数である)で実質的に表されることを特徴とする青色な
    いし青緑色発光の蛍光体。
  2. 【請求項2】 ガラス管内壁面に蛍光体の被着層を具備
    する蛍光ランプにおいて、 前記蛍光体の被着層は、請求項1記載の蛍光体を、少な
    くとも青色系発光成分として含有することを特徴とする
    蛍光ランプ。
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