JP3489536B2 - 移動通信システムのエリア設計装置 - Google Patents

移動通信システムのエリア設計装置

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JP3489536B2
JP3489536B2 JP2000130613A JP2000130613A JP3489536B2 JP 3489536 B2 JP3489536 B2 JP 3489536B2 JP 2000130613 A JP2000130613 A JP 2000130613A JP 2000130613 A JP2000130613 A JP 2000130613A JP 3489536 B2 JP3489536 B2 JP 3489536B2
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W16/00Network planning, e.g. coverage or traffic planning tools; Network deployment, e.g. resource partitioning or cells structures
    • H04W16/18Network planning tools

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Exchanges (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Transmission In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基地局と複数の移
動局の各々との間で相互に送信する信号の送信電力を計
算する手段を備えた移動通信システムのエリア設計装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信システムは、サービスエリアに
複数の基地局を設置して通信サービスを提供するもので
ある。この通信サービスの質を向上させるため、移動通
信システムのエリア設計装置によって、複数の移動局の
各々といずれかの基地局との間の通信品質を評価し、そ
の評価に基づいて、通信サービス提供者によってたとえ
ば基地局の増設や、無線パラメータの設計変更が行われ
ていた。
【0003】エリア設計装置は、たとえば特定の基地局
の無線ゾーン内に、トラヒック分布情報に応じて通信中
の複数の移動局をランダムに配置して、それらの移動局
の各々と無線接続される基地局を決定する。そして、無
線接続する基地局と移動局の間で相互に送信する信号の
送信電力を算出し、その算出結果に基づいて複数の移動
局の各々と基地局との間の通信品質を評価していた。
【0004】配置する移動局の数量を複数とするのは、
たとえば特定の移動局が送信する信号が、他の移動局が
送信している信号と干渉する場合を考慮して評価を行う
ためである。また、トラヒック分布情報に応じて移動局
を配置するのは、移動局の位置によって、基地局との間
で相互に送信する信号の送信電力が異なるため、トラヒ
ック分布が通信サービスの品質に影響が与えることを考
慮した評価を行うためである。
【0005】図6は、従来の移動通信システムのエリア
設計装置によって複数の移動局の各々と基地局との間の
通信品質を評価する原理の説明図である。図6には、サ
ービスエリア内に設置されている基地局1,2を示して
いる。基地局1,2はそれぞれ無線ゾーン1a,1bを
有しており、無線ゾーン1a内に移動局21〜23を配
置している。なお、実際には、図6には、基地局1,2
及び移動局21〜23のほかに、複数の基地局及び移動
局が存在する。
【0006】ここで、移動通信システムは、上り回線と
下り回線との各々に1つの周波数帯域を用いる符号分割
多元接続(CDMA)方式を用いているものとする。
【0007】まず、従来の移動通信システムのエリア設
計装置は、たとえば移動局21〜23の各々が通信中に
あって、これらが基地局1との間で無線接続されている
と仮定した場合に、基地局1から移動局21〜23の各
々へ送信される信号の送信電力と、移動局21〜23の
各々から基地局1へ送信される信号の送信電力とを算出
する。
【0008】そして、算出結果に基づいて、たとえば移
動局21〜23の各々と基地局1との間の相互で送信さ
れる各希望波信号の各希望波電力及び各干渉波信号の各
干渉波電力を算出して、[各希望波電力/各干渉波電
力]を算出する。[各希望波電力/各干渉波電力]が大
きいほど通信品質がよく、たとえば通信事業者は、この
通信品質に基づいて、[各希望波電力/各干渉波電力]
が所定のしきい値を満たしていない移動局の割合が大き
い場合には、新たに基地局を設けたり、無線パラメータ
の設計変更を行って通信品質を改善していた。
【0009】ここで、希望波電力や干渉波電力を求める
には、まず全ての無線回線において送信する信号の送信
電力を一定の初期値に設定する。そして、その状態にお
いて、各々の無線回線を任意に順番に選んで、送信電力
が所定の最大送信電力と最小送信電力の範囲内を超えな
いようにしながら、その無線回線の通信品質が所定の目
標値となるように送信電力を変更する。こうして、全て
の無線回線を一通り選択して各無線回線の送信電力を変
更し終えたとき、ある無線回線の送信電力の変更は、そ
れ以外の無線回線の干渉波電力を変化させるため、最後
に選択した無線回線以外の無線回線の通信品質は、その
送信電力が最大送信電力と最小送信電力の範囲内であっ
ても、所定の目標値とは異なる値となっている可能性が
ある。
【0010】特に先に選択した無線回線ほど、その送信
電力が最大送信電力と最小送信電力の範囲内であって
も、通信品質と所定の目標値との差が大きくなりやす
く、そのため、この差を少なくするために、さらに何回
か無線回線の選択、送信電力の増減を繰り返して、送信
電力を収束させて通信品質を評価していた。このような
手順により通信品質を評価するのは、符号分割多元接続
方式を用いる移動通信システムでは必須である。
【0011】また、所定の広さの地域内に配置された各
移動局の通信品質を評価することにより、その地域内の
各移動局の評価結果のうち、所定のレベルを満たさない
ものの割合である劣化率が求められていた。そして、複
数の移動局の位置での通信品質や複数の地域毎での劣化
率に基づいて地図上に色分けなどすることによりたとえ
ば可視情報として表示していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通信品質は、
トラヒック分布情報に応じてランダムに移動局を配置し
た地点でしか評価できず、トラヒック密度が低い場所で
は、トラヒック密度が高い場所に比べて、通信品質を評
価できる地点の数が少なく、また、その地点もランダム
に配置されていた。そのため、従来の移動通信システム
のエリア設計装置は、トラヒック密度によらず任意の間
隔で一様に配置された地点において通信品質を評価でき
るように改善することが望まれていた。また、所定の広
さの地域毎に、配置された各移動局の通信品質を評価す
ることにより、通信品質が所定のレベルを満たさないも
のの割合である劣化率を求めるには、地域毎に同程度の
数量の通信品質の評価結果が必要であるが、移動局は、
トラヒック分布情報に応じてランダムに配置していたの
で、地域毎に得られる通信品質の評価結果の数量にはば
らつきがあり、そのため、地域毎に計算される劣化率の
統計的な信頼性は、トラヒック密度により異なってい
た。
【0013】そこで、本発明は、トラヒック密度によら
ず、任意の間隔で一様に配置された地点において通信品
質を評価できる移動通信システムのエリア設計装置を提
供することを課題とする。また、本発明は、トラヒック
密度によらず、任意の広さの地域毎に一定の統計的な信
頼度で劣化率を求めることができる移動通信システムの
エリア設計装置を提供することも課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、トラヒック分布情報に応じて通信中の複
数の移動局を配置する手段と、前記移動局の各々が無線
接続する基地局を決定する手段と、前記基地局が無線接
続した前記移動局の各々に送信する希望波信号の送信電
力を計算する手段と、前記移動局の各々が無線接続した
基地局に送信する希望波信号の送信電力を計算する手段
と、を備えた移動通信システムのエリア設計装置におい
て、前記基地局の各々が前記希望波信号を送信し、且
つ、前記複数の移動局の各々が前記希望波信号を送信し
ている状態で、予め定められた複数の評価地点を順々に
選択する手段と、選択した前記評価地点の各々に位置す
る評価用移動局と前記基地局の各々との間の伝搬損失を
ランダムな変動量を加えて計算し、前記伝搬損失を用い
て、前記評価用移動局が無線接続する基地局から受信す
る希望波信号の受信電力及び前記評価用移動局が無線接
続する前記基地局及びその他の基地局から受信する干渉
波信号の受信電力並びに前記評価用移動局と無線接続す
る基地局が前記評価用移動局から受信する希望波信号の
受信電力及び前記評価用移動局と無線接続する前記基地
局が他の移動局から受信する干渉波信号の受信電力を算
出する手段とを備え、算出した前記希望波信号の受信電
力及び前記干渉波信号の受信電力に基づいて、前記評価
地点の通信品質を計算し、前記通信品質の計算を繰り返
して劣化率を算出することを特徴とする。
【0015】 さらに、トラヒック分布情報に応じて通
信中の複数の移動局を配置する手段と、前記移動局の各
々が無線接続する基地局を決定する手段と、前記基地局
が無線接続した前記移動局の各々に送信する希望波信号
の送信電力を計算する手段と、前記移動局の各々が無線
接続した基地局に送信する希望波信号の送信電力を計算
する手段と、を備えた移動通信システムのエリア設計装
置において、前記基地局の各々が前記希望波信号を送信
し、且つ、前記複数の移動局の各々が前記希望波信号を
送信している状態で、予め定められた複数の評価地点を
順々に選択する手段と、選択した前記評価地点の各々に
位置する評価用移動局が無線接続する基地局から受信す
る希望波信号の受信電力及び前記評価用移動局が無線接
続する前記基地局及びその他の基地局から受信する干渉
波信号の受信電力並びに選択した前記評価地点の各々に
位置する評価用移動局と無線接続する基地局が前記評価
用移動局から受信する希望波信号の受信電力及び前記評
価用移動局と無線接続する前記基地局が他の移動局から
受信する干渉波信号の受信電力を算出する手段とを備
え、算出した前記希望波信号の受信電力及び前記干渉波
信号の受信電力に基づいて、前記評価地点の通信品質を
計算し、前記評価地点のいくつかを包括する地域内の前
記各評価地点における計算結果のうち所定のレベルを満
たさないものの割合を求めることを特徴とする。
【0016】 上記の発明において、複数の前記評価地
点のいくつかが正多角形状を形成するように前記評価地
点を決定してもよい。上記の発明は、前記各評価地点に
おける通信品質を可視情報で表示する手段を備えていて
もよい。上記の発明は、前記評価結果のうち所定のレベ
ルを満たさないものの割合を可視情報で表示する手段を
備えていてもよい。上記の発明は、前記トラヒック分布
情報を入力する手段と、入力した前記トラヒック分布情
報を記憶する手段とを備えていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。
【0018】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態の移動通信システムのエリア設計装置の構成
図である。図1に示すエリア設計装置は、トラヒック発
生範囲情報、地図情報、トラヒック分布情報、評価地点
情報、基地局位置情報、無線パラメータ情報などの情報
を入力する入力部101と、入力された各情報を記憶す
る記憶部104と、記憶されている各情報に基づいて評
価地点の受信品質を求める処理部102と、求めた受信
品質を出力する出力部103とを備えている。
【0019】処理部102は、入力されたトラヒック分
布情報に応じて通信中の複数の移動局をたとえば実際の
地図上にランダムに配置する移動局配置手段121と、
配置された複数の移動局のうち特定の移動局を選択する
と共に選択した移動局と基地局との間の伝搬損失を入力
された地図情報に基づいて算出する伝搬損失計算手段1
22と、算出された伝搬損失に基づいて複数の移動局の
各々と無線接続する基地局を決定する接続基地局決定手
段123とを有している。
【0020】また、処理部102は、複数の移動局の各
々の位置及び伝搬損失に基づいて、基地局が無線接続す
る複数の移動局の各々へ送信する信号の送信電力を算出
する基地局送信電力計算手段124及び複数の移動局の
各々が無線接続する基地局へ送信する信号の送信電力を
算出する移動局送信電力計算手段125とを有してい
る。
【0021】さらに、処理部102は、評価地点のいず
れかに通信中の移動局を配置した場合にその移動局が受
信する下り回線の信号の希望波電力/干渉波電力を算出
ことにより評価地点の下り回線の希望波電力/干渉波電
力を求める下り回線電力比計算手段126及び評価地点
のいずれかに通信中の移動局を配置した場合にその移動
局と無線接続する基地局が受信する上り回線の信号の希
望波電力/干渉波電力を算出することにより評価地点の
上り回線の希望波電力/干渉波電力を求める上り回線電
力比計算手段127と、処理部102の動作を制御する
制御手段120とを有している。
【0022】ここで、トラヒック発生範囲情報とは、実
際の地図上でのトラヒックが発生する範囲に関する情報
をいう。地図情報とは、土地の標高データをいう。トラ
ヒック分布情報とは、所定のエリア毎に発生する単位面
積当たりのトラヒック量に関する情報をいう。評価地点
情報とは、通信品質を求めるために任意に定めた複数の
評価地点に関する情報をいう。
【0023】また、基地局位置情報とは、実際の地図中
に図示された複数の基地局の各々の位置を示す情報をい
う。無線パラメータ情報とは、複数の基地局の各々に設
置されるアンテナのアンテナ利得、下り回線の送信電力
の最大値、上り回線の送信電力の最大値などの情報をい
う。
【0024】なお、この実施形態では、地図中のサービ
スエリア上で南北方向と東西方向との各々に、たとえば
100m間隔で複数の直線を引いたときにできる各交点
を評価地点としているが、たとえば各評価地点のいくつ
かがハニカム状やデルタ状などの正多角形状となるよう
に一様に評価地点を配置してもよく、入力部101を通
じて入力する評価地点情報は、通信サービス提供者など
のエリア設計装置の使用者が任意に変更することができ
るものである。
【0025】以下、この実施形態では、上り回線と下り
回線との各々に1つの周波数帯域を用いる符号分割多元
接続(CDMA)方式の移動通信システムを対象とした
ときの通信品質を評価する手法について説明する。
【0026】図2は、図1に示すエリア設計装置によっ
て複数の移動局の各々と基地局との間の通信品質を評価
する原理の説明図である。図2には、サービスエリア内
に設置されている基地局1,2と、基地局1の無線ゾー
ン1a内に置かれている移動局21,22とを示してい
る。なお、図2において、1bは基地局2の無線ゾー
ン、東西、南北に引いた破線の交点は、評価地点を示し
ている。なお、実際には、図2には、基地局1,2及び
移動局21,22のほかに、複数の基地局及び移動局が
存在する。
【0027】ここで、たとえば基地局1から移動局21
へ送信する信号の送信電力をPba,移動局21から基
地局1へ送信する信号の送信電力をPma、基地局1か
ら移動局22へ送信する信号の送信電力をPbb,移動
局22から基地局1へ送信する信号の送信電力をPmb
とする。
【0028】また、移動局21,22が基地局1から受
信する各信号の受信電力は、Pba,Pbbよりも小さ
く、その伝搬損失は、基地局1との距離や、移動局2
1,22の位置などによって異なる。基地局1と移動局
21,22の各々との間の伝搬損失をLa1,Lb1、
基地局2と移動局21,22の各々との間の伝搬損失を
La2,Lb2とする。
【0029】本実施形態の移動通信システムのエリア設
計装置は、たとえば移動局21,22の各々が通信中に
あって、これらが基地局1との間で無線接続されている
と仮定した場合に、基地局1から移動局21,22の各
々へ送信される信号の送信電力と、移動局21,22の
各々から基地局1へ送信される信号の送信電力とを算出
する。
【0030】そして、評価地点を順々に選択して、その
評価地点に移動局が位置する場合の上り回線と下り回線
の各希望波電力及び各干渉波電力を算出して、[各希望
波電力/各干渉波電力]を算出する。この算出において
は、基地局1と移動局21,22の各々との間で相互に
送信される送信電力の算出結果を用いる。[各希望波電
力/各干渉波電力]が大きいほど通信品質がよく、たと
えば通信事業者は、この通信品質に基づいて、[各希望
波電力/各干渉波電力]が所定のしきい値を満たしてい
ない評価地点の割合が大きい場合には、新たに基地局を
設けたり、無線パラメータの設計変更を行って通信品質
を改善する。
【0031】図3,図4は、図1に示したエリア設計装
置の動作を示すフローチャートである。まず、入力部1
01により、トラヒック発生範囲情報、地図情報、トラ
ヒック分布情報、評価地点情報、基地局評価地点情報、
無線パラメータ情報などが入力される。それらの各情報
は、一旦記憶部104へ出力されてそこに記憶される。
【0032】そして、制御手段120の指示に基づい
て、移動局配置手段121では、記憶部104に記憶さ
れているトラヒック分布情報に基づいてたとえば図2に
示すように、複数の移動局21,22を地図上にランダ
ムに配置する(ステップS201)。
【0033】つぎに、制御手段120は、伝搬損失を算
出する対象である移動局を選択する(ステップS20
2)。ここでは、まずたとえば移動局21を選択する。
そして、伝搬損失計算手段122により、記憶部104
に記憶されている地図情報に基づいて、基地局1及び基
地局2と移動局21との間の伝搬損失を計算する。さら
に、移動局21との間での伝搬損失が最小である基地局
を移動局21が無線接続する基地局と決定する(ステッ
プS203)。ここでは、移動局21は、基地局1の無
線ゾーン1a内に配置されているので、基地局1を移動
局21が無線接続する基地局と決定する。
【0034】つづいて、ステップS204に移行して、
接続基地局決定手段123によりすべての移動局が選択
されているかどうか判定される。ここでは、まだ移動局
21しか選択されていないため、ステップS202に戻
り移動局22が選択される。そして、選択した移動局2
2との間での伝搬損失が最小である基地局を選択する
(ステップS202)。そして、伝搬損失計算手段12
2によって、基地局1及び基地局2と移動局22との間
の伝搬損失を計算し、移動局22が無線接続する基地局
を決定する(ステップS203)。ここでは、移動局2
2は、基地局1の無線ゾーン1a内に配置されているの
で、基地局1を移動局22が無線接続する基地局と決定
される。つづいて、ステップS204に移行して、接続
基地局決定手段123によりすべての移動局が選択され
ているかどうか判定される。ここでは、移動局21,2
2ともに選択されているため、ステップS205へ移行
する。
【0035】ここで、ステップS205〜S209は、
基地局送信電力計算手段124及び移動局送信電力計算
手段125によって実行され、これらの各ステップでは
基地局1及び移動局21,22が送信する各信号の送信
電力が算出される。
【0036】具体的には、まず、たとえば基地局1と移
動局21,22との間の各下り回線と各上り回線とにお
ける基地局1の送信電力Pba,Pbb及び移動局2
1,22の各送信電力Pma,Pmbを算出するため、
最初に、Pba及びPbbを所定の初期値Pb0と仮定
し、Pma及びPmbを所定の初期値Pm0と仮定して
設定する(ステップS205)。
【0037】つぎに、基地局送信電力計算手段124に
よって、たとえば基地局1との間で送受信する希望波信
号のの受信電力(希望波電力)と干渉波信号の受信電力
(干渉波電力)との算出対象である移動局を選択する
(ステップS206)。ここでは、まずたとえば移動局
21を選択する。
【0038】ここで、移動局21が基地局1から受信す
る希望波信号の受信電力をDba、移動局21が受信す
る干渉波信号の受信電力をUbaとすると、Dba、U
baはそれぞれ、 Dba=Pba/La1 Uba=Pt1/La1+Pt2/La2 (Pt
1;基地局1から基地局1が無線接続する移動局へ送信
する信号の送信電力の和−自局宛の信号の下り回線の送
信電力(ここでは、Pt1=Pba+Pbb−Pba=
Pbb),Pt2;基地局2から基地局2が無線接続す
る移動局へ送信する信号の送信電力の和(ここでは、基
地局2が無線接続する移動局は存在しないためPt2=
0))となる。
【0039】また、基地局1が移動局21から受信する
希望波信号の受信電力をDma、基地局1が移動局21
から信号を受信する際の干渉波信号の受信電力をUma
とすると、Dma、Umaはそれぞれ、ここでは Dma=Pma/La1 Uma=Pmb/Lb1 となる。
【0040】これらの希望波電力Dba,Dma及び干
渉波電力Uba,Umaを算出し(ステップS20
7)、それらの比であるDba/Ubaが、所定値Rb
に近づくようにPbaを基地局送信電力計算手段124
により更新し、Dma/Umaが、所定値Rmに近づく
ようにPmaを移動局送信電力計算手段125によって
更新する(ステップS208)。
【0041】なお、更新結果は、基地局送信電力計算手
段124又は移動局送信電力計算手段125の図示しな
いRAMなどのメモリにそれぞれ格納される。また、更
新した送信電力が予め定めている所定の最大値を超える
ような場合には、送信電力をその最大値と等しくしても
よい。また、更新した送信電力が予め定めている所定の
最小値より小さくなるような場合には、送信電力をその
最小値と等しくしてもよい。その後、ステップS209
へ移行して、すべての移動局が選択されたかどうか基地
局送信電力計算手段124により判定される。ここで
は、移動局21しか選択されていないため、ステップS
206へ戻り、移動局22が選択される。
【0042】そして、ステップS207において、移動
局22における希望波電力Dbb(=Pbb/Lb
1),移動局22における干渉波電力Ubb(=Pt1
/Lb1+Pt2/Lb2)及び基地局1における移動
局22からの希望波電力Dmb(=Pmb/Lb1),
基地局1が移動局22からの信号を受信する際の干渉波
信号の受信電力Umb(=Pma/La1)が算出され
る。
【0043】そして、ステップS208において、算出
した希望波電力と干渉波電力との比であるDbb/Ub
bが、所定値Rbに近づくようにPbbを基地局送信電
力計算手段124により更新し、算出した希望波電力D
mbと干渉波電力Umbとの比であるDmb/Umb
が、Rmに等しくなるようにPmbを移動局送信電力計
算手段125によって更新する。
【0044】その後、ステップS209へ移行して、す
べての移動局が選択されたかどうか基地局送信電力計算
手段124で判定される。ここでは、すべての移動局が
選択されているため、ステップS210へ移行する。ス
テップS210では、各希望波電力と各干渉波電力との
比であるDba/Uba,Dbb/Ubb,Dma/U
ma,Dmb/Umbを算出する。
【0045】ここで、上記のように、 Uba=Pt1/La1+Pt2/La2 Pt1=Pba+Pbb−Pba=Pbb Pt2=0 より、 Uba=Pbb/La1 また、 Uma=Pmb/Lb1 であるため、Pbb、Pmbを変更すると、基地局1と
移動局21の下り回線と上り回線との干渉波電力Ub
a,Umaは、それに応じて各々変化することになる。
【0046】そして、基地局1と移動局21,22との
各上り回線、下り回線における希望波電力Dba,Db
b,Dma,Dmbと干渉波電力Uba,Ubb,Um
a,Umbとの比が、所定値Rb,Rmに対して許容で
きる範囲内にあるかどうかを判定する(ステップS21
1)。ここで、許容できる範囲とは各所定値に対してた
とえば±5%の範囲を想定している。
【0047】そして、判定の結果、電力比がその所定値
に対して許容できる範囲内にない無線回線が存在する場
合には、収束条件を満足しないと判定し、ステップS2
06へ戻り、ステップS206〜S210を繰り返す。
その後、ステップS211において、全ての無線回線の
電力比がその所定値に対して許容できる範囲内である場
合には、収束条件を満足したと判定し、処理部102
は、そのときのPba,Pbb,Pma,Pmbを記憶
部104へ記憶して、図3に示す手順を終了する。但
し、送信電力が所定の最大値または所定の最小値となっ
ている無線回線はステップS211における収束条件の
判定の対象から除く。そして、図4のステップS301
へ移行する。
【0048】ステップS211において送信電力が所定
の最大値または所定の最小値となっている無線回線は収
束条件の判定の対象から除く理由は、そのような無線回
線では電力比を所定値に対して許容できる範囲内とする
ことが不可能な場合があるためである。
【0049】つぎに、図3に示すステップS301〜S
305は、下り回線電力比計算手段126及び上り回線
電力比計算手段127によって実行される。具体的にこ
こでは、まず、基地局1の無線ゾーン1a内の任意の評
価地点が1つ選択される。その評価地点上に、図示しな
い通信中の移動局を評価用移動局として配置したと仮定
する(ステップS301)。
【0050】そして、ステップS202及びS203と
同様の手順により、その評価用移動局と接続される基地
局が決定され(ステップS302)、さらに、決定され
た基地局と選択された評価用移動局との間の上り回線、
下り回線における希望波電力と干渉波電力が算出される
(ステップS303)。
【0051】なお、希望波電力の算出は、各無線回線の
送信電力をたとえば所定の最大値として行う。また、干
渉波電力は、たとえばステップS207で示した手順と
同様の手順により算出する。
【0052】その後、[希望波電力/干渉波電力]が算
出される(ステップS304)。それから、ステップS
305において、すべての評価地点が選択されたかどう
か判定される。すべての評価地点が選択されていないと
判定された場合には、ステップS301へ戻り、すべて
の評価地点が選択されたと判定された場合には、図4に
示す手順を終了する。こうして、すべての評価地点にお
ける希望波電力と干渉波電力との比を算出する。
【0053】ここで、ステップS303において、各無
線回線の送信電力を所定の最大値として希望波電力を算
出し、その希望波電力を用いて、ステップS304にお
いて、[希望波電力/干渉波電力]を算出したため、そ
の電力比は、送信電力の設定可能範囲で得られる最大値
となっている。この電力比によって、各評価地点におけ
る移動局の通信品質を評価することができる。
【0054】具体的には、この電力比が大きいほど通信
品質がよく、そのため、3つ程度のしきい値を定め、算
出した電力比に基づいて通信品質の評価結果を3つほど
にランク分けすることが考えられる。そして、通信品質
のランクを色に対応させて表示すると、通信事業者など
のエリア設計装置の使用者が、通信品質のランクの地域
分布を視覚により認知することができる。
【0055】なお、複数の評価地点のいくつかを包括す
る地域内における各評価地点における通信品質を評価す
ることにより、所定の地域内で所定の通信品質を満たさ
ない評価地点の割合を算出し、その割合を色に対応させ
た可視情報によって示すようにしたり、希望波電力と干
渉波電力との比の平均値を算出してもよい。
【0056】ちなみに、各評価地点間の距離は、基地局
1,2を含む各基地局間の距離に応じて設定され、例え
ば、基地局間の距離が1km程度であるとき、各評価地
点間の距離は、長くても100m程度であることがサー
ビスエリア情報を色分けする場合には望ましいが、実際
には、たとえば50m〜200mなどある程度の幅を持
たせて設定してもよい。
【0057】また、作成された可視情報は、出力部10
3から出力され、通信事業者等は、その可視情報などに
基づいて、たとえば基地局を増設したり、無線パラメー
タの設定変更を行うことができる。なお、出力部103
の他に、作成した可視情報を表示する表示部を設けて、
これにその可視情報を表示してもよい。
【0058】以上説明したように、本実施形態では、ト
ラヒック分布情報に応じて配置した移動局が基地局と通
信を行っている状態において、たとえば等間隔で配置し
た各評価地点に一時的に評価用移動局を配置することに
より、各評価地点における通信品質を評価しているた
め、他の無線回線の影響を反映させながら、サービスエ
リア全体の通信品質を偏りなく評価することができる。
【0059】また、本実施形態では、複数の評価地点の
いくつかを包括する地域内における各評価地点における
通信品質を評価するため、トラヒック分布情報に基づい
て配置される移動局の各地域内における数に、その評価
結果の統計的な信頼度が影響を受けず、一定の数の評価
地点により一定の統計的な信頼度の通信品質の評価結果
が得られ、また、それに基づく可視情報を作成すること
ができる。
【0060】(第2の実施形態)図5は、本発明の第2
の実施形態のエリア設計装置の動作を示すフローチャー
トであり、図5に示す各ステップは下り回線電力比計算
手段126及び上り回線電力比計算手段127によって
実行される。なお、エリア設計装置の構成は、図1と同
様としており、また図5に示す動作を行う前のエリア設
計装置の動作は図3と同様としている。
【0061】まず、実施形態1と同様に、ステップS2
01〜S211の各ステップを実行した後に、基地局1
の無線ゾーン1a内の任意の評価地点が1つ選択され
る。その評価地点上に、図示しない通信中の移動局を評
価用移動局として設置したと仮定する(ステップS40
1)。
【0062】そして、ステップS202及びS203と
同様の手順により、評価用移動局との間で伝搬損失が最
小である基地局が、その評価用移動局と接続されるもの
として決定され(ステップS402)、さらに、決定さ
れた基地局と選択された移動局との間の上り回線、下り
回線における希望波電力と干渉波電力が算出される(ス
テップS403)。
【0063】ここで、本実施形態では、ステップS40
2及びS403において、評価用移動局と基地局の各々
との間の伝搬損失をランダムな変動量を加えて計算し、
その伝搬損失を用いる。このようにランダムな変動量を
加えた伝搬損失を用いているのは、基地局と評価用移動
局との間の伝搬路の長さが同じでも、その伝搬路に存在
する建物などの遮蔽物の違いによって、伝搬損失が異な
り、その違いによって評価用移動局が無線接続する基地
局や希望波電力と干渉波電力が異なるためである。
【0064】その後、[希望波電力/干渉波電力]が算
出される(ステップS404)。それから、ステップS
405において、たとえば100回など、所定の繰り返
し回数だけステップS402〜S404が繰り返された
かどうか判定される。判定の結果、所定の回数が繰り返
されていない場合には、ステップS402に戻り、ステ
ップS402〜S404を繰り返す。
【0065】このとき、ステップS402において伝搬
損失に加えるランダムな変動量は、繰り返す毎に独立な
乱数を用いて求める。一方、所定の回数が繰り返された
場合には、ステップS406へ移行する。ステップS4
06では、所定の繰り返し回数の分だけ得られる[希望
波電力/干渉波電力](ステップS404)が、たとえ
ば所定の基準値未満となった割合である劣化率を算出す
る。
【0066】そして、ステップS407に移行して、す
べての評価地点において、ステップS401〜S406
の各ステップが実行されたかどうか判定される。判定の
結果、すべての評価地点においてステップS401〜S
406の各ステップが実行されていない場合には、ステ
ップS401へ戻り、一方、すべての評価地点において
ステップS401〜S406の各ステップが実行された
場合には、図5に示す手順を終了する。
【0067】なお、実施形態1と同様に、評価結果は、
たとえば可視情報などにより、出力部103から出力し
たり、表示部などに表示するようにしてもよい。
【0068】以上説明したように、本実施形態では、評
価地点の各々において、所定の繰り返し回数だけ希望波
電力と干渉波電力との比を求め、それが所定の基準値未
満となる割合である劣化率を算出しているため、各評価
地点の劣化率の値の統計的な信頼度はトラヒック密度な
どによらず一定となる。従って、評価地点毎など、任意
の広さの地域毎に一定の統計的な信頼度で劣化率を求め
ることができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
予想されるトラヒック密度の地域分布に応じて配置した
複数の移動局の各々が基地局との間で相互に送受信する
信号の影響を反映させながら、任意の間隔で一様に配置
した評価地点において通信品質を求めることができ、ま
た、その評価地点毎など、任意の広さの地域毎に一定の
統計的な信頼度で劣化率を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のエリア設計装置のブ
ロック図である。
【図2】図1に示すエリア設計装置によって複数の移動
局の各々と基地局との間の通信品質を評価する原理の説
明図である。
【図3】図1に示したエリア設計装置の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図4】図1に示したエリア設計装置の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態のエリア設計装置の動
作を示すフローチャートである。
【図6】従来の移動通信システムのエリア設計装置によ
って複数の移動局の各々と基地局との間の通信品質を評
価する原理の説明図である。
【符号の説明】
101 入力部 102 処理部 103 出力部 104 記憶部 120 制御手段 121 移動局配置手段 122 伝搬損失計算手段 123 接続基地局決定手段 124 基地局送信電力計算手段 125 移動局送信電力計算手段 126 下り回線電力比計算手段 127 上り回線電力比計算手段

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トラヒック分布情報に応じて通信中の複数
    の移動局を配置する手段と、前記移動局の各々が無線接
    続する基地局を決定する手段と、前記基地局が無線接続
    した前記移動局の各々に送信する希望波信号の送信電力
    を計算する手段と、前記移動局の各々が無線接続した基
    地局に送信する希望波信号の送信電力を計算する手段
    と、を備えた移動通信システムのエリア設計装置におい
    て、 前記基地局の各々が前記希望波信号を送信し、且つ、前
    記複数の移動局の各々が前記希望波信号を送信している
    状態で、予め定められた複数の評価地点を順々に選択す
    る手段と、 選択した前記評価地点の各々に位置する評価用移動局と
    前記基地局の各々との間の伝搬損失をランダムな変動量
    を加えて計算し、前記伝搬損失を用いて、前記評価用移
    動局が無線接続する基地局から受信する希望波信号の受
    信電力及び前記評価用移動局が無線接続する前記基地局
    及びその他の基地局から受信する干渉波信号の受信電力
    並びに前記評価用移動局と無線接続する基地局が前記評
    価用移動局から受信する希望波信号の受信電力及び前記
    評価用移動局と無線接続する前記基地局が他の移動局か
    ら受信する干渉波信号の受信電力を算出する手段とを備
    え、 算出した前記希望波信号の受信電力及び前記干渉波信号
    の受信電力に基づいて、前記評価地点の通信品質を計算
    し、前記通信品質の計算を繰り返して劣化率を算出する
    ことを特徴とする移動通信システムのエリア設計装置。
  2. 【請求項2】 トラヒック分布情報に応じて通信中の複
    数の移動局を配置する手段と、前記移動局の各々が無線
    接続する基地局を決定する手段と、前記基地局が無線接
    続した前記移動局の各々に送信する希望波信号の送信電
    力を計算する手段と、前記移動局の各々が無線接続した
    基地局に送信する希望波信号の送信電力を計算する手段
    と、を備えた移動通信システムのエリア設計装置におい
    て、 前記基地局の各々が前記希望波信号を送信し、且つ、前
    記複数の移動局の各々が前記希望波信号を送信している
    状態で、予め定められた複数の評価地点を順々に選択す
    る手段と、 選択した前記評価地点の各々に位置する評価用移動局が
    無線接続する基地局から受信する希望波信号の受信電力
    及び前記評価用移動局が無線接続する前記基地局及びそ
    の他の基地局から受信する干渉波信号の受信電力並びに
    選択した前記評価地点の各々に位置する評価用移動局と
    無線接続する基地局が前記評価用移動局から受信する希
    望波信号の受信電力及び前記評価用移動局と無線接続す
    る前記基地局が他の移動局から受信する干渉波信号の受
    信電力を算出する手段とを備え、 算出した前記希望波信号の受信電力及び前記干渉波信号
    の受信電力に基づいて、前記評価地点の通信品質を計算
    し、前記評価地点のいくつかを包括する地域内の前記各
    評価地点における計算結果のうち所定のレベルを満たさ
    ないものの割合を求めることを特徴とする移動通信シス
    テムのエリア設計装置。
  3. 【請求項3】 複数の前記評価地点のいくつかが正多角
    形状を形成するように前記評価地点を決定することを特
    徴とする請求項1または2に記載の移動通信システムの
    エリア設計装置。
  4. 【請求項4】 前記各評価地点における通信品質を可視
    情報で表示する手段を備えることを特徴とする請求項1
    または2に記載の移動通信システムのエリア設計装置。
  5. 【請求項5】 前記評価結果のうち所定のレベルを満た
    さないものの割合を可視情報で表示する手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の移動通信システムのエ
    リア設計装置。
  6. 【請求項6】 前記トラヒック分布情報を入力する手段
    と、入力した前記トラヒック分布情報を記憶する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1、2、3、4または
    に記載の移動通信システムのエリア設計装置。
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