JP3187772B2 - 強化織物 - Google Patents

強化織物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面の織り組織の
組織模様に変化を与えることなく強化された強化織物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、綾織り組織の織製品が知られてい
る。綾織り組織は、緯糸が所定本数の経糸の下を潜って
1本の経糸の上に浮き、これが繰り返えされることによ
って製織されてなる織製品である。隣接する緯糸同士
は、浮上り位置が経糸に対して左右で1本ずれるように
設定されている。従って、経糸の浮上り部分が直線状に
なった緯糸の浮上り部分を境にして斜めに走り、これに
よって織製品が綾模様になっていることから綾織り組織
といわれる所以である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な綾織り組織の織製品にあっては、緯糸は点が連続した
状態での線状でしか表面に露出していないのに対し、経
糸は所定の幅寸法で緯糸間に帯状に表面に露出している
ことから、かかる綾織り組織の織製品からなる衣類を着
用すると、表面への露出面積の大きい経糸部分が擦過に
よって損傷し易く、これにより衣類の表面が擦り切れた
状態になって着用に耐えなくなるという問題点を有して
いる。
【0004】このような問題点を解消するために、ミシ
ン掛けによる補強縫いを行って織製品を強化することが
試みられることもあるが、このようにすると織製品の表
面側にミシン目が走り、表面の独特の織り組織模様が損
なわれるとともに、補強縫いのために加工コストが嵩む
という新たな問題点が提起される。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、綾織り組織の織製品を対象
とし、表面の織り組織の模様が維持された状態で補強さ
れた強化織物を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
強化織物は、綾織りの織り組織を備えるとともに、経
糸列中に適宜ピッチでアラミド繊維を配設し、このアラ
ミド繊維を綾織り組織の繊維とは別にして綾織りの
表面側から見て複数本の緯糸に沈ませる毎に1本の緯糸
に浮かせた状態で製織して綾織りの表面側では各アラ
ミド繊維を綾織り組織の経糸および緯糸で覆い被し、
綾織りの裏面側では各アラミド繊維を縫い目状に多く顕
出させたものであることを特徴とするものである。
【0007】この強化織物によれば、アラミド繊維は軽
量かつ強靱な繊維であり、かかる繊維がアラミド繊維と
して使用されることにより、強化織物は全体的に強靱な
ものになる。また、アラミド繊維は、日光に暴露される
と日光の光成分中の紫外線の照射を受けて速やかに劣化
し、引張り強度が著しく低下するというマイナスの特性
を有しているが、強化織物は、基礎織製品の裏面側にア
ラミド繊維が製織されているため、日光に直接暴露され
ることはなく、紫外線に起因した強度の低下が起こらな
い。
【0008】すなわち、この強化織物によれば、綾織り
で製織された基礎織製品の織り組織模様が表面側で維持
されつつ裏面側にアラミド繊維が製織されることによっ
て強化織物が形成されているため、強化織物は、外観視
で通常の綾織りの風合いが損なわれない状態になってい
ながら、全体的に補強された丈夫なものになっている。
【0009】そして、綾織りの織製品は、緯糸に比べて
経糸の表面露出の割合が多いことから、綾織り織製品で
形成された衣類は、着用時の擦過で経糸部分が損傷し易
く、この損傷で緯糸はその多くが表面に露出するように
なるとともに、経糸との絡みで維持されていた強度を保
持し得なくなり、これによって衣類が破損するという不
都合を有するが、このような綾織り組織の基礎織製品に
アラミド繊維が裏面側に製織されることにより経糸が擦
り切れても、アラミド繊維による補強によって緯糸の損
傷が防止される。従って、衣類の生地の経糸が擦り切れ
ても、衣類は原形を留めることが可能であり、耐用期間
が延長される。
【0010】また、経糸が擦り切れた状態で、アラミド
繊維の延びる方向に直交するように衣類にミシン掛けを
施せば、ミシン糸によって複数列のアラミド繊維が互い
に縫着された状態になるため、従来のように衣類の擦り
切れ部分に当て布を行う必要がなくなり、その分衣類補
修時の材料コストが軽減されるとともに、当て布によっ
て衣類の着心地が悪くなるような不都合が確実に回避さ
れる。
【0011】かかる強化織物は、修理しながら着用する
ことによって愛着が増し、かつ、商品としても付加価値
が増大するジーンズ用の生地に適している。
【0012】また、アラミド繊維は、複数本の緯糸に沈
んで1本の緯糸に浮いた状態で上記基礎織製品に製織さ
れているため、アラミド繊維は、緯糸に浮いた部分が点
状で基礎織製品の表面に位置するだけであることから、
この点状のアラミド繊維の浮いた部分は、強化織物が織
り上がった時点では、周りの経糸および緯糸によって覆
い被せられ、これによって強化織物の表面から目視でき
ない状態になり、アラミド繊維は、基礎織製品の綾織り
組織の組織模様に変化を与えることなく基礎織製品に付
与されるとともに、アラミド繊維に対する紫外線の直接
照射が回避される。
【0013】さらに、アラミド繊維が経糸として用いら
れているため、基礎織製品の経糸が擦り切れると所定ピ
ッチでこの経糸間に製織された補強用繊維からなる経糸
が緯糸との絡みで製織状態を維持するとともに、この強
靱な経糸が外部に露出するため、これ以上の経糸の損傷
は阻止されるとともに、この補強繊維によって緯糸の切
断も有効に防止される。
【0014】また、補強用繊維を経糸として基礎織製品
に適用したことにより、製織工程における製織処理が容
易になる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜図3は、本発明に係る強化
織物の織り組織の一実施形態を示す部分拡大斜視図であ
り、図1は表面側を示し、見易くするために経糸間およ
び緯糸間を広げた状態にしている。また、図2も表面側
を示し、隣接する経糸同士を当接させた状態にしてい
る。また、図3は、隣接する経糸同士を当接させた状態
の裏面側を示している。さらに、図4および図5は、図
1の強化織物の組織図であり、図4は表面側、図5は裏
面側をそれぞれ示している。なお、これらの図におい
て、経糸3は点描で、緯糸4は白抜きで、アラミド繊維
5は黒塗りでそれぞれ示している。
【0016】まず、図1に示すように、強化織物1は、
通常の繊維からなる経糸3および緯糸4が綾織り組織に
なるように製織されてなる基礎織製品2と、この基礎織
製品2の裏面側に経糸3に平行に所定ピッチで製織され
た複数本のアラミド繊維5とからなる基本構成を有して
いる。
【0017】本実施形態においては、上記基礎織製品2
は、経糸3の1本が緯糸4の3本に浮いて1本に沈み、
これが経糸方向に繰り返されているとともに、緯糸4の
1本が経糸3の3本に沈んで1本に浮き、これが緯糸4
方向に繰り返されるように製織されて形成されている。
そして、緯糸4が1本の経糸3に浮いた緯糸浮上部41
は、右隣の経糸3に右上がりで1つずつずらされてお
り、これによって基礎織製品2の表面側には緯糸浮上部
41が右上がりに斜めに連設された状態になっている。
また、経糸3が緯糸4に浮いた経糸浮上部31は、上記
緯糸浮上部41の斜行列間に形成され、連設された経糸
浮上部31によって、図2および図4に示すように、斜
めに延びる帯状体が形成されている。
【0018】このような基礎織製品2において、アラミ
ド繊維5が、図3および図5に示すように、裏面側に配
されて本発明に係る強化織物1が形成されている。本実
施形態においては、上記アラミド繊維5は、経糸3の4
本毎に配されている。具体的には、アラミド繊維5は、
3本の緯糸4に沈んで1本の緯糸4に浮き、これが繰り
返されることによって基礎織製品2と一体に製織されて
いる。かかるアラミド繊維5は、所定の織機において、
経糸3の原料ロールとは別に設けられたアラミド繊維5
専用のロールから引き出されて専用の綜絖に係架され、
他の経糸3用の綜絖との同期連動によって基礎織製品2
の製織時に同時に製織されるようになっている。なお、
経糸3の原料とアラミド繊維5とを同じロールに巻くこ
ともある。
【0019】従って、強化織物1は、その裏面側に、図
3および図5に示すように、縫い目状のアラミド繊維5
を複数本備えた状態になっているとともに、表面側には
アラミド繊維5が緯糸4の4本毎に1本の割合で緯糸4
に対して浮上した状態になっている。この表面側に浮上
したアラミド繊維浮上部51は、1本の緯糸4のみを跨
いで浮いた状態になっているため、強化織物1が織り上
がった状態では、図2に示すように、周りの経糸3およ
び緯糸4に取り囲まれて基礎織製品2内に没入し、実質
的には表面に露出しないようになっている。
【0020】アラミド繊維は、芳香族環を備えたポリア
ミド繊維であり、軽量かつ強靱で、同重量の鉄鋼をしの
ぐ驚異的な引張り強度を有している。この特性を利用し
てアラミド繊維は、自動車用のタイヤや、タイミングベ
ルトの芯材、光ファイバーケーブルのテンションメンバ
ー、鋭利な金属部材を扱う作業用の手袋、あるいは防弾
チョッキ等の素材に広く適用されているばかりか、航空
・宇宙分野にも広く活用されている。かかるアラミド繊
維が採用されているため、強化織物1は非常に強靱なも
のになっている。
【0021】ところで、アラミド繊維は、紫外線の照射
を受けると、数時間の暴露で顕著な変色(褐色化)を起
こすとともに、数週間の暴露で引張り強度が著しく低下
するというマイナス面の特性をも有している。紫外線は
太陽光に多量に含まれているとともに、白熱電球や蛍光
灯等からの人工光の中にも微量ではあるが含まれてお
り、従って、かかるアラミド繊維の用いられた強化織物
1を野外で日光に曝したり、屋内においても人工光に長
時間に亘って曝すと、変色が生じるとともに引張り強度
が低下するという不都合が発生するが、本発明の強化織
物1は、アラミド繊維5がほんの一部を除いて基礎織製
品2の裏面側に配されているため、アラミド繊維5の紫
外線による劣化が有効に防止される。
【0022】本発明は、以上詳述したように、強化織物
1は、綾織りで製織された基礎織製品2の織り組織模様
が表面側で維持された状態で裏面側にアラミド繊維5が
製織されて形成しているため、強化織物1を、外観視で
通常の綾織りの風合いが損なわれない状態になっていな
がら、全体的に補強された丈夫なものにすることができ
る。
【0023】そして、綾織りの織製品は、緯糸4に比べ
て経糸3の表面露出の割合が多いことから、綾織り織製
品で形成された衣類は、着用時の擦過で経糸3部分が損
傷し易く、この損傷で緯糸4はその多くが表面に露出す
るようになるとともに、経糸3との絡みで維持されてい
た強度を保持し得なくなり、これによって衣類が破損す
るという不都合を有するが、このような綾織り組織の基
礎織製品2にアラミド繊維5が裏面側に製織されること
により経糸3が擦り切れても、アラミド繊維5による補
強によって緯糸4の損傷を防止することができる。従っ
て、衣類の生地の経糸3が擦り切れても、衣類は原形を
留めることが可能であり、その分耐用期間を延長させる
ことができる。
【0024】また、経糸3が擦り切れた状態で、アラミ
ド繊維5の延びる方向に直交するように衣類にミシン掛
けを施せば、ミシン糸によって複数列のアラミド繊維5
が互いに縫着された状態になるため、従来のように衣類
の擦り切れ部分に当て布を行う必要がなくなり、その分
衣類補修時の材料コストが軽減されるとともに、当て布
によって衣類の着心地が悪くなるような不都合を回避す
ることができる。
【0025】そして、製織処理時にアラミド繊維5を経
糸として強化織物1を製織することによって、得られた
強化織物1は、経糸3が擦り切れると所定ピッチでこの
経糸3間に配されたアラミド繊維5が緯糸4との絡みで
製織状態を維持するとともに、この強靱なアラミド繊維
5が外部に露出するため、これ以上の経糸3の損傷は阻
止されるとともに、この補強繊維によって緯糸4の切断
を有効に防止することができる。
【0026】また、アラミド繊維5を経糸として基礎織
製品2に適用したことにより、通常の経糸3用の原糸ロ
ールにアラミド繊維5用のロールを追加することによっ
て通常の製織処理と同様の処理で強化織物1を製織する
ことができ、アラミド繊維5を緯糸として適用する場合
には、緯糸4をアラミド繊維5用に変えることにより製
織処理を容易に行うことができる。
【0027】そして、軽量かつ強靱な繊維であるアラミ
ド繊維をアラミド繊維5として採用することにより、強
化織物1を全体的に非常に強靱なものにすることができ
る。また、アラミド繊維は、日光に暴露されると日光の
光成分中の紫外線の照射を受けて速やかに劣化し、引張
り強度が著しく低下するというマイナスの特性を有して
いるが、強化織物1は、基礎織製品2の裏面側にのみ製
織されているため、日光に直接暴露されることはなく、
紫外線に起因した強度の低下を確実に防止することがで
きる。
【0028】本発明は上記の実施形態に限定されるもの
ではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0029】(1)上記の実施形態においては、基礎織
製品2は、綾織りの織り組織として経糸3が1本の緯糸
4に沈んで3本の緯糸4に浮くように設定されている
が、本発明はかかる1:3方式に限定されるものではな
く、1:4方式、1:5方式、1:6方式、1:7方
式、・・・、1:n方式であってもよい。ちなみに、n
は、最大でも20に設定するのが好ましい。その理由
は、nが20を越えると、経糸3があまりに長く緯糸4
上に浮いた状態になることによってほつれやすくなり、
生地として不適当なものになるからである。
【0030】(2)上記の実施形態においては、基礎織
製品2は、綾織りとして経糸3が緯糸4に浮くように設
定されているが、本発明は経糸3が緯糸4に浮くように
設定されることに限定されるものではなく、緯糸4が基
礎織製品2に浮くように織り組織を設定してもよいし、
経糸3および緯糸4の双方が複数本ずつ交互に他の糸に
浮くように設定してもよく、その組み合わせについては
無数にあるが、どれを採用するかは任意である。さら
に、本実施形態においては、いわゆる右上がりの綾織り
組織を例示しているが、左上がりにしてもよい。また、
右上がりと左上がりとが混在するものでもよい。
【0031】(3)上記の実施形態においては、アラミ
ド繊維5は、経糸3の4本ごとに経糸3間に介設されて
いるが、本発明は、アラミド繊維5を経糸3の4本毎に
配することに限定されるものではなく、2本毎または3
本毎に配してもよいし、5本以上の本数ごとに配しても
よい。但し、最大でも20本毎に配するようにするのが
好ましい。アラミド繊維5間の間隔が空き過ぎては、本
発明の強化織物1としての特性を享受することができな
くなるからである。
【0032】(4)上記の実施形態においては、アラミ
ド繊維5が経糸として適用されているが、本発明は、ア
ラミド繊維5を経糸として適用することに限定されるも
のではなく、緯糸として、基礎織製品2に付与すること
も可能である。但し、この場合、強化織物1の製織時に
は緯糸として基礎織製品2用の経糸と、アラミド繊維5
用の緯糸との2種類の緯糸を使いわける必要があり、ま
た、2種類を交互あるいはランダムに入れる場合もあ
る。
【0033】(5)上記の実施形態においては経糸3と
緯糸4とが同一繊維素材によって形成されているが、本
発明は経糸3と緯糸4とが同一繊維素材で形成されるこ
とに限定されるものではなく、例えば経糸3に綿やアラ
ミド繊維を用い、緯糸4にポリエステル繊維を用いても
よいし、その逆にしてもよい等、その組み合わせについ
ては任意である。
【0034】(6)上記の実施形態においては、基礎織
製品は、緯糸の1本を一つの単位として製織されている
が(すなわち1本ずつが製織されているが)、緯糸の複
数本(例えば2本または3本)を一つの緯糸単位として
製織してもよい。経糸についても同様にすることができ
る。
【0035】
【実施例】本発明に係る強化織物1の引張り強度を試験
した。まず、本発明に係る2種類の強化織物のそれぞれ
について経糸3および緯糸4に平行に裁断して所定寸法
の矩形状の第1試料と第2試料とを調製した。第1試料
は、経糸3の8本おきに1本のアラミド繊維5を配した
ものであり、第2試料は、経糸3の4本おきに1本のア
ラミド繊維5を配したものである。なお、第2試料につ
いては緯糸4に一部アラミド繊維を採用している。第1
および第2試料とも、アラミド繊維5を除いた基礎織製
品2の織り組織については、上記の実施形態と同様の組
織で製織されている。また、比較試料としてアラミド繊
維5を用いない、基礎織製品2と同様の織り組織のもの
を調製した。
【0036】ついで、上記各試料についてJISL−1
096に規定されたD法(ペンジュラム法)によって試
料が引き裂かれた時点での経糸方向および緯糸方向の引
張り強度を測定した。測定結果は表1の通りである。
【0037】
【表1】
【0038】表1で判る通り、アラミド繊維5を使用し
ない比較試料では、引張り強度は、経糸方向が7.5k
g、緯糸方向が5.9kgであるのに対し、本発明に係
る試料1は、経糸方向が13.9kg、緯糸方向が7.
2kgと、それぞれ引張り強度が6.4kgおよび1.
3kg向上したことが確認された。また、試料2にあっ
ては、経糸方向および緯糸方向の引張り強度が15kg
以上および8.2kgになり、比較試料に対して大幅に
改善されていることが確認された。
【0039】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の強化織物によれ
ば、綾織りの織り組織を備えるとともに、経糸列中に
適宜ピッチでアラミド繊維を配設し、綾織りの表面側
から見て各アラミド繊維を複数本の緯糸に沈ませる毎に
1本の緯糸に浮かせた状態で製織して綾織りの表面側
では各アラミド繊維を組織的に周囲の糸で覆い被し、
綾織りの裏面側では各アラミド繊維を縫い目状に多く顕
出させているため、強化織物を、外観視で通常の綾織り
の風合いが損なわれない状態を維持しつつ、全体的に補
強された丈夫なものにすることができる。
【0040】そして、綾織りの織製品は、緯糸に比べて
経糸の表面露出の割合が多いことから、綾織り織製品で
形成された衣類は、着用時の擦過で経糸部分が損傷し易
く、この損傷で緯糸はその多くが表面に露出するように
なるとともに、経糸との絡みで維持されていた強度を保
持し得なくなり、これによって衣類が破損するという不
都合を有するが、このような綾織り組織の基礎織製品に
アラミド繊維が裏面側に製織されることにより経糸が擦
り切れても、アラミド繊維による補強によって緯糸の損
傷を防止することができる。従って、衣類の生地の経糸
が擦り切れても、衣類は原形を留めることが可能であ
り、その分耐用期間を延長することができる。
【0041】また、経糸が擦り切れた状態で、アラミド
繊維の延びる方向に直交するように衣類にミシン掛けを
施せば、ミシン糸によって複数列のアラミド繊維が互い
に縫着された状態になるため、従来のように衣類の擦り
切れ部分に当て布を行う必要がなくなり、その分衣類補
修時の材料コストを軽減することができるとともに、当
て布によって衣類の着心地が悪くなるような不都合を回
避することができる。
【0042】かかる強化織物は、修理しながら着用する
ことによって愛着が増し、かつ、特定の市場では商品と
しての付加価値が増大するジーンズ用の生地(デニム
地)に適している。
【0043】また、アラミド繊維を、複数本の緯糸に沈
んで1本の緯糸に浮いた状態で基礎織製品に製織したた
め、アラミド繊維は、緯糸に浮いた部分が点状で基礎織
製品の表面に位置するだけであり、しかも、この点状の
アラミド繊維の浮いた部分は、強化織物が織り上がった
時点では、周りの経糸および緯糸によって覆い被せら
れ、これによって上記浮いた部分を強化織物の表面から
目視できない状態にすることができる。従って、アラミ
ド繊維は、基礎織製品の綾織り組織の組織模様に変化を
与えることなく基礎織製品に付与されるとともに、アラ
ミド繊維に対する紫外線の直接照射を回避することがで
きる。
【0044】さらに、アラミド繊維を経糸として製織す
るようにしたため、基礎織製品の経糸が擦り切れると所
定ピッチでこの経糸間に製織された補強用繊維からなる
経糸が緯糸との絡みで製織状態を維持するとともに、こ
の強靱な経糸が外部に露出し、これ以上の経糸の損傷を
阻止することができるとともに、この補強繊維によって
緯糸の切断も有効に防止することができる。
【0045】加えて、補強用繊維を経糸として基礎織製
品に適用したことにより、製織工程における製織処理が
容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る強化織物の織り組織の一実施形態
を示す表面側の部分拡大斜視図であり、見易くするため
に経糸間および緯糸間を広げた状態にしている。
【図2】図1の強化織物の表面側の部分拡大斜視図であ
り、隣接する経糸同士を当接させた状態を示している。
【図3】図1の強化織物の裏面側の部分拡大斜視図であ
り、隣接する経糸同士を当接させた状態を示している。
【図4】図1の強化織物の組織図であり、表面側を示し
ている。
【図5】図1の強化織物の組織図であり、裏面側を示し
ている。
【符号の説明】 1 強化織物 2 基礎織製品 3 経糸 31 経糸浮上部 4 緯糸 41 緯糸浮上部 5 アラミド繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 15/00 D03D 25/00 101

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 綾織りの織り組織を備えるとともに、
    経糸列中に適宜ピッチでアラミド繊維を配設し、このア
    ラミド繊維を綾織り組織の繊維とは別にして綾織り
    の表面側から見て複数本の緯糸に沈ませる毎に1本の緯
    糸に浮かせた状態で製織して綾織りの表面側では各ア
    ラミド繊維を綾織り組織の経糸および緯糸で覆い被し、
    綾織りの裏面側では各アラミド繊維を縫い目状に多く
    顕出させたものであることを特徴とする強化織物。
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