JP3187617B2 - 磁気ヘッド駆動装置及び光磁気記録装置 - Google Patents

磁気ヘッド駆動装置及び光磁気記録装置

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JP3187617B2 JP23581893A JP23581893A JP3187617B2 JP 3187617 B2 JP3187617 B2 JP 3187617B2 JP 23581893 A JP23581893 A JP 23581893A JP 23581893 A JP23581893 A JP 23581893A JP 3187617 B2 JP3187617 B2 JP 3187617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドの磁界を情
報信号に応じて変調する磁気ヘッド駆動装置及びその磁
気ヘッド駆動装置を使用した光磁気記録装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、光磁気記録装置の記録方式として
は、光変調方式や磁界変調方式などが知られているが、
特に磁界変調方式は旧データの上に新データを直接重ね
書き(オーバライト)することができるので、記録速度
などの点で優れている。図10はその磁界変調方式の光
磁気記録装置の概略構成を示した図で、1は情報記録媒
体であるところの光磁気ディスク、2はこのディスクに
設けられた光磁気記録層である。光磁気ディスク1の上
面には、磁芯に主コイルLH が巻回された磁気ヘッド3
が配設され、下面には磁気ヘッド3と相対向して光ヘッ
ド4が配設されている。
【0003】情報を記録する場合、光ヘッド4からその
内部に設けられた半導体レーザのレーザビームが記録層
2上に微小光スポットとして照射され、記録部位の温度
をキューリー温度以上に上昇させる。一方、磁気ヘッド
3は駆動回路5の駆動により記録情報に応じて変調され
たバイアス磁界を発生し、記録層2の昇温部位に印加す
る。これにより、記録層2上の昇温部位の磁化はバイア
ス磁界の方向に配向し光磁気ディスク1の回転に伴ない
昇温部位が冷却されると、磁化方向が固定されて記録層
2上に情報信号に対応した磁化方向の情報ピットが記録
される。
【0004】ところで、最近では情報をより高密度で記
録するために、情報ピットの記録方式としてピットのセ
ンターの位置に情報の意味をもたせるピット位置記録か
ら、ピットのエッジの位置に情報の意味をもたせるピッ
トエッジ記録に移行しつつある。こうしたピットエッジ
記録では、情報ピットのエッジを明瞭に記録する必要が
あり、そのためには記録時の磁気ヘッドによるバイアス
磁界の反転速度を高速化することが要求される。
【0005】このような要求を満足する磁気ヘッドの駆
動装置としては、例えば特開昭63−94406号公報
に開示されたものが知られている。図11はその駆動装
置を示した回路図で、Vは直流電源、LH は磁気ヘッド
3のバイアス磁界を発生するための主コイル、L1、L
2は磁界を高速で切換えるための補助コイルである。ま
た、SW1とSW2は主コイルLH の電流の向きを切換
えるためのスイッチ素子、R1、R2は電流制限用の抵
抗器である。補助コイルL1、L2のインダクタンスは
主コイルLH のそれよりも十分に大きな値に設定されて
いる。この駆動装置においては、スイッチ素子SW1、
SW2が交互にオンするように制御され主コイルLH
電流の向きを切換えることによって、発生磁界の極性が
記録情報に応じて切換えられる。
【0006】具体的には、スイッチ素子SW1がオン、
SW2がオフの状態では電流経路CH1とCH4が導通
し、他の破線で示すCH2、CH3は遮断状態となる。
このとき電流経路CH1の導通によって主コイルLH
電流が供給されるため、このコイルLH によりその電流
の向きに対応した磁界が発生する。一方、スイッチ素子
SW1がオフし、SW2がオンすると、電流経路CH
2、CH3が導通し、CH1とCH4は遮断状態とな
る。この結果、電流経路CH2の導通により主コイルL
H に前記とは逆方向の電流が供給され、極性の反転した
磁界を発生する。ここで、補助コイルL1、L2のイン
ダクタンスは、主コイルLH のそれよりも十分に大きい
ため、補助コイルL1、L2に流れる電流は電流経路の
遮断や導通状態にかかわらず略一定となる。そのため、
スイッチ素子SW1、SW2のオン、オフの時間を十分
に短く、すなわち高速でスイッチングすれば、極めて短
時間で主コイルLH に流れる電流の方向を反転させるこ
とができる。その結果、磁気ヘッドのバイアス磁界を高
速で反転させることが可能となり、ピットエッジ記録に
おいて良好に情報を記録することができる。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】ところで、スイッ
チ素子としては例えばMOS型FET(電界効果トラン
ジスタ)が使用されるのであるが、こうしたスイッチ素
子で実際にインダクタンス負荷の電流をスイッチングし
た場合、スイッチ素子はオフの状態で端子間容量を有す
るので、この容量と主コイルのインダクタンスで電流の
振動現象が発生する。端子間容量としては、MOS型F
ETであればドレイン−ソース間容量やドレイン−ゲー
ト間容量などがこれに相当する。そのため、スイッチ素
子で高速スイッチングしても電流の振動によって電流反
転時間が遅くなったり、電流波形が歪んだりするなどの
悪影響を与えてしまう。また、MOS型FETは高速の
スイッチング特性を備えた点ではスイッチ素子として適
しているが、一方では素子内の寄生ダイオードのため、
電流の逆流が発生し、電流の振動を増長してしまう。
【0008】こうした電流の振動は、良好な信号の記録
を行う上で悪影響を与えるだけであるため、振動振幅は
小さく、また早く整定することが望ましい。このこと
は、記録を高速化するために、記録信号の周波数を高く
した場合は、より一層重要である。そこで、電流振動を
抑制するために、容量の小さいスイッチ素子を使用した
り、主コイルの巻数を減らしてインダクタンスを小さく
したり、あるいは主コイルと並列にダンピング用の抵抗
器を接続するなどの対策が考えられている。しかし、こ
うした方法では容量やイダクタンスを小さくするには限
度があり、またダンピング用の抵抗器による振動抑制効
果にも限度があるので、十分に電流振動を抑制すること
は困難であった。
【0009】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的は補助コイルと磁気ヘッドの各接
続点と各スイッチ素子の間にダイオードを設けることに
より磁気ヘッドの電流振動を効果的に抑制して駆動電流
が反転時により早く適正値に整定できるようにし、これ
によって高速記録にも対処できるようにした磁気ヘッド
駆動装置及び光磁気記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、一対の
補助コイルと、この一対の補助コイルにそれぞれ直列に
接続された一対のスイッチ素子とを有し、この一対のス
イッチ素子を情報信号に応じて交互にオン/オフ駆動す
ることにより、前記一対の補助コイルと一対のスイッチ
素子の各接続点間に設けられた磁気ヘッドの駆動電流
方向を切り換える磁気ヘッド駆動装置において、前記補
助コイルと磁気ヘッドの各接続点と各スイッチ素子の間
に、それぞれ前記磁気ヘッドの駆動電流の電流振動を抑
制するためのダイオードを設け、更に前記スイッチ素子
がオフである間に前記スイッチ素子の端子間に蓄積され
た電荷を放電させるための素子を設けたことを特徴とす
る磁気ヘッド駆動装置によって達成される。
【0011】また、本発明の目的は、光磁気記録媒体に
光ビームを照射する光ヘッドと、前記記録媒体の表面近
傍に設けられた磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを駆動し
て該磁気ヘッドの磁界を情報信号に応じて変調する磁気
ヘッド駆動回路とを有し、前記記録媒体に前記光ヘッド
から光ビームを照射しながら前記磁気ヘッドから変調磁
界を印加することにより情報の記録を行う光磁気記録装
置において、前記磁気ヘッド駆動回路は、一対の補助コ
イルと、この一対の補助コイルにそれぞれ直列に接続さ
れた一対のスイッチ素子からなり、このスイッチ素子を
情報信号に応じて交互にオン/オフ駆動することによ
り、前記一対の補助コイルと一対のスイッチ素子の各接
続点間に設けられた磁気ヘッドの駆動電流の方向を切り
換えると共に、前記補助コイルと磁気ヘッドの各接続点
と各スイッチ素子の間には、それぞれ前記磁気ヘッドの
駆動電流の電流振動を抑制するためのダイオードを設
け、更に前記スイッチ素子がオフである間に前記スイッ
チ素子の端子間に蓄積された電荷を放電させるための素
子を設けたことを特徴とする光磁気記録装置によって達
成される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。図1は本発明の磁気ヘッド駆動装置
の一実施例を示した回路図である。なお、図1では図1
1に示した従来装置と同一部分は同一符号を付してあ
る。図1において、LH は図10に示したように磁心の
外周に巻回された主コイルである。磁心及びこれに巻回
された主コイルLH は、磁気ヘッド3として光磁気ディ
スク1の表面近傍に配設されている。Vは直流電源、R
1、R2は電流制限用の抵抗器、L1、L2は補助コイ
ルである。また、SW1、SW2は補助コイルL1、L
2にそれぞれ直列に接続されたスイッチ素子である。本
実施例では、スイッチ素子SW1、SW2としてはバイ
ポーラのトランジスタが使用されている。
【0013】Rd は主コイルLH に並列に接続されたダ
ンピング用抵抗器である。スイッチ素子SW1、SW2
を交互にオンし、主コイルLH の駆動電流の方向を切り
換えて磁気ヘッドの磁界を変調する場合、前述のように
主コイルLH のインダクタンスとスイッチ素子の端子間
容量で電流振動が生じるのであるが、ダンピング用抵抗
器Rd はこの振動エネルギーを吸収して電流振動を減衰
させるためのものである。D1は補助コイルL1と主コ
イルLH の接続点とスイッチ素子SW1との間に設けら
れたダイオード、D2は補助コイルL2と主コイルLH
の接続点とスイッチ素子SW2との間に設けられたダイ
オードである。
【0014】これらのダイオードD1とD2は詳しくは
後述するが、主コイルLH のインダクタンスとスイッチ
素子の容量で発生する電流振動を抑制して電流振動をよ
り早く減衰させるように作用するものである。また、ス
イッチ素子SW1、SW2としては、前述のようにトラ
ンジスタが使用されており、図中に示すC1及びC2は
そのスイッチ素子SW1とSW2の端子間にそれぞれ存
在する端子間容量である。以上の図1に示した磁気ヘッ
ド駆動装置は図10に示した光磁気記録装置に搭載さ
れ、光磁気ディスク1の表面近傍に配設された磁気ヘッ
ド3を駆動することによって情報の記録が行われる。以
下に説明する実施例の磁気ヘッド駆動装置も同様に図1
0の光磁気記録装置に搭載される。
【0015】次に、上記実施例の動作について説明す
る。始めに、ダイオードD1、D2がない場合の動作を
図2に基づいて説明する。図2(a)は主コイルLH
駆動電流、図2(b)は図1に示したダイオードD1と
スイッチ素子SW1の接続点であるA点の電圧である。
また、図2(c)はスイッチ素子SW1の動作状態を示
した図で、ハイレベルのときはオン、ローレベルのとき
はオフである。図2(d)も同様にスイッチ素子SW2
の動作状態を示した図で、ハイレベルのときはオン、ロ
ーレベルのときはオフである。
【0016】ここで、スイッチ素子SW1がオンしてい
るときは、図2(b)のようにA点の電圧はほぼ0であ
るが、スイッチ素子SW1がオンからオフに転じると、
A点電圧は図2(b)のように振動を開始し、それから
振動を繰り返しながら徐々に減衰していく。こうした電
圧の振動現象は主コイルLH のインダクタンスとスイッ
チ素子SW1の端子間容量C1によって発生し、これに
起因して前述のように主コイルLH の駆動電流にも電流
の振動現象が生じる。即ち、スイッチ素子SW1がオン
からオフに転じると、図2(a)のように電流の振動を
開始し、それから振動しながら減衰していって図中にC
で示す適正な電流値に整定する。一方、スイッチ素子S
W2側のB点の電圧も図面では示していないが、スイッ
チ素子SW2がオフすると、図2(b)と同じように振
動し、また主コイルLH の駆動電流も図2(a)のよう
に振動する。こうした振動はダンビング用抵抗器Rd
よってある程度は抑制されるのであるが、図2(a)、
(b)のように十分ではなく依然として振動現象は残る
ので、駆動電流が適正電流に整定するのに時間を要す
る。
【0017】次に、上記実施例のダイオードD1とD2
を設けた場合の動作を図3に基づいて説明する。図3
(a)は主コイルLH の駆動電流、図3(b)はA点電
圧、図3(c)、(d)はスイッチ素子SW1、SW2
の動作状態を示した図である。スイッチ素子SW1がオ
ンからオフに転じた場合、A点の電圧は図3(b)のよ
うにわずかに振動し、このときの振動振幅は図2(b)
に比べて大幅に小さく、また最初のピークを経た後は速
やかに減衰してある一定電圧に落ち着く。これは次のよ
うなダイオードD1の働きによる。即ち、スイッチ素子
SW1のオフと同時にダイオードD1を通してスイッチ
素子SW1の容量C1が充電され、A点電圧は図3
(b)のように上昇していく。
【0018】このとき、容量C1に蓄積された電荷はダ
イオードD1で阻止され、逆流できないために、A点電
圧は高電圧に保持される。しかし、実際にはダイオード
D1の逆回復特性によってわずかに電荷が逆流するの
で、A点電圧は図3(b)のようにそれに応じてわずか
に振動する。従って、ダイオードD1が理想的な素子で
あれば、振動は全く生じない。一方、ダイオードD1の
アノードの電圧は図2(b)に示したように主コイルL
H のインダクタンスと容量C1で振動しており、やがて
ダイオードD1のアノードの電圧が低下すると、ダイオ
ードD1は逆バイアス状態となる。
【0019】ダイオードD1が逆バイアスされた場合、
ダイオードD1の接合容量をCd とすると、図4に示す
ように等価的にダイオードD1の接合容量Cd と、スイ
ッチ素子SW1の端子間容量C1が直列に接続された形
となる。従って、容量C1とCd の合成値Cは、 C=Cd ・C1/(Cd +C1) であるので、接合容量Cd がC1よりも十分に小さいダ
イオードを使用すれば、前述のダイオードによる電荷の
逆流阻止効果に加えて電圧振動の原因となる容量を更に
小さくすることが可能となる。よって、最初のピークの
後は電圧振動は速やかに減衰し、またスイッチ素子SW
1がオフしたときに発生する主コイルLHの駆動電流の
振動も図3(a)のように振幅は小さくなり、速やかに
減衰して適正電流Cに早く整定する。一方、B点におい
てもダイオードD2の働きによって電圧振動は速やかに
減衰し、またスイッチ素子SW2がオフしたときの駆動
電流の振動も図3(a)のように速やかに減衰する。
【0020】このように本実施例では、各補助コイルと
主コイルの接続点と各スイッチ素子の間にそれぞれダイ
オードを設けたことにより、スイッチ素子の端子間容量
の蓄積電荷の逆流を阻止し、またスイッチ素子の有する
容量を見かけ上小さくできるために、スイッチ素子の容
量と主コイルのインダクタンスで発生する電圧や電流の
振動を効果的に抑制することができる。従って、主コイ
ルの駆動電流が反転したときに駆動電流がより早く適正
値に整定されるため、記録信号の周波数を高めた場合に
おいても十分に対処でき、高速記録に好適な磁気ヘッド
駆動装置として提供することができる。また、スイッチ
素子としてMOS型FETを使用した場合は、前述のよ
うに素子内の寄生ダイオードのために、電流振動が増長
されるのであるが、後述するようにMOS型FETを使
用しても電流振動が増長されることはなく、主コイルの
電流振動を効果的に抑制することができる。
【0021】図5は本発明の他の実施例を示した回路図
である。この実施例は、ダイオードD1、D2に加えて
スイッチ素子SW1、SW2と並列にそれぞれ抵抗器R
3、R4を設けた例である。その他の構成は図1と同じ
である。図1の実施例では、前述のようにスイッチ素子
SW1がオフに転じた場合、ダイオードD1を通してス
イッチ素子SW1の端子間容量C1に電荷が流入して端
子間容量C1に蓄積され、ダイオードD1は逆バイアス
された状態となる。そして、スイッチ素子SW1が再び
オンすると、前記の蓄積電荷はスイッチ素子SW1を通
して放電され、A点の電圧が低下することによってダイ
オードD1の逆バイアスは解除される。こうしてダイオ
ードD1の逆バイアスが解除されると、ようやく主コイ
ルLH の駆動電流がダイオードD1を介してスイッチ素
子SW1に流れるようになる。
【0022】このようにスイッチ素子SW1がオンした
場合、主コイルLH の駆動電流がスイッチSW1に流れ
るまでに時間遅れが生じ、駆動電流の反転時間が長くな
ってしまう。この様子を図3(a)に示しており、前述
のような駆動電流の遅れは破線で囲んだD部の電流反転
開始直後に電流の変化速度が緩やかになるといった現象
で現われる。こうした現象は他方のスイッチ素子SW2
がオンした場合にも発生する。
【0023】そこで、本実施例の動作について説明す
る。図6は本実施例の各部の信号を示した図で、図6
(a)は主コイルLH の駆動電流、図6(b)はA点の
電圧、図6(a)、(d)はスイッチ素子SW1、SW
2の動作状態を示した図である。本実施例では、スイッ
チ素子SW1がオフしたときにスイッチ素子SW1の端
子間容量C1に電荷が流入するため、図6(b)のよう
にA点の電圧は急上昇し、また一方で抵抗器R3を通し
て放電されるので、電圧のピークを経た後は徐々に低下
していく。そして、再びスイッチ素子SW1がオンした
時点では蓄積電荷は十分に放電し、A点の電圧は図6
(b)のように十分に低下する。また、他方のB点の電
圧も全く同様にスイッチ素子SW2がオンしたときは十
分に低下する。従って、スイッチ素子SW1、SW2が
オンしたときにA、B点の電圧は十分に低いので、図6
(a)にDで示すように電流反転開始直後の電流の変化
は急峻となり、駆動電流の反転時間を早めることができ
る。
【0024】なお、抵抗器R3、R4の抵抗値として
は、スイッチ素子SW1、SW2の直流抵抗分に比べて
十分に大きな値(例えば、100倍以上)とし、また電
流反転の周期(記録信号の周期)に応じて蓄積電荷の放
電時定数が適切になるように設定すればよい。更に、抵
抗器以外の同等の機能を有する素子を用いて蓄積電荷を
放電するようにしてもよい。
【0025】図7は本発明の更に他の実施例を示した回
路図である。この実施例は、スイッチ素子としてMOS
型FETを使用した例である。図7において、T1及び
T2はスイッチ素子としてのMOS型FETである。こ
うしたMOS型FETは前述のように電流を高速でスイ
ッチングする点で磁気ヘッドの駆動に適しているが、そ
の構造上ドレイン−ソース間にダイオードが寄生するた
め、主コイルLH の駆動電流の整定性を悪化させる原因
となっている。D3及びD4はそのMOS型FETT1
及びT2に寄生するダイオード、C1及びC2は端子間
容量である。また、D1及びD2は図1の実施例で説明
したように主コイルLH の駆動電流の振動を抑制するた
めのダイオード、R3及びR4は図5の実施例で説明し
たように蓄積電荷を放電するための抵抗器である。
【0026】次に、本実施例の動作を説明する。始め
に、ダイオードD1及びD2、抵抗器R3及びR4がな
い場合の動作を図8に基づいて説明する。図8(a)は
主コイルLH の駆動電流、図8(b)はA点の電圧、図
8(c)、(d)はMOS型FETT1、T2の動作状
態を示した図である。ダイオードD1、D2と抵抗器R
3、R4がない場合、A点の電圧はFETT1がオンし
ている間は図8(b)のようにほぼ0であるが、オフに
転じると振動を開始する。この振動は前述のように主コ
イルLH のインダクタンスとFETT1の容量C1によ
って発生する。
【0027】振動を開始すると、A点の電圧は容量C1
へ電荷が流入するために、図8(b)のように上昇して
ピークへ達し、ピークへ達した後は容量C1の蓄積電荷
は主コイルLH とダンピング用抵抗器Rd 側へ放電され
るので、A点の電圧は図8(b)のように下降してい
く。この間、寄生ダイオードD3は逆バイアス状態であ
るが、A点の電圧が十分に低下すると、今度は寄生ダイ
オードD3は順バイアスされ、直流電源Vのグランドか
ら電流が逆流するために、図8(b)のようにA点の電
圧は寄生ダイオードD3の順方向降下分だけ負電圧とな
る。また、この寄生ダイオードD3に逆流する電流は主
コイルLH を通って他方のFETT2に流れるので、主
コイルLH の駆動電流は図8(a)のように反転後に一
時的に過大となり、適正な電流に整定するまでかなりの
時間を要することになる。
【0028】次に、ダイオードD1とD2及び抵抗器R
3とR4を設けた場合の動作を図9に基づいて説明す
る。図9(a)は主コイルLH の駆動電流、図9(b)
はA点の電圧、図9(c)、(d)はFETT1、T2
の動作状態を示した図である。ダイオードD1、D2及
び抵抗器R3、R4を設けた場合も、A点の電圧は同様
にFETT1がオフしたときに図9(b)のように容量
C1に電荷が流入するため急激に上昇する。ピークを経
た後は、ここではダイオードD1を設けているために、
主コイルLH 側へ電流が逆流することはなく、ダイオー
ドD1は逆バイアス状態となる。このとき、端子間容量
C1は前述のようにダイオードD1の接合容量Cd との
合成値になるので、容量C1は実質的に小さくなってA
点の電圧の振動は図9(b)のように速やかに減衰す
る。また、寄生ダイオードD3にもA点の電圧が印加さ
れるので、寄生ダイオードD3が順バイアスされること
はなく電流が寄生ダイオードD3を通じて逆流すること
はない。
【0029】一方、FETT1の容量C1の蓄積電荷は
抵抗器R3を通じて放電されるために、A点の電圧は図
9(b)のように徐々に低下し、再びFETT1がオン
したときは十分に低くなる。この結果、図9(a)のよ
うに主コイルLH の駆動電流の電流反転直後の電流振動
振幅は小さくなり、また速やかに減衰して適正電流に早
く整定する。更に、抵抗器R3による放電効果のため
に、主コイルLH の駆動電流の反転開始時の電流変化も
図9(a)のように急峻となって電流反転時間を早くす
ることができる。なお、他方のFETT2側においても
ダイオードD2と抵抗器R4を設けたことによって駆動
電流の振動は速やかに減衰し、また電流反転時間も早く
なる。
【0030】このように本実施例では、スイッチ素子と
してMOS型FETを使用しても、ダイオードD1とD
2を設けたことにより、寄生ダイオードの影響によって
主コイルの駆動電流の整定性が悪化することを防止で
き、また抵抗器R3、R4を設けたことによって駆動電
流の電流反転時間を早くすることができる。従って、M
OS型FETの高速スイッチング特性を活かしたピット
エッジ記録に好適な磁気ヘッド駆動装置として提供で
き、加えて前述のように電流振動を速やかに減衰して適
正電流に早く整定するために、更に高速記録の磁気ヘッ
ド駆動装置として提供することができる。
【0031】なお、以上の実施例で説明したダイオード
D1、D2としては、接合容量が小さく、逆回復時間が
早く、更には順方向降下電圧の小さい特性を有するもの
が望ましく、こうした要求に応えるものとしては、ショ
ットキーバリアダイオードが最も適している。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、補助コイ
ルと磁気ヘッドの各接続点と各スイッチ素子の間にそれ
ぞれダイオードを設けたことにより、主コイルの駆動電
流の電流振動を効果的に抑制でき、これによって駆動電
流を適正電流により早く整定することができる。更に前
記スイッチ素子がオフである間にスイッチ素子の端子間
に蓄積された電荷を放電させるための素子を設けたこと
により、駆動電流の反転時間を早めることができる。
って、記録信号の周波数を高くした場合においても十分
に対処でき、情報の高速記録に大きく寄与することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッド駆動装置の一実施例を示し
た回路図である。
【図2】図1の実施例でダイオードD1、D2がないと
仮定した場合の各部の信号を示したタイムチャートであ
る。
【図3】図1の実施例の各部の信号を示したタイムチャ
ートである。
【図4】図1の実施例のダイオードD1を等価的にその
接合容量で置き換えて示した回路図である。
【図5】本発明の他の実施例を示した回路図である。
【図6】図5の実施例の各部の信号を示したタイムチャ
ートである。
【図7】本発明の更に他の実施例を示した回路図であ
る。
【図8】図7の実施例でダイオードD1、D2及び抵抗
器R3、R4がないと仮定した場合の各部の信号を示し
たタイムチャートである。
【図9】図7の実施例の各部の信号を示したタイムチャ
ートである。
【図10】磁界変調方式の光磁気記録装置の概略構成を
示した構成図である。
【図11】従来例の磁気ヘッド駆動装置を示した回路図
である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク 3 磁気ヘッド 4 光ヘッド L1、L2 補助コイル LH 主コイル R1〜R4 抵抗器 Rd ダンビング用抵抗器 D1、D2 ダイオード D3、D4 寄生ダイオード T1、T2 MOS型FET C1、C2 端子間容量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/02 G11B 11/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の補助コイルと、この一対の補助コ
    イルにそれぞれ直列に接続された一対のスイッチ素子と
    を有し、この一対のスイッチ素子を情報信号に応じて
    互にオン/オフ駆動することにより、前記一対の補助コ
    イルと一対のスイッチ素子の各接続点間に設けられた磁
    気ヘッドの駆動電流方向を切り換える磁気ヘッド駆動
    装置において、前記補助コイルと磁気ヘッドの各接続点
    と各スイッチ素子の間に、それぞれ前記磁気ヘッドの駆
    動電流の電流振動を抑制するためのダイオードを設け、
    更に前記スイッチ素子がオフである間に前記スイッチ素
    子の端子間に蓄積された電荷を放電させるための素子を
    設けたことを特徴とする磁気ヘッド駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記スイッチ素子の端子間に蓄積された
    電荷を放電させるための素子は、前記スイッチ素子と前
    記ダイオードの間に接続した抵抗であることを特徴とす
    る請求項1の磁気ヘッド駆動装置。
  3. 【請求項3】 光磁気記録媒体に光ビームを照射する光
    ヘッドと、前記記録媒体の表面近傍に設けられた磁気ヘ
    ッドと、この磁気ヘッドを駆動して該磁気ヘッドの磁界
    を情報信号に応じて変調する磁気ヘッド駆動回路とを有
    し、前記記録媒体に前記光ヘッドから光ビームを照射し
    ながら前記磁気ヘッドから変調磁界を印加することによ
    り情報の記録を行う光磁気記録装置において、前記磁気
    ヘッド駆動回路は、一対の補助コイルと、この一対の補
    助コイルにそれぞれ直列に接続された一対のスイッチ素
    子からなり、このスイッチ素子を情報信号に応じて交互
    にオン/オフ駆動することにより、前記一対の補助コイ
    ルと一対のスイッチ素子の各接続点間に設けられた磁気
    ヘッドの駆動電流の方向を切り換えると共に、前記補助
    コイルと磁気ヘッドの各接続点と各スイッチ素子の間に
    は、それぞれ前記磁気ヘッドの駆動電流の電流振動を抑
    制するためのダイオードを設け、更に前記スイッチ素子
    がオフである間に前記スイッチ素子の端子間に蓄積され
    た電荷を放電させるための素子を設けたことを特徴とす
    る光磁気記録装置。
  4. 【請求項4】 前記スイッチ素子の端子間に蓄積された
    電荷を放電させるための素子は、前記スイッチ素子と前
    記ダイオードの間に接続した抵抗であることを特徴とす
    る請求項3の光磁気記録装置。
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