JP3186554U - 黒鉛電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】アーク炉等で使用するための高い酸化耐性を有する黒鉛電極を提供する。
【解決手段】軸方向及び径方向を有するとともに、径方向外表面及び軸方向に対向した二つの端部を有する本体と、径方向外表面24に沿って設けられ、一方の端部から他方の端部に延びる溝30と、径方向外表面の少なくとも大半の周りに配置された剥離黒鉛の圧縮粒子からなるシート26と、を有する黒鉛電極であって、シートの一部分が溝内に配置され、該一部分の密度が0.5g/ccよりも小さい。
【選択図】図6b
【解決手段】軸方向及び径方向を有するとともに、径方向外表面及び軸方向に対向した二つの端部を有する本体と、径方向外表面24に沿って設けられ、一方の端部から他方の端部に延びる溝30と、径方向外表面の少なくとも大半の周りに配置された剥離黒鉛の圧縮粒子からなるシート26と、を有する黒鉛電極であって、シートの一部分が溝内に配置され、該一部分の密度が0.5g/ccよりも小さい。
【選択図】図6b
Description
本考案は、例えば黒鉛電極などの黒鉛製品に関し、特に黒鉛の向上した酸化耐性に関する。より具体的には、本考案は、黒鉛電極などの黒鉛製品の酸化を例えば黒鉛電極をアーク炉で使用するなどの黒鉛製品の使用中に低減させるユニークな方法に関係する。
黒鉛電極は、鉄鋼産業において、鋼の製造に用いられる金属及び他の材料を電熱炉内で溶かすために使用される。金属を溶かすのに必要な熱は、一又は複数、一般的に三つ、の電極に電流を流して電極と金属の間にアーク放電を生じさせることにより発生する。たいていの場合500,000アンペアを超える電流が用いられる。得られる高い温度によって金属及び他の材料が溶かされる。通常、製鋼炉に使用される各電極は電極柱で構成され、即ち一つの柱を形成するために一連の別個の電極が結合されている。このようにして、熱処理中に電極が劣化するにつれて補充電極が柱に結合されて製鋼炉内に伸びる柱の長さが維持される。
金属の溶融は、スクラップ金属、電極柱の先端及び金属の間のアーク放電によって引き起こすことができる。アーク放電を発生させる一環として電極柱内で電流がためられ、ためられる電流に加えて、電流が蓄積されるにつれ電極柱内の熱も増大する。また熱はスクラップ金属の溶融槽から発生させてもよい。さらに、アーク放電自体が電極の先端付近で大量の熱を発生させる。この熱の増大によって電極柱の先端の温度は3000℃以上になる。
大抵の加熱炉は電気の使用に加えて槽への化学物質の使用を含み、そのような使用に含まれる典型的な化学成分は例えば酸素であるがこれに限定されない。酸化気体の存在下で電極柱の先端が上記温度のとき、加熱炉内の電極柱の周りに酸化環境が生じる傾向がある。
本考案の一実施形態は黒鉛電極を含む。電極は軸方向及び径方向を有する黒鉛本体を含む。黒鉛本体は径方向外表面を有する。本実施形態において、好ましくは外表面の大半が軸方向にテクスチャード加工表面を有する。この表面は、水をテクスチャード加工表面に適用した際に、水が、室温が約25℃又はその周辺の温度の制御条件下で10秒後に測定した時に、わずか90°の接触角を有する水滴を少なくとも一滴示すよう、テクスチャード加工されている。
本考案の別の実施形態は、軸方向及び径方向を有する黒鉛本体を備えた黒鉛電極を含む。黒鉛本体は径方向外表面を有する。径方向外表面はテクスチャード加工部を含み、テクスチャード加工部は表面粗さが約35マイクロインチより小さい。
本考案の別の実施形態は、軸方向及び径方向を有する黒鉛本体を備えた黒鉛電極を含む。黒鉛本体は径方向外表面を有する。径方向外表面は、テクスチャード加工部に水滴を与えたときに、水滴が30秒後に元の体積の少なくとも50パーセントとなるよう、テクスチャード加工される。
本考案の別の実施形態は、軸方向及び径方向を有する黒鉛本体を備えた黒鉛電極を含む。黒鉛本体は径方向外表面を有する。電極は、電極の径方向外表面の少なくとも大半に巻き付けられた少なくとも一層のフレキシブル黒鉛シートを含む。
本考案のさらなる実施形態は、軸方向及び径方向を有するとともに径方向外表面を有する黒鉛本体を備えた黒鉛電極を含む。本実施形態においては、剥離黒鉛粒子の塊は、該塊を構成する粒子が電極の径方向外表面の少なくともかなりの部分に沿って実質的に配置されるような向きで、電極の径方向外表面に付着される。
本考案のさらなる実施形態は、軸方向及び径方向を有する黒鉛本体を備えた黒鉛電極を含む。黒鉛本体は径方向外表面を有し、該径方向外表面は、水を径方向外表面に与えた際に径方向外表面が親水性を示し黒鉛本体が疎水性を示すよう修正されている。
上述した電極の実施形態に加えて、本明細書には、フレキシブル黒鉛マットによって覆われた外部表面を有する黒鉛製品が開示される。黒鉛マットは密度が0.5g/cc以下の一以上の部分を有する。本明細書において考慮される黒鉛本体の種類は、押出成形黒鉛、イソモールド(isomolded)黒鉛、成形黒鉛、微粒子黒鉛(平均粒径が50ミクロンより小さいもの)、超微粒子黒鉛(平均粒径が10ミクロンより小さいもの)、極超微粒子黒鉛(平均粒径が5ミクロンより小さいもの)及びそれらの組合せを少なくとも含む。
さらに、水が電極を伝うことを促進する表面を有する電極の実施形態が開示される。ある特定の実施形態において、電極は化学的処理を介して設けられた疎水性の表面を有する。
黒鉛電極はまずか焼コークス、ピッチ及び任意的にメソフェーズピッチ又はPAN系カーボンファイバーを含む粒子状物質画分を混合してストック混合物を得ることによって製造される。具体的には、破砕され、ある大きさに成形されそして粉砕されたか焼石油コークスをコールタールピッチバインダと混ぜて混合物を形成する。か焼コークスの粒径は製品の最終用途に応じて選択されるが、これは当該分野の技術の範囲内である。通常、平均粒径が約25ミリメートル(mm)以下の粒子が混合に用いられる。粒子状物質画分は好ましくはコークス粉末を含む粒径の小さいフィラーを含む。粒径の小さいフィラーに組み込むことができるその他の添加材は、パッフィング(コークス粒子内での硫黄と炭素の結合からの硫黄の解放に起因する)を抑制するための酸化鉄、コークス及び混合物の押出を容易にするための油又はその他の潤滑油を含む。
カーボンファイバー(使用時)は、好ましくは、か焼コークス100重量部あたりカーボンファイバー約0.5から約6重量部、又は合計混合物構成要素(バインダを除く)の約0.4から約5.5重量パーセントの程度で存在する。好ましいファイバーは、平均粒径が約6から約15ミクロンであり、長さが好ましくは約4mmから約25mmで最も好ましくは約32mmより短い。
任意的に、ファイバーは、粒子状物質画分とピッチとの混合の開始後に添加してもよい。実際、別の実施形態では、ファイバーを混合サイクルの少なくとも約半分が終了した後に添加することができ、さらなるファイバーを少なくとも約四分の三が終了した後に添加することができる。例えば、粒子状物質画分とピッチの混合が二時間かかる場合(即ち混合サイクルが二時間)、ファイバーは、混合の一時間後あるいは九十分後に添加してもよい。混合開始後にファイバーを添加することによって、ファイバーの長さ(混合過程で短くなる可能性がある)が保たれ、これによりファイバーを含有することの有益な効果、これはファイバーの長さに直接関係すると考えられる、が保たれる。
上述したように、粒子状物質画分は粒径の小さいフィラーを含むことができる(本明細書において小さいとはか焼コークスの粒径との比較で用いられ、か焼コークスの粒径は大半の画分が25mmメッシュスクリーンを通過するが0.25mmメッシュスクリーンは通過しないような粒径であり、また従来採用されているフィラーとの比較で用いられる)。より具体的には、粒径の小さいフィラーは少なくとも約75%コークス粉末を有し、これが意味するものは約75%以上でより有利には約90%以下が74ミクロンと同等の200タイラーメッシュスクリーンを通過するような粒径を有するコークスである。
粒径の小さいフィラーはさらに酸化鉄などのパッフィング抑制剤のようなその他の添加物を約0.5%以上約25%以下含むことができる。再度になるが、添加物もまた従来使用されているものよりも小さい粒径のものを用いてもよい。例えば、酸化鉄を含む場合、酸化鉄粒子の平均粒径は約10ミクロンよりも小さいべきである。用いてもよい別の追加の添加物は、平均粒径が約10ミクロンより小さい石油コークス粉末であって、製品の孔を埋めるために添加されることによって使用されるピッチバインダの量をより良く制御することを可能とする。粒径の小さいフィラーは、粒子状物質画分の約30%以上及び約50%又は65%含むべきである。
粒子状物質画分とピッチバインダなどの混合物を準備した後、本体が、型を用いた押出によって形成(又は成形)されて又は従来の成形金型によって形成されて、グリーンストックといわれるものが作られる。成形は、押出成形によるものでも金型成形によるものでも、通常約100℃以上のピッチの軟化温度に近い温度で実施される。型又は金型によって、実質的に最終の形状及び寸法の製品を形成することができるが、ただし最低限でも糸状などの構造を提供するには完成品の機械加工が通常必要となる。グリーンストックの寸法はさまざまであってよく、電極については直径は約220mmから900mmの間でさまざまである。
押出成形の後、グリーンストックは約700℃から約1100℃、より好ましくは約800℃から約1000℃の温度で焼かれて熱処理され、ピッチバインダが固体ピッチコークスに炭化されて、製品の形状の永続性、高機械強度、良好な熱伝導率及び比較的低い電気抵抗が与えられ、炭化ストックが形成される。グリーンストックは酸化を防ぐために空気が比較的存在しない環境下で焼かれる。焼き付けは、最終温度まで毎時約1℃から約5℃の上昇の速度で実施される。焼き付け後、炭化ストックは、ストックの空いた孔内に追加のコークスを沈着させるために、コールタール又は石油ピッチ又は当該業界で周知のその他の種類のピッチ又は樹脂で一回以上含浸される。各含浸の後、追加の焼き付け工程が実施される。
焼き付け処理後、炭化ストックが黒鉛化される。黒鉛化は、約2500℃から3400℃の最終温度で、コークス及びピッチコークスバインダ内の炭素原子が低い配向状態から黒鉛の結晶構造へと変わるのに十分な時間、熱処理することで行われる。有利には、黒鉛化は、炭化ストックを、約2700℃以上、より有利には約2700℃から約3200℃の温度に維持することによって実施される。これらの温度において、炭素以外の元素が揮発し蒸気として逃げる。本明細書に開示されたプロセスを用いて電極を黒鉛温度に維持するために必要とされる時間は約18時間を超えてはならず、場合によっては12時間を超えてはならない。また別の場合、黒鉛化は約1.5時間から約8時間でもよい。黒鉛化が終了すると、完成した電極本体はある寸法に切断され、その後機械加工される又はさもなければ最終形状に形成される。
ここで図1を参照すると、黒鉛電極が参照符号10によって全体的に示されている。電極10は、好ましくは上記の方法に基づいて形成された黒鉛から構成された本体12を含む。本体12は、矢印Aによって示される軸方向及び矢印Rによって示される径方向を有する全体的に円筒形状である。本体12は、径方向外表面14及び対向する端面15を含む。端面15は通常一つの電極を別の電極に連結する手段を提供するのに用いられ、したがって外表面14と同じ酸化状態にはさらされない。
図2に示すように、一実施形態によれば、外表面14はテクスチャード加工部16及び非テクスチャード加工部18を有してもよい。一実施形態によれば、径方向外表面14の大半はテクスチャード加工されている。さらに別の実施形態によれば、径方向外表面14の実質的に全ての部分がテクスチャード加工されている。さらなる実施形態によれば、テクスチャード加工部16は、水をテクスチャード加工表面に与えたときに水がわずか90°の接触角を有する水滴を一滴以上示すように構成された表面を有する。さらに別の実施形態において接触角はわずか85°でもよい。好ましくは接触角は90°より小さく0°より大きな任意の角度でもよい。
別の実施例によれば、テクスチャード加工部16は、テクスチャード加工表面に水滴を与えたときに、30秒後の水滴の体積が元の体積の少なくとも50パーセントとなるような表面を有する。さらなる実施形態では、30秒後の水滴の体積は元の体積の少なくとも70パーセントである。さらに別の実施形態では、30秒後の水滴の体積は元の体積の少なくとも80パーセントである。さらに別の実施形態によれば、40秒後の水滴の体積は元の体積の少なくとも40パーセントである。さらに別の実施形態では、40秒後の水滴の体積は元の水滴の体積の少なくとも50パーセントである。さらに別の実施形態によれば、40秒後の水滴の体積は元の水滴の体積の少なくとも60パーセントである。さらに別の実施形態によれば、90秒後の水滴の体積は元の体積の少なくとも20パーセントである。さらに別の実施形態によれば、90秒後の水滴の体積は元の水滴の体積の少なくとも50パーセントである。さらに別の実施形態によれば、90秒後の水滴の体積は元の水滴の体積の少なくとも70パーセントである。体積変化を測定する条件は、約25℃の室温で、相対的な湿度が約50%以下とすることができる。別の実施形態では上記性質は環境条件にて測定される。
ここで図3を参照すると、接触角θは、液体、気体及び固体が交わる三相境界における液体(L)によって形成される角度である。接触角θは、気体と液体の間、液体と固体の間及び気体と固体の間の界面張力に依存する。接触角θは、例えば、水滴が球状又は楕円体の形状又はユング−ラプラス方程式に適合するという仮定を用いて水滴の接触角を測定するゴニオメーターによって測定してもよい。一実施例によれば、接触角は約25℃で測定される。
テクスチャード加工部16を作成するのに用いられる技法は、エッチング、研磨、機械加工、バフ研磨、サンドペーパーによる研磨及びそれらの組合せのうちの少なくとも一つを含む。特定の好ましい実施形態においては、テクスチャード加工部16は、軸方向に柱を伝う水の流れを促進するために研磨によってテクスチャード加工される。別の実施形態では、軸方向にテクスチャー加工を適用してもよい。例えば、研磨又はサンドペーパーによる研磨の動作を径方向外表面に沿って軸方向に適用してもよい。
さらなる技法を用いてテクスチャード加工部16を作成してもよい。別の実施形態において、電極10の外表面14を削るために道具を用いてもよい。表面14は、電極10の上部として指定された端面から電極の底部として指定された端面へと軸方向に削られる。電極の上部及び底部は、電極が電極柱の一部として使用される際に電極がどのような方向に向いているかに関係する。一実施形態では、削り加工は、図12に示すように下方方向に伸びる歯を用いて表面14に沿ってぎざぎざの木目柄を形成してもよい。
別の実施形態において、表面14は、電極10が電極柱の一部として用いられているときに電極10の表面14を伝う液体の流れを促進するように削られてもよい。さらに、表面14は、電極10の表面14を伝う水の流れ又は/及び水が電極10の表面を移動する速度を増加するように削られてもよい。
上述したようにまた本明細書に記載するように、冷却液の単なる実施例として水が用いられる。開示された実施形態は冷却液として水を使用することには限定されない。水以外の他の液体を冷却液として用いてもよく、又は水を他の化合物とともに用いてもよい。例えば、水などの冷却液は界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤の例として石鹸が挙げられる。
別のさらなる実施形態では、電極10のテクスチャード加工部16は、電極10の表面14に化学物質を用いることによって形成される。本実施形態の一つの側面において、化学物質は黒鉛化可能なカーボンセメントでもよい。別の特定の実施形態では、化学物質はピッチでもよい。例示的なピッチは、含浸ピッチ、バインダピッチ又はその他の任意の種類の黒鉛化可能なピッチでもよい。化学物質のこれらの各種実施形態は、これらの任意の組合せで使用してもよい。化学物質は、化学薬品の槽内に電極10を浸す若しくは転がすことにより又は含浸処理によりぬれ過程で適用されてもよい。表面14に化学薬品を適用する前に電極10を黒鉛化することが好ましい。任意的に、化学薬品の適用の前に電極10に連結技術を機械加工してもしなくてもよい。ある一実施形態では、電極10は化学薬品の適用前に所望の密度を示した。
上述した実施形態の化学物質は、ピッチ又はカーボンセメントに限定されない。任意の疎水性材料を化学物質として使用してもよい。
本実施形態の好ましい例において、化学物質が電極10の表面14に適用されて化学物質が任意的に硬化された後、特定の化学物質について適切な場合には電極10の表面14はこれ以上処理されない。例えば本実施形態において、化学物質がピッチである場合、ピッチを用いて処理された表面14を電極10と共に使用する前に、電極10に対して、電極柱に電極10を追加する前にピッチを炭化しかねない加熱工程を施さないことが好ましい。
別の実施形態において、テクスチャード加工部16の表面粗さは約35マイクロインチよりも小さくてもよく、さらなる実施形態では約30マイクロインチより小さくてもよく、追加的な実施形態では約25マイクロインチよりも小さくてもよく、そして別の実施形態では20マイクロインチよりも小さくてもよい。ある実施形態では、テクスチャード加工部16の表面粗さは約15マイクロインチ以下でもよい。
表面粗さを測定するために(公序良俗違反につき、不掲載)表面粗さ測定器(以下、「測定器」という)を用いてもよい。一つの実施形態において、表面粗さは、テクスチャード加工部16上の複数の位置上で測定器を用いて決定される。一実施形態において、測定器は、表面粗さを計算するために二乗平均平方根(以下、「RMS」という)アルゴリズムを用いてもよい。しかしながら、任意の適切なアルゴリズムを用いて表面粗さを計算してもよい。そのようなアルゴリズムについて限定を意図しない別の例は算術平均である。
冷却液については、冷却液であるA.K.A.水を、電極10の表面14に任意の好ましい方法で与えてもよい。一実施形態において、表面14上の周りの複数の箇所、通常四(4)つ以上の箇所に、液体をスプレーする。さらなる実施形態において、電極10に冷却液を適用するために噴霧ノズルを用いてもよい。別の実施形態において、電極10に冷却液をミスト様式又は送風機のような様式で適用してもよい。
ここで図4及び図5を参照すると、別の実施形態に基づく電極20が示されている。電極20は、軸方向(A)及び径方向(R)を有する黒鉛本体22を含む。黒鉛本体22は、径方向外表面24及び対向する端面25を含む。テクスチャード加工部の代わりにあるいはテクスチャード加工部と共に、電極20は、電極20の径方向外表面の少なくとも大半の周りに配置された一以上のフレキシブル黒鉛層26を含む。一実施形態によれば、(複数の)フレキシブル黒鉛層は、単一のフレキシブル黒鉛シートから形成されてもよい。別の実施形態によれば、(複数の)フレキシブル黒鉛層は、複数のフレキシブル黒鉛シートから形成されてもよい。
複数のフレキシブル黒鉛シートを含む実施形態において、フレキシブル黒鉛シートは、同じ出発材料から又は異なる出発材料から形成されてもよい。一実施形態において、フレキシブル黒鉛シートは、天然黒鉛の剥離粒子からなる圧縮された及び/又はカレンダー加工された塊から形成されてもよい。フレキシブル黒鉛を作成するための技法の一例は、参照することにより全体が本明細書に盛り込まれる米国特許第3404061号に開示されている。別の実施形態において、フレキシブル黒鉛シートは、参照することにより全体が本明細書に盛り込まれる米国特許第5091025号に記載されるようなポリイミドフィルムから作成することができる。上述した種類のフレキシブル黒鉛は組み合わせて一緒に用いることができる。天然黒鉛のインターカレート及び剥離粒子からなる上記のフレキシブル黒鉛の情報源は(公序良俗違反につき、不掲載)である。任意的に、(複数の)黒鉛層26は一以上の黒鉛層に組み込まれた酸化防止剤を含んでもよい。シートの製造中に、そのようなシートに酸化防止剤を組み込んでもよい。
ここで、図6a及び図6bを参照すると、電極20は以下のようにして作成される。図6aに示すように、黒鉛本体22は、上記の方法に基づいて作成される。黒鉛本体22が作成された後、一方又は両方の端面25に連結要素21を機械加工してもよい。ソケット(図示される)又はタング(tang)などの任意の周知の連結技術を、黒鉛本体22の端面25内に機械加工してもよい。
任意的に、電極本体22へのフレキシブル黒鉛26の付着を促進するために、径方向外表面24に表面付着処理を施してもよい。図6aに示すように、表面付着処理は、電極20の外表面24に切り込みされた一以上のスラット(slat)30(図7a参照)を含む。スラット30は、全体的に断面が細長いU字形状であり、軸方向、周方向又は螺旋状に伸びてもよい。好ましくは、スラット30は、層26が配置される径方向外表面24の全体に沿って配置される。より好ましくはスラット30と層26の両方が径方向外表面24の少なくとも大半に沿って配置され、より好ましくは径方向外表面24の実質的に全体に配置される。
図7bに示すように、スラット30はダブテイルカットでもよい。ダブテイルカットは、例えば、60度で、1/8インチかける0.055インチで、各側面に四つであってもよい。別の実施形態では、ダブテイルは、3/16インチかける0.090インチでもよい。さらに別の実施形態では、ダブテイルは3/16インチかける0.055インチでもよい。ダブテイルカットは特定の寸法に限定されない。さらに、表面付着処理は、図7a及び図7bに図示される形状に限定されない。外表面24への層26の付着を促進するために用いることができる任意の形状を用いてもよい。さらに、形状及び切断パターンの任意の組合せを用いてもよい。例えば、複数のスラット30が等間隔で配置されて軸方向に切り込まれてもよく又は複数のスラット30が等間隔で配置されて螺旋方向に切り込まれてもよい。
別の実施形態では、電極20の外表面24は複数のスロットを有する。一以上のスロット、場合によっては全てのスロットは、黒鉛シート26が電極20の外表面24に機械的に係止するよう設計されている。
一実施形態では、スロット又は溝などの深さは約0.005”以上であり、任意的には、スロット又は溝などの深さはわずか0.250”である。さらなる実施形態においては、スロット又は溝などの深さは電極20の半径のわずか約0.06%から約2.5%である。電極20に適用される場合、マット26の厚さは約1/32”以上でもよく、好ましくは約1/16”以上であり、より好ましくは約1/8”以上であり、さらに好ましくは約1/4”以上である。一実施形態において、スロットの深さに関して、電極20上のマット26の厚さはスロットの深さの12.5%から5000%に及ぶ。
上述した任意の実施形態の上記スラット、スロット又は溝などのうちの任意のもの又は全てが、螺旋状に、長手方向に、実質的に鉛直に、実質的に平行に、表面24の非湾曲状に、又はこれらの任意の組合せで、設けられてもよい。あるいは、実施形態が螺旋状にスラット、スロット又は溝などを含む場合、電極20は、そのようなスラット、スロット又は溝を一(1)つ又は一(1)つ以上含んでもよい。一実施形態では、スロット30の数は、電極30の表面24の周囲のリニアインチ毎にわずか四(4)つである。表面24の別の実施形態は、電極20の表面24の周囲の三(3)リニアインチ毎に一(1)つのスロット30を含んでもよい。さらなる実施形態において、電極20の周囲のスロット30の数は均一でもよく又は変動してもよい。さらなる実施形態では、隣接するスロット30間の距離は均一でもよく又は変動してもよい。特定の実施形態において隣接するスロット30間の距離はわずか約1/4”であり約3”以下である。
任意的な表面付着処理の後、フレキシブル黒鉛26の適用前に、径方向外表面24に接着剤を適用してもよい。本明細書において接着剤は一般的な意味で用いられる。本明細書において、接着剤はカーボン及び/又は黒鉛ブロック同士を結合させるのに用いられるセメントを含んでもよい。好ましくは、接着剤は、炭化可能及びさらに黒鉛化可能である。あるいは、接着剤は充填された接着剤である。フィラーの好ましい種類の例は炭素粒子及び/又は黒鉛粒子を含む。図示しないさらなる実施形態において、接着剤の適用前又は適用後に、電極20の径方向外表面24に酸化防止剤を適用してもよい。一実施形態において酸化防止剤は粉末状でもよい。適切な酸化防止剤の限定を意図しない例は、リン酸塩、炭化ケイ素、窒化ホウ素、炭化チタン、二酸化チタン、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ化モリブデン及びこれらの組合せを少なくとも含む。
ここで図6bを参照すると、表面付着処理及び/又は接着剤の適用後、フレキシブル黒鉛層26を電極20の径方向外表面24に適用してもよい。上述のように、酸化防止剤の使用が望ましい場合、酸化防止剤を、一以上のフレキシブル黒鉛シート26の中に組み込んでもよい及び/又は外表面24に適用してもよい。
電極20の一実施形態において、フレキシブル黒鉛26の全体の厚さは電極20の直径のわずか約三分の一(1/3)である。さらなる実施形態において、フレキシブル黒鉛26の厚さはわずか約二インチ(2”)である。好ましくは、各フレキシブル黒鉛シートの密度は、わずか約2.0g/cc以下であり、より好ましくはわずか約1.6g/cc以下であり、さらにより好ましくはわずか1.2g/ccである。さらなる実施形態では、シートの密度は約1.0g/cc以下である。
別の特定の実施形態では、一以上最大全ての黒鉛マットのシートの厚さが、わずか1/2”であり、さらなる実施形態ではわずか1/3”であり、よりさらなる実施形態ではわずか1/4”である。
追加の実施形態においては、一以上最大全ての黒鉛マットのシートが、密度がわずか0.5g/cc、さらにわずか0.45g/cc、よりさらにわずか0.4g/cc、よりさらにわずか0.3g/cc、そしてさらにわずか0.2g/ccである一以上のシート部分を有する。さらなる実施形態では、黒鉛マットは、密度がわずか0.5g/cc、好ましくは0.5g/cc未満、より好ましくは0.4g/cc未満である少なくとも複数の部分を含む。ある実施形態では、少なくとも黒鉛マットを電極20に適用する前に、黒鉛マットの少なくとも大半、全体でない場合、が、密度が0.5g/cc以下であり、好ましくは0.4g/cc以下である。上記の密度の数字は単なる例であり、本明細書に開示される例の間の全ての数字が開示されていると考えるべきである。
黒鉛マットのシートを複数用いる任意の特定の実施形態について、用いられる各シートの密度は、上記の実施形態の任意の組合せと適合又は一致する。
特に好ましい実施形態において、黒鉛マット(A.K.Aシート)は、電極本体20の上に外側保護層を形成する低密度の黒鉛シートである。この実施形態では、低密度黒鉛マットの密度は、一以上の部分、好ましくはシート全体において0.5g/cc以下である。より好ましい実施形態では、低密度黒鉛シートの密度は0.2g/cc以下である。さらに他の実施形態では、低密度黒鉛シートの密度は0.1g/cc以下である。さらに他の実施形態では、低密度黒鉛シートの密度は0.05から0.3g/ccである。他の実施形態では、低密度黒鉛シートの密度は0.1から0.2g/ccである。一実施形態において、低密度黒鉛シートは厚さが3/4”インチ未満である。別の実施形態では、低密度黒鉛シートの厚さは1/2”インチ未満である。一実施形態では低密度黒鉛シートの厚さは1/4”から3/4”インチの間である。別の実施形態では、低密度黒鉛シートは厚さが0.4から0.6インチの間である。特に好ましい実施形態では、低密度黒鉛シートは厚さが約1/2”であり密度が約0.1g/ccである。
さらなる実施形態において、上述した黒鉛マットは、密度がわずか約0.4g/ccでもよい。限定を意図しない例は、密度の下限が少なくとも約0.05g/cc、さらにわずか0.1g/ccであってもよい。0.4g/ccから0.05g/ccの間の密度を用いて開示された実施形態を実施してもよい。そのような密度の例は、0.38g/cc以下、0.35g/cc以下、0.28g/cc以下、0.24g/cc以下、0.18g/cc以下及び0.15g/cc以下である。
上記の低密度黒鉛シートは圧縮可能かつ変形可能であるという特徴を有する。したがって、上記の密度及び厚さは、黒鉛電極に適用する前の物性/寸法の例である。一実施形態において、低密度黒鉛シートは黒鉛本体20上に押し付けられる。したがって、黒鉛本体20への取り付け中、低密度黒鉛シートは変形するとともに圧縮される。一実施例において、低密度黒鉛シートは元の厚さの半分以下に圧縮される。他の実施形態において、低密度黒鉛シートは元の厚さの1/4以下に圧縮される。別の実施形態では、低密度黒鉛シートは最も厚い箇所において元の厚さの1/8以下に圧縮される。低密度黒鉛シートが電極の上に押し付けられると、密度が増大する。したがって、一実施形態において、電極本体20上で圧縮された後、低密度黒鉛シートの密度は元の密度の二倍となる。別の実施形態では、電極本体20上で圧縮された後、低密度黒鉛シートの密度は元の密度の四倍となる。さらに別の実施形態では、電極本体上20で圧縮された後、低密度黒鉛シートは元の密度の八倍となる。これらの又はその他の実施形態では、低密度黒鉛シートは、電極本体20上で圧縮された後、該シートの少なくとも一部は密度がわずか約1.0g/ccとなる。他の実施形態では、圧縮されたマットの少なくとも一部は密度がわずか0.8g/ccであり、好ましくはわずか0.5g/ccである。さらに別の実施形態では、低密度黒鉛シートは電極本体20上で圧縮された後に密度が0.4g/cc以下となる。
上述したスラット、スロット又は溝はマット26を電極本体20に接着することを助けるのに用いられ、マット26の密度は電極20の周囲に沿ってさまざまであってもよい。例えば、スロットなどのなかに配置された黒鉛マットの部分は、マット26が電極20上に押し付けられた際に、前記スロットなどを含まない電極20の外表面に沿って押し付けられたマット26の部分よりも、低い密度を有する。
別の実施形態では、マット26の密度は電極20の周囲に押し付けられた時に変化する。そのような密度は均一に又はランダムに変化し得る。
このようにして、押し付けられた低密度黒鉛シートは変形して電極本体に固定される。当然ながら、電極本体20が上記のスラット若しくはダブテイル30又は他の表面特徴を含む場合、低密度黒鉛シートは少なくとも部分的にスラット30内に進入する又は収容される。これにより、電極本体20と低密度黒鉛シートとの間の機械的連結が向上する。これらの又はその他の実施形態において、低密度黒鉛シートと電極本体との間に接着剤を設けてもよい。さらに、酸化防止コーティングを黒鉛シートと電極本体20との間にこれらを連結する前に設けてもよい。
シート26についてのある実施形態において、シート26の縁は、図10に示すように、相欠きはぎ接合を有する。この実施形態において、電極20上において別のシート26の縁部と隣接することとなるシート26の各縁部は、嵌め合い相欠きはぎ接合部を用いることによって互いに嵌合される。別の実施形態では、相欠き切り込みを用いる代わりに、図11に示すように合わせ縁部同士が留められる。シート26の隣接する縁部間にある任意の種類の接合部(spliced joint)が本明細書に記載された実施形態の範囲内に含まれる。さらに、縁部と嵌合するがその結果シート26の厚さより厚い嵌合部分とはならないようなマット26の縁部の任意の接合又は配置が、本明細書で定義される範囲内に含まれる。別の代替的な実施形態では、シート26の隣接する縁部は互いに接合する。さらなる代替的な実施形態では、シート26の縁部は互いに重なってもよい。
あるいは、上述した黒鉛マットを用いる代わりに黒鉛化ポリイミドのシートを用いてもよく、またあるいは黒鉛マットのシートと黒鉛化ポリイミドの組合せ又は黒鉛マットと黒鉛化ポリイミドシートの複合物を用いてもよい。
別の代替的な実施形態では、黒鉛電極本体22の周囲に黒鉛マット26を巻きつける代わりに、複数の剥離黒鉛粒子が電極の径方向外表面24に沿って配置され、これにより剥離黒鉛層が形成される。一実施形態によれば、複数の剥離黒鉛粒子が電極本体24に対して押し付けられて該粒子を電極本体に付着させて剥離黒鉛層を形成する。好ましくは、剥離黒鉛層は径方向外表面24の少なくとも大部分を覆う。任意的に、電極20は、電極の径方向外表面24上に酸化防止層を含んでもよい。代替的な実施形態では、酸化防止剤はシート26に組み込まれる又は径方向外表面24に適用される粒子のベッドに組み込まれる。酸化防止剤に加えて又はその代わりに、界面活性剤をシート26又は径方向外表面24に適用される粒子のベッドに組み込んでもよい。
酸化防止剤に関係して、別の実施形態では、電極20の表面24の周囲に、交互に、酸化防止剤の表面と黒鉛マット26のシート又はその逆を用いてもよい。一実施形態において、黒鉛マット26のシートが電極20の表面24に適用される。その後、酸化防止剤層をシート26の外表面に適用してもよい。シート26及び酸化防止剤層の適用は、ユーザの希望に沿って何度でも繰り返してよい。本実施形態の変形として、酸化防止剤層は、最初にシート26の代わりに適用してもよく、その後シート26を適用してもよい。このバリエーションとして、酸化防止剤層及びシート26もまた希望に沿って何度でも繰り返してよい。
当然のことながら、電極20の直径を増大させるために、電極コア22に剥離黒鉛及び/又はフレキシブル黒鉛層を追加することができる。例えば、直径26インチの黒鉛電極本体22を用い、二インチの剥離黒鉛層及び/又は黒鉛マット26を適用することによって、直径30インチの電極を作成してもよい。別の例では、直径32インチ以上の電極を作成するために、直径30インチの黒鉛電極本体22を用い、十分な数の層を追加して複合製品の全体的な直径を所望量まで、この場合直径32インチまで増大させてもよい。このようにして得られる電極の寸法の範囲を拡大してもよい。
ここで図8を参照すると、本考案の別の実施形態に基づく電極40が示されている。電極40は、軸方向(A)及び径方向(R)を有する黒鉛本体32を備える。黒鉛本体32は、径方向外表面34及び対向する端面35を含む。酸化防止コーティング38を、径方向外表面34の少なくとも大部分、好ましくは径方向外表面34の実質的に全体に適用する。適切な酸化防止剤の限定を意図しない例は、リン酸塩、炭化ケイ素、窒化ホウ素、炭化チタン、二酸化チタン、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ化モリブデン及びこれらの組合せを含む。一実施形態において、コーティング38は導電性材料を含む。別の実施形態では、酸化防止コーティング38は、接着剤を用いて外表面に接着されてもよい。接着剤は、上述した接着剤と同じでもよい。酸化防止コーティング38は、所望であれば剥離黒鉛の粒子を含んでもよい。一実施例において、酸化防止剤38は電極40の外表面に適用された粉末を含む。
本明細書に開示される一実施形態において、電極は、電極の表面に水を適用した時に、親水性を示すとともに電極の本体が疎水性の本体に共通して関連する一以上の特性を示すように修正された径方向外表面を含む。特定の実施形態において、親水性とは、水滴が濡れた表面と通常関連した外見となることを意味して用いられる。さらに、本明細書において疎水性との用語は、少なくとも電極本体が、従来の表面を有する電極よりも水を吸収しないことを意味して用いられる。さらなる実施形態において、電極は電極の外表面に適用されたコーティング又は層を含まない。
上記の実施形態の一以上の組合せにおいて又は独立して、添加物を含む水を用いて電極が冷却されてもよい。一実施例において、添加物は電極を伝う水の流れを促進するための界面活性剤である。別の実施形態において、添加物は酸化防止剤である。適切な酸化防止添加物は、例えば、水溶液、コロイド又はスラリー中の金属(又は半金属)及びそれに対応する炭化物、リン酸塩、酸化物、窒化物、ケイ酸塩又はシリサイドを含んでもよい。これらの酸化防止添加物を50重量パーセント以下の濃度で水に添加してもよい。別の実施形態では30重量パーセント以下である。さらに別の実施形態では10重量パーセントである。
特定の実施形態では、水酸化マグネシウムMg(OH)2が冷却水に添加されてスラリーが形成される。この実施形態では、水酸化マグネシウムは、スラリーの10重量パーセント以下でもよい。別の実施形態では、水酸化マグネシウムはスラリーの30重量パーセント以下である。別の実施形態では、水酸化マグネシウムはスラリーの50重量パーセント以下である。別の実施形態では、水酸化マグネシウムはスラリーの68重量パーセント以下である。別の実施形態では、水酸化マグネシウムはスラリーの20から40重量パーセントの間である。別の実施形態では、水酸化マグネシウムはスラリーの25から35重量パーセントの間である。スラリー混合物が電極に接触して伝って移動すると、該スラリー混合物は分解して水を失って酸化マグネシウムMgOが電極表面上に残る。酸化マグネシウムは電極の酸化を低減する。さらに、当該分野で周知のように、酸化マグネシウムは一般的に高温中に添加され、したがって上記の方法は、加熱炉内のスラグに酸化マグネシウムを添加する向上した手法ともなる。
黒鉛電極に加えて、本明細書に開示されたコンセプトは、他の種類の黒鉛製品、少なくとも押出成形黒鉛、イソモールド黒鉛、成形黒鉛、微粒子黒鉛(平均粒径が約50ミクロンから約10ミクロン)、超微粒子黒鉛(平均粒径が約10ミクロンから約5ミクロン)、極超微粒子黒鉛(平均粒径が5ミクロンより小さい、例えば4ミクロン以下)及びそれらの組合せなど、にも適用可能である。黒鉛製品の一以上の表面に適用されたフレキシブル黒鉛は、上記のフレキシブル黒鉛シート又は黒鉛マットを含んでもよい。代替的な実施形態では、剥離黒鉛の粒子(A.K.A.膨張黒鉛)を上述したような外表面に適用してもよい。
一実施形態において、黒鉛材料の室温の熱膨張係数(以下、「CTE」)は、寿命及びシリコン製品用途におけるシリコン除去の容易さに影響し、したがって凝固に垂直な方向(即ち底壁に平行な面)において特に重要である。したがって、押出ストックがベース材料である場合、粒子に逆らった(against-grain)CTEが特に重要となる。しかしながら、成形ストックがベース材料である場合、粒子に沿った(with-grain)CTEが特に重要となる。一実施形態において、黒鉛材料は、凝固方向に垂直な熱膨張係数が、そのなかで処理されたシリコンのCTEの95%よりも小さい(室温におけるSiのCTEは約3.5x10-6/℃である)。より有利には、黒鉛材料は、凝固方向に垂直なCTEが、そのなかで処理されたシリコンのCTEの85%よりも小さい。さらにより有利には、黒鉛材料は、凝固方向に垂直なCTEが、そのなかで処理されたシリコンのCTEの75%よりも小さい。これらの又はその他の実施形態において、黒鉛材料の凝固方向に垂直なCTEは、約1.0x10-6/℃から約3.0x10-6/℃である。別の実施形態において、凝固方向に垂直なCTEは、約2.0x10-6/℃から約2.5x10-6/℃である。
実施形態において有利には、黒鉛材料は、平面を通る(即ち熱流及び凝固に平行)な熱伝導率が、室温において約80から約200W/m・Kである。他の実施形態では、熱伝導率は室温で約90から約160W/m・Kである。他の実施形態では、熱伝導率は室温で約120から約130W/m・Kである。
ある実施形態では、黒鉛材料は、順目の圧縮強度が15から22MPaである。他の実施形態では、順目の圧縮強度が約17から約20MPaである。この又は他の実施形態では、逆目の圧縮強度は有利には約17から約24Mpaである。他の実施形態では、逆目の圧縮強度は約19から約21Mpaである。
一実施形態において、黒鉛材料は、有利には、ガス透過率が約0.01ダルシーよりも小さい。より有利には、黒鉛材料のガス透過率は約0.005ダルシーよりも小さい。さらに有利には、黒鉛材料のガス透過率は約0.002ダルシーよりも小さい。黒鉛材料の比較的低い透過率は、さらなる安全性を提供するとともに寿命を向上させ、不具合や劣化を改善する。
上記の実施形態の一つ又は複数の利点は、本明細書に開示された電極が、使用中における向上した酸化に対する耐性を示す。
当業者であれば、上記の手法がピンソケットタイプの電極とピンレスタイプの電極の両方に適用できることを認識する。上述した電極の寸法は、通常、公称直径が約220mmから約800mmに及び得る。上記の手法は任意の長さの電極に適用することができる。
例
例1。市販の黒鉛電極(公序良俗違反につき、不掲載)を、側面が2インチの立方体に切ることにより比較参照サンプルを準備した。九個の等間隔に配置された深さが1/8インチの溝を、立方体の各側面に機械加工した。サンプル立方体の重さを、高温の加熱炉内に置く前に測定した。9L/分の気流量で、サンプルを、室温から1600℃に、10℃/分の速度で加熱し、1600℃にて30分間維持し、その後オーブンを切って室温に冷却した。サンプルの重さを再度測定し、比較参照サンプルの質量損失は34%であることが算出された。
例1。市販の黒鉛電極(公序良俗違反につき、不掲載)を、側面が2インチの立方体に切ることにより比較参照サンプルを準備した。九個の等間隔に配置された深さが1/8インチの溝を、立方体の各側面に機械加工した。サンプル立方体の重さを、高温の加熱炉内に置く前に測定した。9L/分の気流量で、サンプルを、室温から1600℃に、10℃/分の速度で加熱し、1600℃にて30分間維持し、その後オーブンを切って室温に冷却した。サンプルの重さを再度測定し、比較参照サンプルの質量損失は34%であることが算出された。
二番目の黒鉛立方体を、側面が2インチとなるように切った。二番目の立方体は、立方体の各側面に機械加工された、九個の等間隔に配置された深さ1/8インチの溝を有する。予め形成された1.875インチ角で厚さ1/2インチの膨張黒鉛シートを、立方体の二個の対向する面上に置いた。膨張黒鉛シートは、単位面積当たりの重さが0.14g/cm2であり、元のマットの密度は約0.16g/cm3である。500psiの力を加える実験用プレス機を用いて、シートを黒鉛立方体の表面上及び溝内に押し付けた。二番目の立方体の残りの側面を、同じように圧縮された膨張黒鉛でコーティングした。サンプルの重さを測定し、一番目の立方体と同じように加熱した。サンプルの質量損失は28%であった。
三番目の黒鉛立方体を、側面が2インチとなるように切った。三番目の立方体は、立方体の各側面に機械加工された、九個の等間隔に配置された深さ1/8インチの溝を有する。膨張黒鉛シートを押し付ける前に、0.5gの炭化ケイ素粉末を立方体の各面に分配した。その後、予め形成された1.875インチ角で厚さ1/2インチの膨張黒鉛シートを、立方体の二個の対向する面上に置いた。膨張黒鉛シートは、単位面積当たりの重さが0.14g/cm2であり、元のマットの密度は約0.16g/cm3である。500psiの力を加える実験用プレス機を用いて、シートを黒鉛立方体の表面上及び溝内に押し付けた。三番目の立方体の残りの側面を、同じように圧縮された膨張黒鉛でコーティングした。サンプルの重さを測定し、一番目の立方体と同じように加熱した。サンプルの質量損失は24%であった。
例2。試験のために、修正されていない表面を有する市販の黒鉛電極(公序良俗違反につき、不掲載)を一インチ角のサンプルに切ることによりサンプルを準備した。電極の元の外表面を、試験される表面として明確に表示した。またサンプルを、手でサンドペーパーにより研磨した又は各種手法で機械的に研磨した。一番目の研磨されたサンプルは、粒度80のペーパーを用いて研磨され、次に(公序良俗違反につき、不掲載)が用いられた。二番目の研磨されたサンプルは、粒度80のペーパーを用いて研磨され、次に(公序良俗違反につき、不掲載)が用いられ、次にクロッカスペーパー(crocus paper)が用いられた。三番目の研磨されたサンプルは、粒度80のペーパーを用いて研磨され、次に(公序良俗違反につき、不掲載)が用いられ、次にクロッカスペーパーが用いられた。最後に、四番目の研磨されたサンプル(「研磨を施したもの#4」)は、粒度80のペーパーを用いて研磨され、次に粒度320のペーパーが用いられ次に粒度600のペーパーが用いられ、次にクロッカスペーパーが用いられた。サンプルの表面粗さを、(公序良俗違反につき、不掲載)表面粗さ測定器を用いて測定した。電極と一定寸法の水滴との相互作用により形成された接触角を周知の技法で測定した。さらに、サンプル表面に吸収された水の量を、CAM−PLUSフィルムメータを用いて測定した。結果を以下の表に示す。
サンドペーパーによる研磨を施したサンプルは、修正されていない表面に比べていくらか滑らかな仕上がりであったが、接触角は大きな変化を示さなかった。吸収された水の量は元のサンプルよりもむしろ大きかった。しかしながら、この例では、表面を15マイクロインチ以下の表面仕上がりに研磨したとき、水の接触角は減少し、電極に吸収された水の量は大きく減少した。水吸収試験の結果は、時間に対する水体積の減少を示す図9で明確に実証されている。図からわかるように、研磨を施したサンプル1−3は、何も施していないサンプルよりも水を吸収しなかった。有利には、複数の工程及びより大きな粒度を用いて研磨した四番目の研磨を施したサンプルは、30秒よりも長い時間にわたってサンプル1−3よりも水を吸収しなかった。
本明細書の記載は当業者が本考案を実施することを可能とすることを意図している。本明細書を読んだ上で当業者にとって明らかとなる可能な変更及び修正の全てを詳細に記載することは意図していない。しかしながら、そのような修正及び変更は全て本明細書に添付された実用新案登録請求の範囲に記載される本考案の範囲内である。本明細書に記載の代替手段、修正及び変更はそれらの任意の組合せにおいて実施してもよい。特に記載のない限り、実用新案登録請求の範囲は、本考案を対象とした目的を達成するのみ効果的な任意の配置又は順序における示された構成要素及び工程をカバーすることを意図している。
表面粗さを測定するために表面粗さ測定器(以下、「測定器」という)を用いてもよい。一つの実施形態において、表面粗さは、テクスチャード加工部16上の複数の位置上で測定器を用いて決定される。一実施形態において、測定器は、表面粗さを計算するために二乗平均平方根(以下、「RMS」という)アルゴリズムを用いてもよい。しかしながら、任意の適切なアルゴリズムを用いて表面粗さを計算してもよい。そのようなアルゴリズムについて限定を意図しない別の例は算術平均である。
複数のフレキシブル黒鉛シートを含む実施形態において、フレキシブル黒鉛シートは、同じ出発材料から又は異なる出発材料から形成されてもよい。一実施形態において、フレキシブル黒鉛シートは、天然黒鉛の剥離粒子からなる圧縮された及び/又はカレンダー加工された塊から形成されてもよい。フレキシブル黒鉛を作成するための技法の一例は、参照することにより全体が本明細書に盛り込まれる米国特許第3404061号に開示されている。別の実施形態において、フレキシブル黒鉛シートは、参照することにより全体が本明細書に盛り込まれる米国特許第5091025号に記載されるようなポリイミドフィルムから作成することができる。上述した種類のフレキシブル黒鉛は組み合わせて一緒に用いることができる。天然黒鉛のインターカレート及び剥離粒子からなる上記のフレキシブル黒鉛の情報は公知である。任意的に、(複数の)黒鉛層26は一以上の黒鉛層に組み込まれた酸化防止剤を含んでもよい。シートの製造中に、そのようなシートに酸化防止剤を組み込んでもよい。
例
例1。市販の黒鉛電極を、側面が2インチの立方体に切ることにより比較参照サンプルを準備した。九個の等間隔に配置された深さが1/8インチの溝を、立方体の各側面に機械加工した。サンプル立方体の重さを、高温の加熱炉内に置く前に測定した。9L/分の気流量で、サンプルを、室温から1600℃に、10℃/分の速度で加熱し、1600℃にて30分間維持し、その後オーブンを切って室温に冷却した。サンプルの重さを再度測定し、比較参照サンプルの質量損失は34%であることが算出された。
例1。市販の黒鉛電極を、側面が2インチの立方体に切ることにより比較参照サンプルを準備した。九個の等間隔に配置された深さが1/8インチの溝を、立方体の各側面に機械加工した。サンプル立方体の重さを、高温の加熱炉内に置く前に測定した。9L/分の気流量で、サンプルを、室温から1600℃に、10℃/分の速度で加熱し、1600℃にて30分間維持し、その後オーブンを切って室温に冷却した。サンプルの重さを再度測定し、比較参照サンプルの質量損失は34%であることが算出された。
例2。試験のために、修正されていない表面を有する市販の黒鉛電極を一インチ角のサンプルに切ることによりサンプルを準備した。電極の元の外表面を、試験される表面として明確に表示した。またサンプルを、手でサンドペーパーにより研磨した又は各種手法で機械的に研磨した。一番目の研磨されたサンプルは、粒度80のペーパーを用いて研磨され、次に研磨用パッド(細目)が用いられた。二番目の研磨されたサンプルは、粒度80のペーパーを用いて研磨され、次に研磨用パッド(中目)が用いられ、次にクロッカスペーパー(crocus paper)が用いられた。三番目の研磨されたサンプルは、粒度80のペーパーを用いて研磨され、次に研磨用パッド(粗目)が用いられ、次にクロッカスペーパーが用いられた。最後に、四番目の研磨されたサンプル(「研磨を施したもの#4」)は、粒度80のペーパーを用いて研磨され、次に粒度320のペーパーが用いられ次に粒度600のペーパーが用いられ、次にクロッカスペーパーが用いられた。サンプルの表面粗さを、表面粗さ測定器を用いて測定した。電極と一定寸法の水滴との相互作用により形成された接触角を周知の技法で測定した。さらに、サンプル表面に吸収された水の量を、CAM−PLUSフィルムメータを用いて測定した。結果を以下の表に示す。
Claims (15)
- 軸方向及び径方向を有する黒鉛本体を備えた黒鉛電極において、前記黒鉛本体は径方向外表面を有し、該径方向外表面にはテクスチャード加工部が設けられ、前記テクスチャード加工部は、該テクスチャード加工部に与えられた水滴が10秒後に90°より小さい接触角を示すよう構成されていることを特徴とする黒鉛電極。
- 前記テクスチャード加工部が、エッチングされた表面、研磨された表面、機械加工された表面及びサンドペーパーで研磨された表面のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の黒鉛電極。
- 前記テクスチャード加工部の表面粗さが約35マイクロインチよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の黒鉛電極。
- 軸方向及び径方向を有するとともに径方向外表面を有する黒鉛本体と、前記黒鉛電極の前記径方向外表面の少なくとも大半の周りに配置された一以上の黒鉛マットの層と、を備えたことを特徴とする黒鉛電極。
- 前記黒鉛マットの層の厚さが、前記黒鉛本体の外径の約1/3よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の黒鉛電極。
- 前記径方向外表面が付着表面処理を含むことを特徴とする請求項4に記載の黒鉛電極。
- 前記黒鉛マットと前記電極本体の前記径方向外表面との間に配置された接着剤を備えることを特徴とする請求項4に記載の黒鉛電極。
- 前記電極本体の前記径方向外表面上に配置された酸化防止剤粉末を備えることを特徴とする請求項4に記載の黒鉛電極。
- 前記黒鉛マットが抗酸化剤を含むことを特徴とする請求項4に記載の黒鉛電極。
- 前記黒鉛マットの密度が、前記黒鉛マットの二以上の領域において約0.5g/ccよりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の黒鉛電極。
- 軸方向及び径方向を有するとともに外表面を有する黒鉛本体において、前記黒鉛本体が、該黒鉛本体の前記外表面に接着された複数の剥離黒鉛粒子を含み、これにより前記剥離黒鉛粒子が前記外表面の少なくとも大部分を覆うことを特徴とする黒鉛本体。
- 軸方向及び径方向を有するとともに径方向外表面を有する円筒状の黒鉛本体が設けられた黒鉛電極において、前記径方向外表面がテクスチャード加工部を含み、前記テクスチャード加工部の表面粗さが少なくとも約35マイクロインチよりも小さいことを特徴とする黒鉛電極。
- 軸方向及び径方向を有する黒鉛本体を備えた黒鉛電極において、前記黒鉛本体は径方向外表面を有し、該径方向外表面にはテクスチャード加工部が設けられ、前記テクスチャード加工部は、該テクスチャード加工部に与えられた水滴が、水滴が与えられてから30秒後に、元の体積の少なくとも50%となるよう構成されていることを特徴とする黒鉛電極。
- 黒鉛本体を有する黒鉛製品において、前記黒鉛本体が、押出成形黒鉛、イソモールド黒鉛、成形黒鉛、微粒子黒鉛、超微粒子黒鉛、極超微粒子黒鉛及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも一つから形成され、前記黒鉛本体が、一以上の外表面を有し、前記外表面のうちの一以上がフレキシブル黒鉛マットで覆われていることを特徴とする黒鉛製品。
- 前記黒鉛本体のガス透過率が約0.01ダルシーよりも小さいことを特徴とする請求項14に記載の黒鉛製品。
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