JP3186131B2 - 超軽量新聞用紙およびその製造方法 - Google Patents

超軽量新聞用紙およびその製造方法

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JP3186131B2
JP3186131B2 JP29731791A JP29731791A JP3186131B2 JP 3186131 B2 JP3186131 B2 JP 3186131B2 JP 29731791 A JP29731791 A JP 29731791A JP 29731791 A JP29731791 A JP 29731791A JP 3186131 B2 JP3186131 B2 JP 3186131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超軽量新聞用紙および
その製造法に関する。より詳細には、46g/m2以下程
度の米坪量を有し、物理強度特性と光学適性のバランス
がとれ、かつオフセット印刷適性に優れた超軽量新聞用
紙、およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近省資源や輸送コストの面より新聞紙
の軽量化が促進され、米坪量46g/m2の規格品が軽量
新聞として一般化したが、この米坪量よりさらに軽量化
した超軽量新聞用紙も一部市場に出はじめている。しか
し、新聞用紙の軽量化に伴い、従来新聞用紙として印刷
や折りたたみ時に必要とされる物理的強度や、印刷物を
裏から見えなくする不透明性、隠蔽性の如き光学適性な
どの必要特性は低下の方向にある。このため、紙力剤や
填料の添加検討が行われており、アクリルアミド系の紙
力剤が強度低下防止剤として検討されている。とりわ
け、一分子内にカチオン性の官能基およびアニオン性の
官能基を共に有する両性水溶性共重合体(以下両性共重
合体という)が注目されており、特開昭 55-36315 号公
報には、アニオン性基とカチオン性基を有するアクリル
アミド系重合体を配合した軽量新聞紙が開示されてい
る。
【0003】しかしながら、物理的強度と光学適性の向
上は相反する関係にあり、例えば不透明性を付与するた
めに填料を過剰に添加すると、強度低下を引き起こすこ
とは周知の事実である。そこで、填料併用系での強度低
下を防止するため、強度物性および隠蔽性など光学適性
のバランスがとれており、紙力剤および填料歩留向上剤
としての性能を兼ね備えた薬剤の開発が望まれていた。
また最近の新聞のカラー印刷化に伴い、従来の凸版印刷
方式からオフセット印刷へと移行しつつあり、これらに
対応した湿時強度の向上やインクの着肉性の改良など、
新たな要望も出てきている。
【0004】一方で新聞用紙には、強度物性や光学特性
の面などから、クラフトパルプなどに代表される化学パ
ルプより製造時の収率が高い、いわゆる高収率パルプ
と、新聞故紙などを脱墨して製造した脱墨パルプ(DI
P)とを主体とした配合パルプが使用されている。この
ような高収率パルプおよび脱墨パルプはいずれも、表面
吸着座標が少なく、またパルプ化に使用した薬品や、木
材成分より発生した有機および無機の不純物を多量に含
んでいる。このため、従来の両性系共重合体では充分な
紙力増強効果や填料の歩留効果が得られにくいという問
題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高収
率パルプと脱墨パルプを主体とした新聞用紙製造用パル
プに対し、填料を配合するとともに、特定の薬剤を配合
することにより、物理的強度特性と光学適性のバランス
のとれた超軽量新聞用紙を提供することである。本発明
の別の目的は、このような超軽量新聞用紙の製造方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく鋭
意研究を行った結果、(メタ)アクリルアミド系の両性
共重合体において、特定のジアリルアミン系モノマーを
共重合体の必須成分としたものを用いることにより、優
れた物理的強度と光学適性のバランスのとれた超軽量新
聞用紙が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、次の成分を含有する超
軽量新聞用紙を提供する。高収率パルプおよび脱墨故紙
パルプを主体として配合された原質、填料、ならびに (メタ)アクリルアミド(A)、下記一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立
に、水素またはメチルを表し、HXは酸を表す)で示さ
れるジアリルアミン系モノマー(B)、およびアニオン
性基を有する重合性単量体(C)が、モル比で、 {(B) + (C)}/{(A) + (B) + (C)}= 0.05〜0.4 の構成単位からなり、かつ15重量%水溶液の25℃に
おけるブルックフィールド粘度が10ポイズ〜200ポ
イズの範囲にある水溶性共重合体。
【0010】また本発明は、高収率パルプおよび脱墨故
紙パルプを主体として配合されたパルプの水性分散液
に、填料および前記水溶性共重合体を配合し、抄紙する
ことにより、超軽量新聞用紙を製造する方法を提供す
る。
【0011】本発明におけるパルプの原質は、高収率パ
ルプと脱墨故紙パルプを主体とするものである。ここで
いう高収率パルプとは、クラフトパルプなどに代表され
る化学パルプよりも製造時の収率が高いパルプをいい、
ストーングランドウッドパルプ(GP)、プレッシャー
ライズドグランドウッドパルプ(PGP)、サーモグラ
ンドウッドパルプ(TGP)、リファイナーメカニカル
パルプ(RMP)、プレッシャーライズドリファイナー
メカニカルパルプ(PRMP)、サーモメカニカルパル
プ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTM
P)、ケミメカニカルパルプ(CMP)などが挙げられ
る。また脱墨故紙パルプとは、回収故紙を原料とし、脱
墨処理されたパルプをいい、通常の方法により製造され
たものであれば使用可能である。本発明では、このよう
な高収率パルプと脱墨故紙パルプが原質の主体となる
が、必要によりさらに化学パルプを配合してもよい。
【0012】また填料としては、公知の各種白色系充填
剤、例えば水不溶性金属珪酸塩、水不溶性金属硫酸塩、
水不溶性金属炭酸塩、水不溶性金属酸化物、有機充填剤
などが使用可能であり、なかでもホワイトカーボンまた
は尿素フィラーが、白色度、隠蔽性、吸油度および軽量
性の点で好ましい。填料の添加量は、乾燥パルプの重量
を基準として、 0.5〜5重量%程度が好ましい。
【0013】本発明の新聞用紙は、以上のようなパルプ
原質および填料とともに、さらに前記(A)、(B)お
よび(C)の各成分を共重合させてなる水溶性共重合体
を含有する。
【0014】共重合体を構成する(A)成分の(メタ)
アクリルアミドとは、アクリルアミドまたはメタアクリ
ルアミドをいい、それぞれ単独で用いてもよいし、また
両者を併用してもよい。工業的にはアクリルアミドが好
ましく用いられる。
【0015】(B)成分の一般式(I)で示されるジア
リルアミン系モノマーは、ジアリルアミンやジメタアリ
ルアミンに代表される2級アミンの塩である。一般式
(I)においてHXで表され、塩を構成する酸は、無機
酸、有機酸のいずれでもよく、無機酸としては、塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられ、また有機酸として
は、酢酸、蟻酸、プロピオン酸などが挙げられる。一般
には、塩酸、硫酸などが好ましい。ジアリルアミンまた
はジメタアリルアミンをこれらの酸と混合することによ
り、容易に一般式(I)で示されるジアリルアミン系モ
ノマー(塩)が形成される。これらのジアリルアミン系
モノマーは、それぞれ単独で用いてもよいし、また2種
以上を混合して用いてもよい。
【0016】(C)成分のアニオン性基を有する重合性
単量体において、アニオン性基としてはカルボキシル
基、スルホン酸基、ホスホン酸基、それらのアルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが例示
される。なかでも、カルボキシル基またはその塩が好ま
しい。かかる重合性単量体(C)の具体例としては、例
えば、アクリル酸、メタアクリル酸の如き不飽和モノカ
ルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸の如き不
飽和ジカルボン酸、これらカルボン酸のナトリウム塩、
カリウム塩の如き金属塩類、これらカルボン酸のアンモ
ニウム塩などが挙げられる。これらのアニオン性基を有
する重合性単量体も、それぞれ単独で用いることもでき
るし、また2種以上混合して用いることもできる。
【0017】本発明で用いる両性共重合体において、
(A)成分、(B)成分および(C)成分の割合は、
(B)成分と(C)成分の和が全構成モノマーの5〜4
0モル%である。これらのうち(B)成分は、全構成モ
ノマーのうち5〜20モル%程度とするのが好ましく、
より好ましくは5〜15モル%の範囲である。(B)成
分と(C)成分の量比を等モルまたは(C)成分のモル
量が(B)成分より多くなるようにすれば、不透明度な
どの光学適性が良好となる。
【0018】また本発明で用いる共重合体の合成にあた
っては、上記のような必須の構成モノマー(A)、
(B)および(C)の他に、これらと共重合可能な他の
モノマーを、紙力増強効果および共重合体の水溶性を害
しない程度に導入することもできる。使用しうる他の共
重合性モノマーとしては、例えば(メタ)アクリロニト
リル、(メタ)アクリル酸メチル、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニルの如きノ
ニオン性モノマー、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド、それらの4級化物の如きカチオン性モノ
マー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メ
チレンビス(メタ)アクリルアミドの如き二官能性モノ
マーなどが挙げられる。これら他の共重合性モノマーを
用いる場合は、(A)成分の一部をこれらのモノマーで
置換した量とするのが好ましい。
【0019】本発明に用いる両性共重合体は、上記のよ
うな必須のモノマー成分、あるいはさらに任意のモノマ
ー成分を共重合させることにより、製造できる。この共
重合体の製造自体は公知の方法で行うことができ、重合
形式は限定されないが、水または水溶性の混合溶媒中
で、重合開始剤の存在下に重合を行うのが好ましい。
【0020】重合開始剤としては、通常用いられるもの
が使用できる。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カ
リウムのような過硫酸塩、2,2′−ジアミジノ−2,
2′−アゾプロパンジ塩酸塩、アゾビスイソブチロニト
リルのようなアゾ化合物、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化水素のよう
な過酸化物が例示できる。また公知のレドックス系開始
剤、例えば過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムのよう
な酸化剤と、亜硫酸水素ナトリウムや3級アミンのよう
な還元剤との組合せ、などを用いることもできる。
【0021】さらには必要に応じて、イソプロピルアル
コール、アリルアルコール、次亜リン酸ナトリウムなど
の公知慣用の連鎖移動剤を用いることもできる。
【0022】重合は、通常約10〜100℃、好ましく
は約40〜90℃の温度で、約1〜20時間かけて行わ
れる。この重合は、酸素存在下で行うこともできるが、
窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行うのが好まし
い。重合にあたって、必須成分(A)、(B)および
(C)、あるいは必要に応じて用いられるこれら必須成
分と共重合可能なモノマーは、全成分を一括仕込してか
ら重合反応を開始してもよいし、あるいは全成分のうち
の一部を仕込んで重合反応を開始したあと、残りの成分
を連続的にまたは分割して添加し、重合を継続してもよ
い。
【0023】このようにして得られた両性共重合体のう
ち、本発明では、15重量%水溶液の25℃におけるブ
ルックフィールド粘度が10ポイズ〜200ポイズの範
囲にあるものを用いる。共重合体の分子量の大きさに関
する一つの尺度となる製品粘度は、紙力増強剤としての
特性に影響を与えるものであり、製品粘度が低くなると
その紙力効果や填料の歩留効果は低下し、また粘度が高
くなると紙の地合をくずす傾向にあるので、15重量%
水溶液の25℃におけるブルックフィールド粘度が10
ポイズ〜200ポイズをはずれるものはあまり好ましく
ない。
【0024】本発明により、上記のような両性共重合体
をパルプの水性分散液に配合するにあたって、その添加
量は、パルプの乾燥重量を基準として 0.01 〜2重量%
程度が好ましい。この両性共重合体は、パルプとよく混
合できるように添加すればよく、その添加時期に特別な
制限はない。
【0025】本発明の方法を実施するにあたり、抄紙自
体は、従来公知の方法に従って行うことができる。すな
わち、パルプの水性分散液に、前記のような填料および
両性共重合体を添加し、よく混合してから抄紙すればよ
い。
【0026】この際、新聞用紙の製造に通常用いられて
いる薬剤も、本発明の効果を阻害しない範囲で添加する
ことができる。例えば硫酸アルミニウム(いわゆる硫酸
バンド)は、系のpHコントロールやピッチコントロー
ルなどの目的で一般的に使用されており、過度の添加は
本発明の効果を阻害し、特に不透明度および隠蔽性の低
下を招くが、通常の添加量、すなわちパルプの乾燥重量
を基準として 0.5〜3重量%程度の範囲であれば、特に
問題はない。また、オフセット印刷時に付与される湿し
水の浸透を防止するため、サイズ剤が用いられるが、一
般的なエマルジョン型のロジン系サイズ剤や、中性サイ
ズ剤と呼ばれるアルキルケテンダイマー系サイズ剤、カ
チオン変性スチレン系合成サイズ剤などが使用可能であ
る。
【0027】その他、紙力増強剤、濾水性向上剤なども
使用できる。本発明では、前記のような特定のジアリル
アミン系モノマーを構成成分の一つとする両性共重合体
を用いることが必須であるが、他の紙力増強剤を併用す
ることは、もちろん差し支えない。
【0028】なお本発明でいう「超軽量」とは、軽量新
聞用紙として規格化されている米坪量46g/m2のも
の、またはそれ以下の米坪量を有するものをいう。特に
本発明が主として意図するものは、米坪量46g/m2
満の新聞用紙である。したがって抄紙にあたっては、米
坪量が46g/m2以下の薄い紙が得られるようにする。
【0029】本発明で用いる両性共重合体は、米坪量4
6g/m2以下の超軽量新聞用紙の製造において、得られ
る紙の物理強度特性と光学適性をバランスよく保つな
ど、優れた効果を示す。紙力増強剤や填料歩留向上剤が
効果を発現する因子としていくつか提唱されているが、
特に新聞用紙の抄造で用いられる高収率パルプおよび脱
墨パルプの系においては、用いる両性共重合体のパルプ
への定着率を向上させることが最大要因として挙げられ
る。
【0030】一般的な両性系の紙力増強剤は、その有し
ているカチオン基により、マイナスの電荷を有するパル
プに定着が促進され、一方で両性系紙力増強剤のなかの
アニオン基が、抄紙系に添加された硫酸アルミニウムか
ら発生するアルミニウムイオンとイオン結合を形成し、
ポリマーを疎水化して沈着することにより、パルプに定
着される。しかし、高収率パルプおよび脱墨故紙パルプ
を含有する系においては、定着座標となるパルプ表面の
マイナス電荷が低く、系中に有機および無機の不純物も
多く存在するため、両性系紙力増強剤のなかのカチオン
基がこれらの不純物とイオン結合を形成し、また定着補
助剤として添加する硫酸アルミニウムもこれらの不純物
とイオン結合を形成する。そのため、紙力増強剤は有効
にパルプに定着せず、十分な紙力効果が発揮されない。
【0031】本発明で用いる両性共重合体は、(B)成
分として特定のジアリルアミン系モノマーを必須成分と
しており、このジアリルアミン系モノマーが環状のカチ
オン基を形成して、疎水性的特性を示すことになる。そ
のため、カチオンとしての特性を有するとともに、吸着
座標の少ない疎水性のパルプに吸着しやすくなり、これ
らのことが定着向上に貢献しているものと考えられ、紙
力効果を向上させるとともに、填料の歩留効果を発揮す
る最大の因子と考えられる。
【0032】一方、不透明性および隠蔽性の向上に関係
する因子として一般的には、填料の充填効果および、セ
ルロース繊維の表面を被覆することによる屈折率の向上
が挙げられている。このうち、物理的に歩留向上剤など
を添加して填料を粗大な凝集体とし、空隙の充填をはか
るのみでは、さほど大きな効果が得られず、後者の因子
である被覆による効果を有効に発揮させるため、填料を
セルロース表面上へ微小な凝集体として沈着させること
が重要である。
【0033】本発明で用いる両性系共重合体は、カチオ
ン成分としてジアリルアミン系モノマー(B)に由来す
る基を有するため、高収率パルプに対して定着性が良好
となる。またアニオン性基を持った共重合成分(C)を
有するため、電荷的に安定している。このため、粗大な
フロックを形成することなく、パルプ表面に微小な粒子
を形成し、不透明性および隠蔽性が向上するものと考え
られる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、例中にある%は、特にことわりのない限
り重量%を表す。
【0035】合成例1 攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を
備えた四つ口フラスコに、(B)成分としてジアリルア
ミン 2.9gを、36%塩酸 3.0gおよびイオン交換水 1
78.2gとともに仕込み、36%塩酸でpHを 2.0に調整
し、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。次い
で内温を60℃に上昇し、重合開始剤として過硫酸アン
モニウム 0.45 gを投入したあと、(A)成分として5
0%アクリルアミド水溶液 61.8 gおよび(C)成分と
して80%アクリル酸水溶液 3.2gの混合物を、内温6
0℃を保ったままで5時間かけて滴下した。滴下終了
後、内温60℃で4時間保温した。その後冷却すること
により、pH 2.7、25℃における粘度52ポイズ、濃
度15%の両性共重合体水溶液を得た。これを重合体P1
とし、その性状値を表1に示す。
【0036】合成例2〜合成例4 構成モノマー成分(A)、(B)および(C)の組成を
表1に示すようにした以外は、合成例1と同様の操作を
繰り返した。各合成例で得られた両性共重合体をそれぞ
れ重合体P2〜P4とし、その性状を表1に示す。
【0037】合成例5 攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を
備えた四つ口フラスコに、(A)成分として50%アク
リルアミド水溶液 61.1 g、(B)成分としてジメチル
アミノエチルメタアクリレート 4.7g、(C)成分とし
て80%アクリル酸水溶液 3.6g、およびイオン交換水
184.5gを仕込み、20N硫酸にてpHを 4.5に調整
し、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。次い
で攪拌しつつ昇温し、内温が55℃になったら、重合開
始剤として過硫酸アンモニウム 0.10 gおよび亜硫酸水
素ナトリウム 0.04 gを投入した。さらに60分かけて
内温を90℃まで昇温し、90℃で4時間保温した。そ
の後冷却することにより、pH 4.0、25℃における粘
度49ポイズ、濃度15%の両性共重合体水溶液を得
た。これを重合体aとし、その性状値を表1に示す。
【0038】合成例6および合成例7 構成モノマー成分(A)、(B)および(C)の組成を
表1に示すようにした以外は、合成例5と同様の操作を
繰り返した。各合成例で得られた両性共重合体をそれぞ
れ重合体bおよび重合体cとし、その性状を表1に示
す。
【0039】合成例8および合成例9 構成モノマー成分(A)、(B)および(C)の組成を
表1に示すようにした以外は、合成例1に準じた操作を
行い、15%水溶液の25℃におけるブルックフィール
ド粘度が本発明の範囲を越えるものを合成した。各合成
例で得られた両性共重合体をそれぞれ重合体dおよび重
合体eとし、その性状を表1に示す。
【0040】表1中にある粘度は、BL型粘度計を用
い、25℃、6rpm で測定した値(ポイズ)である。ま
た、表1における構成モノマーの略号は次のとおりであ
る。 AM : アクリルアミド MAM : メタアクリルアミド DAA : ジアリルアミン DMM : ジメチルアミノエチルメタアクリレート Q−DM: メタクリロイロキシエチルトリメチルアン
モニウムクロライド AA : アクリル酸 MAA : メタアクリル酸
【0041】
【表1】
【0042】応用例 カナディアン・スタンダード・フリーネス180ccのサ
ーモメカニカルパルプ(TMP)と、同フリーネスの脱
墨故紙パルプ(DIP)とを、乾燥パルプ重量比で60
/40に配合して、3%濃度のパルプスラリーを調製し
た。これに、対パルプ乾燥重量比で表2に示した量のホ
ワイトカーボンならびに、それぞれ対パルプ乾燥重量比
で、硫酸アルミニウム2%およびロジン系エマルジョン
サイズ剤(“サイズパインN−700”:荒川化学製)
0.2 %を添加混合し、次いで合成例1〜9で得られた重
合体P1〜P4およびa〜eを、それぞれ対パルプ乾燥重量
比で 0.2%添加混合した。なおホワイトカーボンの添加
量は、紙中の灰分が3%前後となるように調整した。1
分間攪拌後、パルプスラリー濃度を 0.3%に希釈し、 T
APPI標準型手抄き装置で抄紙し、脱水プレス後110℃
で2分間乾燥して、米坪量41±1g/m2の手抄き紙を
得た。
【0043】得られた各試料につき、以下の方法で紙質
の評価を行い、その結果を表2に示した。 灰分 : JIS P 8128 に従って測定した。 裂断長 : JIS P 8113 に従って測定した。 不透明度: JIS P 8138 に従って測定した。 印刷強度(湿時): RI試験機(JIS K 5701)を使用
し、印刷される面を給水ロールで湿潤させたあとに印刷
し、肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行
った。 耐水性 (劣)1〜5(優) 印刷後不透明度: J. TAPPI 紙パルプ試験法 No. 45-8
4 に従って測定した。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明による新聞用紙は、紙力効果に優
れ、不透明度や印刷適性のような光学物性にも優れるな
ど、超軽量新聞用紙としての諸特性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷河 顕 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住友化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−252398(JP,A) 特開 昭55−36315(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高収率パルプおよび脱墨故紙パルプを主体
    として配合された原質、 填料、ならびに (メタ)アクリルアミド(A)、下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に、水素または
    メチルを表し、HXは酸を表す)で示されるジアリルア
    ミン系モノマー(B)、およびアニオン性基を有する重
    合性単量体(C)が、モル比で、 {(B) + (C)}/{(A) + (B) + (C)}= 0.05〜0.4 の構成単位からなり、かつ15重量%水溶液の25℃に
    おけるブルックフィールド粘度が10ポイズ〜200ポ
    イズの範囲にある水溶性共重合体を含有してなることを
    特徴とする超軽量新聞用紙。
  2. 【請求項2】填料が、ホワイトカーボンまたは尿素フィ
    ラーである請求項1記載の超軽量新聞用紙。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の超軽量新聞用紙を
    使用することを特徴とする超軽量新聞用紙の紙力および
    光学物性の向上方法。
  4. 【請求項4】高収率パルプおよび脱墨故紙パルプを主体
    として配合されたパルプの水性分散液に、填料ならび
    に、(メタ)アクリルアミド(A)、下記一般式(I) 【化2】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に、水素または
    メチルを表し、HXは酸を表す)で示されるジアリルア
    ミン系モノマー(B)、およびアニオン性基を有する重
    合性単量体(C)が、モル比で、 {(B) + (C)}/{(A) + (B) + (C)}= 0.05〜0.4 の構成単位からなり、かつ15重量%水溶液の25℃に
    おけるブルックフィールド粘度が10ポイズ〜200ポ
    イズの範囲にある水溶性共重合体を配合し、抄紙するこ
    とを特徴とする超軽量新聞用紙の製造方法。
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