JP3185624B2 - 高速再生装置 - Google Patents

高速再生装置

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JP3185624B2
JP3185624B2 JP22331495A JP22331495A JP3185624B2 JP 3185624 B2 JP3185624 B2 JP 3185624B2 JP 22331495 A JP22331495 A JP 22331495A JP 22331495 A JP22331495 A JP 22331495A JP 3185624 B2 JP3185624 B2 JP 3185624B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディジタルビデオテープ
レコーダーなどに用いられる、通常速度より速い速度で
再生し画像出力する高速再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生技術と画像データの
高効率圧縮技術の発達に伴い、ビデオテープレコーダー
のディジタル化が進んできている。これらの装置では通
常記録再生だけだけではなく、VHSで実現されている
ように高速再生動作の実現が要求されている。しかし、
一般に圧縮したディジタル画像データのヘリキャルスキ
ャンによるテープの記録再生方式は、高速再生動作の画
質が望ましいものではなく、その画質改善が重要な課題
である。そこで、既に数多くの改善案が提出されている
が、それらは高速再生用の特別のデータを記録する方式
と、通常記録再生用のデータのみを用いて高速再生する
方式の2種類に大別できる。
【0003】高速再生用の特別のデータを記録する方式
としては、2種類の圧縮率を用いる方法(特開昭63−
179679号公報)、ヘリキャルスキャンのトラック
とは別に高速再生専用トラックを設ける方法(特開平4
−325969号公報)、高速再生用データをサブデー
タ領域に記録する方式(特開平4−346584号公
報)などがある。これらの方式では、高速再生用の専用
データを生成する専用ハードウェアが必要であり、また
通常再生に着目したときテープ上の記録密度を最大限に
利用する事ができない。
【0004】一方通常記録再生用のデータのみを用いて
高速再生する方式としてはシャフリング、デシャフリン
グと呼ばれるデータの並べ替えにより画面上で同一時刻
のデータを互いに隣接させることで高速再生の画質を改
善し、高速再生時は単独のデータブロックで伸張可能な
基礎データ部分のみで伸張することで通常再生の画質と
両立させる方式(特開平5−252476号公報、特開
平5−266597号公報など)がある。この方式では
高速再生用専用データを生成記録させる特別なハードウ
ェアを必要としない。後者の方式を採用したディジタル
ビデオテープレコーダーの規格として、HDディジタル
VCRコンフェアレンス(HD DIGITAL VCR CONFERENC
E)によるスペシフィケイション・オブ・コンスーマ−
ユース・ディジタルVCRs・ユージング・6.3mm
・マグネティック・テープ(Specification of Consume
r-Use Digital VCRs Using 6.3mm Magnetic Tape)(以
下DVCフォーマットと略す)が提案されている。
【0005】以下、DVCフォーマットに基づく基本的
な高速再生装置の従来例を説明する。
【0006】図10は、この従来の高速再生装置の構成
をしめす構成図である。図10において、磁気テープ1
は通常速度と高速度で駆動可能な磁気テープ駆動部10
2により駆動され、またシリンダ3の1組のヘッド4a
と4bによりスキャンされ、その出力であるデータブロ
ックは端子Aを経て誤り訂正部5に接続される。誤り訂
正部5の訂正出力は訂正結果に応じて開閉する取り込み
選択スイッチ6を経由してメモリ7に記憶される。メモ
リ7より、選択され読み出されたデータブロックは、伸
張処理部8で伸張処理された後、出力メモリ9に一旦記
憶され、端子Bから映像出力される。
【0007】以上のように構成された従来の高速再生装
置について、まずその磁気テープ1上の記録形態を説明
し、ついてその動作に関して、順方向の高速再生動作
(以下キュー動作と略す)、逆方向の高速再生動作(以
下リビュー動作と略す)について順次説明する。
【0008】本従来例では、磁気テープ1の記録形態は
上述したDVCフォーマットに基づくものであるが、ま
ず、図2、図3、図4を用いて磁気テープ1の記録形態
と出力画像との対応関係を説明する。図2は磁気テープ
1の記録形態を示す形状図である。1フレームの画像デ
ータは1350個のデータブロックで構成され、磁気テ
ープ1上では、図2に示すように10本のトラックに分
割記録されている。各トラックに135個のデータブロ
ックが含まれる。図中のデータブロック(0,1)と
は、第0トラックの第1データブロックを意味するもの
とする。DVCフォーマットによれば、磁気テープ1に
は画像データ以外にもオーディオデータや付随情報のデ
ータブロックが記録されているが、本従来例とは直接の
関係がないので省略する。
【0009】図3は1フレームの画面の構造を示す構造
図である。図3で1フレームの画面は1350個のマク
ロブロックと呼ばれる矩形領域に分割され、個々のマク
ロブロックが図2の磁気テープ1上のデータブロックに
対応する。また、磁気テープ1上の1本のトラックに記
録される135個のデータブロックは、画面上で図3に
示すように一本の帯状の領域に整列するマクロブロック
に対応している。図4は、5個のマクロブロックから構
成されるビデオセグメントの中でのデータ圧縮の形態を
示す構造図である。
【0010】図4で、1つのビデオセグメントは、デー
タブロック(0,1)、データブロック(6、28)、
データブロック(2、55)、データブロック(8、8
2)、データブロック(3、109)に対応するビデオ
セグメントに対応し、これは図3でハッチング部分で示
すように画面上互いに離れた位置関係にある5つのマク
ロブロックから構成されている。また、ビデオセグメン
トは、図4で30個の圧縮単位のデータに分割され、1
つのデータブロックには6個の圧縮単位のデータが格納
される。各圧縮単位は基礎データと高域データからな
り、高域データは図中矢印Xに示すように1つのデータ
ブロックから同一ビデオセグメントの他のデータブロッ
クの空き領域に分割格納される構造となっている。その
ため、基礎データと高域データからなるすべての圧縮デ
ータを使って伸張処理し、元の画像に復元しようとすれ
ば、ビデオセグメントに含まれる5つのデータブロック
が磁気テープ1の同一フレームから再生され揃わなけれ
ばならない。
【0011】逆に高速再生の場合など5つのデータブロ
ックが同一フレームから揃わない場合、高域データを使
用せず、基礎データのみから伸張処理することで、不完
全ではあるが復元画像を得ることができる。
【0012】次に従来例の動作として、キュー動作につ
いて説明する。いま、磁気テープ駆動部102が磁気テ
ープ1を通常速度に対して9.5倍の速度で駆動してお
り、シリンダ3の回転速度は通常再生の場合と同じ速度
であるとする。図11はヘッド4a、ヘッド4bの中心
点が磁気テープ1上に描く、ある2回分のスキャン軌跡
を示すものである。図11で、ヘッド4aの軌跡はシリ
ンダ3の半回転で描かれ、ヘッド4bの軌跡は、それに
続くシリンダ3の半回転で描かれる。磁気テープ1の駆
動速度が9.5倍速であるから、ある一本のヘッド軌跡
は9.5−1=8.5本のトラックを横断することにな
り、また各スキャンの開始位置に当たるトラック番号は
9.5−10=−0.5、即ち0.5ずつ小さくなるこ
ととなる。磁気テープ1上のトラックは偶数番号のトラ
ックはプラスアジマス角で、奇数番号のトラックはマイ
ナスアジマス角でそれぞれ生成され、ヘッド4aはプラ
スアジマス角、ヘッド4bはマイナスアジマス角を持つ
とすると、図11に示す2回のスキャンでは磁気テープ
1からハッチングで示した部分のデータブロックを再生
することとなる。
【0013】誤り訂正部5は、再生されたデータブロッ
クを入力し、データブロック単位に誤り訂正処理を行
い、訂正後のデータブロックを取り込み選択スイッチ6
へ送るとともに、訂正処理したデータブロックの処理後
の信頼性が充分であれば取り込み選択スイッチ6をオン
状態とし、信頼性に欠けると判断すれば取り込み選択ス
イッチ6をオフ状態とさせる。すなわち、誤り誤り訂正
処理を受けたデータブロックは、誤りのないもののみ選
択スイッチ6を経由してメモリ7に記憶されていく。
【0014】図12は、メモリ7に記憶されるデータブ
ロックの分布図である。図12は、図3と同じく画面の
位置関係と対応させて作図しておく。図11に示した2
回分のスキャンによる再生データブロックはメモリ7上
で図12のハッチングに示した部分に、即ちヘッドの軌
跡とアジマス角の関係に対応して右下がりの帯状の領域
に格納される。また、20回のスキャンを繰り返すこと
によって図12の全体の状態になり、メモリ7上で1フ
レーム全体のデータが更新される。また、一回スキャン
が進む毎に更新される帯状の領域が0.5トラック幅分
だけ画面上、上に移動することとなっている。
【0015】伸張処理部8は、メモリ7からデータブロ
ックを順次読み出し、伸張処理を行い、伸張結果である
画像データを出力メモリ9へ転送する。出力メモリ9か
ら画像の2フィールド分の信号がインターレース定義に
従い順次端子Bを経由して出力される。ここで、伸張処
理部8の伸張処理は、図4のビデオセグメント単位であ
って、上述したように高域データを使用せず、基礎デー
タのみから伸張処理するから、同一フレームのデータブ
ロックが揃わない高速再生動作においても伸張処理に破
綻を来さず正常な画像データに伸張できる。1つのビデ
オセグメントは、図3のハッチングに示したように1フ
レーム分のデータブロックの離れた5カ所から構成され
る。
【0016】図5は、伸張処理部8がメモリ7から読み
出すデータブロックの順を示す図である。図5で、伸張
処理部8は図中の番号順にデータブロックを読み出し、
データブロック5個単位で伸張処理を実行し、出力メモ
リ9の該当する位置に転送する。伸張処理部8が1フレ
ーム分のデータを読み出し、伸張処理完了するのは画像
出力1フレームの時間、即ちNTSCであれば約1/3
0秒を要する。この1フレームデータの読み出し順の特
徴を要約すれば図5の矢印に示すように1フレーム時間
を擁して画面を上から下へ読み出すこととなる。
【0017】図13は、画像出力フレームとヘッド4
a、4bのスキャンのタイミング関係を示すタイミング
チャートである。図13で、伸張処理部8が上記1フレ
ーム分のデータを読み出している期間にヘッド4aとヘ
ッド4bはそれぞれ5回ずつ、合計10回磁気テープ1
をスキャンしている。そのスキャンされたデータブロッ
クは、やはりメモリ7へ記憶されていくから、メモリ7
に対する伸張処理部8によるデータブロックの読み出し
と、誤り処理部5のデータブロック書き込みは同時に並
行して実行されている。この結果、図13のCに示した
瞬間のメモリ7の状態は、例えば図12に示したように
磁気テープ1上の20フレームに渡るデータブロックの
斜め方向の組み合わせで構成されているが、10回のス
キャンを終えた図13のDのタイミングでは新たに得ら
れたフレーム番号21からフレーム番号30のデータブ
ロックが記憶されるからメモリ7はフレーム番号11か
らフレーム番号30の20フレーム分のデータで構成さ
れることとなる。また、図13のCからDの期間で入力
されたデータブロックが、もしもメモリ7の該当する位
置のデータブロックが伸張処理部8に読み出されるより
も早くメモリ7に記憶された場合は、Dのタイミングに
は出力メモリ9にも転送されていることになる。逆に伸
張処理部8に読み出されるよりも遅くメモリ7に記憶さ
れた場合は出力メモリ9には古いデータブロックが転送
されている。このように、同一メモリに対して、入力と
出力画並行して実行されるため、その相互関係により、
Dのタイミングでの出力メモリ9の状態は磁気テープ1
上の約30フレームに渡るデータブロックの組み合わせ
で構成されることとなる。
【0018】以上のように従来例のキュー動作では、メ
モリ7の単一の面に誤り訂正部5がデータブロックを書
き込み、伸張処理部8が同一面を読み出すことにより、
画像圧縮された記録方式の磁気テープ1を複数トラック
にまたがる斜めスキャンする動作であるにも関わらず、
メモリ7を使って再生されたデータブロックを再構成
し、同一時刻のデータは画面上の近接部分に配置するか
ら高速再生画像を出力可能となっている。
【0019】次に、リビュー動作について説明する。リ
ビュー動作が前記キュー動作と異なるのは、磁気テープ
駆動部2が磁気テープ1を駆動する方向と、ヘッド4
a、4bが磁気テープ1上に描くスキャン軌跡とメモリ
7に記憶されるデータの全体構成と、出力メモリ9に記
憶されるデータの全体構成であり、その他の各部の動作
は、前記キュー動作と全く同じである。
【0020】図8はヘッド4a、ヘッド4bの中心点が
磁気テープ1上に描くある2回分のスキャン軌跡を示す
ものである。磁気テープ駆動部102は通常再生とは逆
の方向に通常再生の9.5倍の速度、即ち−9.5倍速
で磁気テープ1を駆動しているものとする。このとき、
図8で磁気テープ1の駆動速度が−9.5倍速であるか
ら、ある一本のヘッド軌跡は−9.5−1=−10.5
本、即ち10.5本のトラックを横断することになり、
その方向は、図11のキュー動作の場合の逆方向になっ
ている。また各スキャンの開始位置に当たるトラック番
号は−9.5+10=0.5即ち0.5ずつ大きくなる
こととなる。図9はこのスキャンの結果メモリ7に記憶
されるデータの構造図である。図9のハッチングに示し
た部分が図8の2回のスキャンで記憶されるデータブロ
ックの分布を示している。また、20回のスキャンを繰
り返すことによって、図9の全体の状態になり、メモリ
7上で1フレーム全体のデータが更新される。伸張処理
部8のメモリ7からのデータブロックの読み出し順は、
上記キューの場合と全く同じく図5に示すものであり、
その結果出力メモリ9には、フレーム番号0から29で
構成される30フレームに渡るデータブロックで画像構
成され、出力されることとなる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成は、メモリ7に対するデータブロックの書き込
みと並行してメモリ7からデータブロックを読み出し出
力する構成であるから、入力順と出力順の相互関係が出
力画の画質に影響を及ぼす。キュー動作では、メモリ7
へ書き込むデータブロックの位置が図12に示すように
右下がりの帯状の領域であって、その領域がスキャンご
とに0.5トラック分ずつ上へ移動するが、リビュー動
作では、図9に示すように右上がりの帯状の領域がスキ
ャンごとに0.5トラック分ずつ下に移動する。すなわ
ちスキャンごとにキュー動作とリビュー動作では、メモ
リ上に書き込むデータの位置の移動が逆方向である。一
方画面出力のためにメモリ7から読み出すデータの読み
出し順は、常に図5に示すように画面上、上から下への
順であるから、読み出し順と書き込み順の相互関係によ
る影響がキュー動作とリビュー動作で大きく異なり、視
覚上出力映像の画質が異なってしまうという問題点を有
していた。
【0022】本発明は上記の問題点を解決するもので、
キュー動作とリビュー動作で同程度の画質の映像を出力
できる高速性装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の画像修正装置は、1面の画像データがトラッ
ク幅WのM本のトラックに分割して記録されているテー
プ形状の記録媒体に対し、予め設定された定数α、1回
のヘリキャルスキャンでヘッドの中心線が記録媒体上に
描く軌跡のトラックに対する垂直方向成分Lとしたと
き、順方向高速再生(キュー動作)時にL=(M−α)
×W、かつ逆方向高速再生(リビュー動作)時にL=
(M+α)×Wとなる記録媒体転送速度で駆動する駆動
手段を具備してなる構成である。
【0024】
【作用】本発明は上記した構成によりキュー動作とリビ
ュー動作のメモリへのスキャン毎の書き込み位置を、い
ずれも上方向または下方向の同一方向に、同一量だけ移
動させるから入力順と出力順の相互関係の影響が同じと
なり、キュー動作とリビュー動作の画質が同程度の画質
になるものである。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0026】図1は本発明の実施例における高速再生装
置の構成図を示すものである。本実施例の構成を上述し
た図10の従来例の構成と比較して異なる点は、磁気テ
ープ1の駆動速度が異なる磁気テープ駆動部2に変えた
ことのみである。同一構成要素には同一符号を付して説
明を省略する。
【0027】以上のように構成された本発明の高速再生
装置について、順方向の高速再生動作(キュー動作)、
逆方向の高速再生動作(リビュー動作)について以下順
次説明する。
【0028】まず、キュー動作について説明する。い
ま、磁気テープ駆動部2が磁気テープ1を通常速度に対
して10.5倍の速度で駆動しており、シリンダ3の回
転速度は、通常再生の場合と同じ速度であるとする。
【0029】図6は、ヘッド4a、ヘッド4bの中心点
が磁気テープ1上に描くある2回分のスキャン軌跡を示
すものである。図6でヘッド4aの軌跡は、シリンダ3
の半回転で描かれ、ヘッド4bの軌跡は、それに続くシ
リンダ3の半回転で描かれる。いま、10.5倍の速度
としたのは、トラック幅W、M=10本のトラックで構
成される1フレームに対して、α=0.5として、ある
一本のヘッド奇跡のトラックに対する垂直成分Lは、L
=(10−0.5)×W=9.5Wと設定したことにな
る訳である。この結果、ある一本のヘッド軌跡は10.
5−1=9.5本のトラックを横断することになり、ま
た各スキャンの開始位置に当たるトラック番号は10.
5−10=0.5即ち0.5ずつ大きくなることとな
る。
【0030】図7は、メモリ7に記憶されるデータブロ
ックの分布図である。1回のスキャンで得られたデータ
ブロックは、図7に示した右下がりの帯状の領域に記憶
され、またその帯状の領域はスキャン毎に0.5トラッ
ク分ずつ下へ移動していくこととなる。伸張処理部8が
メモリ7から、図5に示す順でデータを読み出し、出力
メモリ9を介して高速再生の映像出力することは、上記
従来例と全く同じである。
【0031】次にリビュー動作について説明するが、本
実施例ではリビュー動作は上述した従来例のリビュー動
作と全く同じである。いま、磁気テープ駆動部2が磁気
テープ1を通常速度に対して−9.5倍の速度で駆動し
いる。図8は、ヘッド4a、ヘッド4bの中心点が磁気
テープ1上に描くある2回分のスキャン軌跡を示すもの
である。いま、−9.5倍の速度としたのは、トラック
幅W、M=10本のトラックで構成される1フレームに
対してα=0.5として、ある一本のヘッド奇跡のトラ
ックに対する垂直成分Lは、L=(10+0.5)×W
=10.5Wと設定したことになる訳である。その結
果、ある一本のヘッド軌跡は−9.5−1=−10.5
本すなわち10.5本のトラックを横断することにな
り、また各スキャンの開始位置に当たるトラック番号は
−9.5+10=0.5即ち0.5ずつ大きくなること
となる。図9は、メモリ7に記憶されるデータブロック
の分布図であるが、1回のスキャンで図9に示した右上
がりの帯状の領域に記憶され、またその帯状の領域はス
キャン毎に0.5トラック分ずつ下へ移動していくこと
となる。
【0032】キュー動作の場合においても、リビュー動
作の場合においても、メモリ7に対するデータブロック
の書き込みと並行してメモリ7からデータブロックを読
み出し出力する構成であるから、入力順と出力順の相互
関係が出力画の画質に影響を及ぼすことは従来例と同じ
である。しかし本実施例によれば、キュー動作では、メ
モリ7へ書き込むデータブロックの位置が、図7に示す
ようにスキャンごとに0.5トラック分ずつ下へ移動
し、リビュー動作でも、図9に示すように0.5トラッ
ク分ずつ下に移動する。すなわちスキャンごとにキュー
動作とリビュー動作は、メモリ上に書き込むデータの位
置の移動が同じ方向であり、しかも同じ移動量である。
従って、画面出力のためのメモリ7から読み出す順と、
書き込み順の相互関係による影響がキュー動作とリビュ
ー動作で同じとなり、視覚上同程度の画質の出力映像を
得ることができるものである。
【0033】なお、本実施例において、α=1.5と
し、キュー動作ではL=(10−1.5)×W、リビュ
ー動作ではL=(10+1.5)×Wの軌跡としてもよ
い。その場合速度設定はキュー動作で9.5倍速、リビ
ュー動作で10.5倍速となり、スキャン毎の軌跡の移
動量はキュー動作、リビュー動作共に上方向に0.5ト
ラック分である。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明は、1面の画像デー
タがトラック幅WのM本のトラックに分割して記録され
ているテープ形状の記録媒体に対し、予め設定された定
数をα、1回のヘリキャルスキャンでヘッドの中心線が
前記記録媒体上に描く軌跡のトラックに対する垂直方向
成分をLとしたとき、順方向高速再生(キュー動作)時
にL=(M−α)×W、かつ逆方向高速再生(リビュー
動作)時にL=(M+α)×Wとなる記録媒体転送速度
で駆動する駆動手段を備えたことにより、キュー動作と
リビュー動作のスキャン毎のメモリへの書き込み位置を
いずれも上方向または下方向の同一方向に同一量だけ移
動させることとなるから、メモリに対する入力順と出力
順の相互関係の影響が同程度となり、キュー動作とリビ
ュー動作で同程度の画質を実現でき、違和感のない自然
な映像出力を実現できるものである。
【0035】また、そのための特別なハードウェアを要
することもなく、極めて安価に実現できるから、特に民
生分野においてその効果は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における高速再生装置の構成図
【図2】磁気テープ1の記録形態を示す形状図
【図3】1フレームの画面の構造を示す構造図
【図4】データ圧縮の形態を示す構造図
【図5】データブロックの読み出し順を示す構造図
【図6】キュー動作でヘッドの中心点のスキャン軌跡を
示す形状図
【図7】キュー動作でメモリ7に記憶されるデータの構
造図
【図8】リビュー動作でヘッドの中心点のスキャン軌跡
を示す形状図
【図9】リビュー動作でメモリ7に記憶されるデータの
構造図
【図10】従来の高速再生装置における構成図
【図11】キュー動作でヘッドの中心点のスキャン軌跡
を示す形状図
【図12】キュー動作でメモリ7に記憶されるデータの
構造図
【図13】画像出力フレームとヘッドのスキャンとのタ
イミングチャート
【符号の説明】
1 磁気テープ 2 磁気テープ駆動部 3 シリンダ 4a、4b ヘッド 5 誤り訂正部 6 取り込み選択スイッチ 7 メモリ 8 伸張処理部 9 出力メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−225259(JP,A) 特開 平5−252476(JP,A) 特開 平5−266597(JP,A) 特開 平4−325969(JP,A) 特開 平4−346584(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/782 - 5/783 H04N 5/91 - 5/956

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、シリンダに取り付けられた
    ヘッドと、1面の画像データがM本のトラックに分割し
    て記録されているテープ形状の記録媒体を走行させる駆
    動手段とを備え、 前記駆動手段は前記トラックの幅をW、予め設定された
    定数をα、1回のヘリキャルスキャンで前記ヘッドの中
    心線が前記記録媒体上に描く軌跡の前記トラックに対す
    る垂直方向成分をLとしたとき、順方向高速再生時にL
    =(M−α)×W、かつ逆方向高速再生時にL=(M+
    α)×Wとなる記録媒体転送速度で駆動する高速再生装
    置。
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