JP3185389U - 異幅母材溶接用セラミックエンドタブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】柱母材に接触する底面12、この底面と垂直な側面に設けられ、開先加工した梁母材の端面と接触する溶接非使用面14、およびこの溶接非使用面に対して相対的に窪んだ溶接使用面16を備え、溶接使用面と溶接非使用面が梁母材の開先角度に対応した角度αで設けられた段差面18を介して連続した異幅母材溶接用セラミックエンドタブにおいて、溶接使用面が、この溶接使用面と段差面の交線を中心軸にして、溶接非使用面に平行な面から所定の角度γでエンドタブの内側に面回転された位置に設けられており、これにより溶接使用面の底面への広がり寸法が、初層部S1より表層部S2の方が大きくされており、S2/S1の値が、1.82以上である。
【選択図】図1
Description
この従来型のエンドタブの取付け状況を図7に、応力の伝達方向を図8に示すが、このようなエンドタブを用いた場合には、図5に示す溶接始終端部の余長ビードCにおいて、柱母材底面先端部Bおよび梁母材開先側面止端部Aの双方に直角な隅角部が各々形成されて、それらの部分にアンダカット等の欠陥が生じた場合などには応力集中が生じる恐れがある。なお、図5、図7、図8において、符号1は柱母材を、符号2は梁母材を、符号3は溶融金属を、符号31は開先加工部を、符号4は裏当て金をそれぞれ示す。以下同じ。
しかしながら、このようなエンドタブにおいては、図10に示すように始終端部にて外側にふくらんだ扇状の余長ビード(符号C)が形成されその結果、梁母材側面止端部Aおよび柱母材先端部Bにおける溶接ビードと母材の成す各接触角度がより鋭角になりやすいので、これらの部位に応力集中が増大するという問題がある。
また、日本国特開2001-30094号においては、上記特許のエンドタブの溶融金属受溝を形成する使用面全体を平坦にして傾斜させた図13に図示したようなエンドタブが提案されている。
しかしながら、このようなエンドタブ形状を用いた始終端部ビードは、図12の斜視図に示すように初層部(底面ルート部)付近では溶接始終端部ビードの余長(図5のC)が長く、表層部(板厚表面部)では短く形成される。このため、図12に示すように初層部では、梁母材側面止端部Aにおける応力集中が増大する。
(1)
柱母材に接触する底面、この底面と垂直な側面に設けられ、開先加工した梁母材の端面と接触する溶接非使用面、およびこの溶接非使用面に対して相対的に窪んだ溶接使用面を備え、前記溶接使用面と溶接非使用面が前記梁母材の開先角度に対応した角度で設けられた段差面を介して連続した異幅母材溶接用セラミックエンドタブにおいて、前記溶接使用面が、この溶接使用面と段差面の交線を中心軸にして、前記溶接非使用面に平行な面から所定の角度でエンドタブの内側に面回転された位置に設けられており、これにより前記溶接使用面の前記底面への広がり寸法が、初層部S1より表層部S2の方が大きくされており、S2/S1の値が、1.82以上であることを特徴とする異幅母材溶接用セラミックエンドタブ。
(2)
前記S2/S1の値が、1.86〜3.20である前記(1)の異幅母材溶接用セラミックエンドタブ。
(3)
前記S2/S1の値が、1.95〜2.84である前記(2)の異幅母材溶接用セラミックエンドタブ。
(4)
前記S2/S1の値が、2.05〜2.76である前記(3)の異幅母材溶接用セラミックエンドタブ。
(5)
当該段差面の幅が下部から上部まで実質的に同一である前記(1)〜(4)のいずれかの異幅母材溶接用セラミックエンドタブ。
図1は、本発明の実施形態による異幅母材溶接用セラミックエンドタブ10(以下、単にセラミックエンドタブと称す)は、柱母材に接触する底面12、この底面12と垂直な側面に設けられ、開先加工した梁母材の端面と接触する溶接非使用面14、およびこの溶接非使用面14に対して相対的に窪んだ溶接使用面16を備え、前記溶接使用面16と溶接非使用面14が前記梁母材の開先角度α°に対応した角度で設けられた段差面18を介して連続している。そして、本発明の図1に示すセラミックエンドタブ10においては、前記溶接使用面16が、この溶接使用面16と段差面18の交線であるβ軸を中心軸にして、前記溶接非使用面14に平行な面から所定の角度でエンドタブの内側方向に面回転された位置に設けられていることを特徴とする。この面回転により前記溶接使用面の前記底面への広がり寸法が、初層部S1より表層部S2の方が大きくされている。
この広がり寸法のS2/S1の値は、1.82以上、1.86〜3.20が好ましく、1.95〜2.84が更に好ましく、2.05〜2.76が最も好ましい。
なお、前記段差面18の幅は下部(初層部)から上部(表層部)まで実質的に同一であることが好ましい。
符号γ°は、溶接非使用面14に平行な面を基準としての溶接使用面16の底面12への広がり角度を表し、前記のα°およびβ°によって定まるものであり、これらを各々上記値とした時、12.4°〜18.3°の範囲となる。
符号Dは、段差面18における段差の深さであり、梁母材側(図6の項目6から5を結ぶ部分)の余長ビードの長さに関係し2〜4mmが好ましく、この範囲を越えるえる場合にはこの梁母材側の部分にアンダカット等の欠陥が生じ易くなる。 符号D°は、段差面18の溶接非使用面14に対する角度であり、アンダカット等の欠陥発生を防止するには上記した部分(A)に隅角部が形成されないように緩やかな角度(120〜135°)に設定することが好ましい。
上記回転角度β°が上記の値未満であると、上記の柱母材(底面)への広がり角度γ°は小さくなり、柱母材先端部(B)における応力集中が増大する。
また、本セラミックエンドタブ10においては、溶接使用面等の形状を回転対称に反対側の側面に形成する。
以上説明したセラミックエンドタブ10は、タブ材の高さ(符号h)が梁母材の板厚に所定の余盛部を加算したサイズ以上であれば、如何なる母材厚でも底面への広がり角度γ°が得られ、且つ図6に示す項目6の部分のサイズは段差面Dの幅に相応して一定に確保される特徴を持つ。したがって、従来であれば被溶接梁母材の板厚個々に応じた高さ(h)を持つエンドタブを用意する必要があったが、このエンドタブを使用する場合は、板厚毎にエンドタブを用意する必要はなく、エンドタブ個数の削減によるコスト効果と施工管理上の簡便化が図ることも出来る。
溶接実験に備えて表1に掲げる13種類のセラミックエンドタブのサンプルを作製して、実施例1〜実施例13とした。比較例として、S2/S1の値が本発明の範囲以下のものを比較例1とし、図4に示す従来型形状を比較例2とし、図13に示すようにエンドタブの使用面208を開先上部から底面まで相対的に端部ビードが広がるようにエンドタブの内側を12.4°に削り込んだ形状を比較例3とした。
表1に示す各部の名称および符号は、図1、2,7,11,13に図示する通りである。
本実験は柱母材に四面スキンプレートボックス柱を想定して図14に示すような実験用テストピースを製作した。
柱母材に相当する25t×150w×300LのSN490B鋼材を平置きして下板1とし、梁母材に相当するものとして22t×150w×250Lの250Lの側面のうち1面を開先角度35°に機械加工を施した同鋼種プレート2を前記下板1の上面に垂直に設置して、T継ぎ手の横向き姿勢用とした。したがって、溶接長は250mmである。なお、上記試験体のルートギャップ7mmの部分には、9t×25w×300Lのプレートを用いた裏当て金4を取り付けた。
(3)溶接実験方法
(1)溶接方法: 本実験はガスシールドアーク溶接方法を採用した。
(2)溶接条件: ・電流(A) 220〜330
・電圧(V) 26〜35
・速度(cm/min) 15〜90
(4)サンプル(エンドタブ)の取付け状況
(1)実施例1から6におけるエンドタブ(図1)の試験体への取付け状況は図2に示す通りである。
比較例のエンドタブの試験体への取付け状況は、図4に示す比較例1を図7に、図13に示す比較例2を図11に示す通りである。
(2)取付け状況図2に示す実施例1から6と図7に示す比較例1では、段差の深さDが初層部(底面ルート部)から梁母材2の表層部(板厚表面部)まで一定である。
しかしながら、比較例2のh32mmのエンドタブを梁母材2の板厚22mmの試験体に取付けた場合、表1に示す通り、エンドタブ表層部での段差d2は3mmであるが、梁母材(図14の2)の板厚22mmに相当するビード表層部分(図11のd3)では段差が4.5mmに増加する。この段差増加量は梁母材板厚が薄くなる程大きく、応力集中傾向を増大させることとなる。
(1)実験結果を評価して表2に示す。評価項目1,2では溶接施工性を評価し、評価項目3〜6では、溶接始終端部ビードについて図6に示す項目3〜6部分を評価した。評価項目7では総合評価とした。評価は目視による外観検査をおこない、◎○△▲×式の5段階にて表示した。
○:良好
△:普通(使用に耐える)
▲:やや悪い
×:不良
(2)実験結果の説明
(1)本考案エンドタブに関わる実施例1から13については、溶接始終端部ビード部分にて、底面(図6に示す項目3と4を結ぶ線)への溶け込み状況は良好であり、梁母材側面(項目5と6を結ぶ線)で欠陥の発生はなく、使用に耐えうる以上の優れたビード外観が形成された。また、図6に示す項目5と6の線上および項目3と4の線上の各隅角部は直角でない円弧状の滑らかな形状となり、しかも、項目5から3、および項目6から4へかけての広がりも同等の角度が確保でき、図3に示す通りの結果が得られた。
なお、実験の検査項目の総合評価において◎と判定した実施例4〜10の溶接結果の差は殆んど無かった、梁母材開先側の最終層上部(項目6の部分)におけるビード馴染み(融合)の点で、実施例3が、最も良い結果であった。
(2)比較例1については、評価項目1で端部がやや見え難いという作業性の問題があった。比較例2については、評価項目1で端部が見え難いという作業性の問題があるとともに、図6に示す項目3から4の線上、および項目6の部分に溶け込み不良が発生した。
比較例3については、図6に示す項目3および5における溶け込み不良が発生した。
12 本考案のセラミックエンドタブ底面
14 本考案のセラミックエンドタブ溶接非使用面
16 本考案のセラミックエンドタブ溶接使用面
18 本考案のセラミックエンドタブ段差面
D 段差の深さ(d1は初層部、d2は表層部)
D° 段差面の非使用面(14)に対する角度
α° 開先角度
β 使用面(16)と段差面(18)の交線(分線)
β° 面回転角度
γ° 低面への広がり角度
S 低面への広がり幅 (S1 初層部、S2は表層部)
G ルートギャップ
h エンドタブの高さ
1 柱母材
2 梁母材
3 溶着金属
31 開先加工部
4 裏当て金
100 従来型エンドタブ(比較例2)
102 従来型エンドタブ(比較例2)の底部
104 従来型エンドタブ(比較例2)の段差面
106 従来型エンドタブ(比較例2)の非使用面
108 従来型エンドタブ(比較例2)の使用面
150 凹型円弧状のエンドタブ形状
200 相対的に内側に傾斜させたエンドタブ(比較例3)形状
202 相対的に内側に傾斜させたエンドタブ(比較例3)の底面
204 相対的に内側に傾斜させたエンドタブ(比較例3)の段差面
206 相対的に内側に傾斜させたエンドタブ(比較例3)の非使用面
208 相対的に内側に傾斜させたエンドタブ(比較例3)の使用面
A 梁母材側面止端部の隅角部
B 柱母材底面先端部の隅角部
C 端部ビード
Claims (5)
- 柱母材に接触する底面、この底面と垂直な側面に設けられ、開先加工した梁母材の端面と接触する溶接非使用面、およびこの溶接非使用面に対して相対的に窪んだ溶接使用面を備え、前記溶接使用面と溶接非使用面が前記梁母材の開先角度に対応した角度で設けられた段差面を介して連続した異幅母材溶接用セラミックエンドタブにおいて、前記溶接使用面が、この溶接使用面と段差面の交線を中心軸にして、前記溶接非使用面に平行な面から所定の角度でエンドタブの内側に面回転された位置に設けられており、これにより前記溶接使用面の前記底面への広がり寸法が、初層部S1より表層部S2の方が大きくされており、S2/S1の値が、1.82以上であることを特徴とする異幅母材溶接用セラミックエンドタブ。
- 前記S2/S1の値が、1.86〜3.20である請求項1の異幅母材溶接用セラミックエンドタブ。
- 前記S2/S1の値が、1.95〜2.84である請求項2の異幅母材溶接用セラミックエンドタブ。
- 前記S2/S1の値が、2.05〜2.76である請求項3の異幅母材溶接用セラミックエンドタブ。
- 当該段差面の幅が下部から上部まで実質的に同一である請求項1または2に記載の異幅母材溶接用セラミックエンドタブ。
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