JP3184856B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP3184856B2
JP3184856B2 JP8545094A JP8545094A JP3184856B2 JP 3184856 B2 JP3184856 B2 JP 3184856B2 JP 8545094 A JP8545094 A JP 8545094A JP 8545094 A JP8545094 A JP 8545094A JP 3184856 B2 JP3184856 B2 JP 3184856B2
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淑隆 井島
博海 野尻
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電動パワーステアリン
グ装置に係り、特にクラッチ機構が確実に係合してから
電動機の駆動力を出力軸に伝達させ得て、ステアリング
ホイールの操作力のアシストの開始を適切になし得て、
ステアリング操作にショックを生じることなく滑らかな
操作感覚を得て、また、ステアリングホイールの操作力
のアシストの開始を制御プログラムの変更により自由に
設定・変更し得て、幅広いシステムに対応し得て実用上
有利な電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両には、ステアリングホイールの操作
力を軽減して運転者への負担を軽減するために、操作力
をアシストするパワーステアリング装置を設けたものが
ある。パワーステアリング装置には、動力源として油圧
や圧搾空気、電気等を利用しており、それらの動力源に
対応して適切な制御手段を設けている。
【0003】パワーステアリング装置には、例えば、電
動機(モータ)を利用した電動パワーステアリング装置
がある。電動パワーステアリング装置は、運転者が必要
とする操作力に対するアシストを自由に調整できるもで
ある。
【0004】このような電動パワーステアリング装置と
しては、特開平1−218973号に開示されるものが
ある。
【0005】この特開平1−218973号公報に開示
されるものは、入力軸と出力軸とを連結する弾性体の弾
性変形に応じて操舵トルクを検出する操舵トルク検出器
を設け、弾性体の弾性変形に関連して電動機の回転力の
伝達を断続制御するクラッチ機構を設け、このクラッチ
機構が係合状態となる弾性体の弾性変形を、操舵トルク
検出器が検出する操舵トルクに応じて電動機が回転を開
始する時の弾性体の弾性変形よりも、小さくしたもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、上述
の公報に開示される電動パワーステアリング装置は、ク
ラッチ機構が係合状態となる弾性体の弾性変形を、電動
機が回転を開始する時の弾性体の弾性変形よりも小さく
している。
【0007】即ち、前記公報に開示される電動パワース
テアリング装置は、図15に示す如く、クラッチ機構が
係合状態となる弾性体の弾性変形に応じた操舵トルク値
をT1 とし、電動機がアシストを開始する時の弾性体の
弾性変形に応じた操舵トルク値をT3 とし、電動機がア
シストを停止する時の弾性体の弾性変形に応じた操舵ト
ルク値をT2 とすると、T1 <T2 <T3 の関係に設定
している。
【0008】つまり、前記公報に開示される電動パワー
ステアリング装置は、ステアリングホイールの操作によ
り操舵トルク値Tが増加し、操舵トルク値T1 に達する
とクラッチ機構が係合し、さらに操舵トルクが増加して
操舵トルク値T3 に達すると電動機によるアシストが開
始されるものである。言い換えれば、電動機がアシスト
を開始するときには、クラッチ機構が係合状態となって
いることを条件とするものである。
【0009】ところが、この従来の電動パワーステアリ
ング装置は、クラッチ機構が係合状態となる操舵トルク
値T1 と電動機がアシストを開始する操舵トルク値T3
との間に、|T1 −T3 |なるトルク差がある。したが
って、T1 からT3 までの間に操舵トルク値T(T1
T<T3 )が存する場合には、電動機によるアシストが
得られないことになる。
【0010】このため、従来の電動パワーステアリング
装置は、操舵トルク値TがT1 からT3 なるまでに長い
時間を要するようにステアリングホイールがゆっくり操
作された場合に、操舵トルクの中立点を挟んで長い時間
にわたりアシストが得られない状況が発生し、ステアリ
ングホイールの操作力のアシストの開始を適切になし得
ない不都合があり、また、操舵トルク値T3 において唐
突にアシストが開始されることによりステアリング操作
にショックを生じさせる不都合がある。
【0011】一方、クラッチ機構の係合に先だって電動
機の駆動を開始させた場合には、クラッチ機構の係合と
同時に駆動力が伝達されることにより、ステアリングホ
イールが急にアシストされることになり、異音を発生す
るとともに操作上において違和感を生じさせる不都合が
防止ある。
【0012】このため、単にクラッチ機構が係合してか
ら電動機の駆動を開始し、あるいは、クラッチ機構が係
合する前に電動機の駆動を開始するだけでは、ステアリ
ングホイールの操作力のアシストの開始を適切になし得
ない不都合があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような不都合を解消
すべく、この発明は、車両のステアリングホイールに接
続される入力軸とステアリングギヤに接続される出力軸
とを弾性体を介して相対回転可能に軸支して設け、前記
入力軸と前記出力軸との相対回転による変位量が設定値
以下であると前記出力軸に対して離脱されるとともに前
記入力軸と前記出力軸との相対回転による変位量が設定
値を越えると前記出力軸に係合されるクラッチ機構を設
け、このクラッチ機構により前記出力軸への駆動力の伝
達を断続される電動機を設け、前記入力軸と前記出力軸
との相対回転による変位量及び変位方向を検出するステ
アリングセンサを設け、このステアリングセンサの検出
信号に基づいて前記電動機の駆動力を前記クラッチ機構
を介して前記出力軸に伝達することにより前記ステアリ
ングホイールの操作力をアシストする電動パワーステア
リング装置において、前記ステアリングセンサの検出す
る前記入力軸と前記出力軸との相対回転による変位量よ
り前記入力軸と前記出力軸との間に加わる操舵トルク値
を算出し、この操舵トルク値が前記クラッチ機構の係合
されるクラッチ係合トルク値以上となって所定時間が経
過した場合に前記ステアリングホイールの操作力のアシ
ストを開始すべく前記電動機の駆動力を制御する制御手
段を設けたことを特徴とする。
【0014】
【作用】この発明の構成によれば、電動パワーステアリ
ング装置は、制御手段によって、ステアリングセンサの
検出する入力軸と出力軸との相対回転による変位量より
算出される操舵トルク値がクラッチ機構の係合されるク
ラッチ係合トルク値以上となって所定時間が経過した場
合に、ステアリングホイールの操作力のアシストを開始
すべく電動機の駆動力を制御する。これにより、この電
動パワーステアリング装置は、クラッチ機構がより確実
に係合してから電動機の駆動力を出力軸に伝達させるこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を説明
する。図1〜図14は、この発明の実施例を示すもので
ある。図6において、2は車両、4は前輪、6は後輪で
ある。この車両2は、搭載した駆動システムである内燃
機関や電動機により前輪4および/または後輪6を駆動
して走行する。操舵輪である前輪4は、ステアリングホ
イール8により操舵される。
【0016】ステアリングホイール8は、ステアリング
コラム10によりステアリングギヤ12に連絡して設け
ている。ステアリングコラム10は、ステアリングホイ
ール8に連絡されるステアリング軸14とステアリング
ギヤ12に連絡されるジョイント軸16とからなる。ス
テアリングギヤ12は、図4に示す如く、ジョイント軸
16に設けられるピニオンギヤ12と、タイロッド18
に設けられるラック12Bと、から構成される。ステア
リングギヤ12は、ジョイント軸16の回転運動をピニ
オンギヤ12とラック12Bとにより直線運動に変換し
てタイロッド18を往復動させ、図示しないナックルア
ームを介して操舵輪である前輪4を操舵する。
【0017】前記車両2には、電動パワーステアリング
装置20を備えている。電動パワーステアリング装置2
0は、図10〜図14に示す如く、ステアリングホイー
ル8にステアリング軸14を介して接続される入力軸2
2と、ステアリングギヤ12にジョイント軸16を介し
て接続される出力軸24と、を設けている。
【0018】入力軸22及び出力軸24は、図10に示
す如く、アッパハウジング26とロアハウジング28と
により包囲されている。出力軸24は、軸受30によっ
てロアハウジング28に軸支されている。入力軸22
は、先端側に形成した小径部32を出力軸24の後端側
の大径部34に形成した嵌合孔36に相対回転可能に嵌
合している。入力軸22及び出力軸24は、軸方向に形
成した入力側挿入孔36・出力側挿入孔38にトーショ
ンバー等の弾性体40を内装し、この弾性体40の各側
端部を入力側固定ピン42・出力側固定ピン44により
夫々固定し、相対回転可能に軸支している。
【0019】前記入力軸22の小径部32には、図11
に示す如く、連結ピン46の一端側が固設されている。
連結ピン46の他端側は、出力軸24の大径部34に形
成した連結穴47に挿通され、嵌合孔36側から外方に
突出させている。連結穴47は、入力軸22及び出力軸
24の相対回転による連結ピン46の所定の回動変位を
許容するように、連結ピン46の径よりも大きく形成さ
れている。
【0020】前記出力軸24には、クラッチ機構48が
設けられている。この実施例のクラッチ機構48は、3
ウェイ方式のクラッチ機構であり、図13・図14に示
す如く、出力軸24に設けた前記大径部34及び入力軸
22に設けられた前記連結ピン46と内側保持器50と
外側保持器52とウォームホイール54と転動体56と
バネ58とにより構成される。クラッチ機構48は、出
力軸24の大径部34に内側保持器50を嵌装し、内側
保持器50に外側保持器52を嵌装し、外側保持器52
にウォームホイール54を嵌装している。
【0021】内側保持器50は、前記出力側固定ピン4
4により固設されている。内側保持器50には、挿通穴
60が形成されている。挿通孔60には、前記連結ピン
46が回動可能に挿通されている。外側保持器52に
は、前記内側保持器50の挿通穴60を挿通された前記
連結ピン46の他端側が固設されている。外側保持器5
2とウォームホイール54とは、支持具62により内側
保持器50に支持されている。
【0022】内側保持器50及び外側保持器52は、内
側保持孔64及び外側保持孔66内に転動体56を配設
し、転動体56をバネ58により弾性付勢している。転
動体56は、略瓢箪形状に形成され、長手方向の長さが
大径部34及びウォームホイール54間の長さよりも少
許短く形成されている。
【0023】クラッチ機構48は、入力軸22及び出力
軸24の相対回転による変位量が設定値以下であると、
図13に示す如く、大径部34及びウォームホイール5
4間に転動体56が直径方向に略平行な状態に配設位置
されている。これにより、クラッチ機構48は、転動体
56が大径部34及びウォームホイール54に係合され
ず、離脱状態になっている。
【0024】クラッチ機構48は、入力軸22及び出力
軸24の相対回転による変位量が設定値を越えると、図
14に示す如く、転動体56がバネ58により押されて
大径部34及びウォームホイール54間に直径方向に対
して傾斜した状態に配設位置される。これにより、クラ
ッチ機構48は、転動体56が大径部34及びウォーム
ホイール54に係合され、係合状態になる。
【0025】このように、クラッチ機構48は、入力軸
22と出力軸24との相対回転による変位量が設定値以
下であると出力軸24に対して離脱されるとともに、入
力軸22と出力軸24との相対回転による変位量が設定
値を越えると出力軸24に係合される。
【0026】前記クラッチ機構48は、出力軸24への
電動機68の駆動力の伝達を断続する。電動機68は、
図11に示す如く、電動機軸70を軸受72によりアッ
パハウジング26に軸支している。電動機軸72には、
前記ウォームホイール54に噛合するウォームギヤ74
が設けられている。電動機68の駆動力は、減速機構を
構成するウォームホイール54及びウォームギヤ74に
より減速され、クラッチ機構48を介して出力軸24に
伝達され、ステアリングホイール8の操作力をアシスト
する。
【0027】この電動パワーステアリング装置20は、
ステアリングセンサ76を設けている。ステアリングセ
ンサ76は、図12に示す如く、センサ本体78と、セ
ンサ本体78から突出されたセンサ軸部80と、このセ
ンサ軸部80に一端側を固設された板部材82と、この
板部材82の他端側に保持されたセンシング部84と、
を設けている。
【0028】また、ステアリングセンサ76は、図10
に示す如く、入力軸22に軸方向移動可能に外嵌された
第1スライダ86を設け、この第1スライダ86の周方
向に形成した周溝88に前記センシング部84を摺動可
能に係合している。第1スライダ86には、第2スライ
ダ90が第1Cリング92により固定されている。
【0029】第2スライダ90は、軸方向の案内溝94
を設け、この案内溝94に案内軸96を摺動可能に係合
している。案内軸96は、出力軸24の大径部34に設
けた突縁部98に固設されている。また、第2スライダ
90は、ボール穴100を設け、ボール102を収納し
ている。ボール102は、入力軸22に設けたセンシン
グ溝104に移動可能に係合されている。センシング溝
104は、入力軸22の軸心方向に対して傾斜させた略
螺旋形状に形成されている。
【0030】前記第2スライダ90には、案内軸96及
びボール100を覆うようにカバー106が装着されて
いる。カバー106は、第2Cリング108によりリテ
ーナ110とともに第2スライダ90に固定されてい
る。リテーナ110と前記ウォームホイール54との間
には、センシングバネ112が設けられている。
【0031】ステアリングセンサ76は、図7に示す如
く、ステアリングホイール8が操作されていないと、入
力軸22と出力軸24とがねじれず、変位が発生しな
い。このため、ステアリングセンサ76は、ボール10
2が中立位置からセンシング溝104に沿って移動しな
いことにより、第1・第2スライダ86・90も入力軸
22の軸方向に移動しない。したがって、センサ本体7
8は、入力軸22と出力軸24との変位量を零として検
出する。
【0032】ステアリングセンサ76は、図8・図9に
示す如く、ステアリングホイール8の操作により入力軸
22と出力軸24とがねじれて変位が発生すると、ボー
ル102が中立位置からセンシング溝104に沿って移
動することにより、このボールの移動に伴い第2スライ
ダ90が入力軸22の軸方向に移動され、第1スライダ
86も入力軸22の軸方向に移動される。第1スライダ
86の軸方向の移動は、周溝88に係合されるセンシン
グ部84を軸方向に移動させ、板部材82を介してセン
サ軸部80を回転させる。センサ本体78は、このセン
サ軸部80の回転量及び回転方向を入力軸22と出力軸
24との変位量及び変位方向として検出する。
【0033】前記ステアリングセンサ76の検出信号
は、制御部114に入力される。制御部114は、図5
に示す如く、前記電動機68及びステアリングセンサ7
6を接続している。この制御部114には、車両2に搭
載した駆動システムである内燃機関(図示せず)のエン
ジン回転数を検出すべくイグニションコイル116と、
車速を検出すべくスピードメータ部に設けたロータ11
8a・リードスイッチ118bからなる車速センサ11
8と、発電電圧を検出すべくジェネレータ120と、イ
グニションスイッチ122を介してバッテリ124と、
が接続されている。なお、符号126は、ヒューズであ
る。
【0034】制御部114は、ステアリングホイール8
が操作された際に、ステアリングセンサ76の検出する
入力軸22と出力軸24との変位量及び変位方向に基づ
いてアシスト量及びアシスト方向を決定し、入力軸22
と出力軸24との変位量が設定値を越えることにより係
合されたクラッチ機構48を介して電動機68の駆動力
を出力軸24に伝達させ、ステアリングホイール8の操
作力をアシストすべく電動機68の駆動力を制御する。
【0035】また、制御部114は、図4に示す如く、
ステアリングセンサ76の検出信号のみならず、車速セ
ンサの118の検出信号やイグニションコイル116か
らの点火信号によるエンジン回転数を、夫々各取得手段
128〜132を介して取り込み、これらを加味してア
シスト量を決定し、電動機駆動手段134により電動機
68の駆動力を制御する。なお、符号136は、電動パ
ワーステアリング装置20の状況を表示するランプ、ブ
ザー等の告知手段である。
【0036】さらに、この電動パワーステアリング装置
20は、電動機68等の駆動系に異常が発生し、例えば
ウォームホイール54が作動しない状態、いわゆるロッ
ク状態になることがある。この場合には、連結ピン46
が出力軸24の大径部34に形成した連結穴47の内壁
に当接されることにより、入力軸22が出力軸24を直
接的に回転させることになる。この入力軸22による出
力軸24の直接的な回転は、クラッチ機構48の転動体
54を出力軸24の大径部34とウォームホイール54
とから解放させるように作用する。これにより、電動パ
ワーステアリング装置20は、駆動系がロックした場合
にも、手動による操作が可能となっている。
【0037】この電動パワーステアリング装置20は、
前記制御部114によって、ステアリングセンサ76の
検出する入力軸22と出力軸24との相対回転による変
位量より入力軸22と出力軸24との間に加わる操舵ト
ルク値Tを算出し、この操舵トルク値Tがクラッチ機構
48の係合されるクラッチ係合トルク値Ts以上となっ
た場合にステアリングホイール8の操作力のアシストを
開始すべく電動機68の駆動力を制御し、また、ステア
リングセンサ76の検出する前記変位量より前記操舵ト
ルク値Tを算出し、この操舵トルク値Tがクラッチ機構
48の係合されるクラッチ係合トルク値Ts以上となっ
て所定時間tが経過した場合にステアリングホイール8
の操作力のアシストを開始すべく電動機68の駆動力を
制御するものである。
【0038】前記クラッチ係合トルク値TS は、図3に
示す如く、クラッチ機構48が係合される際の操舵トル
ク値であり、クラッチ係合トルク値TS 未満ではクラッ
チ機構48が出力軸24に対して離脱されて電動機68
の駆動力の伝達を遮断し、クラッチ係合トルク値TS
上ではクラッチ機構48が出力軸24に係合されて電動
機68の駆動力を伝達させる。
【0039】次に、この実施例の作用を説明する。
【0040】電動パワーステアリング装置20は、制御
部114によつて、ステアリング8が操作された際に、
ステアリングセンサ76の検出する入力軸22と出力軸
24との変位量及び変位方向に基づいてアシスト量及び
アシスト方向を決定し、入力軸22と出力軸24との変
位量が設定値を越えることにより係合されたクラッチ機
構48を介して電動機68の駆動力を出力軸24に伝達
させ、ステアリングホイール8の操作力をアシストすべ
く電動機68の駆動力を制御する。
【0041】また、電動パワーステアリング装置20
は、制御部114によつて、図4に示す如く、ステアリ
ングセンサ76の検出信号、車速センサの118の検出
信号、イグニションコイル116からの点火信号による
エンジン回転数を、夫々各取得手段128〜132を介
して取り込み、これらを加味してアシスト量を決定し、
電動機駆動手段134により電動機68の駆動力を制御
する。
【0042】この電動パワーステアリング装置20によ
る制御は、制御部114によって、図2に示す如く、メ
イン処理プログラムに従って行われる。メイン処理プロ
グラムにおいては、システムが立ち上がって制御が始ま
る(ステップ200)と、初期化ルーチン(ステップ3
00)により各種処理ルーチンの初期化や必要に応じて
駆動系のロック検出を行い、操舵アシストルーチン(ス
テップ400)に制御を移行する。
【0043】操舵アシストルーチン(ステップ400)
においては、後述するようにステアリングセンサ76を
含む各種センサ類から入力する信号によりステアリンク
ホイールの操作力をアシストする。この操舵アシストル
ーチン(ステップ400)においては、前記の如く、操
舵トルク値Tがクラッチ係合トルク値TS 以上となった
場合に、また、操舵トルク値Tがクラッチ係合トルク値
S 以上となって所定時間tが経過した場合に、ステア
リングホイール8の操作力のアシストを開始すべく電動
機68の駆動力を制御する。
【0044】操舵アシストルーチン(ステップ400)
の制御中に、車両2に搭載される駆動システムが停止さ
れると、例えばイグニションスイッチ122がオフされ
て搭載される内燃機関(図示せず)の駆動が停止される
と、バックアップ処理ルーチン(ステップ500)に制
御を移行する。
【0045】バックアップ処理ルーチン(ステップ50
0)においては、次回のシステム起動時であるイグニシ
ョンスイッチ122のオン時に備えて、システムの駆動
に必要な各種の係数を記憶保持させてから、システムを
立ち下げて制御を終わる(ステップ600)。
【0046】前記操舵アシストルーチン(ステップ40
0)をさらに詳細に説明する。操舵アシストルーチン
(ステップ400)においては、イグニションコイル1
16からの信号をエンジン回転数データとしてエンジン
回転数データ取得手段132により制御部144に取り
込む(ステップ402)。
【0047】取り込まれたエンジン回転数データは、所
定回転数以上であるか否かを判断される(ステップ40
4)。エンジン回転数が所定回転数未満である場合(ス
テップ404:NO)は、システムが停止中であるとし
て、前記バックアップ処理ルーチン(ステップ500)
に制御を移行する。
【0048】エンジン回転数が所定回転数以上である場
合(ステップ404:YES)は、ステップ406に進
み、ステアリングセンサ76からの信号を操舵トルクデ
ータとして操舵トルクデータ取得手段128により制御
部114に取り込む(ステップ406)。
【0049】取り込まれた操舵トルクデータは、取り込
まれた操舵トルクデータにより、ステアリングホイール
8の操作方向を判定される(ステップ408)。この判
定(ステップ408)は、電動機68によるアシスト方
向を決定する。
【0050】操舵トルク値Tが図3における中立線の位
置の場合は、ステアリングホイール8が操作されていな
いので、アシスト方向フラグを「中立」にセットする
(ステップ410)。操舵トルク値Tが図3における中
立線の右側の場合は、ステアリングホイール8が右方向
に操作されているので、アシスト方向フラグを「右」に
セットする(ステップ412)。操舵トルク値Tが図3
における中立線の左側の場合は、ステアリングホイール
8が左向に操作されているので、アシスト方向フラグを
「左」にセットする(ステップ414)。
【0051】アシスト方向フラグが設定されると、操舵
トルク値Tとクラッチ係合トルク値TS とを比較する
(ステップ416)。操舵トルク値Tがクラッチ係合ト
ルク値TS 未満の場合(ステップ416:T<TS
は、入力軸22と出力軸24との相対回転による変位量
が設定値よりも小さく、クラッチ機構48が係合されず
に出力軸24に対して離脱されているので、電動機68
への通電を禁止(ステップ424)し、ステップ402
にリターンする。
【0052】操舵トルク値Tがクラッチ係合トルク値T
S 以上の場合(ステップ416:T≧TS )は、入力軸
22と出力軸24との相対回転による変位量が設定値を
越えていることにより、クラッチ機構48が係合した直
後の変位の状態か、あるいはクラッチ機構48が係合し
てからさらに変位している状態にある。
【0053】したがって、クラッチ機構48は、係合し
ていることにより、電動機68を駆動力してステアリン
グホイール8の操作力のアシストを開始することができ
る。ここでは、クラッチ機構48の係合をより確実なも
のにして的確なアシストをなすために、操舵トルク値T
がクラッチ係合トルク値TS 以上となってから設定時間
tを経過させるように、カウンタ(ステップ418)に
より遅延処理をする。
【0054】遅延処理を、単に時間をおいたり、ダミー
プログラムを実行させては、その間にトルク値がクラッ
チ係合トルク値TS 以下になった場合にも電動機68を
駆動させてしまう可能性がある。このため、操舵トルク
値Tがクラッチ係合トルク値TS 以上を連続してある時
間(設定時間t)を検出したら電動機68をへ電通す
る。
【0055】カウンタ(ステップ418)により設定時
間tが経過するまで(ステップ420:NO)は、電動
機68への通電を禁止する。カウンタ(ステップ41
8)により設定時間tが経過する(ステップ420:Y
ES)と、ステップ410〜414において得られたア
シスト方向フラグに、車速センサ118から車速データ
取得手段130により取り込まれた車速データ等の条件
を参照して、適切なアシスト量が得られるような電流の
値と方向とを決定する。
【0056】決定された値と方向との電流を電動機68
に電動機駆動手段134を介して通電(ステップ42
2)し、ステップ402にリターンする。これにより、
電動機68は、駆動を開始され、駆動力がクラッチ機構
48を介して出力軸24に伝達されることにより、ステ
アリングホイールの操作力のアシストを開始することが
できる。
【0057】このように、この電動パワーステアリング
装置20は、操舵トルク値Tがクラッチ係合トルク値T
s以上となってから所定時間tが経過した場合に、電動
機68を駆動してステアリングホイール8の操作力のア
シストを開始している。
【0058】これにより、この電動パワーステアリング
装置20は、クラッチ機構48がより確実に係合してか
ら電動機68の駆動力を出力軸24に伝達させることが
でき、また、所定時間tを制御プログラムの変更により
自由に設定・変更し得て、アシストの開始を個々のシス
テムの特性に応じて設定することができる。
【0059】このため、この電動パワーステアリング装
置20は、ステアリングホイール8の操作力のアシスト
を適切な時期に開始することができ、ステアリング操作
にショックを生じることなく滑らかな操作感覚を得るこ
とができる。また、この電動パワーステアリング装置2
0は、ステアリングホイール8の操作力のアシストの開
始を制御プログラムの変更により自由に設定・変更し得
て、幅広いシステムに対応し得て、実用上有利である。
【0060】なお、所定時間tは、一定値とせず、操舵
トルク値Tの時間的な変化に応じて制御プログラム内に
おいて可変とすることもできる。これにより、ステアリ
ングホイール8の操作力のアシストをさらに適切な時期
に開始することができ、ステアリング操作にショックを
生じることなく、滑らかな操作感覚を得ることができ
る。
【0061】
【発明の効果】このように、この発明によれば、この電
動パワーステアリング装置は、操舵トルク値がクラッチ
係合トルク値以上となって所定時間が経過した場合に、
ステアリングホイールの操作力のアシストを開始すべく
電動機の駆動力を制御することにより、クラッチ機構が
より確実に係合してから電動機の駆動力を出力軸に伝達
させることができる。
【0062】このため、この電動パワーステアリング装
置は、ステアリングホイールの操作力のアシストの開始
を適切になし得て、ステアリング操作にショックを生じ
ることなく滑らかな操作感覚を得ることができ、また、
ステアリングホイールの操作力のアシストの開始を制御
プログラムの変更により自由に設定・変更し得て、幅広
いシステムに対応し得て、実用上有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の実施例を示す制
御部による制御の操舵トルクアシストルーチンのフロー
チャートである。
【図2】電動パワーステアリング装置の実施例を示す制
御部による制御のメインルーチンのフローチャートであ
る。
【図3】操舵トルクと電動機のアシスト電流との特性を
示す図である。
【図4】電動パワーステアリング装置の概略構成図であ
る。
【図5】制御部の回路構成図である。
【図6】車両に搭載された電動パワーステアリング装置
の概略構成図である。
【図7】ステアリングホイール中立位置におけるステア
リングセンサの動作を説明する概略構成図である。
【図8】ステアリングホイール左回転操作時におけるス
テアリングセンサの動作を説明する概略構成図である。
【図9】ステアリングホイール右回転操作時におけるス
テアリングセンサの動作を説明する概略構成図である。
【図10】電動パワーステアリング装置の要部拡大断面
図である。
【図11】図10のXI−XI線による断面図である。
【図12】図10のXII−XII線による断面図であ
る。
【図13】図11の矢印A部位におけるクラッチ機構が
離脱されている状態の拡大断面図である。
【図14】図11の矢印A部位におけるクラッチ機構が
係合されている状態の拡大断面図である。
【図15】従来技術を説明する操舵トルクと電動機のア
シスト電流との特性を示す図である。
【符号の説明】
2 車両 4 前輪 6 後輪 8 ステアリングホイール 10 ステアリングコラム 12 ステアリングギヤ 18 タイロッド 20 電動パワーステアリング装置 22 入力軸 24 出力軸 40 弾性体 48 クラッチ機構 68 電動機 76 ステアリングセンサ 114 制御部 116 イグニションコイル 118 車速センサ 120 ジェネレータ 122 イグニションスイッチ 124 バッテリ 126 ヒューズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野尻 博海 静岡県磐田市明ケ島1019番地の68 (72)発明者 佐藤 光司 静岡県掛川市成滝392番地の1 (56)参考文献 特開 平1−218973(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/04 B62D 6/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のステアリングホイールに接続され
    る入力軸とステアリングギヤに接続される出力軸とを弾
    性体を介して相対回転可能に軸支して設け、前記入力軸
    と前記出力軸との相対回転による変位量が設定値以下で
    あると前記出力軸に対して離脱されるとともに前記入力
    軸と前記出力軸との相対回転による変位量が設定値を越
    えると前記出力軸に係合されるクラッチ機構を設け、こ
    のクラッチ機構により前記出力軸への駆動力の伝達を断
    続される電動機を設け、前記入力軸と前記出力軸との相
    対回転による変位量及び変位方向を検出するステアリン
    グセンサを設け、このステアリングセンサの検出信号に
    基づいて前記電動機の駆動力を前記クラッチ機構を介し
    て前記出力軸に伝達することにより前記ステアリングホ
    イールの操作力をアシストする電動パワーステアリング
    装置において、前記ステアリングセンサの検出する前記
    入力軸と前記出力軸との相対回転による変位量より前記
    入力軸と前記出力軸との間に加わる操舵トルク値を算出
    し、この操舵トルク値が前記クラッチ機構の係合される
    クラッチ係合トルク値以上となって所定時間が経過し
    場合に前記ステアリングホイールの操作力のアシストを
    開始すべく前記電動機の駆動力を制御する制御手段を設
    けたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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