JP3184721B2 - 糊付機の糊液制御装置 - Google Patents

糊付機の糊液制御装置

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JP3184721B2
JP3184721B2 JP30321494A JP30321494A JP3184721B2 JP 3184721 B2 JP3184721 B2 JP 3184721B2 JP 30321494 A JP30321494 A JP 30321494A JP 30321494 A JP30321494 A JP 30321494A JP 3184721 B2 JP3184721 B2 JP 3184721B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、糊付機の糊液の濃度(粘
度)を制御する装置に関する。なお、糊液と濃度と粘度
とは、糊液の温度が一定のときには、互いに比例関係に
ある。したがって、この明細書において、濃度は、粘度
と同義語として用いるものとする。
【0002】
【従来の技術】澱粉を主体とするスパン糸用糊付機の糊
液は、糊剤がゲル化しない範囲の温水で溶解したものを
使用している。このため、この糊液の温度制御は、糊液
内に直接水蒸気を吹き込んで糊液を加熱することができ
る直接熱源によって行われている。その理由は、糊付け
時の糊液の温度が90°C前後と比較的高く、糊液表面
からの水蒸気の蒸発量が多いため、時間の経過に伴って
糊液濃度が上昇していく傾向があり、糊液の温度を上昇
させるために、水蒸気を糊液内に吹き込むことにより、
糊液表面からの水蒸気の蒸発分を補うことになるから、
それだけ糊液濃度の上昇を緩和できるからである。
【0003】ゾル化とは、低い温度の溶剤の中へ粉末を
投入すると、粉末が溶剤に溶け込まないで細かな塊とな
ることである。このような溶液をコロイド溶液という。
ちなみに、ゲル化とは、溶液が流動性を失い、多少の弾
性と硬さとを持ってゼリー状に固化したものである。
【0004】一方、温度制御のために糊液を電気ヒータ
ーなどで間接的に加熱する場合は、前述の直接熱源のよ
うに水分を補充する効果がない上に、加熱によって糊液
全体の温度が目標温度に達したとしても、電気ヒーター
と糊液と接する部分の温度が糊液をゲル化させる温度よ
り高いため、その接触部分の糊液がゲル化して焦げ付
き、電気ヒーターの熱効率を低下させるという欠点があ
る。このため、間接的な熱源は、糊液の温度制御用とし
て単独で使用することが困難なのである。例えば電気ヒ
ーターをキャビティーボックスの底部に外側から接近さ
せて取付けて使用するといったことが困難なのである。
【0005】ところで、前記糊付機の運転を最初に開始
する場合には、たて糸の糊付けを行えるような状態とす
るために、通常の糊付けに使用される糊液の濃度と同じ
濃度の糊液を、ストレージタンクからキャビティーボッ
クスに供給する。そして供給された糊液をキャビティー
ボックスからサイジングボックスへ循環させる。しか
し、このとき、糊液槽であるキャビティーボックス、サ
イジングボックスや糊液循環の管路および絞りローラ、
サイジングローラなどの部材が冷えているために供給さ
れた糊液が所定温度(60°C〜90°C)から急激に
冷えてしまう。このため、その後、糊液に水蒸気を吹き
込んで、糊液を目標温度(90°C前後)に上昇させ、
その糊液が目標温度に達したとしても、そのために多量
の水分を含んだ水蒸気が糊液に吹き込まれるため、糊液
の濃度が通常糊付けに使用される糊液濃度、すなわち、
濃度の目標値より低くなる。
【0006】その結果、この濃度が低くなった状態で糊
付機の運転を開始すると、最初に糊付けされたたて糸
は、低濃度、低粘度の糊液で糊付けされるために糊付着
量が少なくなり、織機での製織性を悪くし、織機稼働率
はもとより、織布の品質を低下させる。その後は、糊付
けによる糊液の消費に伴って、ストレージタンクから目
標濃度と同じ濃度の糊液が順次供給されてくるから、や
がてキャビティーボックス内の糊液の濃度は目標値とな
っていく。すなわち、運転開始時から糊液の濃度が目標
値に達するまでの糊付着量に影響する時間が長くなると
いう問題点があった。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、糊液に水蒸気を吹き込
んで糊液温度を制御する糊付機において、目標値よりも
濃度が低下した糊液で糊付機の運転が開始されることを
防止することにより、運転開始時からの糊付着量に影響
する時間を短くして、運転開始時から安定した糊付けが
行える糊付機を提供することにある。
【0008】
【発明の解決手段】上記目的のもとに、本発明は、キャ
ビティーボックスとサイジングボックスとの間で循環す
る糊液の温度を検出する温度検出器と、前記糊液に水蒸
気を吹込んで糊液を加熱する直接熱源と、前記検出温度
が目標温度と一致するように直接熱源の熱量を制御する
温度制御器とを備えた糊付機において、通常糊付けに使
用される糊付け濃度より高い濃度の糊液を貯蔵し、糊液
を前記キャビティーボックスへ供給するフイードタンタ
と、前記キャピティーボックス内に供給された糊液の濃
度を検出する濃度検出器と、前記キャビティーボックス
内の糊液に温水を注入するための温水タンクと、前記濃
度検出器により検出された濃度に基づいて前記温水タン
クの温水を注入して糊液の濃度を制御する濃度制御器と
で糊付機の糊液制御装置を構成している。前記濃度制御
器は、糊付け機の運転開始前において、前記フィードタ
ンクから前記キャビティーボックスに糊液を供給し、供
給された糊液を前記直接熱源で加熱し、その糊液が目標
温度に達した後に、糊液の濃度を通常糊付けに使用され
る糊液濃度に制御する。
【0009】また、本発明は、キャビティーボックスと
サイジングボックスとの間で循環する糊液の温度を検出
する温度検出器と、前記糊液に水蒸気を吹込んで糊液を
加熱する直接熱源と、前記検出温度が目標温度と一致す
るように直接熱源の熱量を制御する温度制御器とを備え
た糊付機において、通常糊付けに使用される糊付け濃度
より高い濃度の糊液を貯蔵し、糊液を前記キャビティー
ボックスへ供給するフイードタンタと、前記キャピティ
ーボックス内に供給された糊液の粘度を検出する粘度検
出器と、前記キャビティーボックス内の糊液に温水を注
入するための温水タンクと、前記粘度検出器により検出
された粘度に基づいて前記温水タンクの温水を注入して
糊液の粘度を制御する粘度制御器とで糊付機の糊液制御
装置を構成している。前記濃度制御器は、糊付け機の運
転開始前において、前記フィードタンクから前記キャビ
ティーボックスに糊液を供給し、供給された糊液を前記
直接熱源で加熱し、その糊液が目標温度に達した後に、
糊液の粘度を目標温度と通常糊付けに使用される糊液濃
度とで決定される糊液の粘度値に制御する。
【0010】さらに、本発明は、上記の糊付機におい
て、キャビティーボックス、サイジングボックスおよび
糊液循環経路のうち少なくとも一部分に電気ヒーターな
どの間接熱源を設け、前記間接熱源を糊液の供給前に作
動させる予熱操作手段を設けている。なお、運転開始前
にフィードタンクから供給される糊液の濃度は、水蒸気
の吹き込みによって糊液の温度が目標温度にまで達した
ときに、その濃度が目標値と同じか、またはそれより高
くなるように、予め充分に高い値に設定されるものであ
る。フィードタンク内の糊液濃度は、糊付機が設置され
ている工場の室温を考慮して設定される。
【0011】
【実施例1】図1にもとづいて実施例1の糊付機1と本
発明の糊液制御装置2との構成について詳細に説明す
る。糊付機1は、キャビティーボックス3の内部で糊液
4を収納しており、この糊液4をポンプ5によって、サ
イジングボックス6の内部に過分に供給し、溢れさせる
ことによって、再びキャビティーボックス3の内部に戻
るように循環させている。
【0012】一方、糸シート7は、ガイドローラ8によ
って案内され、サイジングローラ9によってサイジング
ボックス6の内部の糊液4に浸され、2つの絞りローラ
10によって絞り込まれていく。なお、サイジングボッ
クス6の部分で糊液4が消費されるに従い、フィードタ
ンク11からは、操作バルブ31により糊液4’がキャ
ビティーボックス3に補給される。
【0013】糊液制御装置2は、熱源、制御部および温
水補給部とから構成されている。この熱源としては、直
接熱源12を用いており、この熱源を制御するために、
後述する制御部を構成する温度制御器14を備えてい
る。直接熱源12は、水蒸気であり、電動式バルブなど
の操作器16および配管を介し、キャビティーボックス
3内の糊液4に直接注入され、糊液4を加熱し、同時に
その糊液4の中に水分を補給する。
【0014】そして、制御部は、温度制御器14および
濃度制御器15で構成されている。この温度制御器14
は、入力側の比較点19を介しキャビティーボックス3
の内部の温度検出器21および目標温度設定用の温度設
定器22に接続され、その内部にPID制御器と増幅器
とを備えており、検出温度と目標温度との偏差に基づき
PID動作の下に、直接熱源12の電動式バルブなどの
操作器16の開度を制御する温度制御のための信号F1
を発生する。
【0015】また、濃度制御器15は、入力側の比較点
20を介し糊液4の濃度検出器23および目標濃度設定
用の濃度設定器24に接続され、その内部にPID制御
器と増幅器とを備えており、検出濃度と目標濃度との偏
差にもとづきPID動作の下に、検出濃度が目標濃度を
越えたときに温水タンク40からの温水41の補給量を
制御する信号C2とを発生する。
【0016】そして、温水補給部は、温水タンク40お
よび温水制御器52で構成されている。この温水タンク
40は、上記糊液4に温水41を供給するためにキャビ
ティーボックス3の近傍に設けられている。なお、この
温水41は、外部から操作器42により温水注入口43
を経て、温水タンク40内に必要に応じて供給され、次
いで、上記濃度制御器15からの信号C2により操作器
44を制御して温水排出口からキャビティーボックス3
の内部に補給される。
【0017】また、上記温水制御器52は、入力側の比
較点51を介して温水タンク40の内部の温度検出器4
7および目標温度設定用の温度設定器50に接続され、
その内部に増幅器を備えており、温度偏差に基づいて温
度を制御するための信号Iを発生する。この信号Iによ
り操作器48をオンオフを制御することによって、熱源
49を温水タンク40内部の温水41に作用させる。こ
こで、熱源49は、本実施例では水蒸気または電気ヒー
ターとする。したがって、操作器48は、水蒸気に対す
るオンオフ弁または電気に対するオンオフスイッチとし
て構成される。
【0018】なお、温度設定器50によって設定される
目標温度は、温水41が注がれたときに糊液4がゲル化
する心配がないように40°C以上とする。温水41の
目標温度は、キャビティーボックス3内の糊液4の目標
温度と同じ値にすることが望ましい。しかし、それより
温度が低くても、濃度偏差を解消するために注がれる温
水41の量は、キャビティーボックス3とサイジングボ
ックス6とを循環している全糊液量に比して少ないの
で、糊液温度にそれほど影響を及ぼさない。よって、制
御上問題はない。
【0019】さらに、この実施例のように、温水タンク
40内部の温水41の温度が制御される場合は、温水注
入口43からは、水道水が供給されるようにしてもよ
い。また、温水注入口43から40°C以上の温水41
が供給されるならば、温水タンク40内部の温水41の
温度を必ずしも制御する必要はない。なお、温水注入口
43から供給される温水41は、専用のボイラーから直
接供給される温水としてもよいし、または、糊付機1の
周辺で利用された温水や糊付けされたたて糸を乾燥する
ための乾燥シリンダおよび乾燥装置に供給された水蒸気
の復水などを利用してもよい。
【0020】図3は、糊液4の温度、濃度変化と、加熱
動作との関係を示している。同図において、黒丸印
(●)の折れ線は、目標濃度の糊液(通常使用されてい
る糊液の濃度で、濃度15%の糊液)4’をキャビティ
ーボックス3に供給する従来例であり、また丸印(○)
の折れ線は、高い濃度の糊液(濃度20%前後の糊液)
4’をキャビティーボックス3に供給する本発明の実施
例1を示す。なお、三角印(△)の折れ線は、本発明に
よる後述の実施例2のものを示している。
【0021】糊付機1の運転開始前、つまり図3で糊液
4の供給から供給完了までの期間に通常の糊付けの糊液
濃度(目標濃度)より高い濃度で、所定温度(目標温度
90°C)の糊液4’がフィードタンク11からキャビ
ティーボックス3に供給される。糊液4’がキャビティ
ーボックス3内にある程度供給されたとき、あるいは供
給されるべき量の糊液4’が全てキャビティーボックス
3へ供給されたとき、ポンプ5が作動して、キャビティ
ーボックス3内の糊液4をサイジングボックス6へ送出
す。これによって、糊液4がキャビティーボックス3と
サイジングボックス6との間を循環する。
【0022】供給完了後に、温度制御器14が働き、供
給された糊液4が水蒸気の吹き込みによって加熱され
る。この加熱によってその糊液4が目標温度(90°
C)に達するまでの間に、水蒸気の水分が糊液4に補給
されるので糊液4の濃度が低下する。なお、温度制御器
14が加熱(加水)動作を継続している期間に、信号F
2が濃度制御器15に与えられているので、濃度制御器
15は、糊液4が目標温度に達するまでは動作禁止の状
態にある。
【0023】次いでその糊液4が目標温度に達した後
に、糊液4の濃度が目標値より高ければ、今度は濃度制
御器15が働き、温水タンク40の温水41がキャビテ
ィーボックス3に注入され、糊液4が短時間で目標濃度
に達する。目標濃度に達した時点T1から糊付機1の運
転が開始され、たて糸への糊付けが行われる。なお、フ
ィードタンク11から供給される糊液4’の濃度は、水
蒸気の吹き込みによって糊液4が目標温度に達したとき
に、目標濃度と同じか、あるいはそれよりも高くなるよ
うに、目標濃度よりも高い値に設定されている。
【0024】図3に見られるように、高い濃度の糊液
4’がキャビティーボックス3に供給され、その供給が
完了した時点で、糊液4の温度は、キャビティーボック
ス3などによる熱吸収によって、一時的に低くなる。そ
こで、温度制御器14は、濃度制御器15を信号F2に
よって動作させない状態としながら、信号F1によって
操作器16を開放状態として、直接熱源12から水蒸気
を糊液4に供給し、それを加熱することによって、糊液
4の温度を上昇させる。この水蒸気による加熱動作によ
って、キャビティーボックス3の内部の糊液4の温度
は、糊液4’の供給完了から通常運転開始までの期間
で、目標値に設定される。
【0025】一方、糊液4の濃度は、温度を目標値に設
定する過程で低下していく。しかし供給された糊液4の
濃度は、濃度の低下を見込んで予め目標濃度よりも高く
設定してあるから、温度が目標値に達したときの糊液4
の濃度は、目標値と同じか、それよりも若干高くなって
いる。図3では、糊液温度が目標値に達したときの糊液
濃度は、目標値よりも若干高い場合が示されている。し
たがって、この後、糊付機1は、通常の運転すなわち糊
付け動作を開始できる状態となる。
【0026】なお、糊付け開始後は、フィードタンク1
1内に残っている上記高い濃度の糊液4’が、糊液4の
消費に伴ってフィードタンク11からキャビティーボッ
クス3へ供給される。このとき供給される糊液4’の温
度が目標温度となるように、フィードタンク11内に残
っている糊液4’に対して温度制御をするように構成す
ることが望ましいが、温度制御せず単にフィードタンク
11を保温性のよい構造としておくようにしてもよい。
もちろん、糊付け開始後、フィードタンク11から糊液
4’を供給することに代えて、フィードタンク11とは
別に設けられた図示しないストレージタンクから、目標
濃度と同じ濃度の糊液4’を糊液4の消費に伴ってキャ
ビティーボックス3に供給するようにしてもよい。濃度
制御器15は、糊付け中、検出された濃度が目標濃度よ
りも高くなれば、これを目標濃度とすべく信号C2を操
作器44へ出力して、温水41をキャビティーボックス
3へ補給する。糊付け中については、運転開始前と同様
に、温度制御器14から信号Fを出力するように構成し
て、糊液温度が目標温度に達したときにのみ濃度制御を
するようにしてもよいし、信号Fを出力しないで、糊液
温度に関係なく濃度制御を実行するようにしてもよい。
【0027】これに対して、従来のように、糊液4’の
濃度が目標濃度のものとして、キャビティーボックス3
に供給されたとき、そのときの糊液4の温度変化は、高
い濃度の糊液4の温度変化と変わらないが、糊液4の濃
度は、温度制御のために水蒸気が加えられ始める供給完
了時点から次第に低下し、通常運転の開始時点T2で目
標値よりもかなり低くなっている。したがって、この時
点で、糊付け動作が開始されると、たて糸などに対する
糊付けは、通常の状態の糊付けよりも低い濃度(粘度)
のものとなり、目標の糊付け状態が得られないことにな
る。
【0028】
【実施例2】図2の実施例2は、直接熱源12からの水
蒸気で糊液4を加熱する前に、キャビティーボックス3
およびサイジングボックス6のうち少なくともキャビテ
ィーボックス3を間接熱源13によって適当な温度に予
熱しておく例である。間接熱源13は、電気ヒーターあ
るいは蒸気ヒーターなどの熱源であり、電気式バルブや
スイッチなどの操作器17および給電路あるいは配管を
介して熱交換器18によって、キャビティーボックス3
やサイジングボックス6を予め適当な温度に加熱する。
【0029】前述のとおり、図3で、△の折れ線は、こ
の実施例2による糊液4の温度、濃度変化と加熱動作と
の関係を示している。糊液4がキャビティーボックス3
に供給される前あるいはその供給開始時点から供給完了
時点までの期間で、オペレーターは、手動スイッチなど
の予熱操作手段32を操作して、操作器17をオンの状
態とし、間接熱源13の熱を熱交換器18に作用させる
ことによって、キャビティーボックス3およびサイジン
グボックス6の内部の糊液4を間接的に予熱する。少な
くともキャビティーボックス3が予め目標温度(90°
C前後)近くの温度に予備加熱されていると、フィード
タンク11から所定温度(90°C)の糊液4がキャビ
ティーボックス3に供給され、サイジングボックス6と
の間を循環しても、その糊液4の温度の低下が少なくな
る。
【0030】このため、キャビティーボックス3の内部
の糊液4の温度低下は、前記実施例1のものよりも小さ
くなっている。このため、フィードボックス11から供
給される糊液4’の濃度は、目標値よりも高いけれど
も、前記実施例1のものよりは低く設定されている。ま
た、糊液4’の供給完了時点から、温度制御器14が働
き、直接熱源12からの水蒸気がキャビティーボックス
3の内部の糊液4に供給され、その糊液4が目標の温度
に設定されるが、この過程で、直接熱源12からの熱量
は、実施例1のときより少なくてもよく、また糊液4の
温度上昇に必要な時間も少なくてすむ。直接熱源12か
らの水蒸気がキャビティーボックス3の内部の糊液4に
供給されて糊液温度が目標温度になったとき、糊液4の
濃度は、目標値よりも若干高くなっている。糊液温度が
目標温度となったことで、今度は濃度制御器15が実施
例1と同様に働き、温水タンク40の温水41がキャビ
ティーボックス3に注入され、糊液4が短時間で目標値
に達する。この時点T3から糊付機1の運転が開始可能
となるから、実施例1よりも早い時点で運転を開始でき
る。
【0031】なお、糊液4を電気ヒーターなどで間接加
熱をする場合、糊液4と電気ヒーターとが接触する状態
で加熱すると、糊液4とヒーターとの接触部分が糊液4
をゲル化させる温度以上のために、その接触部分の糊液
4がゲル化して焦げ付いて、電気ヒーターの熱効率を低
下させることになる。そこで、このような場合には、糊
液槽(キャビティーボックス3、サイジングボックス
6)と電気ヒーターとの間にオイルなどの中間媒体を介
在させ、その中間媒体を糊液4のゲル化しない程度の温
度以下とすればよい。詳細には、密閉されたオイルタン
クをキャビティーボックス3の外側壁部に密着させて取
付けるとともに、オイルタンク内に電気ヒーターを内蔵
すればよい。
【0032】この実施例においても、糊付け開始後に、
フィードタンク11に残っている糊液4’を、糊液4の
消費に伴って、キャビティーボックス3へ補給するよう
にしてもよいし、フィードタンク11から補給する代わ
りに、図示しないストレージタンクから目標濃度と同じ
濃度の糊液4’をキャビティーボックス3へ供給するよ
うにしてもよい。なお、実施例2の間接熱源13は、濃
度制御のためにも使用することが望ましい。すなわち、
糊付け中に、直接熱源の作用による温度制御によって結
果的に糊液濃度が目標値よりも低下してしまったとき、
糊液温度に関係なく、濃度制御器15が作動して操作器
17を作用させる。これによって、糊液温度を上昇させ
て糊液表面からの水分の蒸発を促進させて糊液濃度を目
標値とするようにしてもよい。このとき、糊液温度が上
昇してしまうから、温度制御器14は、相対的に直接熱
源の操作量を減少させることになる。
【0033】また、上記実施例では、いずれも温度検出
器21および濃度検出器23をキャビティーボックス3
内に設けているが、これに限られずサイジングボックス
6や糊液の循環経路内に設けてもよい。
【0034】
【付記】前述の通り、本発明において、濃度と粘度と
は、本質的に代替可能な物理量である。したがって、上
記実施例全てについて、濃度検出器23、濃度設定器2
4および濃度制御器15は、それぞれ粘度検出器、粘度
設定器や粘度制御器として置換できる。このとき、粘度
設定器に設定される目標粘度は、温度が温度設定器22
で設定される目標温度であって、かつ濃度が通常糊付け
に使用される糊液濃度であるときの糊液4の粘度とす
る。このように、濃度と粘度とを置換しても、制御内容
は同様である。すなわち、糊付機1の運転開始前に、濃
度の高い糊液をフィードタンク11からキャビティーボ
ックス3へ供給し、その後、温度制御器14が、供給さ
れた糊液4の温度を直接熱源12を用いて目標温度にす
る。糊液4の温度が目標値になるまでは、粘度制御器1
4が動作禁止状態におかれる。目標温度に達した後、糊
液粘度が目標値よりも高ければ、粘度制御器14は温水
41を注入して糊液粘度を目標値に制御するものであ
る。
【0035】運転開始後、糊液4の消費に伴うキャビテ
ィーボックス3への糊液4’の供給形態は、前記実施例
1と同様である。また、粘度制御器が、運転開始後も粘
度制御を行う場合、糊液4の温度が目標温度となってい
るときに、検出された粘度と目標値とを比較し、目標値
よりも高いとき、温水タンク40の温水41を注入して
糊液4の粘度を目標粘度に近づけていくことになる。こ
のことは、温度制御器14から動作禁止のための信号F
2を糊付け中にも出力するように構成することによって
実現できる。
【0036】
【発明の効果】本発明の糊付機を用いると、運転開始前
にキャビティーボックスに供給される糊液の濃度(粘
度)の目標値以下の低下が抑制でき、運転開始時から糊
液の温度および濃度(粘度)が目標値になり、運転開始
時から安定した糊付けが行えるので、織機での製織性が
良くなり、織機の稼働率はもとより、織布の品質を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による糊付機の糊液制御装置
のブロック線図である。
【図2】本発明の実施例2による糊付機の糊液制御装置
のブロック線図である。
【図3】制御特性のグラフである。
【符号の説明】
1 糊付機 2 糊液制御装置 3 キャビティーボックス 4、4’ 糊液 11 フィードタンク 12 直接熱源 13 間接熱源 14 温度制御器 15 濃度制御器 21 温度検出器 32 予熱操作手段 40 温水タンク 41 温水 44 操作器 52 温水制御器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティーボックスとサイジングボッ
    クスとの間で循環する糊液の温度を検出する温度検出器
    と、前記糊液に水蒸気を吹込んで糊液を加熱する直接熱
    源と、前記検出温度が目標温度と一致するように直接熱
    源の熱量を制御する温度制御器とを備えた糊付機におい
    て、 通常糊付けに使用される糊付け濃度より高い濃度の糊液
    を貯蔵し、糊液を前記キャビティーボックスへ供給する
    フイードタンタと、前記キャピティーボックス内に供給
    された糊液の濃度を検出する濃度検出器と、前記キャビ
    ティーボックス内の糊液に温水を注入するための温水タ
    ンクと、前記濃度検出器により検出された濃度に基づい
    て前記温水タンクの温水を注入して糊液の濃度を制御す
    る濃度制御器とを設け、 前記濃度制御器は、糊付け機の運転開始前において、
    記フィードタンクから前記キャビティーボックスに糊液
    を供給し、供給された糊液を前記直接熱源で加熱し、そ
    の糊液が目標温度に達した後に、糊液の濃度を通常糊付
    けに使用される糊液濃度に制御することを特徴とする糊
    付機の糊液制御装置。
  2. 【請求項2】 キャビティーボックスとサイジングボッ
    クスとの間で循環する糊液の温度を検出する温度検出器
    と、前記糊液に水蒸気を吹込んで糊液を加熱する直接熱
    源と、前記検出温度が目標温度と一致するように直接熱
    源の熱量を制御する温度制御器とを備えた糊付機におい
    て、 通常糊付けに使用される糊付け濃度より高い濃度の糊液
    を貯蔵し、糊液を前記キャビティーボックスへ供給する
    フイードタンタと、前記キャピティーボックス内に供給
    された糊液の粘度を検出する粘度検出器と、前記キャビ
    ティーボックス内の糊液に温水を注入するための温水タ
    ンクと、前記粘度検出器により検出された粘度に基づい
    て前記温水タンクの温水を注入して糊液の粘度を制御す
    る粘度制御器とを設け、 前記粘度制御器は、糊付け機の運転開始前において、
    記フィードタンクから前記キャビティーボックスに糊液
    を供給し、供給された糊液を前記直接熱源で加熱し、そ
    の糊液が目標温度に達した後に、糊液の粘度を目標温度
    と通常糊付けに使用される糊液濃度とで決定される糊液
    の粘度値に制御することを特徴とする糊付機の糊液制御
    装置。
  3. 【請求項3】 キャビティーボックス、サイジングボッ
    クスおよび糊液循環経路のうち少なくとも一部分に電気
    ヒーターなどの間接熱源を設け、前記間接熱源を糊液の
    供給前に作動させる予熱操作手段を設けることを特徴と
    する請求項1および請求項2のいずれかに記載の糊付機
    の糊液制御装置。
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