JP2021124278A - 蒸気調理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の料理を迅速に調理でき、食材の加熱温度および調理効果を正確に制御でき、予熱、高温の利用、および食材収容チャンバの拡大の必要のない調理装置を提供する。
【解決手段】蓄圧蒸気ボイラー10と蒸気キャビネットを含む蒸気調理装置が開示される。蓄圧蒸気ボイラーは、液体水を加熱し、大気圧の1.1から5.0倍の圧力を有する蒸気を蓄積する。蒸気キャビネットは、蓄圧蒸気ボイラーから蒸気を受け取り、その中に収容される食材を調理する。蒸気キャビネット内の食材収容チャンバの温度を室温から調理温度に上昇させるために、WH1量のエネルギーが蓄圧蒸気ボイラー内の電気−熱変換ユニット16により消費される。蒸気キャビネット内の食材収容チャンバの容量はV1である。蒸気調理装置はV1/WH1≧160を満たす。調理温度は101℃から150℃で、蓄圧蒸気ボイラーから蒸気を排出するときの蒸気の温度以下である。
【選択図】図3

Description

本開示は、蒸気調理装置、特に、食材を調理するのに必要な時間を効果的に短縮する蒸気調理装置に関する。
食材を調理するために使用される場合、蒸気ボイラー、オーブン、または過熱蒸気オーブンなどの既存の調理機器は、食材を乾燥させたり、焦げさせたり、不均一に加熱したりすることがよくある。上記の理由は、調理装置内の加熱装置が加熱段階にあるとき、加熱プレートまたは過熱蒸気ノズルに面する食材は、食材の他の部分よりもはるかに多くの熱を受け取り、それにより食材が乾燥し、焦げ、不均一に加熱され、食材の品質が効果的に管理されない場合がある。
上記の問題を解決するために、加熱プレートの出力または過熱蒸気の出力を低下させて、スチーマーチャンバの加熱速度を遅くし、スチーマーチャンバの全ての部分で均一な温度を達成し得る。しかし、魚肉を例とすると、比較的低温で魚肉を長時間調理すると、食材の肉が硬くなる。さらに、スチーマーチャンバの周囲温度がゆっくりと上昇している場合、温度が食材に与える影響を制御することは困難であり、そのため、消費者が食材を徹底的に調理するためには、通常、より長い調理時間が必要となり食材が硬くなりすぎる。
上記の問題を解決するためのよく知られた方法として、スチーマーチャンバを「予熱」し、スチーマーチャンバの温度が調理温度に達するまでボイラーの扉を開けて食材を入れないことがあるが、その目的はスチーマーチャンバの加熱段階中における食材への影響を最小限に抑えることである。しかし、「予熱」手順は比較的複雑で、ユーザにとっては不便である。また、加熱段階における食材への影響を少なくするためにスチーマーチャンバを予熱しても、温度拡散を利用して食材を煮込む今日の主な調理方法では、調理速度が遅くなる。従って、調理期間全体が長すぎるため、食材が硬くなりすぎる。
要するに、スチーマーチャンバが高出力で急速に加熱されると、食材は乾燥したり、表面が焦げたり、不均一に加熱されたりする可能性がある。一方、スチーマーチャンバを低出力で加熱すると、調理時間が長くなり、食材の調理を正確に制御することが困難になり、食材が硬くなりすぎることが多い。また、スチーマーチャンバを事前に「予熱」しておくと、ユーザは長時間待たなければならず、手順が複雑になり、ユーザに混乱や不便を容易に与える可能性がある。現在、上記の全ての問題を克服するのに役立つ既存の調理装置は存在しない。
例えば、中国特許第CN202681613U号「省エネ循環スチーマー」に開示されているように、水を加熱することによって発生する水蒸気は、食材と接触して加熱する。しかしながら、この種の機器では、蒸気中の気体状態の水蒸気は、移動工程中の様々な理由により、容易に液体の水分子に変換される可能性があり、これにより、蒸気が食材の表面に液体の水膜を形成する可能性が高くなり、食材の加熱効率が低下し調理速度の上昇が妨げられる。
別の種の蒸気調理機器は、例えば、過熱蒸気オーブンなどの高温蒸気調理機能を備えた機器であり、これには純粋蒸気処理と過熱蒸気蒸気処理の2つの機能が含まれることが多い。様々なブランドの既知の過熱蒸気オーブンのほとんどの純粋蒸気処理機能は、大気圧蒸気ボイラー(1大気圧)で水蒸気を生成し、大気圧で水蒸気を直接スチーマーチャンバに送り、食材を調理する。この機能には、食材を覆う液体の水膜の問題もある。一方、過熱蒸気蒸気処理機能は、通常、水蒸気がスチーマーチャンバに移動されている間、または水蒸気が生成された後に水蒸気がスチーマーチャンバに入った後に、蒸気が過熱蒸気となるように加熱ユニットを利用して蒸気をさらに加熱する。例えば、米国特許第US20070227364A1号「スチームクッカー」に開示されているように、過熱蒸気は「蒸気処理」の目的を達成するために使用される。
ただし、過熱蒸気の温度は200℃を超えることがよくある。過熱蒸気が食材の表面に接触すると、食材の表面の水分が急速に蒸発し、食材の表面が乾燥したり焦げたりし、その結果、上記の食材の乾燥や焦げの問題が発生する。スチーマーチャンバを事前に「予熱」しても、食材調理の満足な効果が得られない場合もある。
さらに、いくつかの関連する設計は、高圧蒸気オーブンを利用して、調理に大気圧の数倍(例えば、大気圧の10倍)の圧力を有する蒸気を提供する。しかしながら、高圧蒸気オーブンは高いセキュリティリスクを引き起こし、高圧蒸気オーブンのコストはセキュリティ要件のために大幅に増加し、製品の価格設定が困難となる。
要約すると、既存の従来技術では、複数の料理を迅速に調理でき、食材の加熱温度および調理効果を正確に制御でき、予熱、高温の利用、および食材収容チャンバの拡大の必要なしに、食材の調理結果を正確に再現および制御することができる調理装置は存在しなかった。本開示は、上記基準を満たすことを目的としている。
上記の問題に応えて、本開示の実施形態は、複数の料理を迅速に調理でき、食材の加熱温度および調理効果を正確に制御でき、予熱、高温の利用、および食材収容チャンバの拡大の必要なしに、食材の調理結果を正確に再現および制御することができる蒸気調理装置が提供される。
高出力加熱板または高温過熱蒸気を使用して食材収容チャンバを迅速に加熱する従来の設計とは異なり、本開示の蒸気調理装置では、潜熱を含む高圧蒸気が食材を加熱するために使用される。このようにして、過熱蒸気または加熱プレートにより食材が乾燥するまたは焦げるリスクが回避され、高圧蒸気は飽和蒸気温度が高く、放出速度が速いため、大気に近い食材収容チャンバに蒸気が入ると、蒸気は蒸気キャビネットのスチーマーチャンバを急速に満たして加熱し、スチーマーチャンバ内の食材収容チャンバの加熱速度を最大にすることができる。
本開示の一実施形態では、予熱手順を省略してもよく、高温加熱により食材が乾燥するまたは焦げたり、加熱の遅延または加熱効率が悪いために調理が不十分になる問題を解決し得る。さらに、本開示の上記および他の目的、特徴、および利点を理解可能にするために、図面を伴う例示的な実施形態を以下に詳細に説明する。しかしながら、本開示の関連分野の当業者は、本開示のこれらの詳細な説明および特定の実施形態が本開示を説明するためにのみ使用され、本開示の特許出願の範囲を限定することを意図しないことを理解しなければならない。
本開示の特定の実施形態に係る蒸気調理装置の機能ブロック図である。
本開示の特定の実施形態に係る蒸気調理装置の様々な構成要素の相対位置および水路の流れ方向の概略図である。
本開示の特定の実施形態に係る蓄圧蒸気ボイラーの概略断面図である。
本開示の特定の実施形態に係る蒸気キャビネットの概略断面図である。
以下、本開示の蒸気調理装置の構成要素、動作、および効果を説明するために、図面に対応して例示的な実施形態が示されている。しかしながら、図面中の蒸気調理装置の構成要素、サイズ、および外観は、本開示の技術的特徴を示すだけであり、本開示を限定するものではない。
図1から図4を参照すると、図1は本開示の一実施形態に係る蒸気調理装置の機能ブロック図であり、図2は本開示の一実施形態に係る蒸気調理装置の様々な構成要素の相対位置および水路の流れ方向の概略図であり、図3は本開示の一実施形態に係る蓄圧蒸気ボイラーの概略断面図であり、図4は本開示の一実施形態による蒸気キャビネットの概略断面図である。
第1に、本開示の蒸気調理装置1は、一般に、電気エネルギーを消費して蒸気Sを生成し、蒸気Sを利用して食材Fを調理する任意の装置を指す。本開示の蒸気調理装置1は、電気蒸気ボイラーの形態で独立して構成され得るか、マイクロ波電気熱変換ユニット、加熱プレートなどの他の加熱手段と組み合わされ得、多機能過熱蒸気オーブンなどの装置の形態で提示される。
本開示の操作方法を説明する前に、蒸気調理装置1の実物設計について説明する。本実施形態では、蒸気調理装置1は電気蒸気ボイラーであり、その食材収容チャンバ22Cは、マイクロ波加熱または加熱プレート加熱機能を備えている必要はない。図1および図2を一緒に参照すると、図1および図2は、蒸気調理装置1は、蓄圧蒸気ボイラー10、蒸気キャビネット20、給水モジュール30、制御モジュール40、ケーシング50、ボイラードア60、集水タンク80を含む主要構成要素を少なくとも含むことを示している。上記のうち、電源等の本開示の対象外のユニットは、適切に省略されているが、実際の用途では使用されるべきである。
図2は、給水モジュール30が液体水Lを貯蔵し蓄圧蒸気ボイラー10に供給するように構成され得ること、蓄圧蒸気ボイラー10は液体水Lを加熱して蒸気Sを生成し蒸気Sを蒸気キャビネット20に供給するように構成され得ること、そして蒸気キャビネット20は蓄圧蒸気ボイラー10により提供される蒸気Sを利用し食材Fを加熱および調理するように構成され得ること、を示す。制御モジュール40は、給水モジュール30、蓄圧蒸気ボイラー10、および蒸気キャビネット20を含む電気的に制御されるユニットを制御して、蒸気の調理手順を完了するように構成し得る。ケーシング50は、前述の構成要素を収容し、それらの相対位置を固定するように構成され得る。集水タンク80は、蒸気キャビネット20から排出された蒸気Sを収集し、蒸気Sを液体水の形で貯蔵するように構成され得る。本開示の実施形態の蒸気調理装置1の特定の設計は、以下のように示されている。
図2を参照すると、図2はケーシング50の前面が、中央の中空部分に接続された横方向の開口50Aと、送水管および配線などの構成要素がケーシング50に入るための1以上のノッチ53とを有することを示す。対話型インターフェース51は、ユーザの相互作用のためにケーシング50の前面に設置される。対話型インターフェース51は、様々な既知の入出力装置を含み得る。
図2を参照すると、給水モジュール30は、水源、補水装置32、および給水パイプPWを含む。本実施形態では、水源は貯水タンク31であり、一般に液体水Lを収容するように構成され得る容器を指す。貯水タンク31は、貯水タンク31の内側と外側を接続する給水路31Bを備える。給水路31Bは、給水管PWを介して蓄圧蒸気ボイラー10に接続される。給水管PWと蓄圧式蒸気ボイラー10との間に補水装置32を構成し、貯水槽31内の水を蓄圧蒸気ボイラー10に供給する。また、熱交換器312は、貯水タンク31内に構成され得る。
補水装置32は、一般に、水源と蓄圧蒸気ボイラー10とを接続し、液体水Lを蓄圧蒸気ボイラー10に供給するように構成された装置を指す。例えば、補水装置32は、水ポンプ、電磁ポンプ、DCモータなどの、液体水Lに圧力を供給する装置であり得るが、これらに限定されない。補水装置32はまた、フロー制御機能を備えたユニットであり得る。例えば、水源が水道管などの十分な圧力を有する装置である場合、電磁弁や制御可能な水道メーターなどの加圧機能を備えないユニットを補水装置32として構成し得る。本実施形態では、補水装置32は、一方向の給水能力のみを備えた電磁ポンプである。本実施形態の電磁ポンプは、蓄圧蒸気ボイラー10の所定の蓄圧圧力よりも高い圧力を有するように液体水Lを流入および加圧してから出力されることを可能にし、その結果、液体水Lは蓄圧蒸気ボイラー10の高圧の影響を受けずに加熱ケトル12に流入する。
図3を参照すると、図3は、本開示の一実施形態に係る蓄圧蒸気ボイラー10の概略図である。蓄圧蒸気ボイラー10は、大気圧の数倍の圧力を有する高温蒸気Sを生成し、安全に蓄積する。本実施形態では、蓄圧蒸気ボイラー10は、加熱ケトル12、液面センサ13、圧力逃がし弁14、真空逃がし弁15、電気−熱変換ユニット16、物理パラメータ感知モジュール17、電子蒸気弁18を含む主要構成要素を含む。本実施形態では、上記ユニットのそれぞれ、および上記ユニットを接続するパイプの外壁は、放熱を低減するために絶縁層70で任意に包まれ得る。
加熱ケトル12(蒸気チャンバとも呼ばれる)には収容空間があり、液体水Lと蒸気Sの両方を同時に貯蔵し得る。加熱ケトル12は高圧に耐える必要があり、高圧とは大気圧の1.1倍以上の圧力を指す。加熱ケトル12が負荷する最大内圧は、大気圧の10倍未満である。例えば、本実施形態の加熱ケトル12の構造は、鋼製の密閉円筒形蒸気ボイラーであり、その最大使用圧力は大気圧の5倍である。さらに、実際の適用において、本開示の加熱ケトル12の内部容積に特定の制限はない。加熱ケトル12の内部容積は、電気−熱変換ユニット16の電力が増加するのに応じて増加することができ、逆もまた同様である。すなわち、加熱ケトル12の内部容積は、電気−熱変換ユニット16の電力に応じて多様に設計し得る。例えば、本実施形態では、電気−熱変換ユニット16の定格電力は約1.5kWであり、蓄圧蒸気ボイラー10内の加熱ケトル12の容積は約1.155リットルである。
図3に示されるように、本実施形態では、加熱ケトル12の上面は、第1のポート12A、第2のポート12B、第3のポート12C、第4のポート12D、および第5のポート12Eを備える。第1のポート12Aは取水口であり、給水パイプPWは液体水Lを受け入れるために貯水タンク31に接続するように構成され、第2のポート12Bは蒸気Sを出力するために電子蒸気弁18に接続された蒸気出口である。第3のポート12Cは、液面センサ13を固定し、液面センサ13が第3のポート12Cを介して加熱ケトル12内に延びることを可能にするよう構成され、第4のポート12Dは、圧力逃がし弁14を固定するように構成され、第5のポート12Eは、真空逃がし弁15を固定するように構成される。電気−熱変換ユニット16の各電極が通過できるように、加熱ケトル12の底面に複数の第6のポート12Fが構成される。上記のポートのそれぞれは、所定の蓄圧圧力を有する加熱ケトル12の環境において、実質的に水密および気密に保たれ得る。上記の所定の蓄圧圧力は、加熱ケトル12内の圧力が蓄圧中に特定の圧力に達した後、電気−熱変換ユニット16が加熱を停止するまたは加熱電力を低下させ、加熱ケトル12内の圧力を特定の値に維持可能にすることを意味する。特定の値は所定の蓄圧圧力であり、対応する飽和蒸気温度は所定の蓄圧温度と呼ばれる。蓄圧蒸気ボイラーに蓄えられた蒸気の温度が110℃〜130℃の場合、効果が向上する。本実施形態では、所定の蓄圧圧力は大気圧の約2倍であり、対応する所定の蓄圧温度は約120℃である。
上記の液面センサ13(液面計とも呼ばれる)は、液面の高さを検出し、対応する信号を出力するように構成され得る電子装置を指す。液面センサ13は、複数の露出電極を含む電子水位計、または液体表面電極棒(電極プローブとも呼ばれる)など、多くの形態で提供され得る。液体表面電極棒は、単管(単極)または多管(多極)となるように設計され得る。多管の液体表面電極棒は、長さが異なる複数(2、3など)の電極棒を含む。
本実施形態では、液面センサ13は、液体表面がその最低検出点に到達したかどうかを測定する単極の液体表面電極棒である。本実施形態では、加熱ケトル12内の液面センサ13の長さは、114.5mmよりもやや少ないか等しい。液面センサ13を設置した後、液面センサ13の下端にある検出点13Aと加熱ケトル12の底部との間の距離は約35.5mmである。すなわち、液面が35.5mmより低い場合および高い場合、液面センサ13は、対応する水位信号をそれぞれ出力し、液面が所定の最低水位高さH1、または所定の高さ、または略して水注入ラインに達したかまたは達していないかを示す。処理後、上記の水位信号は、液面が低すぎる場合の警告に適合され得る。液面センサ13の長さは、所望の液体表面高さに応じて調整し得、本開示に限定されない。この実施形態では、液面センサ13の長さまたは位置は、液面の下限の所定の高さH1に対して相対的である。
電気−熱変換ユニット16は、一般に、電気エネルギーを消費し、熱エネルギーを出力する複数の装置、モジュール、またはユニットを指す。例えば、電気−熱変換ユニット16は、電気加熱管、電気加熱プレートを備えた電気抵抗ヒーターなどであり得る。この実施形態では、電気熱変換ユニット16はフラットである。具体的には、電気−熱変換ユニット16は、約1.5kWの電力を有する蚊取り線香の形状をした110Vおよび15Aの電気加熱管である。電気−熱変換ユニット16は、加熱ケトル12内で約29mlの容積を占める。蚊取り線香の形をした電気加熱管は、2つの電極と主に抵抗器で形成された加熱部分を備えている。さらに、電気−熱変換ユニット16の適用において、その加熱部分が加熱ケトル12の液体表面に近いが、電気−熱変換ユニット16が液体表面または液面センサ13の所定の高さの下に完全に沈められている場合、電気−熱変換ユニット16の加熱効率が向上する。
上記の物理的パラメータ感知モジュール17は、その環境の温度または空気圧を感知し、それに応じて信号を出力する、例えば、電子温度計または電子圧力計などのセンサを指す。
上記の電子蒸気弁18は、電子信号により制御されて開閉し、蒸気Sを通過させ得る装置、モジュール、またはユニットを指す。この実施形態では、電子蒸気弁18は、モータおよびボールバルブを含む。モータはボールバルブを駆動して、中心に路を有する球とともに回転させる。球の中心の路の軸と蒸気注入路の軸との間の角度は、開口度と呼ばれる。開口度は、必要に応じて多段階で自由に調整し得る。この実施形態では、電子蒸気弁18は、制御モジュール40内の第2の制御要素44の電子信号を受信して、開口度を調整し、蓄圧蒸気ボイラー10から蒸気キャビネット20への蒸気供給量を調整する。この実施形態では、加熱ケトル12内の蓄圧および温度は、それぞれ約2倍の大気圧および120℃である。電子蒸気弁18の開口度が60度、55度、50度、45度の場合、上記キャビネット20は、定常状態温度とも呼ばれる約104℃、107℃、110℃、および113°Cの調理温度に維持される。電子蒸気弁18の開口が大きいほど(開口度が小さいほど)、蒸気キャビネット20の定常状態温度は高くなる。これにより、蒸気キャビネット20内の調理温度は、電子蒸気弁18の蒸気供給を調整することにより調整し得る。
図4を参照すると、図4は、本開示の一実施形態に係る蒸気キャビネット20の概略図である。蒸気キャビネット20は、蓄圧蒸気ボイラー10から蒸気Sを受け取り、蒸気キャビネット20内の食材Fを調理するように構成される。蒸気キャビネット20は、主に、内箱22、蒸気放出装置24などの主要構成要素を含む。
内箱22は側面開口22Aとともに構成され、スチーマーチャンバ22Bと呼ばれる収容空間は、食材Fを調理するように適合された内箱22内に構成される。内箱22の側壁は、複数のリブ26または可動ユニット28を運ぶのに適合される対応するユニットで構成され得る。可動ユニット28は、トレイまたは仕切りなどであり得る。スチーマーチャンバ22Bは、第7のポート22Gおよび蒸気管PSを介して電子蒸気弁18に接続される。スチーマーチャンバ22Bは、内箱22内の全ての収容空間を指す。蒸気Sを受け取り、食材Fを調理するように適合されたスチーマーチャンバ22Bの主要部分は、食材収容チャンバ22Cとして定義される。
蒸気放出装置24は、第7のポート22Gとスチーマーチャンバ22Bとの間に構成され、加熱ケトル12から食材収容チャンバ22Cに蒸気Sを投入するように適合されている。蒸気放出装置24は、内箱22の内壁の開口、または穿孔シートまたはノズルなどの第7のポート22Gで構成された独立した要素を指し得る。この実施形態では、蒸気放出装置24は、内箱22の開口を指す。また、蒸気Sは、第8のポート22Hおよびそれに接続された排気管PEを介して、スチーマーチャンバ22Bから自由に排出し得る。蒸気放出装置24により放出された蒸気Sの温度と蓄圧蒸気ボイラー10内の飽和蒸気温度との間の差は、30℃以下である。
再び図2を参照すると、図2は、この実施形態では、集水タンク80が、貯水タンク31により冷却された蒸気Sを排気管PEから受け取るように適合されていることを示す。上記の蒸気Sを排出するために、集水タンク80とケーシング50との間にギャップを任意に構成しても良い。
図1を参照すると、制御モジュール40は、上記の構成要素のいずれか1つを制御するように適合された装置を指す。制御モジュール40は、例えば、第1の制御要素42および第2の制御要素44を含み得る。制御要素のそれぞれは、独立したユニットであり得、例えば、制御要素のそれぞれは、互いに接続することなく、個々のループ内で独立して動作し得る。他方、制御要素のそれぞれはまた、単一の回路基板上の異なるユニットであってもよく、または同じユニットに統合されてもよく、本開示はそれらに限定されない。さらに、制御要素のそれぞれは、中央処理装置、MCU、シングルチップ、PCLなどのように、信号を受信し、処理後に対応する信号を出力するように適合されたデジタルまたはアナログユニットまたはモジュールであり得る。この実施形態では、自動補水要素とも呼ばれる第1の制御要素42は、液面センサ13および補水装置32に電気的に接続されている。第1の制御要素42は、液面センサ13の水位信号に従って、液体水Lを加熱ケトル12に補充するように補水装置32を制御するように適合されている。蒸気供給要素とも呼ばれる第2の制御要素44は、少なくとも対話型インターフェース51、電気−熱変換ユニット16、物理パラメータ感知モジュール17、および電子蒸気弁18に電気的に接続される。第2の制御要素44は、電気−熱変換ユニット16を制御して液体水を加熱し、電子蒸気弁18を制御して物理パラメータ感知モジュール17の信号に従って蒸気を出力するように適合されている。
蒸気調理装置1の動作処理を以下に説明する。蒸気調理装置1の動作処理は、水注入モード、待機モード、蒸気貯蔵モード、蒸気処理モード、およびシャットダウンモードを順次含む。
以下に、水注入モードの例を示す。例えば、蒸気調理装置1が電源に接続されている場合、装置は水注入モードに入り、自動的にまたはユーザの指示に従って水注入手順を実行する。水注入手順中、第1の制御要素42は、液面センサ13の水位信号に従って、水位が所定の高さH1(水注入ラインとも呼ばれる)に到達したかどうかを決定する。水位が所定の高さH1に達した場合第1の制御要素42は作動せず、水位が所定の高さH1に達していない場合第1の制御要素42は水注入手順を実行する。水注入手順において、第1の制御要素42は補水装置32を作動させて、液体水Lを水源から加熱ケトル12の上面に位置する第1のポート12Aを通して、加熱ケトル12に注入する。液体表面が所定の水位高さH1に達すると、所定の補水量の液体水がさらに加熱ケトル12に注入され、液体表面を所定の最低水位高さH1から最高補水水位高さH2(最大水ラインとも呼ばれる)に上昇させる。この実施形態では、所定の補水量は一定量であり、この目的のために、補水装置32の作動時間も固定されている。
この実施形態では、水源は貯水タンク31であり、貯水タンク31は水を追加するための水タンク開口31Aを備えて構成されている。しかしながら、水源は水道水供給管であってもよく、それに限定されない。さらに、この実施形態では、毎分約500mlの無負荷流量を有する水ポンプが、補水装置32として選択される。この実施形態では、空の水位から所定の最低水位高さH1まで、合計約269mlの水が約37秒で注入され、所定の最低水位高さH1から最高補水水位高さH2まで、約6秒で合計44mlの水が注入される。水注入手順全体において、合計約313mlの水が注入される。
電気−熱変換ユニット16の定格電力(W1)に対する、所定の高さH1での加熱ケトル12内の液体水量(V4)の比(V4/W1)は、0.4リットル/kW、0.3リットル/kW、0.2リットル/kW、0.1リッタル/kWに制御され得る。この実施形態では、液面センサ13の所定の高さH1を下回る水量は、約0.269リットルである。電気−熱変換ユニット16の定格電力は1.5kWである。電気−熱変換ユニット16の定格電力(W1)に対する、加熱ケトル12内の所定の高さH1での液体水量V4の比は、約0.18リットル/kWである。
一方、水量が少ないことに対応して、本実施形態の電気−熱変換ユニット16はフラットに設計されており、液体表面下に完全に沈めることができるため、加熱効率が向上する。
一実施形態では、ユーザが蒸気調理装置1に通電した後、水注入手順中に、所定のパラメータに従って、蒸気調理装置1は、待機モード(第1の準備モードとも呼ばれる)または蒸気貯蔵モード(第2の準備モードとも呼ばれる)に任意に移行し得る。蒸気調理装置1が待機モードに入ると、第2の制御要素44は電気−熱変換ユニット16を制御して、加熱ケトル12内の液体水Lをその最大定格電力で加熱する。物理パラメータ感知モジュール17が、液体水Lの予備温度が60℃〜99℃であることを示すデータの一部を放出した後、例えば、電気−熱変換ユニット16は、その中の液体水Lが予備温度に維持されることが可能となるように適時にオンおよびオフとなるように制御される。例示的な予備温度は、加熱ケトル12内の飽和蒸気温度よりも低く、加熱ケトル12内の液体水Lが実質的に液体状態に維持されることを可能にする。
蒸気貯蔵モード(第2の準備モードとも呼ばれる)では、第2の制御要素44は、電気−熱変換ユニット16を制御し、加熱ケトル12内の液体水Lを全力で加熱して、液体水Lが所定の蓄圧温度よりも低い温度(例えば、室温の20℃または第1の準備モードの予備温度)から、所定の蓄圧温度に迅速に到達し、所定の蓄圧温度に対応する蒸気Sを発生させることを可能とする。例示的な所定の蓄圧は大気圧の1.1倍から5.0倍の間であり、対応する飽和蒸気温度は103℃から152℃の間である。同時に、電気−熱変換ユニット16のオン・オフを適時に制御して、その中の蒸気Sを所定の蓄圧圧力または所定の蓄圧温度に維持することも必要である。本実施形態では、所定の蓄圧温度は、大気圧の約2倍に相当する。すなわち、蓄圧が完了すると、加熱ケトル12内の蒸気は、約120℃の飽和蒸気温度にある。
蒸気処理モードが開始すると、第2の制御要素44は、電子蒸気弁18を制御して路を開き、飽和蒸気Sが蒸気放出装置24を通って食材収容チャンバ22Cに入り、食材Fを調理することを可能にする。蒸気調理装置1は、ユーザが入力した指示に従ってシャットダウンモードに入ることができる。シャットダウンモードでは、加熱ケトル12の液体水保温機能がオフになる。
本実施形態の蒸気調理装置1の適用シナリオを以下に説明する。本実施形態では、蒸気調理装置1が通電されると、システムは水注入手順を実行し、加熱ケトル12に液体水があることを確認し、その後、蒸気調理装置1は待機モードを省略し、自動的に蒸気貯蔵モードに入り、蒸気の生成と貯蔵を開始する。次に、ユーザが調理する食材Fをスチーマーチャンバ22Bに入れ、ボイラードア60を閉め、対話型インターフェース51を操作して蒸気調理装置1の調理手順を選択した後、蒸気調理装置1は、蒸気処理モードに入り、蒸気Sをスチーマーチャンバ22Bに出力して、異なる調理手順に従って食材Fを調理する。調理手順が終了した後、ユーザはボイラードア60を開き、食品Fを取り出し得る。これにより、調理処理全体が完了する。次に、システムは、所定の処理に従って、待機モードまたは蒸気貯蔵モードのいずれかに再び入る。さらに、ユーザが蒸気調理装置1に通電した後、蒸気調理装置1は最初に待機モードに入り、ユーザが対話型インターフェース51を介してコマンドを入力するか、またはボイラードア60を開くと、蒸気貯蔵モードに入っても良い。
本実施形態では、待機モードでの予備温度は80℃である。本実施形態において定格電力1.5kWの電気−熱変換ユニット16を上記の液体水量で適用した場合、液体水Lの温度を室温20℃から80℃に上昇させるのにわずか1.5分しかかからない。蒸気貯蔵モードを直接選択した場合、大気圧の2倍で室温を20°Cから120°Cに上昇させるのに2.5分しかかからない。本実施形態では、蒸気調理装置1が蒸気処理モードに入ると、装置が蒸気貯蔵モードでの蒸気貯蔵をすでに完了しているので、加熱ケトル12は直ちに蒸気を蒸気キャビネット20に提供し、約2.5分の準備時間を節約する。また、蒸気調理装置1が先に待機モードに入り、後で蒸気貯蔵モードに入るように設計されている場合、液体水Lは80℃に予熱されているので、液体水Lを所定の蓄圧温度まで加熱するのに約1分しかかからず、蒸気Sを生成するのに必要な時間をある程度短縮する。
適用の柔軟性を維持しながら、食材収容チャンバ22Cの容積をさらに低減するために、本開示は、蒸気キャビネット20に構成された可動ユニット28を利用して、スチーマーチャンバ22Bを蒸気Sが主に放出される領域と、蒸気Sが放出されない領域とに分割し、食材収容チャンバ22を調理温度まで加熱するのに必要な時間をさらに短縮する。蒸気Sが主に放出される上記の領域は、食材収容チャンバ22Cと呼ばれる。電気−熱変換ユニット16の出力が1.5kWの場合、5リットル、9リットル、および14リットルの食材収容チャンバ22cを蒸気で満たし得、その温度は蒸気放出の開始からそれぞれ約1、2、および3分以内で安定した調理温度まで上昇され得る。食材収容チャンバ22Cが20リットルの場合、食材収容チャンバ22Cは蒸気で満たされ得、その温度は約5分で安定した調理温度に上昇され得る。上記の調理温度の例は101°Cから150°Cであり、例示的な調理温度は101℃から130℃であり、改善された例示的な調理温度は101℃から110℃であり、さらに改善された例示的な調理温度は103℃から106℃である。
また、高圧飽和蒸気の適用により、電気−熱変換ユニット16の消費電力が制限されている場合であっても、電気−熱変換ユニット16は、大容量の食材収容チャンバ22C内を短時間で効果的に加熱し得る。例えば、本実施形態の設計に基づいて、室温においてV1リットルの容量で蒸気Sが食材収容チャンバ22Cに投入されてから、食品収容チャンバ22Cが蒸気Sで満たされ調理温度に加熱される時まで、電気−熱変換ユニット16の消費電力はWH1kWhである。V1/WH1が100、160、200、および300以上である場合、良好な加熱効率、好ましい加熱効率、より好ましい加熱効率、およびさらに好ましい加熱効率がそれぞれ達成される。本実施形態において、V1が5リットル、加熱期間が1分、電気−熱変換ユニットの定格電力が1.5kWである上記の例において、加熱期間中の消費電力は約0.025kWhであり、V1/WH1は約200である。従って、食材収容チャンバ22Cの容積を制限することにより、温度を上げるのに必要な時間を短縮し得、長時間の加熱期間による食材の品質管理の困難さが回避される。同時に、高圧蒸気は、食材の焦げ付きを効果的に防ぎ、食材の調理時間を効果的に短縮し、食材の味を維持し得る。
また、蒸気処理モード中、加熱ケトル12の液体水Lが液面センサ13の下端の最低検出点13Aを下回ると、液面センサ13は、液面が所定の最低水位高さH1(水注入ラインとも呼ばれる)よりも低いと判断する。このとき、液面センサ13は、対応する水位信号を制御モジュール40の第1の制御要素42に出力し、第1制御要素42は上記の水位信号に従って補水手順を実行する。補水手順の間、所定の補水量が加熱ケトルに注入され、加熱ケトル内の水位が所定の最低水位高さH1から最高補水水位高さH2(最大水ラインとも呼ばれる)に上昇する。つまり、本実施形態では、所定の補水量は一定量であり、この目的のために、補水装置32の作動時間も固定されている。
低温液体水Lを加熱ケトル12に加えることにより、加熱ケトル12内の液体水Lの温度が低下することに留意されたい。液体水Lの添加量が多すぎると、加熱ケトル12内の液体水Lの温度が著しく低下し、蒸気Sの発生が中断され、蒸気供給品質に影響を与える。図3を参照すると、電気−熱変換ユニット16の定格電力W1(kW)で割った所定の補水量V2(リットル)が特定の値以下の場合、電気−熱変換ユニット16の電力は、冷却された液体水Lを短時間で飽和蒸気温度に戻すのに十分であり、補水は蒸気の生成に過度の影響を与えない。すなわち、所定の補水量V2(リットル)を電力−熱変換ユニット16の定格電力W1(kW)で割った値が0.1、0.05、0.03、および0.01以下の場合、良好な効果、好ましい効果、より好ましい効果、およびさらに好ましい効果がそれぞれ達成される。各補水期間において、液体水が毎秒2°C、1°C、0.5°C、および0.2°Cまた0.2°C未満の平均温度降下率で冷却されると、良好な効果、好ましい効果、より好ましい効果、およびさらに好ましい効果がそれぞれ達成される。例えば、本実施形態では、補水手順が実行されるたびに、0.044リットルの液体水Lが5.9秒で注入される。換算すると、V2/W1の比率は約0.029である。補水期間中、加熱ケトル12内の液体水の温度降下はわずか2.6℃であり、平均温度降下率は毎秒0.44℃である。ちなみに、補水量の1秒あたりの例示的な流量は、蒸気処理モード中の平均消費量よりも低くはないが、補水量の1秒あたりの流量はそれに限定されない。本実施形態の蒸気処理モードでは、500秒間の平均蒸気S消費量は240mlであり、平均消費量は毎分約28.8mlである。
図3を参照すると、所定の補水量V2(リットル)が加熱ケトル12の最大量V3(リットル)の特定の割合未満を占める場合、補水はある程度の蒸気の生成に過度に影響を与えない。蒸気調理装置1が、V2/V3が0.1、0.07、0.04、および0.02以下の条件を満たす場合、良好な効果、好ましい効果、より好ましい効果、およびさらに好ましい効果がそれぞれ得られる。例えば、本実施形態では、補水手順を実行するたびに、所定の給水量V2は0.044リットルであり、加熱ケトル12の最大量V3は1.155リットルであり、その比率は約0.038である。
さらに、高圧蒸気を供給する設計に基づいて、輸送処理中に蒸気の液化を引き起こす潜熱の偶発的な放出を低減し得、これにより、蒸気Sが食材Fの表面に到達する前に蒸気Sを高乾燥状態に維持することを効果的に可能とし、液体の水膜が形成される可能性を減らし、蒸気の潜熱を食材に効果的に伝達する。このように、食材は非常に短時間で調理され、食材の新鮮で柔らかい味わいが保たれる。
本開示の一実施形態の実際の適用において、電気−熱変換ユニット16の定格電力が1.5kWhである場合、本開示の蒸気調理装置1は、蒸気が食材収容チャンバ22Cから放出されてから6分以内に、魚が完全に調理され、絹のような柔らかな味わいが保たれるように、450gの魚の蒸気処理手順を完了する。反対に、既存の蒸気調理装置で魚を蒸気処理する手順は、15分から20分以上かかる。従って、本開示は、上記の手順と比較して、その明確な特徴を有する。さらに、本実施形態の食材収容チャンバ22Cは、従来の大型スチーマーチャンバよりも小さいが、本開示の一実施形態における蒸気調理装置1の蒸気処理に必要な時間は著しく短いので、複数の料理を同じ時間またはより短い時間で完了させ得る。
さらに、蒸気Sが加熱ケトル12から出力され、次いで、食品を加熱するために利用される過熱蒸気として200℃を超える温度に加熱される関連技術のメカニズムとは異なり、本開示の一実施形態では、蒸気放出装置24から放出された蒸気Sの温度は、蓄圧蒸気ボイラー10内の飽和蒸気の温度よりも低い。
一方、加熱ケトル12内の液体水Lの液体表面と加熱ケトル12の蒸気出口との間の高低差を大きくすることにより、液体水Lが沸騰しているときに、液体水L分子が蒸気Sにより加熱ケトル12から誤って運び去られることを防止し得、これにより蒸気乾燥がさらに増加する。蒸気出口をより高い場所または加熱ケトル12の上部に構成し、液体水Lの液体表面と蒸気出口との間の高さと、液体水Lの液体表面との間の高さと加熱ケトル12の底部との間の高さの比を、特定の数を下回るように制御することにより、または、蒸気の2つの高さの差を最小の高低差以上に維持することにより、重力の作用下で液体分子が液体表面に戻る可能性が高くなり得、液体粒子が誤って運び去られる可能性が減少する。
図3を参照すると、図3は、加熱ケトル12内の水位センサ13が、水位が所定の最低水位高さH1(水注入ラインとも呼ばれる)よりも低いと判断した場合、制御モジュール40は、補水装置32を制御して、加熱ケトル12に水を補充し、液体表面を最高補水水位高さH2(最大給水ラインとも呼ばれる)まで上昇させる。所定の最低水位高さH1は、最高補水水位高さH2に近く、所定の最低水位高さH1は、液面センサ13の最低検出点13Aの高さと同じである。さらに、必要に応じて、加熱ケトル12の液体表面と加熱ケトル12の蒸気出口との間に遮水モジュールPを構成することにより、沸騰による飛沫液体水Lを効果的に遮断して、蒸気Sの乾燥度を高めるという目的を達成する。遮水モジュールは、所定の高さH1と加熱ケトル12の蒸気出口との間に自由に構成されて、液体水Lを遮断するか、または液体水Lをそれに付着させるユニットを指し得る。また、加熱ケトル12の蒸気出口の高さH3を調整することにより、蒸気Sの乾燥度をある程度高めることもできる。
要するに、本開示の一実施形態における蒸気調理装置は、食材が乾燥するのを防ぎ、高圧蒸気の適用を通して調理時間を短縮し得る。また、本開示の実施形態は、複数の料理を迅速に調理でき、食材の加熱温度および調理効果を正確に制御でき、予熱、高温の利用、および食材収容チャンバの拡大の必要なしに、食材の調理結果を正確に再現および制御することができる蒸気調理装置が提供される。
最後に、本開示の上記の実施形態で開示された構成単位は単なる例であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことが強調される。代替品としての他の均等のユニットも、本開示の範囲によって包含される。
本開示の蒸気調理装置は、一般に、電気エネルギーを消費して蒸気を生成し、蒸気を利用して食材を調理する任意の装置を指す。本開示の蒸気調理装置は、蒸気調理機器に適用し得る。
1:蒸気調理装置
10:蓄圧蒸気ボイラー
12:加熱ケトル
12A:第1のポート
12B:第2のポート
12C:第3のポート
12D:第4のポート
12E:第5のポート
12F:第6のポート
13:液面センサ
13A:検出点
14:圧力逃がし弁
15:真空逃がし弁
16:電気−熱変換ユニット
17:物理パラメータ感知モジュール
18:電子蒸気弁
P:遮水モジュール
PW:給水管
PE:排気管
PS:蒸気管
H1:所定の最低水位高さ
H2:最高補水推移高さ
H3:蒸気出口の高さ
S:蒸気
V1:食材収容チャンバの容量
V2:所定の補水量
V3:加熱ケトルの最大量
V4:所定の高さでの加熱ケトル内の容量
F:食材
L:液体水
W1:電気−熱変換ユニットの定格電力
WH1:電気−熱変換ユニットの消費電力
20:蒸気キャビネット
22:内箱
22A:側面開口
22B:スチーマーチャンバ
22C:食材収容チャンバ
22G:第7のポート
22H:第8のポート
24:蒸気放出装置
26:リブ
28:可動ユニット
30:給水モジュール
31:貯水タンク
31A:水タンク開口
31B:給水路
312:熱交換器
32:補水装置
40:制御モジュール
42:第1の制御要素
44:第2の制御要素
50:ケーシング
50A:横方向の開口
51:対話型インターフェース
53:ノッチ
60:ボイラードア
70:絶縁層
80:集水タンク

Claims (10)

  1. 蒸気調理装置であって、
    液体水を加熱し、大気圧の1.1倍から5.0倍の圧力を有する蒸気を蓄積するよう構成された蓄圧蒸気ボイラーであって、前記蓄圧蒸気ボイラー内の蒸気の温度は、飽和蒸気温度より低くなく、前記飽和蒸気温度は、前記蓄圧蒸気ボイラー内の前記蒸気の圧力に対応する前記蓄圧蒸気ボイラーを備え、
    前記蓄圧蒸気ボイラーは、
    前記液体水を貯蔵し、前記蒸気を蓄積するように構成された加熱ケトルと、
    加熱ケトル内に構成された電気−熱変換ユニットであって、前記液体水を加熱し、前記蒸気を生成するように構成された前記電気−熱変換ユニットと、
    前記蓄圧蒸気ボイラーに接続された蒸気キャビネットであって、前記蓄圧蒸気ボイラーから前記蒸気を受け取り前記蒸気キャビネットに収容された食材を調理するように構成された前記蒸気キャビネットと、を備え、
    前記蒸気キャビネットは、
    前記食材を収容するよう構成された食材収容チャンバと、
    前記食材収容チャンバおよび前記加熱ケトルに接続された蒸気放出装置であって、前記加熱ケトルの前記蒸気を前記食材収容チャンバに投入するように構成された前記蒸気放出装置と、
    前記加熱ケトルおよび水源に接続された補水装置であって、前記水源の液体水を前記加熱ケトルに投入するように構成された前記補水装置と、
    前記蒸気放出装置および前記補水装置に電気的に接続された制御モジュールと、を備え、
    前記制御モジュールは、前記液体水を前記加熱ケトルに投入して前記加熱ケトル内の水位を所定の高さ以上に維持するように補水装置をオンおよびオフに制御するよう構成され、前記加熱ケトル内の前記液体水の平均温度降下は、補水期間中毎秒2℃以下であり、前記液体水の補水量は、前記加熱ケトル内の前記蒸気の温度により決定されず、前記制御モジュールは、前記蒸気放出装置を制御して前記加熱ケトル内の前記蒸気の温度を維持するように前記食材収容チャンバに蒸気量を投入し、潜熱を含む蓄積された高圧蒸気を食材に放出して、前記蒸気が前記食材の表面に到達する前の前記蒸気の乾燥度を低下させ、前記熱が前記食材に伝達される工程において、前記食材収容チャンバ内の前記蒸気が潜熱を含むことを可能とし、液体水膜の形成を低減し、前記熱が前記食材に接触するとき、前記蒸気が前記蒸気の潜熱をより効果的に前記食材に伝達することを可能とし、それにより前記食材は、前記蒸気により放出される前記潜熱によって加熱され、
    前記食材収容チャンバの容量はV1リットルであり、前記電気−熱変換ユニットが前記食材収容チャンバの温度を室温から調理温度に上昇させるのに必要な電力消費量はWH1kWhであり、前記蒸気調理装置は、前記食材とともに前記食材収容チャンバの温度を前記室温から上昇させ、前記温度を前記調理温度に維持するために、V1/WH1≧160の条件を満たし、前記調理温度は100℃以上106℃以下であり、前記加熱ケトルから前記蒸気を排出するときの温度以下である、前記蒸気調理装置。
  2. 前記電気−熱変換ユニットが、前記食材収容チャンバ内の温度を前記室温から前記調理温度まで上昇させるのに必要な時間が5分以下である、請求項1に記載の蒸気調理装置。
  3. 前記蒸気放出装置により放出された前記蒸気の温度と、前記蓄圧蒸気ボイラー内の前記飽和蒸気の温度との間の差が30℃以下である、請求項1に記載の蒸気調理装置。
  4. 可動ユニットをさらに備え、前記可動ユニットは、前記蒸気キャビネット内に構成され、前記食材収容チャンバを前記調理温度に加熱するのに必要な時間を短縮するように構成される、請求項1に記載の蒸気調理装置。
  5. 前記加熱ケトル内の液面を測定し、前記加熱ケトル内の前記液面が所定の高さよりも低いときに水位信号を出力するように構成され、前記加熱ケトル内に構成された液面センサと、
    前記液体水の所定の補水量を前記加熱ケトルに投入するために、前記水位信号に従って前記補水装置をオンおよびオフに制御するように構成された前記制御モジュールと、
    前記加熱ケトルから前記食材収容チャンバへの前記蒸気の供給量を調整し、前記食材収容チャンバの前記調理温度を調整するように構成された電子蒸気弁と、をさらに備える請求項1に記載の蒸気調理装置。
  6. 前記所定の補水量がV2リットルであり、前記電気−熱変換ユニットの定格電力がW1kWであり、前記蒸気調理装置がV2/W1≦0.1の条件を満たす、請求項5に記載の蒸気調理装置。
  7. 前記所定の高さにおける前記加熱ケトルの容量がV4リットルであり、前記電気−熱変換ユニットの定格電力がW1kWであり、前記蒸気調理装置がV4/W1≦0.3の条件を満たす、請求項5に記載の蒸気調理装置。
  8. 前記所定の補水量がV2リットルであり、前記加熱ケトルの最大容量がV3リットルであり、前記蒸気調理装置がV2/V3≦0.1の条件を満たす、請求項5に記載の蒸気調理装置。
  9. 前記蒸気調理装置が、
    前記制御モジュールが、前記補水装置の作動時間を固定するように、または前記所定の補水量を固定量とするように制御する、または、
    抵抗器を含む前記電気−熱変換ユニットであって、前記抵抗器は前記所定の高さを下回るように完全に構成される、
    の条件のいずれか一つを満たす、請求項5に記載の蒸気調理装置。
  10. 前記制御モジュールは、前記電気−熱変換ユニットに電気的に接続され、
    前記蒸気調理装置は、第1の準備モードおよび第2の準備モードのうちの少なくとも1つを含み、前記第1の準備モードでは、前記制御モジュールは、前記電気−熱変換ユニットを制御して前記液体水を加熱し、前記加熱ケトル内の前記液体水を予備温度に維持可能とし、前記予備温度は、前記加熱ケトル内の前記飽和蒸気の前記温度よりも低く、前記第2の準備モードでは、前記制御装置は、前記電気−熱変換ユニットを制御して前記液体水を加熱し、前記加熱ケトルが前記大気圧の1.1倍から5.0倍の圧力を有する飽和蒸気を蓄積可能とする、請求項1の蒸気調理装置。
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