JP3184468B2 - 包装材 - Google Patents

包装材

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JP3184468B2
JP3184468B2 JP35770096A JP35770096A JP3184468B2 JP 3184468 B2 JP3184468 B2 JP 3184468B2 JP 35770096 A JP35770096 A JP 35770096A JP 35770096 A JP35770096 A JP 35770096A JP 3184468 B2 JP3184468 B2 JP 3184468B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装ケース内にお
いて、主として製品を保護するために用いられる包装材
に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は従来の包装材を用いた、ガス給湯
機の包装構造(主要な包装材のみを示す。)を示す斜視
図である。図において、ガス給湯機1を包装ケース2に
包装するには、まず、包装ケース2の底部両端に底当て
3を敷き、その上にガス給湯機1を置く。そして天当て
4により、ガス給湯機1の排気筒部1aを逃がしつつ、
ガス給湯機1の両端部を包装ケース2に固定し、最後に
天パッド5を置いて、包装ケース2を閉める。天パッド
5は長方形の段ボールシート5aの下面四隅に発泡スチ
ロール材5bを接着したものであり、発泡スチロール材
5bの厚みによって、天当て4を越えてなお突出する排
気筒部1aを逃がすとともに、段ボール材5aと発泡ス
チロール材5bとにより、包装ケース2の上面側からの
圧縮荷重や衝撃から排気筒部1aを保護する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
天パッド5は厚みのある発泡スチロール材5bが付属し
ているため、それ自体の保管や、運搬の際に多数個が積
み重ねられた状態とされると非常に嵩高くなって大きな
スペースを占有するという問題点があった。
【0004】上記のような従来の問題点に鑑み、本発明
は、従来の天パッドと同等の保護機能を有し、保管、運
搬時に要するスペースを縮小することができる包装材を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明(請求項1)の包装材は、変形可能な材料か
らなる一対の緩衝部材の一部を互いに接合し、非接合部
を任意に変形させることができるようにした包装材であ
って、前記緩衝部材が、変形可能な薄板状部材を複数枚
積層することにより形成された積層体であり、一対の積
層体の、積層方向と直交する端面の一部を互いに接合す
ることにより、非接合部を任意に変形させることができ
るように構成されていることを特徴としている。このよ
うな構成の包装材は、一対の緩衝部材を接合した基本形
状においては内包する空間もなく、外形寸法が小さい。
従って、多数個の当該包装材を並べたり、積み上げたり
した場合にも占有スペースが小さい。また、非接合部を
開くことによりその間の空間に被保護部材を配置し得る
とともに、包装ケースの内寸法にあわせた所望の展開形
状を得ることができ、荷重や衝撃に対する緩衝作用を発
揮する。
【0006】また、上記包装材において、緩衝部材
変形可能な薄板状部材を複数枚積層することにより形成
された積層体であって、一対の積層体の、積層方向と直
交する端面の一部を互いに接合することにより、非接合
部を任意に変形させることができるように構成されてお
り、このような緩衝材を用いた包装材は、一対の積層体
が互いに接合された基本形状においては、空間を内包し
ない簡素な形状であるためその外形寸法が小さく、多数
個の当該包装材を並べたり、積み上げたりした場合にも
大きな空隙が形成されることがなく、占有スペースが小
さい。また、非接合部を変形させることにより包装ケー
スの内寸法にあわせた所望の展開形状を得ることができ
る。積層体は積層方向と直交する方向の圧縮荷重や衝撃
に対して高い剛性を有するので、展開された一対の積層
体間の空間領域内に被保護部材を配置するように製品を
包装することにより、十分な保護機能が発揮される。
【0007】また、上記包装材において、緩衝部材の長
さ方向をx方向、高さ方向をy方向、接合面に垂直な方
向をz方向とした場合に、一対の緩衝部材がz方向の一
端面であるx−y平面の略中央部においてのみ互いに接
合され、x−z平面図においてX字状に変形させること
ができるように構成されているものであってもよい。こ
のような構成の包装材は、X字状に変形させることによ
り、包装ケースの内寸法に合わせて四隅に緩衝部材の先
端部を配置した、線対称な展開形状が得られ、展開され
たx−z平面領域におけるy方向の圧縮荷重や衝撃に対
しての十分な保護機能を生じさせることができる。
【0008】また、上記包装材において、緩衝部材の長
さ方向をx方向、高さ方向をy方向、接合面に垂直な方
向をz方向とした場合に、緩衝部材は、複数の段ボール
材を、その各々の構成材の波目によって形成される溝の
方向がy方向と平行になるように積層したものであって
もよい。このような構成の包装材は、段ボール材が、そ
の構成材の溝がy方向になるように波目をそろえて積層
されることにより、ハニカム構造に類似した構造が得ら
れ、y方向の圧縮荷重や衝撃に対する優れた剛性が得ら
れる。また、z方向には折り曲げし易いので任意の開度
のX字状の展開形状が容易に得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態による
包装材(排気筒パッド7)を使用したガス給湯機の包装
構造(主要な包装材のみを示す。)を示す斜視図であ
る。図において、ガス給湯機1を包装ケース2に包装す
るには、まず、包装ケース2の底部両端に発泡スチロー
ルからなる一対の底当て3を敷き、その上にガス給湯機
1を置く。そして発泡スチロールからなる一対の天当て
4により、ガス給湯機1の排気筒部1aを逃がしつつ、
ガス給湯機1の上部両端部を包装ケース2に固定する。
次に、段ボール材からなり、排気筒部1aを逃がすため
の開口部6aを有する天パッド6を置き、最後に段ボー
ル材からなるX字状の排気筒パッド7を置いて、包装ケ
ース2を閉める。排気筒部1aは天当て4を越えて天パ
ッド6の開口部6aを突き抜け、排気筒パッド7の高さ
Hの範囲内に達した状態で、排気筒パッド7の積層体7
a及び7b(詳細は後述する。)の間の空間Aに収ま
る。排気筒パッド7は排気筒1aを保護するために必要
な所定の高さHを有しているとともに、図の上下方向
(包装ケース2に対して垂直方向)に所定の剛性を有し
ているので、包装完了後、包装ケース2に対して垂直方
向にかかる圧縮荷重や衝撃から排気筒部1aを保護する
ことができる。なお、天パッド6は、凹凸のある天当て
4上に直接排気筒パッド7を置くと、その載置状態が不
安定になる可能性があるので、排気筒パッド7を確実に
安定させるために用いられている。
【0010】図2は上記排気筒パッド7を使用したガス
給湯機の異なる包装構造(主要な包装材のみを示す。)
を示す斜視図である。図1と同一又は相当部分には同一
符号を付している。図において、ガス給湯機1を包装ケ
ース2に包装するには、まず、包装ケース2の底部にX
字状の排気筒パッド7を置いて、その上に天パッド6を
置く。さらに、底当て3を包装ケース2の両端に敷き、
その上に、排気筒部1aを下向けにしたガス給湯機1を
置く。排気筒部1aは天パッド6の開口部6aを突き抜
けて、排気筒パッド7の高さHの範囲内に達した状態
で、排気筒パッド7の積層体7a及び7bの間の空間A
に収まる。そして天当て4により、ガス給湯機1の上部
両端部を包装ケース2に固定し、包装ケース2を閉め
る。図1の場合と同様に、排気筒パッド7は排気筒1a
を保護するために必要な所定の高さHを有しているとと
もに、図の上下方向(包装ケース2に対して垂直方向)
に所定の剛性を有しているので、包装完了後、包装ケー
ス2に対して垂直方向にかかる圧縮荷重や衝撃から排気
筒部1aを保護することができる。なお、天パッド6
は、X字状の排気筒パッド7の上に直接底あて3を置く
と、その載置状態が不安定になる可能性があるので、底
あて3を確実に安定させるために用いられている。
【0011】次に、排気筒パッド7の構造について詳細
に説明する。図3は、排気筒パッド7の素材としての薄
板状部材71を示す正面図である。薄板状部材71は段
ボール材からなり、包装ケース2(図1及び図2)の内
寸法に応じた所定の寸法(前述の高さH、及び長さL
0)を有している。図の左下部分の破断によって示すよ
うに、段ボール材の波目を構成している部材の山・谷に
よって形成される溝の方向Bが、薄板状部材71の長手
方向と直交する方向となっている。破線Cは後述する折
り目を表している。
【0012】図4は、上記の薄板状部材71の長さ方向
をx方向、高さ方向をy方向として、その厚さ方向(z
方向)に複数枚(本例では4枚)の薄板状部材71を貼
り合わせて所定の厚さTを有してなる一対の積層体7a
及び7bを示す斜視図である。このように薄板状部材7
1を複数枚貼り合わせることにより成る積層体7a及び
7bは、前述のように溝方向がy方向に平行な段ボール
材の集合体となり、ハニカム構造に類似した構造とな
る。従って、y方向における圧縮荷重や衝撃に対して高
い剛性を発揮する。また、素材の段ボール材はその溝方
向を折り目として折り曲げることは本来容易であるた
め、積層体としても、y方向に平行な折り目に沿ってz
方向に変形することが可能である。
【0013】次に、上記のように構成された積層体7a
及び7bを並列配置し、それぞれの積層方向における一
端面の中央部71a同士を互いに接着する。これによ
り、図5に示す基本形状(畳んだ形状)の排気筒パッド
7が得られる。この基本形状は直方体状(内包する空間
のない)の簡素な形状であり、排気筒パッド7の運搬、
保管時はこの基本形状で扱われる。従って、多数個の排
気筒パッド7を並べたり重ねたりしても占有スペースは
最小限にとどまる。
【0014】また、この排気筒パッド7を折り目Cで折
って非接合部が互いに離反するようにX字状(x−z平
面図として)に開くことにより、図6に示す展開形状の
排気筒パッド7が得られる。展開形状の排気筒パッド7
の長さL(<L0)及び幅Wは、開き方に応じて一定範
囲で自在に調節が可能であり、包装ケース2(図1)の
内寸法に合わせて決定することができる。これにより、
互いに開いた積層体7a及び7bの間の空間を、排気筒
部1a(図1及び図2)のような突起部の逃がし空間と
して供し得るとともに、y方向の十分な剛性により、同
方向における圧縮荷重や衝撃から、排気筒部1aのよう
な突起部(被保護部)を保護することができる。また、
X字状の展開形状は、積層体7a及び7bの先端部を包
装ケース2の四隅近傍に配置した線対称の形状であるた
め、展開されたx−z平面領域の全体に亘ってy方向の
荷重をバランス良く支えることができる。
【0015】なお、上記実施形態においては、段ボール
材からなる薄板状部材を使用したが、所定の強度を有す
る変形可能な材料であれば、段ボール材以外のものを用
いること可能である。また、上記実施形態においては積
層体7a及び7bを用いた構成を示したが、積層体では
ない単一物からなる一対の構造体(例えば発泡材)の一
部を互いに接合した構成であっても、構造体の折り曲げ
部分に切り込みを入れる等の処理をすれば、同様の作用
効果が得られる。さらに、一対の構造体全体を直方体状
の単一物として構成し、接合部に相当する部分を残し
て、非接合部に相当する部分にスリットを入れるような
構成も可能である。
【0016】また、本発明の包装材(排気筒パッド7)
は、排気筒部1aの保護という特定の用途の包装材に限
定して適用されるものではなく、広く種々の用途を有す
る包装材として応用することができる。
【0017】また、本実施形態では排気筒パッド7は天
パッド6と組み合わせて用いているが、本発明としての
包装材は天パッド6のような平板部材との組み合わせを
常に必要とするわけではなく、隣接する部分が平坦な形
状であれば天パッド6のような平板部材を省略すること
も可能である。また、上記実施形態における排気筒パッ
ド7は、x方向(図4,図5)に細長い短冊形状の段ボ
ール材を素材とした構造であるが、本発明の包装材はこ
のような構造に限られない。例えば、正方形の段ボール
材を素材とした同様の構造からなる包装材であっても、
これを縦長立方体の包装ケース内に製品の間仕切り状に
入れることにより、製品間の緩衝と上下方向の圧縮荷重
等への優れた耐性とを実現することができる。
【0018】また、上記実施形態においては、排気筒パ
ッド7がX字状に開く形態について説明したが、X字状
に限らず、本発明は他にも種々の形態に展開する構成が
可能である。例えば、図7の(a)に示すような変形X
字状、(b)に示すような突き合わせV字状、また、
(c)に示すようなW字状に構成した包装材であって
も、上記実施形態の排気筒パッド7と同様の作用効果を
奏することは明らかである。
【0019】
【発明の効果】以上のように構成された本発明は以下の
効果を奏する。本発明の包装材は、変形可能な材料から
なる一対の緩衝部材の一部を互いに接合し、非接合部を
任意に変形させることができるようにしたので、一対の
緩衝部材を接合した基本形状においては内包する空間も
なく、その外形寸法が小さい。従って多数個の当該包装
材を並べたり、積み上げたりした場合にも大きな空隙が
形成されることがなく、占有スペースが小さい。また、
非接合部を変形させることによりその間の空間に被保護
部材を配置し得るとともに、包装ケースの内寸法にあわ
せた所望の展開形状を得ることができ、荷重や衝撃に対
して被保護部材を保護することができる。
【0020】また、緩衝部材が、変形可能な薄板状部材
を複数枚積層することにより形成された積層体であり、
一対の積層体の、積層方向と直交する端面の一部を互い
に接合することにより、非接合部を任意に変形させるこ
とができるように構成されているので、一対の積層体が
互いに接合された基本形状においては、空間を内包しな
い簡素な形状であるためその外形寸法が小さく、多数個
の当該包装材を並べたり、積み上げたりした場合にも大
きな空隙が形成されることがなく、占有スペースが小さ
い。また、非接合部を変形させることにより包装ケース
の内寸法にあわせた所望の展開形状を得ることができ、
積層体は積層方向と直交する方向の圧縮荷重や衝撃に対
して高い剛性を有するので、展開された一対の積層体間
の空間領域内に被保護部材を配置するように製品を包装
することにより、十分な保護機能を発揮する。
【0021】また、上記包装材において、緩衝部材の長
さ方向をx方向、高さ方向をy方向、接合面に垂直な方
向をz方向とした場合において、一対の緩衝部材がz方
向の一端面であるx−y平面の略中央部においてのみ互
いに接合され、x−z平面図においてX字状に変形させ
ることができるように構成されたときは、X字状に変形
させることにより、包装ケースの内寸法に合わせて四隅
に緩衝部材の先端部を配置した、線対称な展開形状が得
られ、展開されたx−z平面領域におけるy方向の圧縮
荷重や衝撃に対しての十分な保護機能を生じさせること
ができる。
【0022】また、上記包装材において、緩衝部材の長
さ方向をx方向、高さ方向をy方向、接合面に垂直な方
向をz方向とした場合において、緩衝部材は、複数の段
ボール材を、その各々の構成材の波目によって形成され
る溝の方向がy方向と平行になるように積層されたもの
である場合は、段ボール材が、その構成材の溝がy方向
になるように波目をそろえて積層されることにより、ハ
ニカム構造に類似した構造が得られ、y方向の圧縮荷重
や衝撃に対する優れた剛性が得られる。また、z方向に
は折り曲げし易いので任意の開度のX字状の展開形状が
容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による包装材(排気筒パッ
ド)を使用したガス給湯機の包装構造(主要な包装材の
みを示す。)を示す斜視図である。
【図2】図1に示したものと同一の包装材(排気筒パッ
ド)を使用したガス給湯機の異なる包装構造(主要な包
装材のみを示す。)を示す斜視図である。
【図3】排気筒パッドの素材の形状を示す正面図であ
る。
【図4】排気筒パッドを構成する一対の積層体を並列配
置した状態を示す斜視図である。
【図5】図4に示す一対の積層体を互いに接合した状態
を示す斜視図である。
【図6】図5に示す排気筒パッドを展開した状態を示す
斜視図である。
【図7】包装材の種々の展開形状を示す平面図である。
【図8】従来の包装材を用いた、ガス給湯機の包装構造
(主要な包装材のみを示す。)を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ガス給湯機 1a 排気筒部 2 包装ケース 3 底当て 4 天当て 6 天パッド 6a 開口部 7 排気筒パッド 7a,7b 積層体 71 薄板状部材 71a 中央部 A 空間 B 波目形成方向 C 折り目

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変形可能な材料からなる一対の緩衝部材の
    一部を互いに接合し、非接合部を任意に変形させること
    ができるようにした包装材であって、 前記緩衝部材が、変形可能な薄板状部材を複数枚積層す
    ることにより形成された積層体であり、一対の積層体
    の、積層方向と直交する端面の一部を互いに接合するこ
    とにより、非接合部を任意に変形させることができるよ
    うに構成されていることを特徴とする 包装材。
  2. 【請求項2】前記緩衝部材の長さ方向をx方向、高さ方
    向をy方向、接合面に垂直な方向をz方向とした場合
    に、前記一対の緩衝部材がz方向の一端面であるx−y
    平面の略中央部においてのみ互いに接合され、x−z平
    面図においてX字状に変形させることができるように構
    成されていることを特徴とする請求項1記載の包装材。
  3. 【請求項3】前記緩衝部材の長さ方向をx方向、高さ方
    向をy方向、接合面に垂直な方向をz方向とした場合
    に、前記緩衝部材は、複数の段ボール材を、その各々の
    構成材の波目によって形成される溝の方向がy方向と平
    行になるように積層したものであることを特徴とする請
    求項1又は2記載の包装材。
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