JP3184379B2 - 管内面ライニング方法 - Google Patents

管内面ライニング方法

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JP3184379B2 JP27019993A JP27019993A JP3184379B2 JP 3184379 B2 JP3184379 B2 JP 3184379B2 JP 27019993 A JP27019993 A JP 27019993A JP 27019993 A JP27019993 A JP 27019993A JP 3184379 B2 JP3184379 B2 JP 3184379B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管内面ライニング方法
に関し、更に詳述すれば、外嵌接続部を両端部に備える
継手を用いて、複数の導管を連通状態に接続してなる配
管設備において、その管内適宜位置にライニング剤を位
置させ、そのライニング剤を所定径の第1ピグを介して
圧送して押し拡げることにより、前記配管設備の管内面
をライニングする管内面ライニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前記配管設備の管内面をライニングする
場合には、従来、図4に示すライニング方法(以下、従
来方法という)が採用されていた。即ち、ガス配管等、
流体の配管設備を構成すべく、複数の導管Pを連通状態
に接続するときには、ネジ嵌合部や溶接嵌合部等の外嵌
接続部1a,1b(図4では、ネジ嵌合部)を両端部に
備える継手1を用いて、前記導管Pの接続が行われて前
記配管設備が構成されているが、その設備における管内
面(前記継手1の設置部分も含めた管内面)をライニン
グする場合には、従来、前記導管P内の適宜位置にライ
ニング剤2を予め位置させておき、そのライニング剤2
を、図4に示すように、前記導管Pの内径よりも若干小
さい所定径の第1ピグ3を介して圧送して押し拡げるこ
とにより、前記管内面にライニング層を形成することが
行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記継手1を用いて前
記導管Pが接続されてなる配管設備の管路の一部には、
階段的に拡径する拡径部分、具体的には、前記導管Pの
端部に外嵌された外嵌接続部1a,1bよりなる階段的
な拡径部分が形成されるようになる。このような拡径部
分が一部に形成された管路に対し、上述の従来方法にて
管内面ライニングを行う場合は、上述の第1ピグ3を用
いたライニング剤2の圧送に基づいて、前記管内面にラ
イニング剤2を単に押し拡げるだけであったので、前記
階段的な拡径部分の角部に、気体溜まり(換言すれば、
前記ライニング剤2の塗り残し)が発生することがあ
り、また、その気体溜まりに起因して、前記ライニング
層にピンホール等の欠陥が発生することがある、という
問題があった。本発明は、このような実情に着目してな
されたものであり、前記管内面のライニングを行うに際
し、前記気体溜まりや前記ピンホール等の欠陥の発生を
回避し得る管内面ライニング方法を提供することを目的
としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る管内面ライ
ニング方法(以下、本発明方法という)は、外嵌接続部
を両端部に備える継手を用いて、複数の導管を連通状態
に接続してなる配管設備において、その管内適宜位置に
ライニング剤を位置させ、そのライニング剤を所定径の
第1ピグを介して圧送して押し拡げることにより、前記
配管設備の管内面をライニングする管内面ライニング方
法であって、前記第1ピグよりも小径の第2ピグを使用
して前記管内のライニング剤を圧送して予備的に押し拡
げた後、その予備的な押し拡げ状態のライニング剤に対
し、前記第1ピグを使用した圧送による所定の押し拡げ
を行う点を第1の特徴としている。
【0005】また、外嵌接続部を両端部に備える継手を
用いて、複数の導管を連通状態に接続してなる配管設備
において、その管内適宜位置にライニング剤を位置さ
せ、そのライニング剤を所定径の第1ピグを介して圧送
して押し拡げることにより、前記配管設備の管内面をラ
イニングする管内面ライニング方法であって、前記第1
ピグよりも大径で、且つ、前記導管内へ収納自在に縮径
変形可能な軟質ピグを使用して、前記管内のライニング
剤を圧送することにより、前記継手の設置部分への前記
ライニング剤の押し込みを行った後、前記第1ピグより
も小径の第2ピグを使用して、前記管内のライニング剤
の圧送による予備的な押し拡げを行った後、その予備的
な押し拡げ状態のライニング剤に対し、前記第1ピグを
使用した圧送による所定の押し拡げを行う点を第2の特
徴としている。
【0006】
【作用】第1の特徴を備える本発明方法によれば、先
ず、前記第2ピグを介して前記管内のライニング剤の圧
送が行われ、その圧送による前記ライニング剤の前記管
内面への予備的な押し拡げが行われることにより、本来
のライニング層よりも少し厚い目のライニング層が形成
されるが、その段階で形成される前記厚い目のライニン
グ層には、前記導管の端部に外嵌された前記継手の外嵌
接続部よりなる段階的な拡径部分において、従来と同
様、気体溜まりが発生することがある。しかしながら、
本発明方法によれば、前記厚い目のライニング層が形成
された後、前記第1ピグを使用した圧送による所定の押
し拡げが行われるので、その押し拡げに基づく押し出し
作用によって、前記第1ピグによる圧送の方向の上流側
から、前記厚い目のライニング層における前記拡径部分
に形成された前記気体溜まりが、前記圧送の方向の下流
側へ押し出されるようになり、もって、前記気体溜まり
の前記拡径部分への残存が回避され、また、その気体溜
まりに起因する前記ピンホール等の欠陥の発生も回避さ
れるようになる。
【0007】第2の特徴を備える本発明方法によれば、
先ず、前記軟質ピグを介して前記管内のライニング剤の
圧送が行われるが、その圧送時において、前記軟質ピグ
が前記継手の設置部分に至るまでは、その軟質ピグが縮
径変形して前記導管内へ収納された状態で、前記ライニ
ング剤が圧送されるのに対し、前記軟質ピグが前記継手
の設置部分に至った状態では、その軟質ピグが元の形状
に戻る方向に拡径変形し、その拡径変形に基づいて、前
記ライニング剤が、前記継手の設置部分に形成された前
記階段的な拡径部分へ押し込まれ、その押し込みによっ
て、前記気体溜まりの前記拡径部分への残存が抑えられ
るようになる。尚、前記軟質ピグが前記継手の設置部分
を通過した後は、上述の継手設置部分に至るまでの圧送
が行われる。そして、前記階段的な拡径部分への前記ラ
イニング材の押し込みが行われた後は、第1の特徴を備
える本発明方法による場合と同様、前記第2ピグを使用
した上での前記ライニング剤の圧送による押し拡げが行
われ、且つ、その押し拡げ状態のライニング剤に対し、
前記第1ピグを使用した圧送による所定の押し拡げが行
われるので、前記気体溜まりの前記拡径部分への残存が
一層確実に回避され、また、前記気体溜まりに起因する
前記ピンホール等の欠陥の発生も一層確実に回避される
ようになる。
【0008】
【発明の効果】このように、第1の特徴を備える本発明
方法を採用する場合は、従来方法における前述した問
題、即ち、前記気体溜まりやピンホール等の欠陥の発生
が回避されるようになり、また、第2の特徴を備える本
発明方法を採用する場合は、前記気体溜まりやピンホー
ル等の欠陥の発生が一層確実に回避されるようになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した
部分は同一又は相当の部分を示している。
【0010】〔第1実施例〕図1には、本発明方法の第
1実施例(請求項1に対応)が示されている。図中、P
は、配管設備の構成部材である複数の導管(具体的に
は、ガス管)であり、それら複数の導管Pは、外嵌接続
部1a,1b(具体的には、ネジ嵌合部の一方としての
雌ネジ部)を両端部に備える直管状継手1を用いて、連
通状態に接続されている。このように構成された配管設
備の管路においては、その一部、即ち、前記直管状継手
1の設置部分に、前記導管Pの端部(具体的には、前記
雌ネジ部と螺合自在な雄ネジ部)に外嵌螺合された外嵌
接続部1a,1bよりなる階段的な拡径部分が形成され
ている。
【0011】このような配管設備において、その管内面
のライニングを本発明方法を用いて実施する場合は、先
ず、最終的なライニング層を形成するために使用される
所定径の第1ピグ3よりも小径の第2ピグ4を使用し
て、前記管内の適宜位置に位置させたライニング剤2
を、図1(イ)に示すように圧送してそのライニング剤
2を予備的に押し拡げた後、その予備的な押し拡げ状態
のライニング剤2に対し、図1(ロ)に示すように、前
記第1ピグ3を使用した圧送による所定の押し拡げを行
う。
【0012】このような本発明方法によれば、第2ピグ
4を使用したライニング剤2の圧送が先ず行われ、その
圧送によるライニング剤2の前記管内面への予備的な押
し拡げが行われることにより、本来のライニング層より
も少し厚い目のライニング層が形成されるが、その段階
で形成される前記厚い目のライニング層には、導管Pの
端部に外嵌された継手1の外嵌接続部1a,1bよりな
る段階的な拡径部分において、従来と同様、気体溜まり
が発生することがある。しかしながら、本発明方法によ
れば、前記厚い目のライニング層が形成された後、第1
ピグ3を使用した圧送による所定の押し拡げが行われる
ので、その押し拡げに基づく押し出し作用によって、第
1ピグ3による圧送の方向の上流側から、前記厚い目の
ライニング層における前記拡径部分に形成された前記気
体溜まりが、前記圧送の方向の下流側へ図1(ロ)中の
矢符に示すように押し出されるようになり、もって、前
記気体溜まりの前記拡径部分への残存が回避され、ま
た、その気体溜まりに起因する前記ピンホール等の欠陥
の発生も回避されるようになる。
【0013】〔第2実施例〕図2には、本発明方法の第
2実施例(請求項2に対応)が示されている。尚、図面
において第1実施例と同一の符号で表示した部分は同一
又は相当の部分を示している。
【0014】図2に示すように、複数の導管Pが、外嵌
接続部1a,1b(具体的には、雌ネジ部)を両端部に
備える直管状継手1を用いて、連通状態に接続されて構
成された配管設備において、その管内面のライニングを
本発明方法を用いて実施する場合は、先ず、最終的なラ
イニング層を形成するために使用される所定径の第1ピ
グ3よりも大径で、且つ、前記導管P内へ収納自在に縮
径変形可能な軟質ピグ5(例えば、スポンジピグ)を使
用して、前記管内の適宜位置に位置させたライニング剤
2を圧送することにより、前記継手1の設置部分への前
記ライニング剤2の押し込みを図2(イ)に示すように
行う。その後、前記第1ピグ3よりも小径の第2ピグ4
を使用して、前記管内のライニング剤2の圧送による予
備的な押し拡げを図2(ロ)に示すように行った後、そ
の予備的な押し拡げ状態のライニング剤2に対し、前記
第1ピグ3を使用した圧送による所定の押し拡げを図2
(ハ)に示すように行う。
【0015】このような本発明方法によれば、先ず、軟
質ピグ5を介してライニング剤2の圧送が行われるが、
その圧送時において、軟質ピグ5が前記継手1の設置部
分に至るまでは、その軟質ピグ5が図2(イ)中の仮想
線に示すように縮径変形して導管P内へ収納された状態
で、ライニング剤2が圧送されるのに対し、軟質ピグ5
が前記継手1の設置部分に至った状態では、その軟質ピ
グ5が図2(イ)中の実線に示すように元の形状に戻る
方向へ拡径変形し、その拡径変形に基づいて、前記ライ
ニング剤2が、前記継手1の設置部分に形成された前記
階段的な拡径部分へ押し込まれ、その押し込みによっ
て、前記気体溜まりの前記拡径部分への残存が抑えられ
るようになる。尚、前記軟質ピグ5が前記継手1の設置
部分を通過した後は、上述の継手設置部分に至るまでの
圧送が行われる。そして、前記階段的な拡径部分への前
記ライニング材2の押し込みが行われた後は、上述の第
1実施例の場合と同様、第2ピグ4を使用した上でのラ
イニング剤2の圧送による押し拡げが図2(ロ)に示す
ように行われ、且つ、その押し拡げ状態のライニング剤
2に対し、第1ピグ3を使用した圧送による所定の押し
拡げが図2(ハ)に示すように行われるので、前記気体
溜まりの前記拡径部分への残存が一層確実に回避され、
また、前記気体溜まりに起因する前記ピンホール等の欠
陥の発生も一層確実に回避されるようになる。
【0016】次に、別実施例について説明する。上述の
各実施例は、複数の導管Pを連通状態に接続するのに使
用される継手1が直管状の継手であるものに本発明方法
を適用した実施例であったが、前記継手1が図3に示す
ように曲管状の継手(エルボ)である場合においても本
発明方法の適用が可能である。
【0017】また、上述の実施例においては、前記外嵌
接続部1a,1bがネジ嵌合部でああるものに本発明方
法を適用した実施例であったが、前記外嵌接続部1a,
1bが他の種類の外嵌接続部(例えば、溶接嵌合部)で
ある場合においても本発明方法の適用が可能である。
【0018】また、前記導管Pが、ガス管以外の各種導
管(例えば、水道管)である場合においても、本発明方
法の適用が可能であるのはいうまでもない。
【0019】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施例の手順を示す説明図
【図2】本発明方法の別実施例の手順を示す説明図
【図3】本発明方法が適用される配管の他の例を示す縦
断面図
【図4】従来方法の手順を示す説明図
【符号の説明】
1 継手 1a,1b 外嵌接続部 2 ライニング剤 3 第1ピグ 4 第2ピグ 5 軟質ピグ P 導管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 7/22 F16L 55/16 B29C 63/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外嵌接続部(1a),(1b)を両端部に
    備える継手(1)を用いて、複数の導管(P)を連通状
    態に接続してなる配管設備において、その管内適宜位置
    にライニング剤(2)を位置させ、そのライニング剤
    (2)を所定径の第1ピグ(3)を介して圧送して押し
    拡げることにより、前記配管設備の管内面をライニング
    する管内面ライニング方法であって、 前記第1ピグ(3)よりも小径の第2ピグ(4)を使用
    して前記管内のライニング剤(2)を圧送して予備的に
    押し拡げた後、その予備的な押し拡げ状態のライニング
    剤(2)に対し、前記第1ピグ(3)を使用した圧送に
    よる所定の押し拡げを行う管内面ライニング方法。
  2. 【請求項2】 外嵌接続部(1a),(1b)を両端部に
    備える継手(1)を用いて、複数の導管(P)を連通状
    態に接続してなる配管設備において、その管内適宜位置
    にライニング剤(2)を配置し、そのライニング剤
    (2)を所定径の第1ピグ(3)を介して圧送して押し
    拡げることにより、前記配管設備の管内面をライニング
    する管内面ライニング方法であって、 前記第1ピグ(3)よりも大径で、且つ、前記導管
    (P)内へ収納自在に縮径変形可能な軟質ピグ(5)を
    使用して、前記管内のライニング剤(2)を圧送するこ
    とにより、前記継手(1)の設置部分への前記ライニン
    グ剤(2)の押し込みを行った後、前記第1ピグ(3)
    よりも小径の第2ピグ(4)を使用して、前記管内のラ
    イニング剤(2)の圧送による予備的な押し拡げを行っ
    た後、その予備的な押し拡げ状態のライニング剤(2)
    に対し、前記第1ピグ(3)を使用した圧送による所定
    の押し拡げを行う管内面ライニング方法。
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