JP4282329B2 - インサーション工法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
この発明はインサーション工法に関し、特にたとえば既設管路にインサーション管を挿入して既設管路の更新・更生をするインサーション工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来のインサーション工法の一例がたとえば特許文献1に開示されている。インサーション管はたとえばポリエチレン等の合成樹脂からなり、縮径加工によりたとえば断面略ハート形状等に形成された状態で挿入される。挿入の際には、たとえばワイヤ取付具を介して牽引ワイヤをインサーション管の先端に取り付けて、ウインチ等で牽引ワイヤを巻き取ることによって既設管路内に引き込む。そして、挿入後にインサーション管内に加熱・加圧した流体を供給することによって、インサーション管の断面形状を略円形に復元する。このようにして、既設管路内にインサーション管による新たな管路を設け、あるいは、既設管の内周面にインサーション管を略密着させることによって、既設管路が更新・更生される。
【0003】
【特許文献1】
特開昭64−56531号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、既設管路では、継手接続部分に内面段差があったり、また、鋳鉄管等で構成される場合には老朽化による錆等が発生していたりするなど、その内面は平滑ではなく荒れた状態となっている。
【0005】
従来技術では、縮径状態で挿入することで挿入抵抗を低減することができるが、上述のような荒れた内面を有する既設管路に対して直接インサーション管を挿入しているので、接触状態で移動されてインサーション管の外表面に傷が発生してしまい、管の性能を低下させるおそれがあった。
【0006】
また、このような既設管路の内面とインサーション管との接触や、内面段差と牽引ワイヤおよびワイヤ取付具等との引掛り等によって、挿入抵抗が大きくなっていた。インサーション管の挿入抵抗が大きくなると、インサーション管に大きい引張荷重が掛かってしまい、管の性能を低下させるおそれがあった。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、インサーション管の外面に傷が発生するのを防止できる、インサーション工法を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、挿入抵抗を低減できる、インサーション工法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、既設管路にインサーション管を挿入するインサーション工法であって、(a) 既設管路内にコルゲート管を挿入するステップ、および(b) コルゲート管内にインサーション管を挿入するステップを備える、インサーション工法である。
【0010】
第2の発明は、既設管路にインサーション管を挿入するインサーション工法であって、(c)既設管路内にコルゲート管とインサーション管とを同時に挿入するステップ、および(d)コルゲート管を既設管路から引き抜くステップを備えるインサーション工法である。
【0011】
【作用】
第1の発明では、まず、既設管路内にコルゲート管を挿入する。コルゲート管はその管壁がコルゲート形状に形成されているので、既設管路の内面との接触面積が小さく、したがって、挿入抵抗を小さく抑えることができる。そして、コルゲート管内にインサーション管を挿入する。インサーション管はコルゲート管内に挿入されるので、既設管路の内面と接触することがない。牽引ワイヤやワイヤ取付具等も同様である。また、インサーション管とコルゲート管との接触面積も小さいので、挿入抵抗を低減できる。
【0012】
第2の発明では、コルゲート管とインサーション管とを同時に既設管路内に挿入する。つまり、たとえば、予めコルゲート管内に挿入された状態のインサーション管を既設管路内に挿入する。この挿入時には、インサーション管はコルゲート管内でこれに保護されるので、既設管路の内面と接触することがない。また、コルゲート管と既設管路の内面との接触面積が小さいので、挿入抵抗を低減できる。
【0013】
さらに、第1および第2の発明では、既設管路内に挿通されたコルゲート管を引き抜くようにしてもよい。このようにして、既設管路をインサーション管によって更新することができる。一方、コルゲート管をそのまま既設管路内に残置した場合には、コルゲート管をインサーション管からなる更新管路の保護管として利用することができる。
【0014】
また、既設管路は曲がり管部を有するものであってよいし、この場合、インサーション管を復元するようにしてもよい。つまり、このような既設管路にはインサーション管として縮径管を適用してよい。縮径管はたとえば縮径加工によって周方向の一部が押し込まれた断面略ハート形状等を有するものである。縮径管を適用すれば曲がり管部に対しても容易にインサーション管を挿入することができる。そして、たとえばインサーション管内に加熱加圧蒸気等を供給することによって、インサーション管を断面略円形等に復元することができる。なお、復元前にコルゲート管を引き抜いている場合には、たとえば復元後の外径を既設管路の内径と同等に設定していれば、既設管路の内面にインサーション管を略密着させることもできる。一方、コルゲート管を引き抜いていない場合には、インサーション管はコルゲート管内で復元され、上述のようにコルゲート管を保護管として利用できる。
【0015】
【発明の効果】
この発明によれば、インサーション管の挿入時には、インサーション管の外面と既設管路の内面との間にコルゲート管を介在させるようにしているので、インサーション管が既設管路の内面に接触することがない。したがって、インサーション管の外面に傷が発生することがなく、性能低下を防止できる。
【0016】
また、インサーション管,ワイヤ取付具および牽引ワイヤ等は、滑らかなコルゲート管の内面を挿通されるので、挿入抵抗を低減することができる。したがって、インサーション管に掛かる引張荷重を小さく抑えることができ、管の性能低下を防止できる。
【0017】
また、コルゲート管の挿入時においても、既設管路の内面との接触面積を小さく抑えることができるので、挿入抵抗を低減できる。このように、挿入抵抗が小さいので、引き込みのための各種装置(ウインチ等)を小型化できる。
【0018】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0019】
【実施例】
図1に示すこの実施例のインサーション工法は、たとえば図2に示すような既設管路10内にインサーション管12を挿入して、既設管路10を更新・更生するためのものである。このインサーション工法では、インサーション管12の挿入時等には、既設管路10の内面とインサーション管12の外面との間にコルゲート管14が介在される。
【0020】
既設管路10は、老朽化等により更新または更生を必要としているものである。既設管路10の用途および構成材料は種々のものが適用され得るが、たとえば、ガス,上下水道,通信ケーブル保護または電力ケーブル保護等の用途であってよいし、また、ダクタイル鋳鉄管,鋼管または塩ビ管のような合成樹脂管等から構成される管路であってよい。既設管路10は、図2に示すように、直線状に配管されている部分すなわち直管部16と、曲線状に,曲率を有してまたは屈曲して配管されている部分すなわち曲がり管部18とを含む。
【0021】
なお、既設管路10の配管状態は、埋設図や配管図等によって把握することができるし、また、たとえば電磁誘導法,地中レーダ法,音波探査法または管内観察用のカメラ等によって現地で既設管路10を調査することによっても把握可能である。
【0022】
既設管路10を更新する際には、まず、立坑20aおよび20bを掘削して、更新対象とする既設管路10の両端を立坑20aおよび20b内でそれぞれ開口させる。次に、終点の立坑20aおよび始点の立坑20bの近辺に、施工に必要な各種装置および挿入する管等を準備(搬入)する。
【0023】
たとえば、立坑20a側には牽引ワイヤ22を巻き取るためのウインチ24を配置する。一方、立坑20b側には、インサーション管12が巻き取られたドラム(図示せず)およびコルゲート管14が巻き取られたドラム26を準備する。また、ボイラ等の蒸気発生装置28も配置する。この蒸気発生装置28は供給管等を介してドラムに巻かれたインサーション管12またはコルゲート管14の後端と接続され、これによって、必要に応じて管内に所定温度に加熱し加圧した蒸気等が供給される。また、インサーション管12またはコルゲート管14を既設管路10に挿入する際には、終点の立坑20a側から牽引ワイヤ22を既設管路10内に挿通し、挿入すべき管の先端にワイヤ取付具等を介してこの牽引ワイヤ22を接続する。そして、牽引ワイヤ22をウインチ24で巻き取ることによって、挿入すべき管を既設管路10内に引き込むことができる。なお、図2では、コルゲート管14を挿入する際の初期の状態が示されており、ドラム26がセットされ、コルゲート管14に牽引ワイヤ22が接続されている。
【0024】
インサーション管12は、この実施例では、図3(B)に示すように、縮径加工により周方向の一部が押し込まれた断面略ハート形状を有する縮径管である。この略U字状の押し込まれた部分を押し込み部分30という。なお、縮径管としては、断面形状は略ハート状に限定されるものではなく、たとえば折畳まれて扁平化されたもの等であってもよい。インサーション管12の構成材料は、合成樹脂(ポリエチレン,ポリブテン,ポリプロピレン,ナイロン,塩化ビニル等)であるが、ここではポリエチレンの実施例を示す。インサーション管12は既設管路10の長さよりも長くされた長尺管であり、運搬・保管等を考慮してドラム(図示せず)に巻き取られる。
【0025】
このインサーション管12は、所定の温度に加熱しかつ加圧されることにより断面略真円形に復元される。インサーション管12は、復元したときの外径が既設管路10の内径とほぼ同じか小さいサイズとなるように設定されている。なお、この実施例では、更新管路においても既設管路10と同程度の内径寸法すなわち流量が要求される場合の例を示しており、このような場合には、インサーション管12としては縮径管を適用することによって、挿入時の接触を抑制して抵抗を低減し、曲がり管部18においても容易に挿通できるようにするのがよい。
【0026】
このインサーション管12は、従来公知の方法(特許文献1等)によって製造することができるので、その製造方法の詳細な説明は省略する。簡単に言えば、所定の径および形状で押出成形された直管に対して、軟化点以上融点以下の範囲における所定の温度(この実施例では、たとえば約100℃程度)に加熱して、押し板やローラ等を用いて縮径加工を施すことによって押し込み部分30を形成する。したがって、再び軟化点以上融点以下の温度に加熱することによって、押し込み部分30は外面側へ戻されて、所定形状(断面略真円形等)に復元する。また、復元後に断面が十分な真円となるインサーション管を製造するには、簡単に言えば、押し込まれる部分の曲率半径を復元後の曲率半径よりも小さくした直管を押出成形し、その後、縮径加工により押し込み部分を形成すればよい。この製造方法は特願2001−48054号に詳述されるので参照されたい。
【0027】
コルゲート管14は、図4(A)に示すように、その管壁がコルゲート形状または波形状等に形成され、山と谷とが軸方向に交互に連続して形成される。また、コルゲート管14の断面形状は、図4(B)に示すように、略円形にされる。コルゲート管14は、たとえばポリエチレン,ポリブテン,ポリプロピレン,ナイロンまたは塩化ビニル等の合成樹脂からなる。コルゲート管14も既設管路10の長さよりも長くされた長尺管であり、運搬・保管等を考慮してドラム26に巻き取られる。また、コルゲート管14の外面側に突出する凸部(山)の外径は、この実施例では、既設管路10の内径とほぼ同じかやや小さいサイズに設定される。このようなコルゲート管14は優れた曲げ施工性ないし屈曲性を有しており、既設管路10内に挿入されるときには曲がり管部18の曲率に追随して変形(屈曲)することができる。
【0028】
そして、図1(A)に示すように、この実施例では、まず、コルゲート管14を既設管路10内に挿入する。具体的には、牽引ワイヤ22を立坑20a側から既設管路10内に挿通し、ワイヤ取付具32を介してこの牽引ワイヤ22をコルゲート管14の先端に接続する。そして、ウインチ24によって牽引ワイヤ22を巻き取る。コルゲート管14はその先端が既設管路10の立坑20aに到達するまで挿入される。この挿入時には、コルゲート管14の管壁がコルゲート形状に形成されておりコルゲート管14と既設管路10の内面との接触面積が小さいので、挿入抵抗を小さく抑えることができる。また、コルゲート管14は屈曲性に優れるので、曲がり管部18においても容易に挿入される。挿入後は、立坑20bでコルゲート管14の後端を切断するとともに、立坑20aで牽引ワイヤ22およびワイヤ取付具32を取り外す。
【0029】
次に、図1(B)に示すように、インサーション管12を先に挿入されたコルゲート管14内に挿入する。具体的には、牽引ワイヤ22を立坑20a側からコルゲート管14内に挿通し、ワイヤ取付具34を介してこの牽引ワイヤ22を立坑20b側のインサーション管12に接続する。そして、ウインチ24を巻き取って、インサーション管12をその先端が立坑20aに到達するまで挿入する。
【0030】
なお、引き込み(挿入)の際には、必要に応じてたとえば蒸気発生装置28等を用いてインサーション管12を所定温度(約80℃程度)に加熱して軟化させ、インサーション管12を曲がり易くして挿入抵抗をさらに低減するようにしてもよい。なお、このときの加熱温度は、インサーション管12の押し込み部分30を形成したときの温度よりも低く設定されるので、この加熱によってインサーション管12が復元することはない。
【0031】
この挿入時には、インサーション管12はコルゲート管14内に挿入され、既設管路10の平滑でなく荒れた状態の内面と接触することがないので、表面に傷が発生するおそれがない。また、コルゲート管14の管壁がコルゲート形状でありインサーション管12とコルゲート管14との接触面積も小さいので挿入抵抗を低減できる。また、インサーション管12として縮径管を適用しているので接触および抵抗が抑制され、たとえば図5に示すように、曲がり管部18においても容易に挿入されることとなる。また、牽引ワイヤ22およびワイヤ取付具34についても、コルゲート管14内に挿通されるので、同様にして、挿入抵抗を低減することができる。また、図5に示すように、たとえば既設管路10の曲がり管部18において継手部の内面段差36が存在していても、この段差36に引っ掛かることもない。挿入後は、立坑20aで牽引ワイヤ22およびワイヤ取付具34を取り外す。
【0032】
続いて、図1(C)に示すように、コルゲート管14を既設管路10から引き抜く。具体的には、立坑20aでコルゲート管14の先端にワイヤ取付具32を介して牽引ワイヤ22を再び接続し、ウインチ24で巻き取って、既設管路10から取り去る。既設管路10内にはインサーション管12のみが残される。この引き抜き時にも、コルゲート管14と既設管路10の内面との接触面積が小さいので、引き抜き時の抵抗を低減できるのはいうまでもない。
【0033】
そして、図1(D)に示すように、インサーション管12を復元する。具体的には、蒸気発生装置28からインサーション管12内に蒸気を供給した後、所定圧力に加圧する。この蒸気の圧力は、インサーション管12が破裂しない程度(たとえば約0.1〜0.2MPa程度)に設定される。なお、必要に応じてインサーション管12の先端にキャップ等を装着して封止する。また、この蒸気の温度は、加圧によって所定温度に上昇するが、その温度は押し込み部分30を形成したときの温度と同程度(たとえば約100℃程度)に設定される。
【0034】
このようにして、インサーション管12は加熱されるとともに内圧がかけられ、その断面形状が真円または真円に十分に近い略真円形に復元する。なお、準備したインサーション管12の復元時の外径が既設管路10内径と略同じサイズに設定されている場合には、図1(D)に示すように、復元したインサーション管12の外周面の全体を既設管路10の直管部14の内周面の全体に略密着させることができる。つまり、この場合には既設管路10を更生(補修)できる。
【0035】
そして、たとえば所定時間経過後、内圧を保持した状態で、インサーション管12内に冷却空気を供給してインサーション管12を冷却する。冷却後、インサーション管12内から圧力空気を排出する。このようにして、インサーション管12によって、既設管路12の更新をすることができる。
【0036】
なお、インサーション管12の両端部は、既設管路10の長さに合わせて切断してもよいし、接続の相手方の管ないし管継手等との接続形態等に応じて、適宜長さを調整して切断するようにしてもよい。また、既設管路10をそのまま残置する場合、既設管路10はインサーション管12からなる更新管路の防護管(保護管)として機能する。
【0037】
この実施例によれば、インサーション管12の挿入時には、インサーション管12の外面と既設管路10の内面との間にコルゲート管14を介在させるようにしているので、インサーション管12の外面が既設管路10の内面に接触することがない。したがって、インサーション管12の外面に傷が発生することがなく、性能低下を防止できる。
【0038】
また、インサーション管12,牽引ワイヤ22およびワイヤ取付具34等は、既設管路10内面と比べて滑らかなコルゲート管14の内面を挿通されるので、挿入抵抗を低減することができる。したがって、インサーション管12に掛かる引張荷重を小さく抑えることができ、性能低下を防止できる。
【0039】
また、コルゲート管14の挿入時においても、既設管路10の内面との接触面積を小さく抑えることができるので、挿入抵抗を低減できる。このように、挿入抵抗を小さく抑えることができるので、ウインチ24等のような引き込みのための装置を小型化することができる。
【0040】
なお、上述の実施例では、コルゲート管14を既設管路10内から引き抜いて、その後、縮径管であるインサーション管12を復元するようにしているが、たとえば図6に示すように、コルゲート管14を既設管路10内から引き抜かずに残したままで、インサーション管12を復元するようにしてもよい。この場合には、コルゲート管14をインサーション管12からなる更新管路の保護管として利用することができる。たとえば既設管路10の老朽の度合が大きい場合や外部荷重が心配される場合等には、この実施例のようにコルゲート管14を残置するようにすればよい。なお、この実施例では、コルゲート管14内で復元されるので、インサーション管12が復元したときの外径をコルゲート管14の内面側に突出する凹部(谷)の内径とほぼ同等か小さく設定する。
【0041】
また、上述の各実施例では、既設管路10内にコルゲート管14を挿通した後に、そのコルゲート管14内にインサーション管12を挿入するようにしているが、既設管路10内には、コルゲート管14とインサーション管12とを同時に挿入するようにしてもよい。すなわち、たとえば図7に示す他の実施例のインサーション工法では、インサーション管12が予めコルゲート管14内に挿通された状態で既設管路10内に挿入される。つまり、図7(B)からよくわかるように、コルゲート管14を外管としインサーション管12を内管とした二重管を既設管路10内に挿入するようにしている。この場合にも、インサーション管12はコルゲート管14の内管としてこれに保護され、既設管路10の内面と接触することがない。したがって、インサーション管12に傷が発生するのを防止できる。また、コルゲート管14が外管であるため、挿入抵抗を低減できる。さらに、コルゲート管14とインサーション管12とを同時挿入するので、たとえば図1実施例のように別々に挿入する場合よりも挿入工程数を低減でき、施工性を向上できる。なお、この実施例では、予めインサーション管12をコルゲート管14内に挿通した二重管を準備する必要があり、また、ワイヤ取付具38にはコルゲート管14およびインサーション管12を同時に保持可能なものを適用する。
【0042】
また、上述の各実施例では、インサーション管12として、縮径加工を施して挿入後に復元させる縮径管を挿入するようにしているが、たとえば既設管路10に曲がり管部18が無い場合、あるいは、曲がり管部18があってもその曲率が小さくてほとんど直線状の直管部に近いような場合等には、たとえば図8に示すように、インサーション管12としては、縮径加工を施していない通常の断面略円形等の直管を適用するようにしてよい。この場合には、挿入後の復元工程を省略できるので施工性を向上できるし、また、縮径管を製造・準備する手間を省くことができる。なお、このインサーション管12の外径はコルゲート管14の内面側に突出する凹部(谷)の内径とほぼ同等か小さく設定されている。また、インサーション管12のためのワイヤ取付具34は断面略円形等のインサーション管12に取付可能なものが適用される。
【0043】
また、更新管路において既設管路10に比べて小さい流量を確保すればよくて、その径が挿入時の加熱等によって曲がり管部18を有する既設管路10であっても挿入可能な程度である場合等にも、インサーション管12としては上述のような縮径加工を施さない通常の断面略円形等の直管を適用することができる。
【0044】
また、上述の各実施例では、製造および施工時の各温度設定は、インサーション管12の構成材料がポリエチレンの場合の一例を示しているが、インサーション管12を他の合成樹脂材料(たとえばポリブテン,ポリプロピレン,ナイロン,塩化ビニル等)で構成する場合には、上述の各実施例と同様に、その合成樹脂材料の融点および軟化点に従って、押し込み部分の成形および復元ならびに挿入時の軟化等を適切に行えるような各温度をそれぞれ選定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す図解図であり、(A)は既設管路にコルゲート管を挿入する工程を示し、(B)はコルゲート管内にインサーション管を挿入する工程を示し、(C)はコルゲート管を引き抜く工程を示し、(D)はインサーション管を復元する工程を示す。
【図2】既設管路内へコルゲート管を引き込む際の初期の状態を示す図解図である。
【図3】図1実施例に適用されるインサーション管を示す図解図であり、(A)は正面図であり、(B)は(A)におけるIIIB−IIIB断面図である。
【図4】図1実施例に適用されるコルゲート管を示す図解図であり、(A)は一部断面化した正面図であり、(B)は(A)におけるIVB−IVB断面図である。
【図5】図1実施例で曲がり管部へインサーション管を引き込む際の状態を示す図解図である。
【図6】この発明の他の実施例におけるインサーション管を復元する工程を示す図解図である。
【図7】この発明の他の実施例の一部を示す図解図であり、(A)はインサーション管とコルゲート管とを同時に挿入する工程を示し、(B)は(A)におけるVIIB−VIIB断面図である。
【図8】この発明の他の実施例の一部を示す図解図であり、(A)はインサーション管を挿入する工程を示し、(B)は(A)におけるVIIIB−VIIIB断面図である。
【符号の説明】
10 …既設管路
12 …インサーション管
14 …コルゲート管
Claims (4)
- 既設管路にインサーション管を挿入するインサーション工法であって、
(a)前記既設管路内にコルゲート管を挿入するステップ、および
(b)前記コルゲート管内にインサーション管を挿入するステップを備える、インサーション工法。 - 既設管路にインサーション管を挿入するインサーション工法であって、
(c)前記既設管路内にコルゲート管とインサーション管とを同時に挿入するステップ、および
(d)前記コルゲート管を前記既設管路から引き抜くステップを備える、インサーション工法。 - 既設管路にインサーション管を挿入するインサーション工法であって、
(e)コルゲート管内に縮径加工を施したインサーション管を挿通するステップ、
(f)前記既設管路内に前記コルゲート管と前記インサーション管とを同時に挿入するステップ、および
(g)前記インサーション管を加熱しかつ内圧をかけて、当該インサーション管を円形管に復元するステップを備える、インサーション工法。 - 前記ステップ(g)の前に、前記コルゲート管を前記既設管路から引き抜くステップをさらに備える、請求項3記載のインサーション工法。
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JP2004232674A (ja) | 2004-08-19 |
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