JP3183456B2 - クロック再生回路及びこれを用いた受信装置 - Google Patents

クロック再生回路及びこれを用いた受信装置

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JP3183456B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相変調信号の復
調器にクロック再生回路に関し、特に、多相位相変調
(多相PSK)信号や多値直交振幅位相変調(多値QA
M)信号のクロック再生回路及びこれを用いた受信装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の多値QAM復調器等においては、
復調出力であるベースバンド信号からクロック再生回路
によりクロック信号を再生して出力データを復調、再生
するように構成されている。
【0003】図10は、このような受信装置の基本構成
を示すブロック図である。入力端子80に印加された多
値QAM信号等の受信信号は、同期検波回路81におい
て位相が直交する2つの搬送波を用いて復調されベース
バンドの復調データとして出力される。それぞれの出力
は、それぞれ多値識別回路82、83において再生クロ
ックにより多値レベル信号として識別され、位相平面の
直交軸上のI及びQ出力となる。また、同期検波回路8
1の一方の出力は、クロック位相誤差検出回路84に入
力され該出力からクロック信号の位相誤差信号が生成さ
れる。位相誤差信号はループフィルタ85を介して電圧
制御発振器VCO86に印加され、電圧制御発振器VC
O86の出力位相は前記復調データ信号に含まれるクロ
ック位相に一致するように制御される。
【0004】従来、クロック位相誤差の検出回路として
は、クロック信号により復調データから検出される隣接
するシンボルの中間点の信号値を、ゼロレベルをリファ
レンスとして検出する構成のゼロクロス法が知られてい
る。
【0005】図11は、このようなクロック再生回路に
おける位相誤差信号の検出回路の一例を示すブロック図
である(特開平6−276247号公報参照)。
【0006】クロック再生回路の誤差信号の検出回路
は、入力端子91から供給される多値QAMの復調デー
タのI(又はQ)信号aを多値QAM変調時の標本化周
波数の2倍の周波数のクロックで遅延させる2つの遅延
回路92、93と、入力端子91から供給される現在の
I(又はQ)信号aから遅延回路92、93により2ク
ロックだけ遅延したI(又はQ)信号bを減算する減算
回路94と、この減算回路94の減算結果に応じて遅延
回路92により1クロック遅延したI(又はQ)信号c
の符号を反転又は非反転する符号反転回路96と、前記
減算回路94の減算結果の絶対値が端子101から供給
される第1のしきい値よりも大きいか否かを判定する第
1の判定回路95と、入力端子91から供給される現在
のI(又はQ)信号aと遅延回路92、93により2ク
ロック遅延されたI(又はQ)信号bを加算する加算回
路98と、この加算回路98の加算結果が端子102か
ら供給される第2のしきい値よりも小さいか否かを判定
する第2の判定回路99と、第1の判定回路95及び第
2の判定回路99の判定結果に応じて符号反転回路96
からの信号の通過を制御するゲート回路97とから構成
され、出力端子100から出力される位相誤差検出信号
をループフィルタを介してクロック発生回路としての図
示しない電圧制御発振器VCOを制御し、電圧制御発振
器VCOから再生クロックを出力する。
【0007】次に、図11に示す誤差信号検出回路の動
作を説明する。
【0008】減算回路94は、信号aと信号bとの減算
結果により符号反転回路96を制御し、信号cから検出
される位相誤差信号の符号を信号aから信号bへの信号
の変化方向により切換える。これにより、符号反転回路
96は信号aから信号bへの変化が正か負かに拘わらず
一定極性の誤差信号を出力する。
【0009】判定回路95は、前記減算結果が端子10
1から与えられたしきい値より大きいか否かを判断し
て、信号aから信号bへの信号変化幅の大きい場合にの
み信号cから位相誤差信号を出力するようにゲート回路
97を制御する。
【0010】加算回路98及び判定回路99は、信号a
と信号bとの加算結果が端子102から与えられたしき
い値より小さいか否かを判定し、ゲート回路97のゲー
トの開閉を行う。これにより、ゲート回路97は、信号
aから信号bへの信号レベルの変化がゼロレベルに対し
て略対称関係にある場合にのみ信号cから位相誤差信号
を出力する。
【0011】この結果、図11に示す回路は、信号a及
び信号bの変化がゼロレベルに対して対称で大きな変化
を起こす場合にのみ、信号cからクロック発生回路に負
帰還制御が可能な極性の位相誤差を検出し出力端子10
0から位相誤差信号を出力するように動作する。
【0012】また、図12は、他の位相誤差信号の検出
回路を用いたクロック再生回路の例を示すブロック図で
ある(特開平9−27829号公報参照)。位相誤差信
号として、復調データから検出される隣接するシンボル
の平均値をリファレンスとして、隣接するシンボルの中
間の信号値からの差を演算する方式である。
【0013】同図のクロック再生回路における誤差信号
の検出回路は、入力端子111から供給される多値QA
Mの復調信号のI(又はQ)信号Aをクロック信号の2
倍の周波数のクロックで遅延させる2つのD型フリップ
フロップを用いた遅延回路112、113と、入力端子
111から供給される現在のI(又はQ)信号Aと遅延
回路112、113により2クロックだけ遅延されたI
(又はQ)信号Bとの平均値(A+B)/2を算出する
予測値検出演算回路114と、この予測値検出演算回路
114の出力と遅延回路112の出力Cとの減算を行う
減算処理回路115とを有する。また、同様な構成の遅
延回路116、117と、入力端子111から供給され
る現在のI(又はQ)信号Aと遅延回路116、117
により2クロック遅延したI(又はQ)信号Bとの減算
値(A−B)を算出する減算処理回路118と、該減算
処理回路118の出力(A−B)と減算処理手段115
の出力{(A+B)/2−C}とを乗算する乗算処理回
路119から構成されている。
【0014】次に、図12に示す誤差信号の検出回路の
動作を説明する。
【0015】予測値検出演算回路114は、隣接するシ
ンボルの信号Aと信号Bの平均値(A+B)/2を位相
誤差信号の予測値として出力する。また、減算処理回路
115は、隣接するシンボルの中間の信号値を信号Cか
ら検出して出力(A+B)/2との差{(A+B)/2
−C}を求める。この減算処理では、隣接するシンボル
の中間値をリファレンスとして誤差信号を求めることに
なる。一方、減算処理回路118は、信号Aと信号Bと
の差を求めることにより、隣接するシンボル間の変化の
方向及びその変化幅の情報を有する信号(A−B)を出
力する。
【0016】乗算処理回路119は、両減算処理回路1
15、118の出力を乗算することにより、クロック信
号の位相を制御する位相誤差信号を生成し出力端子12
0に出力する。出力端子120からの位相誤差信号をル
ープフィルタを介してクロック発生回路としての電圧制
御発信器VCOを制御し、VCOから発生される再生ク
ロックの位相を制御する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】図11に示すようなゼ
ロクロス法に基づく方式は、多値PSKや多値QAMに
適用した場合、多値数が増えるほどゼロクロス点のずれ
の検出が困難となる。また、誤差信号の検出は隣接する
シンボル間の信号の変化がゼロレベルに対して対称関係
にあり、かつ信号レベルが大きいときに限られて行われ
るので、誤差信号のサンプル頻度が荒くなり再生クロッ
クにジッタ誤差が生じるという問題がある。
【0018】また、図12に示すような隣接するシンボ
ル間の信号の平均値を基準として前記シンボルの中間時
点の信号値からの差を検出する方式は、シンボル間の信
号の変化がゼロレベルに対して対称関係でない場合にも
誤差信号を検出することが可能でありサンプル頻度を向
上させることが可能である。しかし、この方式は、シン
ボル間の信号の変化が直線的なものであることと、復調
データから検出されるシンボルの値が理想的値を有する
ものと仮定するものであるが、実際にはいずれもかなり
の誤差を伴うものでありリファレンスとしての精度は不
十分であるから位相誤差検出の精度も不十分なものとな
るという問題があった。
【0019】(発明の目的)本発明は、再生クロックの
位相誤差の検出頻度及び精度を向上させ再生クロックの
ジッタ成分を少なくすることを可能とするクロック再生
回路を提供することを目的とする。
【0020】本発明は、多値位相変調信号又は多値位相
振幅変調信号に対してジッタ成分の少ないクロックを再
生し復調データを再生することを可能とする受信装置を
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のクロック再生回
路は、多値位相変調信号又は多値直交振幅変調信号の復
調データからクロック信号を再生するクロック再生回路
において、クロック信号により復調データから検出され
る隣接するシンボルの中間時点の信号値を出力する第一
の出力手段と、復調データを正規の多値レベルの信号に
変換した後、信号伝送路の特性と近似するロールオフ特
性を有する帯域制限用のフィルタを介して得た信号の前
記中間時点の信号値を出力する第二の出力手段と、前記
両信号値の差分値に基づいて位相誤差信号を生成する演
算手段と、前記位相誤差信号によりクロック信号の位相
が制御されるクロック発生手段とを有する。
【0022】また、前記クロック再生回路において、前
記演算手段は、隣接するシンボル間の変化方向を判定
し、隣接するシンボルの間の変化方向に拘わらず前記差
分値の極性を一定にする符号反転手段を有し、また、第
一の出力手段は、受信データを入力とする、それぞれク
ロック信号の1/2周期遅延する直列接続された第一及
び第二の遅延手段を有し、前記直列接続点からシンボル
の中間時点の信号値を出力する構成とし、また、前記演
算手段は、前記隣接するシンボル間の変化幅を判定し
て、前記変化幅が一定値以下の場合の前記差分値を廃棄
するゲート手段を有する構成とすることができる。
【0023】本発明の受信装置は、多値位相変調信号又
は多値直交振幅変調信号を復調しデジタルデータを再生
する受信装置において、前記復調又は再生に用いるクロ
ック信号を出力するクロック再生回路を有し、該クロッ
ク再生回路は、クロック信号により検出される復調デー
タの隣接するシンボルの中間時点の信号値を出力する第
一の出力手段と、復調データを正規の多値レベルの信号
に変換した後、信号伝送路の特性と近似するロールオフ
特性を有する帯域制限用のフィルタを介して得た信号の
前記中間時点の信号値を出力する第二の出力手段と、前
記両信号値の差分値に基づいて位相誤差信号を生成する
演算手段と、前記位相誤差信号によりクロック信号の位
相が制御されるクロック発生手段とを有する。
【0024】また、前記受信装置において、前記演算手
段は、隣接するシンボル間の変化方向を判定し、隣接す
るシンボルの間の変化方向に拘わらず前記差分値の極性
を一定にする符号反転手段を有し、また、前記演算手段
は、前記隣接するシンボル間の変化幅を判定して、前記
変化幅が一定値以下の前記差分値を廃棄するゲート手段
を有する構成とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のクロック再生回路及びこ
れを用いた受信装置の一実施の形態について以下詳細に
説明する。
【0026】図1は、本実施の形態のクロック再生回路
を示すブロック図である。
【0027】図1において、本実施の形態は、入力端子
1に接続されたビット判定回路2と、ビット判定回路2
に直列接続されたクロック間隔の遅延時間を有する遅延
回路3,4,5と、前記ビット判定回路2及び遅延回路
3,4,5の出力を入力とする演算回路10と、入力端
子1に接続されたクロック間隔の1/2の遅延時間を有
する遅延回路6,7,8,9と、前記遅延回路8の出力
と前記演算回路10の出力の差を出力する減算回路13
と、前記遅延回路6,7,8,9の中央出力に相当する
遅延回路7の出力と最終遅延出力の前記遅延回路9の出
力を入力とし、各信号のレベルに対する判定を行う第1
の判定回路11及び第2の判定回路12と、第1の判定
回路11の出力により前記減算回路13の出力信号の極
性を制御する符号反転回路14と、前記第2の判定回路
12の出力により前記符号反転回路の出力を開閉するゲ
ート回路15とから構成されている。
【0028】本実施の形態の構成において、入力端子1
には多値PSK信号又は多値QAM信号から復調された
ベースバンド信号が入力される。ビット判定回路2は、
入力信号に対し各多値レベルに応じ量子化を行い理想的
な多値信号に変換する機能を有する。遅延回路3,4,
5と演算回路10は、全体として伝送路特性と類似のロ
ールオフ特性を有するフィルタとしての機能を有する。
判定回路11は、遅延回路7の出力信号aと1データ間
隔遅れた出力信号bの変化の方向を検出して、その中間
時点の信号cから検出される誤差信号の極性を制御する
機能を有する。第2の判定回路12は、前記出力信号
a,bに基づき位相誤差信号として不要なサンプルを除
去する機能を有する。
【0029】次に、図1に示す本実施の形態の動作につ
いて説明する。
【0030】遅延回路6、7、8、9は遅延時間がそれ
ぞれデータのクロック間隔の1/2に設定されている。
従って、直列接続された遅延回路の出力の関係は、ある
時点で出力信号a及びbがシンボル点を示すとすると出
力信号cは隣接するシンボルの中間点であり、この中間
点における信号値と基準となる信号値との差を検出する
ことでクロック信号の位相誤差を表す位相誤差信号を生
成することができる。
【0031】本実施の形態では後述するようにこの基準
となる信号を前記ビット判定回路2及び遅延回路3、
4、5及び演算回路10により出力する。
【0032】第1の判定回路11は、クロック発生回路
から出力される再生クロックの位相と、当該位相が本来
の位相に対する誤差に相当する前記位相誤差信号を前記
クロック発生回路に負帰還し正しい位相に自動調整する
ことができるように前記位相誤差信号の極性を調整す
る。つまり、第1の判定回路11は、隣接するシンボル
点の信号レベルを比較することにより誤差信号がクロッ
ク発生回路が出力するクロックの位相がゼロになる方向
に制御するように、出力信号Cから得られる誤差信号の
極性を、隣接するシンボルの変化方向により切り替え
る。より具体的には、第1の判定回路11は、出力信号
aと出力信号bの差信号の極性を判断することにより隣
接するシンボル間の信号変化の方向を検出する。
【0033】更に、第2の判定回路12は、隣接するシ
ンボル間の信号レベル差が少ない場合等に検出される誤
差信号を、出力することを回避することを可能とする。
多値になるほどシンボル間の信号レベル差が少なくなる
ので、位相誤差の検出不要な事象が発生する場合に用い
られる。第2判定回路12は、このような場合に設けら
れ符号反転回路14からの不要な検出出力をゲート回路
15により阻止する。
【0034】次に、ビット判定回路2は、入力信号をビ
ット判定により理想的なデータ信号に変換するものであ
り、電圧比較ないし量子化動作により入力信号を多値に
応じた本来の信号レベルに成形する。
【0035】図2は、ビット判定回路2の構成例を示す
ものである。同図の回路は、入力信号I(又はQ)の符
号を検出する符号検出回路21と、入力信号の絶対値|
I|を出力する絶対値回路22と、絶対値|I|のモジ
ュロ(法)演算を行う除算回路23と、各回路の出力の
加減演算を行う減算回路24及び加算回路25、26と
から構成される。
【0036】入力信号は多値QAM信号の復調出力I
(又はQ)とすると、位相平面上においてI(又はQ)
のとりうる信号レベルは、例えば、理想値として(2n
+1)α(n=0,±1,±2,………)と表すことが
できる。しかし、受信装置における実際の復調出力は理
想値からずれるため、その値をβとすると入力信号の各
シンボルの値I(又はQ)は、 I=(2n+1)α+β(n=0,±1,±2,……
…) と表される。
【0037】このような入力信号を符号検出回路21及
び絶対値回路22を介して得られる信号値|I|を除算
回路23において2・αで除算しその剰余を求める(モ
ジュロ2・A演算)と(α+β)が得られるので減算回
路24の出力は|2n・α|となる。αは既知の値であ
るから加算回路25で前記出力にαを加算すると(|2
nα|+α)が得られる。この信号値に符号検出回路2
1で検出した入力信号の符号を与えることにより、入力
信号の理想値±(2n+1)αが得られる。
【0038】具体的なビット判定回路2の構成として
は、量子化回路乃至比較器により構成することが可能で
ある。例えば、64QAM信号の場合の直交軸の何れの
理想値も、8ビットデータでは、 54(00111000) 40(00101000) 24(00011000) 8(00001000) −8(11111000) −24(11101000) −40(11011000) −56(11001000) と表せるので、ビット判定回路は実際の任意の入力デー
タをIとすると、8ビットの各々の演算としてより簡単
に、 O={I(XXXXXXXX)&(1111000
0)}|(00001000) で表すことができる。ただし、上式において、&は各ビ
ット間の論理積演算を、また、|は各ビット間の論理和
演算をそれぞれ表している。
【0039】具体的な多値信号の数値例として、I=6
0(00111100)の場合を演算すると、まず、
(00111100)と(11110000)とを論理
積演算を行い、 (00111100)&(11110000)=(00
110000) となり、更に、演算結果(00110000)と(00
001000)とを論理和演算を行い、 (00110000)|(00001000)=(00
111000) となる。
【0040】従って、このような演算を実現する論理回
路は、図3に示すような入力データの下位4ビットに対
して論理積回路31〜34及び論理和回路35を有する
論理回路で構成することが可能である。
【0041】次に、ビット判定回路2の出力Aは、1ク
ロック間隔の遅延時間を有する複数の遅延回路3、4、
5に入力され、各遅延回路からは順次遅延出力B、C、
Dが生成される。各遅延出力は、演算回路10に入力さ
れ、演算回路では図4に示すような乗算器41、42、
43、44において係数発生器46、47、48、49
からの係数regが乗算され、更に加算器45で加算さ
れる。前記遅延回路及び演算回路は、トランスバーサル
型フィルタを構成しており好適には多値QAM信号の伝
送路特性を実現する。この場合、加算回路45の出力E
は、理想値の信号が信号伝送路を伝送されたと同等な信
号特性を示すことになり前記遅延回路8の出力cに対す
る最適なリファレンス信号となる。
【0042】減算回路13においては、信号E及び信号
cの差信号の出力Fを得ることにより、クロック信号の
本来の位相に対する精度の高い位相誤差信号が生成され
る。減算回路13の出力Fは、符号反転回路14を介し
て位相誤差信号をクロック発生回路に対する負帰還制御
が可能な極性にし、また、その出力はゲート回路15に
おいて位相誤差信号として不要なサンプルを除去して出
力端子16に出力することは上述のとおりである。
【0043】次に、本実施の形態のクロック再生回路の
制御動作の原理を図5及び図6により説明する。
【0044】図5及び図6は、時間軸上の入力信号の状
態変化を表すものであり、実際の伝送路を介して受信さ
れる、多値QAM信号の復調データである実際の入力信
号と、前記入力信号をビット判定回路2において理想的
データとし、更に実際の伝送路特性と同等な特性を有す
るフィルタを通した理想データとを表している。
【0045】同図において、各データ上のA,B,C,
D及びa,bはシンボル点を示しており、また、図1の
遅延回路2、3の出力信号B,C及び演算回路10の出
力信号Eは、遅延回路7と遅延回路9の出力信号a,b
及び遅延回路8の出力信号cとタイミング的に一致する
ので、シンボル点の関係はBとa、Cとc、Eとeとが
対応する。
【0046】同図において、クロック発生回路のクロッ
ク位相が正常であれば、実際の入力データと理想データ
とはほぼ一致し、特に、シンボル点Bとa、Cとbのず
れはフィルタ特性により極小にすることが可能である。
実際にはクロック信号の位相が本来の位相よりずれるの
で各データは異なる形状となる。
【0047】図5(a)、(b)は、クロック信号が進
んだ場合の状態を表している。図1における減算回路1
3において、実際のデータにおける出力cとリファレン
スとなる理想データとの関係から位相誤差が検出され
る。隣接するシンボル間にa>bの関係がある場合は、
理想データの値Eとの間で位相誤差(E−c)が検出さ
れ、また、隣接するシンボル間にa<bの関係がある場
合は、理想データの値Eとの間で位相誤差(c−E)が
検出される。
【0048】同様に、図6(a)、(b)は、クロック
信号が遅れた場合の状態を表している。隣接するシンボ
ル間にa>bの関係がある場合は、理想データの値Eと
の間で位相誤差(c−E)が検出され、また、隣接する
シンボル間にa<bの関係がある場合は、理想データの
値Eとの間で位相誤差(E−c)が検出される。
【0049】図5(a)、(b)及び図6(a)、
(b)からわかるように、それぞれ、クロックの位相ず
れの方向が同じであるにもかかわらず隣接するシンボル
の組み合わせの相違により位相誤差の極性が異なるの
で、符号反転回路14により信号a、bの大小関係に影
響なく同一方向に位相誤差を補正するように位相制御を
行うことができるように位相誤差信号の極性を揃える。
このために信号a,bの関係を第1の判定回路により判
定され符号反転回路14はその結果により上述のように
制御される。
【0050】このように、理想データの隣接するシンボ
ルの中間の信号値Eをリファレンスとして利用する構成
により、次のような利点を有する。
【0051】隣接するシンボルの中間のゼロクロスから
のずれを検出する方式と異なり、位相誤差の検出点とし
てシンボルの信号値a,bがゼロレベルに対して対称で
あるというような制約を伴わないので、基本的には信号
値a,bのすべての組み合わせの事象の場合でも位相誤
差の検出が可能である。
【0052】このことは、位相誤差信号の検出頻度を高
めることを可能とすることを意味しクロック信号のジッ
タを十分に低減することを可能にする。
【0053】また、入力信号そのものの隣接するシンボ
ルの信号値の単なる加算平均値を位相誤差信号のリファ
レンスとする方式と異なり、理想データに基づいてリフ
ァレンスを生成するものであるから、精度の高い位相誤
差信号を検出することが可能である。
【0054】次に、前記クロック再生回路を適用した本
発明の受信装置について説明する。
【0055】図7及び図8は、上述のクロック再生回路
を用いた本発明の多値QAM信号等の受信装置の一実施
の形態を示すブロック図である。
【0056】図7に示す本実施の態様の受信装置は、入
力端子51から多値QAM信号等の受信信号を入力し、
準同期直交検波回路52において再生搬送波により、準
同期直交検波を行う。同期検波出力はそれぞれA/D変
換回路53、54によりクロック周波数によりサンプリ
ングし検波出力をA/D変換して出力する。A/D変換
回路からのデジタル出力は複素乗算回路55においてそ
の残留する搬送波成分を除去し本来の直交成分とし、更
に低周波通過フィルタ56、57を介してI及びQ信号
を出力する。
【0057】クロック再生回路58は、前記I(又は
Q)信号を入力として再生クロック信号の位相誤差を検
出して内部の電圧制御発振器の発信位相を制御して前記
A/D変換回路53、54等の前記基準信号を出力す
る。
【0058】クロック再生回路58は、図8に示すよう
な位相同期回路で構成される。位相誤差検出回路62
は、図1に示すような構成を有し各遅延回路の動作は電
圧制御発振器の出力周波数により制御される。位相誤差
信号はループフィルタ63を介してクロック発生回路と
しての電圧制御発振器64に印加され発振位相の負帰還
制御が行われる。
【0059】図9は、I信号及びQ信号を利用するもの
であり、2つの位相誤差検出回路65、66の出力の合
成値により位相同期を行うように構成したものである。
加算回路67により各位相誤差検出回路65、66の出
力を加算してループフィルタ53に誤差信号を出力す
る。I及びQ出力から位相誤差信号を生成することで、
位相誤差信号の精度及びループ利得を向上させることが
可能である。
【0060】以上説明した実施の形態では、ビット判定
回路の出力部のフィルタとしてトランスバーサル型フィ
ルタを用いたが、このフィルタには他の受動フィルタや
能動フィルタ等を用いることが可能である。また、トラ
ンスバーサル型フィルタを採用する本実施の形態では、
複数の遅延回路3、4、5として3段構成の例を説明し
たが、段数をより多くすることにより伝送路特性をより
高精度に近似することができ、より高精度のリファレン
スを得ることが可能である。なお、この場合、遅延回路
6、7、8、9…側の段数は前記遅延回路3、4、5…
側に併せて両系統のタイミングをそろえる必要があるこ
とは云うまでもない。また、遅延回路としては、再生ク
ロック信号に同期した信号により入力信号をシフト動作
するD型フリップフロップを用いることも可能である。
【0061】また、ビット判定回路は、入力信号の中間
レベルを理想的多値レベルに量子化するものであればよ
いので、この回路としては中間レベルの信号を各多値レ
ベルに変換することが可能な多値レベルに対応する量子
化の出力を発生する多段型の比較器を用いて構成するこ
とが可能である。
【0062】更に、信号a,bの変化方向を判定する判
定回路11に代えて、両信号の減算値(差信号)を求め
る減算回路を用い、また、符号反転回路に代えて図12
に示すような乗算回路を用いることにより、前記減算値
(a−b)と出力Fとを乗算するように構成することが
できる。このような構成とすると信号a,bの変化方向
に加えて変化幅の情報を重み付けとして利用することが
可能となり、信号a,bの変化幅を位相誤差信号に反映
させることができるという利点を有する。
【0063】また、本発明の基本原理によれば、前記実
施の形態に示すように位相誤差の検出点が制限されるこ
とは無いので、ゲート回路15では全ての隣接するシン
ボル間の中間値をサンプリングするように構成すること
ができる。
【0064】
【発明の効果】本発明のクロック再生回路によれば、リ
ファレンス信号を受信データから作成した理想データに
基づいて生成するので、位相誤差検出の頻度を上げると
ともに、位相誤差検出の精度を上げることが可能であ
り、再生クロックのジッタ成分を少なくすることが可能
である。
【0065】また、復調データを量子化することにより
理想データとし伝送路特性と同じロールオフ特性のフィ
ルタを介することによりリファレンス信号自体も高精度
に生成することができるので、再生クロック信号の位相
精度を向上させることができる。
【0066】更に、本発明の受信装置によれば、ジッタ
の少ないクロック信号により多相位相変調信号及び多値
直交振幅位相変調信号等を高精度に復調し、受信データ
を再生することが可能である。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のクロック再生回路を示
すブロック図である。
【図2】本実施の形態のビット判定回路の構成例を示す
ブロック図である。
【図3】ビット判定回路のより具体的な構成例を示すブ
ロック図である。
【図4】本実施の形態のフィルタの演算回路の構成を示
すブロック図である。
【図5】クロック再生回路における再生クロックが進ん
だ場合の理想データと実際のデータとの関係を示す図で
ある。
【図6】クロック再生回路における再生クロックが遅れ
た場合の理想データと実際のデータとの関係を示す図で
ある。
【図7】クロック再生回路を適用した多値QAM信号の
受信装置を示すブロック図である。
【図8】クロック再生回路の構成例を示すブロック図で
ある。
【図9】クロック再生回路の他の構成例を示すブロック
図である。
【図10】従来の多値QAM信号の受信装置を示すブロ
ック図である。
【図11】従来のゼロクロス法によるクロック再生回路
の位相誤差検出回路の構成を示すブロック図である。
【図12】従来の他のクロック再生回路の位相誤差検出
回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、20、30、51、61、51 入力端子 2 ビット判定手段 3、4、5 遅延回路 6、7、8、9 遅延回路 10、23 演算回路 11、12 判定回路 13、24減算回路 14 符号反転回路 15 ゲート回路 16、27、65 出力端子 21 符号検出回路 22 絶対値回路 25 加算回路 26、41、42、43、44 乗算回路 31、32、33、34、35 論理回路 46、47、48、49 係数回路 52 準同期直交検波回路 53、54 A/D変換回路 55 複素乗算回路 56、57 フィルタ 58 クロック再生回路 62 位相誤差検出回路 63 ループフィルタ 64 電圧制御発振器 71、72 位相検出回路 73 加算回路 74 ループフィルタ 75 電圧制御発振器 80 受信信号 81 同期検波回路 82、83 多値識別回路 84 クロック位相誤差検出回路 85 ループフィルタ 86 電圧制御発振器 91、111 入力端子 92、93 遅延回路 94 減算回路 95、99 判定回路 96 符号反転回路 97 ゲート回路 98 加算回路 100、120 出力端子 101、102 基準電圧端子 112、113、116、117 遅延回路(D型フリ
ップフロップ) 114 予測値検出演算回路 115、118 演算処理回路 119 乗算処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/38 H04L 7/00 H04L 27/22

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多値位相変調信号又は多値直交振幅変調
    信号の復調データからクロック信号を再生するクロック
    再生回路において、 クロック信号により復調データから検出される隣接する
    シンボルの中間時点の信号値を出力する第一の出力手段
    と、復調データを正規の多値レベルの信号に変換した
    後、信号伝送路の特性と近似するロールオフ特性を有す
    帯域制限用のフィルタを介して得た信号の前記中間時
    点の信号値を出力する第二の出力手段と、前記両信号値
    の差分値に基づいて位相誤差信号を生成する演算手段
    と、前記位相誤差信号によりクロック信号の位相が制御
    されるクロック発生手段とを有することを特徴とするク
    ロック再生回路。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、隣接するシンボル間の
    変化方向を判定し、隣接するシンボルの間の変化方向に
    拘わらず前記差分値の極性を一定にする符号反転手段を
    有することを特徴とする請求項記載のクロック再生回
    路。
  3. 【請求項3】 第一の出力手段は、受信データを入力と
    する、それぞれクロック信号の1/2周期遅延する直列
    接続された第一及び第二の遅延手段を有し、前記直列接
    続点からシンボルの中間時点の信号値を出力することを
    特徴とする請求項記載のクロック再生回路。
  4. 【請求項4】 前記演算手段は、前記隣接するシンボル
    間の変化幅を判定して、前記変化幅が一定値以下の場合
    の前記差分値を廃棄するゲート手段を有することを特徴
    とする請求項記載のクロック再生回路。
  5. 【請求項5】 多値位相変調信号又は多値直交振幅変調
    信号を復調しデジタルデータを再生する受信装置におい
    て、 前記復調又は再生に用いるクロック信号を出力するクロ
    ック再生回路を有し、該クロック再生回路は、クロック
    信号により検出される復調データの隣接するシンボルの
    中間時点の信号値を出力する第一の出力手段と、復調デ
    ータを正規の多値レベルの信号に変換した後、信号伝送
    路の特性と近似するロールオフ特性を有する帯域制限用
    のフィルタを介して得た信号の前記中間時点の信号値を
    出力する第二の出力手段と、前記両信号値の差分値に基
    づいて位相誤差信号を生成する演算手段と、前記位相誤
    差信号によりクロック信号の位相が制御されるクロック
    発生手段とを有することを特徴とする受信装置。
  6. 【請求項6】 前記演算手段は、隣接するシンボル間の
    変化方向を判定し、隣接するシンボルの間の変化方向に
    拘わらず前記差分値の極性を一定にする符号反転手段を
    有することを特徴とする請求項記載の受信装置。
  7. 【請求項7】 前記演算手段は、前記隣接するシンボル
    間の変化幅を判定して、前記変化幅が一定値以下の前記
    差分値を廃棄するゲート手段を有することを特徴とする
    請求項5又は6記載の受信装置。
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