JP3183136B2 - 正特性サーミスタ発熱体 - Google Patents

正特性サーミスタ発熱体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気等の流体を加熱
する目的で用いられる正特性サーミスタ発熱体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】以下に従来の正特性サーミスタ発熱体に
ついて説明する。
【0003】図4は従来の正特性サーミスタ発熱体の斜
視図であり、図5、図6は従来の正特性サーミスタ素子
を示す。図4〜図6において、1は四角形状をした正特
性サーミスタ素子であり、両主平面にはアルミニウム溶
射による電極2が設けられている。3は複数個並べられ
た上記正特性サーミスタ素子1の両主平面に固着された
アルミニウム等の金属放熱体で、波型に曲げることによ
り通気孔を設けてある。4は正特性サーミスタ素子1に
電気を供給するための端子である。5は上記正特性サー
ミスタ素子1と金属放熱体3を固着する接着剤であり、
これにより上記正特性サーミスタ素子1と金属放熱体3
が導通されている。正特性サーミスタ発熱体における正
特性サーミスタ素子1の電極部2と金属放熱体3との接
触は電気的な接続をし、絶縁性の接着剤5によって正特
性サーミスタ素子1の電極部2と金属放熱体3とを固着
させる。金属放熱体3と正特性サーミスタ素子1との熱
的な結合(以下、熱結合という)や電気的接触の程度を
高めるために、正特性サーミスタ素子1の両面に図5、
図6のごとく凹凸をつけ、その表面上にアルミニウム溶
射による電極部2を形成し、電極部2の凸部6と金属放
熱体3と接触することで熱結合や電気的接触の程度を高
めている。また、凹部7には絶縁性の接着剤5を拡散さ
せることにより、接着剤5を介して正特性サーミスタ素
子1と金属放熱体3との接着強度の程度を高めていた。
【0004】以上のように構成された正特性サーミスタ
発熱体について、以下その動作について説明する。ま
ず、端子4に電圧を印加する。金属放熱体3は電極をか
ねており、正特性サーミスタ素子1は凸部6と金属放熱
体3と導通しているので、電圧が印加される。熱は正特
性サーミスタ素子1の凸部6を介して金属放熱体3に伝
わり、正特性サーミスタ発熱体全体が加熱される。その
時、金属放熱体3の通気部に空気を通過させると空気が
温められ、温風を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、正特性サーミスタ素子1の凹部7の金属
放熱体3への熱結合は絶縁性接着剤5を介しているた
め、金属放熱体3への熱結合にロスを生じていた。ま
た、正特性サーミスタ素子1の電極部2全体を凸部6に
した場合、金属放熱体3と正特性サーミスタ素子1との
接着強度が低下してしまい、品質的に不安定な製品とな
ってしまうという問題点を有していた。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、正特性サーミスタ素子と金属放熱体との熱結合を向
上させ、正特性サーミスタ素子と金属放熱体との接着強
度を低下させることなく正特性サーミスタ発熱体の発熱
量を向上させることのできる正特性サーミスタ発熱体を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の正特性サーミスタ発熱体は、金属放熱体に固
着された正特性サーミスタ素子の電極面がこの電極面の
内方に形成した金属放熱体と接触するフラット部とこの
電極面の外方に形成して上記フラット部を囲む凹凸部と
からなる構成としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1の構成において
は、正特性サーミスタ素子のフラット部は従来の正特性
サーミスタ素子の電極面の凸部に相当し、従来の正特性
サーミスタ発熱体に比べ、正特性サーミスタ素子と金属
放熱体との接触部分が多くなることにより、正特性サー
ミスタ素子と金属放熱体との熱結合は向上する。また、
正特性サーミスタ素子の電極面のフラット部が電極面凹
凸部に囲まれた構造にすることにより、正特性サーミス
タ素子と金属放熱体と接着強度は低下することなく正特
性サーミスタ発熱体の発熱量を向上させることのできる
正特性サーミスタ発熱体を提供することができる。
【0009】以下本発明の一実施形態について、図面を
参照しながら説明する。図1、図2の8は両主平面にア
ルミニウム溶射等による電極が設けられている四角形状
の正特性サーミスタ素子であり、その正特性サーミスタ
素子8の電極部9は凹凸部10とフラット部11から成
っている。図3の12は金属放熱体で、例えば薄板のア
ルミニウムを波型に曲げることにより複数の通気孔を設
けてある。そして、1つ以上の正特性サーミスタ素子8
は同一方向に並べられており、これらの両主平面に上記
金属放熱体12がシリコン樹脂等の絶縁性接着剤13で
固着されている。14はステンレス等から成る端子で、
上下金属放熱体12の端部にそれぞれかしめられてい
る。
【0010】以上のように構成された正特性サーミスタ
発熱体について、その動作を説明する。まず、端子14
に電圧を印加する。金属放熱体12は電極をかねてお
り、正特性サーミスタ素子8は金属放熱体12と導通し
ているので、電圧が印加され、発熱する。その熱は金属
放熱体12に伝わり、正特性サーミスタ発熱体全体が加
熱される。その時、金属放熱体12の通気孔に空気を通
過させると空気が温まり、温風を得ることができる。こ
のときに使用した正特性サーミスタ素子8について図2
を用いて説明する。正特性サーミスタ素子8の電極部9
は凹凸部10とフラット部11から成っており、フラッ
ト部11が凹凸部10に囲まれている。また凹凸部10
は凹部14と凸部15を有する。これらの正特性サーミ
スタ素子8を用いて正特性サーミスタ発熱体を試作した
時の特性を(表1)に比較して示している。この時、正
特性サーミスタ素子8はそれぞれ2ヶ用いた。正特性サ
ーミスタ素子8は、24mm×15mmの大きさの四角
形状とし、また印加電圧は100Vである。また正特性
サーミスタ素子8の電極部9が凹凸部10とフラット部
11が逆の図9のものも試作している。
【0011】
【表1】
【0012】この(表1)から明らかなように、正特性
サーミスタ素子8の電極部9のフラット部11が凹凸部
10に囲まれた構造にすることにより、正特性サーミス
タ素子と金属放熱体と接着強度は低下することなく正特
性サーミスタ発熱体の発熱量を向上させることのできる
正特性サーミスタ発熱体を得ることができる。また、正
特性サーミスタ素子8の電極部9のフラット部11が凹
凸部10に囲まれる構造にした場合、フラット部が50
%以下の場合、接着強度は低下することなく正特性サー
ミスタ発熱体が得られる。
【0013】以上のように本実施形態によれば、正特性
サーミスタ素子8の電極部9のフラット部11が凹凸部
10に囲まれた構造にすることにより、正特性サーミス
タ素子8と金属放熱体12と接着強度は低下することな
く正特性サーミスタ発熱体の発熱量を向上させることの
できる正特性サーミスタ発熱体を提供することができ
る。
【0014】なお、上記実施形態では、正特性サーミス
タ素子8を2ヶ用いた正特性サーミスタ発熱体であった
が、他の製品形状でも同様に行ってもよい。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明は、正特性サーミス
タ素子の電極部が凹凸部とフラット部から成る正特性サ
ーミスタ発熱体を用いることにより、正特性サーミスタ
素子と金属放熱体と接着強度を低下することなく正特性
サーミスタ発熱体の発熱量を向上させることのできる正
特性サーミスタ発熱体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における正特性サーミスタ
発熱体の正特性サーミスタ素子の斜視図
【図2】図1のB−B断面図
【図3】本発明の一実施形態における正特性サーミスタ
発熱体の斜視図
【図4】従来の正特性サーミスタ発熱体の斜視図
【図5】従来の正特性サーミスタ素子の斜視図
【図6】図5のA−A断面図
【図7】従来の正特性サーミスタ素子の斜視図
【図8】正特性サーミスタ素子の電極部のフラット部が
凹凸部に囲まれている正特性サーミスタ素子の斜視図
【図9】正特性サーミスタ素子の電極部の凹凸部がフラ
ット部に囲まれている正特性サーミスタ素子の斜視図
【符号の説明】
8 正特性サーミスタ素子 10 凹凸部 11 フラット部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両主平面に電極が設けられた正特性サー
    ミスタ素子と、この正特性サーミスタ素子の両主平面に
    絶縁性接着剤で固着された金属放熱体とから成り、上記
    固着された正特性サーミスタ素子の電極面がこの電極面
    の内方に形成した金属放熱体と接触するフラット部とこ
    の電極面の外方に形成して上記フラット部を囲む凹凸部
    とからなる正特性サーミスタ発熱体。
  2. 【請求項2】 正特性サーミスタ素子の電極面のフラッ
    ト部が占める割合が電極面の50%以下である請求項1
    に記載の正特性サーミスタ発熱体。
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