JP3182022B2 - 金属板幅圧下装置および金属板幅圧下方法 - Google Patents

金属板幅圧下装置および金属板幅圧下方法

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JP3182022B2 JP07241793A JP7241793A JP3182022B2 JP 3182022 B2 JP3182022 B2 JP 3182022B2 JP 07241793 A JP07241793 A JP 07241793A JP 7241793 A JP7241793 A JP 7241793A JP 3182022 B2 JP3182022 B2 JP 3182022B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スラブなどの比較的
板厚の大きい金属板をプレスにより大きな圧下量で熱間
幅圧下する金属板幅圧下装置および金属板幅圧下方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】比較的板厚の大きい金属板として、連続
鋳造鋼スラブを例として説明する。
【0003】スラブを一定幅に連続鋳造し、プレスによ
り幅圧下して圧延工程で要求される断面寸法とすること
が行われている。幅圧下工程では、スラブをこれの長手
方向に間欠的に送り、スラブが停止した時にパスライン
の両側にそれぞれ配置したダイスによりスラブを左右か
ら圧下する。幅圧下ダイスの入、出側にスラブ支持面が
水平な搬送装置、たとえばローラーテーブルがそれぞれ
配置されている。この搬送装置により、金属板は幅圧下
ダイスに1圧下工程の長さ分だけ間欠的に送り込まれ
る。
【0004】スラブは、幅圧下が進むに従い厚くなる。
幅圧下ダイスは上下方向には拘束されて、出側の搬送装
置のスラブ支持面も一定に固定されている。したがっ
て、幅圧下ダイスより押し出されたスラブは、ダイス出
側の搬送ローラーなどにより押し上げられてダイスの孔
型中心線とスラブの板厚中心線が一致しないため、圧下
によりスラブの板厚方向に非対称な変形、すなわち反り
が発生する。スラブの反りは、後続の圧延工程でかみ込
み不良などの障害を生じる。
【0005】上記スラブの反りを防止する方法として、
特開昭61−216802号公報で開示された熱間スラ
ブの幅圧下方法がある。この幅圧下方法は、プレスの幅
圧下により生じる厚み増分量を幅圧下量から推定または
実測し、プレスのスラブ入側および出側の少なくとも一
方の搬送ローラーにおけるパスラインレベルを上記推定
または実測した厚み増分量に応じて調節する。これによ
り、板反りは抑えられる。また、特開昭63−2530
号公報で開示された幅圧下プレスの押えロール装置があ
る。この装置では、対となった上下動可能な下部ロール
と上部ロールとにより材料(スラブ)を押圧する。幅圧
下中、厚さが増大するスラブの板厚中心線が幅圧下前の
それとほぼ同じレベルを維持するように、下部ロールの
高さを調整する。この結果、幅圧下されたスラブの板厚
中心線が、幅圧下前と同じレベルに保持された状態で水
平移動し、板反りは防がれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】スラブの反りを防止す
る上記従来技術では、いずれもスラブを支持する複数の
ロールをスラブ厚の増加に応じて昇降し、スラブの支持
レベルを調整するようにしている。したがって、設備が
大型かつ複雑となり、支持レベル調整のために制御手段
を必要とする。また、孔型が形成された幅圧下ダイスで
は、対となったダイスの孔型中心線とスラブの板厚中心
線とを一致させる機構がないために、スラブの変形が不
均一になる。特に、搬送ローラーにおけるパスラインレ
ベルを調整する前記方法では、かみ込み開始時にスラブ
を最適位置に制御することが難しいため、スラブ先端部
での不均一圧下を生じやすい。
【0007】なお、連続鋳造鋼スラブを金属板の例とし
て説明したが、上記課題は連続鋳造鋼スラブと同様の寸
法のアルミニウムその他の金属板にも生じるものであ
る。
【0008】この発明は、幅圧下時に発生する金属板の
板反りを防ぎ、金属板を均一に変形することができる簡
単な構造の金属板幅圧下装置および金属板幅圧下方法を
提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の金属板幅圧下
装置は、板を板幅方向に圧下する幅圧下ダイス、幅圧下
ダイスを板幅方向に進退するダイス駆動装置、ダイス支
持装置、および金属板をこれの長さ方向に送る搬送装置
を備えた金属板幅圧下装置において、幅圧下ダイスがダ
イス支持装置に荷重制御および変位制御可能なダイス昇
降駆動装置を介して上下動可能かつ搬送装置の板支持面
に対して傾斜可能に取り付けられており、ダイス支持装
置にダイス駆動装置が連結されている。
【0010】幅圧下ダイスはパスラインの両側に配置さ
れた一対よりなり、一般に孔型が形成されいる。ダイス
駆動装置は、油圧もしくは水圧などの液圧シリンダ、ま
たはねじ機構とモーターとの組合せなどが用いられる。
ダイス支持装置も対となっており、両側のダイスをそれ
ぞれ独立して支持する。ダイス支持装置はフレーム状に
形成して、上下動するダイスを案内する案内面を設ける
ことが望ましい。幅圧下ダイスを支持するダイス昇降駆
動装置は、主に油圧式のアクチュエータが用いられる。
ダイス昇降駆動装置は、幅圧下ダイスの上下に、また少
なくともダイスの入口寄りと出口寄りにそれぞれ配置す
る。ダイス昇降駆動装置の一端は幅圧下ダイスに、他端
はダイス支持装置に取り付けられている。ダイス支持装
置には、液圧シリンダのロッドが連結される。
【0011】上記幅圧下ダイスの入側に、金属板を幅圧
下ダイスに案内する板案内装置を取り付けてもよい。板
案内装置は相対するダイスのそれぞれに取り付けられ、
互いに独立している。金属板との摩擦を小さくするため
に、板案内装置の板案内面を複数のローラーで形成する
とよい。
【0012】この発明の金属板幅圧下制御方法は、上記
幅圧下装置を用いて、幅圧下の初期に前記ダイス昇降駆
動装置をダイス自重を支えるように荷重制御し、幅圧下
中に幅圧下初期のダイスの姿勢を保持するように位置制
御する。
【0013】
【作用】幅圧下により、幅圧下ダイス中の金属板はダイ
ス出口に向かうに従って厚さが増す。このため、板中心
面は搬送装置の板支持面に対して前方に向かって上向き
に傾斜しようとする。幅圧下初期に幅圧下ダイスはダイ
ス昇降駆動装置によりダイスの自重を支えるように荷重
制御されているので、圧下初期に金属板と接触する際に
金属板からの接触反力が作用するため、圧下された金属
板に適合するように上下に移動または傾斜し、ダイスの
孔型中心線と板厚中心線とは自動的に一致する。このと
き、相対する幅圧下ダイスは互いに独立して上下動また
は傾斜可能であるから、ダイスの孔型中心線が側方に傾
斜するようにして板反りを発生しない姿勢に自動的に調
整される。後続の圧下の際には、幅圧下ダイスはダイス
昇降駆動装置により圧下初期に調整された最適ダイス姿
勢を保持するように変位制御されるので、金属板の板厚
方向に対称な変形が生じ、反り発生は防止される。
【0014】
【実施例】図1〜図3は、この発明の一実施例である連
続鋳造鋼スラブの幅圧下装置を示している。図1は幅圧
下装置の主要部側面図、図2は図1に示す装置の正面
図、および図3は上記装置の平面図である。
【0015】幅圧下装置の幅圧下ダイス1は、パスライ
ンの左右に進退可能に配置されている。相対するダイス
面の間隔は出口に向かって狭まり、出口側に平行部が設
けられている。また、幅圧下ダイス1には、孔型2が設
けられている。幅圧下ダイス1は、支持フレーム5に油
圧式のダイス昇降駆動装置9を介して取り付けられてい
る。すなわち、ダイス昇降駆動装置9の一端が幅圧下ダ
イス1の下面と上面に、また他端は支持フレーム5の支
持面6にそれぞれ固定されている。幅圧下ダイス1の側
面に、車輪11が旋回可能に取り付けられている。車輪
11は支持フレーム5の内側に設けられた案内面7を転
動する。ダイス昇降駆動装置9はスラブSがダイスの孔
型に接触するまでの圧下初期には、ダイス自重を支える
荷重制御、後続の圧下中はダイス姿勢を圧下初期に自動
調整されたダイス姿勢に保持する変位制御が適用され
る。支持フレーム5の背面には、油圧シリンダのロッド
13に連結されている。幅圧下装置の入側および出側に
それぞれローラーテーブル15,17が配置されてい
る。
【0016】上記のように構成された幅圧下装置におい
て、スラブSはローラーテーブル15によりパスライン
に沿って間欠的に送られる。スラブSが送られている間
は、幅圧下ダイス1は左右に開いた状態となっている。
スラブSが幅圧下ダイス1の間で停止すると、幅圧下ダ
イス1の間隔を徐々に狭め、スラブSを幅方向に圧下す
る。圧下が進むに従いスラブ幅は狭くなり、厚さが増
す。したがって、スラブの板厚中心線Bは水平面に対し
てダイス出口に向かって上向きに傾斜する。圧下初期に
幅圧下ダイス1はダイス昇降駆動装置9にダイス自重を
支えるように荷重制御されているので、圧下初期のスラ
ブSとの接触における反力により圧下されたスラブSに
適合するように上下に移動または傾斜し、ダイスの孔型
中心線Aとスラブの板厚中心線Bとは自動的に一致す
る。このとき、相対する幅圧下ダイス1は互いに独立し
て上下動または傾斜可能であるから、図4に示すように
ダイスの孔型中心線Aが側方に傾斜することも可能であ
り、自動的に最適ダイス姿勢に調整される。後続の圧下
において、ダイス昇降駆動装置9はこの最適スラブ姿勢
を保持するように変位制御されるので、幅圧下において
スラブSの板厚方向に非対称な変形、すなわち反り発生
は防止される。
【0017】スラブSの幅圧下が終わると、幅圧下ダイ
ス1は後退される。ついで、スラブSは次の1圧下工程
の長さ分だけローラーテーブル15により前進される。
【0018】図5は、この発明の他の実施例を示してい
る。
【0019】幅圧下ダイス1の入側に、スラブSを幅圧
下ダイス1に案内するスラブ案内装置21が取り付けら
れている。スラブ案内装置21は相対する幅圧下ダイス
1のそれぞれに取り付けられ、互いに独立している。ス
ラブ案内装置21のフレーム22に複数のローラー23
が設けられている。
【0020】ローラーテーブル15で送られてきたスラ
ブSは、スラブ案内装置21のローラー23に案内され
て幅圧下ダイス1に導かれる。スラブSがローラー23
で保持されると、スラブの板厚中心線Bの高さおよび傾
きに応じて、幅圧下ダイス1はスラブ案内装置21と一
体となって上下動し、または傾斜する。
【0021】
【発明の効果】この発明の金属板幅圧下装置では、幅圧
下ダイスは荷重制御および変位制御可能なダイス昇降駆
動装置に支持されているので、圧下された金属板に適合
するように上下に移動または傾斜し、ダイスの孔型中心
線と金属板の板厚中心線とは自動的に一致する。この結
果、幅圧下時に発生する金属板の板反りを防ぎ、金属板
を均一に変形することができる。また、孔型が設けられ
た幅圧下ダイスの場合、金属板の側縁部とダイスとの接
触位置誤差が小さくなり、金属板は均一に圧下される。
さらに、この発明の金属板幅圧下装置では、幅圧下ダイ
スの位置調整を金属板とダイスの接触時の機械的な原理
を利用するので、装置は簡単な構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である連続鋳造鋼スラブの
幅圧下装置であり、装置主要部を模式的に示す側面図で
ある。
【図2】図1に示す装置の正面図である。
【図3】上記装置の平面図である。
【図4】幅圧下ダイスの移動を説明する図面である。
【図5】この発明の他の実施例を示すもので、幅圧下ダ
イスとスラブ案内装置の断面図である。
【符号の説明】
1 幅圧下ダイス 2 穴型 5 支持フレーム 6 フレーム支持面 7 フレーム案内面 9 ダイス昇降駆動装置 11 車輪 13 油圧シリンダロッド 15 入側ローラーテーブル 17 出側ローラーテーブル 21 スラブ案内装置 22 フレーム 23 ローラー A ダイスの孔型中心線 B スラブの板厚中心線 S スラブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 15/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板を板幅方向に圧下する幅圧下ダイス、
    幅圧下ダイスを板幅方向に進退するダイス駆動装置、ダ
    イス支持装置、および金属板をこれの長さ方向に送る搬
    送装置を備えた金属板幅圧下装置において、幅圧下ダイ
    スがダイス支持装置に荷重制御および変位制御可能なダ
    イス昇降駆動装置を介して上下動可能かつ搬送装置の板
    支持面に対して傾斜可能に取り付けられており、ダイス
    支持装置にダイス駆動装置が連結されていることを特徴
    とする金属板幅圧下装置。
  2. 【請求項2】 金属板を幅圧下ダイスに案内する板案内
    装置が、前記幅圧下ダイスの入側に取り付けられている
    請求項1記載の金属板幅圧下装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の幅圧下装置を用いて、幅
    圧下の初期に前記ダイス昇降駆動装置をダイス自重を支
    えるように荷重制御し、幅圧下中に幅圧下初期のダイス
    の姿勢を保持するように位置制御することを特徴とする
    金属板幅圧下方法。
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