JP3182019B2 - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JP3182019B2 JP03527193A JP3527193A JP3182019B2 JP 3182019 B2 JP3182019 B2 JP 3182019B2 JP 03527193 A JP03527193 A JP 03527193A JP 3527193 A JP3527193 A JP 3527193A JP 3182019 B2 JP3182019 B2 JP 3182019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両懸架装置に関し、
特に、ショックアブソーバの減衰特性をスカイフック理
論に基づいて変更する制御を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、減衰特性を変更する制御を行う車
両懸架装置としては、例えば、特開昭61−16301
1号公報に記載されたものが知られている。この従来の
車両懸架装置は、流体の流路断面積を変更して減衰特性
をハード・ソフトに変更可能なショックアブソーバと、
ばね上上下速度を検出するばね上速度検出手段と、ばね
上・ばね下間の相対速度を検出する相対速度検出手段
と、両検出手段で検出したばね上速度の符号と相対速度
の符号とが一致する時には、ショックアブソーバの減衰
特性をハードとし、両者が一致しない時には、減衰特性
をソフトにするといったスカイフック理論に基づいた減
衰特性制御を4輪独立に行なう制御手段とを備えたもの
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような制御で
は、ばね上およびばね上−ばね下間の挙動に基づいて、
ばね上共振点、および、ばね上共振点からばね下共振点
までの間の周波数帯においては、ばね上に関しては十分
な効果が認められる。しかしながら、より高いレベルの
効果を求めようとした場合、従来技術では、ばね下の制
振については、全く制御がなされないため、以下に述べ
る解決すべき問題があった。
【0004】すなわち、ばね下の共振点付近が主成分で
ある路面を走行した場合には、制振制御を行っていない
ばね下側で「ばたつき」が生じるおそれがあり、万一、
この「ばたつき」が大きくなった場合、車輪の接地性が
低下して操縦安定性が低下したり、車輪側で高周波の音
が発生したり、さらに、この音により車体が振動して乗
り心地の悪化を招くという問題が生じるおそれがある。
【0005】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、ばね下についてもスカイフック理論に
よる制振制御を適用することで、ばね下の「ばたつき」
を防止し、高いレベルで操縦安定性の向上、騒音の発生
防止、乗り心地の向上を達成することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、図1のクレーム対応図に示すよう
に、車体と各車輪の間に介在され、減衰特性変更手段a
により減衰特性を変更可能なショックアブソーバbと、
車両の挙動を検出する挙動検出手段cからの信号に基づ
いて、前記減衰特性変更手段aを作動させるアクチュエ
ータdを駆動させるための駆動制御信号を形成する減衰
特性制御手段eとを備えた車両懸架装置において、前記
減衰特性制御手段eが、挙動検出手段cから得たばね上
速度,ばね下速度,ばね上−ばね下間の相対速度に基づ
いて駆動制御信号を形成するとともに、この駆動制御信
号を形成するにあたり、前記ばね上速度とばね下速度に
はそれぞれ異なる重み付けを与えるための重み付け係数
を有して構成し、これらの2つの重み付け係数の値を、
ばね上およびばね下の状態量に応じた所定の信号処理を
施した信号によって形成する係数処理手段fが設けられ
ている構成とした。
【0007】なお、前記減衰特性制御手段eは、駆動制
御信号を形成するにあたって、重み付け係数とばね上速
度との積から重み付け係数とばね下速度との積を差し引
いた値にばね上−ばね下間相対速度を掛ける演算を行
い、この演算で得た値が正であればハード減衰特性とす
る駆動制御信号を形成し、前記値が負であればソフト減
衰特性とする駆動制御信号を形成するようにしてもよ
い。
【0008】また、前記係数処理手段fは、ばね上の入
力においてばね上共振周波数帯の値が大きければ、ばね
上速度の重み付け係数を大きくする一方でばね下速度の
重み付け係数を小さくし、逆に、ばね下共振周波数帯の
値が大きければ、ばね下の重み付け係数を大きくする一
方でばね上の重み付け係数を小さくするよう構成しても
よい。
【0009】
【作用】車体の挙動あるいは路面からの入力に応じて、
ばね上の状態量およびばね下の状態量が変化する。そこ
で、ばね下の共振周波数帯が主成分の路面を走行した時
には、ばね下の「ばたつき」がばね下の状態量に表れ、
係数処理手段では、このばね下の状態量に重み付けした
係数の値が形成される。そして、減衰特性制御手段で
は、このような重み付けがなされた重み付け係数により
ばね下に重点を置いた駆動制御信号が形成される。よっ
て、ばね下の「ばたつき」を抑えて車輪の接地性を向上
させることができる。
【0010】この駆動制御信号を形成するにあたり、請
求項2の装置では、重み付け係数とばね上速度との第1
の積と、重み付け係数とばね下速度との第2の積とで、
第1の積の方が大きければ、従来のスカイフック制御の
場合と同様に、ばね上が制振され、第2の積の方が大き
ければ、上述のようにばね下が制振される。
【0011】また、係数処理手段が重み付け係数の値を
形成するにあたり、請求項3の装置では、ばね上の入力
においてばね上共振周波数帯の値が大きければ、ばね上
速度の重み付け係数を大きくする一方でばね下速度の重
み付け係数を小さくし、逆に、ばね下共振周波数帯の値
が大きければ、ばね下の重み付け係数を大きくする一方
でばね上の重み付け係数を小さくするというような重み
付けを行う。
【0012】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。ま
ず、構成について説明する。図2は、実施例の車両懸架
装置を示す構成説明図であり、車体と4つの車輪との間
に4つのショックアブソーバSAが介在されている。そ
して、各ショックアブソーバSAの近傍位置の車体に
は、挙動検出手段として車体の上下方向の加速度を検出
する上下加速度センサ(以後、上下Gセンサという)1
が設けられ、同じく、ショックアブソーバSAのばね下
側の部材とばね上側の部材との間に、ばね上−ばね下間
の相対速度Vpdを検出するためにばね上−ばね下間の相
対変位を検出するストロークセンサ8が設けられてい
る。また、運転席の近傍位置には、各上下Gセンサ1か
らの信号を入力して、各ショックアブソーバSAのパル
スモータ3に駆動制御信号mvを出力するコントロール
ユニット4(請求の範囲の減衰特性制御手段,係数処理
手段に相当する)が設けられている。
【0013】図3は、上記構成を示すシステムブロック
図であって、コントロールユニット4は、インタフェー
ス回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備えている。
【0014】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0015】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図で、この図に示すように、ピストン31に
は、貫通孔31a,31bが形成されているとともに、
各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する伸側減衰バ
ルブ12および圧側減衰バルブ20が設けられている。
また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウンドス
トッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド38
が螺合して固定されていて、このスタッド38には、貫
通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下部室B
とを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側第3流
路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成するた
めの連通孔39が形成され、この連通孔39内には前記
流路の流路断面積を変更するための調整子40が回動自
在に設けられている。また、スタッド38の外周部に
は、流体の流通の方向に応じて前記連通孔39で形成さ
れる流路側の流通を許容・遮断する伸側チェックバルブ
17と圧側チェックバルブ22とが設けられている。な
お、前記調整子40は、前記パルスモータ3によりコン
トロールロッド70を介して回転されるようになってい
る(図4参照)。また、スタッド38には、上から順に
第1ポート21,第2ポート13,第3ポート18,第
4ポート14,第5ポート16が形成されている。
【0016】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れているとともに、内外を連通する第1横孔24および
第2横孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が
形成されている。したがって、前記上部室Aと下部室B
との間には、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫
通孔31bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して
下部室Bに至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦
溝23,第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12
の外周側を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、
第2ポート13,縦溝23,第5ポート16を経由して
伸側チェックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側
第3流路Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部
19を経由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの
流路がある。また、圧行程で流体が流通可能な流路とし
て、貫通孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する
圧側第1流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポ
ート21を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上
部室Aに至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔
25,第3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパ
ス流路Gとの3つの流路がある。
【0017】すなわち、ショックアブソーバSAは、調
整子40を回動させてポジションを切り換えることによ
り、伸側・圧側のいずれとも図6に示すような特性で減
衰係数(ピストン速度に対する減衰力特性が係数を変化
させたように変化することから、これを「減衰係数」と
称する)を多段階に変更可能に構成されている。つま
り、図7に示すように、伸側・圧側いずれもソフトとし
た状態(以後、ソフトポジションSSという)から調整
子40を反時計方向に回動させると、伸側のみ減衰係数
を多段階に変更可能で圧側が低減衰係数に固定の領域
(以後、伸側ハード領域HSという)となり、逆に調整
子40を時計方向に回動させると、圧側のみ減衰係数を
多段階に変更可能で伸側が低減衰係数に固定の領域(以
後、圧側ハード領域SHという)となる構造となってい
る。
【0018】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面およびM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションに配置した時の減衰力特性を図11,12,1
3に示している。
【0019】次に、パルスモータ3の駆動を制御するコ
ントロールユニット4の構成について詳述すると、図1
4は、CPU4bの要部の構成を示していて、上下Gセ
ンサ1から入力したばね上加速度信号gをばね上上下速
度Vupに変換する積分を行うローパスフィルタLPF1
(0.05Hz)と、このばね上上下速度Vup中からばね上共
振周波数帯を含むA1Hz 〜A2Hz の範囲(図15参照)
の低周波成分で構成された第1係数制御信号S1 を形成
するためのハイパスフィルタHPF1およびローパスフ
ィルタLPF2と、前記ばね上上下速度Vupからばね下
共振周波数帯を含むA3Hz 〜A4Hz の範囲(図15参
照)の高周波成分で構成された第2係数制御信号S2
形成するためのハイパスフィルタHPF2およびローパ
スフィルタLPF3とを備えている。なお、第2係数制
御信号S2 は、ばね上−ばね下間相対速度Vpdとばね上
上下速度Vupとからばね下上下速度Vudを形成した上
で、図16に示すようにハイパスフィルタHPF2およ
びローパスフィルタLPF3によりA3Hz 〜A4Hz の範
囲の周波数成分を取り出して形成するようにしてもよ
い。また、これらの係数制御信号S1 ,S2 は、本実施
例のようにばね上あるいはばね下速度からではなく、ば
ね上あるいはばね下加速度から上記周波数帯の信号を取
り出して形成するようにしてもよい。
【0020】次に、このコントロールユニット4の作動
について、図17のフローチャートに基づき説明する
と、ステップ101は、図14に示す構成により前記第
1係数制御信号S1 を形成するステップ、また、続くス
テップ102も、同様に図14に示す構成により第2係
数制御信号S2 を形成するステップである。
【0021】ステップ103は、両係数制御信号S1
2 から、あらかじめ入力されている図示のマップを参
照して第1・第2の重み付け係数α,βを設定するステ
ップであって、前記マップは、図示のように、第1係数
制御信号S1 が大きくなるほど第1重み付け係数αが大
きくなる一方で第2重み付け係数βが小さくなり、その
反対に、第2係数制御信号S2 が大きくなるほど、第2
重み付け係数βが大きくなる一方で第1重み付け係数α
が小さくなる設定となっている。
【0022】ステップ104は、Vs =(αVup−βV
ud)・Vpdの演算式によって制御信号Vs を算出するス
テップである。なお、Vpdは、ばね上−ばね下間の相対
速度であって、前記ストロークセンサ8で検出するばね
上−ばね下間の相対変位の時間あたりの変化から求める
ものである。
【0023】ステップ105は、制御信号Vs が正であ
るか否かを判定し、YESでステップ106に進み、N
Oでステップ107に進む。
【0024】ステップ106は、下記(1)の演算式に
より最適の減衰力ステップ(パルスモータ3の切換ステ
ップ数に相当する)uを演算するステップである。 u=K(αVup−βVud)/(Vpd) ……(1) なお、Kは制御ゲインである。
【0025】ステップ107は、前記減衰力ステップu
を、最小min(ソフトポジションSS)に設定するス
テップである。
【0026】ステップ108は、前記ステップ106,
107で得た減衰力ステップuに応じてパルスモータ3
に駆動制御信号mvを出力するステップである。
【0027】次に、実施例の作動を説明する。図18
は、車両の自由度系の振動を表す模式図で、m1 はばね
下重量,m2 はばね上重量,x1 はばね下変位,x2
ばね上変位である。
【0028】ここで、前述のスカイフック理論にあって
は、ばね上の制振のために、ばね上上下速度Vupとばね
上−ばね下間相対速度Vpdとの積:Vup・Vpdが正の時
は高減衰係数とし、一方、この積:Vup・Vpdが負であ
る時には低減衰係数とする切換制御を行う。それに対
し、ばね下の制振を行う場合には、ばね下上下速度Vud
とばね上−ばね下間相対速度Vpdとの積:Vud・Vpdが
正の時に低減衰係数とし、一方、この積:Vud・Vpdが
負である時に高減衰係数とする切換制御を行うことにな
る。
【0029】このように、ばね上制振の場合もばね下制
振の場合も、ばね上−ばね下間相対速度Vpdに対し、そ
れぞればね上上下速度Vupあるいはばね下上下速度Vud
をかけた得た値に基づいて最適の減衰係数を求めるが、
この値に対する減衰係数の関係が、ばね上とばね下とで
は逆になっている。そこで、本実施例装置にあっては、
上記(1)の演算式u=K(αVup−βVud)/(Vp
d)を用いて、αVup−βVudの項の部分において、ば
ね上制振を優先させるかばね下制振を優先させるかの重
み付けを行っているものである。
【0030】すなわち、車両の挙動において、ばね上の
共振周波数を含むA1 〜A2 Hzの低周波数帯(S1 )の
成分と、ばね下の共振周波数を含むA3 〜A4 Hzの高周
波数帯(S2 )の成分のいずれかが大きいかにより、ば
ね上制振優先であるかばね下制振優先であるかを判別す
るもので、図17のステップ103のマップに示すよう
に、低周波数帯の第1係数制御信号S1 が大きい時に
は、第1重み付け係数αの値が大きくなり、逆に、高周
波数帯の第2係数制御信号S2 が大きい時には、第2重
み付け係数βの値が大きくなる。
【0031】したがって、本実施例装置では、ばね下共
振点付近が主成分である路面を走行した時には、A3
4 Hzの高周波数帯の第2係数制御信号S2 が大きくな
ることで、第2重み付け係数βとして大きな値が設定さ
れる一方で第1重み付け係数αとして小さな値が選択さ
れることになり、減衰係数uを演算する際に、ばね下制
振を行うのに重点を置いた演算がなされる。よって、ば
ね下の「ばたつき」を抑えて車輪の接地性を向上させる
ことができる。
【0032】また、車体においてばね上共振が主成分の
上下移動が生じている時には、A1〜A2 Hzの低周波数
帯の第1係数制御信号S1 が大きくなって、上記とは逆
に第1重み付け係数αとして大きな値が設定される一方
で第2重み付け係数βとして小さな値が選択されること
になり、従来と同様のスカイフック制御によりばね上の
制振に重点を置いた制御がなされる。
【0033】以上のように本実施例装置では、ばね上共
振周波数帯の振動に対しては従来と同様のスカイフック
理論にしたがってばね上を制振させることができ、さら
に、ばね下共振周波数帯の入力に対しては、ばね下の
「ばたつき」がばね上に伝達されるのを防止して、操縦
安定性を向上させ、車輪側における高周波の騒音の発生
を防止し、乗り心地を向上させることができるもので、
従来よりも高いレベルで操縦安定性と乗り心地の両立を
図ることができるという特徴を有している。
【0034】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれるもので、実施例では、伸側・圧側の一方を高
減衰に制御した場合、他方が低減衰に固定される特性の
減衰特性変更手段を示したが、この方が、スカイフック
性理論で制御を行うにあたり切換回数が少なくなって有
利であるが、伸側・圧側が同時に高減衰になったり低減
衰になったりする周知構造のものを用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の車両懸
架装置は、挙動検出手段から得たばね上速度,ばね下速
度,ばね上−ばね下間の相対速度に基づいて駆動制御信
号を形成するとともに、この駆動制御信号を形成するに
あたり、前記ばね上速度とばね下速度にはそれぞれ異な
る重み付けを与えるための重み付け係数を有して構成さ
れた減衰特性制御手段と、これらの2つの重み付け係数
の値を、ばね上およびばね下の状態量に所定の信号処理
を施した信号によって形成する係数処理手段とを設けた
構成としたため、ばね上共振周波数帯の入力に対して
は、ばね上側の重み付け係数を大きくして従来と同様の
スカイフック理論にしたがってばね上を制振させること
ができ、さらに、ばね下共振周波数帯の入力に対して
は、ばね下側の重み付け係数を大きくしてばね下の「ば
たつき」がばね上に伝達されるのを防止することで、車
輪側における高周波の騒音の発生防止,乗り心地向上を
図ることができるもので、従来よりも高いレベルで操縦
安定性と乗り心地の両立を図ることができるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム概念図で
ある。
【図2】本発明実施例の車両懸架装置を示す構成説明図
である。
【図3】実施例装置を示すシステムブロック図である。
【図4】実施例装置に適用したショックアブソーバを示
す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面およびM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施例装置におけるコントロールユニットの
要部を示すブロック図である。
【図15】実施例装置における伝達率特性の一例を示す
特性図である。
【図16】コントロールユニットの要部の他の例を示す
ブロック図である。
【図17】実施例装置のコントローラユニットの制御を
示すフローチャートである。
【図18】車両の自由度系の振動を表す模式図である。
【符号の説明】
a 減衰特性変更手段 b ショックアブソーバ c 挙動検出手段 d アクチュエータ e 減衰特性制御手段 f 係数処理手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と各車輪の間に介在され、減衰特性
    変更手段により減衰特性を変更可能なショックアブソー
    バと、 車両の挙動を検出する挙動検出手段からの信号に基づい
    て、前記減衰特性変更手段を作動させるアクチュエータ
    を駆動させるための駆動制御信号を形成する減衰特性制
    御手段とを備えた車両懸架装置において、 前記減衰特性制御手段が、挙動検出手段から得たばね上
    速度,ばね下速度,ばね上−ばね下間の相対速度に基づ
    いて駆動制御信号を形成するとともに、この駆動制御信
    号を形成するにあたり、前記ばね上速度とばね下速度に
    はそれぞれ異なる重み付けを与えるための重み付け係数
    を有して構成され、 これらの重み付け係数の値を、ばね上およびばね下の状
    態量応じた所定の信号処理を施した信号によって形成す
    る係数処理手段が設けられていること特徴とする車両懸
    架装置。
  2. 【請求項2】 前記減衰特性制御手段は、駆動制御信号
    を形成するにあたって、重み付け係数とばね上速度との
    積から重み付け係数とばね下速度との積を差し引いた値
    にばね上−ばね下間相対速度を掛ける演算を行い、この
    演算で得た値が正であればハード減衰特性とする駆動制
    御信号を形成し、前記値が負であればソフト減衰特性と
    する駆動制御信号を形成するようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の車両懸架装置。
  3. 【請求項3】 前記係数処理手段は、ばね上の入力にお
    いてばね上共振周波数帯の値が大きければ、ばね上速度
    の重み付け係数を大きくする一方でばね下速度の重み付
    け係数を小さくし、逆に、ばね下共振周波数帯の値が大
    きければ、ばね下の重み付け係数を大きくする一方でば
    ね上の重み付け係数を小さくするよう構成されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の車両懸架装置。
JP03527193A 1993-02-24 1993-02-24 車両懸架装置 Expired - Fee Related JP3182019B2 (ja)

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