JP2584966Y2 - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JP2584966Y2
JP2584966Y2 JP6372292U JP6372292U JP2584966Y2 JP 2584966 Y2 JP2584966 Y2 JP 2584966Y2 JP 6372292 U JP6372292 U JP 6372292U JP 6372292 U JP6372292 U JP 6372292U JP 2584966 Y2 JP2584966 Y2 JP 2584966Y2
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誠 木村
光雄 佐々木
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ショックアブソーバの
減衰特性を最適制御する車両の懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰特性制
御を行う車両懸架装置としては、例えば、実開昭63−
93203号公報に記載されたものが知られている。こ
の従来の車両懸架装置は、ばね上上下速度及びばね上・
ばね下間の相対速度を検出し、両者が同符号の時には、
減衰特性をハードとし、両者が異符号の時には減衰特性
をソフトにするといったスカイフック理論に基づく減衰
特性制御を、4輪独立に行うものであった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来装置にあっては、上述のような構成となっていたた
め、路面入力に対し十分な制振性を得るような高めの制
御ゲインに設定すると、低周波路面入力に対しては制振
効果が得られるようになるが、高周波路面入力に対して
は応答性が高くなりすぎてばね下入力がばね上に伝達さ
れ、これにより、車両の乗り心地を悪化させることにな
り、また、車両の乗り心地を確保できるように低めの制
御ゲインに設定すると、大きな路面入力に対しては十分
な制振性が得られなくなるという問題点が生じる。
【0004】また、従来のスカイフック理論に基づく減
衰特性制御にあっては、ばね上上下速度と相対速度の両
符号の一致・不一致が切り換わるたびにアクチュエータ
を駆動して減衰特性の切り換えを行なう必要があったた
め、制御応答性が悪くなると共に、アクチュエータの駆
動回数が多くなって耐久性を低下させるという問題点が
あった。
【0005】本考案は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、制御応答性を高めつつ車両の乗り心地
を確保することができると共に、大きな路面入力に対す
る十分な制振性が得られて操縦安定性を向上できる車両
懸架装置の提供を第1の目的とし、また、制御応答性の
向上とアクチュエータの耐久性向上を図ることができる
車両懸架装置の提供を第2の目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本考案請求項1記載の車両懸架装置は、図1のク
レーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間に介
在され、減衰特性変更手段aにより減衰特性を変更可能
なショックアブソーバbと、ばね上上下速度を検出する
ばね上上下速度検出手段cと、ばね上上下速度に基づく
制御信号が所定の大入力しきい値未満である時は、制御
信号が方向逆転してから所定の基本しきい値に達するま
での間は基本しきい値の値で最大減衰特性となるように
制御信号に比例した減衰特性制御を行なうと共に、基本
しきい値以上になるとピーク値に達するまでは制御信号
の値を基本しきい値の値に更新し、ピーク値から制御信
号の方向が逆転するまでの間はピーク値の制御信号の値
を最大減衰特性とする制御信号に比例した減衰特性制御
を行なう基本制御部dを有する制御手段eと、該制御手
段eに設けられ、制御信号が大入力しきい値以上になる
と、前記基本制御部dによる減衰特性制御に代えてピー
ク値から制御信号の方向が逆転するまでの間は基本しき
い値の値で最大減衰特性となる制御信号に比例した減衰
特性制御を行なう補正制御部fとを備えている手段とし
た。
【0007】また、請求項2記載の車両懸架装置は、上
記構成に加え、前記ショックアブソーバを、伸側が減衰
特性可変で圧側が低減衰特性に固定の伸側ハード領域
と、圧側が減衰特性可変で伸側が低減衰特性に固定の圧
側ハード領域と、伸側・圧側共に低減衰特性のソフト領
域との3つの領域を有する構造に形成し、前記減衰特性
制御手段を、制御信号が正の値の時ショックアブソーバ
を伸側ハード領域にて制御し、制御信号が負の値の時シ
ョックアブソーバを圧側ハード領域にて制御し、制御信
号が0の時ショックアブソーバをソフト領域に制御する
ように構成した。
【0008】
【作用】本考案の車両懸架装置では、上述のように構成
されるので、路面入力が小さい時は、ばね上上下速度に
基づく制御信号が所定の大入力しきい値未満であるた
め、基本制御部では、制御信号が方向逆転してから所定
の基本しきい値に達するまでの間は基本しきい値の値で
最大減衰特性となるように制御信号に比例した減衰特性
制御を行なうと共に、基本しきい値以上になるとピーク
値に達するまでは制御信号の値を基本しきい値の値に更
新するもので、これにより、減衰力の立ち上げ初期にお
いては所定の感度を維持して制御応答性を高めると共
に、ピーク値から制御信号の方向が逆転するまでの間は
ピーク値の制御信号の値を最大減衰特性とする減衰特性
の比例制御が行なわれもので、これにより、制御応答性
を高めつつ減衰力の急激な変化をなくして車両の乗り心
地を確保することができる。
【0009】また、路面入力が大きくなると、制御信号
が大入力しきい値以上になるため、、補正制御部では、
ピーク値から制御信号の方向が逆転するまでの間は基本
しきい値の値で最大減衰特性となる減衰特性の比例制御
が行なわれ、これにより、基本制御部による減衰特性制
御による場合に比べて、最大減衰特性に維持される時間
が延長された状態となるため、大きな路面入力に対する
十分な制振性が得られて車両の操縦安定性を確保するこ
とができる。
【0010】また、請求項2記載の装置では、制御信号
が正の値の時ショックアブソーバを伸側ハード領域(圧
側は低減衰特性に固定)にて制御し、制御信号が負の値
の時ショックアブソーバを圧側ハード領域(伸側は低減
衰特性に固定)にて制御し、制御信号が0の時ショック
アブソーバをソフト領域に制御するものであり、このた
め、ばね上上下速度に基づく制御信号とばね上・ばね下
間の相対速度とが同符号の時は、その時のショックアブ
ソーバの行程側をハード特性に制御し、異符号の時は、
その時のショックアブソーバの行程側をソフト特性に制
御するという、スカイフック理論に基づいた減衰特性制
御と同一の制御を、ばね上・ばね下間相対速度を検出す
ることなしに行なうことができるもので、低減衰特性方
向への減衰特性の切り換えはアクチュエータを駆動する
ことなしに行なわれるため、従来のスカイフック理論に
基づいた減衰特性制御に比べ、減衰特性の切り換え頻度
が少なくなって、制御応答性の向上とアクチュエータの
耐久性向上とが図れるようになる。
【0011】
【実施例】本考案実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例) まず、構成について説明する。図2は、請求項1,2に
記載の考案の実施例である第1実施例の車両懸架装置を
示す構成説明図であり、車体と4つの車輪との間に介在
されて、4つのショックアブソーバSA1 ,SA2 ,S
3 ,SA4 (なお、ショックアブソーバを説明するに
あたり、これら4つをまとめて指す場合、及びこれらの
共通の構成を説明する時にはただ単にSAと表示す
る。)が設けられている。そして、各ショックアブソー
バSAの近傍位置の車体には、上下方向の加速度を検出
する上下加速度センサ(以後、上下Gセンサという)1
が設けられている。また、運転席の近傍位置には、各上
下Gセンサ1からの信号を入力して、各ショックアブソ
ーバSAのパルスモータ3に駆動制御信号を出力するコ
ントロールユニット4が設けられている。
【0012】図3は、上記構成を示すシステムブロック
図であって、コントロールユニット4は、インタフェー
ス回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前記イ
ンタフェース回路4aには、上述の各上下Gセンサ1及
び車速センサ5からの信号が入力される。なお、前記イ
ンタフェース回路4a内には、図14に示す5つで1組
のフィルタ回路が各上下Gセンサ1毎に設けられてい
る。すなわち、LPF1は、上下Gセンサ1から送られ
る信号の中から高周波域(30Hz以上)のノイズを除去す
るためのローパスフィルタ回路である。LPF2は、ロ
ーパスフィルタ回路LPF1を通過した加速度を示す信
号を積分してばね上上下速度に変換するためのローパス
フィルタ回路である。BPF1は、ばね上共振周波数を
含む周波数域を通過させてバウンス成分信号v(v1
2 ,v3 ,v4 なお、1,2,3,4の数字は各ショック
アブソーバSAの位置に対応している。以下も同様であ
る。)を形成するバンドパスフィルタ回路である。BP
F2は、ピッチ共振周波数を含む周波数域を通過させて
ピッチ成分信号v’(v1 ’,v2 ’,v3 ’,
4’)を形成するバンドパスフィルタ回路である。B
PF3は、ロール共振周波数を含む周波数域を通過させ
てロール成分信号v”(v1 ”,v2 ”,v3 ”,v
4 ”)を形成するバンドパスフィルタ回路である。ちな
みに、本実施例では、ばね上共振,ピッチ共振,ロール
共振各周波数が、異なる場合を例にとっているが、これ
らの共振周波数が近似している場合には、バンドパスフ
ィルタはBPF1のみでよい。
【0013】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0014】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20及び伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図4参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0015】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24及び第2横孔
25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成され
ている。
【0016】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0017】すなわち、ショックアブソーバSAは、調
整子40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれ
とも図6に示すような特性で減衰特性を多段階に変更可
能に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側
・圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域S
Sという)から調整子40を反時計方向に回動させる
と、伸側のみ減衰特性を多段階に変更可能で圧側が低減
衰特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰特性を多段階に変更可能で伸側が低減
衰特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHとい
う)となる構造となっている。
【0018】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面及びM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0019】次に、パルスモータ3の駆動を制御するコ
ントロールユニット4の作動について、図15のフロー
チャートに基づき説明する。尚、この制御は、各ショッ
クアブソーバSA毎に別個に行う。
【0020】ステップ101は、各上下Gセンサ1,
1,1,1から得られる上下加速度を各フィルタ回路L
PF1,LPF2,BPF1,BPF2,BPF3で処
理してバウンス成分信号v,ピッチ成分信号v’,ロー
ル成分信号v”を求める処理を行うステップである。
尚、この各成分信号は、ばね上上下加速度が上方向の時
には正の値で、また、下方向の時には負の値で与えられ
る。
【0021】ステップ102は、車速センサ5から得ら
れる車速信号に応じて各成分信号v,v’v”の比例定
数α(αf ,αr )、β(βf ,βr )、γ(γf ,γ
r )を設定するステップである。
【0022】ステップ103は、下記の数式1を用い、
各成分信号v,v’v”及び比例定数α,β,γに基づ
いて各輪の位置の制御信号V(V1 ,V2 ,V3 ,V
4 )を演算するステップである。
【0023】
【数1】 なお、αf ,βf ,γf は、前輪の各比例定数αr ,β
r ,γr は、後輪の各比例定数また、各式において、最
初のαf ,αr でくくっている部分がバウンスレートで
あり、βf ,βr でくくっている部分がピッチレートで
あり、γf ,γr でくくっている部分がロールレートで
ある。
【0024】ステップ104は、制御信号Vが正の値
(上方向)であるか否かを判定するステップであり、Y
ES(上方向)でステップ105に進み、NOでステッ
プ117に進む。
【0025】ステップ105は、前回の制御信号V-1
負の値であるか否かを判定するステップであり、YES
(下方向)でステップ106に進み、NO(上方向)で
ステップ107に進む。即ち、このステップでは制御信
号の方向が負の値から正の値に逆転したかどうかを判定
するものである。
【0026】ステップ106は、上方向(伸側)の制御
信号Vの基本しきい値VMAX の初期値VINITを設定する
と共に、フラグをクリアするステップである。
【0027】ステップ107は、制御信号Vが初期値V
INIT以上となったか否かを判定するステップであり、Y
ES(以上)でステップ108に進み、NO(未満)で
ステップ109に進む。
【0028】ステップ108は、基本しきい値VMAX
値をその時の制御信号Vの値に更新するステップであ
る。
【0029】ステップ109は、更新された基本しきい
値VMAX の値が大入力しきい値VTH以上であるか否かを
判定するステップであり、YES(以上)でステップ1
10に進み、NO(未満)でステップ111に進む。
【0030】ステップ110は、フラグをセットするス
テップである。
【0031】ステップ111は、フラグがセットされて
いるか否かを判定するステップであり、YES(セッ
ト)でステップ112に進み、NO(クリア)でステッ
プ113に進む。
【0032】ステップ112は、伸側減衰特性の目標ポ
ジションTP を次式により算出するステップである。
【0033】TP =V/VINIT×PMAX 尚、PMAX は伸側の減衰特性が最大となるポジションで
ある。
【0034】ステップ113は、伸側減衰特性の目標ポ
ジションTP を次式により算出するステップである。
【0035】TP =V/VMAX ×PMAX 尚、VMAX は更新された基本しきい値を示す。
【0036】ステップ114は、目標ポジションTP
最大減衰ポジションPMAX 以上であるか否かを判定する
ステップであり、YESでステップ115に進み、NO
でステップ116に進む。
【0037】ステップ115は、伸側減衰特性の目標ポ
ジションTP を最大減衰ポジションPMAX に更新するス
テップである。
【0038】ステップ116は、目標ポジションTP
向けてステップモータ3を駆動させるステップである。
【0039】ステップ117は、制御信号Vが0である
か否かを判定するステップであり、YESでステップ1
18に進み、NOでステップ119に進む。
【0040】ステップ118は、目標ポジションTP
-Pを0(ソフト領域SS)に設定すると共に、フラグ
をクリアするステップである。
【0041】ステップ119は、前回の制御信号V-1
正の値であるか否かを判定するステップであり、YES
(上方向)でステップ120に進み、NO(下方向)で
ステップ121に進む。即ち、このステップでは制御信
号の方向が正の値から負の値に逆転したかどうかを判定
するものである。
【0042】ステップ120は、下方向(圧側)の制御
信号Vの基本しきい値V-MAXの初期値V-INIT を設定す
ると共に、フラグをクリアするステップである。
【0043】ステップ121は、制御信号Vが初期値V
-INIT 以下となったか否かを判定するステップであり、
YES(以下)でステップ122に進み、NOでステッ
プ123に進む。
【0044】ステップ122は、基本しきい値V-MAX
値をその時の制御信号Vの値に更新するステップであ
る。
【0045】ステップ123は、更新された基本しきい
値V-MAXの値が大入力しきい値V-TH 以下であるか否か
を判定するステップであり、YES(以下)でステップ
124に進み、NOでステップ125に進む。
【0046】ステップ124は、フラグをセットするス
テップである。
【0047】ステップ125は、フラグがセットされて
いるか否かを判定するステップであり、YES(セッ
ト)でステップ126に進み、NO(クリア)でステッ
プ127に進む。
【0048】ステップ126は、圧側減衰特性の目標ポ
ジションT-Pを次式により算出するステップである。
【0049】T-P=V/V-INIT ×P-MAX 尚、P-MAXは圧側の減衰特性が最大となるポジションで
ある。
【0050】ステップ127は、圧側減衰特性の目標ポ
ジションT-Pを次式により算出するステップである。
【0051】T-P=V/V-MAX×P-MAX 尚、V-MAXは更新された基本しきい値を示す。
【0052】ステップ128は、目標ポジションT-P
最大減衰ポジションP-MAX以下であるか否かを判定する
ステップであり、YESでステップ129に進み、NO
でステップ130に進む。
【0053】ステップ129は、圧側減衰特性の目標ポ
ジションT-Pを最大減衰ポジションP-MAXに更新するス
テップである。
【0054】ステップ130は、目標ポジションT-P
向けてステップモータ3を駆動させるステップである。
【0055】次に、実施例装置の作動を図16及び図1
7のタイムチャートにより説明する。まず、図16のタ
イムチャートについて説明すると、上から順に、制御信
号V,大入力制御条件のON・OFF状態,パルスモー
タ3の目標ポジションの各変動を示している。
【0056】まず、制御信号Vが基本しきい値の初期値
INIT,V-INIT の間にある時は、図15のステップ1
13,127により、制御信号Vが初期値VINIT,V
-INITの値の時にショックアブソーバSAの伸圧各減衰
特性が最大になるような減衰特性の比例制御が行なわれ
る。
【0057】従って、減衰力の立ち上げ時における感度
が高くなって制御応答性を向上させることができる。
【0058】制御信号Vが基本しきい値の初期値
INIT,V-INIT の範囲以上となった時は、図15のス
テップ107〜108,121〜122の流れにより、
基本しきい値VMAX ,V-MAXがその時の制御信号Vの値
に更新されることから、ピーク値に達するまでの間はシ
ョックアブソーバSAの伸圧各減衰特性が最大の状態に
維持されると共に、ピーク値から制御信号Vの方向が逆
転するまでの間は、図15のステップ113,127に
より、ピーク値の制御信号Vの値を最大減衰特性とする
制御信号Vに比例した減衰特性制御(基本制御)が行な
われる(図16における点線で示す制御)。
【0059】従って、制御応答性を高めつつ減衰力の急
激な変化をなくして車両の乗り心地を確保することがで
きる。
【0060】制御信号Vが大入力しきい値VTH,V-TH
の範囲以上になると、ピーク値から制御信号Vの方向が
逆転するまでの間は、図15のステップ112,126
により、基本しきい値の初期値VINIT,V-INIT の値で
最大減衰特性となるような制御信号Vに比例した減衰特
性制御(補正制御)が行なわれる(図16における実線
で示す制御)。
【0061】このように補正制御が行なわれると、点線
で示す基本制御が行なわれた場合に比べ、最大減衰特性
に維持される時間が延長されるため、斜線で示す部分だ
け減衰力が増大された状態となる。
【0062】従って、大入力時における車両の制振性を
高めて操縦安定性を高めることができる。
【0063】次に、図17のタイムチャートについて説
明する。尚、このタイムチャートは制御信号Vが大入力
しきい値VTH,V-TH の範囲未満で変化した場合を示し
ている。
【0064】制御信号Vがこの図に示すように変化した
場合、制御信号Vが0である時には、ショックアブソー
バSAをソフト領域SSに制御する。
【0065】また、制御信号Vが正の値になると、伸側
ハード領域HSに制御して、圧側を低減衰特性に固定す
る。
【0066】また、制御信号Vが負の値になると、圧側
ハード領域SHに制御して、伸側を低減衰特性に固定す
る。
【0067】また、図17のタイムチャートにおいて、
領域aは、ばね上上下速度に基づく制御信号Vが負の値
(下向き)から正の値(上向き)に逆転した状態である
が、この時はまだ相対速度は負の値(ショックアブソー
バSAの行程は圧行程側)となっている領域であるた
め、この時は、制御信号Vの方向に基づいてショックア
ブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御されており、
従って、この領域ではその時のショックアブソーバSA
の行程である圧行程側がソフト特性となる。
【0068】また、領域bは、ばね上上下速度に基づく
制御信号Vが正の値(上向き)のままで、相対速度は負
の値から正の値(ショックアブソーバSAの行程は伸行
程側)に切り換わった領域であるため、この時は、制御
信号Vの方向に基づいてショックアブソーバSAは伸側
ハード領域HSに制御されており、かつ、ショックアブ
ソーバの行程も伸行程であり、従って、この領域ではそ
の時のショックアブソーバSAの行程である伸行程側
が、制御信号Vの値に比例したハード特性となる。
【0069】また、領域cは、ばね上上下速度に基づく
制御信号Vが正の値(上向き)から負の値(下向き)に
逆転した状態であるが、この時はまだ相対速度は正の値
(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)となって
いる領域であるため、この時は、制御信号Vの方向に基
づいてショックアブソーバSAは圧側ハード領域SHに
制御されており、従って、この領域ではその時のショッ
クアブソーバSAの行程である伸行程側がソフト特性と
なる。
【0070】また、領域dは、ばね上上下速度に基づく
制御信号Vが負の値(下向き)のままで、相対速度は正
の値から負の値(ショックアブソーバSAの行程は圧行
程側)になる領域であるため、この時は、制御信号Vの
方向に基づいてショックアブソーバSAは圧側ハード領
域SHに制御されており、かつ、ショックアブソーバの
行程も圧行程であり、従って、この領域ではその時のシ
ョックアブソーバSAの行程である圧行程側が、制御信
号Vの値に比例したハード特性となる。
【0071】以上のように、この実施例では、ばね上上
下速度とばね上・ばね下間の相対速度とが同符号の時
(領域b,領域d)は、その時のショックアブソーバS
Aの行程側をハード特性に制御し、異符号の時(領域
a,領域c)は、その時のショックアブソーバSAの行
程側をソフト特性に制御するという、スカイフック理論
に基づいた減衰特性制御と同一の制御が、ばね上・ばね
下間相対速度を検出することなしに行なわれることにな
る。そして、さらに、この実施例では、領域aから領域
b,及び領域cから領域dへ移行する時には、パルスモ
ータ3を駆動させることなしに減衰特性の切り換えが行
なわれることになる。
【0072】以上説明したように、この実施例では、以
下に列挙する効果が得られる。 大入力時にだけ補正制御を行なうようにしたこと
で、小入力時には基本制御により制御応答性を高めつつ
車両の乗り心地を確保することができると共に、大きな
路面入力に対しては補正制御により十分な制振性が得ら
れて操縦安定性を向上させることができる車両懸架装置
を提供することができる。
【0073】 バウンスのみでなくロール,ピッチに
対しても十分な制御力を発生することができることか
ら、乗り心地と操縦安定性に優れた車両懸架装置を提供
することができる。
【0074】 従来のスカイフック理論に基づいた減
衰特性制御に比べ、減衰特性の切り換え頻度が少なくな
るため、制御応答性を高めることができると共に、パル
スモータ3の耐久性を向上させることができる。
【0075】 バウンスレート,ピッチレート,ロー
ルレートを求めるにあたり、それぞれ異なる定数α,
β,γを用いているため、車両において、ばね上共振周
波数,ピッチ共振周波数,ロール共振周波数がそれぞれ
異なっていても、ばね上上下速度に基づいて、各レート
を的確に検出することができる。
【0076】次に、他の実施例について説明するが、こ
れら実施例を説明するにあたり、第1実施例との相違点
のみを説明することにする。また、説明中の符号で第1
実施例と同じ符号は、同じ対象を示すものである。
【0077】(第2実施例) 第2実施例は、コントロールユニット4の一部が第1実
施例と異なっていて、制御信号Vを求めるにあたり、下
記の数式2に示す演算式を用いる。
【0078】
【数2】 すなわち、この第2実施例では、バウンスレートを各輪
のばね上上下速度に基づいてそれぞれ独立に求めるよう
にしたものである。
【0079】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本考案
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本考案
に含まれる。
【0080】例えば、実施例では、伸側が減衰特性可変
で圧側が低減衰特性に固定の伸側ハード領域と、圧側が
減衰特性可変で伸側が低減衰特性に固定の圧側ハード領
域と、伸側・圧側共に低減衰特性のソフト領域との3つ
の領域を有するショックアブソーバを用いたが、伸側及
び圧側の減衰特性が同時に変化する構造のショックアブ
ソーバを用いることができる。
【0081】
【考案の効果】以上説明してきたように本考案の車両懸
架装置は、ばね上上下速度に基づく制御信号が所定の大
入力しきい値未満である時は、制御信号が方向逆転して
から所定の基本しきい値に達するまでの間は基本しきい
値の値で最大減衰特性となるように制御信号に比例した
減衰特性制御を行なうと共に、基本しきい値以上になる
とピーク値に達するまでは制御信号の値を基本しきい値
の値に更新し、ピーク値から制御信号の方向が逆転する
までの間はピーク値の制御信号の値を最大減衰特性とす
る制御信号に比例した減衰特性制御を行なう基本制御部
を有する制御手段と、該制御手段に設けられ、制御信号
が大入力しきい値以上になると、ピーク値から制御信号
の方向が逆転するまでの間は、前記基本制御部による減
衰特性制御に代えて基本しきい値の値で最大減衰特性と
なる制御信号に比例した減衰特性制御を行なう補正制御
部とを備えた構成としたことで、小さな路面入力に対し
ては、基本制御部の制御作動により制御御応答性を高め
つつ車両の乗り心地を確保することができると共に、大
きな路面入力に対しては、補正制御部の制御作動により
十分な制振性が得られて操縦安定性を向上させることが
できるという効果が得られる。
【0082】また、請求項2記載の車両懸架装置は、各
ショックアブソーバを、伸側が減衰特性可変で圧側が低
減衰特性に固定の伸側ハード領域と、圧側が減衰特性可
変で伸側が低減衰特性に固定の圧側ハード領域と、伸側
・圧側共に低減衰特性のソフト領域との3つの領域を有
する構造に形成し、前記減衰特性制御手段を、制御信号
が正の値の時ショックアブソーバを伸側ハード領域にて
制御し、制御信号が負の値の時ショックアブソーバを圧
側ハード領域にて制御し、制御信号が0の時ショックア
ブソーバをソフト領域に制御するように構成したこと
で、相対速度検出手段を用いることなくスカイフック理
論に基づいた減衰特性制御が可能になるもので、従来の
スカイフック理論に基づいた減衰特性制御に比べ、減衰
特性の切り換え頻度を少なくすることができ、これによ
り、制御応答性を高めることができると共に、減衰特性
切換用アクチュエータの耐久性を向上させることができ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の車両懸架装置を示すクレーム概念図で
ある。
【図2】本考案第1実施例の車両懸架装置を示す構成説
明図である。
【図3】第1実施例の車両懸架装置を示すシステムブロ
ック図である。
【図4】第1実施例装置に適用したショックアブソーバ
を示す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰特性特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面及びM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】第1実施例のコントロールユニットの要部を
示すブロック図である。
【図15】第1実施例装置のコントロールユニットの制
御作動を示すフローチャートである。
【図16】第1実施例装置の作動を示すタイムチャート
である。
【図17】第1実施例装置の作動を示すタイムチャート
である。
【符号の説明】
a 減衰特性変更手段 b ショックアブソーバ c ばね上上下速度検出手段 d 基本制御部 e 制御手段 f 補正制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60G 17/00 - 17/08

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在され、減衰
    特性変更手段により減衰特性を変更可能なショックアブ
    ソーバと、 ばね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手段と、 ばね上上下速度に基づく制御信号が所定の大入力しきい
    値未満である時は、制御信号が方向逆転してから所定の
    基本しきい値に達するまでの間は基本しきい値の値で最
    大減衰特性となるように制御信号に比例した減衰特性制
    御を行なうと共に、基本しきい値以上になるとピーク値
    に達するまでは制御信号の値を基本しきい値の値に更新
    し、ピーク値から制御信号の方向が逆転するまでの間は
    ピーク値の制御信号の値を最大減衰特性とする制御信号
    に比例した減衰特性制御を行なう基本制御部を有する制
    御手段と、 該制御手段に設けられ、制御信号が大入力しきい値以上
    になると、ピーク値から制御信号の方向が逆転するまで
    の間は、前記基本制御部による減衰特性制御に代えて基
    本しきい値の値で最大減衰特性となる制御信号に比例し
    た減衰特性制御を行なう補正制御部と、 を備えていることを特徴とする車両懸架装置。
  2. 【請求項2】 前記ショックアブソーバを、伸側が減衰
    特性可変で圧側が低減衰特性に固定の伸側ハード領域
    と、圧側が減衰特性可変で伸側が低減衰特性に固定の圧
    側ハード領域と、伸側・圧側共に低減衰特性のソフト領
    域との3つの領域を有する構造に形成し、 前記減衰特性制御手段を、制御信号が正の値の時ショッ
    クアブソーバを伸側ハード領域にて制御し、制御信号が
    負の値の時ショックアブソーバを圧側ハード領域にて制
    御し、制御信号が0の時ショックアブソーバをソフト領
    域に制御するように構成したことを特徴とする請求項1
    記載の車両懸架装置。
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