JP3181971U - 回転構造物の螺子機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】ターボ分子ポンプのような回転構造物において、回転シャフトとそれに固定される回転部材とを強固に固定することのできる固定機構を提供する。
【解決手段】回転シャフト2と、その回転シャフト2に固定される回転部材3とを備える回転構造物1において、回転シャフト2に回転部材3を固定するためのネジ軸部20とナット部30とを備える螺子機構10であり、このネジ軸部20とナット部30の螺条方向を、当該ナット部30をネジ軸部20に嵌め込む側から見て、回転シャフト2の回転方向と逆の方向に形成する。
【選択図】図1
【解決手段】回転シャフト2と、その回転シャフト2に固定される回転部材3とを備える回転構造物1において、回転シャフト2に回転部材3を固定するためのネジ軸部20とナット部30とを備える螺子機構10であり、このネジ軸部20とナット部30の螺条方向を、当該ナット部30をネジ軸部20に嵌め込む側から見て、回転シャフト2の回転方向と逆の方向に形成する。
【選択図】図1
Description
本考案は、例えば、ターボ分子ポンプなどの回転構造物において、回転シャフトとローターとを固定するための螺子機構に関するものである。
近年、半導体製造装置や真空実験装置などの各種装置において、ターボ分子ポンプが広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。このターボ分子ポンプは機械式真空ポンプの一種であり、動翼を備えたローターが高速回転して気体分子を弾き飛ばすことによってガスを排気する。
こうしたターボ分子ポンプには、ローターが、モーターによって反時計回り方向に回転する回転シャフトに左ネジ構造のナットによって固定され、また、回転シャフトの下端にストッパーが同じく左ネジ構造のボルトによって固定されたものがある。
しかし、上記したターボ分子ポンプにおいては、反時計回り方向に回転する回転シャフトに、ローターが左ネジ構造のナットによって固定されているので、高速回転の影響によってナットが緩み易いといった問題が発生する。ナットが緩むと、ローターと回転シャフトとの組付き力が低下するので、ローターおよびそれに設けられている動翼の回転バランスが崩れ、異音や振動が発生してしまう。
本考案はこうした問題に鑑み創案されたもので、例えば、ターボ分子ポンプのような回転構造物において、回転シャフトとそれに固定される回転部材とを強固に固定することのできる螺子機構を提供することを課題とする。
図1乃至図3を参照して説明する。請求項1に記載の回転構造物の螺子機構10は、回転シャフト2と、その回転シャフト2に固定される回転部材3とを備える回転構造物1において、前記回転シャフト2に前記回転部材3を固定するためのネジ軸部20とナット部30とを備えるものであって、前記ネジ軸部20とナット部30の螺条方向が、前記ナット部30をネジ軸部20に嵌め込む側から見て、前記回転シャフト2の回転方向と逆の方向に形成されたものである。
請求項2に記載の回転構造物の螺子機構10は、回転シャフト2と、該回転シャフト2に固定される回転部材3とを備える回転構造物1において、前記回転シャフト2に前記回転部材3を固定するためのネジ軸部20とナット部30とを備えるものであって、前記ネジ軸部20とナット部30の螺条方向が、前記ナット部30をネジ軸部20に嵌め込む側から見て、前記回転シャフト2の回転方向と逆の方向に形成されたものである。
また、前記回転構造物1が、ターボ分子ポンプであると共に、前記回転部材3がローターであり、前記螺子機構10が、前記回転シャフト2の上部に位置する第一螺子機構11と、前記回転シャフト2の下端部に位置する第二螺子機構12とで構成されている。
また、前記第一螺子機構11が、前記回転シャフト2の上部外周面に螺条を形成して構成した第一ネジ軸部21と、当該第一ネジ軸部21に螺合する螺条を備える第一ナット部31とで構成されている。
さらに、前記第二螺子機構12が、前記回転シャフト2の下端部外周面に螺条を形成して構成した第二ネジ軸部22と、当該第二ネジ軸部22に螺合する螺条を備える第二ナット部32とで構成されている。
請求項1に記載の回転構造物の螺子機構10は、ネジ軸部20とナット部30の螺条方向を、ナット部30をネジ軸部20に嵌め込む側から見て、回転シャフト2の回転方向と逆の方向に形成したので、当該螺子機構10の緩みを防止することができる。これにより、回転シャフト2と回転部材3との組付き力が低下して、異音や振動が発生するといった事態を未然に防止することができる。
請求項2に記載の回転構造物の螺子機構10は、請求項1に記載の考案と同様の効果を発揮する。すなわち、ネジ軸部20とナット部30の螺条方向を、ナット部30をネジ軸部20に嵌め込む側から見て、回転シャフト2の回転方向と逆の方向に形成したので、当該螺子機構10の緩みを防止することができる。これにより、回転シャフト2と回転部材3との組付き力が低下して、異音や振動が発生するといった事態を未然に防止することができる。
また、回転構造物1がターボ分子ポンプであると共に、回転部材3がローターであり、螺子機構10が、回転シャフト2の上部に位置する第一螺子機構11と、回転シャフト2の下端部に位置する第二螺子機構12とで構成されるので、螺子機構10の緩みに起因する当該ターボ分子ポンプ1の異音および振動の発生を未然に防止することができる。
図1を参考にして回転構造物1がターボ分子ポンプの場合について説明する。2は回転シャフトで、回転シャフトの上半部にはローターを構成する回転部材3が嵌固着されている。回転部材3の外周には半径方向の切込入り円環状動翼3aが上下に列べて配置されている。回転部材3の外側に配置した円筒状ケーシング4の内面には、半径方向の切込入り円環状静翼4aが上下に列べて配置され且つ各静翼4aは上下に隣同士の動翼3a,3aの間になるように配置されている。回転部材3の上面中央凹部3bには回転シャフト2の第一ネジ軸部21が突接され、ケーシング4の上端には、吸気口6aを設けた蓋部材6が固着配置され、蓋部材6の下面に垂設した軸受筒6bに回転シャフト2の上端が上軸受6cを介して支持される。又、軸受筒6bと回転部材3との間には磁気軸受6d,3cが配置されている。
ケーシング4の下側に接続した支持台7には、回転シャフト2の下部2aがあり、モータロータ5aが嵌着され、モータロータ5aの下側には支持台7に装着したスラスト軸受7aが嵌着され、更にその下側の第二ネジ軸22に第二ナット32が装着されている。モータロータ5aを囲んでモータステータ5bが支持台7に配置されている。気体は吸気口6aから静翼4aと回転翼3a間を通って支持台7の排気口7bへ流れた。
本考案に係る回転構造物の螺子機構10の一実施形態を、図1に示す。この螺子機構10は、垂直方向に配置された回転シャフト2と、その回転シャフト2の上半部外周側に固定される回転部材3とを備える回転構造物1において、回転シャフト2に回転部材3を固定するためのものである。
本実施形態における回転構造物1はターボ分子ポンプである。このターボ分子ポンプ1は、半導体製造装置や真空実験装置などの各種装置や、研究実験室などの排気装置などとして広く使用される。
回転シャフト2はケーシング4に収納され、その下部の外周側に配置されたモーター5によって反時計回り方向に回転する。回転シャフト2は、その略上半部が、動翼3aを備えたローター(回転部材)3の中心部を挿通している。
螺子機構10は、回転シャフト2の上部に位置する第一螺子機構11と、回転シャフト2の下端部に位置する第二螺子機構12とで構成される。第一螺子機構11は、回転シャフト2の上部外周面に螺条を形成して構成した第一ネジ軸部(ボルト構造)21と、この第一ネジ軸部21に螺合する螺条を備える第一ナット部(ナット構造)31とで構成される。この第一螺子機構11は、回転シャフト2にローター3を固定する役目を担う。
また、第二螺子機構12は、回転シャフト2の下端部外周面に螺条を形成して構成した第二ネジ軸部(ボルト構造)22と、この第二ネジ軸部22に螺合する螺条を備える第二ナット部(ナット構造)32とで構成される。この第二螺子機構12の第二ナット部32はストッパーの役目を担い、回転シャフト2の上下方向の移動を規制する。
そして、図2に示すように、第一螺子機構11の第一ネジ軸部21と第一ナット部31の螺条方向を、第一ナット部31を第一ネジ軸部21に嵌め込む側から見て(すなわち図1のXで示す上方から見て)、当該回転シャフト2および第一ネジ軸部21の回転方向(反時計回り方向)Lとは逆の右方向Rとしている。すなわち、第一ネジ軸部21および第一ナット部31を右ネジ構造としている。
また、図3に示すように、第二螺子機構12の第二ネジ軸部22と第二ナット部32の螺条方向を、第二ナット部32を第二ネジ軸部22に嵌め込む側から見て(すなわち図1のYで示す下方から見て)、当該回転シャフト2および第二ネジ軸部22の回転方向(時計回り方向)Rとは逆の左方向Lとしている。すなわち、第二ネジ軸部22および第二ナット部32を左ネジ構造としている。
本実施形態に係る螺子機構10を備えるターボ分子ポンプ(回転構造物)1において、第一ナット部31を第一ネジ軸部21に嵌め込む側から見た状態で、回転シャフト2およびローター(回転部材)3がモーター5によって反時計回り方向に回転すると、その回転力によって第一螺子機構11も同時に反時計回り方向に回転して、当該反時計回り方向に回転力が作用する。
このとき、第一螺子機構11の第一ネジ軸部21および第一ナット部31の螺条は、時計回り方向に形成された右ネジ構造であるため、反時計回り方向の回転力が第一螺子機構11を締める方向に作用する。その結果、第一螺子機構11は緩むことなく回転シャフト2とローター3とを強く固定する。これにより、回転シャフト2とローター3との組付き力が低下して異音や振動が発生するといった事態を未然に防止することができる。
また、上記の場合において、第二ナット部32を第二ネジ軸部22に嵌め込む側から見た状態では、回転シャフト2およびローター(回転部材)3がモーター5によって時計回り方向に回転することになる。そして、その回転力によって第二螺子機構12も同時に時計回り方向に回転して、当該時計回り方向に回転力が作用する。
このとき、第二螺子機構12の第二ネジ軸部22および第二ナット部32の螺条は、反時計回り方向に形成された左ネジ構造であるため、時計回り方向の回転力が第二螺子機構12を締める方向に作用する。その結果、第二螺子機構12の第二ナット部(ストッパー)32は緩むことなく第二ネジ軸部22に、より強く組付く。これにより、第二ナット部32はストッパーとしての機能を効果的に発揮する。
なお、上記実施形態においては、螺子機構10を、回転シャフト2およびローター3が、上から見た場合に反時計回り方向に回転する回転構造物1に適用したものであるが、その逆に時計回り方向に回転する回転構造物1に適用することもできる。その場合、上記実施形態とは異なり、第一螺子機構11を左ネジ構造とし、第二螺子機構12を右ネジ構造とする。
また、上記実施形態における螺子機構10は、垂直方向に配置された回転シャフト2と、その外周側に固定される回転部材(ローター)3とを備えたターボ分子ポンプ1に用いられるものであるが、本考案に係る螺子機構10はそうした使用に限定されるものではない。
従って、本考案に係る螺子機構10は、例えば、図4に示すように、水平方向に配置された回転シャフト2と、それに固定される回転部材(車輪)3とを備える回転構造物(各種の車両)1にも適用することができる。
この場合、右側の車輪3は時計回り方向Rに回転するので、この車輪3に組付ける螺子機構10は反時計回り方向Lの螺条を備える左ネジ構造とする。その逆に、左側の車輪3は反時計回り方向Lに回転するので、この車輪3に組付ける螺子機構10は時計回り方向Rの螺条を備える右ネジ構造とする。
1 回転構造物(ターボ分子ポンプ、車両)
2 回転シャフト
2a 下部
3 回転部材(ローター)
3a 動翼
3b 中央凹部
3c 磁気軸受
4 ケーシング
4a 静翼
4b 上軸筒
4c 磁気軸受
5 モーター
5a モータロータ
5b モータステータ
6 蓋部材
6a 吸気口
6b 軸受筒
6c 上軸受
6d 磁気軸受
7 支持台
7a スラスト軸受
7b 排気口
10 螺子機構
11 第一螺子機構
12 第二螺子機構
20 ネジ軸部
21 第一ネジ軸部
22 第二ネジ軸部
30 ナット部
31 第一ナット部
32 第二ナット部
2 回転シャフト
2a 下部
3 回転部材(ローター)
3a 動翼
3b 中央凹部
3c 磁気軸受
4 ケーシング
4a 静翼
4b 上軸筒
4c 磁気軸受
5 モーター
5a モータロータ
5b モータステータ
6 蓋部材
6a 吸気口
6b 軸受筒
6c 上軸受
6d 磁気軸受
7 支持台
7a スラスト軸受
7b 排気口
10 螺子機構
11 第一螺子機構
12 第二螺子機構
20 ネジ軸部
21 第一ネジ軸部
22 第二ネジ軸部
30 ナット部
31 第一ナット部
32 第二ナット部
Claims (2)
- 回転シャフト(2)と,該回転シャフトに固定される回転部材(3)とを備える回転構造物(1)において,前記回転シャフトに前記回転部材を固定するためのネジ軸部(20)とナット部(30)とを備える螺子機構であって、前記ネジ軸部とナット部の螺条方向が,前記ナット部をネジ軸部に嵌め込む側から見て,前記回転シャフトの回転方向と逆の方向に形成されていることを特徴とする回転構造物の螺子機構。
- 回転シャフト(2)と,該回転シャフトに固定される回転部材(3)とを備える回転構造物(1)において,前記回転シャフトに前記回転部材を固定するためのネジ軸部(20)とナット部(30)とを備える螺子機構であって、前記ネジ軸部とナット部の螺条方向が,前記ナット部をネジ軸部に嵌め込む側から見て,前記回転シャフトの回転方向と逆の方向に形成されており、前記回転構造物がターボ分子ポンプであると共に,前記回転部材がローターであり、前記螺子機構が,前記回転シャフトの上部に位置する第一螺子機構(11)と,前記回転シャフトの下端部に位置する第二螺子機構(12)とで構成され、前記第一螺子機構が,前記回転シャフトの上部外周面に螺条を形成して構成した第一ネジ軸部(21)と,該第一ネジ軸部に螺合する螺条を備える第一ナット部(31)とで構成され、前記第二螺子機構が,前記回転シャフトの下端部外周面に螺条を形成して構成した第二ネジ軸部(22)と,該第二ネジ軸部に螺合する螺条を備える第二ナット部(32)とで構成されたことを特徴とする回転構造物の螺子機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012007637U JP3181971U (ja) | 2012-12-18 | 2012-12-18 | 回転構造物の螺子機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012007637U JP3181971U (ja) | 2012-12-18 | 2012-12-18 | 回転構造物の螺子機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3181971U true JP3181971U (ja) | 2013-02-28 |
Family
ID=50426121
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012007637U Expired - Lifetime JP3181971U (ja) | 2012-12-18 | 2012-12-18 | 回転構造物の螺子機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3181971U (ja) |
-
2012
- 2012-12-18 JP JP2012007637U patent/JP3181971U/ja not_active Expired - Lifetime
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