JP3181747U - 折畳み式作業域囲い装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】工事対象の特定作業域を、簡便な段取りでほぼ閉鎖状態に囲い、作業が終了すればその作業囲いを折畳んで収納できるようにした折畳み・組立式の作業域囲い装置を提供する。
【解決手段】略四角形の頂点に立設される少なくとも4本のパイプ材による柱部材1とこれらの柱部材をその上部において連結する梁部材2とを備えて組立て折畳み自在又は組立て分解自在にしたフレーム部Fと、組立てられた前記フレーム部に着脱可能に被覆されるように形成したシート材Sによる被覆シート部Cとを備える。使用に当たっては、前記フレーム部と被覆シート部を折畳み又は分解状態で作業場所に運び込み、作業対象を内部に位置付けて組立て、組立てた当該フレーム部にそのフレーム部を全部覆うように前記被覆シート部のシート材を着装し、この被覆シートの内部で前記作業対象に工事を施す。
【選択図】図1

Description

本考案は原子力発電所などの原子力施設における特定作業域や作業場所において、そこで発生している汚染を周囲に拡散させないようにした折畳み式の作業域囲い装置に関する。
従来から原子力発電所などの原子力施設では、放射線による汚染度合をランク付けし、例えば汚染ランクの高い区域や場所において、配管作業などの作業を施工する場合には、当該作業場所を囲むように単管による仮設足場を組立て、当該足場で囲まれた範囲を養生シートなどのカバー材で覆い、工事すべき配管をカバー材で覆われた内部に位置させるため、カバー材の一部に開閉部を設けたり穴を明けたりして前記配管を内部に置き当該配管に対する工事を養生シートなどのカバー材による囲いの中で施工していた。
しかし、上記のような仮設足場の組立て作業、カバー材である養生シートでの被覆作業を経てその内部に作業者が入って工事を行い、工事が終われば前記シートを取外して足場を解体,撤去しなければならないが、このような段取り作業や撤収作業は、本体工事の手間に比べると、組立てや撤去に要する労力や時間が多大になって工業全体をきわめてコスト高なものとする大きな要因となっていた。
この点を改善するために従来提案されている技術は、鋼管で人が入れる直方体状のフレームを組立て、その外側をシートで覆うタイプの作業スペースを形成することが知られているが、作業の度にフレームを組立ててシートで覆う作業は、上記の仮設足場方式と段取りや撤収に多大な手間,時間を要する点で、大差はない。一方で、配管等の工事すべき部位のみをカバーで覆ってしまい、作業者はそのカバーの外側から作業をする形態の作業域囲い装置の提案もあるが、囲い装置内と作業対象部位のインターフェースが未だ良好でないため、使い勝手において汎用性に欠ける憾がある。
特許第4078274号公報 特開平6−300890号公報 実開昭64−48700号公報 実開昭57−24600号公報
そこで本考案では、上記のような汚染の拡散を防ぎながら作業を遂行しなければならない作業域に対し、作業員が内部に入って作業でき、しかも組立・折畳み自在方式の囲い装置を形成し、工事対象の配管等が存在する特定作業域を、その配管等も含み至って簡便な段取り作業でほぼ閉鎖状態に囲ってしまい、その囲いの中で所定作業を行い、作業が終了すればその作業囲いを折畳んで収納できるようにした折畳み・組立式の作業域囲い装置を提供することを、課題とする。
上記課題を解決することを目的としてなされた本考案囲い装置の構成は、略四角形の頂点に立設される少なくとも4本のパイプ材による柱部材とこれらの柱部材をその上部において連結する梁部材とを備えて組立て折畳み自在又は組立て分解自在にしたフレーム部と、組立てられた前記フレーム部に着脱可能に被覆されるように形成したシート材による被覆シート部とを備え、前記フレーム部と被覆シート部を折畳み又は分解状態で作業場所に運び込み、作業対象を内部に位置付けて組立て、組立てた当該フレーム部にそのフレーム部を全部覆うように前記被覆シート部のシート材を着装し、この被覆シートの内部で前記作業対象に工事を施すようにしたことを特徴とするものである。
本考案では上記構成において、柱部材と梁部材は、パイプ材の三方継手により分解可能に連結する構造であることが望ましい。
一方、2本の柱部材と1本の梁部材を、予め略逆U状をなす一体のフレーム材に形成しておき、この略逆U状フレーム材の2つを、互の柱部材同士を交叉させた形で枢着して折畳み式のフレーム部とすることができる。パイプ材は、角パイプ,丸パイプのいずれであってもよい。
本考案において、シート材による被覆シート部は、内面に前記フレーム部のパイプ材に結合するための環状又は帯状の係止部を備えたものであることが望ましい。環状又は帯状の係止部は、一例として面ファスナ,ホック,ボタンなどの係止具によって係止部がパイプ材を開閉自在に抱持する形態のものである。
また、前記被覆シート部の各面のシート材には、ラインファスナや面ファスナなどによって開閉できるようにした出入口が形成されている。この出入口は作業員用の出入口と、配管などの作業対象を内部に位置付けるための出入口である。
さらに、被覆シート部のシート材の内面には、ポケット状の物入れ部、或は、備品等の保管部を形成しておくと作業時に着脱する備品や部品などを一時的に入れておく場所として便利である。
加えて、フレーム部と被覆シート部は、一緒にまとめて紐又はテープ状の結束材で結束するか、又は、袋またはケースに収納するようにしておくと、本考案囲い装置の運搬,保管に便利である。
本考案は、略四角形の頂点に立設される少なくとも4本のパイプ材による柱部材とこれらの柱部材をその上部において連結する梁部材とを備えて組立て折畳み自在又は組立て分解自在にしたフレーム部と、組立てられた前記フレーム部に着脱可能に被覆されるように形成したシート材による被覆シート部とから成り、前記フレーム部と被覆シート部を折畳み又は分解状態で作業場所に運び込み、作業対象を内部に位置付けて組立て、組立てた当該フレーム部にそのフレーム部を全部覆うように前記被覆シート部のシート材を着装し、この被覆シートの内部で前記作業対象に工事を施すようにして、汚染を周囲に拡散させない機能を有する作業域、或は、作業場所(箇所)の囲い装置を形成したから、従来の作業域を囲むように仮設足場を組立て、その足場による囲いの上から養生シートを被覆するようにした閉鎮作業空間における汚染域での作業形態を、汚染の拡散防止機能を保持したまま格段に簡素化することができるという効果が得られる。
本考案囲い装置の一例の概要を説明するための斜視図。 本考案囲い装置の他の例の概要を説明するための斜視図。
次に、本考案の実施の形態側について、図を参照して説明する。
図1において、1は4本のパイプ材(金属製又はプラスチック製若しくはこれらの複合材製など)による柱部材で、図の例では平面視四角形の頂点に立設配置される。
2は前記柱部材1の上端部間に架設した梁部材で、この梁部材2も前記パイプ材と同じものを用いることが望ましいが、必ずしも同一パイプ材でなくてもよい。パイプ材は、断面が丸形、多角形のいずれであってもよい。
上記柱部材1と梁部材2は、図1の例では、X,Y,Zの3軸方向を向いた三方継手3を用いて結合し、図1の形態のフレーム部Fに組立てられる。このフレーム部Fにおいて、用いる柱部材1は4本に限られるものではなく、例えば図示しないが、図1の長手梁部材2の中間部に中間柱部材を立設することもできる。中間柱部材と梁部材2の結合には、T状継手を用いる。
上記のようにして組立てられるフレーム部Fに対し、本考案では、シート材Sを図1に1点鎖線で示した輪郭形状に形成した被覆シート部Cが被せられる。すなわち、織布,不織布,フィルム地,シート地などによる柔軟なシート材Sは、上記フレーム部Fにおける天井壁,前後壁,左右側壁の形状に合せて裁断し、これら各壁のシート材Sを、フレーム部Fがなす立体形状となるように縫着や溶着などによって結合することにより被覆シート部Cの基本形態に形成されている。
上記被覆シート部Cにおいて、図1の例では、内面の各柱部材1梁部材2に対応する部位(例えば、各シート材の縫合(溶着)部)に、柱部材1と梁部材2に抱持態様で結合する開閉自在の環状係止部4が設けられている。この係止部4の開閉には、図示しないが面ファスナやスナップボタンを用いるとよい。
また、被覆シート部Cの各壁には、ラインファスナ5が設けられ、シート材Sに囲まれたフレーム部Fの内部への出入口が形成されている。この出入口は、作業員の出入口として機能すると共に、建屋の壁面から突出している配管などの作業対象部位をこの囲い内に入れるための出入口としても機能する。このためラインファスナ5はスライダ(図示せず)を2個持ったものを使用することが望ましい。スライダが2個あると、そのスライダの位置でラインファスナ5の上での開口部を任意に調整できるからである。
このようにファスナ5による出入口は、人の出入口であるとともに作業部位の出入口でもあるから、本考案ではすべての壁面に設ける。この意味で図1では天井壁にラインファスナ5による出入口は図示されていないが、本考案では天井壁にもファスナ5を設けることがある。また、図示したファスナ5は、立壁面に垂直向きに設けたが、ファスナ5の向きは斜めや水平向きであってもよい。さらにラインファスナ5に各壁面に、複数本を平行に設けるとよい。様々な高さや左右方向での位置に来る可能性がある対象部位をこの囲いの中に取込むためである。
上記の被覆シート部Cにおいて、シート材Sの内面には、図1に例示するように、布地やネット地などによるポケット状の物入れ部6や備品の保管部7が設けられている。
本考案囲い装置において、配管等の工事対象を囲み内に取込む部位の壁面は、例えばシート材Sを二重に配設して一方のシート材Sには複数本のラインファスナ5を縦向きに平行に設け、他方のシート材には複数本のラインファスナ5を横向きに平行に設けるといった形態にすることができる。これは汚染の拡散防止作用を確保するためである。この場合の二重のシート材Sは、たるませて設けておくと、工事対象の取込みにゆとりができる。このようにして出入口を形成すると、工事対象を囲み内に取込む際、取込みたい対象が区々の位置にあっても、いずれかのファスナ5の開閉で対応できると共に、汚染の拡散防止を図りながら様々な態様の対象を囲み内に取り込むことができる。
以上の説明において、被覆シート部Cは、フレーム部Fに外から被せる形態でフレーム部Fに架装したが、当該シート部Cはフレーム部Fの内側に梁部材2や柱部材1に吊下げ形態で支持させるようにしてもよい。この場合においては、被覆シート部Cの外面に係止具4が設けられることになる。
図1に拠り説明した本考案囲い装置は、図2のようなフレーム部Fの構成によっても実施できるので、以下に説明する。
図2の本考案囲い装置の他の例は、平行に並べた2本の柱部材1の上端部を梁部材2で結合した形の略逆U状のフレーム材fの2つを、夫々の平行な柱部材1,1同士を交叉させて配置すると共に、2つのフレーム材fにおいて交叉した柱部材1、1同士の中間部の交点を、梁部材2と平行な軸21で枢着することにより、図2に示した組立て状態と、各柱部材1が略平行姿勢で重なるように前記軸21において折畳んだ状態とを採ることができるようにしたフレーム部F2を用いたものである。
上記の折畳み自在のフレーム部F2とすることにより、図1の例に比べて長手方向の梁部材2を省略したものとなるが、このフレーム部F2に被せる被覆シート部Cは、図1の例で説明したものと同じ要領で形成されたもので足りる。従って、図2の本考案囲い装置でも、被覆シート部Cに付与される構成は、図1の例における被覆シート部Cと、原則、同じである。図2で用いた符号において、図1の符号と同じものは、同一部材を示している。図2の例においても被覆シート部Cは、フレーム部F2の中に吊下する形で取付けることができることは、図1の例の場合と同じである。
以上のように構成される図1,図2に例示した使用状態の本考案囲い装置は、組立てたフレーム部F,F2から被覆シート部Cを取外して折畳む一方、図1のものは、三方継手3から柱部材1と梁部材2を外してフレーム部Fを分解し、図2のものは2つのフレーム材f,fを折畳んで、分解又は折畳んだフレーム部F,F2と折畳んだ被覆シート部Cとを結束紐やバンドなどで結束したり、図示しないが袋やケースに収納することにより、次の使用に備えて保管する。
本考案は以上の通りであるから、原子力発電所などにおいて、例えば高汚染区域において局部的な配管工事などの必要が生じたとき、その工事場所に、本考案囲い装置を持込んで組立て、工事対象を組立てた囲い装置内に取込み、この閉鎖空間において必要な工事を施工できるようにしたから、囲い装置設置の段取り手間を大幅に省力化でき、汚染を拡散させることなく高汚染域で必要な工事を行うことができる。また、工事が終わればあたかもテントを折畳むような簡易な要領で囲い装置の撤収することができるから、この点においても顕著な省力化を図ることができる。
F,F2 フレーム部
f フレーム材
1 柱部材
2 梁部材
3 三方継手
21 軸
C 被覆シート部
S シート材
4 係止具
5 ラインファスナ
6 物入れ部
7 収納部

Claims (7)

  1. 略四角形の頂点に立設される少なくとも4本のパイプ材による柱部材とこれらの柱部材をその上部において連結する梁部材とを備えて組立て折畳み自在又は組立て分解自在にしたフレーム部と、組立てられた前記フレーム部に着脱可能に被覆されるように形成したシート材による被覆シート部とを備え、前記フレーム部と被覆シート部を折畳み又は分解状態で作業場所に運び込み、作業対象を内部に位置付けて組立て、組立てた当該フレーム部にそのフレーム部を全部覆うように前記被覆シート部のシート材を着装し、この被覆シートの内部で前記作業対象に工事を施すようにしたことを特徴とする折畳み式作業域囲い装置。
  2. 柱部材と梁部材は、パイプ材の三方継手により分解可能な連結構造にした請求項1に記載の作業域囲い装置。
  3. 2本の柱部材と1本の梁部材を、予め略逆U状をなす一体のフレーム材に形成しておき、このフレーム材の2つを、互の柱部材同士を交叉させた形で枢着して折畳み式のフレーム部とした請求項1に記載の作業域囲い装置。
  4. シート材による被覆シート部は、内面に前記フレーム部のパイプ材に結合するための環状又は帯状の係止部を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の作業域囲い装置。
  5. 被覆シート部には、ラインファスナ又は面ファスナによって開閉できる出入口が形成されている請求項4に記載の作業域囲い装置。
  6. ファスナは、被覆シート部のシート面に平行に複数本設け、前記ファスナがラインファスナの場合には各ファスナのスライダは2個を備えた請求項5に記載の作業域囲い装置。
  7. 被覆シート部のシート材の内面には、ポケット状の物入れ部、或は、備品等の保管部を形成した請求項5又は6に記載の作業域囲い装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016150747A (ja) * 2015-02-16 2016-08-22 株式会社アイベックス 折り畳み容器
JP2019138916A (ja) * 2015-05-25 2019-08-22 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 原子炉建屋全体カバー装置及び原子炉建屋準備作業方法
KR20220092107A (ko) * 2020-12-24 2022-07-01 주식회사 오리온이엔씨 원전 해체시 비산먼지 확산 방지용 가설식 다단 안전쉘터

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