JP3181488B2 - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

衝撃吸収式ステアリング装置

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JP3181488B2
JP3181488B2 JP7954795A JP7954795A JP3181488B2 JP 3181488 B2 JP3181488 B2 JP 3181488B2 JP 7954795 A JP7954795 A JP 7954795A JP 7954795 A JP7954795 A JP 7954795A JP 3181488 B2 JP3181488 B2 JP 3181488B2
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進 今垣
博美 磯川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の衝突時にドライ
バーに作用する衝撃を吸収するために用いられる衝撃吸
収式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図12に示す衝撃吸収式ステアリング装
置のステアリングコラム101は、車体102に固着さ
れたブラケット103を介して支持される。そのステア
リングコラム101に、衝撃吸収部材104の両端が固
着される。その衝撃吸収部材104の中央に膨出部10
4aが形成され、その膨出部104aに挿入されるロー
ラー105と、その膨出部104aを挟むローラー10
6、107とが、ブラケット103に回転可能に支持さ
れる。衝撃によりステアリングコラム101が車体10
2に対して相対移動すると、その相対移動に伴いローラ
ー105、106、107は衝撃吸収部材104を塑性
変形させる(実開昭49‐68127号公報参照)。
【0003】図13の(1)に示す衝撃吸収式ステアリ
ング装置のステアリングコラム111は、車体112に
固着された第1ブラケット113と、そのステアリング
コラム111に固着された第2ブラケット114とを介
して支持される。そのステアリングコラム111に、ガ
イド部材115と、U字状の折り曲げ部116′を有す
る衝撃吸収部材116の一端116aとが固着される。
その衝撃吸収部材116の他端は第1ブラケット113
に、長孔116bに挿入されたボルト118を介して連
結される。衝撃によりステアリングコラム111が車体
112に対して相対移動すると、図13の(2)に示す
ように、その相対移動に伴い衝撃吸収部材116はガイ
ド部材115によりガイドされながら塑性変形する(実
開平2‐3972号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成では、
衝撃吸収部材を塑性変形させるために、ローラー10
5、106、107やガイド部材115といった専用部
材が必要で、部品点数が多くなって製造コストが増大す
る。また、図12に示す従来の構成では、衝撃吸収部材
104の膨出部104aにローラー105を挿入すると
共にその膨出部104aをローラー106、107によ
り挟む必要があり、構造が複雑で組み立てが煩雑であ
る。
【0005】また、図13の(1)、(2)に示す従来
の構成では、衝撃吸収部材116はU字状の折り曲げ部
116′を有するため、平坦な部材をプレス機械により
折り曲げて形成するには、図13の(3)に示すように
素材116″を一旦L字状に折り曲げる工程が必要で、
工程の増加により製造コストが増大する。
【0006】また、衝撃吸収式ステアリング装置にあっ
ては、複数の衝撃吸収手段を組み合わせて衝撃を吸収す
ることが行なわれる。この際、複数の衝撃吸収手段によ
り同時に衝撃を吸収しようとすると、衝撃吸収の開始初
期にドライバーに作用する荷重が過大になる。そのた
め、衝撃作用時と衝撃吸収の開始時との間にタイムラグ
が必要になる。しかし、図12に示す従来の構成では、
ステアリングコラムの車体に対する移動と同時に衝撃吸
収部材104は塑性変形を開始するため、そのタイムラ
グを設けることができない。また、図13に示す従来の
構成では、衝撃吸収部材116の他端を第1ブラケット
113に連結するボルト118を長孔116bに挿入す
ることで、そのタイムラグを設けることはできる。しか
し、衝撃吸収部材116のU字状の折り曲げ部116′
は加工硬化により塑性変形させるのに大きな荷重を必要
とするため、その塑性変形による衝撃吸収の開始初期に
ドライバーに作用する荷重が、その後にドライバーに作
用する荷重よりも過大になる。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題を解決する
ことのできる衝撃吸収式ステアリング装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、車体にブラケ
ットを介して支持されるステアリングコラムと、衝撃作
用時の車体に対するステアリングコラムの相対移動に伴
い塑性変形する衝撃吸収部材とを備える衝撃吸収式ステ
アリング装置において、そのブラケットは、車体とステ
アリングコラムとの一方に前記相対移動時に同行移動す
るように連結され、その衝撃吸収部材の一端側は、車体
とステアリングコラムとの他方に前記相対移動時に同行
移動するように連結され、前記相対移動時にブラケット
によって衝撃吸収部材を塑性変形させ、その衝撃吸収部
材は、一端から他端に向かって前記車体とブラケットと
の相対移動方向に沿って延びる第1の部分と、この第1
の部分から前記相対移動方向に交差する方向に沿って延
びる第2の部分と、この第2の部分から他端に向かって
前記相対移動方向に沿って延びる第3の部分とを有し、
そのブラケットは、その第2の部分に衝撃吸収部材の一
端側において対向する第1押し付け部と、その第2の部
分に衝撃吸収部材の他端側において対向する第2押し付
け部と、その第3の部分が前記相対移動方向と交差する
方向に離反するのを規制可能なガイド部とを有し、前記
相対移動に伴い衝撃吸収部材をブラケットの各押し付け
部によって塑性変形させることを特徴とする。この場
合、そのブラケットの第1押し付け部は衝撃吸収部材の
第2の部分に、衝撃作用前は間隔をおいて対向し、衝撃
作用後の前記相対移動により押し付けられるのが好まし
い。さらに、その衝撃吸収部材の第1の部分と第2の部
分との境界部、および、第2の部分と第3の部分との境
界部における幅は、第3の部分の幅よりも小さくされて
いるのが好ましい。
【0009】
【0010】本発明の構成においては、そのブラケット
全周が閉じた開口が形成され、その開口に衝撃吸収部
材の第2の部分が挿入され、その開口の周縁部の一部が
前記第1押し付け部を構成する凸曲面とされ、その第1
押し付け部から前記相対移動方向に交差する方向に離れ
た位置に前記第2押し付け部が配置されているのが好ま
しい。
【0011】
【発明の作用および効果】本発明の構成によれば、衝撃
作用時の車体に対するステアリングコラムの相対移動に
際し、そのステアリングコラムを車体に支持させるため
のブラケットにより衝撃吸収部材を塑性変形させること
で、その塑性変形のための専用部材が不要になり、部品
点数が少なくなって製造コストを低減できる。
【0012】その衝撃吸収部材を、前記相対移動方向に
沿って延びる第1の部分と、この第1の部分から前記相
対移動方向に交差する方向に沿って延びる第2の部分
と、この第2の部分から前記相対移動方向に沿って延び
る第3の部分とから構成することで、プレス機械により
平坦な部材を、そのプレス方向にずれた第1の部分と第
3の部分とを有するように加工することで、単一の折り
曲げ工程により形成でき、製造コストを低減できる。
【0013】その第2の部分に対向する第1押し付け部
と第2押し付け部とにより、衝撃作用時の前記相対移動
により衝撃吸収部材を塑性変形させる際に、その第3の
部分が前記相対移動方向と交差する方向に離反するのを
ガイド部により規制することで、その第2の部分と第3
の部分との境界部を塑性変形させた後も、その第2押し
付け部により衝撃吸収部材を塑性変形させて衝撃を吸収
できる。
【0014】その第2の部分が第1押し付け部に衝撃作
用前は間隔をおいて対向し、衝撃作用後に前記相対移動
により押し付けられることで、衝撃作用時と衝撃吸収の
開始時との間にタイムラグを設けることができる。これ
により、他の衝撃吸収手段と共に衝撃を吸収する場合
に、衝撃吸収の初期にドライバーに過大な荷重が作用す
るのを防止できる。
【0015】その衝撃吸収部材による衝撃吸収の開始初
期に、その第2の部分を第1、第2の押し付け部に押し
付けるために、その第1の部分と第2の部分との境界
部、および、第2の部分と第3の部分との境界部を塑性
変形させる必要がある。その塑性変形に要する荷重は、
各境界部が加工硬化していることから大きくなる。そこ
で、各境界部の幅を第3の部分の幅よりも小さくするこ
とで、その衝撃吸収部材の塑性変形による衝撃吸収の開
始初期にドライバーに作用する荷重が、その後に第3の
部分を塑性変形させる際にドライバーに作用する荷重よ
りも過大になるのを防止できる。
【0016】そのブラケットに形成された開口に衝撃吸
収部材の第2の部分を挿入し、その開口の周縁部の一部
により第1押し付け部を構成することで、構造が簡単で
組み立てが簡単になる。また、その第1押し付け部を凸
曲面とすることで、第1押し付け部により衝撃吸収部材
の塑性変形を円滑に行なうことができる。さらに、その
第1押し付け部から前記相対移動方向に交差する方向に
離れた位置に前記第2押し付け部を配置することで、衝
撃吸収部材を第1押し付け部と第2押し付け部の双方に
より塑性変形して衝撃を吸収できる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0018】図1に示す衝撃吸収式ステアリングコラム
1は、筒状の金属製第1ステアリングコラム2aと、こ
の第1ステアリングコラム2aに筒状のスペーサ3を介
し圧入される金属製第2ステアリングコラム2bとを備
える。その第1ステアリングコラム2aは、ベアリング
4を介し筒状の第1ハンドルシャフト5を支持する。そ
の第1ハンドルシャフト5の一端にステアリングホイー
ル(図示省略)が連結され、他端に第2ハンドルシャフ
ト7の一端が挿入され、その第2ハンドルシャフト7は
ベアリング6を介し第2ステアリングコラム2bにより
支持される。そのベアリング4は、第1ステアリングコ
ラム2aの内周に形成された段差と第1ハンドルシャフ
ト5の外周に取り付けられた止め輪12とにより、第1
ステアリングコラム2aと第1ハンドルシャフト5とに
対する軸方向相対移動が規制される。その第1ステアリ
ングコラム2aにアッパーブラケット11が溶接され、
そのアッパーブラケット11と後述の衝撃吸収機構とを
介して、第1ステアリングコラム2aは車体に支持され
る。その第2ステアリングコラム2bにロアブラケット
10が溶接され、そのロアブラケット10を介して第2
ステアリングコラム2bは車体に支持される。
【0019】図2に示すように、その第2ハンドルシャ
フト7の外周に一対の周溝8が形成され、その周溝8に
通じる通孔9が第1ハンドルシャフト5に形成され、そ
の通孔9と周溝8とに樹脂60が充填される。衝撃が作
用すると、その樹脂60が破断され、第1ハンドルシャ
フト5と第2ハンドルシャフト7とは軸方向相対移動す
る。第1ハンドルシャフト5の内周形状と第2ハンドル
シャフト7の外周形状とは非円形とされることで、第1
ハンドルシャフト5と第2ハンドルシャフト7とは回転
伝達可能に連結されている。
【0020】そのスペーサ3はナイロン等の合成樹脂材
により円筒形に成形され、両コラム2a、2b間に圧入
される。衝撃が作用すると、両コラム2a、2bはスペ
ーサ3の圧入荷重に対応する摩擦に抗して軸方向に相対
移動する。
【0021】図3、図4および図5の(1)に示すよう
に、そのアッパーブラケット11は、第1ステアリング
コラム2aの径方向外方に延び出る一対の支持部11a
と、各支持部11aの一端から第1ステアリングコラム
2aの軸方向に対して直角方向に延び出る側壁部11d
と、各側壁部11dの一端から第1ステアリングコラム
2aの軸方向に平行に延び出る突出部11eと、各突出
部11eに一体化されたリング11hとを有する。各支
持部11aに、ステアリングホイール側において開口す
る切欠11bが形成され、各切欠11bに連結部材20
が挿入されている。
【0022】図5の(2)に示すように、各連結部材2
0は、各切欠11bの内面に入り込む上部20aと、各
切欠11bの周囲の下面に沿う下部20bとを有する。
各支持部11aの切欠11bの周縁に沿う部分に、複数
の通孔11gが形成される。各通孔11gに通じる通孔
20cが、各連結部材20の下部20bに形成される。
それら通孔11g、20cに、合成樹脂製のピン61が
挿通される。各ピン61は、各切欠11bの周囲の上面
に沿う保持部材61′に一体化される。各連結部材20
と各保持部材61′の上面に、板金製の衝撃吸収部材6
3が沿わせられる。各衝撃吸収部材63の一端側と各連
結部材20とに形成されるボルト通孔63′、20′
に、車体側部材45に植え込まれるネジ軸40が挿通さ
れる。そのネジ軸40にねじ合わされるナット41と車
体側部材45とで、その衝撃吸収部材63と保持部材6
1′と支持部11aと連結部材20とが挟み込まれる。
これにより、衝撃吸収部材63の一端側は車体に同行移
動するように連結される。なお、各ボルト通孔63′、
20′は、コラム軸方向が長手方向の長孔とされ、製作
誤差による各部材相互の位置ずれに対応可能とされてい
る。衝撃が作用すると、それらピン61が剪断され、そ
のアッパーブラケット11は第1ステアリングコラム2
aと同行して、第1ステアリングコラム2aの軸方向
に、車体と衝撃吸収部材63と保持部材61′と連結部
材20とに対し相対移動する。
【0023】図6、図7にも示すように、各衝撃吸収部
材63は、一端から他端に向かって第1ステアリングコ
ラム2aの軸方向に沿って延びる第1の部分63aと、
その第1の部分63aから第1ステアリングコラム2a
の軸方向に対して直角な方向に沿って延びる第2の部分
63bと、その第2の部分63bから他端に向かって第
1ステアリングコラム2aの軸方向に沿って延びる第3
の部分63cとを有し、他端は自由端とされている。ま
た、その第1の部分63aと第2の部分63bとの境界
部、第2の部分63bと第3の部分63cとの境界部、
および第2の部分63bにおける幅L1は、第3の部分
63cの幅L2よりも小さくされている。
【0024】各衝撃吸収部材63の第1の部分63a
は、前述のように保持部材61′と車体側部材45とで
挟み込まれて車体に連結される。各衝撃吸収部材63の
第2の部分63bは、アッパーブラケット11の各支持
部11aに形成される開口11fに挿入される。各衝撃
吸収部材63の第3の部分63cは、アッパーブラケッ
ト11の各突出部11eに一体化されたリング11hに
挿入される。
【0025】図8の(1)に示すように、その開口11
fの周縁部の一側は第1押し付け部11jとされ、その
第2の部分63bに衝撃吸収部材63の一端側において
間隔δをおいて対向する。その第1押し付け部11jは
凸曲面とされている。その第1押し付け部11jから第
1ステアリングコラム2aの軸方向に対して直角な方向
に離れた位置において、アッパーブラケット11の側壁
部11dと突出部11eとの境界部が第2押し付け部1
1kを構成する。その第2押し付け部11kは、その第
2の部分63bに衝撃吸収部材63の他端側において対
向する。その第2押し付け部11kは凸曲面とされてい
る。そのリング11hの内面は、その第3の部分63c
が第1ステアリングコラム2aの軸方向に交差する方向
に相対移動するのを規制可能なガイド部11h′とされ
ている。
【0026】上記構成において、車両の衝突により衝撃
が作用すると、先ず、樹脂60とピン61とが剪断され
ることで衝撃が吸収され、第1ステアリングコラム2a
が車体と第2ステアリングコラム2bとに対し相対移動
することで、両コラム2a、2b間に圧入されたスペー
サ3の圧入荷重に応じて衝撃が吸収される。次に、第1
ステアリングコラム2aが車体に対して、衝撃吸収部材
63の第2の部分63bとアッパーブラケット11の第
1押し付け部11jとの間隔δだけ相対移動した後に、
衝撃吸収部材63が塑性変形して衝撃が吸収される。す
なわち、図8の(2)に示すように、その間隔δだけ第
1ステアリングコラム2aが車体に対して相対移動する
と、その第2の部分63bが第1押し付け部11jに押
し付けられる。さらに第1ステアリングコラム2aが車
体に対して相対移動すると、衝撃吸収部材63の第1の
部分63aと第2の部分63bとの境界部が塑性変形す
る。その塑性変形により、図8の(3)に示すように、
その第2の部分63bが第2押し付け部11kに押し付
けられる。さらに第1ステアリングコラム2aが車体に
対して相対移動すると、図9、図10に示すように、そ
の相対移動に伴い第1押し付け部11jと第2押し付け
部11kとが衝撃吸収部材63を塑性変形させる。これ
により、図11に示すように、車体に対する第1ステア
リングコラム2aの相対移動ストロークとドライバーに
作用する荷重との関係は、その衝撃吸収初期において変
動の小さなものにでき、ドライバーに大きな荷重を作用
させることなく効果的に衝撃を吸収できる。
【0027】上記構成によれば、衝撃作用時の車体に対
する第1ステアリングコラム2aの相対移動の際に、ア
ッパーブラケット11の第1、第2押し付け部11j、
11kにより衝撃吸収部材63を塑性変形させること
で、その塑性変形のための専用部材が不要になり、部品
点数が少なくなって製造コストを低減できる。その衝撃
吸収部材63は、プレス機械により平坦な部材を、その
プレス方向にずれた第1の部分63aと第3の部分63
cとを有するように加工することで、単一の折り曲げ工
程により形成でき、製造コストを低減できる。
【0028】その第1押し付け部11jと第2押し付け
部11kとにより衝撃吸収部材63を塑性変形させる
際、その第2の部分63bと第3の部分63cとの境界
部が塑性変形した後は、第3の部分63cはアッパーブ
ラケット11の突出部11eから前記相対移動方向に交
差する方向に離反しようとする。その離反をガイド部1
1h′により規制することで、その第2の部分63bと
第3の部分63cとの境界部が塑性変形した後も、第1
押し付け部11jだけでなく第2押し付け部11kによ
っても衝撃吸収部材63を塑性変形させて衝撃を吸収で
きる。
【0029】その第2の部分63bが第1押し付け部1
1jに衝撃作用前は間隔δをおいて対向することで、衝
撃作用後にその第2の部分63bが第1押し付け部11
jに押し付けられることで、衝撃作用時と衝撃吸収の開
始時との間にタイムラグを設けることができる。これに
より、衝撃作用時の初期においては、樹脂60やピン6
1の剪断や、両コラム2a、2bのスペーサ3の圧入荷
重に抗した相対移動により衝撃を吸収し、しかる後に、
衝撃吸収部材63の塑性変形により衝撃を吸収でき、衝
撃吸収の開始初期にドライバーに作用する荷重が過大に
なるのを防止できる。
【0030】図8の(2)に示す状態の衝撃吸収部材6
3の第2の部分63bを、図8の(3)に示すように第
1、第2押し付け部11j、11kに押し付けるために
は、第1の部分63aと第2の部分63bとの境界部、
および、第2の部分63bと第3の部分63cとの境界
部を塑性変形させる必要がある。その塑性変形に要する
荷重は、各境界部が加工硬化していることから大きくな
る。そこで、各境界部の幅L1を第3の部分の幅L2よ
りも小さくすることで、その衝撃吸収部材63の塑性変
形による衝撃吸収の開始初期にドライバーに作用する荷
重が、その後に第3の部分63cを塑性変形させる際に
ドライバーに作用する荷重よりも過大になるのを防止で
きる。なお、上記実施例では第2の部分63bの幅も第
3の部分63cよりも小さくすることで、その成形の容
易化を図っている。
【0031】そのアッパーブラケット11に形成された
に開口11fに衝撃吸収部材63の第2の部分63bを
挿入し、その開口11fの周縁部の一部により第1押し
付け部11jを構成することで、構造が簡単で組み立て
が簡単になる。また、その第1押し付け部11jを凸曲
面とすることで、第1押し付け部11jにより衝撃吸収
部材63の塑性変形を円滑に行なうことができる。さら
に、その第1押し付け部11jからステアリングコラム
2の軸方向に対して直角な方向に離れた位置に第2押し
付け部11kを配置することで、衝撃吸収部材63を第
1、第2押し付け部11j、11kの双方により塑性変
形して衝撃を吸収できる。
【0032】なお、本発明は上記実施例に限定されな
い。例えば、車体に対するステアリングコラムの相対移
動時に、ブラケットが車体と同行移動し、衝撃吸収部材
がステアリングコラムと同行移動してもよい。また、衝
撃吸収部材の第1の部分と第3の部分とは、上記実施例
ではステアリングコラムの軸方向に沿って延びること
で、車体に対するステアリングコラムの相対移動方向に
沿って延びるが、その相対移動方向はステアリングコラ
ムの軸方向に限定されない。また、衝撃吸収部材の第2
の部分は、上記実施例ではステアリングコラムの軸方向
に対して直角な方向に沿って延びることで、車体に対す
るステアリングコラムの相対移動方向に交差する方向に
沿って延びるが、その相対移動方向に交差する方向はス
テアリングコラムの軸方向に対して直角な方向に限定さ
れない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のステアリング装置の側断面図
【図2】そのステアリング装置の部分側断面図
【図3】そのステアリング装置の部分側面図
【図4】そのステアリング装置の部分平面図
【図5】そのステアリング装置の(1)は図3のV‐V
線断面図、(2)は保持部材と連結部材の斜視図
【図6】そのステアリング装置のアッパーブラケットと
衝撃吸収部材の斜視図
【図7】そのステアリング装置の衝撃吸収部材の斜視図
【図8】そのステアリング装置のアッパーブラケットと
衝撃吸収部材の(1)は衝撃作用前の断面図、(2)は
衝撃作用後におけるδの相対移動後の断面図、(3)は
衝撃吸収作用時の断面図
【図9】そのステアリング装置の衝撃作用後の部分側面
【図10】そのステアリング装置の衝撃作用後の部分平
面図
【図11】そのステアリング装置の第1ステアリングコ
ラムと車体との相対移動ストロークとドライバーに作用
する荷重との関係を示す図
【図12】従来例のステアリング装置の部分断面図
【図13】従来例のステアリング装置の(1)は衝撃作
用前の部分断面図、(2)は衝撃作用後の部分断面図
【符号の説明】
1 ステアリングコラム 2a 第1ステアリングコラム 2b 第2ステアリングコラム 11 アッパーブラケット 63 衝撃吸収部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−142256(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 1/16 - 1/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体にブラケットを介して支持されるス
    テアリングコラムと、衝撃作用時の車体に対するステア
    リングコラムの相対移動に伴い塑性変形する衝撃吸収部
    材とを備える衝撃吸収式ステアリング装置において、そ
    のブラケットは、車体とステアリングコラムとの一方に
    前記相対移動時に同行移動するように連結され、その衝
    撃吸収部材の一端側は、車体とステアリングコラムとの
    他方に前記相対移動時に同行移動するように連結され、
    前記相対移動時にブラケットによって衝撃吸収部材を塑
    性変形させ その衝撃吸収部材は、一端から他端に向かって前記車体
    とブラケットとの相対移動方向に沿って延びる第1の部
    分と、この第1の部分から前記相対移動方向に交差する
    方向に沿って延びる第2の部分と、この第2の部分から
    他端に向かって前記相対移動方向に沿って延びる第3の
    部分とを有し、そのブラケットは、その第2の部分に衝
    撃吸収部材の一端側において対向する第1押し付け部
    と、その第2の部分に衝撃吸収部材の他端側において対
    向する第2押し付け部と、その第3の部分が前記相対移
    動方向と交差する方向に離反するのを規制可能なガイド
    部とを有し、前記相対移動に伴い衝撃吸収部材をブラケ
    ットの各押し付け部によって塑性変形させ ることを特徴
    とする衝撃吸収式ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 そのブラケットの第1押し付け部は衝撃
    吸収部材の第2の部分に、衝撃作用前は間隔をおいて対
    向し、衝撃作用後の前記相対移動により押し付けられる
    請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
  3. 【請求項3】 その衝撃吸収部材の第1の部分と第2の
    部分との境界部、および、第2の部分と第3の部分との
    境界部における幅は、第3の部分の幅よりも小さくされ
    ている請求項1または2に記載の衝撃吸収式ステアリン
    グ装置。
  4. 【請求項4】 そのブラケットに全周が閉じた開口が形
    成され、その開口に衝撃吸収部材の第2の部分が挿入さ
    れ、その開口の周縁部の一部が前記第1押し付け部を構
    成する凸曲面とされ、その第1押し付け部から前記相対
    移動方向に交差する方向に離れた位置に前記第2押し付
    け部が配置されている請求項1〜3の中のいずれかに記
    載の衝撃吸収式ステアリング装置。
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