JP3645673B2 - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時にドライバーに作用する衝撃を吸収するために用いられる衝撃吸収式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体にブラケットを介して支持されるステアリングコラムと、衝撃作用時の車体に対するステアリングコラムの相対移動に伴い塑性変形する衝撃吸収部材とを備える衝撃吸収式ステアリング装置が従来から提案されている(特開平6‐56041号公報、特開平7‐329796号公報)。
【0003】
しかし、上記従来の構成では、構造が複雑で組み立てが煩雑であったり、製造工程の増加によりコストが増大するといった問題がある。
【0004】
そこで、そのブラケットが、車体とステアリングコラムとの一方に前記相対移動時に同行移動するように連結され、その衝撃吸収部材の一端側は、車体とステアリングコラムとの他方に前記相対移動時に同行移動するように連結され、その相対移動時にブラケットによって衝撃吸収部材を塑性変形させるため、その衝撃吸収部材が、一端から他端に向かって前記相対移動方向に沿って延びる第1の部分と、この第1の部分から前記相対移動方向に交差する方向に沿って延びる第2の部分と、この第2の部分から他端に向かって前記相対移動方向に沿って延びる第3の部分とを有し、そのブラケットに、その第2の部分に衝撃吸収部材の一端側において対向する第1押し付け部と、その第2の部分に衝撃吸収部材の他端側において対向する第2押し付け部と、その第3の部分が前記相対移動方向と交差する方向に離反するのを規制可能なガイド部とが設けられ、その第1押し付け部は、その衝撃吸収部材の第2の部分に、衝撃作用前は間隔をおいて対向し、衝撃作用後の前記相対移動により押し付けられ、その第1押し付け部から前記相対移動方向に交差する方向に離れた位置に前記第2押し付け部が配置され、前記相対移動に伴い衝撃吸収部材をブラケットの各押し付け部によって塑性変形させる衝撃吸収式ステアリング装置が提案されている(特開平8‐244632号公報)。
【0005】
これにより、塑性変形のための専用部材が不要になり、部品点数が少なくなって構造を簡単化できる。また、その衝撃吸収部材を、平坦な部材からの単一の折り曲げ工程により形成でき、製造コストを低減できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の構成では、衝撃吸収の開始初期にドライバーに作用する荷重を充分に低減できない場合がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題を解決することのできる衝撃吸収式ステアリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の衝撃吸収式ステアリング装置の構成に加えて、その衝撃吸収部材が、前記第3の部分から前記相対移動方向に交差する方向に沿って延びる第4の部分を有し、その第4の部分に衝撃吸収部材の一端側において対向する第3押し付け部が、前記ブラケットに設けられ、前記相対移動方向において、第2の部分と第1押し付け部との対向間隔が、第4の部分と第3押し付け部との対向間隔よりも大きくされ、前記相対移動により第1押し付け部が前記第2の部分に押し付けられる前に、その第3押し付け部が前記第4の部分に押し付けられると共に、前記第1の部分と第2の部分との境界部に対して第2の部分と第3の部分の境界部が他端側に変位されることを特徴とする。
【0009】
本発明の構成によれば、衝撃作用時に第1押し付け部が衝撃吸収部材の第2の部分に押し付けられる前に、第3押し付け部が第4の部分に押し付けられることで、第1の部分と第2の部分との境界部に対して、第2の部分と第3の部分の境界部が他端側に変位される。これにより、衝撃吸収の初期において、第1押し付け部が他端側に変位することで第2の部分を押し付け、第1の部分と第2の部分との境界部と、第2の部分と第3の部分の境界部とを塑性変形させるのに先立ち、その第1の部分と第2の部分とが一端側においてなす角度が大きくなると共に、第2の部分と第3の部分が他端側においてなす角度が大きくなり、ドライバーに作用する初期荷重を低減できる。
【0010】
本発明において、その第3の部分と第4の部分とが一端側においてなす角度は、その第1の部分と第2の部分とが一端側においてなす角度よりも大きくされているのが好ましい。
これにより、衝撃吸収の初期において、第3押し付け部が第4の部分を押し付ける際に、ドライバーに作用する荷重が過大になるのを防止できる。
【0011】
本発明において、その第3押し付け部は、その第4の部分に、衝撃作用前は間隔をおいて対向するのが好ましい。
これにより、衝撃作用前において、第2の部分は第1押し付け部に、第4の部分は第3押し付け部に、それぞれ間隔をおいて対向するので、衝撃吸収部材が塑性変形されて衝撃吸収が開始される時と衝撃作用時との間にタイムラグを設けることができる。よって、他の衝撃吸収手段と共に衝撃を吸収する場合に、衝撃吸収の初期にドライバーに作用する荷重を低減できる。
【0012】
本発明において、そのガイド部の構成部材が前記第3押し付け部を構成するのが好ましい。これにより、第3押し付け部として専用の部材が不要になるので、部品点数を削減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1に示す衝撃吸収式ステアリングコラム1は、筒状の金属製第1ステアリングコラム2aと、この第1ステアリングコラム2aに筒状のスペーサ3を介し圧入される金属製第2ステアリングコラム2bとを備える。その第1ステアリングコラム2aは、ベアリング4を介し筒状の第1ハンドルシャフト5を支持する。その第1ハンドルシャフト5の一端にステアリングホイール(図示省略)が連結され、他端に第2ハンドルシャフト7の一端が挿入され、その第2ハンドルシャフト7はベアリング6を介し第2ステアリングコラム2bにより支持される。そのベアリング4は、第1ステアリングコラム2aの内周に形成された段差と第1ハンドルシャフト5の外周に取り付けられた止め輪12とにより、第1ステアリングコラム2aと第1ハンドルシャフト5とに対する軸方向相対移動が規制される。その第1ステアリングコラム2aにアッパーブラケット11が溶接され、そのアッパーブラケット11と後述の衝撃吸収機構とを介して、第1ステアリングコラム2aは車体に支持される。その第2ステアリングコラム2bにロアブラケット10が溶接され、そのロアブラケット10を介して第2ステアリングコラム2bは車体に支持される。
【0015】
図2に示すように、その第2ハンドルシャフト7の外周に一対の周溝8が形成され、その周溝8に通じる通孔9が第1ハンドルシャフト5に形成され、その通孔9と周溝8とに樹脂60が充填される。衝撃が作用すると、その樹脂60が破断され、第1ハンドルシャフト5と第2ハンドルシャフト7とは軸方向相対移動する。第1ハンドルシャフト5の内周形状と第2ハンドルシャフト7の外周形状とは非円形とされることで、第1ハンドルシャフト5と第2ハンドルシャフト7とは回転伝達可能に連結されている。
【0016】
そのスペーサ3はナイロン等の合成樹脂材により円筒形に成形され、両コラム2a、2b間に圧入される。衝撃が作用すると、両コラム2a、2bはスペーサ3の圧入荷重に対応する摩擦に抗して軸方向に相対移動する。
【0017】
図3、図4および図5の(1)に示すように、そのアッパーブラケット11は、第1ステアリングコラム2aの径方向外方に延び出る一対の支持部11aと、各支持部11aの一端から第1ステアリングコラム2aの軸方向に対して直角方向に延び出る側壁部11dと、各側壁部11dの一端から第1ステアリングコラム2aの軸方向に平行に延び出る突出部11eと、各突出部11eに一体化されたリング11hとを有する。各支持部11aに、ステアリングホイール側において開口する切欠11bが形成され、各切欠11bに連結部材20が挿入されている。
【0018】
図5の(2)に示すように、各連結部材20は、各切欠11bの内面に入り込む上部20aと、各切欠11bの周囲の下面に沿う下部20bとを有する。各支持部11aの切欠11bの周縁に沿う部分に、複数の通孔11gが形成される。各通孔11gに通じる通孔20cが、各連結部材20の下部20bに形成される。それら通孔11g、20cに、合成樹脂製のピン61が挿通される。各ピン61は、各切欠11bの周囲の上面に沿う保持部材61′に一体化される。各連結部材20と各保持部材61′の上面に、板金製の衝撃吸収部材63が沿わせられる。各衝撃吸収部材63の一端側と各連結部材20とに形成されるボルト通孔63′、20′に、車体側部材45に植え込まれるネジ軸40が挿通される。そのネジ軸40にねじ合わされるナット41と車体側部材45とで、その衝撃吸収部材63と保持部材61′と支持部11aと連結部材20とが挟み込まれる。これにより、衝撃吸収部材63の一端側は車体に同行移動するように連結される。なお、各ボルト通孔63′、20′は、コラム軸方向が長手方向の長孔とされ、製作誤差による各部材相互の位置ずれに対応可能とされている。衝撃が作用すると、それらピン61が剪断され、そのアッパーブラケット11は第1ステアリングコラム2aと同行して、第1ステアリングコラム2aの軸方向に、車体と衝撃吸収部材63と保持部材61′と連結部材20とに対し相対移動する。
【0019】
図3、図4、図5の(1)、図6、図7に示すように、各衝撃吸収部材63は、一端から他端に向かって第1ステアリングコラム2aの軸方向に沿って延びる第1の部分63aと、その第1の部分63aから第1ステアリングコラム2aの軸方向に交差する方向に沿って延びる第2の部分63bと、その第2の部分63bから他端に向かって第1ステアリングコラム2aの軸方向に沿って延びる第3の部分63cと、その第3の部分63cから第1ステアリングコラム2aの軸方向に交差する方向に沿って延びる第4の部分63dと、その第4の部分63dから他端に向かって第1ステアリングコラム2aの軸方向に沿って延びる第5の部分63eとを有し、他端は自由端とされている。
【0020】
その第1の部分63aと第2の部分63bとの境界部、及び第2の部分63bと第3の部分63cとの境界部における幅Wは、切欠63′、63″が形成されることで小さくされている。
【0021】
図8の(1)に示すように、その第3の部分63cと第4の部分63dとが一端側においてなす第1の角度θ1は、その第1の部分63aと第2の部分63bとが一端側においてなす第2の角度θ2よりも大きくされている。その第1の角度θ1は本実施形態では135°とされている。その第2の角度θ2は本実施形態では90°とされている。これにより、その第2の部分63bと第3の部分63cとが他端側においてなす第3の角度θ3も90°とされている。
【0022】
各衝撃吸収部材63の第1の部分63aは、前述のように保持部材61′と車体側部材45とで挟み込まれて車体に連結される。各衝撃吸収部材63の第2の部分63bは、アッパーブラケット11の各支持部11aに形成される開口11fに挿入される。各衝撃吸収部材63の第3の部分63cは、アッパーブラケット11の各突出部11eに一体化されたリング11hに挿入される。
【0023】
図8の(1)に示すように、その開口11fの周縁部の一側は第1押し付け部11jとされ、その第2の部分63bに衝撃吸収部材63の一端側において第1の間隔δ1をおいて対向する。その第1押し付け部11jは凸曲面とされている。
その第1押し付け部11jから第1ステアリングコラム2aの軸方向に対して直角な方向に離れた位置において、アッパーブラケット11の側壁部11dと突出部11eとの境界部が第2押し付け部11kを構成する。その第2押し付け部11kは、その第2の部分63bに衝撃吸収部材63の他端側において対向する。その第2押し付け部11kは凸曲面とされている。
そのリング11hの内面は、その第3の部分63cが第1ステアリングコラム2aの軸方向に交差する方向に相対移動するのを規制可能なガイド部11h′とされている。
さらに、そのリング11hの他端部は第3押し付け部11mとされ、その第4の部分63dに衝撃吸収部材63の一端側において第2の間隔δ2をおいて対向する。その第2の間隔δ2は、上記第1の間隔δ1よりも小さくされる。その第2の間隔δ2は零であってもよい。
【0024】
上記構成において、車両の衝突により衝撃が作用すると、先ず、樹脂60とピン61とが剪断されることで衝撃が吸収され、第1ステアリングコラム2aが車体と第2ステアリングコラム2bとに対し軸方向に沿って相対移動することで、両コラム2a、2b間に圧入されたスペーサ3の圧入荷重に応じて衝撃が吸収される。
次に、第1ステアリングコラム2aが車体に対して前記第2の間隔δ2だけ軸方向に沿って相対移動することで、第3押し付け部11mが第4の部分63dに押し付けられる。これにより、第1押し付け部11jが第2の部分63bに押し付けられる前に、図8の(2)に示すように、その第1の部分63aと第2の部分63bとの境界部に対して、第2の部分63bと第3の部分63cの境界部が他端側に変位される。すなわち、その第1の部分63aと第2の部分63bとの境界部と、第2の部分63bと第3の部分63cの境界部は塑性変形される。
次に、第1ステアリングコラム2aの車体に対する軸方向に沿う相対移動距離が、第2の部分63bと第1押し付け部11jとの第1の間隔δ1を超えると、衝撃吸収部材63が塑性変形して衝撃が吸収される。すなわち、図8の(3)に示すように、その第2の部分63bが第1押し付け部11jに押し付けられ、第1の部分63aと第2の部分63bとの境界部が塑性変形し、その塑性変形により、第2の部分63bが第2押し付け部11kに押し付けられる。さらに第1ステアリングコラム2aが車体に対して相対移動すると、図9、図10に示すように、その相対移動に伴い第1押し付け部11jと第2押し付け部11kとが衝撃吸収部材63を塑性変形させ、衝撃を吸収する。
【0025】
上記構成によれば、衝撃作用時の車体に対する第1ステアリングコラム2aの相対移動の際に、アッパーブラケット11の押し付け部11j、11k、11mにより衝撃吸収部材63を塑性変形させることで、その塑性変形のための専用部材が不要になり、部品点数が少なくなって製造コストを低減できる。その衝撃吸収部材63は、プレス機械により平坦な部材を、単一の折り曲げ工程により形成できるので、製造コストを低減できる。
【0026】
その第1押し付け部11jが衝撃吸収部材63の第2の部分63bに押し付けられる前に、第3押し付け部11mが第4の部分63dに押し付けられ、第1の部分63aと第2の部分63bとの境界部に対して、第2の部分63bと第3の部分63cの境界部が他端側に変位される。これにより、衝撃吸収の初期において、第1押し付け部11jが他端側に変位することで第2の部分63bを押し付け、第1の部分63aと第2の部分63bとの境界部と、第2の部分63bと第3の部分63cの境界部を塑性変形させるのに先立ち、上記第2の角度θ2と第3の角度θ3が大きくなるように各境界部の塑性変更が進行するので、ドライバーに作用する荷重を低減できる。
すなわち、その第3押し付け部11mと第4の部分63dとが形成されていなければ、図12の(1)に示す衝撃作用前の状態から、図12の(2)に示す第1押し付け部11jが第2の部分63bに押し付けられる状態になるまでの間(ステアリングコラム2aが車体に対して図中δだけ相対移動する間)において、第1の部分63aと第2の部分63bとの境界部と、第2の部分63bと第3の部分63cの境界部とが塑性変形することはない。そうすると、第1押し付け部11jと第2押し付け部11kとによる塑性変形の開始当初においては、第2の角度θ2と第3の角度θ3とが90°となり、図12の(3)に示すように各境界部を塑性変形させる衝撃吸収の当初において、ドライバーに作用する荷重が大きくなる。これに対し上記実施形態では、第1押し付け部11jと第2押し付け部11kとによる塑性変形の開始前に、その第2の角度θ2と第3の角度θ3が90°より大きくなっているので、ドライバーに作用する荷重を低減できる。なお、図12において上記実施形態と同一部分は同一符号で示す。
【0027】
上記第1の角度θ1は、上記第2の角度θ2よりも大きくされているので、衝撃吸収の初期において、第3押し付け部11mが第4の部分63dを押し付ける際に、ドライバーに作用する荷重を低減できる。
【0028】
その第3押し付け部11mはガイド部11h′を構成するリング11hにより構成されるので、第3押し付け部11mとして専用の部材が不要になるので、部品点数を削減できる。
【0029】
その第1押し付け部11jと第2押し付け部11kとにより衝撃吸収部材63を塑性変形させる際、その第2の部分63bと第3の部分63cとの境界部が塑性変形した後は、第3の部分63cはアッパーブラケット11の突出部11eから前記相対移動方向に交差する方向に離反しようとする。その離反をガイド部11h′により規制することで、その第2の部分63bと第3の部分63cとの境界部が塑性変形した後も、第1押し付け部11jだけでなく第2押し付け部11kによっても衝撃吸収部材63を塑性変形させて衝撃を吸収できる。
【0030】
その第2の部分63bが第1押し付け部11jに衝撃作用前は第1の間隔δ1をおいて対向し、その第4の部分63dが第3押し付け部11mに衝撃作用前は第2の間隔δ2をおいて対向することで、衝撃吸収部材63が塑性変形されて衝撃吸収が開始される時と衝撃作用時との間にタイムラグを設けることができる。これにより、衝撃作用時の初期においては、樹脂60やピン61の剪断や、両コラム2a、2bのスペーサ3の圧入荷重に抗した相対移動により衝撃を吸収し、しかる後に、衝撃吸収部材63の塑性変形により衝撃を吸収できるので、衝撃吸収の開始初期にドライバーに作用する荷重を低減できる。
【0031】
衝撃吸収部材63の第2の部分63bを、図8の(3)に示すように第1、第2押し付け部11j、11kに押し付けるためには、第1の部分63aと第2の部分63bとの境界部、および、第2の部分63bと第3の部分63cとの境界部を塑性変形させる必要がある。その塑性変形に要する荷重は、各境界部が加工硬化していることから大きくなる。そこで、各境界部の幅Wを切欠63′、63″を設けて小さくすることで、その衝撃吸収部材63の塑性変形による衝撃吸収の開始初期にドライバーに作用する荷重を低減できる。
【0032】
そのアッパーブラケット11に形成されたに開口11fに衝撃吸収部材63の第2の部分63bを挿入し、その開口11fの周縁部の一部により第1押し付け部11jを構成することで、構造が簡単で組み立てが簡単になる。また、その第1押し付け部11jを凸曲面とすることで、第1押し付け部11jにより衝撃吸収部材63の塑性変形を円滑に行なうことができる。さらに、その第1押し付け部11jからステアリングコラム2の軸方向に対して直角な方向に離れた位置に第2押し付け部11kを配置することで、衝撃吸収部材63を第1、第2押し付け部11j、11kの双方により塑性変形して衝撃を吸収できる。
【0033】
図11の(1)は、上記実施形態における車体に対する第1ステアリングコラム2aの相対移動ストロークとドライバーに作用する荷重との関係を示し、図11の(2)は、図12の(1)に示す従来構造における車体に対する第1ステアリングコラムの相対移動ストロークとドライバーに作用する荷重との関係を示す。上記実施形態によれば、その衝撃吸収初期のピーク荷重は268kgfであり、衝撃吸収後期のピーク荷重は235kgfであったのに対し、従来構成では衝撃吸収初期のピーク荷重は300kgfであり、衝撃吸収後期のピーク荷重は227kgfであった。これにより、上記実施形態によれば、衝撃吸収後期における衝撃吸収効果を低減することなく、衝撃吸収初期においてドライバーに作用する荷重を低減できることを確認できる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、車体に対するステアリングコラムの相対移動時に、ブラケットが車体と同行移動し、衝撃吸収部材がステアリングコラムと同行移動してもよい。また、衝撃吸収部材の第1の部分と第3の部分とは、上記実施形態ではステアリングコラムの軸方向に沿って延びることで、車体に対するステアリングコラムの相対移動方向に沿って延びるが、その相対移動方向はステアリングコラムの軸方向に限定されない。また、上記実施形態では第1の角度θ1は135°、第2、第3の角度θ2、θ3は90°とされたが、その角度は特に限定されない。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、衝撃吸収初期にドライバーに作用する荷重を低減できる衝撃吸収式ステアリング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のステアリング装置の側断面図
【図2】そのステアリング装置の部分側断面図
【図3】そのステアリング装置の部分側面図
【図4】そのステアリング装置の部分平面図
【図5】そのステアリング装置の(1)は図3のV‐V線断面図、(2)は保持部材と連結部材の斜視図
【図6】そのステアリング装置のアッパーブラケットと衝撃吸収部材の斜視図
【図7】そのステアリング装置の衝撃吸収部材の斜視図
【図8】そのステアリング装置のアッパーブラケットと衝撃吸収部材の(1)は衝撃作用前の断面図、(2)は衝撃作用後における第1押し付け部の第2の部分への押し付け前の断面図、(3)は衝撃吸収作用時の断面図
【図9】そのステアリング装置の衝撃作用後の部分側面図
【図10】そのステアリング装置の衝撃作用後の部分平面図
【図11】(1)は本発明の実施形態のステアリング装置の第1ステアリングコラムと車体との相対移動ストロークとドライバーに作用する荷重との関係を示す図、(2)は従来のステアリング装置の第1ステアリングコラムと車体との相対移動ストロークとドライバーに作用する荷重との関係を示す図
【図12】従来例のステアリング装置のアッパーブラケットと衝撃吸収部材の(1)は衝撃作用前の断面図、(2)は衝撃作用後における第1押し付け部の第2の部分への押し付け開始時の断面図、(3)は衝撃吸収作用時の断面図
【符号の説明】
1 ステアリングコラム
2a 第1ステアリングコラム
2b 第2ステアリングコラム
11 アッパーブラケット
11h′ ガイド部
11j 第1押し付け部
11k 第2押し付け部
11m 第3押し付け部
63 衝撃吸収部材
63a 第1の部分
63b 第2の部分
63c 第3の部分
63d 第4の部分
63e 第5の部分

Claims (4)

  1. 車体にブラケットを介して支持されるステアリングコラムと、衝撃作用時の車体に対するステアリングコラムの相対移動に伴い塑性変形する衝撃吸収部材とを備え、そのブラケットは、車体とステアリングコラムとの一方に前記相対移動時に同行移動するように連結され、その衝撃吸収部材の一端側は、車体とステアリングコラムとの他方に前記相対移動時に同行移動するように連結され、
    その衝撃吸収部材は、一端から他端に向かって前記相対移動方向に沿って延びる第1の部分と、この第1の部分から前記相対移動方向に交差する方向に沿って延びる第2の部分と、この第2の部分から他端に向かって前記相対移動方向に沿って延びる第3の部分とを有し、
    そのブラケットに、その第2の部分に衝撃吸収部材の一端側において対向する第1押し付け部と、その第2の部分に衝撃吸収部材の他端側において対向する第2押し付け部と、その第3の部分が前記相対移動方向と交差する方向に離反するのを規制可能なガイド部とが設けられ、
    その第1押し付け部は、その衝撃吸収部材の第2の部分に、衝撃作用前は間隔をおいて対向し、衝撃作用後の前記相対移動により押し付けられ、
    その第1押し付け部から前記相対移動方向に交差する方向に離れた位置に前記第2押し付け部が配置され、
    前記相対移動に伴い衝撃吸収部材をブラケットの各押し付け部によって塑性変形させる衝撃吸収式ステアリング装置において、
    その衝撃吸収部材は、前記第3の部分から前記相対移動方向に交差する方向に沿って延びる第4の部分を有し、
    その第4の部分に衝撃吸収部材の一端側において対向する第3押し付け部が、前記ブラケットに設けられ、
    前記相対移動方向において、前記第2の部分と前記第1押し付け部との対向間隔が、前記第4の部分と前記第3押し付け部との対向間隔よりも大きくされ、
    前記相対移動により第1押し付け部が前記第2の部分に押し付けられる前に、その第3押し付け部が前記第4の部分に押し付けられると共に、前記第1の部分と第2の部分との境界部に対して第2の部分と第3の部分の境界部が他端側に変位されることを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
  2. その第3の部分と第4の部分とが一端側においてなす角度は、その第1の部分と第2の部分とが一端側においてなす角度よりも大きくされている請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
  3. その第3押し付け部は、その第4の部分に、衝撃作用前は間隔をおいて対向する請求項1または2に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
  4. 前記ガイド部の構成部材が前記第3押し付け部を構成する請求項1〜3の何れか一項に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
JP30713496A 1996-11-01 1996-11-01 衝撃吸収式ステアリング装置 Expired - Fee Related JP3645673B2 (ja)

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