JP3180767U - 蓋付き容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓋を開放した後に、それを閉塞したとき、その閉塞状態を維持できる蓋付き容器を提供する。
【解決手段】蓋3に一対のヒンジ部4が一直線上に形成され、その一対のヒンジ部4は連続しないように、互いに分離して配置されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、飲食物や各種材料を収納する蓋付き容器に関し、その蓋が容器本体のフランジ部に接合されると共に、その蓋の舌片部を持って開閉するとき、そのヒンジの周りの開状態および閉状態を維持できる自己保持機構を設けたものに関する。
蓋付き容器において、容器本体と蓋との機密性または液密性を保つため、蓋が容器本体のフランジ部に接合されているものが存在する。
一般にその蓋は、軟質フィルムや硬質フィルムで形成されている。軟質フィルムを容器本体の開口のフランジに接着し、その端部をフランジより突出させて舌片部とし、その舌片部から蓋を開放し易くしたものが存在する。
さらには、容器本体とは接着されない着脱型の蓋において、硬質フィルムからなる蓋の一部を開閉自在にして、そこからストローを差し込み或いは、そこから飲み物を取り出すようにしたものも存在する。
特開2005−29180号公報 特開平06−100050号公報
比較的剛性または純剛性のフィル材または板材からなる蓋を有する蓋付き容器において、取り扱い性を良くするために、その蓋に開閉を容易にする一対のヒンジ部を有し、且つ気密性または液密性を保持しつつ、その一部を容易に開放できると共に、蓋を開放した後に、それを閉塞したとき、その閉塞状態を維持できるものを提供する。
請求項1に記載の本考案は、容器本体(1)の開口縁にフランジ部(2)が形成され、そのフランジ部(2)にフィルム材または板材からなる蓋(3)が接合された蓋付き容器において、
その蓋(3)は剛性および弾性を有し、フランジ部(2)を周方向に離間してフランジ部(2)に対向する一対の位置で、それぞれ薄肉またはハーフカット、または断面U字状あるいはV字状とした、折り曲げの容易な一対のヒンジ部(4)が一直線上に形成され、その一対のヒンジ部(4)は連続しないように、互いに分離して配置されていることを特徴とする蓋付き容器である。
請求項2に記載の本考案は、請求項1の蓋付き容器において、
その一対のヒンジ部(4)を境に蓋(3)の一部が片開き扉状に開放され、
蓋(3)の閉状態で、その一対のヒンジ部(4)を通る蓋(3)の第1横断面(a)は、容器本体(1)の底側に凹陥する凹曲面を有し、その第1横断面(a)に交差する第2横断面(b)は、蓋(3)の外側に突出する凸曲面を有して、そのヒンジ(4)を含むその近傍が三次曲面(5)で形成され、
その一対のヒンジ部(4)の回りに蓋(3)の一部を一定以上回動して開くとき、その三次曲面(5)の弾性により、第1横断面(a)が突然、前記凹曲面から蓋(3)側に突出する凸曲面に変形して、その開状態が保持される自己保持機構を有することを特徴とする蓋付き容器である。
請求項3に記載の考案は、請求項2に記載の蓋付き容器において、
前記三次曲面(5)の平面外周は略楕円状に形成され、その長軸が前記第1横断面(a)上に存在し、前記第2横断面(b)がその第1横断面(a)に直交する短軸上にある蓋付き容器である。
請求項4に記載の考案は、請求項3に記載の蓋付き容器において、
前記長軸に沿う楕円の弧がその両端から中心に次第に、フランジ部(2) からの深さの深くなる弧状壁(7)を形成する蓋付き容器である。
請求項5に記載の考案は、請求項3または請求項4に記載の蓋付き容器において、
第2横断面(b)の前記短軸が、フランジ面に対して傾斜している蓋付き容器である。
請求項1に記載の考案は、予め容器本体1のフランジ部2の開口に接合される蓋3が剛性および弾性を有する。そして、その蓋3に一対のヒンジ部4が一直線上かつフランジ部2に対向する位置に形成され、その一対のヒンジ部4は連続しないように、互いに分離して配置されているものである。
そのため、容器本体1と蓋3との接合力に抗して、蓋3を持ち上げて開放するとき、一対のヒンジ部4で、蓋3と容器本体1とが枢着状態となり、その蓋3の一部を確実に片開きに開放することができる。このとき、一対のヒンジ部4を通り越して蓋3が不用意に開放され過ぎることがない。その理由は、一対のヒンジ部4が折り曲げ容易に形成され、蓋3との接合部が容器本体1のフランジ部2のみに形成されるからである。
しかも、一対のヒンジ部4は互いに分離しているので、それらの中間部の蓋3の剛性および弾性により、開放後に蓋を元に戻せば、閉塞状態を維持できる。
請求項2に移載の考案は、一対のヒンジ部4の回りに蓋3の一部を一定以上回動して開くとき、三次曲面5の弾性により、第1横断面aが突然、前記凹曲面から蓋3側に突出する凸曲面に変形して、その開状態が保持される自己保持機構を有するものである。そのため、蓋3を開放するときも、その開放状態を保持することができる。それにより、容器本体1の内部のものを、容易に取り出すことができる。
請求項3に記載の考案は、前記三次曲面(5)の平面外周は略楕円状に形成され、その長軸が前記第1横断面(a)上に存在し、前記第2横断面(b)がそれに直交する短軸上に存在するから、三次曲面の変形を容易に無理なく行い、使い勝手のよい蓋付き容器となる。
請求項4に移載の考案は、前記長軸に沿う楕円の弧がその両端から中心に次第に、フランジ部(2) からの深さの深くなる弧状壁(7)を形成するものである。それにより、体裁のよい三次曲面を容易に形成でき、蓋の自己保持機構を確保できる。
請求項5に記載の考案は、第2横断面(b)の前記短軸が、フランジ面に対して傾斜しているので、その傾斜面の上流側の深さが、相対的に次第に浅くなる三次曲面となり、自然で、体裁のよい蓋付き容器となる。
本考案の第1実施例の蓋付き容器の斜視図。 (A)は図1のII部拡大図、(B)は(A)のB−B断面図、(C)は蓋の折り曲げ状態を示す拡大図。 本考案の第2実施例の要部断面拡大図であって、図2のB−B断面に相当する図。 本考案の第3実施例の蓋付き容器の斜視図およびその作用を示す説明図。 同容器の図4(A)の一部拡大図。 同容器の蓋の作用を示す説明図。 本考案の第4実施例の蓋付き容器の斜視図およびその作用を示す説明図。 同第5実施例の蓋付き容器の斜視図および、その作用を示す説明図。
次に、図面に基づいて本考案の実施の形態につき説明する。
図1は本考案の第1実施例であり、図2(A)は図1のII部拡大図、(B)は(A)のB−B断面図、(C)は蓋の折り曲げ状態を示す拡大図を示す。
この蓋付き容器は逆円錐台形状の容器本体1の開口端にフランジ部2を有し、そのフランジ部2に蓋3がヒートシール等により、そのフランジ部2の全周に渡り、均一な接合力で気密及び液密に接合されている。
この蓋3は、剛性および弾性を有するプラスチックシートからなり、その一端に舌片部6を半径方向外側に突設している。そして舌片部6とその中心とを結ぶ直径線上に直交するようにその他端部に片寄って、一対のヒンジ部4が形成されている。
この一対のヒンジ部4は、舌片部6を中心に、その両側へフランジ部2を周方向に等距離に離間した一対の位置で、図2(B)に示す如く、その部分が薄肉になるように、その上面側にV字にハーフカットされ、それにより折り曲げの容易な部分となる。そして一対のヒンジ部4は一直線上に形成され、それらは連続しないように、互いに分離し、フランジ部2に対向する位置のみに形成されている。なお、この例では一対のヒンジ部4が舌片部6から等距離に存在するが、本考案はそれに限定されない。
また、舌片部の代わりに、図1に示す如く、蓋3の縁に開放の開始端6aとして、三角表示の開放表示マーク6bのみを付したものであってもよい。
なお、蓋3は外周が僅かに筒状に形成され、一対のヒンジ部4の位置でその筒状部が欠切されて欠切部8を形成する。それにより、ヒンジ部4の折れ曲がりを容易にする。
(実施例1の作用)
そして、舌片部6を保持して上方に強く持ち上げると、舌片部6から一対のヒンジ部4まで剥離する。そして一対のヒンジ部4に達すると、蓋3はヒンジ部4で折れ曲がり容器本体1の上端を開口する。このとき、一対のヒンジ部4は蓋3の枢着部を構成する。この状態を示すのが図2(C)である。そのヒンジ部4は、図2(A)(B)に示す如くハーフカットされているため、折れ曲がり易い。
しかしながら、一対のヒンジ部4を除いてはハーフカットされていないので、その弾性によって蓋3は元に戻ろうとする。そこで、蓋3を開放状態に保持して容器本体1の内容物を外部に取り出し、その後に蓋3を元に戻すと、その弾性力によって閉塞状態を保持する。
図3は、ヒンジ部4の他の実施例の要部断面であり、この例が第1実施例の図2(B)のそれと異なる点は、そのハーフカット部がW状に形成されたことである。なお、そのハーフカット部は断面U字状その他に形成してもよい。
次に、図4及び図5は本発明の第3実施例であり、この例が第1実施例と異なる点は、蓋3の上面に凹陥部が設けられたものである。
この例は、そのヒンジ部4間を結ぶ直線または曲線の第1横断面aを長軸とした平面楕円形の三次曲面5が凹陥されている。
この三次曲面5は、第1横断面aに直交する第2横断面bを有する。その第1横断面aは蓋3の閉塞状態において図4(B)の如く容器本体1の底1a側に凹陥する湾曲面を有し、第2横断面bは図4(C)の如く、その底1aに対して外側に突出する凸曲面を有する。
そしてこの第1横断面aの凹曲面と第2横断面bの凸曲面を形成するため、互いに対向する一対の楕円の弧が、その両端から中心に次第に深さを深くする弧状壁7に形成されている。
即ち、弧状壁7の両端部はその深さが殆どなく、中心部は最も深い。この深さとは、容器本体1のフランジ部2からの深さをいう。
三次曲面5は、蓋3の他端部のみにあり、その他は平坦に形成されている。このようにすることにより、同一の蓋付き容器を上下方向に重ねることができる。即ち、上の容器本体1の底1aが、下の容器の蓋3に垂直に載置される。
(実施例3の作用)
ここで、舌片部6を上方に持ち上げ、容器本体1のフランジ部2との接着を剥がしていくと、三次曲面5は次第に変形し、蓋3がある一定以上回動されると三次曲面5の弾性により、第1横断面aが突然凹曲面から凸曲面に変形して、その開状態が保持される。その作用は、図4(C)の破線、および図6(A)から(B)に示す通りである。
即ち、図6の(A)の状態から第1断面aの周りに蓋を回転させると、三次曲面5は(A)の状態から(B)の状態に突然変形し、その状態を自己保持する。本考案では、これを自己保持機構という。そして図6(B)の状態では、第1横断面aが凸曲面となり、第2横断面bが凹曲面となる。
なお、図6では説明を分かり易くするため、三次曲面5の厚みを、実際よりも厚く誇張して記載している。この蓋3は、比較的薄い剛性及び弾性を有する硬質フィルムからなる。そして図4の例では、ヒンジ部4線上において、蓋3の外周は図5に示す如くV字状に欠切され容易に蓋が、開閉できるようにしている。
次に、図7は本考案の第4実施例であり、この例が図4の第3実施例と異なる点は、ヒンジ部4の構造のみである。この例のヒンジ部4は、蓋3に設けた一対の長孔からなり、その長孔の長軸が枢着部を形成する。
次に、図8は本考案の第5実施例であり、この例が図4のそれと異なる点は、弧状壁7が楕円の一方側であって、容器本体1のフランジ部2に沿って配置されているものである。そして三次曲面5の第2横断面bは、容器本体1のフランジ面に対して傾斜し、フランジから中心に向って次第にその深さを浅くしている。なお、想像線cは三次曲面5と平面との境を表す。
この例においても、蓋3の閉塞状態において、第1横断面aは凹陥し第2横断面bが突出する。その作用効果も図4と同一である。そして、蓋3を開放するとき、図8(B)の水平状態から垂直状態に移行する。
(変形例)
第4実施例では、三次曲面5が一方側に偏り、それにより蓋3をより大きく開放することができる。それに代えて、三次曲面5を蓋3の中央部に設けてもよい。それにより、蓋の半分程を開放できる。なお、三次曲面を舌片部6の近傍に設けることもできる。この場合、蓋3の開放を小さくできる。それにより、内容物を少量づつ取り出すことができる。
それらの、三次曲面5の各作用効果は図4の作用効果と同一である。そして、蓋3を開放すると、水平状態から垂直状態に移行する。
また、この変形例の三次曲面5も蓋3の一部にのみ設けられ、他の部分は平坦に形成されるから、同一の蓋付き容器を上下方向に重ねることができる。そのとき、各蓋付き容器の軸線は、略同心になる。
1 容器本体
1a 底
2 フランジ部
3 蓋
4 ヒンジ部
5 三次曲面
6 舌片部
6a 開始端
6b 開放表示マーク
7 弧状壁
8 欠切部
a 第1横断面
b 第2横断面
c 想像線

Claims (5)

  1. 容器本体(1)の開口縁にフランジ部(2)が形成され、そのフランジ部(2)にフィルム材または板材からなる蓋(3)が接合された蓋付き容器において、
    その蓋(3)は剛性および弾性を有し、フランジ部(2)を周方向に離間してフランジ部(2)に対向する一対の位置で、それぞれ薄肉またはハーフカット、または断面U字状あるいはV字状とした、折り曲げの容易な一対のヒンジ部(4)が一直線上に形成され、その一対のヒンジ部(4)は連続しないように、互いに分離して配置されていることを特徴とする蓋付き容器。
  2. 請求項1の蓋付き容器において、
    その一対のヒンジ部(4)を境に蓋(3)の一部が片開き扉状に開放され、
    蓋(3)の閉状態で、その一対のヒンジ部(4)を通る蓋(3)の第1横断面(a)は、容器本体(1)の底側に凹陥する凹曲面を有し、その第1横断面(a)に交差する第2横断面(b)は、蓋(3)の外側に突出する凸曲面を有して、そのヒンジ(4)を含むその近傍が三次曲面(5)で形成され、
    その一対のヒンジ部(4)の回りに蓋(3)の一部を一定以上回動して開くとき、その三次曲面(5)の弾性により、第1横断面(a)が突然、前記凹曲面から蓋(3)側に突出する凸曲面に変形して、その開状態が保持される自己保持機構を有することを特徴とする蓋付き容器。
  3. 請求項2に記載の蓋付き容器において、
    前記三次曲面(5)の平面外周は略楕円状に形成され、その長軸が前記第1横断面(a)上に存在し、前記第2横断面(b)がその第1横断面(a)に直交する短軸上にある蓋付き容器。
  4. 請求項3に記載の蓋付き容器において、
    前記長軸に沿う楕円の弧がその両端から中心に次第に、フランジ部(2) からの深さの深くなる弧状壁(7)を形成する蓋付き容器。
  5. 請求項3または請求項4に記載の蓋付き容器において、
    第2横断面(b)の前記短軸が、フランジ面に対して傾斜している蓋付き容器。
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