JP3180674U - 自動着脱式シャックル装置 - Google Patents

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周司 村上
正巳 島田
伸一 五反
一郎 櫻井
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山九株式会社
株式会社筑豊製作所
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Abstract

【課題】吊り具のシャックル部材と吊荷の掛止部を連結するシャックルピンを自動着脱でき、シャックルピンの引き抜けを防止可能な自動着脱式シャックル装置を提供する。
【解決手段】シャックル部材21の空間部20に収容された吊荷の掛止部19を貫通するシャックルピン23と、シャックル部材21に回動可能に取付けられ、一端部がシャックルピン23の基側と連結するレバー部材40と、レバー部材40の他端部と連結し、レバー部材40を回動してシャックルピン23を進退する第1の電動駆動手段43と、シャックルピン23の基側に連結する板状部材51とを備える。さらに、板状部材51の切欠き部49に嵌入してロックするロックピン52と、シャックル部材21のカバー枠53に取付けられ、ロックピン52を昇降する第2の電動駆動手段54と、シャックル部材21に取付けられた制御盤に制御信号を遠隔入力する遠隔操作手段とを有する。
【選択図】図2

Description

本考案は、吊り具を用いて吊荷を吊り下げる際に、吊り具に設けたシャックル部材と吊荷に設けた掛止部を連結するシャックルピンを自動で着脱する自動着脱式シャックル装置に関する。
例えば、高さが15〜60mで重量が30〜100tの大型構造物の据付け工事では、吊りワイヤの先端部にシャックル部材を取付け、大型構造物の上部に設けた掛止部とシャックル部材をシャックルピンを介して連結した後、吊りワイヤを介して大型構造物を吊り上げ、設置場所まで移動し固定している。そして、大型構造物の据付けが完了すると、大型構造物の掛止部とシャックル部材との連結状態を解除するため、高所作業車又はクレーン車を用いて人がシャックル部材に近づきシャックルピンを取り外している。このため、高所作業に伴う安全確保と作業効率化が求められている。
そこで、例えば、特許文献1には、大型構造物の上部に設けた掛止部(吊りピース)が挿入される孔を有するクランプ本体と、孔内に挿脱されるようにクランプ本体によって摺動自在に保持せしめたロックピンと、ロックピンを常時孔内から引き抜くよう抑制するスプリングと、スプリングに抗してロックピンを孔内に挿入するよう手動操作されるロックハンドルと、ロックハンドルを手動操作された状態にロックするためのロック手段と、ロックピンが孔に挿入されている状態でロックピンが孔から引き抜かれるのを阻止する安全ロック部材と、ロック手段を解除するため第1及び第2位置に移動されるドグと、ドグを移動せしめる遠隔操作されるモータとを備えた吊り荷の自動玉掛け外し装置が提案されている。
特許第3074520号公報
しかしながら、特許文献1に記載された吊り荷の自動玉掛け外し装置では、ロックピンが孔内から引き抜かれるように常時スプリングにより付勢されているので、何かの弾みで安全ロック部材の作用が消失すると、ロックピンが直ちに引き抜かれてしまうという問題が生じる。また、ロックピンをクランプ本体に設けた孔内に挿入する操作は手動となるため、吊りピースとクランプ本体との連結は高所作業となり、高所作業に伴う安全確保と作業の効率化が求められている。
本考案はかかる事情に鑑みてなされたもので、吊り具に設けたシャックル部材と吊荷に設けた掛止部を連結するシャックルピンを自動で着脱することができ、しかも、連結状態のシャックルピンの引き抜けを確実に防止することが可能な自動着脱式シャックル装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本考案に係る自動着脱式シャクル装置は、吊り具を用いて吊り下げられ、下側が下方に開口したU字状となって吊荷に設けた掛止部を収容する空間部を有するシャックル部材と、
前記シャックル部材の一側から水平に挿入され、前記空間部に収容された前記掛止部の貫通孔を貫通し、先側が該シャックル部材の他側に挿入されて、該シャックル部材と該掛止部を連結するシャックルピンと、
前記シャックル部材の一側に設けられた支持部材に中央部が回動ピンを用いて回動可能に取付けられ、一端部が前記シャックルピンの基側に長手方向を上下方向に向けて形成された長孔に第1の連結ピンを介して取付けられたレバー部材と、
前記レバー部材の他端部に第2の連結ピンを介して連結される出力軸を備え、前記レバー部材の回動を行って、前記シャックルピンを進退する第1の電動駆動手段と、
前記シャックルピンの基側に、該シャックルピンの軸心を中心に回動可能に連結され、途中位置の一側に切欠き部が形成された板状部材と、
前記板状部材の前記切欠き部に垂直方向から嵌入し、前記シャックルピンのロック状態を保持するロックピンと、
前記シャックル部材の一側に設けられ、前記出力軸、前記レバー部材、及び前記支持部材を収納し、前記出力軸、前記シャックルピン、及び前記板状部材の一部が内側で進退するカバー枠と、
前記カバー枠に取付けられて、前記ロックピンを昇降する第2の電動駆動手段と、
前記シャックル部材に取付けられ、前記第1、第2の電動駆動手段を駆動する制御盤と、
前記制御盤に制御信号を遠隔入力する遠隔操作手段とを有し、
非常時に、前記回動ピンを引き抜き、かつ前記板状部材を回転させて前記ロックピンを前記切欠き部から離脱させてロック状態を解除し、前記シャックルピンを前記掛止部から引き抜き可能である。
本考案に係る自動着脱式シャックル装置において、前記回動ピンの基端部には第1の取っ手が、該回動ピンの先側には該回動ピンを径方向に貫通する着脱可能な掛止ピンが、前記板状部材の先端部には第2の取っ手がそれぞれ設けられていることが好ましい。
本考案に係る自動着脱式シャックル装置において、前記シャックル部材に取付けられ、前記制御盤に制御信号を手動入力する手動操作盤を有し、前記遠隔操作手段は、前記シャックル部材又は前記カバー枠に取付けられ、前記制御盤に制御信号を入力する信号入力部と、該信号入力部に無線を介して制御信号を送信する外部操作部とを有していることが好ましい。
本考案に係る自動着脱式シャックル装置において、前記シャックル部材に取付けられ、前記制御盤に制御信号を手動入力する手動操作盤を有し、前記遠隔操作手段は、前記手動操作盤と操作ケーブルを介して接続し、該手動操作盤に制御信号を入力する外部操作部を有していることが好ましい。
本考案に係る自動着脱式シャックル装置において、前記カバー枠には前記制御盤の動作状態を示す表示灯が設けられていることが好ましい。
本考案に係る自動着脱式シャックル装置においては、シャックル部材の一側に設けられた支持部材に中央部が回動ピンを用いて回動可能に取付けられ、一端部がシャックルピンの基側に第1の連結ピンを介して、他端部が第1の電動駆動手段の出力軸に第2の連結ピンを介してそれぞれ取付けられたレバー部材を有するので、遠隔操作手段により第1の電動駆動手段を駆動させて出力軸を進退させると、レバー部材を介してシャックルピンを出力軸の進退とは逆向きに進退させることができ、シャックル部材と掛止部との連結及び連結解除を自動で行うことができる。その結果、高所で行っていたシャックル部材と掛止部との連結作業及び連結解除作業から解放される。
また、シャックル部材と掛止部をシャックルピンで連結した後、第1の電動駆動手段を停止させると、出力軸の移動抵抗によりシャックルピンの引き抜きが防止されると共に、シャックルピンの基側と連結する板状部材の途中位置の一側に形成した切欠き部にロックピンが嵌入してシャックルピンのロック状態を保持するので、シャックルピンの引き抜きを確実に阻止することができる。
更に、板状部材がシャックルピンの基側に、シャックルピンの軸心を中心に回動可能に連結されているので、板状部材を回転させることにより、切欠き部をロックピンから離すことができる。これにより、ロックピンによる板状部材の掛止状態を解除することができ、回動ピンを引き抜いてレバー部材とシャックル部材との連結を解除すると、シャックルピンを掛止部から引き抜くことができる。その結果、第1、第2の電動駆動手段が作動しない非常時においても、シャックル部材と掛止部との連結解除を行うことができる。
本考案に係る自動着脱式シャックル装置において、回動ピンの基端部に第1の取っ手が、回動ピンの先端部に回動ピンを径方向に貫通する着脱可能な掛止ピンがそれぞれ設けられている場合、回動ピンの引き抜けを常時防止することができ、回動ピンの引き抜きが必要な場合は、回動ピンの引き抜きを容易に行うことができる。また、板状部材の先端部に第2の取っ手が設けられている場合、回動ピンを引き抜いてレバー部材とシャックル部材との連結を解除すると、第2の取っ手を用いて板状部材と共にシャックルピンを容易に引き抜くことができる。
本考案に係る自動着脱式シャックル装置において、シャックル部材に取付けられ、制御盤に制御信号を手動入力する手動操作盤を有している場合、遠隔操作手段を用いて第1、第2の電動駆動手段を駆動させることができなくても、第1、第2の電動駆動手段を駆動することができる。
そして、遠隔操作手段が、シャックル部材又はカバー枠に取付けられ、制御盤に制御信号を入力する信号入力部と、信号入力部に無線を介して制御信号を送信する外部操作部とを有している場合、外部操作場所の制約を受け難く、操作性が向上する。
本考案に係る自動着脱式シャックル装置において、シャックル部材に取付けられ、制御盤に制御信号を手動入力する手動操作盤を有している場合、遠隔操作手段を用いて第1、第2の電動駆動手段を駆動させることができなくても、第1、第2の電動駆動手段を駆動することができる。
そして、遠隔操作手段が、手動操作盤と操作ケーブルを介して接続し、手動操作盤に制御信号を入力する外部操作部を有する場合、遠隔操作手段の構成を簡単にすることができ、製造コストを低減できる。
本考案に係る自動着脱式シャックル装置において、カバー枠に制御盤の動作状態を示す表示灯が設けられている場合、遠隔操作時における誤操作を防止できる。
以上の構成とすることにより、本考案の自動着脱式シャックル装置は下記の特徴を有する。(1)自動着脱式シャックル装置では、使用場所の制約や使用状況に応じて、無線又は有線の最適な遠隔操作方式を選択して、地上から操作を行うことができる。
(2)自動着脱式シャックル装置は手動操作盤を有するので、自動着脱式シャックル装置を地上側で操作する場合、無線又は有線による遠隔操作と手動操作盤による操作を適宜選択して、あるいは組み合せて行うことができ、作業性及び作業効率を向上させることができる。
(3)自動着脱式シャックル装置は手動操作盤を有するので、地上からの無線又は有線による遠隔操作不能の事態が発生した場合、高所作業となるが、手動操作盤による手動操作で対応することができる。
(4)自動着脱式シャックル装置では、第1、第2の電動駆動手段が駆動しない場合、高所作業となるが、手動操作でシャックルピンを掛止部から引き抜くことができるので、非常事態にも対応可能になる。
本考案の一実施の形態に係る自動着脱式シャックル装置を用いた吊り上げ設備の説明図である。 同自動着脱式シャックル装置の一部切欠き正断面図である。 同自動着脱式シャックル装置の側面図である。 吊り上げ設備のブロック図である。 本考案の一実施の形態に係る自動着脱式シャックル装置において、シャックルピンを自動で引き抜いた状態を示す説明図である。 同自動着脱式シャックル装置において、シャックルピンを手動で引き抜いた状態を示す説明図である。 変形例に係る吊り上げ設備の説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を具体化した実施の形態につき説明し、本考案の理解に供する。
本考案の一実施の形態に係る自動着脱式シャックル装置10、10aは、図1に示すように、吊荷の一例であるタンク11(例えば、胴部の外径が1〜4m、高さが15〜60m、重量が30〜100t)を吊り上げる際に用いる吊り上げ手段12の吊りビーム13の両側に、吊り具14を介して吊り下げられて使用される。なお、符号15、16は吊り具14を吊りビーム13の両側にそれぞれ固定する取付け部材、符号17は両端部がそれぞれ取付け部材15、16に固定される吊りワイヤ、符号18は吊りワイヤ17の中間部に掛止されるクレーン(図示せず)の吊りフックである。また、吊り上げ手段12に自動着脱式シャックル装置10、10aを取付けたものを吊り上げ設備という。以下、詳細に説明する。
図2、図3に示すように、自動着脱式シャックル装置10(自動着脱式シャックル装置10aも同じ)は、吊り具14を用いて吊り下げられ、下側が下方に開口したU字状となってタンク11に設けた掛止部19(図1参照)を収容する空間部20を有するシャックル部材21と、シャックル部材21の一側から水平に挿入され、空間部20に収容された掛止部19の貫通孔22を貫通し、先側がシャックル部材21の他側に挿入されるシャックルピン23とを有している。なお、掛止部19は、タンク11の上端部の対向する位置に突出してそれぞれ設けられている。
シャックルピン23は、円柱形状のピン本体部24と、ピン本体部24の基端と連接して最大幅がピン本体部24の直径の値と同値である基側板部25とを有している。ここで、ピン本体部24の軸心の位置と基側板部25の中心軸の位置は一致している。そして、シャックルピン23の先側をシャックル部材21の他側に挿入した際、ピン本体部24の先側はシャックル部材21の他側に形成された他側貫通孔26に設けられた環状のブッシュ27を介して支持され、中間部は空間部20に収容された掛止部19の貫通孔22を貫通し、基側はシャックル部材21の一側に形成された一側貫通孔28の先側(空間部20側)に設けられた環状のブッシュ29を介して支持されている。
なお、吊り具14の先部には、下方に開口したU字状となって下側に一方側から他方側に連通する貫通孔30が設けられた接続部材31が取付けられ、シャックル部材21の上側には、中央部に貫通孔32が形成された板状の連結部33が突出して設けられている。
以上の構成とすることにより、接続部材31の中央に形成された空間部34に連結部33を挿入し、接続部材31の貫通孔30の一方側からピン35を挿入し、連結部33の貫通孔32を挿通させて接続部材31の貫通孔30の他方側に挿入することで、接続部材31を介して吊り具14にシャックル部材21を吊り下げることができる。そして、シャックル部材21の空間部20に掛止部19を収容し、シャックル部材21の一側からシャックルピン23を水平に挿入し、空間部20に収容された掛止部19の貫通孔22を貫通させて先側をシャックル部材21の他側に挿入することにより、シャックル部材21と掛止部19を連結することができる。これにより、吊りワイヤ17の中間部にクレーンの吊りフック18を掛止して、吊りビーム13を引き上げることにより、タンク11を吊り上げることができる。
図2、図3に示すように、自動着脱式シャックル装置10は、シャックル部材21の一側に設けられた支持部材36に中央部が回動ピン37を用いて回動可能に取付けられ、一端部がシャックルピン23の基側板部25に長手方向を上下方向に向けて形成された長孔38に第1の連結ピン39を介して取付けられたレバー部材40と、レバー部材40の他端部に第2の連結ピン41を介して連結される出力軸42を水平状態で備え、レバー部材40の回動を行って、シャックルピン23を進退する第1の電動駆動手段の一例である第1の電動シリンダ43とを有している。なお、第1の電動シリンダ43は、トラニオン形シリンダであって、基部がピン43aを介してシャックル部材21の図示しない取付けベースに傾動可能に取付けられている。
ここで、支持部材36の先側の中央部には、上下方向に沿ってスリットが形成され、レバー部材40の中央部はこのスリット内に挿入されている。そして、支持部材36の一方側から挿入された回動ピン37は、スリット内に挿入されたレバー部材40の中央部を貫通し、更に支持部材36の他方側を貫通している。これにより、支持部材36に、レバー部材40の中央部が回動ピン37を用いて回動可能に取付けられる。なお、回動ピン37の基端部には第1の取っ手44が設けられ、支持部材36の他方側から突出した回動ピン37の先側には回動ピン37を径方向に貫通する掛止ピン45が着脱可能に設けられている。一方、レバー部材40の一端側には基側板部25が挿入可能な空間部を備えた接続部46が設けられ、接続部46に挿入されたレバー部材40の一端側が、接続部46の一方側から挿入された第1の連結ピン39を介して回動可能に連結されている。また、レバー部材40の他端側には出力軸42の先側が挿入可能な空間部を備えた接続部47が設けられ、接続部47に挿入された出力軸42の先側が、接続部47の一方側から挿入された第2の連結ピン41を介して回動可能に連結されている。
以上のように、レバー部材40の一端部は、基側板部25に長手方向を上下方向に向けて形成された長孔38に第1の連結ピン39を介して接続されているので、レバー部材40の回動に応じて第1の連結ピン39を長孔38の内面に当接させた状態で長孔38内で上下移動させることができる。このため、レバー部材40と連結しているシャックルピン23をレバー部材40の回動に伴って、シャックル部材21の一側に向けて水平移動させることができ、ピン本体部24の先側を、シャックル部材21の空間部20を通過させて一側貫通孔28内に収納させ、ピン本体部24の基側をシャックル部材21の一側から突出させた状態(従って、基側板部25に連結された板状部材51は、基側を除いてカバー蓋53aに形成された開口部53bから外部に突出した状態)にすることができる。その結果、シャックル部材21の空間部20にタンク11の掛止部19を収容することができる。ここで、符号56は、シャックルピン23の基側がシャックル部材21の一側に向けて移動する際に、シャックルピン23の基側をガイドするガイド部材である。
更に、自動着脱式シャックル装置10は、図2、図3に示すように、シャックルピン23の基側板部25の中央部に設けた連結部48を介してシャックルピン23の軸心を中心に回動可能に連結され、途中位置の一側に切欠き部49が形成され、先端部には第2の取っ手50が設けられた板状部材51と、シャックル部材21と掛止部19をシャックルピン23で連結した際に、板状部材51の切欠き部49に垂直上方向から嵌入し、シャックルピン23のロック状態を保持するロックピン52と、シャックル部材21の一側に設けられ、出力軸42、レバー部材40、及び支持部材36を収納し、出力軸42、シャックルピン23及び板状部材51の一部が内側で進退するカバー枠53に取付けられて、ロックピン52を昇降する第2の電動駆動手段の一例である第2の電動シリンダ54とを有している。なお、符号55は、ロックピン52が先端部に取付けられた第2の電動シリンダ54の出力軸である。
ここで、カバー枠53の一側に設けたカバー蓋53aに形成された開口部53bには、板状部材51が挿通可能な挿通部(図示せず)を中央部に備えた円盤部材56aが嵌入され、円盤部材56aの外周部の一部に突出して設けられたストッパー部56bを固定ピン56cを介してカバー蓋53aに掛止されている。従って、板状部材51が、カバー蓋53aに掛止された円盤部材56aを挿通した状態では、板状部材51がシャックルピン23の基側板部25に対して回動することが防止されるため、板状部材51の切欠き部49にロックピン52が垂直上方向から嵌入する状態を維持することができる。
そして、自動着脱式シャックル装置10は、図2〜図4に示すように、シャックル部21材に取付けられ、第1、第2の電動シリンダ43、54を駆動するための制御信号を出力する制御盤57と、シャックル部材21に取付けられ、制御盤57に制御信号を手動入力する手動操作盤58とを有している。また、カバー枠53には、制御盤57と接続ケーブル59を介して接続し、制御盤57の動作状態を示す表示灯60が設けられている。なお、符号61は、第1、第2の電動シリンダ43、54を駆動する電力を供給するバッテリである。ここで、表示灯60は、上下方向に複数色の発光部(例えば、緑、赤、黄)を備えており、制御盤57の動作状態に応じて各発光部の点灯状況が変化する。
ここで、図1、図4に示すように、吊り上げ手段12に設けられた自動着脱式シャックル装置10、10aは、それぞれに設けられた手動操作盤58を介して接続ケーブル62で連結され、例えば、自動着脱式シャックル装置10を親機、自動着脱式シャックル装置10aを子機としている。なお、符号63は、接続ケーブル62を吊りビーム13に吊り下げるための吊りワイヤである。このため、自動着脱式シャックル装置10は、遠隔操作手段64の一部を構成し、操作員に所持され、制御信号を無線で送信する無線操作部65(外部操作部の一例)と、遠隔操作手段64の残部を構成し、シャックル部材21に取付けられ、無線操作部65から送信された制御信号を受信アンテナ66で受信し、受信した制御信号を制御盤57に入力する受信機67(信号入力部の一例)を有している。なお、無線操作部65には、例えば、第1の電動シリンダ43の出力軸42を進退させる操作ボタン(図示せず)、第2の電動シリンダ54の出力軸55を進退させる操作ボタン(図示せず)がそれぞれ設けられている。また、受信機67はカバー枠53に取付けてもよい。
以上の構成とすることにより、無線操作部65から自動着脱式シャックル装置10の第1、第2の電動シリンダ43、54を駆動する制御信号を送信すると、制御信号は受信機67で受信され、自動着脱式シャックル装置10の制御盤57に入力されるので、自動着脱式シャックル装置10の第1、第2の電動シリンダ43、54を駆動することができる。また、無線操作部65から自動着脱式シャックル装置10aの第1、第2の電動シリンダ43、54を駆動する制御信号を送信すると、制御信号は受信機67で受信され、接続ケーブル62を介して自動着脱式シャックル装置10aの制御盤57に入力されるので、自動着脱式シャックル装置10aの第1、第2の電動シリンダ43、54を駆動することができる。そして、遠隔操作手段64による操作が不能な場合、自動着脱式シャックル装置10、10aにそれぞれ設けられた手動操作盤58から制御信号を各制御盤57に入力することにより、自動着脱式シャックル装置10、10aの第1、第2の電動シリンダ43、54を駆動することができる。
自動着脱式シャックル装置10、10aの各制御盤57からは、制御盤57毎の動作状態に対応した信号が接続ケーブル59を介して表示灯60に入力されるので、表示灯60の点灯状況から、自動着脱式シャックル装置10、10aの第1、第2の電動シリンダ43、54の駆動状況をそれぞれ確認することができる。なお、符号68は、バッテリ61の充電を行う充電器である。
続いて、本考案の一実施の形態に係る自動着脱式シャックル装置10、10aの使用方法について説明する。
先ず、第1の電動シリンダ43の出力軸42が第1の電動シリンダ43内に収容されているか、第2の電動シリンダ54の出力軸55が第2の電動シリンダ54内に収容されているかを、表示灯60の点灯状況からそれぞれ確認する。ここで、第2の電動シリンダ54の出力軸55が第2の電動シリンダ54内に収容されていない場合は、地上において遠隔操作手段64の無線操作部65から自動着脱式シャックル装置10の第2の電動シリンダ54を駆動する制御信号を送信して、第2の電動シリンダ54の出力軸55を第2の電動シリンダ54内に収容する。これにより、板状部材51の切欠き部49に垂直上方向から嵌入しているロックピン52を上方に引き上げて、ロックピン52による板状部材51の掛止状態、即ち、シャックルピン23の掛止状態を解除する。シャックルピン23の掛止状態が解除されたことは、表示灯60の点灯状況から確認できる。
なお、自動着脱式シャックル装置10、10aは地上側にあるため、手動操作盤58を用いて同様の操作を行うこともできる。
また、第1の電動シリンダ43の出力軸42が第1の電動シリンダ43内に収容されていない場合は、無線操作部65から自動着脱式シャックル装置10の第1の電動シリンダ43を駆動する制御信号を送信して、第1の電動シリンダ43の出力軸42を第1の電動シリンダ43内に収容する。これにより、シャックル部材21の一側に設けられた支持部材36に回動ピン37を用いて中央部が回動可能に取付けたレバー部材40を、レバー部材40の一端側がシャックル部材21の一側から離れるように回動させることができ、レバー部材40の回動に伴って、シャックルピン23の先側を、他側貫通孔26内から空間部20を通過させて、シャックル部材21の一側貫通孔28内に後退させることができる。なお、シャックルピン23の先側がシャックル部材21の一側貫通孔28内に進入したことは、表示灯60の点灯状況から確認できる。これにより、図5に示すように、シャックル部材21の空間部20にタンク11の掛止部19を収容することができる。
なお、自動着脱式シャックル装置10、10aは地上側にあるため、手動操作盤58を用いて同様の操作を行うこともできる。
シャックル部材21の空間部20にタンク11の掛止部19が収容されると、無線操作部65から自動着脱式シャックル装置10の第1の電動シリンダ43を駆動する制御信号を送信して、第1の電動シリンダ43の出力軸42を第1の電動シリンダ43内から突出させる。これにより、支持部材36に取付けたレバー部材40は、レバー部材40の一端側がシャックル部材21の一側に接近するように回動して、レバー部材40の回動に伴って、シャックルピン23の先側は、一側貫通孔28内から空間部20に収容された掛止部19の貫通孔22を通過して、シャックル部材21の他側貫通孔26内に挿入する。これにより、図2に示すように、シャックル部材21と掛止部19が、シャックルピン23を介して連結する。なお、シャックルピン23の先側がシャックル部材21の他側貫通孔26内に挿入したことは、表示灯60の点灯状況から確認できる。そして、シャックルピン23の先側をシャックル部材21の他側貫通孔26内に挿入した後、第1の電動シリンダ43を停止させると(電源オフ状態にすると)、出力軸42の移動抵抗によりシャックルピン23の引き抜きが防止される(即ち、シャックルピン23はロック状態となる)。
なお、自動着脱式シャックル装置10、10aは地上側にあるため、手動操作盤58を用いて同様の操作を行うこともできる。
シャックルピン23の先側が、シャックル部材21の他側に向けて移動することに伴って、シャックルピンの基側に連結された板状部材51の基側はカバー枠53内に進入し、シャックルピン23の先側がシャックル部材21の他側貫通孔26内に挿入された状態では、板状部材51は、板状部材51の先端部を除いてカバー枠53内に収容される。そこで、無線操作部65から自動着脱式シャックル装置10の第2の電動シリンダ54を駆動する制御信号を送信して、第2の電動シリンダ54の出力軸55を第2の電動シリンダ54内から突出させる。これにより、板状部材51に形成された切欠き部49に上方からロックピン52が嵌入され、ロックピン52で板状部材51が掛止される。その結果、シャックルピン23のロック状態を保持することができ、シャックルピン23の引き抜きを確実に阻止することができる。ロックピン52の先側が切欠き部49に嵌入されたことは、表示灯60の点灯状況から確認できる。
なお、自動着脱式シャックル装置10、10aは地上側にあるため、手動操作盤58を用いて同様の操作を行うこともできる。
シャックル部材21と掛止部19の連結状態を解除する場合は、先ず、地上側において無線操作部65から自動着脱式シャックル装置10の第2の電動シリンダ54を駆動する制御信号を送信して、第2の電動シリンダ54の出力軸55を第2の電動シリンダ54内に収容することで、板状部材51の切欠き部49に嵌入されているロックピン52を引き上げる。これにより、ロックピン52による板状部材51の掛止状態が解除される。ロックピン52による板状部材51の掛止状態が解除されたことは、表示灯60の点灯状況から確認できる。次いで、無線操作部65から自動着脱式シャックル装置10の第1の電動シリンダ43を駆動する制御信号を送信して、第1の電動シリンダ43の出力軸42を第1の電動シリンダ43内に収容する。これにより、支持部材36に取付けたレバー部材40は、レバー部材40の一端側がシャックル部材21の一側から離れるように回動して、レバー部材40の回動に伴って、シャックルピン23の先側は、他側貫通孔26内から空間部20に収容された掛止部19の貫通孔22を通過して、シャックル部材21の一側貫通孔28内に後退する。これにより、図5に示すように、シャックル部材21と掛止部19とのシャックルピン23を介した連結が解除される。シャックルピン23の先側がシャックル部材21の一側貫通孔28内に後退したことは、表示灯60の点灯状況から確認できる。
ここで、シャックル部材21と掛止部19の連結状態の解除を遠隔操作手段64を用いて行うことができない場合(例えば、無線操作部65及び受信機67のいずれか一方又は双方が故障した場合)は、高所にある手動操作盤58の場所まで操作員が登り、手動操作盤58から第1、第2の電動シリンダ43、54の操作を行う。なお、手動操作盤58による操作で、ロックピン52による板状部材51の掛止状態が解除されたこと、シャックルピン23の先側がシャックル部材21の一側貫通孔28内に後退したことは、それぞれ表示灯60の点灯状況から確認できる。
一方、非常時、例えば、バッテリ61の充電量低下や故障により、遠隔操作手段64を用いて第1、第2の電動シリンダ43、54を駆動することができない場合や第1、第2の電動シリンダ43、54が故障した場合では、高所にあるシャックル部材21の場所まで操作員が登り、図6に示すように、先ず、掛止ピン45を回動ピン37から引き抜き、第1の取っ手44を把持して回動ピン37を引き抜く。次いで、固定ピン56cを引き抜き、円盤部材56aのカバー蓋53aに対する掛止状態を解除する。これによって、円盤部材56aは開口部53b内で回転自在となる。このため、第2の取っ手50を把持して板状部材51を円盤部材56aと共に回転させることができ、ロックピン52と切欠き部49とを離脱させることができ、ロックピン52と切欠き部49とを離脱させることにより、ロックピン52によるロック状態を解除する。そこで、第2の取っ手50を把持して板状部材51をカバー枠53内から引き出すと、板状部材51の移動に伴ってシャックルピン23が移動する。このとき、第1の電動シリンダ43の基部はピン43aを介してシャックル部材21の取付けベースに傾動可能に取付けられているので、第1の電動シリンダ43はレバー部材40を介してシャックルピン23の移動に伴って出力軸42の先側を上方に向けて傾動することができる。このため、シャックルピン23は、板状部材51の移動に伴って水平方向に移動することができ、シャックルピン23の先側は、他側貫通孔26内から空間部20に収容された掛止部19の貫通孔22を通過して、シャックル部材21の一側貫通孔28内に後退する。その結果、シャックルピン23が掛止部19から引き抜かれることにより、シャックル部材21と掛止部19の連結状態が解除される。
本実施の形態では、吊り上げ手段12に設けた自動着脱式シャックル装置10、10aにおいて、遠隔操作手段64の一部を構成する無線操作部65から送信される自動着脱式シャックル装置10、10aにそれぞれ設けた第1、第2の電動シリンダ43、54を駆動する各制御信号を受信する受信機67を親機である自動着脱式シャックル装置10に設けたが、図7に示すように、遠隔操作手段69を、自動着脱式シャックル装置10、10aにそれぞれ設けた第1、第2の電動シリンダ43、54を駆動する制御信号を、例えば押しボタンの操作で出力する外部操作部70と、外部操作部70から出力された制御信号を自動着脱式シャックル装置10の手動操作盤71に入力する操作ケーブル72とを有する構成としてもよい。なお、符号73は、操作ケーブル72を巻き取るリールである。
ここで、遠隔操作手段69の外部操作部70に、例えば、第1の電動シリンダ43の出力軸42を進退させる操作ボタン(図示せず)、第2の電動シリンダ54の出力軸55を進退させる操作ボタン(図示せず)をそれぞれ設けておくと、外部操作部70を用いた自動着脱式シャックル装置10、10aの操作は、遠隔操作手段64の無線操作部65を用いた自動着脱式シャックル装置10、10aの操作と同様に行うことができる。また、手動操作盤71を用いた自動着脱式シャックル装置10、10aの操作も、手動操作盤58を用いた場合と同様に行うことができる。
以上、本考案を、実施の形態を参照して説明してきたが、本考案は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
10、10a:自動着脱式シャックル装置、11:タンク、12:吊り上げ手段、13:吊りビーム、14:吊り具、15、16:取付け部材、17:吊りワイヤ、18:吊りフック、19:掛止部、20:空間部、21:シャックル部材、22:貫通孔、23:シャックルピン、24:ピン本体部、25:基側板部、26:他側貫通孔、27:ブッシュ、28:一側貫通孔、29:ブッシュ、30:貫通孔、31:接続部材、32:貫通孔、33:連結部、34:空間部、35:ピン、36:支持部材、37:回動ピン、38:長孔、39:第1の連結ピン、40:レバー部材、41:第2の連結ピン、42:出力軸、43:第1の電動シリンダ、43a:ピン、44:第1の取っ手、45:掛止ピン、46、47:接続部、48:連結部、49:切欠き部、50:第2の取っ手、51:板状部材、52:ロックピン、53:カバー枠、53a:カバー蓋、53b:開口部、54:第2の電動シリンダ、55:出力軸、56:ガイド部材、56a:円盤部材、56b:ストッパー部、56c:固定ピン、57:制御盤、58:手動操作盤、59:接続ケーブル、60:表示灯、61:バッテリ、62:接続ケーブル、63:吊りワイヤ、64:遠隔操作手段、65:無線操作部、66:受信アンテナ、67:受信機、68:充電器、69:遠隔操作手段、70:外部操作部、71:手動操作盤、72:操作ケーブル、73:リール

Claims (5)

  1. 吊り具を用いて吊り下げられ、下側が下方に開口したU字状となって吊荷に設けた掛止部を収容する空間部を有するシャックル部材と、
    前記シャックル部材の一側から水平に挿入され、前記空間部に収容された前記掛止部の貫通孔を貫通し、先側が該シャックル部材の他側に挿入されて、該シャックル部材と該掛止部を連結するシャックルピンと、
    前記シャックル部材の一側に設けられた支持部材に中央部が回動ピンを用いて回動可能に取付けられ、一端部が前記シャックルピンの基側に長手方向を上下方向に向けて形成された長孔に第1の連結ピンを介して取付けられたレバー部材と、
    前記レバー部材の他端部に第2の連結ピンを介して連結される出力軸を備え、前記レバー部材の回動を行って、前記シャックルピンを進退する第1の電動駆動手段と、
    前記シャックルピンの基側に、該シャックルピンの軸心を中心に回動可能に連結され、途中位置の一側に切欠き部が形成された板状部材と、
    前記板状部材の前記切欠き部に垂直方向から嵌入し、前記シャックルピンのロック状態を保持するロックピンと、
    前記シャックル部材の一側に設けられ、前記出力軸、前記レバー部材、及び前記支持部材を収納し、前記出力軸、前記シャックルピン、及び前記板状部材の一部が内側で進退するカバー枠と、
    前記カバー枠に取付けられて、前記ロックピンを昇降する第2の電動駆動手段と、
    前記シャックル部材に取付けられ、前記第1、第2の電動駆動手段を駆動する制御盤と、
    前記制御盤に制御信号を遠隔入力する遠隔操作手段とを有し、
    非常時に、前記回動ピンを引き抜き、かつ前記板状部材を回転させて前記ロックピンを前記切欠き部から離脱させてロック状態を解除し、前記シャックルピンを前記掛止部から引き抜き可能であることを特徴とする自動着脱式シャクル装置。
  2. 請求項1記載の自動着脱式シャックル装置において、前記回動ピンの基端部には第1の取っ手が、該回動ピンの先側には該回動ピンを径方向に貫通する着脱可能な掛止ピンが、前記板状部材の先端部には第2の取っ手がそれぞれ設けられていることを特徴とする自動着脱式シャックル装置。
  3. 請求項1又は2記載の自動着脱式シャックル装置において、前記シャックル部材に取付けられ、前記制御盤に制御信号を手動入力する手動操作盤を有し、前記遠隔操作手段は、前記シャックル部材又は前記カバー枠に取付けられ、前記制御盤に制御信号を入力する信号入力部と、該信号入力部に無線を介して制御信号を送信する外部操作部とを有していることを特徴とする自動着脱式シャックル装置。
  4. 請求項1又は2記載の自動着脱式シャックル装置において、前記シャックル部材に取付けられ、前記制御盤に制御信号を手動入力する手動操作盤を有し、前記遠隔操作手段は、前記手動操作盤と操作ケーブルを介して接続し、該手動操作盤に制御信号を入力する外部操作部を有していることを特徴とする自動着脱式シャックル装置。
  5. 請求項3又は4記載の自動着脱式シャックル装置において、前記カバー枠には前記制御盤の動作状態を示す表示灯が設けられていることを特徴とする自動着脱式シャックル装置。
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