JP5546674B1 - 玉掛け装置および該玉掛け装置を用いたクレーンシステム - Google Patents

玉掛け装置および該玉掛け装置を用いたクレーンシステム Download PDF

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Abstract

【課題】玉掛け作業を安全に行えるようにする。
【解決手段】玉掛け装置1は、クレーンから吊り下げられているワイヤー120の下端に連結部材10を介して連結されたフレームアセンブリ20を有する。フレームアセンブリ20には、吊りピース210に連結されるピン40が水平方向に移動可能に支持されている。玉掛け装置1は、ピン40を駆動するピン駆動機構30をさらに有する。ピン駆動機構30は、モータ32と、モータ32の回転を直線運動に変換するリードスクリュー機構35と、リードスクリュー機構35によって進退移動するピストン34と、ピストン34とピン40とを連結するアーム36とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、大型クレーンによる各種構造物の据付作業等において構造物を吊り上げたり吊り下げたりする際に用いられる玉掛け装置、およびこの玉掛け装置を用いたクレーンシステムに関する。
海上や湾岸などでの、防波堤や岸壁のケーソンやジャケットの据え付け、湾岸荷役設備のガントリークレーンの据え付け、橋梁構造物の据え付け、および洋上風力発電設備構造物の据え付けなど、大型構造物の設置に起重機船が用いられる。
起重機船は船首部に起重機を備えており、その起重機のクレーンワイヤーに接続されるクレーン側吊り具を、設置対象となる構造物に固定された構造物側吊り具と連結して、構造物の吊り下げおよび移動を行うことができる。構造物がケーソンなど大型の構造物である場合は、構造物を安定して吊り下げるために、クレーン側吊り具は、クレーンワイヤーに直接接続されるのではなく、クレーンワイヤーに連結した吊り枠を介して接続される。吊り枠には、通常、24〜40本のワイヤーが吊り下げられ、これら各ワイヤーの下端にそれぞれクレーン側吊り具が固定される。
ここで、従来のクレーン側吊り具について、図7および8を参照して説明する。クレーン側吊り具1000は、ワイヤー1120の下端に固定されるワイヤー固定部1100と、ワイヤー固定部1100から互いに所定の間隔をあけて下方に延びた一対の垂下アーム1110とを有する。垂下アーム1110には、同軸上に配置された通し孔1110aが形成されており、これら通し孔1110aにピン1140を挿通することができる。一方、構造物側吊り具1200は、脚部が構造物1300に埋め込まれた馬蹄型の吊りピース1210として構成することができる。
一般に、上記のようなクレーン側吊り具1000を用いて構造物1300を吊り上げるとき、クレーン側吊り具1000と構造物側吊り具1200とを連結する玉掛け作業、および構造物1300を設置した後の吊り具同士の取り外し作業である玉掛け解除作業は、人力によって行われている。
詳しくは、玉掛け作業においては、まず、図7に示すように、クレーン側吊り具1000を構造物側吊り具1200の上方へ誘導する。次いで、クレーン側吊り具1000を降下させながら、図8に示すように、一対の垂下アーム1110の間に構造物側吊り具1200を進入させる。この状態で両吊り具を動かないように人力で支え、クレーン側吊り具1000の通し孔1110aにピン1140を挿通し、挿通したピン1140を、抜けないようにナット1150で締め付けることによって、クレーン側吊り具1000と構造物側吊り具1200とを連結することができる。玉掛け解除作業は、玉掛け作業と逆の手順、すなわち、ナット1150を取り外し、ハンマーなどを使用してピン1140をクレーン側吊り具1000から抜き取り、ピン1140が抜き取られたクレーン側吊り具1000を起重機によって巻き上げる。これら一連の作業のうち、クレーン側吊り具1000の降下および巻き上げを除く作業はすべて人力で行っている。
ケーソンなど大型構造物の設置に用いられるクレーン側吊り具は、通常、重量が50〜180kgもあり、一人の作業員の力でこれを支えるのは困難である。また、ピンも、重量が大きく一人の力で吊り具に挿通したり抜き取ったりするのは困難である。よって、通常は、玉掛け作業および玉掛け解除作業は、2〜3名の作業員からなる複数の班を構成し、班単位で作業を行っている。
起重機船によるこれらの設置作業には、風、波浪や波高、潮流速度などの海象条件が、安全性やこれに伴う作業効率に大きな影響を及ぼしている。海象条件が厳しいときには、起重機船の動揺により、重量の大きなクレーン側吊り具が大きく揺れて危険性が増大する。特に、玉掛け解除の際には、クレーン側吊り具に大きな引っ張り力が作用することがあるため、取り外しが困難であったり、取り外し直後にクレーン側吊り具が振り回されたりする危険性がある。特に、海面下に設置される構造物の場合は、設置作業は潜水士によって行われる。海面下での作業は、起重機船との連携が取りにくく、また視界が不鮮明であったりするなど、より危険性が高く、かつ過酷な作業となる。
そこで、起重機船が動揺しても玉掛け作業および玉掛け解除作業を安全に行えるようにするために、特許文献1には、吊り枠にスロッシングダンパーを設置することによって、吊り枠の揺れを抑制することが開示されている。
特開2001−31363号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、吊り枠の揺れを抑制することでクレーン側吊り具の揺れを抑制するものであるが、依然として、玉掛け作業および玉掛け解除作業は人力に頼るものである。よって、重量物を人力で取り扱う限りにおいては、多かれ少なかれ危険は伴う。そのため、より危険性の少ない玉掛け作業および玉掛け解除作業、特に、ピンの取り扱い時の危険が最も高いことから、吊り具に対するピンの抜き差しにおける安全性を向上させることが望まれている。さらには、ワイヤー自体の揺れをさらに抑制したいという要求もある。
そこで本発明は、吊り具に対するピンの抜き差しをより安全に行える玉掛け装置を提供することを目的とする。また本発明は、ワイヤーの揺れを抑制し、上記玉掛け装置と組み合わせることにより、より安全な玉掛け作業および玉掛け解除作業を行えるクレーンシステムを提供することを他の目的とする。
本発明の玉掛け装置は、クレーンから吊り降ろされているワイヤーと、クレーンが吊り上げる対象物である構造物に固定された吊り具とを連結する玉掛け装置であって、
ワイヤーの下端に連結されたフレーム部と、
フレーム部にスライド自在に支持されたピンと、
遠隔操作によってピンを吊り具に係合および解除するようにスライド動作させるピン駆動機構と、
を有する。
上記本発明の玉掛け装置において、ピン駆動機構は、遠隔操作によって駆動されるモータと、モータの回転を直線運動に変換してピンの前進および後退運動とする運動伝達機構と、を有し、運動伝達機構は、モータにリードスクリュー機構を介して連結されたピストンと、ピストンとピンとを連結する、フレームに揺動自在に支持されたアームとを有してい
本発明のクレーンシステムは、
クレーンと、
クレーンから吊り降ろされたワイヤーの下端に連結された、上記本発明の玉掛け装置と、
クレーンの先端から玉掛け装置までの間において前記ワイヤーに固定された吊り枠と、
吊り枠に固定された、吊り枠の揺れを抑制する制振装置と、
を有する。
本発明のクレーンシステムにおいて、制振装置は、吊り枠の上面と平行な方向において往復直線移動可能に支持された制振おもりと、制振おもりを駆動するモータと、吊り枠の揺れに応じた制振おもりの移動によって慣性反力を生じさせるようにモータの動作を制御する演算制御ユニットとを有することができる。モータはリニアモータであることが好ましい。
本発明によれば、ピンの動作を遠隔操作によって行えるようにしたことにより、玉掛け作業をより安全に行うことができる。さらに、本発明のクレーンシステムによれば、制振装置によって吊り枠の揺れが抑制されることにより、より安全に玉掛け作業を行うことができる。
本発明の一実施形態による玉掛け装置の側面図である。 図1に示す玉掛け装置の正面図である。 ピンが挿入される前の状態を示す、玉掛け装置の正面図である。 玉掛け作業のために玉掛け装置が吊りピースの上方に誘導された段階での玉掛け装置の正面図である。 本発明の一実施形態によるクレーンシステムの側面図である。 図3に示すクレーンシステムの正面図である。 図3に示す制振装置の、カバーと取り外した状態での斜視図である。 図3に示すクレーンシステムにおける信号の流れを示す、制振装置のブロック図である。 従来の吊り具を説明する図である。 従来の吊り具を用いた玉掛け作業において、下降された吊り具へのピンの装着を説明する図である。
図1および図2を参照すると、クレーンから吊り降ろされたワイヤー120の下端部と、クレーンが吊り上げる対象である構造物200に固定された吊り具(吊りピース210)とを連結したり、その連結を解除したりする、本発明の一実施形態による玉掛け装置1の正面図および側面図が示される。
玉掛け装置1は、クレーン(ここでは不図示)のワイヤー120の下端に固定された連結部材10と、連結軸15を介して連結部材10に揺動自在に連結されたフレームアセンブリ20と、ピン40と、フレームフレームアセンブリ20に支持されてピン40を駆動するピン駆動機構30と、を有する。ピン40は、クレーンによる吊り上げの対象物である構造物200に固定された吊りピース210とこの玉掛け装置1とを着脱可能に連結する。
ピン駆動機構30は、モータ32と、モータ32によって進退移動されるピストン34と、ピストン34に連結されたアーム36とを有し、ピストン34の進退移動方向に垂直かつ水平方向に延びる揺動軸22によって、フレームアセンブリ20に対して揺動自在に支持されている。ピストン34は、フレームアセンブリ20に形成された開口部20a(図1参照)を貫通して配置されており、これによって、ピストン34の先端と末端は、フレーム20を間において互いに反対側に位置している。モータ32の出力軸は、減速ギア機構33および回転運動を直線運動に変換するリードスクリュー機構35を介してピストン34の末端部に接続されている。
モータ32およびリードスクリュー機構35は、減速ギア機構33が間に配置されることを利用して互いに上下に配置されている。これによって、ピストン34の移動方向におけるピン駆動機構30の寸法を小さくすることができ、ピン駆動機構30をコンパクトに構成することができる。モータ32は、遠隔操作により駆動および停止の制御が可能である。
ピストン34の先端には、アーム36の第1の端が揺動自在に連結されている。アーム36は、その中間部が、フレームアセンブリ20に一体的に設けられたアーム支持部24に揺動自在に連結されている。アーム36の第2の端には、ピン40の末端が揺動自在に連結されている。ピストン34の先端とアーム36の第1の端とを連結する連結軸、アーム36の中間部とアーム支持部24とを連結する連結軸、およびアーム36の第2の端とピン40の末端とを連結する連結軸は、互いに平行に配置されている。
ピン40は、その軸方向が連結軸15の軸方向と平行になるように配置されており、フレームアセンブリ20には、そのように配置されたピン40が貫通してその軸方向へ移動できるように貫通孔が形成されている。言い換えれば、ピン40は、水平方向に移動可能にフレームアセンブリ20に支持されている。
構造物200に固定される吊り具は、本形態では吊りピース210として構成されている。本形態で用いている吊りピース210は、脚部210aが構造物200の上面に埋め込まれて固定され、上方に向かって延びた棒状体として構成されている、吊りピース210の上端は、ピン40が水平方向から挿入できるリング状部210bを有している。ただし、構造物側の吊り具としての吊りピース210は、本形態で用いたものに限られることはなく、この種の吊りピースとして一般的に用いられる、馬蹄型の吊りピースなど任意の吊りピースを用いることができる。構造物200としては、防波堤や岸壁のケーソンやジャケット、湾岸荷役設備のガントリークレーン構造物、橋梁構造物および洋上風力発電設備構造物などが挙げられる。
フレームアセンブリ20の下部には、吊りピース210を下方から受け入れる凹部26が、フレームアセンブリ20の下端から上方へ延びて形成されている。凹部26は、吊りピース210のリング状部210bがフレームアセンブリ20に形成されたピン用の貫通孔と同軸上に位置するまで吊りピース210を受け入れることができる深さで形成されている。
そして、ピストン34、アーム36およびピン40は、図2Aに示すようにピストン34が最も後退した位置にあるとき、ピン40の先端は凹部26内に進入せず、モータ32の駆動によりピストン34を前進させることによって、ピン40はアーム36の作用によりピストン34の移動方向と逆方向へ前進し、図2に示すようにピストン34が最も前進した位置にあるときは、ピン40は、先端がフレーム20の凹部26を通過し、好ましくはフレーム20から突出する位置まで前進するように、それぞれの寸法および移動量などが設計されている。
次に、上述した玉掛け装置1を用いた玉掛け作業および玉掛け解除作業について説明する。
玉掛け装置1は、クレーンのワイヤー120の下端に取り付けられている。玉掛け作業においては、ピン40は、先端がフレーム20の凹部26に進入していない後退位置とされている。この状態で、例えば2人の玉掛け作業員によって、玉掛け装置1が、図2Bに示すように構造物200の吊りピース210の上方へ誘導される。玉掛け装置1の誘導後、クレーンの操縦者は、ワイヤー120を降下させる。この間、玉掛け作業員は、フレーム20の凹部26の水平方向での位置および向きを吊りピース210に一致させ、ワイヤー120の降下に伴って凹部26内に吊りピース210が進入するように玉掛け装置1を支える。
フレーム20の凹部26内に吊りピース210が収まったら、起重機船のブリッジまたは構造物200上からの遠隔操作によりモータ32を駆動させてピン40を前進させる。ピン40は、前進することによって、凹部26の中で吊りピース210を通り抜け、これによって、構造物200は玉掛け装置1を介してクレーンのワイヤー120と連結される。
構造物200が連結されたら、ワイヤーを巻き上げることによって構造物200を吊り上げ、クレーンにより所望の位置へ移動される。ピン40は、モータ32によって前進位置に保たれるので、従来のように締結部材でピン40を固定しなくてもピン40が吊りピース210から外れることはない。
所望の位置に移動された構造物200は、吊りピース210とワイヤー120との連結を解除する玉掛け解除作業が実施される。玉掛け解除作業は、モータ32の遠隔操作によって、モータ32を玉掛け作業時とは逆方向に回転させることによって行うことができる。すなわち、ピストン34を後退させる方向にモータ32を回転させるとピン40が後退して吊りピース210から引き抜かれ、これによって吊りピース210とワイヤー120との連結が解除される。
以上説明したように、本形態の玉掛け装置1を用いることによって、吊りピース210へのピン40の抜き差しをアクチュエータ30によって自動的に行うことができるので、ピン40の抜き差しに関わる作業員を削減でき、また、作業員の不注意によるピン40の落下や、ピン40を持った作業員の転倒などの事故を防止することができる。さらに、玉掛け解除作業においては、モータ32が遠隔操作によって駆動されるので、作業員を玉掛け装置1から離れた位置に配置して玉掛け解除作業を行うことができる。その結果、ピン40が引き抜かれた直後に、ワイヤー120の引っ張り力によって玉掛け装置1が振り回されたとしても、振り回された玉掛け装置1が作業員にぶつかるといった危険性を低減することができる。以上のように、玉掛け装置1を用いることによって、作業員の数を削減しつつ、玉掛け作業および玉掛け解除作業をより安全に行うことができる。
特に、モータ32の遠隔操作を、例えば起重機船のブリッジから行うようにすれば、玉掛け解除作業時に構造物200上に作業員を配置することなく玉掛け解除作業を行うことができるので、振り回された玉掛け装置1が作業員にぶつかる事故を防止することができ、作業の安全性がより向上する。また、構造物200上に作業員を配置せずに玉掛け解除作業を行えることにより、複数の玉掛け装置、例えばすべての玉掛け装置1を同時に動作させることができ、効率良く玉掛け解除作業を行うことができる。
吊りピース210とワイヤー120との連結が解除されたら、クレーンの操縦者はワイヤー120を巻き上げる。このとき、構造物200上に作業員が配置されていれば、クレーンの操縦者は、構造物200上の作業員からの合図によって、連結が解除されたことを判断することができる。一方、モータ32の動作が起重機船からの遠隔操作によって制御され、構造物200上に作業員が配置されていない場合は、例えば、玉掛け装置1の遠隔操作用の制御盤にモータ32の動作状況を適宜インジケータあるいはランプの点滅・点灯等で表示できるようにし、その表示によってクレーンの操縦者が連結の解除を判断できるようにすることもできる。
構造物200は、陸上に設置される場合だけでなく海中に設置される場合もある。本形態の玉掛け装置1は、海中に設置される構造物200に対する玉掛け作業および玉掛け解除作業にも使用できる。上述した玉掛け装置1を使用しての海中での玉掛け作業および玉掛け解除作業は、作業員が潜水士であり、作業を海中で行うことを除いて、実質的には上述したのと同様である。
本形態の玉掛け装置1は、より安全な玉掛け作業および玉掛け解除作業に寄与するものであるが、クレーンが起重機船に備えられたものである限り、クレーン自体の動揺によるワイヤーの揺れは避けられない。そこで、より安全な玉掛け作業および玉掛け解除作業を行うためには、クレーンの動揺によるワイヤーの揺れを抑制することが好ましい。
以下、上述した玉掛け装置1に、クレーンの動揺によるワイヤーの揺れを抑制するシステムを組み合わせ、より安全に玉掛け作業および玉掛け解除作業を行えるようにしたクレーンシステムについて説明する。
図3および図4に、本発明の一実施形態によるクレーンシステムの側面図および正面図を示す。
本形態のクレーンシステムは、ジブ(クレーン)110を備えた起重機船100と、ジブ110から吊り下げられたワイヤー120の下端に取り付けられた玉掛け装置1と、ジブ110の先端から玉掛け装置1までの間においてワイヤー120固定された吊り枠130と、吊り枠130に固定された制振装置150と、制振装置150の動作を制御する演算制御ユニット105とを有する。
玉掛け装置1は、前述したとおり、ピンの抜き差しを自動で行えるように構成されたものである。吊り枠130は、鋼製の部材であり、この上に、制振装置150の、制振作用を生じさせる主要な構造が設置される。ワイヤー120は、吊り枠130の上下で分かれたものであってもよいし、吊り枠130を通して繋がっており適宜の固定装置で吊り枠130に固定されたものであってもよい。
制振装置150は、慣性反力を利用して吊り枠130の揺れを低減するものであり、図5に示すように、吊り枠への設置用のベース152と、ベース152に取り付けられたリニアモータ154と、吊り枠130の上面と平行な方向に往復直線移動可能に支持されてリニアモータ154によって駆動される制振体(おもり)156とを有する。リニアモータ154は、制振体156の移動方向(矢印方向)に延びた磁石部154aと、磁石部154aに沿って移動する可動部154bと、可動部154bの移動をガイドするリニアガイド158とを有する。制振体156は、可動部155上に固定されている。また、制振装置150は、リニアモータ154の暴走時などによる制振体156の衝撃を吸収するバッファ(不図示)を備えることが好ましい。なお、図5に示す構成は、海水や雨などからの保護のため全体がカバー(不図示)で覆われていることが好ましい。
再び図3および図4を参照すると、起重機船100は、波浪によって動揺する場合、起重機船100の前後方向に比べて左右方向のほうが大きく動揺する。吊り枠120の揺れは、風の影響より起重機船100の動揺の影響のほうが大きい。よって、抑制すべき吊り枠120の揺れは、起重機船100の左右方向の揺れである。制振装置150は、吊り枠130が揺れる方向と逆方向に制振体154を移動させることによって、吊り枠130の揺れを抑制する。したがって、制振装置150は、制振体156の移動方向が起重機船100の左右方向と平行となるように吊り枠130に設置される。
制振体154の移動は、起重機船100の動揺および吊り枠130の揺れを各種センサで検出し、その検出結果に基づいてリニアモータ154を制御することによって行われる。図6に、リニアモータ154の制御のための信号の流れを、制振装置のブロック図によって示す。
図6に示すように、制振装置150は、上述したリニアモータ154等の他に、加速度センサ162および角速度センサ164を有している。加速度センサ162は、吊り枠130に設置され、起重機船100の左右方向での吊り枠130の揺れによる加速度を検出する。角速度センサ164は、起重機船100のブリッジ101上に設置され、ブリッジ101上の角速度を検出する。
加速度センサ162からの検出結果および角速度センサ164からの検出結果は、それぞれ演算制御ユニット105へ送信される。演算制御ユニット105は、吊り枠130に設置された加速度センサ162によって吊り枠130の揺れが検出されると、角速度センサ164からの検出結果に基づいて起重機船100のジブ先端の、起重機船100の左右方向での加速度を演算する。演算制御ユニット105はさらに、演算したジブ先端の加速度、吊り枠130上の加速度センサ162から得られた吊り枠130の加速度、および制振体156の重量などに基づいて、吊り枠130の加速度と逆向きの加速度を与えるような、制振体156の移動方向、移動速度および移動量といった移動条件を決定し、決定した移動条件に従ってリニアモータ154を駆動する。
演算制御ユニット105による制振装置150の制御としては、例えば、ジブ先端の加速度および吊り枠130の加速度などを一定の時間間隔で求め、その結果から吊り枠130の次の動揺を予測し、その動揺を抑制するように制振体156を動作させるフィードフォワード制御を好ましく用いることができる。
これにより、吊り枠130の揺れが抑制され、結果的に、ワイヤー120の下端に連結されている玉掛け装置1の揺れも抑制される。玉掛け装置1の揺れが抑制されることによって、前述した玉掛け作業および玉掛け解除作業の安全性がより向上する。
本形態では、制振体156を駆動するのにリニアモータ154を用いているが、制振体156の駆動源としては、リニアモータ154に限られるものではなく、ローターとステーターとを有する回転電動モータであってもよい。その場合、制振装置は、回転電動モータの回転運動を直線運動に変換する適宜の運動変換機構をさらに備える。応答特性に優れるという観点からは、制振体156の駆動源としてリニアモータ154を用いることが好ましい。
1 玉掛け装置
10 連結部材
20 フレームアセンブリ
22 揺動軸
24 アーム連結部
30 ピン駆動機構
32 モータ
34 ピストン
36 アーム
40 ピン
100 起重機船
105 制御ユニット
110 ジブ(クレーン)
120 ワイヤー
130 吊り枠
150 制振装置
152 ベース
154 リニアモータ
156 制振体
200 構造物
210 吊りピース

Claims (4)

  1. クレーンから吊り降ろされているワイヤーと、前記クレーンが吊り上げる対象物である構造物に固定された吊り具とを連結する玉掛け装置であって、
    前記ワイヤーの下端に連結されたフレーム部と、
    前記フレーム部にスライド自在に支持されたピンと、
    遠隔操作によって前記ピンを前記吊り具に係合および解除するようにスライド動作させるピン駆動機構と、
    を有し、
    前記ピン駆動機構は、遠隔操作によって駆動されるモータと、前記モータの回転を直線運動に変換して前記ピンの前進および後退運動とする運動伝達機構と、を有し、
    前記運動伝達機構は、前記モータにリードスクリュー機構を介して連結されたピストンと、前記ピストンと前記ピンとを連結する、前記フレーム部に揺動自在に支持されたアームとを有する玉掛け装置。
  2. クレーンと、
    前記クレーンから吊り降ろされたワイヤーの下端に連結された、請求項1に記載の玉掛け装置と、
    前記クレーンの先端から前記玉掛け装置までの間において前記ワイヤーに固定された吊り枠と、
    前記吊り枠に固定された、前記吊り枠の揺れを抑制する制振装置と、
    を有するクレーンシステム。
  3. 前記制振装置は、前記吊り枠の上面と平行な方向において往復直線移動可能に支持された制振おもりと、前記制振おもりを駆動するモータと、前記吊り枠の揺れに応じた前記制振おもりの移動によって慣性反力を生じさせるように前記モータの動作を制御する演算制御ユニットとを有する請求項に記載のクレーンシステム。
  4. 前記モータはリニアモータである請求項に記載のクレーンシステム。
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