JP3180501B2 - オーミック電極の形成方法 - Google Patents

オーミック電極の形成方法

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JP3180501B2 JP07897493A JP7897493A JP3180501B2 JP 3180501 B2 JP3180501 B2 JP 3180501B2 JP 07897493 A JP07897493 A JP 07897493A JP 7897493 A JP7897493 A JP 7897493A JP 3180501 B2 JP3180501 B2 JP 3180501B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オーミック電極の
成方法に関し、特に、III-V族化合物半導体基体に対す
るオーミック電極の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体を用いたFETなどのデバ
イスの高性能化や信頼性の向上を図る上で、オーミック
電極の接触抵抗の低減や熱安定性の向上は重要な課題で
ある。しかしながら、化合物半導体、特にGaAs系半
導体などのIII-V族化合物半導体に対するオーミック電
極は、上記の要求を満足するものが得られていないのが
現状である。
【0003】現在、GaAs系半導体に対するオーミッ
ク電極として実用化または提案されているものを大きく
分けると次の3通りに分類することができる。すなわ
ち、分類1のオーミック電極は、オーミック金属として
GaAs系半導体に対してドナー不純物となる元素を含
むものを用い、熱処理によりその元素を半導体中に拡散
させて高不純物濃度のn型領域を電極金属と半導体との
界面に形成し、トンネル効果などによりオーミック接触
を得るものである。分類2のオーミック電極は、オーミ
ック金属として、低エネルギー障壁の中間層を形成する
元素を含むものを用い、熱処理により電極金属と半導体
との間に低エネルギー障壁の中間層を形成し、キャリア
が流れる部分のエネルギー障壁の高さを低下させること
によりオーミック接触を得るものである。分類3のオー
ミック電極は、オーミック金属として、熱処理によりG
aAs系半導体と反応し、かつ半導体の再成長層を形成
する元素とGaAs系半導体に対してドナー不純物とな
る元素とを含むものを用い、熱処理により再成長層を形
成するとともにその再成長層を高不純物濃度のn型化
し、トンネル効果などによりオーミック接触を得るもの
である。
【0004】分類1のオーミック電極の代表的な例を図
7に示す。この例においては、図7Aに示すように、n
+ 型GaAs基板101上にオーミック金属としてAu
Ge/Ni薄膜102を形成した後、400〜500℃
で熱処理を行うことにより、図7Bに示すようにオーミ
ック電極を形成する。図7Bにおいて、符号103はn
++型GaAs層、104はNiAsとβ−AuGaとが
混在する層を示す。
【0005】しかしながら、この図7Bに示すオーミッ
ク電極は、熱安定性が悪いという問題がある。すなわ
ち、この場合には、オーミック金属としてのAuGe/
Ni薄膜102中に多量に含まれているAu(通常用い
られるAuGe中には88%のAuが含まれている)が
400℃以上の温度の熱処理によりn+ 型GaAs基板
101と反応することにより層104中にβ−AuGa
が形成されるため、オーミック電極の接触抵抗が大幅に
増大する。その結果、オーミック電極形成後に行われる
化学気相成長(CVD)などの高温プロセスによりデバ
イス特性の劣化が引き起こされる。また、n+ 型GaA
s基板101とAuGe/Ni薄膜102中のAuとの
反応によりβ−AuGaが形成されることにより、オー
ミック電極の表面の面荒れが生じ、これが後の微細加工
を行う上で問題となっている。
【0006】さらに、図7Bに示すオーミック電極は、
++型GaAs層103の薄層化やFETなどのデバイ
スの微細化に対応することができないという問題もあ
る。すなわち、n++型GaAs層103は熱処理時の拡
散によって形成されることにより、その深さや横方向
(基板に平行な方向)の広がりは熱処理の温度および時
間のみによって決まる。このため、このn++型GaAs
層103の深さや横方向の広がりを制御することはでき
ない。この結果、デバイスの高性能化や微細化のために
++型GaAs層103の薄層化やオーミック電極間の
距離の短縮を図ることは困難である。
【0007】分類2および分類3のオーミック電極は、
上述の分類1の代表例によるオーミック電極の形成にお
いてAuGe/Ni薄膜102を用いていることによる
問題点、すなわちオーミック電極の熱安定性や電極表面
の面荒れを改善するために提案されたものである。
【0008】分類2のオーミック電極の代表的な例を図
8に示す。この例においては、図8Aに示すように、n
+ 型GaAs基板201上にオーミック金属としてNi
In薄膜202およびW薄膜203を順次形成した後、
900℃程度の高温で1秒程度熱処理を行うことによ
り、図8Bに示すようにオーミック電極を形成する。図
8Bにおいて、符号204はInGaAs(より正確に
はInx Ga1-x Asと書かれるがこのように略記する
ものとする。以下同様。)層、205はNi3 In薄膜
を示す。この場合には、熱処理によりn+ 型GaAs基
板201とNiIn薄膜202中のInとの反応が起き
て低エネルギー障壁の中間層としてInGaAs層20
4が形成されることにより、エネルギー障壁の実効的な
高さが低下してオーミック接触が得られる。この図8B
に示すオーミック電極は、図7Bに示す分類1のオーミ
ック電極におけるβ−AuGaのような低融点の化合物
を含まないことにより、400℃、100時間程度の熱
処理によってもオーミック電極の接触抵抗が安定である
ことが報告されている。
【0009】しかしながら、この図8Bに示すオーミッ
ク電極は、オーミック接触を得るために900℃程度の
高温の熱処理を必要とするため、JFET(接合ゲート
FET)やHEMT(高電子移動度トランジスタ)など
のような900℃以下の温度でゲートやチャネルを形成
するデバイスには用いることはできない。このため、こ
のオーミック電極は、プロセスウィンドウが小さく、適
用可能なデバイスが少ないという問題がある。
【0010】分類3のオーミック電極の代表的な例を図
9に示す。この例においては、図9Aに示すように、n
+ 型GaAs基板301上にオーミック金属としてPd
薄膜302およびGe薄膜303を順次形成した後、3
25〜375℃、30分程度の熱処理を行うことによ
り、図9Bに示すようにオーミック電極を形成する。図
9Bにおいて、符号304はn++型GaAs層、305
はPdGe薄膜を示す。この場合には、熱処理中に、ま
ずn+ 型GaAs基板301よりGaAsの再成長層が
形成され、この再成長層中にGe薄膜303からGeが
拡散することによりn++型GaAs層304が形成さ
れ、オーミック接触が得られる。
【0011】この図9Bに示すオーミック電極は、再成
長したn++型GaAs層304の厚さはオーミック金属
としてのPd薄膜302やGe薄膜303の厚さを変え
ることにより制御することができるため、このn++型G
aAs層304の薄層化を図ることができるとともに、
オーミック電極間の距離の短縮を図ることも可能であ
る。しかしながら、この図9Bに示すオーミック電極
は、熱安定性に大きな問題を有している。
【0012】以上の分類1、分類2および分類3のオー
ミック電極の諸特性を表1にまとめて示す。
【0013】 表1 ────────────────────────────────── 分類 プロセス難易度 接触抵抗 熱安定性 表面平坦性 短拡散距離 ────────────────────────────────── 1 〇 〇 × × × 2 × 〇 〇 〇 〇 3 〇 〇 × 〇 〇 ────────────────────────────────── 本発明 〇 〇 〇 〇 〇 ──────────────────────────────────
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
GaAs系半導体に対するオーミック電極はいずれも不
満足なものであるため、実用上満足しうる特性を有する
オーミック電極の実現が望まれていた。
【0015】従って、この発明の目的は、GaAs系半
導体その他のIII-V族化合物半導体基体に対する実用的
に満足しうる特性を有するオーミック電極の形成方法
提供することにある。
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によるオーミック電極の形成方法は、III-
V族化合物半導体基体上にNi薄膜、In薄膜およびG
e薄膜を順次形成する工程と、Ni薄膜、In薄膜およ
びGe薄膜が形成されたIII-V族化合物半導体基体を熱
処理する工程とを有することを特徴とする。
【0018】ここで、III-V族化合物半導体基体には、
例えばGaAs、AlGaAs、InGaAsなどから
成る基板または層が含まれる。また、このIII-V族化合
物半導体基体がn型である場合、このIII-V族化合物半
導体基体中にはドナー不純物として、例えばSi、G
e、Te、Snなどが含まれる。これらのドナー不純物
は、例えばイオン注入、液相エピタキシー(LPE)、
分子線エピタキシー(MBE)、有機金属気相エピタキ
シー(MOVPE)などの方法によりIII-V族化合物半
導体基体中に導入される。
【0019】再成長III-V族化合物半導体層には、例え
ばGaAs、AlGaAs、InGaAsなどから成る
層が含まれる。この発明の好適な一実施態様において、
この再成長III-V族化合物半導体層の不純物濃度はIII-
V族化合物半導体基体の不純物濃度よりもはるかに高
い。また、この発明の好適な一実施態様において、この
再成長III-V族化合物半導体層はIII-V族化合物半導体
基体と結晶格子が整合している。この再成長III-V族化
合物半導体層と金属または金属間化合物との間のエネル
ギー障壁の高さは、III-V族化合物半導体基体と金属ま
たは金属間化合物との間のエネルギー障壁の高さと同一
であるかまたはそれよりも低い。この再成長III-V族化
合物半導体層は、例えば、III-V族化合物半導体基体上
にこのIII-V族化合物半導体基体に対してドナー不純物
となる元素、例えばNi、Co、Pd、Ptなどのよう
な金属から成る薄膜を真空蒸着やスパッタなどの方法に
より形成した後に熱処理を行って再成長を起こさせるこ
とにより形成することができる。また、この再成長III-
V族化合物半導体層は、III-V族化合物半導体基体上に
MBEやMOVPEなどの方法によりIII-V族化合物半
導体層を直接エピタキシャル成長させ、このIII-V族化
合物半導体層上にIII-V族化合物半導体基体に対してド
ナー不純物となる元素、例えばNi、Co、Pd、Pt
などのような金属から成る薄膜を真空蒸着やスパッタな
どの方法により形成した後に熱処理を行って再成長を起
こさせることにより形成することもできる。
【0020】半導体層には、例えばGaAs、AlGa
As、InGaAsなどのIII-V族化合物半導体から成
る層が含まれる。この発明の好適な一実施態様におい
て、この半導体層は再成長III-V族化合物半導体層と結
晶格子が整合している。この半導体層と金属または金属
間化合物との間のエネルギー障壁の高さは、再成長III-
V族化合物半導体層と金属または金属間化合物との間の
エネルギー障壁の高さよりも低い。また、この半導体層
には、ドナー不純物として例えばSi、Ge、Te、S
nなどの金属が含まれていてもよい。この半導体層は、
例えば、III-V族化合物半導体基体上にNi、Co、P
d、Ptなどのような金属から成る薄膜を形成し、その
上にエネルギー障壁の高さを低下させる元素、例えばI
nから成る薄膜を真空蒸着やスパッタなどの方法により
形成した後に熱処理を行って再成長III-V族化合物半導
体層上に再成長させることにより形成することができ
る。また、この半導体層は、再成長III-V族化合物半導
体層上にMBEやMOVPEなどの方法により直接エピ
タキシャル成長させることもできる。
【0021】金属または金属間化合物から成る薄膜は、
好適には電気抵抗率が十分に低く、また、800℃以上
の融点を有する。この金属または金属間化合物から成る
薄膜には、例えば、WやTaなどの単体金属から成るも
のや、NiGe、NiSi、WSi2 などの二元系の金
属間化合物、さらには三元系の金属間化合物から成るも
のなどが含まれる。この金属または金属間化合物から成
る薄膜は、例えば、III-V族化合物半導体基体上にN
i、Co、Pd、Ptなどのような金属から成る薄膜を
形成し、その上に例えばInから成る薄膜を形成し、さ
らにその上にGeなどから成る薄膜を形成した後に熱処
理を行うことにより半導体層上に形成することができ
る。また、この金属または金属間化合物から成る薄膜
は、半導体層上に真空蒸着やスパッタなどの方法により
形成することもできる。
【0022】金属または金属間化合物から成る薄膜上に
は、好適には電気抵抗率が十分に低い金属、例えばA
l、Au、Au/Tiなどから成る薄膜を形成してもよ
い。
【0023】
【0024】
【0025】
【作用】上述のように構成されたこの発明によるオーミ
ック電極の形成方法によれば、実用上デバイスに要求さ
れる特性、すなわち熱安定性、低接触抵抗、低膜抵抗、
表面の平坦性、短拡散距離などを満足するオーミック電
極を容易に形成することができる。
【0026】
【0027】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照しながら説明する。
【0028】この一実施例においては、図1に示すよう
に、n+ 型GaAs基板1上に、このn+ 型GaAs基
板1より再成長したn++型再成長GaAs層2、InG
aAs層3およびNiGe薄膜4が順次積層された構造
のオーミック電極が形成されている。
【0029】図2にこの一実施例によるオーミック電極
のエネルギーバンド図を示す。図2中、Ec およびEv
はそれぞれ伝導帯の下端のエネルギーおよび価電子帯の
上端のエネルギー、EF はフェルミエネルギーを示す。
図2からわかるように、n++型再成長GaAs層2とN
iGe薄膜4との間にInGaAs層3が形成されてい
ることにより、n++型再成長GaAs層2とNiGe薄
膜4との間のエネルギー障壁の高さは実効的に低下して
いる。
【0030】次に、上述のように構成されたこの一実施
例によるオーミック電極の形成方法について説明する。
【0031】まず、図3Aに示すように、n+ 型GaA
s基板1上にフォトレジストを塗布した後、このフォト
レジストをフォトリソグラフィー法によりパターニング
し、形成すべきオーミック電極に対応する部分に開口を
有するレジストパターン5を形成する。このフォトリソ
グラフィーにおける露光は、例えば縮小投影露光装置
(いわゆるステッパー)のような光学式露光装置を用い
て行われる。なお、このレジストパターン5の形成は、
電子線レジストと電子ビームリソグラフィー法とを用い
て行うようにしてもよい。
【0032】次に、図3Bに示すように、例えばスパッ
タや真空蒸着などの方法により、Ni薄膜6、In薄膜
7およびGe薄膜8を順次全面に形成する。この場合、
レジストパターン5の厚さは、これらのNi薄膜6、I
n薄膜7およびGe薄膜8の合計の厚さよりも十分に大
きくなるように選ばれている。
【0033】次に、このようにしてNi薄膜6、In薄
膜7およびGe薄膜8が形成されたn+ 型GaAs基板
1を例えばアセトンのような有機溶剤に浸けてレジスト
パターン5を溶解除去することにより、このレジストパ
ターン5上に形成されたNi薄膜6、In薄膜7および
Ge薄膜8を除去する。これによって、図3Cに示すよ
うに、レジストパターン5の開口部におけるn+ 型Ga
As基板1上にのみNi薄膜6、In薄膜7およびGe
薄膜8が残される。
【0034】次に、このNi薄膜6、In薄膜7および
Ge薄膜8が形成されたn+ 型GaAs基板1を、例え
ばRTA(Rapid Thermal Annealing)法や一般的な電気
炉による方法により、例えばN2 ガス雰囲気中において
例えば400〜800℃の温度で例えば数秒〜数分間熱
処理を行う。この熱処理により、図1に示すように、n
+ 型GaAs基板1よりGaAs層が再成長するととも
にこのGaAs層にNiが拡散することによりn++型再
成長GaAs層2が形成され、また、このn++型再成長
GaAs層2上にInとGaAsとの反応によりInG
aAs層3が形成され、さらに、このInGaAs層3
上にNiとGeとの反応によりNiGe薄膜4が形成さ
れる。
【0035】以上のようにして、図1に示すオーミック
電極が形成される。
【0036】上述のオーミック電極を形成するための熱
処理をRTA法により行い、そのときの熱処理温度を5
00℃から730℃まで変えたときのオーミック電極の
接触抵抗の変化を図4に示す。ただし、測定に用いた試
料においては、Ni薄膜6、In薄膜7およびGe薄膜
8は電子ビーム蒸着法により形成し、これらのNi薄膜
6、In薄膜7およびGe薄膜8の厚さはそれぞれ60
nm、3nmおよび100nmとした。なお、熱処理を
行う前におけるNi薄膜6、In薄膜7およびGe薄膜
8を透過型電子顕微鏡により観察した結果、In薄膜7
はNi薄膜6とGe薄膜8との界面に存在していること
が確認された。
【0037】図4から明らかなように、熱処理を700
℃前後の温度で行うことにより、良好な接触抵抗が得ら
れる。この700℃前後の温度で熱処理を行うことによ
り形成されたオーミック電極を透過型電子顕微鏡により
観察した結果、NiとGeとの反応により形成されたN
iGe薄膜が最上面に形成され、このNiGe薄膜とn
++型再成長GaAs層との間に低エネルギー障壁を有す
るInGaAs層が形成されていることが観察された。
また、n++型再成長GaAs層とInGaAs層との界
面近傍におけるn++型再成長GaAs層には多くの筋が
観察されたが、これらの筋は低温で形成されたNiGa
As層からGaAs層およびInGaAs層が再成長し
たときに発生した格子欠陥である。
【0038】図5は、上述の一実施例においてRTA法
により700℃で熱処理を行うことによりオーミック電
極を形成した後、試料を400℃で熱処理したときのオ
ーミック電極の接触抵抗の経時変化、すなわちオーミッ
ク電極の熱安定性を測定した結果を示す。図5から明ら
かなように、オーミック電極形成後に400℃で1時間
以上熱処理を行っても、接触抵抗の変化はほとんど見ら
れない。
【0039】図6は、上述の一実施例においてオーミッ
ク電極形成用のNi薄膜6およびGe薄膜8の厚さをそ
れぞれ60nmおよび100nmに固定し、In薄膜7
の厚さを変えたときのオーミック電極の接触抵抗の変化
を示す。ただし、オーミック電極を形成するための熱処
理はRTA法により700℃で行った。図6から明らか
なように、In薄膜7の厚さを3nm以上にすることに
より、接触抵抗の値は急激に低下し、接触抵抗が改善さ
れる。このことから、オーミック電極形成用の膜中にI
n薄膜7を含ませて低エネルギー障壁を有するInGa
As層を形成することがオーミック電極の接触抵抗を改
善する上で重要であることがわかる。
【0040】以上のように、この一実施例によれば、n
+ 型GaAs基板1上に、Ni薄膜6、In薄膜7およ
びGe薄膜8を所定パターンで形成し、その後に400
〜800℃の温度で熱処理を行うことにより、図1に示
すように、n+ 型GaAs基板1上に、n++型再成長G
aAs層2、InGaAs層3およびNiGe薄膜4が
順次積層された構造のオーミック電極を形成することが
できる。このオーミック電極は、熱安定性や表面の平坦
性が良好であり、低接触抵抗、低膜抵抗、短拡散距離で
あり、さらにはその形成に必要なプロセスも簡単であ
り、GaAsに対するオーミック電極として極めて優れ
たものである。
【0041】以上、この発明の一実施例につき具体的に
説明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるも
のではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
【0042】例えば、上述の一実施例において説明した
オーミック電極の形成方法においては、オーミック電極
に対応した形状のNi薄膜6、In薄膜7およびGe薄
膜8をいわゆるリフトオフ法により形成したが、このオ
ーミック電極に対応した形状のNi薄膜6、In薄膜7
およびGe薄膜8は、n+ 型GaAs基板1の全面にN
i薄膜6、In薄膜7およびGe薄膜8を順次形成した
後にこれらのNi薄膜6、In薄膜7およびGe薄膜8
をエッチング法によりオーミック電極の形状にパターニ
ングすることにより形成するようにしてもよい。
【0043】また、上述の一実施例においては、n+
GaAs基板1に対するオーミック電極にこの発明を適
用した場合について説明したが、例えばエピタキシャル
成長などにより形成されたn+ 型GaAs層に対するオ
ーミック電極にこの発明を適用することも可能である。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によるオー
ミック電極の形成方法によれば、III-V族化合物半導体
基体に対する実用的に満足しうる特性を有するオーミッ
ク電極を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるオーミック電極を示
す断面図である。
【図2】この発明の一実施例によるオーミック電極のエ
ネルギーバンド図である。
【図3】この発明の一実施例によるオーミック電極の形
成方法を説明するための断面図である。
【図4】この発明の一実施例によるオーミック電極の接
触抵抗の熱処理温度依存性の測定結果の一例を示すグラ
フである。
【図5】この発明の一実施例によるオーミック電極の熱
安定性の測定結果の一例を示すグラフである。
【図6】この発明の一実施例によるオーミック電極の接
触抵抗のオーミック電極形成用のIn薄膜の厚さ依存性
の測定結果の一例を示すグラフである。
【図7】従来のオーミック電極の一例を説明するための
断面図である。
【図8】従来のオーミック電極の他の例を説明するため
の断面図である。
【図9】従来のオーミック電極のさらに他の例を説明す
るための断面図である。
【符号の説明】
1 n+ 型GaAs基板 2 n++型再成長GaAs層 3 InGaAs層 4 NiGe薄膜 5 レジストパターン 6 Ni薄膜 7 In薄膜 8 Ge薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−346425(JP,A) 特開 平3−231424(JP,A) 特開 平3−87066(JP,A) 特開 平2−174163(JP,A) 特開 平1−162367(JP,A) 特開 昭64−28817(JP,A) 特開 昭63−90127(JP,A) 特開 昭62−183176(JP,A) 特開 昭61−260673(JP,A) 特開 昭53−64467(JP,A) 特許3118957(JP,B2) J.Appl.Phys.Vol. 72,No.9(1992−11)p.4183− 4190 Proc.Jpn.Congr.Ma ter.Res.Vol.34(1991) p.41−53 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/28 301 H01L 29/43

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 III-V族化合物半導体基体上にNi薄
    膜、In薄膜およびGe薄膜を順次形成する工程と、 上記Ni薄膜、上記In薄膜および上記Ge薄膜が形成
    された上記III-V族化合物半導体基体を熱処理する工程
    とを有することを特徴とするオーミック電極の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 上記III-V族化合物半導体基体はGaA
    s、AlGaAsまたはInGaAsから成ることを特
    徴とする請求項1記載のオーミック電極の形成方法。
  3. 【請求項3】 上記III-V族化合物半導体基体よりGa
    As、AlGaAsまたはInGaAsから成るIII-V
    族化合物半導体層が再成長することを特徴とする請求項
    1または2記載のオーミック電極の形成方法。
  4. 【請求項4】 上記熱処理の温度は400〜800℃で
    あることを特徴とする請求項1、2または3記載のオー
    ミック電極の形成方法。
JP07897493A 1993-03-12 1993-03-12 オーミック電極の形成方法 Expired - Fee Related JP3180501B2 (ja)

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