JP3180465B2 - 放電ランプ点灯装置 - Google Patents

放電ランプ点灯装置

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  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタルハライドランプ
などの放電ランプを始動させ点灯させる放電ランプ点灯
装置、特に自動車前照灯用の放電ランプ点灯装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の放電ランプ点灯装置は、
例えば、図6に示すような構成のものが知られている。
この点灯装置は直流入力電圧を昇圧するDC/DCコン
バータ7と、放電ランプ6の電流を反転するフルブリッ
ジ形のインバータ8と、放電ランプ6の電力を制御する
点灯制御回路9からなる電源回路3と、放電ランプ6を
始動させる始動回路4とを備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の点灯
装置では、例えば自動車のエンジン始動時、バッテリー
1の電圧が低下すると、放電ランプ6への電力も低下す
るために、放電ランプ6が立ち消えを生じることがあ
る。図5はバッテリー電圧低下時の放電ランプ6の光出
力の時間的変化を示す図である。t=t1においてバッ
テリー1の電圧が低下し、放電ランプ6が立ち消えを生
じた様子を示している。放電ランプ6が立ち消えると、
DC/DCコンバータ7の負荷がなくなるので、出力電
圧である平滑コンデンサ16の電圧は上昇する。この電
圧は抵抗17,18によって分圧され電圧信号として点
灯制御回路9に入力される。点灯制御回路9はこの電圧
信号により放電ランプ6の立ち消えを検出し、始動制御
回路10に高圧始動パルスを放電ランプ6に印加するよ
うに始動信号を出力する。
【0004】しかし、高圧始動パルスにより放電ランプ
6が絶縁破壊しアーク放電に移行しても、バッテリー電
圧1の電圧が回復していなければ、放電ランプ6に供給
できる電力も少なくなるため、安定点灯に移行せず、放
電ランプ6は立ち消えと高圧始動パルスによる絶縁破壊
を繰り返す。この現象は放電ランプ6のちらつきを生じ
るだけでなく、過度の高圧始動パルスの印加により放電
ランプ6の電極がスパッタされ寿命が短くなるという問
題もある。さらに、この点灯装置は、高圧始動パルスを
一定時間以上(100ms〜200ms)印加させても
安定点灯に移行しない場合、高電圧事故防止のため回路
動作を停止する保護機能を設けている。このため、立ち
消えと高圧始動パルスによる絶縁破壊とを繰り返した
後、保護機能が動作し、バッテリー電圧が回復した後も
放電ランプが点灯せず消灯状態を維持するという問題が
あった。
【0005】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、バッテリー電圧低下により放電ラン
プが立ち消えを生じた場合、バッテリー電圧の回復後、
自動的に放電ランプを確実に再始動させることのできる
放電ランプ点灯装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の放電ランプ点灯
装置は、電源回路と、前記電源回路によって点灯維持さ
れる放電ランプと、前記放電ランプを始動するための始
動回路と、前記電源回路の入力端電圧を検出する入力電
圧検出回路とを備え、前記入力端電圧が前記放電ランプ
を点灯維持するに十分な電圧値以上の時に、前記入力
電圧検出回路から出力する信号と、前記放電ランプの不
点灯時に、前記電源回路から出力する信号とによって、
前記始動回路を動作させる構成を有している。
【0007】
【作用】この構成により、バッテリー電圧低下により放
電ランプが立ち消えを生じた場合、点灯装置はバッテリ
ー電圧が放電ランプを点灯維持するに十分な電圧値以上
に回復した時点で始動回路の動作を開始し、放電ランプ
を確実に再始動することになる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の一実施例である放電ランプ点
灯装置のブロック図である。
【0009】本発明実施例の放電ランプ点灯装置は、放
電ランプ6を点灯維持させる電源回路3と、放電ランプ
6を始動させるための始動回路4と、電源回路3の入力
端電圧を検出し、この入力端電圧が放電ランプ6を点灯
維持するに十分な電圧値Va以上で始動回路の動作を開
始すべく制御する入力電圧検出回路5とを備えた構成を
有している。
【0010】図2は本発明の一実施例である放電ランプ
点灯装置の主要部の回路図である。図2に示すように、
電源回路3は、直流入力電圧を昇圧するDC/DCコン
バータ7と、放電ランプ6の電流を反転するフルブリッ
ジ形のインバータ8と、放電ランプ6の電力を制御する
点灯制御回路9とからなる。DC/DCコンバータ7は
フライバック形の昇圧回路である。ダイオード11はバ
ッテリー1の逆接続保護用であり、コンデンサ12は平
滑用である。点灯制御回路9からのオンオフ信号はトラ
ンジスタ13をスイッチングしトランス14の一次側に
交流電圧を発生させ、トランス14の二次側には昇圧し
た電圧が生じる。この電圧をダイオード15と平滑用コ
ンデンサ16とにより整流し直流高電圧を得る。
【0011】インバータ8は4個のトランジスタからな
るフルブリッジ形インバータの構成を有している。一対
のトランジスタ20,23が同時にオンするとき、トラ
ンジスタ21,22は同時にオフし、トランジスタ2
0,23が同時にオフするとき、トランジスタ21,2
2は同時にオンするように動作し、このオンオフ動作の
周波数は400Hzである。平滑コンデンサ16の直流電
圧はインバータ8により矩形波交流電圧に変換され放電
ランプ6に印加され、放電ランプ6は点灯を維持する。
【0012】点灯制御回路9は放電ランプ6の点灯判別
を行い、始動回路4に始動信号を出力し放電ランプを始
動させ、ランプ点灯中はランプの電力が所定の電力にな
るようにDC/DCコンバータに信号を出力する。点灯
制御回路9は、抵抗17,18の分圧電圧より放電ラン
プ6のランプ電圧に相当する電圧信号を入力し、抵抗1
9に流れる電流によって生じる電圧より放電ランプ電流
を検出する。放電ランプ6が消灯状態のときはDC/D
Cコンバータ7の負荷がなくなるので、その出力電圧は
高くなる。この電圧がある値以上になると、点灯制御回
路9は放電ランプ6が消灯状態と判別し始動回路4に始
動信号を出力する。放電ランプ始動直後、ランプの電圧
は安定時の電圧より低く光出力も小さいので、点灯制御
回路9は放電ランプ6に大電流を流し光立上りを速くす
るようにDC/DCコンバータ7に制御信号を出力す
る。放電ランプ安定時、ランプの電力は35Wになるよ
うに制御される。
【0013】始動回路4はパルストランス24と始動制
御回路10とから構成され、放電ランプ6を始動するた
めの高電圧パルスを発生する。始動制御回路10はパル
ストランス24の一次巻線に約800Vの電圧を誘起さ
せる。パルストランスの二次巻線には約12kVに昇圧
された高圧パルスが生じ、この電圧が高圧始動パルスと
して放電ランプ6に印加され、放電ランプを始動させ
る。
【0014】入力電圧検出回路5はバッテリー1の電圧
を検出しこの電圧が放電ランプ6を点灯維持するに十分
な電圧値Va以上で始動回路4の動作を開始するように
始動回路4を制御する。本発明実施例では電源回路3の
動作入力電圧範囲を9V〜16Vと設計しているので、
この電圧Vaを9Vに設定した。
【0015】図3は入力電圧検出回路5の細部を示す回
路図である。点灯装置の入力電圧であるバッテリー電圧
は抵抗25,26によって分圧されコンパレータ30の
マイナス入力端子に入力される。コンデンサ27はノイ
ズ成分を除去するためにコンパレータ30のマイナス入
力に接続されている。コンパレータ30のプラス入力端
子には抵抗28,29によって一定電圧が入力され、こ
の電圧値はバッテリー電圧の電圧値がVaのときマイナ
ス入力端子に入力される電圧値に等しい値となってい
る。抵抗31はコンパレータ30のプルアップ抵抗であ
る。
【0016】以上の構成によりコンパレータ30は、バ
ッテリー電圧が一定電圧値Va以上でローレベルの信号
bを出力するように動作する。始動制御回路10はこの
信号bと点灯制御回路9から始動信号である信号aを入
力する。信号aは放電ランプが消灯状態でローレベルと
なり、始動制御回路10は信号aと信号bが両者ともロ
ーレベルのとき高圧始動パルスを発生させるように動作
する。
【0017】高圧始動パルスを発生すると、始動回路が
電力を消費するので、放電ランプ点灯装置の入力には入
力電流が流れる。通常バッテリーと点灯装置は数メート
ルの電源線で接続されているので、電源線の抵抗成分の
電圧降下により点灯装置の入力端電圧は低下する。この
点灯装置の消費電流による電圧降下で入力端電圧が一定
電圧Vaより低くなっても、高圧始動パルス動作が停止
することのないようにする必要がある。このため、高圧
始動パルス発生動作中、始動制御回路10はハイレベル
の信号cを入力電圧検出回路5に出力し、トランジスタ
32をオンにし、コンパレータ30のプラス入力端子の
電圧を零Vにする。マイナス入力端子は零V以上である
ので、信号bはローレベルを維持し、放電ランプが点灯
に至るまで始動制御回路10は高圧始動パルス発生動作
を続ける。放電ランプ6が絶縁破壊しアーク放電に移行
した後、電源回路3は放電ランプを点灯維持するに十分
な電力を放電ランプに供給することができるので、放電
ランプは速やかに点灯状態となる。
【0018】図4はバッテリー電圧の低下時におけるバ
ッテリー電圧と信号a,b,cと放電ランプの光出力の
時間変化を示す図である。t=t1においてバッテリー
電圧が低下し、放電ランプが立ち消えを生じると、すぐ
に点灯制御回路9からの信号aがローレベルとなり、入
力端電圧検出回路5からの信号bはハイレベルになる。
始動制御回路10はこれら両者の信号がローレベルのと
きに高圧始動パルスを発生させるように動作するので、
このとき高圧始動パルスは発生せず、放電ランプは消灯
状態を維持する。t=t2においてバッテリー電圧が一
定電圧Vaに回復すると入力端電圧検出回路5からの信
号bはローレベルになり、始動制御回路10は高圧始動
パルスを発生させるように動作する。高圧始動パルス発
生動作中、信号cがハイレベルとなり信号cのローレベ
ルを維持させるので、点灯装置の入力端電圧が入力電源
線の電圧降下により一定電圧Vaより低下しても高圧始
動パルス発生動作を停止することはない。t=t3にお
いて放電ランプが点灯状態に至ると点灯制御回路9から
の信号aがハイレベルになり高圧始動パルス発生動作は
停止する。同時に信号cはローレベルになり、t=t1
以前の状態に戻る。
【0019】以上のように、本発明実施例の放電ランプ
点灯装置は、DC/DCコンバータ7と、放電ランプ6
の電流を反転するフルブリッジ形のインバータ8と、放
電ランプ6の電力を制御する点灯制御回路9からなる電
源回路3、放電ランプ6を始動させる始動回路4を備
え、かつ電源回路3の入力端に入力電圧検出回路5を接
続し、この入力電圧検出回路5は電源回路3の入力端の
電圧が放電ランプ6を点灯維持するに十分な電圧値Va
以上で始動回路4の動作を開始するように制御する。し
たがって、バッテリー電圧の低下により放電ランプが立
ち消えを生じた場合、点灯装置はバッテリー電圧がVa
以上に回復した時点で始動回路の動作を開始し、放電ラ
ンプはちらつきを生じることなく確実に再始動すること
ができる。
【0020】なお、上記実施例ではインバータ8として
フルブリッジ形インバータを用いた場合について説明し
たが、本発明はシリーズインバータ等の他の方式を用い
ても同様の効果が得られるものである。
【0021】また、上記実施例では電源回路3の出力が
交流電圧の場合を示したが、直流電圧を出力する電源回
路であってもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は放電ラン
プを点灯維持させるための電源回路の入力端に入力電圧
検出回路を接続し、この入力電圧検出回路は前記電源回
路の入力端の電圧が放電ランプを点灯維持するに十分な
電圧値Va以上で始動回路の動作を開始するように制御
することにより、バッテリー電圧低下により放電ランプ
が立ち消えを生じた場合、点灯装置はバッテリー電圧が
Va以上に回復した時点で始動回路の動作を開始し、放
電ランプをちらつきを生じることなく自動的に確実に再
始動することができ、さらに、放電ランプの寿命を改善
できるというすぐれた効果を有する放電ランプ点灯装置
を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である放電ランプ点灯装置の
ブロック図
【図2】本発明の一実施例である放電ランプ点灯装置の
主要部を示す回路図
【図3】本発明にかかる入力電圧検出回路の細部を示す
【図4】本発明にかかる入力電圧検出回路の動作を説明
する図
【図5】従来の放電ランプ点灯装置の動作を示す図
【図6】従来の放電ランプ点灯装置の主要部を示す回路
【符号の説明】
1 バッテリー 2 電源スイッチ 3 電源回路 4 始動回路 5 入力電圧検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 41/14 - 41/298

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電源回路と、前記電源回路によって点灯維
    持される放電ランプと、前記放電ランプを始動するため
    の始動回路と、前記電源回路の入力端電圧を検出する入
    力電圧検出回路とを備え、前記入力端電圧が前記放電ラ
    ンプを点灯維持するに十分な電圧値以上の時に、前記
    入力電圧検出回路から出力する信号と、前記放電ランプ
    の不点灯時に、前記電源回路から出力する信号とによっ
    て、前記始動回路を動作させることを特徴とする放電ラ
    ンプ点灯装置。
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