JP3179722B2 - 半田ごて用ヒータ及び半田ごて - Google Patents

半田ごて用ヒータ及び半田ごて

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JP3179722B2
JP3179722B2 JP08223997A JP8223997A JP3179722B2 JP 3179722 B2 JP3179722 B2 JP 3179722B2 JP 08223997 A JP08223997 A JP 08223997A JP 8223997 A JP8223997 A JP 8223997A JP 3179722 B2 JP3179722 B2 JP 3179722B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コテ先部と加熱部
と保護パイプと導出部とが一体化された半田ごて用ヒー
タと、このようなヒータを備える半田ごてに関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、半田ゴテの先端部を図示した
ものであり、丸棒状のセラミックヒータ51が半田ゴテ
のコテ先52に嵌挿された状態を示している。このセラ
ミックヒータ51は、セラミック芯棒の回りにセラミッ
ク・グリーンシート53が巻着されて構成されている。
セラミック・グリーンシート53には、ヒータ・パター
ンとセンサ・パターンとが印刷されており、その位置関
係を図示すると、例えば、図12の通りである。なお、
この例では、幅0.2mmのタングステン・ペーストを
印刷してセンサ・パターン55を構成し、これを囲むよ
うに幅0.4mmのタングステン・ペーストを印刷して
ヒータ・パターン54を構成している。そして、先端部
のセンサ・パターン55は、ヒータ・パターン54の中
央を横切ってセンサ電極56に接続されており、また、
ヒータ・パターン54は、センサ電極56よりも先端側
に位置するヒータ電極57に接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1
1、図12に示すようなセンサ付きのセラミックヒータ
は、リード線が4本となる関係から、セラミック芯棒の
外径を3.5mmφより小さくできないので、半田ゴテを
小型化する際に、リード線の処理などの点からパイプ径
を小さくできないという問題点があった。また、センサ
は、セラミック芯棒の外周に設けられているので、コテ
先の温度を精密には検出できないという問題点もあっ
た。また、図示のセンサに限らず、抵抗値の温度変化に
応じてコテ先の温度を検知するものにあっては、少なか
らず個体差があるので、製品ごとのバラツキについて個
々に調節する必要があった。
【0004】ところで、グリーンシートをセラミック芯
棒に巻着するのではなく、セラミック芯棒のまわりに、
直接、電熱線を巻き付け、その回りをセラミックコート
して絶縁するヒータも活用されている。しかしながら、
このようなヒータにおいては、緻密なセラミック粒子に
よってセラミックコートした場合には、電熱線の熱膨張
率が、セラミックコート層の熱膨張率より大きいことか
ら、セラミックコート層に亀裂が生じてしまうという問
題点があった。一方、この問題を回避するため、粗いセ
ラミック粒子によってセラミックコートした場合には、
絶縁抵抗が下がってしまい、半田付け対象の基板に漏電
してしまう恐れがあるという問題点があった。本発明
は、これらの諸点に鑑みてなされたものであって、絶縁
層に亀裂が生じることもなく安定した絶縁性を発揮する
半田ゴテを提供することを目的とする。また、コテ先の
温度を簡易かつ精密に検出することができる半田ゴテを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る半田ごて用ヒータは、熱伝導性に優れ
た材料からなり、基端側に向けて開放される開口穴(9
a)を備えるコテ先部(9)と、主要部が前記開口穴に
挿入されて、前記コテ先部を加熱する加熱部(2)と、
前記コテ先部の基端側が挿入されて固定される略円筒状
の保護パイプ(10)と、この保護パイプの基端側に設
けられ、前記ヒータ部の引出し線が導出される導出部
(11)とからなり、前記加熱部(2)は、円筒状の絶
縁パイプ(1)の外周に加熱線材(3)が巻着されてな
り、前記加熱線材は、第1のセラミックコート材(7)
をディップコートして、乾燥焼成して被覆され、更にそ
の上に、第2のセラミックコート材(8)をディップコ
ートして、乾燥焼成して絶縁層が形成されており、第1
のセラミックコート材が、粗粒タイプである一方、第2
のセラミックコート材が、細粒タイプであることを特徴
とする。
【0006】また、本発明に係る半田ごては、熱電対と
加熱ヒータとが一体化されてなるヒータ・センサ複合体
(2)に接続されて動作し、制御本体部(21)の制御
に基づいて、半田ごてのこて先を設定温度に維持する温
度制御回路を備える半田ごてであって、前記ヒータ・セ
ンサ複合体は、コイル状に巻かれた加熱線材3の先端部
3aと、直線状の非加熱線材4の先端部4aとが接続さ
れ、加熱線材3の基端部3bが直線状の非加熱線材5に
接続されて構成され、前記温度制御回路は、前記ヒータ
・センサ複合体の両端電圧を増幅する増幅部(16)
と、前記ヒータ・センサ複合体の基端側の温度を検出す
る温度検出部(TH)と、前記温度検出部と前記増幅部から
の信号を加算する加算部(17)と、交流入力電圧を整
流して脈流に変換する整流部(18)と、前記整流部か
らの脈流を受け、前記脈流のゼロクロス点を検出するゼ
ロ点検出部(19)と、人為的に設定されるこて先温度
に対応する信号を発生させる温度設定部(20)と、前
記整流部からの脈流を受け、前記制御本体部(21)か
らの指令信号に応答して、前記ヒータ・センサ複合体へ
の通電をON/OFF制御する通電部(15)とで構成
されており、前記制御本体部(21)は、前記ゼロ点検
出部(19)がゼロクロス点を検出したことに応答して
制御動作を開始し、前記ヒータ・センサ複合体への通電
を停止して前記ヒータ・センサ複合体の両端に熱電対出
力のみ出力させる動作開始手段と、この制御動作の開始
後、先ず、前記加算部と前記温度設定部の出力を認識し
て、設定温度とこて先温度の大小関係を比較する比較手
段と、設定温度の方が低い場合に動作して、前記通電部
がON動作するような指令信号を出力した後に制御動作
を終了するON動作手段と、設定温度の方が高い場合に
動作して、前記通電部がOFF動作するような指令信号
を出力した後に制御動作を終了するOFF動作手段と、
を備えている。なお、本発明において、加算部は、2つ
のアナログ信号を加算するものに限らず、2つのデジタ
ルデータを加算するものであっても良い。
【0007】
【発明の実施の態様】以下、実施例に基づいて、この発
明を更に詳細に説明する。本発明の半田ゴテ用ヒータの
主要部は、図1、図2に示すように、軸方向の貫通穴1
aを有する円柱状の絶縁パイプ1に、ヒータ・センサ複
合体2を取り付けて構成されている。ここで、絶縁パイ
プ1は、例えば、アルミナによる成型品である。ヒータ
・センサ複合体2は、図1に示すように、コイル状に巻
かれた加熱線材3の先端部3aと、直線状の非加熱線材
4の先端部4aとがアルゴン溶接によって接続されてい
る。なお、加熱線材3の基端部3bは、直線状の非加熱
線材5に接続されている。加熱線材3の材料は、鉄クロ
ム合金であり、その成分の一例を示すと表1の通りであ
る。
【0008】
【表1】
【0009】このような鉄クロム合金のうち、特に、カ
ンタルD(カンタル社のカンタル線)が好適であり、そ
の主要な成分比率は、Cr=22.0,Al=4.8で
ある。また、Cr=22.0,Al=5.8や、Cr=
22.0,Al=5.3や、Cr=20.0,Al=
4.0でも良い。この実施例において、非加熱線材4は
Niで構成されているが、非加熱線材5と加熱線材3と
は、同じカンタルDで構成されている。但し、非加熱線
材5による発熱を防ぐため、非加熱線材5の線径は、加
熱線材3の線径の2.5倍程度に設定されている。この
ように構成されたヒータ・センサ複合体2に通電する
と、加熱線材3が発熱することによって図3(b)のよ
うな温度分布になると考えられる。すなわち、非加熱線
材4,5の基端部4b,5bは、ほぼ同一の温度T0
あるのに対して、アルゴン溶接点4a,3aは、温度T
1 であり、加熱線材3は、その中央部が高温になると解
される。そして、カンタル線(3,5)とNi線(4)
とで熱電対が構成されているので、Ni線のゼーベック
係数をα、カンタル線のゼーベック係数をβとすると、
非加熱線材4(Ni線)の基端部4bと、非加熱線材5
(カンタル線)の基端部5bとの間には、ほぼ、α(T
1 −T0 )−β(T1 −T0 )の起電力が発生すること
になる。ここで、αとβとは異符号であるので、非加熱
線材4,5の起電力は、互いに加算されることになる。
非加熱線材5の先端部5aの温度は、加熱線材3の発熱
に対応して上昇するので、仮に、非加熱線材5にNi線
を選択したとすると、非加熱線材4,5の基端部4b,
5b間の起電力は減少することになる。
【0010】
【表2】
【0011】表2は、ヒータ・センサ複合体2の特性を
示したものであり、アルゴン溶接点3a,4aを0℃〜
500℃まで加熱すると共に、非加熱線材4b,5bの
両端電圧を実測したものである。表2より明らかなよう
に、半田ゴテとして実際に用いられる温度200℃〜4
50℃において直線性が良く、かつ、センサ出力として
実用可能な出力レベルであることが確認できる。また、
図4は、ヒータ・センサ複合体2の出力特性(B)を熱
電対K型の特性(A)と比較したものであり、熱電対K
型の約1/2の値を示すことが確認される。図示の通
り、このヒータ・センサ複合体2では、600℃まで安
定したセンサ出力が得られるので、半田ゴテ用の温度セ
ンサに限らず、その他の用途にも十分に活用可能であ
る。本発明の半田ゴテ用ヒータの製造方法について説明
すると、絶縁パイプ1の貫通穴1aに非加熱線材4を挿
通すると共に、絶縁パイプ1の外周に加熱線材3を巻着
させる。そして、カンタル線からなる固定線6によって
非加熱線材5を絶縁パイプ1の外周に固定する(図2参
照)。その後、アルゴン溶接部3a,4aと、加熱線材
3と、固定線6とを覆うように、第1のセラミックコー
ト材7をディップコートし、乾燥して焼成する。第1の
セラミックコート材7は、具体的には、バインダと粗粒
タイプのアルミナとを含んだ水溶液であり、乾燥・焼成
されることによってアルゴン溶接部3a,4aや加熱線
材3がしっかりと絶縁パイプ1に固定される。なお、セ
ラミックコート材7は、粗粒タイプのものであるので、
絶縁パイプ1と加熱線材3との熱膨張率の差が吸収され
ることになり、使用時に裂け目などが生じることはな
い。
【0012】次に、第2のセラミックコート材8をディ
ップコートし、乾燥・焼成すると共に、このセラミック
コート材8を用いて、ヒータ・センサ複合体2をコテ先
9の開口穴9aに接着させる(図5参照)。なお、コテ
先9は、熱伝導性に優れた材料で構成されているのは勿
論である。第2のセラミックコート材8は、具体的に
は、バインダと微細タイプのアルミナとを含んだ水溶液
であり、乾燥・焼成によって確実な絶縁性が確保され
る。また、第2のセラミックコート材8によって、ヒー
タ・センサ複合体2は、コテ先9にしっかりと接着され
る。本発明のヒータ・センサ複合体2においては、非加
熱線材4が、絶縁パイプ1の貫通穴1aで中空状態に保
持されているので、非加熱線材4は、加熱線材3の温度
の影響を受けにくい。また、非加熱線材4としてNi線
を用いており、酸化による腐食に強いので、中空状態で
使用することができる。コテ先9の開口穴9aにヒータ
・センサ複合体2が固定化されると、コテ先9の基端側
の外周には、保護パイプ10が固定される(図5参
照)。また、保護パイプ10の基端側には、合成樹脂材
(導出部)11が嵌合されており、合成樹脂材を通して
接続端子12,13が導出され、全体として、一体化さ
れた半田ゴテ用ヒータとなる(図6参照)。つまり、こ
の半田ゴテ用ヒータでは、接続端子12,13を対応す
るコネクタに着脱することによって、半田ゴテ用ヒータ
の装着や交換が行われる。なお、図7に示すように、保
護パイプ10の基端側は、グリップ部14によって保持
されており、接続端子12,13に近接して温度測定用
のサーミスタTHが設けられている。
【0013】図8、図9は、ヒータ・センサ複合体2を
用いた温度制御回路を図示したものである。図示の温度
制御回路は、コテ先を加熱すると共にコテ先の温度T1
を検出するヒータ・センサ複合体2と、ヒータ・センサ
複合体2の基端側の温度T0を検出するサーミスタTH
と、ヒータ・センサ複合体2への通電部15と、ヒータ
・センサ複合体2からの熱電対出力を増幅する増幅部1
6と、熱電対出力とサーミスタ出力を加算する加算部1
7と、交流電圧を整流する全波整流部18(以下、図
9)と、ゼロクロスパルス発生部19と、コテ先の温度
を設定する温度設定部20と、これらの動作全体を制御
するマイコンユニット21とを中心的に備えている。な
お、算出されたコテ先の温度は、マイコンユニット21
に接続された表示部22に表示されるようになってい
る。この実施例では、マイコンユニット21は、具体的
には、ワンチップマイコンM37470(三菱)であ
る。このマイコンユニット21には、出力ポートPORT
1,PORT2が設けられており、出力ポートPORT1の出力
データによって、通電部15をON/OFF制御し、出
力ポートPORT2の出力データによって、加算部17の出
力側のスイッチSWをON/OFF制御するようになっ
ている。また、マイコンユニット21には、A/Dコン
バータにつながるアナログ入力端子ADIN1,ADIN2
が設けられている。そして、アナログ入力端子ADIN1
には、加算部17の出力値が入力され、アナログ入力端
子ADIN2には、設定温度に対応した電圧値が入力され
る。なお、アナログ入力端子VREF には、A/Dコンバ
ータに対する基準電圧(例えば、2.55V)が入力さ
れており、これによってA/Dコンバータの分解能が定
まるようになっている。マイコンユニット21の割り込
み端子INTは、ゼロクロスパルス発生部19に接続さ
れており、全波整流された脈流が0ボルトに達すると、
マイコンユニット21に割り込み信号が加わり、割り込
み処理プログラムが開始されるようになっている。
【0014】図8に示すように、通電部15は、電界効
果トランジスタFET1と、トランジスタFET1のゲート端子
に接続された抵抗R1とで構成されている。そして、ト
ランジスタFET1のドレイン端子は、全波整流部18の出
力+V(例えば、波高値が24ボルト)に接続されてお
り、ソース端子は、ヒータ・センサ複合体2に接続され
ている。増幅部16は、電流制限抵抗R2と、ダイオー
ドD1,D2と、非反転増幅器A0と、約250倍の増
幅率を実現する抵抗R3,R4と、反転増幅器A1と、
抵抗R5,R6とで構成されている。この回路構成によ
り、ヒータ・センサ複合体2からのセンサ電圧は、非反
転増幅器A0と反転増幅器A1とで約250倍に増幅さ
れ、電圧位相が反転することになる。抵抗値の一例を挙
げると、R3=1KΩ、R4=250KΩ、R5=R6
=100KΩである。この回路において、非反転増幅器
A0の電源電圧は、+VDDと−VDD(例えば、±5ボル
ト)であるので、+VDD〜−VDDの範囲を越える電圧が
非反転増幅器A0に印加されると、特性劣化や破壊を起
こす恐れがある。そのため、クランプダイオードD1,
D2を設けることにより、非反転増幅器A0には、+V
DD+VF 〜−VDD−VF の範囲内の電圧しか加わらない
ようにしている。なお、VF は、ダイオードD1,D2
の順方向電圧である。
【0015】ところで、トランジスタFET1がON状態の
時には、抵抗R2にはV−VDD−VF の電圧が加わる
が、抵抗R2の抵抗値を10KΩ程度にしているので、
せいぜい2mA程度の電流しか流れない。一方、トラン
ジスタFET1がOFF状態の時には、抵抗R2に、ヒータ
・センサ複合体2からの熱電対出力が加わるので、場合
によっては、抵抗R2での電圧降下が問題となる。しか
し、本発明では、非反転増幅器A0によって増幅動作を
行っているので、その入力インピーダンスRinは十分に
大きく、Rin≫R2の条件が成立するので、熱電対出力
を正確に検出することができる。なお、反転増幅器を採
用したのでは、必ずしも、Rin≫R2の条件が成立しな
い。加算部17は、反転増幅器A2と、抵抗R7,R
8,R11,R13とを中心に構成されている。また、
サーミスタTHには、抵抗R10が並列に接続され、こ
れに抵抗R9を通して電源電圧+VDDが供給されてい
る。抵抗値の一例を挙げると、R7=R8=100K
Ω、R11=R13=47KΩ、R9=220KΩ、R
10=50KΩである。そして、加算部17とマイコン
ユニット21との間には、出力ポートPORT2 によって制
御される開閉スイッチSWが設けられている(図9参
照)。なお、サーミスタTHからの出力と、反転増幅器
A1からの出力を、マンコンユニット21に別々に入力
して、マンコンユニット21において演算処理によって
加算をしても良い。
【0016】但し、図示の加算部17においては、反転
増幅器A1からの入力は、抵抗R7を通して反転増幅器
A2に印加され、サーミスタTHからの入力は、抵抗R
11を通して反転増幅器A2に印加される。また、電源
電圧−VDDを抵抗R12と可変抵抗VR1とで分圧した
電圧は、抵抗R13を通して反転増幅器A2に印加され
る。ここで、反転増幅器A2の出力は、マイコンユニッ
ト21のA/Dコンバータに加わるので、ヒータ・セン
サ複合体2やサーミスタTHからの出力電圧が、温度変
化に対応して増減したとしても、反転増幅器A2の出力
は、常に、プラスの範囲内を維持する必要がある。そこ
で、本発明では、可変抵抗VR1を調整して、反転増幅
器A2の出力が、常に、0V〜2.55Vの範囲内にな
るようにしている。図9に示すように、温度設定部20
は、抵抗R14,R15と、バッファA3と、可変抵抗
VR2とで構成されている。可変抵抗VR2には基準電
圧VREF が加わっているが、可変抵抗VR2の人為的な
操作により、マイコンユニットのアナログ入力端子AIN
2には、設定温度200℃〜450℃に対応した電圧が
加わるようになっている。
【0017】続いて、図10のタイミングチャートを参
照しつつ、図8、図9に示す制御回路の動作内容を説明
する。図10には、全波整流回路の出力(A)、ゼロク
ロスパルス発生部の出力(B)、アナログ入力端子AD
IN1への入力(C)、出力ポートPORT1からの出力
(D)、センサ・ヒータ複合体2の両端電圧(E)がそ
れぞれ示されている。全波整流回路18の出力値が0ボ
ルトとなり、ゼロクロスパルス発生部19の出力が立ち
上がると、割り込み端子INTへのパルス信号によっ
て、マイコンユニット21に割り込みがかかる。割り込
み処理では、マイコンユニット21は、先ず、出力ポー
トPORT1,PORT2に制御信号を出力して、トランジスタ
FET1をOFF状態にすると共に、開閉スイッチSW1を
ON状態に設定する。トランジスタFET1がOFF状態に
なると、センサ・ヒータ複合体2への通電は停止される
ので、センサ・ヒータ複合体2の両端には、熱電対出力
のみが表れる。この熱電対出力は、こて先温度T1 と基
端部4b,5b の温度T0 との温度差T1−T0 に対応した
値であるが、この熱電対出力は、増幅部16によって約
250倍に増幅された後、加算部17の抵抗R5に加わ
る。一方、加算部17の抵抗R7には、サーミスタTH
1の抵抗値に対応した電圧が加わっており、サーミスタ
TH1の抵抗値は、センサ・ヒータ複合体2の基端部4
b,5b の温度T0 に対応して変化する。そのため、加算
部17からは、こて先温度T1 に対応した電圧が出力さ
れることになる。このとき、開閉スイッチSW1をON
状態であるから、こて先温度T1 に対応した電圧は、ア
ナログ入力端子ADIN1からマイコンユニット21に入
力されることになる。
【0018】一方、アナログ入力端子ADIN2からは、
設定温度TS に対応した電圧が入力されている。そこ
で、マイコンユニット21は、アナログ入力端子ADIN
1とアナログ入力端子ADIN2の電圧を比較して、現在
のコテ先温度TP が設定値TSより高いか否かを判断す
る。いま、割り込みパルス(図10(B))が、最初の
3つ目までである場合なら、こて先温度TP が設定値T
S より低いことになる。このTP <TS の条件では、マ
イコンユニット21は、出力ポートPORT2を介して開閉
スイッチSW1をOFF状態にすると共に、出力ポート
PORT1を介してトランジスタFET1をON状態にして割り
込み処理を終える。すると、トランジスタFET1がON状
態になったことにより、その後、センサ・ヒータ複合体
2には、全波整流部18の出力がそのまま印加されるこ
とになり、ヒータが加熱されてこて先の温度が上昇す
る。図10のタイミングチャートにおいて、最初の3つ
目までの割り込みパルスの場合には、上記と同じ動作を
繰り返して、こて先の温度TP が上昇する。そして、こ
れに応じて、アナログ入力端子ADIN1への入力値が増
加する。しかし、4つ目以降の割り込みパルスの場合に
は、こて先温度TP が設定値TS より高くなるので(T
P >TS )、マイコンユニット21は、出力ポートPORT
1,PORT2を介して、開閉スイッチSW1とトランジス
タFET1とをOFF状態にして割り込み処理を終えること
になる。トランジスタFET1がOFF状態になったことに
より、通電部15は、割り込み処理後も、センサ・ヒー
タ複合体2への通電が停止したままとなり、こて先の温
度は、降下してゆく。その後、こて先温度TP が設定値
S より低くなれば(TP <TS )、通電部15は、セ
ンサ・ヒータ複合体2への通電を再開することになる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、加熱
部(2)は、円筒状の絶縁パイプ(1)の外周に加熱線
材(3)が巻着されてなり、加熱線材は、第1のセラミ
ックコート材(7)をディップコートして、乾燥焼成し
て被覆され、更にその上に、第2のセラミックコート材
(8)をディップコートして、乾燥焼成して絶縁層が形
成されており、第1のセラミックコート材が、粗粒タイ
プである一方、第2のセラミックコート材が、細粒タイ
プである。したがって、絶縁層に亀裂が生じることもな
く安定した絶縁性を発揮する。また、本発明は、熱電対
と加熱ヒータとが一体化されてなるヒータ・センサ複合
体(2)に接続されて動作し、制御本体部(21)の制
御に基づいて、半田ごてのこて先を設定温度に維持する
温度制御回路を備える半田ごてであって、前記ヒータ・
センサ複合体は、コイル状に巻かれた加熱線材3の先端
部3aと、直線状の非加熱線材4の先端部4aとが接続
され、加熱線材3の基端部3bが直線状の非加熱線材5
に接続されて構成され、前記温度制御回路は、前記ヒー
タ・センサ複合体の両端電圧を増幅する増幅部(16)
と、前記ヒータ・センサ複合体の基端側の温度を検出す
る温度検出部(TH)と、前記温度検出部と前記増幅部から
の信号を加算する加算部(17)と、交流入力電圧を整
流して脈流に変換する整流部(18)と、前記整流部か
らの脈流を受け、前記脈流のゼロクロス点を検出するゼ
ロ点検出部(19)と、人為的に設定されるこて先温度
に対応する信号を発生させる温度設定部(20)と、前
記整流部からの脈流を受け、前記制御本体部(21)か
らの指令信号に応答して、前記ヒータ・センサ複合体へ
の通電をON/OFF制御する通電部(15)とで構成
されており、前記制御本体部(21)は、前記ゼロ点検
出部(19)がゼロクロス点を検出したことに応答して
制御動作を開始し、前記ヒータ・センサ複合体への通電
を停止して前記ヒータ・センサ複合体の両端に熱電対出
力のみ出力させる動作開始手段と、この制御動作の開始
後、先ず、前記加算部と前記温度設定部の出力を認識し
て、設定温度とこて先温度の大小関係を比較する比較手
段と、設定温度の方が低い場合に動作して、前記通電部
がON動作するような指令信号を出力した後に制御動作
を終了するON動 作手段と、設定温度の方が高い場合に
動作して、前記通電部がOFF動作するような指令信号
を出力した後に制御動作を終了するOFF動作手段と、
を備えている。そのため、コテ先の温度を簡易かつ精密
に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒータ・センサ複合体の一例につ
いて、その基本構成を略記したものである。
【図2】図1のヒータ・センサ複合体を絶縁パイプに取
り付けて絶縁層を設けた状態を図示したものである。
【図3】図1のヒータ・センサ複合体の温度分布を図示
したものである。
【図4】図1のヒータ・センサ複合体の温度/起電力特
性を図示したものである。
【図5】図2のヒータ・センサ複合体と保護パイプとの
関係を図示したものである。
【図6】半田ごて用ヒータの全体像を図示したものであ
る。
【図7】半田ゴテの断面構造を図示したものである。
【図8】半田ゴテの温度制御回路の一部を図示したもの
である。
【図9】半田ゴテの温度制御回路の残りの一部を図示し
たものである。
【図10】図8の制御回路について各部の波形を図示し
たタイミングチャートである。
【図11】従来の半田ゴテ用ヒータの構造を図示したも
のである。
【図12】ヒータパターンとセンサパターンを図示した
ものである。
【符号の説明】
1 円筒状の絶縁パイプ 2 加熱部 3 加熱線材 7 第1のセラミックコート材 8 第2のセラミックコート材 9 コテ先部 9a 開口穴 10 保護パイプ 11 導出部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性に優れた材料からなり、基端側
    に向けて開放される開口穴(9a)を備えるコテ先部
    (9)と、主要部が前記開口穴に挿入されて、前記コテ
    先部を加熱する加熱部(2)と、前記コテ先部の基端側
    が挿入されて固定される略円筒状の保護パイプ(10)
    と、この保護パイプの基端側に設けられ、前記ヒータ部
    の引出し線が導出される導出部(11)とからなり、前
    記加熱部(2)は、円筒状の絶縁パイプ(1)の外周に
    加熱線材(3)が巻着されてなり、前記加熱線材は、第
    1のセラミックコート材(7)をディップコートして、
    乾燥焼成して被覆され、更にその上に、第2のセラミッ
    クコート材(8)をディップコートして、乾燥焼成して
    絶縁層が形成されており、第1のセラミックコート材
    が、粗粒タイプである一方、第2のセラミックコート材
    が、細粒タイプであることを特徴とする半田ごて用ヒー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記加熱部は、第1線材と第2線材
    (4)とが接合されてなり、前記第1線材は、細径に形
    成された加熱線材(3)と太径に形成された非加熱線材
    (5)とが接続されてなり、前記第1線材と第2線材と
    が異種金属であることより、熱電対を形成していること
    を特徴とする請求項1に記載の半田ごて用ヒータ。
  3. 【請求項3】 熱電対と加熱ヒータとが一体化されてな
    るヒータ・センサ複合体(2)に接続されて動作し、制
    御本体部(21)の制御に基づいて、半田ごてのこて先
    を設定温度に維持する温度制御回路を備える半田ごてで
    あって、前記ヒータ・センサ複合体は、コイル状に巻かれた加熱
    線材3の先端部3aと、直線状の非加熱線材4の先端部
    4aとが接続され、加熱線材3の基端部3bが直線状の
    非加熱線材5に接続されて構成され、 前記温度制御回路は、前記ヒータ・センサ複合体の両端
    電圧を増幅する増幅部(16)と、 前記ヒータ・センサ複合体の基端側の温度を検出する温
    度検出部(TH)と、 前記温度検出部と前記増幅部からの信号を加算する加算
    部(17)と、 交流入力電圧を整流して脈流に変換する整流部(18)
    と、 前記整流部からの脈流を受け、前記脈流のゼロクロス点
    を検出するゼロ点検出部(19)と、 人為的に設定されるこて先温度に対応する信号を発生さ
    せる温度設定部(20)と、 前記整流部からの脈流を受け、前記制御本体部(21)
    からの指令信号に応答して、前記ヒータ・センサ複合体
    への通電をON/OFF制御する通電部(15)とで構
    成されており、 前記制御本体部(21)は、前記ゼロ点検出部(19)
    がゼロクロス点を検出したことに応答して制御動作を開
    し、前記ヒータ・センサ複合体への通電を停止して前
    記ヒータ・センサ複合体の両端に熱電対出力のみ出力さ
    せる動作開始手段と、 この制御動作の開始後、先ず、前記加算部と前記温度設
    定部の出力を認識して、設定温度とこて先温度の大小関
    係を比較する比較手段と、 設定温度の方が低い場合に動作して、前記通電部がON
    動作するような指令信号を出力した後に制御動作を終了
    するON動作手段と、 設定温度の方が高い場合に動作して、前記通電部がOF
    F動作するような指令信号を出力した後に制御動作を終
    了するOFF動作手段と、 を備えることを特徴とする半田ごて
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