JP3179148U - 動物脱出用施設 - Google Patents

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Abstract

【課題】防鹿柵などの侵入防止フェンスに設置される動物脱出用施設のうち、いわゆるアウトジャンプ型の脱出用施設について、道路敷地内側から道路敷地外側へ、エゾ鹿等が確実に脱出できるように導く動物脱出用施設を提供する。
【解決手段】道路敷地内側Xへの動物侵入防止用のフェンス12の要所に設けられ、道路等敷地内側Xに形成されたアウトジャンプ(脱出用バンク)14を有する動物脱出用施設10において、アウトジャンプ14へ通じる上り勾配の誘導路16をフェンス12に沿って設置する。さらに、誘導路16にフェンス12と平行な誘導柵を立設し、誘導路16の頂き部分をアウトジャンプ用の踏切部16Bとし、フェンス12のうち、アウトジャンプ14が面する部分を開放し、その開放部分に、開口部20Aを備えた飛越枠20を立設する。
【選択図】図1

Description

本考案は、動物脱出用施設に係わり、特にエゾ鹿などの動物の進入を防止するために、道路や線路沿いに設置されている防鹿柵などの進入防止施設(防鹿施設)から、鹿などの動物を安全に柵外へ脱出させるための脱出施設に関する。
北海道地方ではエゾ鹿が急激に増加し、道路や鉄道施設における衝突事故、農作物や森林に食害を引き起こすなど、人間との共存関係に深刻な問題が生じていることは、数年来の問題であり、様々な対策も採られるようになっている。また、北海道以外の地域でも野生動物の人的な生活圏内への出没が頻繁に見られるようになっている。
特に、道路や線路は野生動物の生息地域を分断(ロードキル、レールキル)するため、自動車や鉄道車両との衝突事故がたびたび発生するが、成獣のエゾ鹿は体重が100キロを超えることから、場合によっては重大事故に発展することもある。
このため、衝突事故の防止対策として、図8に示されるように、道路等の付近に防鹿柵としての侵入防止フェンス100を設置し、エゾ鹿の道路敷地内側Xへの侵入を防止するようにしている。また、このようなフェンス100とともにエゾ鹿を含めた野生動物が道路を横切ることなく移動できるようにするため、フェンスの要所にアンダーパス又はオーバーブリッジを設けるなどの方策が同時に取られている。
フェンスには金網や生垣などからなる物理的なフェンス、電気牧柵などの心理的なフェンスが含まれるが、道路に沿って設置されるフェンスは、金網等による物理的なフェンスを連続して設置することが効果的である。このような物理的フェンスの設置と同時に、道路敷地内側Xにエゾ鹿等が進入した場合を考慮し、脱出施設を併せて設置している。従来、フェンスの要所に設置される動物脱出用施設として、本考案の出願人より、実用新案登録第3162813号公報(特許文献1)記載の動物脱出用施設、いわゆるワンウェイゲートが提案されている。
同公報記載のワンウェイゲートは、フェンスの内側に侵入したエゾ鹿を安全にフェンスの外側へ脱出させる施設で、同公報記載の考案は、左右一対の支柱に道路敷地外側(フェンス外側)Yから、道路敷地内側(フェンス内側)Xへは開放しない一方、逆に道路敷地内側かXら道路敷地外側Yへ開放可能なフォーク状部が取り付けられている。
このフォーク状部の各フォークは、独立して開閉動作が可能であり、各フォークは上方向、下方向、開方向、閉方向のうち少なくとも何れかの方向、或いはこれらのうち複合した方向への動作を許容するように構成されている。同考案によれば、降雪を伴う冬場でも安定的に動作可能であり、動物の道路敷地外側Yへの脱出を妨げることがなく、且つ耐久性に富むといった長所を有している。
また、脱出施設として、前述したワンウェイゲートの他、いわゆるアウトジャンプ型の脱出施設(脱出用バンク)も存在する。アウトジャンプ型の施設は、フェンスの内側に侵入したエゾ鹿が、フェンスを飛び越えやすくした施設である。図9は従来のアウトジャンプ型の脱出施設の概要を示す概略側面図である。同図に示されるように、アウトジャンプ施設では、フェンス102の道路敷地内側Xにて抑え盛土104を形成し、抑え盛土104からフェンス102の高さが1m程度となるように形成されている。
この場合、道路敷地内側Xに侵入したエゾ鹿が、抑え盛土104を踏み台として、フェンス102を飛び越すことにより道路敷地外側Yへ脱出することができるようになっている。加えて、フェンス102の上部には、道路敷地外側Yの方向へ斜めに傾斜する延出部102Aが形成されており、この延出部102Aにはワイヤ若しくは有刺鉄線が横方向に張設され、道路敷地外側Yからのエゾ鹿の侵入を防止するように工夫されている。
実用新案登録第3162813号公報
しかしながら、前述した図9に示されるアウトジャンプ施設について、実際に施工されている道路で検証を行ったところ、フェンス102を飛び越えて脱出した個体よりも、むしろ延出部102Aのワイヤの間をすり抜けて脱出した個体が多いことが確認されている。このことは、従来型のアウトジャンプ型の施設は、防鹿柵の脱出用として、十分に機能しない場合があることを示唆している。
また、冬場には、積雪の影響によって道路敷地外側Yから延出部102Aに張られているワイヤをくぐり抜けて、道路敷地内側Xへ逆進して侵入する個体も多く観察されている。そこで、道路敷地内側Xにおける飛越側と、道路敷地外側Yの着地側との高低差を大きくすることで対処しているが、このようにした場合はアウトジャンプとしての機能を没却することになる。つまり、高低差がありすぎる場合、個体がパニック状態に陥らなければ飛越せず、むしろ開口部を探しながら防鹿柵に沿って移動するのがエゾ鹿の習性と考えられるためである。
本考案は、上記のような諸事情に対処するために提案されたものであって、防鹿柵などの侵入防止フェンスに設置される動物脱出用施設のうち、いわゆるアウトジャンプ型の脱出用施設について、道路敷地内側Xから道路敷地外側Yへ、エゾ鹿が確実に脱出できるように導く動物脱出用施設を提供することを目的とする。
また、降雪を伴う冬期間でも安定的に道路敷地外側Yへの脱出を促すことが可能な動物脱出用施設を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の考案は、道路等敷地内側への動物の侵入を防止するフェンスの要所に、脱出用のアウトジャンプを有する動物脱出用施設において、前記フェンスの一部を撤去して開放部分を形成、若しくは予め開放部分を形成して該フェンスを設けるとともに、該開放部分の道路等敷地内側に前記アウトジャンプを設置し、該アウトジャンプの頂き部分付近には、開口部を備えた飛越枠を前記フェンスに沿うように立設して、該飛越枠又は開口部から動物を導いて道路等敷地外側へ脱出させるようにしたことを特徴とする。
請求項2記載の考案は、請求項1において、前記アウトジャンプへ通じる上り勾配の誘導路を前記フェンスに沿って設置し、該誘導路に該フェンスと平行な誘導柵を設け、該誘導柵は前記フェンスと接続されているとともに、該誘導路の頂き部分を脱出用の前記踏切部とし、該踏切部には開口部を備えた飛越枠を立設して、該飛越枠又は開口部から動物を導いて道路等敷地外側へ脱出させるようにしたことを特徴とする。
請求項3記載の考案は、請求項1及び2において、屈曲部分に設置されている動物侵入防止用のフェンスを備え、該屈曲部分に至る前記フェンスの両側一部を撤去して開放部分を形成、若しくは予め開放部分を形成して該フェンスを設置し、該開放部分に前記アウトジャンプを設置するとともに、前記アウトジャンプにおける前記誘導柵は、該屈曲部分を短絡するようにして両側から接続されていることを特徴とする。
ここでの屈曲部分とは、橋梁付近などにてL字型に屈曲するようにして設置されているフェンスを想定したものである。
請求項4記載の考案は、請求項1及び2において、直線的に設置されている動物侵入防止用のフェンスを備え、前記誘導路、脱出用の踏切部、飛越枠が対向して二か所設けられていることを特徴とする。ここでの動物侵入防止用のフェンスには、直線状に設置されたフェンスの他、緩いカーブを有して設置されているフェンスも含まれる。
請求項5記載の考案は、請求項1〜4のうち、いずれか1項において、前記アウトジャンプは、前記誘導路から頂部まで連続する上り勾配を有するとともに、該頂部から下り勾配となる傾斜部を有して平坦な部分を設けることなく形成され、前記飛越枠が前部に一体的に設置されたゲートであることを特徴とする。
上述のように、各請求項記載の考案によれば、道路等の敷地内側から、道路等の敷地外側へ、エゾ鹿を容易に脱出させることが可能となり、交通事故等の被害を低減することができる。加えて、エゾ鹿の習性を考慮するとともに、アウトジャンプの配置や飛越枠及びその開口部の形状等を最適化しているので、降雪を伴う冬期間でも、エゾ鹿を道路等敷地の外側へ安定的・安全に脱出を促すことが可能である。
本考案の第1の実施形態に係る動物脱出用施設を示す概略構成図で、道路の直線区間にて、片方向にアウトジャンプを設置した状態を示している。 本考案の第2の実施形態に係る動物脱出用施設を示す概略構成図で、道路の直線部分にて、両方向にアウトジャンプを設置した状態を示している。 本考案の第3の実施形態に係る動物脱出用施設を示す概略構成図である。 同じく、本考案の第3の実施形態に係る脱出用施設が設置された周囲の状況を示す説明図である。 第3の実施形態における動物脱出用施設を盛土によるアウトジャンプではなく、後施工によって構築する際に利用される組立式のアウトジャンプを示した図である。 本考案の第4の実施形態に係る脱出用施設であって、既設の動物侵入用のフェンスがL字型に設置されている場合に本考案を適用した状況を示した概略図である。 本考案に係る脱出用施設に使用されるアウトジャンプゲートを示した図である。 動物侵入防止用のフェンスの設置状況を示した概略図であり、特に橋梁付近などでL字型に屈曲して設置されているフェンスを示している。 従来のアウトジャンプ型の脱出施設の概要を示す概略側面図である。
以下、本考案に係る動物脱出用施設の好適な実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本考案の第1の実施形態に係る動物脱出用施設を示す概略構成図で、道路の直線区間にて、片方向にアウトジャンプを設置した状態を示している。
図1に示されるように、本実施形態の動物脱出用施設10は、既に設置されている動物侵入防止用のフェンス12の要所、若しくは新たに設置されるフェンス12に設けられ、道路敷地内側Xに盛土によって形成されたアウトジャンプ(脱出用バンク)14、誘導路16、誘導柵18、飛越枠20等を備えて構成されている。ここで、道路敷地内側をX、道路敷地外側をYとしているが、鉄道の場合は鉄道敷地内側、外側がそれぞれに該当することになる。
誘導路16はフェンス12の側方に沿って設置され、上り勾配の導入部分16A、導入部分16Aから至る、頂き部分の踏切部16Bを有している。誘導路16には、フェンス12と平行に、アウトジャンプ14の幅分だけ(例えば2m)隔てた位置に、誘導柵18が立設され、誘導路16へ入ったエゾ鹿をアウトジャンプへ14へと導くようになっている。フェンス12、誘導柵18は、基本的に地面からの高さを2.5m、踏切部16Bの高さを1.2mとしているが、設置される地域によって最適な高さとする。ジャンプ用の踏切部16Bの末端部分となる前側には、開口部20Aを備えた飛越枠20が設けられ、エゾ鹿が脱出する際は、飛越枠20を飛び越えて脱出できる他、開口部20Aをくぐり抜けて脱出することも可能にしている。
また、開口部20Aの高さ寸法は、道路等敷地外側Yからの侵入を防止する観点から80cm前後が好適である。勿論、この寸法は設置個所等の種々の条件によって変更することもあり得る。アウトジャンプ14を設置する際は、図1に示されるように、既設のフェンス12における二点鎖線Gの部分を撤去して開放部分を形成するとともに、アウトジャンプ14、誘導路16、誘導柵18、飛越枠20等を設置する。図1に示されるフェンス12は、沢地・窪地などにつながる直線部分に設置されている例である。この場合は、凹地や水源地・沢地など、エゾ鹿が水を求めて集まる地形の部分を設置箇所として選定することが合理的である。
本実施形態における脱出用施設10における各部分の高さ等の寸法は以下の通りである。まず、動物侵入防止用のフェンス12は、全高が2.5m、下部の金網部12Aが高さ1.5m、張線部12Bが高さ1mを標準的な寸法としている。
また、アウトジャンプ14の高さは、フェンス12の金網部12Aの高さ1.5mを基準に決定され、最も高い頂き部分となる踏切部16Bの高さが1.2mとなるように基本的に設定されている。
さらに、飛越枠20との間に設けられる脱出口段差20Bは30cm前後であり、これによって金網部12Aと脱出口段差20Bとが同一の高さ1.5mとなる。脱出口段差20Bの高さ30cmは道路等敷地外側Yからの侵入を防止すること、並びに積雪による機能低下を補うために設定された寸法である。
飛越枠20は、エゾ鹿を確実に脱出させるために、その開口部20Aはできるだけ広い面積を確保すべきであるが、一方で、道路敷地外Yからの侵入を防止する必要もあるため、その高さは踏切部16Bから80cm程度が好適である。エゾ鹿の体形では、高さ2.5mの柵をジャンプして逆進すること、又、80cmより低い高さに形成された枠をくぐり抜けて逆進することは難しいと思われるためである。勿論、これらの寸法は、設置される地域や種々の条件に従って適宜変更することが可能である。
小動物に対する侵入対策であるが、金網部12Aの高さを基準にして誘導路16全体が、フェンス12によって隔てられていることから、エゾタヌキやキタキツネ等の小動物の侵入は困難である。
図2は本考案の第2の実施形態に係る動物脱出用施設を示す概略構成図で、直線部分にて、両方向にアウトジャンプを設置した状態を示している。ここで、前述した第1の実施形態とアウトジャンプ等の高さ寸法は同一に設定されている。また、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
同図に示されるように、第2の実施形態における動物脱出用施設25では、誘導路16、アウトジャンプ14、飛越枠16が対向する形で二か所設けられており、道路敷地内側Xに侵入したエゾ鹿を二か所のアウトジャンプ14,14から脱出させることが可能である。
図3は本考案の第3の実施形態に係る動物脱出用施設を示す概略構成図、図4は同実施形態の脱出用施設が設置された周囲の状況を示す説明図である。一般道路などのように、フェンスと道路とが接近する区間が多い場合は、誘導柵の設置スペースを確保することが困難な場合があるため、エゾ鹿の移動方向を特定しないアウトジャンプを設置することが有効である。
図3,4に示されるように、第3の実施形態に係る脱出用施設では、既設の動物侵入防止用のフェンス12の要所に盛土を行ってアウトジャンプ30を形成するとともに、フェンス12の一部を撤去した後、飛越枠32を設置して構成されている。飛越枠32の脱出範囲では、フェンス12の張線と支柱を1.5mの高さにて切断して撤去するとともにアウトジャンプ30を盛土によって設け、切断箇所に開口部32Aを有する飛越枠32を設置する。
この第3の実施形態では、図4に示されるように、道路本線とフェンス12とが接近し、誘導柵を設置するスペースに限りがある場所でも、アウトジャンプ30にエゾ鹿を導くことができるので、フェンス12に対してエゾ鹿の移動方向を特段規制することなく、脱出を可能にするメリットを有している。
なお、前述した第3の実施形態における動物脱出用施設では盛土によって形成したアウトジャンプを利用しているが、後施工によって構築可能な組立式のアウトジャンプ(脱出用バンク)を利用して設置することも可能である。図5は、盛土ではなく、後施工によって構築する際に利用される組立式のアウトジャンプ40を示した図である。
同図に示されるアウトジャンプ40は、盛土やコンクリートではなく、その骨組みを間伐材や端材、鋼材、金網籠製(現地採取土砂を充填)などを使用し、現地にて組み立てて設置するようにしたものである。そして、骨組みの組立後、表面に覆土・張芝を施すことによって製作される。
これによれば、既に設置されている防鹿柵に対し後施工が可能になるほか、盛土や機械施工の困難な沢地などでも、脱出用施設を後施工で設置することができる利点がある。また、間伐材や端材を利用した場合には、地域の森林資源の活用促進に資するという環境面からの優位性がある。
図6は既設の動物侵入用のフェンスがL字型に設置されている場合に、本考案に係る脱出用施設を第4の実施形態として適用した状況を示した概略図である。
同図に示される脱出用施設40は、橋梁付近でフェンス12はL字型に屈曲するようにして設置されているが、かかる屈曲部分(コーナー)は、沢筋にあたっている場合が多く、このような場所はエゾ鹿に脱出を促す地形的要素を備えている。このため、屈曲部分(コーナー)となる場所に、脱出用施設40を設置することは効果的といえる。
第4の実施形態では、既設のフェンス12における直角の屈曲部分(コーナー)を取り囲むようにアウトジャンプを設置するため、既設のフェンス12が存在する場合は二点鎖線Hの部分を撤去し、二基のアウトジャンプ14,14を設置する。
つまり、フェンス12における屈曲部分(コーナー)に至る途中の誘導柵41,43の双方に、アウトジャンプ14、誘導路16、誘導柵18、飛越枠20を設けるとともに、誘導路16に沿って設置されている誘導柵18の一端側41A及び他端側43Aとの間を短絡する形で接続して構成している。
第4の実施形態のように屈曲部分を利用してアウトジャンプを設置するのは、フェンス12に沿って移動するというエゾ鹿の習性に合致しており、地形的な要素が良好であれば最もふさわしい設置箇所といえる。
図7は本考案に係る脱出用施設に使用されるアウトジャンプゲートを示した図である。同図に示されるアウトジャンプゲート50は、前述した第1,2並びに4の実施形態における誘導路、アウトジャンプ14としての機能を併せて備えた組立可能なゲートであり、誘導路50Aと、頂部50Bと、傾斜部50Cと、飛越枠52とを具備して構成されている。
当該アウトジャンプゲート50における誘導路50Aは、上り勾配から連続する頂部50Bを経て、下り勾配の傾斜部50Cへ続いており、平坦な踏切部を備えていない点が前述の図1、2及び図6におけるアウトジャンプ14と相違している。
つまり、アウトジャンプゲート50では頂部50Bから、前方(脱出方向)へ下る傾斜部50Cの部分により、エゾ鹿が飛越枠52の開口部52Aをくぐり抜け易くし、エゾ鹿の脱出を促しつつ導くようになっている。これによって構造を簡略化することができるとともに、平坦な部分がないことから、除雪等の場合における保守管理の手間を軽減できるメリットを有している。
図7(b)に示されるように、傾斜部50Cの前部側には、飛越枠52が設置されている。この飛越枠52は、前述したアウトジャンプ14と同様に地面からの高さL1は2.5mに形成されているとともに、頂部50Bから飛越枠52最上部の高さL2は1.3m、開口部52Aの隙間の高さL3は0.8mとしている。また、傾斜部50Cの高さは、0,2mである。地面から傾斜部50C下端までの高さL5は、1.0mに設定している。勿論、これらの各寸法は設置される地域や状況に応じて適宜変更することが可能である。
アウトジャンプゲート50は、前述した第1,2並びに4の実施形態におけるアウトジャンプ14、誘導路16に代替して設置することが可能であり、飛越枠52が一体的に設けられていることとも相まって、現場での後施工を比較的容易に行うことができる利点がある。
なお、以上の実施形態における飛越枠は木製を想定しているが、これに限らず、鋼製、樹脂製、或いはネット形状(溶接金網・格子型金網・樹脂ネット等)としたり、ロープ形状(ワイヤロープ・樹脂ロープ・有刺鉄線・電線)とすることも可能である。
以上説明したように、本実施形態の動物脱出用施設によれば、いわゆるアウトジャンプ型の脱出用施設につき、道路敷地内側Xから道路敷地外側Yへ、エゾ鹿が確実に脱出できるよう効果的に促すことが可能となり、自動車事故などの低減に寄与する。
以上説明したように、本考案によれば、動物脱出用施設のうちアウトジャンプ型の施設に開口部を備えた飛越枠を設置している。このため、エゾ鹿は飛越枠を飛び越えて脱出するほか、開口部をくぐり抜けて脱出するようになり、道路等敷地側からの脱出を促して、結果的に衝突事故の低減、動物保護に寄与する。
10 動物脱出用施設
12 フェンス(防鹿柵)
12A 金網部
12B 張線部
14 アウトジャンプ(脱出用バンク)
16 誘導路
16A 導入部分
16B 踏切部
18 誘導柵
20 飛越枠
20A 開口部
20B 脱出口段差
25 動物脱出用施設
30 アウトジャンプ(脱出用バンク)
32 飛越枠
32A 開口部
40 動物用脱出施設
41 43 誘導柵
41A 一端側
43A 他端側
42 44 飛越枠
50 アウトジャンプゲート
50A 誘導路
50B 頂部
50C 傾斜部
52 飛越枠
52A 開口部
X 道路敷地内側
Y 道路敷地外側

Claims (5)

  1. 道路等敷地内側への動物の侵入を防止するフェンスの要所に、脱出用のアウトジャンプを有する動物脱出用施設において、
    前記フェンスの一部を撤去して開放部分を形成、若しくは予め開放部分を形成して該フェンスを設けるとともに、
    該開放部分の道路等敷地内側に前記アウトジャンプを設置し、
    該アウトジャンプの頂き部分付近には、開口部を備えた飛越枠を前記フェンスに沿うように立設して、該飛越枠又は開口部から動物を導いて道路等敷地外側へ脱出させるようにしたことを特徴とする動物脱出用施設。
  2. 前記アウトジャンプへ通じる上り勾配の誘導路を前記フェンスに沿って設置し、該誘導路に該フェンスと平行な誘導柵を設け、該誘導柵は前記フェンスと接続されているとともに、該誘導路の頂き部分を脱出用の前記踏切部とし、該踏切部には開口部を備えた飛越枠を立設して、該飛越枠又は開口部から動物を導いて道路等敷地外側へ脱出させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の動物脱出用施設。
  3. 屈曲部分に設置されている動物侵入防止用のフェンスを備え、該屈曲部分に至る前記フェンスの両側一部を撤去して開放部分を形成、若しくは予め開放部分を形成して該フェンスを設置し、該開放部分に前記アウトジャンプを設置するとともに、
    前記アウトジャンプにおける前記誘導柵は、該屈曲部分を短絡するようにして両側から接続されていることを特徴とする請求項1及び2に記載の動物脱出用施設。
  4. 直線的に設置されている動物侵入防止用のフェンスを備え、前記誘導路、脱出用の踏切部、飛越枠が対向して二か所設けられていることを特徴とする請求項1及び2に記載の動物脱出用施設。
  5. 前記アウトジャンプは、前記誘導路から頂部まで連続する上り勾配を有するとともに、該頂部から下り勾配となる傾斜部を有して平坦な部分を設けることなく形成され、前記飛越枠が前部に一体的に設置されたゲートであることを特徴とする請求項1〜4のうち、何れか1項に記載の動物脱出用施設。
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JP2021136889A (ja) * 2020-03-03 2021-09-16 Jfe建材株式会社 防獣柵
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