JP3177074B2 - ゴム物品補強用スチールコード及び空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

ゴム物品補強用スチールコード及び空気入りラジアルタイヤ

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JP3177074B2 JP25341493A JP25341493A JP3177074B2 JP 3177074 B2 JP3177074 B2 JP 3177074B2 JP 25341493 A JP25341493 A JP 25341493A JP 25341493 A JP25341493 A JP 25341493A JP 3177074 B2 JP3177074 B2 JP 3177074B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気入りラジアルタイ
ヤ、コンベアベルトあるいは、ゴムクローラ等のゴム物
品の補強材として使用されるスチールコード及びそれを
適用した空気入りラジアルタイヤに関する。更に詳しく
は、ラジアルタイヤ、特にトラック・バス用ラジアルタ
イヤ、ライト・トラックラジアルタイヤあるいはオフザ
ロード用ラジアルタイヤ等の、カーカス補強材として使
用されて、その耐久性、特に耐フレッティング性および
耐フィラメント破断性が飛躍的に向上し、ラジアルタイ
ヤの耐久寿命を顕著に改良するスチールコード及びその
空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤ、中でもトラック・バス用タイ
ヤ、ライト・トラック用タイヤ、オフザロード用タイヤ
等のラジアルタイヤの補強用スチールコード、特にカー
カス補強用スチールコードとしては、2層撚りあるい
は、3層撚りコードが使用されるのが普通である。ま
た、2層撚りコードとしては、3+8、3+9等の撚構
造が知られており、3層撚りコードとしては、1+6+
12、3+9+15等の撚構造が知られている。
【0003】このような2層撚りあるいは、3層撚りコ
ードがタイヤのカーカス補強材として使用され、タイヤ
の走行のような、過酷な入力、変形を伴う使用中に疲労
する主原因の一つは、フィラメント同士の擦れ合いによ
る磨滅(フレッティング)に基づくことも、良く知られ
ている。即ち、スチールコードを構成するフィラメント
同士が擦れ合い、フレッティングし、フィラメントの断
面積が減少し、その結果として、このフレッティングし
た部分に応力が集中し、その部分が先行して破断するに
至る(フレッティング性)。そして、スチールコードと
して撚られているフィラメントの内の一本でも破断する
と、そのコード中の他のフィラメントが負担する入力は
その分だけ増大し、フィラメントの破断は急速に周囲の
フィラメントに伝播することとなり、コード破断に至る
ことになる。
【0004】また、2層撚り、あるいは3層撚りコード
をカーカスプライとして適用したタイヤの走行において
は、最外層フィラメントの強力低下が極度に大きいこ
と、さらに、この強力低下の主要因は、ラップフィラメ
ントと最外層フィラメントとのフレッティングに基づく
ものであることから、最外層フィラメントのフレッティ
ングを防止するために、コードからラップフィラメント
を除去することも提案されている。確かに、この提案に
より、ラップフィラメントに起因するフレッティングは
発生しなくなり、コードの強力低下は抑制できるが、ラ
ップフィラメントを除去したためフィラメントの集束性
が悪くなり、低内圧走行等によりコードへの大曲げ入力
が入った場合、フィラメントがばらばらになり、局部的
に異常圧縮入力がフィラメントに加わり、フィラメント
が座屈し、破断に至る(フィラメント破断性)ことも知
られている。この場合のコードの破断寿命は、フレッテ
イングに起因する破断寿命より、大幅に低下することも
また知られている。
【0005】即ち、極端な曲げ入力によるコード寿命の
低下を防止するには、コードのフィラメントが何らかの
形で集束されている必要があり、ラップフィラメントに
よりフィラメントの集束性を維持して、フィラメントへ
の異常入力を抑制しつつ、ラップフィラメントと最外層
フィラメントのフレッティングを軽減する方策として、
2層撚り、あるいは3層撚りスチールコードのコア、シ
ースおよびラップフィラメントを同方向に撚る提案(特
開平4−202869)もなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スチールコ
ードは、タイヤの補強材として内圧、荷重等を担い、走
行による過酷な変形、歪みに耐えて、長期間の耐久性を
要求されている。つまり、タイヤのカーカスは、内圧を
保持し、一定の荷重を負担するに必要なカーカス強度
を、新品時は言うに及ばず、タイヤが使用されている全
期間を通して要求されているのみならず、最近は長距離
トラック輸送網の発達により、その耐久性能は益々高度
なレベルが要求されるようになってきている。
【0007】本発明は、このように益々高度化するタイ
ヤの耐久性能の向上要求を満たすような、新しい撚構造
のスチールコードを提供することにある。即ち、耐フレ
ッティング性と同時に、耐フィラメント破断性にも優れ
たスチールコードを提供することにある。
【0008】この課題をより具体的に説明すると、タイ
ヤのカーカスはスチールコードが平行に配列され、ゴム
中に埋設されて構成されているのであるが、そのゴム中
に配列され得るコードの本数は、そのコードの径に依存
している。即ち、細い径のスチールコードでは、一定の
幅のカーカス中に多数のコードが配列され得るが、太い
径のコードでは多くを配列できない。また、そのカーカ
ス強度は、ゴム中に埋設されたコードの本数とその強力
の積として表現される。
【0009】ところが、コード径の細いコードをゴム中
に稠密に配列、埋設するには、製造技術上の問題があ
り、実際にはなかなか困難である。そこで現実にタイヤ
製造に使用されるスチールコードとしては、一定以上の
コード径、即ち、一定以上のコード強力を有するコード
を使用することになる。
【0010】一方、フィラメントへの異常入力を緩和
し、耐フィラメント破断性を改良するには、細い径のフ
ィラメントを使用する方が望ましいのは自明である。
【0011】ところが、フィラメントの強力はフィラメ
ントの断面積に比例するため、細い径のフイラメントを
撚り合わせて、一定以上のコード強力のコードを構成す
るためには、その撚り合わせるフィラメント本数を増や
す必要がある。即ち、細いフィラメントを多数本撚り合
わせたコードがカーカスコードとして好ましいことにな
る。
【0012】このように多数のフィラメントを撚り合わ
せた撚構造としては、一般的に2層撚りより、3層撚り
コードの方が有利となることも、また論をまたない。
【0013】このようにして、発明者らは、細いフィラ
メントから構成される3層撚りスチールコードをカーカ
ス補強材として使用することが、タイヤの耐久性上好ま
しいとの結論に達し、タイヤを試作し、鋭意検討したの
であるが、そこで新しい技術課題に遭遇するに至ったの
である。
【0014】即ち、一般に細い径のフィラメントがフレ
ッティングを受けた場合、太い径のフィラメントに比較
して、フィラメント断面積の減少の影響が、より深刻に
発現するのは一般に知られているが、発明者らの検討の
結果、3+9+15構造(比較例1)で、ラップフィラ
メントを第2シースと異方向に撚った、通常の撚構造の
コードのフレッティング形態を良く観察すると、ラップ
フィラメントと第2シースが異方向に交差するため、フ
ィラメント同志は点接触となり、その状態で擦れ合うた
め、深くえぐられたフレッテングが起こり、フィラメン
トの残存強力も大幅に低下していることが判明した。
【0015】即ち、細い径のフィラメントから構成され
る3層撚りスチールコードの場合、ラップフィラメント
とのフレッティングのように深いフレッティングになる
と、フィラメント強力の低下は激しく起こり、その影響
は太いフィラメントの場合に比べ、より深刻であること
が観察された。
【0016】このような細い径のフィラメントから構成
されるコードの耐フレッティング性を改良するために
は、ラップフィラメントによって局部的に深く抉られる
フッティングを防止し、余り深くない均一なフレッティ
ングに変えることが、従来にも増して重要であることが
判明した。また、従来提案されているような同方向撚
り、あるいは、ラップフィラメントを第2シースフィラ
メントと同方向に撚る構造(特開平4−202869)
も検討したが、その効果は未だ充分でないことが判明し
た。
【0017】即ち、本発明が解決しようとする、より具
体的な課題は、細い径のフィラメンから構成される3層
撚りのスチールコードにも適用できるように、従来の提
案よりも更に優れて、均一なフレッティングを起こし、
かつ、大きな曲げ入力下においても、フィラメントの座
屈によるフィラメント破断が起こり難い、新しい撚り構
造を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のゴム物品
補強用スチールコードは、1〜3本のフィラメントを撚
り合わせてなるコアと、このコアの周囲に配置した6〜
9本のフィラメントを同軸に撚り合わせてなる第1シー
スと、この第1シースの周囲に配置した12〜15本の
フィラメントを同軸に撚り合わせてなる第2シースと、
この第2シースの周囲を1本のラップフィラメントにて
撚り合わせてなる3層撚りスチールコードにおいて、コ
ア、第1シース、第2シースおよびラップフィラメント
が同方向に撚られ、第2シースの撚りピッチが第1シー
スの撚りピッチよりも短く撚られることを特徴としてい
る。
【0019】請求項2記載のゴム物品補強用スチールコ
ードは、請求項1記載のスチールコードにおいて、コ
ア、第1シースおよび第2シースを構成するフィラメン
ト径が0.23mm以下で、実質的に同一であることを
特徴としている。
【0020】請求項3記載の空気入りラジアルタイヤ
は、請求項1,又は請求項2記載のスチールコードをベ
ルト層に用いたことを特徴としている。
【0021】請求項4記載の空気入りラジアルタイヤ
は、請求項1、又は請求項2記載のスチールコードを、
一対のビード部間でトロイド状に延びるラジアル配列コ
ードのプライからなるカーカスに適用することを特徴と
している。
【0022】本発明者らは、ラジアルタイヤのカーカス
補強用スチールコードとして、3層撚りコードの撚り構
造に着目して鋭意検討を行った結果、コア、第1シー
ス、第2シースおよびラップフィラメントが同方向に撚
られ、第2シースの撚りピッチが第1シースの撚りピッ
チよりも短く撚られた撚構造のスチールコードが、ラッ
プフィラメントに基づく第2シースのフレッティングも
含め、フレッティングが余り深くなく、フレッティング
の均一性にも優れ、かつ、大きな曲げ入力下でのフィラ
メントの座屈によるフィラメント破断が起こり難いこと
を見出だし、本発明を完成させるに至った。
【0023】以下に、本発明を詳細に説明する。図1に
典型的な3層撚りスチールコードの構成要素について示
す。本発明のコアは1〜3本、第1シースは6〜9本、
第2シースは12〜15本のフィラメントからなる。な
るべく多数のフィラメント本数からなる3層撚構造とい
う本発明の基本的技術思想から、コアのフィラメント本
数は2〜3本が好ましく、第1シースフィラメントは7
〜9本が好ましく、また第2シースフィラメントは13
〜15本が好ましい。これ以上のフィラメント本数にな
ると、スチールコードを撚った場合の撚りの安定性が乱
れる。
【0024】本発明のラップフィラメントは、2〜6m
mのピッチで第2シースの周りに巻き付けることが好ま
しい。ラップフィラメントのフィラメント径は、通常
0.1〜0.2mm、好ましくは、0.15mmが使用
される。
【0025】また、本発明のコアフィラメント、第1シ
ース、第2シース、ラップフィラメントの撚り方向は同
方向であり、第2シースの撚りピッチが第1シースのそ
れより短いことが、本発明の一つの特徴である。さら
に、この撚りピッチの関係を撚り角度で表現し詳細に説
明すると、通常、スチールコードの撚り角度は、図9に
示すように、コアの撚り角度P1、第1シースの撚り角
度P2及び第2シースの撚り角度P3で表現され、P
1、P2、P3は、通常80°内外である。一方、ラッ
プフィラメントの撚り角度P4は、通常40°内外であ
る場合が多い。本発明において、第2シースの撚りピッ
チを第1シースのそれより小さく構成することは、撚り
角度で表現すると、第2シースの撚り角度P3を80°
以下にすることにほぼ該当することになる。
【0026】さらに、本発明においては、第2シースの
撚り角度は75°以下にすることが好ましい。第2シー
スの撚り角度が75°を越えると、第2シースとラップ
フィラメントが、たとえ同方向に撚られていても、相互
の角度差が大きくなり、フィラメント相互が交錯する角
度が大きくなり、点接触に近付くため、接触点での接触
圧が高くなり、フレッティングに好ましくない。
【0027】本発明の3層撚り構造の例としては、1+
6+11、1+6+12、2+6+11、2+7+1
2、3+8+13、3+9+15、等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0028】図2、図3および図4に、本発明に従うゴ
ム物品補強用スチールコードの断面を、撚り構造3+9
+15+1、2+7+12+1、1+6+12+1を代
表例として示す。各図に斜線で示した3本、2本および
1本のフィラメントが、コア1であり、コア1のまわり
で互いに隣接して配置したフィラメントが、第1シース
であり、図2の例では9本の第1シース2をそなえ、図
3の例では7本の第1シース2をそなえ、図4の例では
6本の第1シース2をそなえている。第1シースのまわ
りで互いに隣接して配置したフィラメントが、第2シー
スであり、図2の例では15本の第2シース3をそな
え、図3の例では12本の第2シース3をそなえ、図4
の例では12本の第2シース3をそなえている。第2シ
ースのまわりに1本のラップフィラメント4が配列され
て状態は、図2〜4に示す通りである。
【0029】さらに、図5、図6および図7は、本発明
に従うゴム物品補強用スチールコードの断面図を、撚り
構造3+8+13+1、2+6+11+1、および1+
6+11+1を代表例として示した。コア1は、それぞ
れ3本、2本および1本のフィラメントからなり、コア
1のまわりに配置した第1シース2は、それぞれ8本、
6本および6本の、間隔をもって配置したフィラメント
からなり、その第1シース2の外側に配置して第2シー
ス3は、それぞれ13本、11本および11本の、間隔
をもって配置したフィラメントからなり、その外側にラ
ップフィラメント4をそなえた例である。
【0030】すなわち、この例は、第1シース2のフィ
ラメント間に隙間が形成され、また、第2シース3のフ
ィラメント間にも隙間が形成されるため、例えばタイヤ
の補強に供したときに、各フィラメント間へのゴムの侵
入が容易に起こる構造である。従って、特に低内圧でタ
イヤを使用した場合のように、大きな曲げ入力が付加さ
れた場合にも、フィラメント間の充填されたゴムによ
り、フィラメントの動きが制限され、フィラメントの座
屈、破断特性が改良される。
【0031】このように、コード内にゴムを侵入させる
ために、1本のフィラメントからなるコアの場合には、
そのコアを波型あるいは螺旋型に型付けして、フィラメ
ント間に隙間を形成するように使用することもできる。
【0032】本発明に適用するフィラメント径は特に限
定されるものではないが、大きな曲げ入力時におけるフ
ィラメントの座屈防止という点から、細いフィラメント
径が好ましく、具体的には、0.23mm以下のフィラ
メント径が好ましい。
【0033】また、本発明に適用するフィラメント径は
必ずしも同一である必要はなく、コア、第1シース、第
2シースそれぞれ異なるフィラメント径を適用すること
もでき、また、フィラメント間に隙間を形成させ、ゴム
の侵入を図るために意図的にフィラメント径を異ならせ
る場合もあるが、スチールコード製造の生産性の改善と
いう面からは、実質的に同一のフィラメント径を使用す
ることが好ましい。
【0034】本発明のスチールコードは、ゴム補強材と
して、ラジアルタイヤのベルト、カーカス、あるいはラ
ジアルタイヤのビード部の補強材等、他の部分の補強に
も適用でき、また、コンベアベルト、ゴムクローラー等
のゴム物品の補強用にも適用できるが、疲労性に優れた
スチールコードという面からは、ラジアルタイヤのカー
カス補強材として好ましく適用される。
【0035】
【作用】3層撚りコードの第2シースのフィラメントの
フレッテイング性は、ラップフィラメントと第2シース
フィラメント間の磨滅であるので、両フィラメント間の
接触状態と、接触した状態での運動量とに依存して決定
される。即ち、両フィラメントが相互に交差する角度
(交差角)とその両者の相対的運動量に依存する。例え
ば、交差角が小さい程、相互に接触し、磨滅し合う接触
面積が増加し、一定入力時の単位面積当たりの接触圧は
小さくなり、フレッティングは浅くなり、全体的に均一
なフレッティングになる傾向となる。そこで第2シース
とラップフィラメントを同方向に撚ることにより、この
交差角を減少することができる。
【0036】しかし、第2シースの撚り角度P3は通常
80°内外であり、ラップフィラメントの撚り角度P4
は通常40°内外であるため、たとえ第2シースとラッ
プフィラメントを同方向に撚ったとしても、その交差角
は40°程度は残ることになる。そこで、第2シースの
撚りピッチを第1シースのそれより短くすることによ
り、即ち、第2シースの撚り角度P3を80°以下にす
ることにより、この交差角をより小さくして、耐フレッ
ティング性を改良した。また、好ましくは、第2シース
の撚り角度P3を75°以下にすれば、さらに交差角は
小さくなり、耐フレッティング性の改善効果は顕著であ
った。
【0037】また、タイヤの転動時に、タイヤ接地部の
カーカスプライコードには、その軸方向において捩じれ
が生ずる。そして、この捩じれ入力による、第2シース
とラップフィラメントの相対的な運動量がフレッティン
グ量を左右する。そこでラップフィラメントと第2シー
スを同方向に撚り、この捩じれ入力がコードが締まる方
向に働く場合、あるいは、コードが緩む方向の捩じれの
際に生ずるフィラメント間の全体的運動量を少なくする
ことにより、耐フレッティング性を改善しているのであ
る。
【0038】ところが、捩じり入力がその撚り方向と逆
方向に付加された場合、ラップフィラメントが第2シー
スと同方向に撚られているため、ラップフィラメントに
よるフィラメントの集束性が低くなり、同方向に撚られ
ている第2シース、第1シース及びコアフィラメント
は、撚りはほぐれやすいこととなる。特に、第1シース
は第2シースとほぼ同様の撚り角度で撚られているた
め、ばらけやすい。そこで、タイヤが低内圧で走行する
ような場合、捩じり入力と同時に大きな曲げ入力が付加
され、このようにほぐれたフィラメントは座屈し、特に
第1シースを中心に、フィラメント破断を起こしやすく
なる。このように、コア、シースと同方向に撚ったラッ
プフィラメントを使用した構造では耐フィラメント破断
性は、ラップフィラメントを使用しないコードのそれよ
りは改善されているものの、まだ実用的には完全なレベ
ルとはいえない。
【0039】そこで、コア、第1シース、第2シース及
びラップフィラメントは同方向に撚るのであるが、第2
シースの撚りピッチを第1シースのそれより短くするこ
とにより、特に第1シースの耐フィラメント破断性を改
善することができた。即ち、撚り角度で表現すると、ラ
ップフィラメントの撚り角度P4は40°内外であり、
第1シースの撚り角度P2は80°内外であるので、第
2シースの撚り角度を通常の80°内外、好ましくは7
5°より小さくすることにより、第1シース及びコアフ
ィラメントの撚りほぐれを充分に防止することが可能と
なった。
【0040】また、撚り角度が小さくなることにより、
第2シース自身の撚りほぐれも防止でき、耐フィラメン
ト破断性も改善される。
【0041】本発明のスチールコードの撚り構造を採用
することにより、均一なフレッティング性が達成され、
また同時に、大きな曲げ入力が付加された場合にも、フ
ィラメント座屈破断が起こることがなくなり、スチール
コードの耐久性の高度な改善が達成された。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本発明に
限定されるものでない。各種の評価方法は下記の方法に
よった。 (1)フレッティング深さ サンプルに供したフィラメントは、1000R20トラ
ック・バス用リブタイヤを試作タイヤとして、一般路を
100%荷重で、内圧8kg/cmの条件で、10万
km走行させた後、ビードからビードに達する長さでプ
ライコード10本を引き抜き、トレッド中心部に対応す
る部分で切断した。このゴム付きコードをトルエンに含
侵させ、ゴムと共にラップフィラメントも除去し、第2
シースフィラメントを取り出して、サンプルとした。
【0043】フレッティング深さは、コード2本分の第
2シースフィラメントを、引っ張り試験にて破断させ、
その断面を顕微鏡で観察し、オリジナルフィラメントの
断面を円として、図8に示すhを測定したものの平均値
を、そのコードのフレッティング深さとして表わした。
このフレッティング深さに基づき、次式にて、フレッテ
ィング指数として示した。
【0044】
【数1】
【0045】(2)大曲げ入力時のフィラメント破断率 上記走行タイヤを内圧を零として、車の駆動軸に装着
し、テストコースで1000km走行し、そのタイヤの
コード10本を取り出して、フィラメントの破断の有無
を調べた。つまり、3+9+15撚り構造の場合、フィ
ラメント27X10X2のうち、フィラメント破断した
フィラメント本数の割合求めた。このフィラメント破断
本数の割合を使用して、次式にてフィラメント破断指数
を求めた。
【0046】
【数2】
【0047】(3)撚り角度の測定法 撚り角度の定義に関しては図9に説明した。図9におい
て(A1)、(A2)、(A3)および(A4)は、
(A)にて示したスチールコードのそれぞれコア、第1
シース、第2シースおよびラップフィラメントのl1
2 、l3 およびl4 とr1 、r2 、r3 およびr4
示している。
【0048】また、(B1)、(B2)、(B3)およ
び(B4)は、それぞれl1 、l2、l3 およびl4
1辺とし、2πr1 、2πr2 、2πr3 および2πr
4 を他の一片とする3角形において、l1 、l2 、l3
およびl4 の対角がなす角をそれぞれコア、第1シー
ス、第2シース、およびラップフィラメントの撚り角度
1 、P2 、P3 およびP4 とする関係を示している。
【0049】P1 、P2 、P3 、およびP4 は、それぞ
れr1 、r2 、r3 、およびr4 並びにl1 、l2 、l
3 、およびl4 の値を実測し、次式:
【0050】
【数3】
【0051】から算出した。なお、ここでl1 、l2
3 およびl4 は、それぞれコア、第1シース、第2シ
ースおよびラップフィラメントの撚りピッチの長さを示
す。
【0052】実施例1〜4 表1に示したスチールコードをカーカスプライに適用
し、 タイヤサイズ:1000R20(トラック・バス用ラジ
アルタイヤ) 打ち込み数 :22.0/5cm の試作タイヤを製造し、試験に供した。結果をまとめ
て、表1に示す。
【0053】比較例1〜3 表2に示したスチールコードを同様にカーカスプライに
適用し、実施例と同様に試作タイヤを製造し、試験に供
した。結果はまとめて、表2に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】表2の比較例1のフレッティング指数、フ
ィラメント破断指数を100として、従来提案されてい
たような、ラップフィラメントを除去した例(比較例
2)ではフレッティングは改善されるものの、フィラメ
ントの破断性が悪化することが分る。また、ラップフィ
ラメントを第2シースフィラメントと同方向に撚ったス
チールコードの例(比較例3)では、フレッティング
性、フィラメント破断性ともに改善される。しかし、実
施例1〜3で示される本発明の撚り構造は、耐フレッテ
ィング性および耐フィラメン破断性の両面で、非常に顕
著な改善効果が認められることが分る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、コア、第1シー
ス、第2シースおよびラップフィラメントを同方向に撚
った3層撚り構造において、第2シースの撚りピッチを
第1シースのそれより短く撚ったスチールコードを、ラ
ジアルタイヤのカーカス補強材として使用することによ
り、耐フレッティング性と同時に耐フィラメント破断性
が特に改善され、ラジアルタイヤの耐久性能を著しく改
善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的な3層撚り構造スチールコードの構成要
素を説明する模式図である。
【図2】本発明に従う、撚り構造3+9+15+1の断
面図である。
【図3】本発明に従う、撚り構造2+7+12+1の断
面図である。
【図4】本発明に従う、撚り構造1+6+12+1の断
面図である。
【図5】本発明に従う、撚り構造3+8+13+1の断
面図である。
【図6】本発明に従う、撚り構造2+6+11+1の断
面図である。
【図7】本発明に従う、撚り構造1+6+11+1の断
面図である。
【図8】フレッティング深さhを示す模式図である。
【図9】撚り角度の測定法を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 コア 2 第1シース 3 第2シース 4 ラップフィラメント
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D07B 1/06 - 1/10 B60C 9/00 B60C 9/08 B60C 9/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1〜3本のフィラメントを撚り合わせて
    なるコアと、このコアの周囲に配置した6〜9本のフィ
    ラメントを同軸に撚り合わせてなる第1シースと、この
    第1シースの周囲に配置した12〜15本のフィラメン
    トを同軸に撚り合わせてなる第2シースと、この第2シ
    ースの周囲を1本のラップフィラメントにて撚り合わせ
    てなる、3層撚りスチールコードにおいて、コア、第1
    シース、第2シースおよびラップフィラメントが同方向
    に撚られ、第2シースの撚りピッチが第1シースの撚り
    ピッチよりも短く撚られることを特徴とする、ゴム物品
    補強用スチールコード。
  2. 【請求項2】 コア、第1シースおよび第2シースを構
    成するフィラメント径が0.23mm以下で、実質的に
    同一であることを特徴とする、請求項1に記載するゴム
    物品補強用スチールコード。
  3. 【請求項3】 請求項1、又は請求項2記載のスチール
    コードをベルト層に用いたことを特徴とする空気入りラ
    ジアルタイヤ
  4. 【請求項4】 請求項1、又は請求項2記載のスチール
    コードを、一対のビード部間でトロイド状に延びるラジ
    アル配列コードのプライからなるカーカスに適用するこ
    とを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
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