JP3187601B2 - ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤInfo
- Publication number
- JP3187601B2 JP3187601B2 JP09779693A JP9779693A JP3187601B2 JP 3187601 B2 JP3187601 B2 JP 3187601B2 JP 09779693 A JP09779693 A JP 09779693A JP 9779693 A JP9779693 A JP 9779693A JP 3187601 B2 JP3187601 B2 JP 3187601B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cord
- filament
- steel
- filaments
- twisted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B1/00—Constructional features of ropes or cables
- D07B1/06—Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
- D07B1/0606—Reinforcing cords for rubber or plastic articles
- D07B1/062—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B1/00—Constructional features of ropes or cables
- D07B1/06—Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
- D07B1/0606—Reinforcing cords for rubber or plastic articles
- D07B1/062—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
- D07B1/0626—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration the reinforcing cords consisting of three core wires or filaments and at least one layer of outer wires or filaments, i.e. a 3+N configuration
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B1/00—Constructional features of ropes or cables
- D07B1/06—Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
- D07B1/0606—Reinforcing cords for rubber or plastic articles
- D07B1/062—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
- D07B1/0633—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration having a multiple-layer configuration
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B2201/00—Ropes or cables
- D07B2201/20—Rope or cable components
- D07B2201/2015—Strands
- D07B2201/2024—Strands twisted
- D07B2201/2029—Open winding
- D07B2201/2031—Different twist pitch
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B2201/00—Ropes or cables
- D07B2201/20—Rope or cable components
- D07B2201/2015—Strands
- D07B2201/2024—Strands twisted
- D07B2201/2029—Open winding
- D07B2201/2031—Different twist pitch
- D07B2201/2032—Different twist pitch compared with the core
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B2201/00—Ropes or cables
- D07B2201/20—Rope or cable components
- D07B2201/2095—Auxiliary components, e.g. electric conductors or light guides
- D07B2201/2097—Binding wires
- D07B2201/2098—Binding wires characterized by special properties or the arrangements of the binding wire
Landscapes
- Ropes Or Cables (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空気入りタイヤや工
業用ベルト等のゴム物品の補強材として使用されるスチ
ールコード及びこのスチールコードからなるカーカスを
骨格とする空気入りラジアルタイヤに関し、特に耐久性
の向上をはかろうとするものである。
業用ベルト等のゴム物品の補強材として使用されるスチ
ールコード及びこのスチールコードからなるカーカスを
骨格とする空気入りラジアルタイヤに関し、特に耐久性
の向上をはかろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】スチールコードで補強したゴム物品とし
てよく知られている、タイヤ、中でもトラック、バス用
又はライトトラック用タイヤのカーカスプライには、2
層あるいは3層の多層撚りコードを用いられるのが、通
例である。
てよく知られている、タイヤ、中でもトラック、バス用
又はライトトラック用タイヤのカーカスプライには、2
層あるいは3層の多層撚りコードを用いられるのが、通
例である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、走行中のタ
イヤにおけるスチールコードは、フレッティング摩耗に
よりフィラメント断面積が減少し、コード強力が低下す
るのが、一般的である。そのとき、コード内の一部のフ
ィラメントで断面積減少が激しければ、そのフィラメン
トは衝撃引張り、繰り返し曲げに対して破断を起こしや
すくなる。そして、一旦フィラメントが破断すると、他
のフィラメントの引張り応力が増大し、コードの疲労破
壊が促進される。従って、コードの耐久性を増すために
は、コード内の一部のフィラメントが先行して早期に破
断することを避ける必要があり、コード内フィラメント
の強力低下は一様であることが望ましい。
イヤにおけるスチールコードは、フレッティング摩耗に
よりフィラメント断面積が減少し、コード強力が低下す
るのが、一般的である。そのとき、コード内の一部のフ
ィラメントで断面積減少が激しければ、そのフィラメン
トは衝撃引張り、繰り返し曲げに対して破断を起こしや
すくなる。そして、一旦フィラメントが破断すると、他
のフィラメントの引張り応力が増大し、コードの疲労破
壊が促進される。従って、コードの耐久性を増すために
は、コード内の一部のフィラメントが先行して早期に破
断することを避ける必要があり、コード内フィラメント
の強力低下は一様であることが望ましい。
【0004】そこでこの発明は、ゴム物品とくにトラッ
ク、バス用タイヤを典型例とするラジアルタイヤのカー
カスプライをなすスチールコードにつき、タイヤ走行中
のフレッティング摩耗によるフィラメント断面積の減少
に起因したコード強力の低下を各フィラメントで均一に
することで、コードの耐久性を向上しようとするもので
ある。
ク、バス用タイヤを典型例とするラジアルタイヤのカー
カスプライをなすスチールコードにつき、タイヤ走行中
のフレッティング摩耗によるフィラメント断面積の減少
に起因したコード強力の低下を各フィラメントで均一に
することで、コードの耐久性を向上しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、タイヤ走行
におけるカーカスプライをなすコードのフィラメント
(フィラメント径:0.15mm〜0.25mm) の強力低下を、層
撚り構造のコードのまわりにラップフィラメントをスパ
イラルに巻き付けて、安定化を図ったコードについて調
査したところ、最外側同軸層を構成するフィラメントの
強力低下が極度に大きいこと、さらに、この強力低下の
主要因がラップフィラメントとのフレッティング摩耗で
あることを見出した。
におけるカーカスプライをなすコードのフィラメント
(フィラメント径:0.15mm〜0.25mm) の強力低下を、層
撚り構造のコードのまわりにラップフィラメントをスパ
イラルに巻き付けて、安定化を図ったコードについて調
査したところ、最外側同軸層を構成するフィラメントの
強力低下が極度に大きいこと、さらに、この強力低下の
主要因がラップフィラメントとのフレッティング摩耗で
あることを見出した。
【0006】また、強力低下の主要因であるラップフィ
ラメントを除去し、該ラップフィラメントまわりのフレ
ッティングが発生しないようにしたコードについて調査
したところ、確かにフレッティングは無くなりフィラメ
ントの強力低下は抑制されたが、ラップフィラメントが
無くなったため、コードの拘束性が悪く、コードを極端
に曲げるとフィラメントがばらばらになり、フィラメン
トに異常入力が加わってフィラメントが破断することが
判明した。この場合、コードの破断寿命が、ラップフィ
ラメントでコードをラッピングして安定化させたコード
に比べ、大幅に低下した。すなわち、極端な曲げ入力に
よるコード寿命の低下を防止するには、コードのフィラ
メントが何らかの形で拘束されている必要があることが
明らかになった。
ラメントを除去し、該ラップフィラメントまわりのフレ
ッティングが発生しないようにしたコードについて調査
したところ、確かにフレッティングは無くなりフィラメ
ントの強力低下は抑制されたが、ラップフィラメントが
無くなったため、コードの拘束性が悪く、コードを極端
に曲げるとフィラメントがばらばらになり、フィラメン
トに異常入力が加わってフィラメントが破断することが
判明した。この場合、コードの破断寿命が、ラップフィ
ラメントでコードをラッピングして安定化させたコード
に比べ、大幅に低下した。すなわち、極端な曲げ入力に
よるコード寿命の低下を防止するには、コードのフィラ
メントが何らかの形で拘束されている必要があることが
明らかになった。
【0007】上記の調査によって、層撚り構造のカーカ
スプライコードにおいては、フィラメントの拘束を維持
して、コードへ大きな曲げ入力が加わった際のフィラメ
ントへの異常入力を抑制しつつ、ラップフィラメントと
コード最外側同軸層のフィラメントとのフレッティング
摩耗を軽減し、最外側同軸層のフィラメントの強力低下
を防止することが有利であることを知見するに到り、こ
の発明を完成した。
スプライコードにおいては、フィラメントの拘束を維持
して、コードへ大きな曲げ入力が加わった際のフィラメ
ントへの異常入力を抑制しつつ、ラップフィラメントと
コード最外側同軸層のフィラメントとのフレッティング
摩耗を軽減し、最外側同軸層のフィラメントの強力低下
を防止することが有利であることを知見するに到り、こ
の発明を完成した。
【0008】すなわちこの発明は、1〜4本のスチール
フィラメントからなる中心基本構造と、この中心基本構
造のまわりに配列した多数本のスチールフィラメントか
らなる少なくとも1層の同軸層とを、少なくとも1層の
同軸層はその隣接同軸層または中心基本構造と異なるピ
ッチで、撚り合わせてなるスチールコードにして、最外
側同軸層のまわりで、該同軸層の撚り方向と同一方向の
スパイラルに巻き付けた、ラップフィラメントをそなえ
ることを特徴とする、ゴム物品補強用スチールコードで
ある。
フィラメントからなる中心基本構造と、この中心基本構
造のまわりに配列した多数本のスチールフィラメントか
らなる少なくとも1層の同軸層とを、少なくとも1層の
同軸層はその隣接同軸層または中心基本構造と異なるピ
ッチで、撚り合わせてなるスチールコードにして、最外
側同軸層のまわりで、該同軸層の撚り方向と同一方向の
スパイラルに巻き付けた、ラップフィラメントをそなえ
ることを特徴とする、ゴム物品補強用スチールコードで
ある。
【0009】さらに、この発明は、上記のスチールコー
ドを、1対のビード部間でトロイド状に延びるラジアル
配列コードのプライからなるカーカスを骨格とする空気
入りラジアルタイヤにおける、ラジアル配列コードに適
用してなるものである。
ドを、1対のビード部間でトロイド状に延びるラジアル
配列コードのプライからなるカーカスを骨格とする空気
入りラジアルタイヤにおける、ラジアル配列コードに適
用してなるものである。
【0010】ここでラップフィラメントは、2mm〜6mm
のピッチで最外側同軸層のまわりに巻き付けることが望
ましく、該ラップフィラメントをそなえるスチールコー
ドをラジアルタイヤのカーカスプライに適用することに
より、耐腐食疲労性を向上させるとともに、フィラメン
ト拘束を維持しつつ、最外側同軸層とラップフィラメン
トとの間のフレッティングによる、コード強力低下を抑
制し得る。
のピッチで最外側同軸層のまわりに巻き付けることが望
ましく、該ラップフィラメントをそなえるスチールコー
ドをラジアルタイヤのカーカスプライに適用することに
より、耐腐食疲労性を向上させるとともに、フィラメン
ト拘束を維持しつつ、最外側同軸層とラップフィラメン
トとの間のフレッティングによる、コード強力低下を抑
制し得る。
【0011】また、最外側同軸層およびラップフィラメ
ントの撚り方向が同一であれば、中心基本構造と同軸層
とのフィラメント径は同じでも異なっていてもよい。さ
らに、最外側同軸層およびラップフィラメントの撚りピ
ッチが同一であると、最外側同軸層のフィラメント間に
ラップフィラメントが落ち込むため、ピッチを異ならせ
ることが好ましい。
ントの撚り方向が同一であれば、中心基本構造と同軸層
とのフィラメント径は同じでも異なっていてもよい。さ
らに、最外側同軸層およびラップフィラメントの撚りピ
ッチが同一であると、最外側同軸層のフィラメント間に
ラップフィラメントが落ち込むため、ピッチを異ならせ
ることが好ましい。
【0012】さて図1および図2に、この発明に従うゴ
ム物品補強用スチールコードの断面を、撚り構造3+9
+1および1+6+12+1のタイプについて示す。各図
に斜線で示した3または1本のスチールフィラメント
が、中心基本構造(以下コアと示す)1であり、コア1
のまわりで互いに隣接して配列した、スチールフィラメ
ントが同軸層(以下シースと示す)で、図1の例では9
本のシース2をそなえ、図2の例では6本のシース2の
外側に、コア1と交差する向きに延びる斜線で示した第
2のシース3をそなえ、さらに最外側のシースのまわり
に、このシースの撚り方向と同一方向のスパイラルに巻
付けたラップフィラメント4をそなえる。
ム物品補強用スチールコードの断面を、撚り構造3+9
+1および1+6+12+1のタイプについて示す。各図
に斜線で示した3または1本のスチールフィラメント
が、中心基本構造(以下コアと示す)1であり、コア1
のまわりで互いに隣接して配列した、スチールフィラメ
ントが同軸層(以下シースと示す)で、図1の例では9
本のシース2をそなえ、図2の例では6本のシース2の
外側に、コア1と交差する向きに延びる斜線で示した第
2のシース3をそなえ、さらに最外側のシースのまわり
に、このシースの撚り方向と同一方向のスパイラルに巻
付けたラップフィラメント4をそなえる。
【0013】また、図3は撚り構造3+9+15+1のタ
イプで、9本の第1シース2の外側に15本の第2シース
3をそなえる例である。
イプで、9本の第1シース2の外側に15本の第2シース
3をそなえる例である。
【0014】さらに、図4は撚り構造3+8+1のタイ
プで、コア1のまわりに間隔をもって配置した8本のシ
ース2の外側に、ラップフィラメント4をそなえる例で
ある。すなわち、該コードは、シース2のフィラメント
間に隙間が形成されるため、例えばタイヤの補強に供し
たときに、各フィラメント間へのゴムの侵入が容易には
かられる構造である。従って、特に低内圧でタイヤを使
用する際に、比較的大きな曲げ入力が付加された場合に
も、フィラメント間のゴムによりフィラメントの動きが
制限され、コードの耐破断性を向上することが可能であ
る。同様に、コードのフィラメント間へのゴム侵入を容
易としたコードとしては、図4に示したコードのシース
2の外側に、さらに13本のフィラメントを配置した、
3+8+13+1構造のコードも、この発明に有利に適
合する。
プで、コア1のまわりに間隔をもって配置した8本のシ
ース2の外側に、ラップフィラメント4をそなえる例で
ある。すなわち、該コードは、シース2のフィラメント
間に隙間が形成されるため、例えばタイヤの補強に供し
たときに、各フィラメント間へのゴムの侵入が容易には
かられる構造である。従って、特に低内圧でタイヤを使
用する際に、比較的大きな曲げ入力が付加された場合に
も、フィラメント間のゴムによりフィラメントの動きが
制限され、コードの耐破断性を向上することが可能であ
る。同様に、コードのフィラメント間へのゴム侵入を容
易としたコードとしては、図4に示したコードのシース
2の外側に、さらに13本のフィラメントを配置した、
3+8+13+1構造のコードも、この発明に有利に適
合する。
【0015】
【作用】層撚りコードのフィラメント強力低下の不均一
性、特にタイヤ走行中の最外側シースフィラメントの極
度の強力低下は、ラップフィラメントが最外側シースフ
ィラメントと異なる方向に撚られていることによるもの
である。すなわち、両者の撚り方向が異なるため接触面
積は小さくなり、その単位面積当たりの接触圧が大きく
ことによる。
性、特にタイヤ走行中の最外側シースフィラメントの極
度の強力低下は、ラップフィラメントが最外側シースフ
ィラメントと異なる方向に撚られていることによるもの
である。すなわち、両者の撚り方向が異なるため接触面
積は小さくなり、その単位面積当たりの接触圧が大きく
ことによる。
【0016】また、タイヤの転動時に、タイヤ接地部の
カーカスプライコードには その軸方向において捩じれ
が生じる。そして、この捩じれ入力が、最外側シースの
撚りがほぐれる方向に加わる場合、ラップフィラメント
が最外側シースフィラメントと異なる方向に撚られてい
ると、ラップフィラメントの撚りが締まる方向に捩じれ
入力が発生し、最外側シースフィラメントとラップフィ
ラメントとの間に相対移動が起こる。接触圧が大きい上
に、大きな相対移動が起こると、ラップフィラメントに
よって最外側シースフィラメントの断面積減少が進行
し、その結果、最外側シースフィラメントの強力低下が
生じる。
カーカスプライコードには その軸方向において捩じれ
が生じる。そして、この捩じれ入力が、最外側シースの
撚りがほぐれる方向に加わる場合、ラップフィラメント
が最外側シースフィラメントと異なる方向に撚られてい
ると、ラップフィラメントの撚りが締まる方向に捩じれ
入力が発生し、最外側シースフィラメントとラップフィ
ラメントとの間に相対移動が起こる。接触圧が大きい上
に、大きな相対移動が起こると、ラップフィラメントに
よって最外側シースフィラメントの断面積減少が進行
し、その結果、最外側シースフィラメントの強力低下が
生じる。
【0017】そこで層撚りコードを拘束するスパイラル
のラップフィラメントの撚り方向を最外側シースフィラ
メントと同一方向にすることにより、最外側シースフィ
ラメントとラップフィラメントとの接触面積が増加し、
両者の間の接触圧が減少するとともに、コードに捩じれ
入力があっても、最外側シースフィラメントとラップフ
ィラメントとの間の相対移動量が減少し、最外側シース
フィラメントの断面積減少、ひいてはこれに起因する強
力低下が抑制される。またラップフィラメントによりフ
ィラメントが拘束されるので、コードを極端に曲げたと
きにフィラメントがばらばらになり、一部のフィラメン
トに異常入力が加わって、コードの破断寿命が低下する
こともない。
のラップフィラメントの撚り方向を最外側シースフィラ
メントと同一方向にすることにより、最外側シースフィ
ラメントとラップフィラメントとの接触面積が増加し、
両者の間の接触圧が減少するとともに、コードに捩じれ
入力があっても、最外側シースフィラメントとラップフ
ィラメントとの間の相対移動量が減少し、最外側シース
フィラメントの断面積減少、ひいてはこれに起因する強
力低下が抑制される。またラップフィラメントによりフ
ィラメントが拘束されるので、コードを極端に曲げたと
きにフィラメントがばらばらになり、一部のフィラメン
トに異常入力が加わって、コードの破断寿命が低下する
こともない。
【0018】なお、ラップフィラメントの撚り方向を最
外側シースフィラメントと同一方向にするのは、コード
製造時の型付け率およびトーション(残留ねじれ応力)
を適宜制御することによって、作業性を阻害することな
しに、中でもトリート裁断時または裁断後に反りを発生
させることなしに、実現できる。
外側シースフィラメントと同一方向にするのは、コード
製造時の型付け率およびトーション(残留ねじれ応力)
を適宜制御することによって、作業性を阻害することな
しに、中でもトリート裁断時または裁断後に反りを発生
させることなしに、実現できる。
【0019】
【実施例】実施例1 表1に従うスチールコードをカーカスプライに適用し、 タイヤサイズ :11/70R22.5 14PR (トラックバス用ラジアルタイヤ) 打ち込み数:22.0 本/5cm ドラム走行条件:速度 60km/h 内圧 8kgf /cm2(通常時) 1kgf /cm2(大曲げ入力時) 荷重 JIS 100 % 荷重 (通常時) JIS 40 % 荷重 (大曲げ入力時) の試験条件を共通にして、カーカスプライがスチールフ
ィラメントの配列数を同じくする撚り構造3+9+1Z
撚りスパイラルコード (比較例1:コントロール) 、ラ
ップフィラメントを除去した層撚りコードである3+9
(比較例2) に対し、この発明に従う、3+9+1S撚
りスパイラルコード (実施例1) を対比して、コントロ
ールの成績を100 とする指数表示により、フレッティッ
グ深さおよび大曲げ入力時のコード破断の有無を表1に
まとめて示す。
ィラメントの配列数を同じくする撚り構造3+9+1Z
撚りスパイラルコード (比較例1:コントロール) 、ラ
ップフィラメントを除去した層撚りコードである3+9
(比較例2) に対し、この発明に従う、3+9+1S撚
りスパイラルコード (実施例1) を対比して、コントロ
ールの成績を100 とする指数表示により、フレッティッ
グ深さおよび大曲げ入力時のコード破断の有無を表1に
まとめて示す。
【0020】評価方法 (1) フレッティング深さ フレッティング深さは、上記した通常時条件のドラム走
行後のタイヤから取り出したコード2本分の最外側シー
スフィラメントを引っ張り試験にて破断させ、その断面
を顕微鏡で観察し、オリジナルフィラメントの断面を円
として、図5に示すhを測定したものの平均値を、その
コードのフレッティング深さとして、
行後のタイヤから取り出したコード2本分の最外側シー
スフィラメントを引っ張り試験にて破断させ、その断面
を顕微鏡で観察し、オリジナルフィラメントの断面を円
として、図5に示すhを測定したものの平均値を、その
コードのフレッティング深さとして、
【0021】
【数1】 で表した。
【0022】(2) 大曲げ入力時のコード破断 大曲げ入力条件で1万kmのドラム走行させたタイヤのコ
ードを取り出して、破断の有無を調べた。
ードを取り出して、破断の有無を調べた。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 表2に従うスチールコードをカーカスプライに適用し、 タイヤサイズ :11/70R22.5 14PR (トラックバス用ラジアルタイヤ) 打ち込み数 : 20.0 本/5cm ドラム走行条件:速度 60km/h 内圧 8kgf /cm2(通常時) 1kgf /cm2(大曲げ入力時) 荷重 JIS 100 % 荷重( 通常時) JIS 40 % 荷重( 大曲げ入力時) の試験条件を共通にして、カーカスプライがスチールフ
ィラメントの配列数を同じくする撚り構造1+6+12+
1Z撚りスパイラルコード( 比較例3:コントロール)
、ラップフィラメントを除去した層撚りコードである
1+6+12 (比較例4) に対し、この発明に従う、1+
6+12+1S撚りスパイラルコード (実施例2) を対比
して、コントロールの成績を100 とする指数表示によ
り、フレッティッグ深さおよび大曲げ入力時のコード破
断の有無を表2にまとめて示す。なお評価方法は上記し
た表1の場合と同様である。また、コアフィラメントが
1本の場合、その撚りピッチは無限大と考えることとす
る。
ィラメントの配列数を同じくする撚り構造1+6+12+
1Z撚りスパイラルコード( 比較例3:コントロール)
、ラップフィラメントを除去した層撚りコードである
1+6+12 (比較例4) に対し、この発明に従う、1+
6+12+1S撚りスパイラルコード (実施例2) を対比
して、コントロールの成績を100 とする指数表示によ
り、フレッティッグ深さおよび大曲げ入力時のコード破
断の有無を表2にまとめて示す。なお評価方法は上記し
た表1の場合と同様である。また、コアフィラメントが
1本の場合、その撚りピッチは無限大と考えることとす
る。
【0025】
【表2】
【0026】実施例3 表3に従うスチールコードをカーカスプライに適用し、 タイヤサイズ :11/70R22.5 14PR (トラックバス用ラジアルタイヤ) 打ち込み数 :19.8 本/5cm ドラム走行条件:速度 60km/h 内圧 8kgf /cm2(通常時) 1kgf /cm2(大曲げ入力時) 荷重 JIS 100 % 荷重( 通常時) JIS 40 % 荷重( 大曲げ入力時) の試験条件を共通にして、カーカスプライがスチールフ
ィラメントの配列数を同じくする撚り構造3+9+15+
1S撚りスパイラルコード( 比較例5:コントロール)
およびラップフィラメントを除去した層撚りコードであ
る3+9+15 (比較例6) に対し、この発明に従う、3
+9+15+1Z撚りスパイラルコード (実施例3) を対
比して、コントロールの成績を100 とする指数表示によ
り表すフレッティッグ深さおよび大曲げ入力時のコード
破断の有無を表3にまとめて示す。なお評価方法は上記
した表1の場合と同様である。
ィラメントの配列数を同じくする撚り構造3+9+15+
1S撚りスパイラルコード( 比較例5:コントロール)
およびラップフィラメントを除去した層撚りコードであ
る3+9+15 (比較例6) に対し、この発明に従う、3
+9+15+1Z撚りスパイラルコード (実施例3) を対
比して、コントロールの成績を100 とする指数表示によ
り表すフレッティッグ深さおよび大曲げ入力時のコード
破断の有無を表3にまとめて示す。なお評価方法は上記
した表1の場合と同様である。
【0027】
【表3】
【0028】実施例4 表4に従うスチールコードをカーカスプライに適用し、 タイヤサイズ :11/70R22.5 14PR (トラックバス用ラジアルタイヤ) 打ち込み数 :31.8 本/5cm ドラム走行条件:速度 60km/h 内圧 8kgf /cm2(通常時) 1kgf /cm2(大曲げ入力時) 荷重 JIS 100 % 荷重( 通常時) JIS 40 % 荷重( 大曲げ入力時) の試験条件を共通にして、カーカスプライがスチールフ
ィラメントの配列数を同じくする撚り構造3+8+1Z
撚りスパイラルコード( 比較例7:コントロール) およ
びラップフィラメントを除去した層撚りコードである3
+8 (比較例8)に対し、この発明に従う、3+8+1
S撚りスパイラルコード (実施例4) を対比して、コン
トロールの成績を100 とする指数表示により表すフレッ
ティッグ深さおよび大曲げ入力時のコード破断の有無を
表4にまとめて示す。なお評価方法は上記した表1の場
合と同様である。
ィラメントの配列数を同じくする撚り構造3+8+1Z
撚りスパイラルコード( 比較例7:コントロール) およ
びラップフィラメントを除去した層撚りコードである3
+8 (比較例8)に対し、この発明に従う、3+8+1
S撚りスパイラルコード (実施例4) を対比して、コン
トロールの成績を100 とする指数表示により表すフレッ
ティッグ深さおよび大曲げ入力時のコード破断の有無を
表4にまとめて示す。なお評価方法は上記した表1の場
合と同様である。
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に従うラ
ジアルタイヤは、すなわちカーカスプライに、最外側シ
ースの撚り方向と同一方向にスパイラルのラップフィラ
メントを巻き付けた構造の層撚りコードを適用すること
により、最外側シースフィラメントのラップフィラメン
トによるフレッティング摩耗は低減し、コード内フィラ
メント強力低下が均等になってコード寿命が向上し、従
ってタイヤの耐久性を著しく改善することができる。
ジアルタイヤは、すなわちカーカスプライに、最外側シ
ースの撚り方向と同一方向にスパイラルのラップフィラ
メントを巻き付けた構造の層撚りコードを適用すること
により、最外側シースフィラメントのラップフィラメン
トによるフレッティング摩耗は低減し、コード内フィラ
メント強力低下が均等になってコード寿命が向上し、従
ってタイヤの耐久性を著しく改善することができる。
【図1】撚り構造3+9+1の層撚り構造コードの断面
図である。
図である。
【図2】撚り構造1+6+12+1の層撚り構造コードの
断面図である。
断面図である。
【図3】撚り構造3+9+15+1の層撚り構造コードの
断面図である。
断面図である。
【図4】撚り構造3+8+1の層撚り構造コードの断面
図である。
図である。
【図5】フレッティング深さhを示す模式図である。
1 コア 2 シース 3 第2のシース 4 ラップフィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−67901(JP,A) 特開 平5−247860(JP,A) 特開 平5−44183(JP,A) 特開 昭63−256782(JP,A) 特開 昭59−223503(JP,A) 特開 平7−109684(JP,A) 実開 昭58−188201(JP,U) 特公 平8−11872(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D07B 1/00 - 9/00
Claims (2)
- 【請求項1】 1〜4本のスチールフィラメントからな
る中心基本構造と、この中心基本構造のまわりに配列し
た多数本のスチールフィラメントからなる少なくとも1
層の同軸層とを、少なくとも1層の同軸層はその隣接同
軸層または中心基本構造と異なるピッチで、撚り合わせ
てなるスチールコードにして、最外側同軸層のまわり
で、該同軸層の撚り方向と同一方向のスパイラルに巻き
付けた、ラップフィラメントをそなえることを特徴とす
る、ゴム物品補強用スチールコード。 - 【請求項2】 1対のビード部間でトロイド状に延びる
ラジアル配列コードのプライからなるカーカスを骨格と
する空気入りラジアルタイヤであって、該ラジアル配列
コードに、請求項1に記載のスチールコードを適用して
なる空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09779693A JP3187601B2 (ja) | 1992-04-27 | 1993-04-23 | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10774292 | 1992-04-27 | ||
JP4-107742 | 1992-04-27 | ||
JP09779693A JP3187601B2 (ja) | 1992-04-27 | 1993-04-23 | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0617384A JPH0617384A (ja) | 1994-01-25 |
JP3187601B2 true JP3187601B2 (ja) | 2001-07-11 |
Family
ID=26438940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09779693A Expired - Fee Related JP3187601B2 (ja) | 1992-04-27 | 1993-04-23 | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3187601B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0827686A (ja) * | 1994-05-10 | 1996-01-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 金属コード、その製造方法及び装置、同コードを用いたゴム複合物 |
JPH08176978A (ja) * | 1994-12-26 | 1996-07-09 | Bridgestone Corp | ゴム物品補強用スチールコード及び空気入りラジアルタイヤ |
JP5692749B2 (ja) * | 2011-02-24 | 2015-04-01 | 株式会社ブリヂストン | ゴム物品補強用スチールコードおよびゴム−スチールコード複合体 |
-
1993
- 1993-04-23 JP JP09779693A patent/JP3187601B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0617384A (ja) | 1994-01-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3455352B2 (ja) | ゴム補強用スチールコード及びそれを使用したラジアルタイヤ | |
JP3643123B2 (ja) | ゴム物品補強用スチールコード及び空気入りタイヤ | |
EP0752325A1 (en) | Pneumatic radial tire | |
EP0488735B1 (en) | Steel cords for rubber reinforcement and pneumatic radial tires using the same | |
JP5580559B2 (ja) | ゴム物品補強用スチールコードおよびそれを用いたタイヤ | |
EP1344864B1 (en) | Steel cord, method of making the same and pneumatic tire including the same | |
JP3709551B2 (ja) | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りタイヤ | |
EP0669421B1 (en) | Steel cords for the reinforcement of rubber articles and pneumatic radial tires using the same | |
JP3187601B2 (ja) | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ | |
JP4097820B2 (ja) | ゴム物品補強用スチールコード | |
JP3177074B2 (ja) | ゴム物品補強用スチールコード及び空気入りラジアルタイヤ | |
JP3708678B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP3204579B2 (ja) | スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ | |
EP0568271B1 (en) | Steel cords for reinforcement of rubber articles and pneumatic radial tires | |
JP3678871B2 (ja) | ゴム補強用スチールコードおよびそれを使用した重荷重用ラジアルタイヤ | |
JP3529875B2 (ja) | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ | |
JP2009114594A (ja) | ゴム物品補強用スチールコードおよびタイヤ | |
JP3816567B2 (ja) | ゴム補強用スチールコード及びそれを使用したラジアルタイヤ | |
JPH10131065A (ja) | ゴム物品補強用スチールコードおよびそれを使用した重荷重用ラジアルタイヤ | |
JPH05279975A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JPH08176977A (ja) | ゴム補強用スチールコード及びそれを使用したラジアルタイヤ | |
JP2004276871A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JPH07109686A (ja) | スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ | |
JPH0329355Y2 (ja) | ||
JPS6241338A (ja) | ゴム物品補強用スチ−ルコ−ド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |