JP3176477B2 - 暴走検知装置 - Google Patents

暴走検知装置

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JP3176477B2 JP11890093A JP11890093A JP3176477B2 JP 3176477 B2 JP3176477 B2 JP 3176477B2 JP 11890093 A JP11890093 A JP 11890093A JP 11890093 A JP11890093 A JP 11890093A JP 3176477 B2 JP3176477 B2 JP 3176477B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロプロセッサを
中心とする制御システムにおける暴走検知装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロプロセッサ(以下MPUとい
う)を中心とするシステムの主要部はMPU本体、プロ
グラムを格納するメモリ部およびハードウェアにおける
制御を行う制御部からなる。このようなシステムにおい
ては動作中に外部からのノイズなどの影響でプログラム
が正常に動作しなくなることがある。これは一般に暴走
と呼ばれている。一旦暴走が発生した場合はこれを検知
し、システムをリセットした後再び起動からやり直す必
要がある。暴走を検知し、システムのリセットを行う回
路を暴走検知回路と呼ぶ。
【0003】従来の暴走の検知方法としては、タイマを
利用し周期アクセスを行うものなどが知られている。図
3に従来の暴走検知装置の一例を示す回路図である。1
は周期アクセスによる暴走検知を行うためのフリップフ
ロップ回路であり、2はフリップフロップ回路1によっ
て暴走が検知されたときにシステムにリセットをかける
ための信号をつくるフリップフロップ回路であり、3は
論理積である。またAはタイマによってつくられた一定
間隔で発生するパルス信号であり、BはMPUからの解
除信号であり、ソフトウェアによって設定する。Cはシ
ステムクロックであり、パルス信号Aはこのシステムク
ロックCに同期しているものとする。DおよびEはそれ
ぞれフリップフロップ回路1および論理積3の出力信号
である。Fはシステムにリセットをかけるための出力信
号とする。図4に図3の回路のタイミングチャートを示
す。ここで信号Aは説明のために10msとする。
【0004】第1回目の信号Aが発生したところにおい
て信号Dがイネーブルになっているが、信号Bが発生し
ているために信号Dは解除される第2回目も同様であ
る。これが正常動作である。第3回目の信号Aが発生し
た後、第4回目の信号Aが発生するまでに信号Bが発生
しないために、信号Dは解除されず信号Eが発生する。
これを受けて信号Fがイネーブルとなり、システムにリ
セットがかかる。これが暴走を検知した動作である。
【0005】以上説明した回路はシステムの起動時から
すぐに10ms毎の解除信号BをMPUから発生させな
ければならないが、システムの起動時は、ソフトウェア
においてメモリのチェックなどを行うために解除信号が
間に合わない場合が起こる。この対策のために図5に示
すような暴走検知許可回路を設ける。図5において1〜
3およびA〜Fは図3と同様である。4は暴走検知許可
用のフリップフロップ回路であり、5は論理積である。
また、GはMPUが出力する暴走検知許可信号であり、
Hはフリップフロップ回路4の出力信号であり、Iは論
理積5の出力信号である。この回路において、MPUが
暴走検知許可信号Gをイネーブルにしない限り暴走検知
装置は動作しない。すなわち、ソフトウェアの指示によ
って暴走検知装置の動作開始を変更できることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】システムの起動時には
電圧変動や、ICの未接続などの影響で比較的暴走が発
生しやすい。しかし、従来の暴走検知装置においては、
周期アクセスに対してMPUからの暴走検知許可の制御
を行わない図3の場合は、起動時に正常動作にもかかわ
らず誤って暴走とみなすことがあり、一方暴走検知許可
制御を行う図4の場合には、起動時の暴走を検知できな
いという問題点を有していた。
【0007】本発明は上記問題を解決するもので、シス
テムの起動時に周期アクセスの間に合わない処理をMP
Uが行う場合も、正常に暴走検知を行うことができる暴
走検知装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の暴走検知装置は、MPUのメモリマップ上
に暴走検知許可を行うまではアクセスを行わないように
規定した領域を設けておき、その領域にMPUがアクセ
スを行った際に暴走であるとみなし、さらに、周期アク
セスによる暴走検知許可を行った以降は、起動時に禁止
していたメモリマップ上の領域にアクセスしても暴走と
みなさないようにしたものである。
【0009】
【作用】本発明は、上記した構成により、システムの起
動時に周期アクセスの間に合わない処理をMPUが行う
場合も、正常に暴走検知を行うことができる。
【0010】
【実施例】以下本発明の1暴走検知装置の一実施例につ
いて、図を参照しながら説明する。図1は本発明の一実
施例の暴走検知装置の回路図である。図1において、1
〜5、A〜Iは従来例と同様である。6はメモリマップ
上の特定の領域(以下リザーブ領域とする)のアクセス
を検知するためのフリップフロップであり、7は論理
積、8は論理和である。Jはリザーブ領域にアクセスが
あったことを示す信号であり、Kはフリップフロップ回
路4からの暴走検知許可信号Gの反転信号Hバーとリザ
ーブ領域のアクセス信号Jとの論理積の出力であり、L
はリザーブ領域の暴走検知信号であり、Mは周期アクセ
スによる暴走検知信号Eと、リザーブ領域からの暴走検
知信号Lとの論理和の出力信号である。
【0011】図2(a)に図1の回路の周期アクセスに
よる暴走検知のタイミングチャートを、図2(b)に図
1の回路のリザーブ領域アクセスによる暴走検知のタイ
ミングチャートを示す。図2(a)において、暴走検知
許可信号Gがディセーブルのときには解除信号Bが発生
しなくても暴走とは見なさずシステムにリセットをかけ
る信号Fはイネーブルにならない。また、暴走検知許可
信号Gをイネーブルにするとアクセス信号Jが発生して
も暴走にはならない。すなわちこのときリザーブ領域に
何らかのデバイスを割り付けてもシステムへの影響はな
い。しかし、解除信号Bが発生しないときは暴走とな
り、信号Fはイネーブルとなる。一方図2(b)におい
て、暴走検知許可信号Gがディセーブルのとき、アクセ
ス信号Jが発生すると信号A、信号Bの如何に関わらず
暴走となり、信号Fはイネーブルとなる。
【0012】これにより、図1の回路においてはリザー
ブ領域に割り付けているデバイスに対し、MPUが暴走
検知許可信号をイネーブルにするまでは一切のアクセス
を行わず、暴走検知許可信号をイネーブルにした後にア
クセスを許可することになる。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、MPUの
メモリマップ上に暴走検知許可を行うまではアクセスを
行わないように規定した領域を設けておき、その領域に
MPUがアクセスを行った際に暴走であるとみなし、さ
らに周期アクセスによる暴走検知許可を行った以降は、
起動時に禁止していたメモリマップ上の領域にアクセス
しても暴走とみなさないようにするものであり、これに
より、システムの起動時に周期アクセスの間に合わない
処理をMPUが行う場合も、正常に暴走検知を行うこと
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の暴走検知装置の回路図
【図2】図1の暴走検知装置のタイムチャート
【図3】従来の暴走検知装置の一例を示す回路図
【図4】図3の従来の暴走検知装置のタイムチャート
【図5】従来の暴走検知装置の他の例を示す回路図
【符号の説明】
1 フリップフロップ回路 2 フリップフロップ回路 3 論理積 4 フリップフロップ回路 5 論理積 6 フリップフロップ回路 7 論理積 8 論理和 A タイマによるパルス信号 B MPUからの解除信号 C システムクロック D フリップフロップ1の出力信号 E 論理積3の出力信号 F リセットをかける出力信号 G 暴走検知許可信号 H フリップフロップ4の出力信号 I 論理積5の出力信号 J リザーブ領域のアクセス信号 K 論理積7の出力信号 L リザーブ領域の暴走検知信号 M 論理和8の出力信号

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロプロセッサの暴走検知を行わせ
    るための暴走検知許可信号と、上記マイクロプロセッサ
    のメモリマップ上に割り付けた前記暴走検知許可信号を
    イネーブルにするまではアクセスを行わないように規定
    した領域とを有し、前記領域に前記マイクロプロセッサ
    がアクセスを行った際に前記暴走検知許可信号がイネー
    ブルでないときには暴走であるとみなし、イネーブルの
    ときには暴走とみなさない暴走検知装置。
  2. 【請求項2】 暴走検知許可信号をイネーブルにする
    と、前記領域に何らかのアクセス信号が発生しても暴走
    と見なさず、マイクロプロセッサからの解除信号が発生
    しないときは暴走と見なしてマイクロプロセッサへリセ
    ット信号を発生し、暴走検知許可信号がイネーブルでな
    いとき、前記領域にアクセス信号が発生すると解除信号
    の如何に関わらず暴走と見なす請求項1記載の暴走検知
    装置。
  3. 【請求項3】メモリマップ上に暴走検知許可信号がイネ
    ーブルになるまではアクセスを行わないように規定した
    特定の領域を設け、 暴走検知許可信号Gと前記特定の領域にアクセスがあっ
    たことを示すアクセス信号Jとの論理積を取る論理積手
    段と、 前記論理積手段の出力Kにより前記特定の領域のアクセ
    スを検知するフリップフロップと、 周期的に生成される暴走検知信号Eと前記フリップフロ
    ップから出力される暴走検知信号Lとの論理和を取る論
    理和手段と、 前記論理和手段の出力によってシステムにリセットをか
    けるリセット信号Fを発生させる手段とを備え、 暴走検知許可信号Gをイネーブルにすると、前記特定の
    領域に何らかのデバイスを割り付ける等によりアクセス
    信号Jが発生しても暴走と見なさず、マイクロプロセッ
    サからの解除信号Bが発生しないときは暴走と見なして
    リセット信号Fを発生し、暴走検知許可信号Gがイネー
    ブルでないとき、マイクロプロセッサからの解除信号B
    が発生しなくてもリセット信号Fはイネーブルになら
    ず、アクセス信号Jが発生すると解除信号Bの如何に関
    わらず暴走と見なしてリセット信号Fを発生することを
    特徴とする暴走検知装置。
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