JP3175431U - 台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度低下を抑制するとともに、効率よく重ね合わせて保管することができる台車を提供する。
【解決手段】同一面に並列に設けられた一対の帯板7a,7bと該一対の帯板7a,7bの互いに異なる側の端部間に渡して設けられた一つの連結部材9とを有してなる荷台3と、この荷台3の下面に設けられた少なくとも1つのキャスタ11を含む複数の車輪とを有している。上記の構造を備えることにより、台車の略Z字状に形成された荷台の形状に沿って別の台車の荷台を隙間なく重ね合わせることができるため、ネスティングしたときの台車の保管スペースを小さくすることができる。また、台車を構成する帯板や連結部材の断面積を大きくしても、台車同士を互いに重ね合わせることができるため、台車の強度不足を抑制し、台車の変形を防ぐことができる。
【選択図】図1

Description

本考案は、荷物を搬送する台車に係り、特に、複数の台車を隙間なく重ねて保管することができる台車に関する。
例えば、倉庫や工場などの敷地内で人手により荷物を搬送するときには、キャスタ付きの台車が使われる。しかし、この種の台車は、使われないときには、敷地内のスペースを占有してしまうため、作業の支障になることが多く、台車を壁などに立てかけるなどの余分な作業が必要になる。
これに対し、特許文献1には、間隔をあけて配置される一対の帯板同士を互いに連結部材で連結し、各帯板の底面にキャスタを取り付けるとともに、各帯板を2重構造にして、その2重構造の隙間に水平方向から別の台車の連結部材を挿入可能に形成した台車の構造が開示されている。これによれば、複数の台車を互いに近づけたときに、一方の台車の連結部材が他方の台車の帯板の隙間にはまりこむため、複数の台車を重ねてネスティングすることができ、保管スペースを小さくすることができる。
また、特許文献2には、台車の底部に垂直下向きに延在する複数の支持杆を設けるとともに、台車の上部の支持杆と対応する位置に支持杆がそれぞれ嵌合される複数の凹部を設けることにより、複数の台車を安定して積み上げることができる台車の構造が開示されている。
特開2004−210018号公報 実開平6−57766号公報
しかしながら、特許文献1の台車は、連結部材が挿入される隙間を帯板に設けているために帯板を2重構造にしなければならず、構造が複雑になっている。そのため、台車を構成する部材の断面積が小さなることから、強度不足を招きやすく、使用するにつれて台車が変形するおそれがある。また、特許文献1の台車は、複数の台車を積み上げることができない。
一方、特許文献2の台車は、台車同士を高さ方向に積み重ねることができるが、特許文献1のように、ネスティングできない。
本考案は、台車の強度低下を抑制するとともに、台車を効率よく重ね合わせて保管することができる台車を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本考案の台車は、同一面に並列に設けられた一対の帯板と該一対の帯板の互いに異なる側の端部間に渡して設けられた一つの連結部材とを有してなる荷台と、該荷台の下面に設けられて少なくとも1つのキャスタを含む複数の車輪とを有してなることを特徴とする。
これによれば、台車の略Z字状に形成された荷台の形状に沿って別の台車の荷台を隙間なく重ね合わせることができるため、ネスティングしたときの台車の保管スペースを小さくすることができる。また、台車を構成する帯板や連結部材の断面積を大きくしても、台車同士を互いに重ね合わせることができるため、台車の強度不足を抑制し、台車の変形を防ぐことができる。
この場合において、荷台の底部から起立して設けられた複数の柱状部材と、これら柱状部材に対応する位置の荷台の上部からそれぞれ起立して設けられ、柱状部材が挿入可能な複数の筒状部材とを有してなるものとする。
すなわち、一の台車の複数の筒状部材にそれぞれ他の台車の柱状部材を挿入して、一の台車の上に他の台車を積み重ねることにより、他の台車を一の台車によって支持することができる。これにより、台車は、ネスティングできるだけでなく、高さ方向に積み重ねて保管することができ、台車の保管スペースをより小さくすることができる。ここで、複数の台車を高さ方向に積み重ねたときには、重なり合う台車の互いに対向する帯板同士の隙間に車輪が収容されるように、柱状部材と筒状部材の高さを適宜設定するものとする。これにより、車輪の底部が下方の荷台の帯板と接触するのを防ぐことができる。
また、荷台の対応する一対の側縁からそれぞれ起立して設けられた一対の柱状の縦部材と、この一対の縦部材間を渡してそれぞれ設けられた梁部材と、この梁部材の長手方向側縁から対向する梁部材側に張り出して形成された受け部とを有してなるものとする。
これによれば、間隔をあけて配置される2箇所の受け部の上に荷物を渡して載せることができるため、荷物を複数段に分けて積載することができ、しかも台車に積載できる荷物を増やすことが可能になる。
また、一対の縦部材の端部がそれぞれ筒状部材に挿入されてなるものとする。
これにより、荷台に形成される複数の筒状部を有効利用することができるため、構造の複雑化を防ぐことができる。
また、互いに異なる側縁に位置する梁部材間には接続部材が架設され、この接続部材は、梁部材にそれぞれ引っ掛けられる引っ掛け片と、この引っ掛け片が両端に設けられた渡し部材とを有してなるものとする。
このように、梁部材間に接続部材を架設すれば、両方の梁部材を接続部材で互いに支持することができるため、受け部に支持される荷物を安定して搬送することができる。
また、接続部材は、渡し部材が荷台の連結部材と平行に配置され、引っ掛け片の上端部と受け部の上端部とが、同一高さに設定されてなるものとする。
これによれば、荷物の底部を受け部と引っ掛け片の両方で支持することができるため、荷物をより安定して搬送することができる。また、渡し部材を荷台の連結部材と平行に配置することにより、複数の台車の荷台同士が互いに近づいたときに、渡し部材同士が接触するのを回避することができるため、縦部材などを荷台に取り付けたままネスティングすることができ、台車の保管作業の負担を低減することができる。
本考案によれば、台車の強度低下を抑制するとともに、台車を効率よく重ね合わせて保管することが可能になる。
本考案を適用してなる台車の一実施形態を示す斜視図である。 図1の台車のキャスタ部分を拡大して示す斜視図である。 図1の台車にパレットが積載された状態を示す斜視図である。 図1の台車(荷台)をネスティングした状態を示す図である。 図1の台車をネスティングする他の例を示す図である。 図1の荷台を積み上げた状態を示す図である。 図6において下方の荷台と上方の荷台とが互いに位置決めされる状態を拡大して示す図である。 本考案を適用してなる台車の他の実施形態を示す斜視図である。
以下、本考案が適用されてなる台車の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の台車1は、荷台3と、この荷台3に取り付けられる取っ手5と、荷台3の下面に設けられた複数の車輪(後述)を備えて構成される。
荷台3は、同一面に並列に設けられた一対の帯板7a,7bと、この一対の帯板7a,7bの互いに異なる側の端部間に渡して設けられた一つの連結部材9を有して構成される。具体的には、帯板7a,7bは、互いに平行に配置され、連結部材9の一端と帯板7aの端部とが連なるように接続されるとともに、連結部材9の他端と帯板7bの端部とが連なるように接続されることにより、全体として平面視でZ字状に形成されている。
車輪は、荷台3の下面に4つ(各帯板7a,7bに2つずつ)設けられ、いずれの車輪にも、キャスタ11が使用されている。
連結部材9と帯板7aとが接続される部分、及び、連結部材9と帯板7bとが接続される部分には、それぞれの接続部分の強度を確保するための補強板13が取り付けられている。
帯板7a,7bの上面は、荷物を載せる載置面15となっている。連結部材9の上面は、帯板7a,7bの載置面15と同じか、それよりも若干低く設定されている。
なお、図1に示す矢印Xは、荷台3の長手方向を示し、矢印Yは、荷台3の幅方向、及び、帯板7a,7bの長手方向を示し、矢印Zは、荷台3の高さ方向、及び、積み上げ方向を示している。また、以下の説明で、下方とは、図1のZ方向の下方を示し、上方とは、図1のZ方向の上方を示す。
図2に示すように、帯板7a,7bには、それぞれ幅方向(Y方向)の両端部分の角部に、帯板7a,7bの底部から下方に向かって接地しない長さで垂直(Z方向)に起立する円柱状の柱状部材17が設けられている。具体的には、帯板7a,7bの両端部分の角部において、その底部から下方に向かって、断面L字状の支持壁19が垂直(Z方向)に立設して設けられ、その支持壁19の下端面に取り付けられた支持板21に柱状部材17が支持されるようになっている。すなわち、帯板7a,7bには、このようにして構成される柱状部材17が2つずつ設けられている。
帯板7a,7bの底部において、柱状部材17の近傍にはそれぞれキャスタ11が取り付けられている。キャスタ11は、車輪部23と、車軸25と、車軸25を支持する支持枠27を備えて構成される。支持枠27は、受け板29に回転自在に支持され、この受け板29は、帯板7a,7bの底部にボルト31で固定されている。
なお、荷台3の車輪となるキャスタ11は、台車1が転倒することなく安定した状態で、走行、停止することができる位置に取り付けられていることが必要である。したがって、荷台3には複数の車輪が設けられている必要があり、そのうち少なくとも1つにキャスタ11が使用されていることが必要である。例えば、3つの車輪を使用する場合には、そのうちの1つにキャスタ11が使用されている必要がある。
一方、荷台3には、柱状部材17に対応する位置の上部、つまり、帯板7a,7bのそれぞれ長手方向(Y方向)の両端部分の角部において、帯板7a,7bの上部から上方に向かって垂直(Z方向)に起立する角筒状の筒状部材33が設けられている。各筒状部材33には、後述するように、それぞれ対応する柱状部材17が挿入可能になっている。各筒状部材33の側面にはそれぞれ補強用のリブ35が設けられている(図1)。
荷台3には、作業者が荷台3を所定方向に搬送するための取っ手5が取り付けられている。取っ手5は、コの字状に折り曲げて形成される縦パイプ37と、この縦パイプ37が互いに略平行に延在する部分を互いに接続する横パイプ39を有している。取っ手5は、縦パイプ37の両端部分が、一方の帯板7aに形成される2つの筒状部材33にそれぞれ嵌合されることにより、荷台3から起立された状態で支持されるようになっている。
次に、本実施形態の台車1が荷物を搬送する状態を図3に示す。図3では、例えば、樹脂製の専用のパレット41の上に専用のコンテナ43を載置した状態を示す。コンテナ43は、パレット41の上面を超えない範囲内に設置されるものとする。なお、以下の説明では、コンテナ43を載せたパレット41を適宜パレット41と略して説明する。
パレット41は、一対の帯板7a,7bの載置面15の上に設置される。そのため、パレット41の大きさは、図3に示すように、長手方向(X方向)が、筒状部材33aと筒状部材33cの内法寸法L1(筒状部材33bと筒状部材33dの内法寸法)よりも小さく、かつ、帯板7aと帯板7bの内法寸法L2よりも大きい範囲に制限されるが、幅方向(Y方向)は、帯板7a,7bの長手寸法よりも多少大きくても構わない。
例えば、専用品のパレット41を搬送する台車1を設計する場合は、少なくとも、1枚のパレット41の両端部分が、帯板7a,7bの載置面15にそれぞれ設置されるように、荷台3の大きさを設定する。これにより、パレット41の積載時には、帯板7a,7bの位置保持に必要な強度をパレット41に負担させることができる。
また、キャスタ11は、パレット41の四隅に対応する位置、つまりパレット41の荷重を均等に分散して受けもつ位置に配置することにより、パレット41の荷重をキャスタ41が殆ど受け持つことになる。これにより、パレット41の荷重が大きくなった場合でも、キャスタ11を除く荷台3の構成部材は、パレット41の荷重を殆ど負担しなくて済むことから、荷台3は、簡単な構成であるにもかかわらず、変形を起こしにくい。
また、連結部材9は、パレット41を積載しないときの帯板7a,7bの位置保持に必要な最低限の強度を有していればよいため、例えば、多重構造ではない直状の簡単な構造にすることができ、荷台3の軽量化を図ることができる。
次に、台車1をネスティングするときの実施の態様について、図面を参照して説明する。まず、図4に示すように、台車1を使用せずに保管するときには、床面(水平面)に沿って台車1を横方向から重ね合わせる。なお、図4では、1台を除いて、取っ手5を取り外した台車1のみを表しているが、すべての台車1に取っ手5が取り付けられていても同様にネスティングすることができる。
ネスティングされる台車1は、荷台3のZ字状の形状に沿って、横方向から別の荷台3を隙間なく重ねて配置することができる。すなわち、例えば、荷台3aの帯板7a,7bは、それぞれ荷台3bの帯板7a,7bと重なり合い、荷台3aの連結部材9は、荷台3bの連結部材9と重なり合う。これにより、台車1をネスティングしたときの保管スペースを小さくすることができる。
また、図5に示すように、荷台3a〜3eまでを重ね合わせた後、荷台3fを重ねる位置をずらすことにより、重なり合う方向(点線a)を平行に移動(点線b)することができる。すなわち、荷台3a〜3eは互いに帯板7a,7bと帯板7a,7bをそれぞれ重ね合わせているが、荷台3fはその帯板7aを荷台3eの帯板7aに重ねるのではなく、帯板7bに重ね合わせている。
このように、複数の台車1は、荷台3同士が重なり合う位置を適宜ずらしていくことにより、限られた保管スペース内で、より多くの台数をネスティングすることが可能になる。
次に、荷台3を積み上げたときの実施の態様について、図面を参照して説明する。図6に示すように、取っ手5が取り外された複数の台車1は、一方の台車1の筒状部材33に、他方の台車1の柱状部材17が挿入されることにより、他方の台車1が一方の台車1に支持された状態で積み重ねられる。
具体的に、図6,7を用いて、荷台3aと荷台3bについて説明すると、荷台3aの各筒状部材33には、それぞれ荷台3bの4箇所の柱状部材17が挿入されるとともに、荷台3aの各筒状部材33の上端面と荷台3bの各支持板21が当接された状態となる。これにより、荷台3bは、荷台3aによって位置決めされるとともに、荷台3aに対して所定の間隔をあけて配置される。
このとき、荷台3aの帯板7aと荷台3bの帯板7aとの隙間、及び、荷台3aの帯板7bと荷台3bの帯板7bとの隙間には、それぞれキャスタ11が収容された状態となる。つまり、キャスタ11は、荷台3aの帯板7a,7bの上面からそれぞれ浮いた状態となっている。これは、荷台3a,3bにおいて、帯板7a同士(帯板7b同士)の隙間にキャスタ11が収容されるように、筒状部材33と支持板21との高さ位置、つまり高さ方向(Z方向での当接位置)が設定されているためである。
これによれば、複数の台車1をネスティングできるだけでなく、複数の台車1を積み上げることができる。すなわち、複数の台車1を積み上げた状態でネスティングすることができるため、台車1を使用しないときには、コンパクトに収納することができ、保管スペースを節約することが可能になる。また、一番下の台車1は、キャスタ11が接地されているため、このようにして積み重ねられた複数の台車1を人手によってまとめて移動することができる。
次に、本考案が適用されてなる台車の他の実施形態について図8を参照して説明する。
本実施形態の台車51は、荷台3の構成が上記の実施形態と同じであるが、荷台3に取り付けられる取っ手5を後述する棚部材に変更している点で、上記の実施形態と構成が相違する。そのため、異なる構成を中心に説明し、その他の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の台車51は、第1の棚部材53a及び第2の棚部材53bがそれぞれ荷台3に取り付けられるとともに、両棚部材53a,53bが互いに所定の間隔をあけて対向して配置されている。
第1の棚部材53a及び第2の棚部材53bは、一対の柱状の縦部材55a,55bと、この一対の縦部材55a,55b間を渡して設けられた梁部材57a,57b,57cを備え、全体として略矩形の枠をなしている。梁部材57a,57b,57cは、互いに略等間隔に配置されている。なお、縦部材55a,55b及び梁部材57a,57b,57cは、いずれも角型の中空パイプで形成されるが、これに限られるものではない。
第1の棚部材53aは、縦部材55a,55bの端部がそれぞれ帯板7aの筒状部材33a,33bに挿入され、第2の棚部材53bは、縦部材55a,55bの端部がそれぞれ帯板7bの筒状部材33a,33bに挿入されることにより、第1の棚部材53aと第2の棚部材53bは、それぞれ荷台3から起立した状態で支持され、かつ互いに対向して配置されている。
梁部材57b,57cには、金属製の棒材を折り曲げて形成される受け部59と、金属製の平板を折り曲げて形成される板材61がそれぞれ取り付けられている。受け部59は、梁部材57b,57cの長手方向(Y方向)の側面(側縁)からそれぞれ対向する梁部材57b,57c側に略コの字状に張り出して形成される。板材61は、平板をL字状に折り曲げて形成され、梁部材57b,57cの受け部59の長手方向(Y方向)の所定領域にわたって梁部材57b,57cの上面に取り付けられている。
第1の棚部材53aの梁部材57bと第2の棚部材53bの梁部材57bとの間には接続部材が架設されている。この接続部材62は、両梁部材57bにそれぞれ引っ掛けられる引っ掛け片63と、この引っ掛け片63が両端に設けられた渡し部材65を有して形成され、渡し部材65はL字状に形成された引っ掛け片63に接続されている。
引っ掛け片63は、梁部材57bの板材61が配設されない上面に底部を当接させて引っ掛けられた状態で、荷台3の長手方向(X方向)に延在し、この引っ掛け片63の延在する先端側(梁部材57bと反対側)の底部に接続された渡し部材65は、荷台3の連結部材9と平行になるように配置されている。そのため、梁部材57a,57b及び渡し部材65は、全体として平面視でZ字状に配置されている。渡し部材65は、例えば、引っ掛け片63を持ち上げることにより、梁部材57bから取り外すことが可能になっている。
引っ掛け片63の底部と反対側の上面と、受け部59の上端部(梁部材57と平行に延在する部分)とは、高さ方向(Z方向)の位置が同一に設定されている。このため、受け部59は、上方(Z方向)に向かって斜めに延在するようになっている。
このように、第1の棚部材53aと第2の棚部材53bをそれぞれ荷台3に取り付けて、接続部材62を架け渡すことにより、両棚部材53a,53bは、互いに支持された状態となる。また、接続部材62は、引っ掛け片63が引っ掛けられる梁部材57の近傍に板材61が設けられていることから、幅方向(Y方向)にずれることがない。さらに、引っ掛け片63の上面と受け部59の上端部とが同じ高さ位置に設定されているため、受け部59と引っ掛け片63の両方によってパレット41を支持することができる。したがって、本実施形態によれば、第1の棚部材53aと第2の棚部材53bとの間で、パレット41を安定して支持することができる。
また、接続部材62は、渡し部材65が荷台3の連結部材9と平行に配置されているため、第1の棚部材53aと第2の棚部材53bが取り付けられた複数の台車51が互いに近づけられたとしても、渡し部材65同士の接触を回避することができるため、第1の棚部材53aと第2の棚部材53bを荷台3から取り外すことなく、ネスティングすることができ、台車1の保管作業の負担を低減することができる。
また、接続部材62は、渡し部材65がパレット41の載置面となる引っ掛け片63よりも低い位置に配置されているため、パレット41の荷重の殆どは、引っ掛け片63と受け部59が負担し、渡し部材65はパレット41の荷重を殆ど負担しない。したがって、接続部材62は、人手で取り付け及び取り外しができる程度の軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では、3本の梁部材57a,57b,57cのうち、中央の梁部材57b間に渡し部材65を架設する例を説明したが、梁部材57c間においても渡し部材65を架設することができる。これによれば、例えば、帯板7a,7bの載置面15にそれぞれ支持されるパレットを1段目のパレット41とし、梁部材57b間を渡す渡し部材65の引っ掛け片63などに支持されるパレットを2段目のパレット41とし、梁部材57c間を渡す渡し部材65の引っ掛け片63などに支持されるパレットを3段目のパレット41として積載することができる。これによれば、パレット41を複数段に分けて積載することができ、しかも、台車51に積載できる荷物を増やすことが可能になる。
また、本実施形態では、第1の棚部材53aと第2の棚部材53b間に接続部材62を架設する例を説明したが、このように接続部材62を架設しなくても、パレット41を受け部59のみで支持することも可能である。その場合、両棚部材53を荷台3より安定して支持するため、縦部材55a,55bの端部がそれぞれ帯板7a,7bの筒状部材33a,33bに挿入された状態でがたつきが生じないように、縦部材55a,55bを筒状部材33a,33bによって支持する必要がある。加えて、受け部59の長手方向(Y方向)を梁部材57bの長手方向(Y方向)に沿ってより長く形成することにより、両棚部材53a,53bの受け部59を渡して載せるパレット41の支持力を高めることができる。
また、本実施形態では、台車51を使用しないときはネスティングすることができ、さらに、両棚部材53a,53bを荷台3から取り外すことで、荷台3を積み上げることができるため、台車1の保管スペースを小さくすることができる。
また、従来、倉庫や物流センターでは、例えば、パレット41を床上に置いてピッキング作業を行い、その後、フォークリフトやハンドリフターでパレット41ごと搬送していたが、本実施形態の台車51によれば、複数のパレット41にそれぞれコンテナ43を載せた状態でピッキング作業を行い、これを搬送することができるため、フォークリフトやハンドリフターが不要になり、なおかつパレット41を自由に回転できるため、作業効率を高めることができる。
以上、本考案の実施形態を図面により詳述してきたが、上記実施形態は本考案の例示にしか過ぎないものであり、本考案は上記実施形態の構成にのみ限定されるものではない。本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本考案に含まれることは勿論である。
1,51 台車
3 荷台
5 取っ手
7a,7b 帯板
9 連結部材
11 キャスタ
15 載置面
17 柱状部材
33 筒状部材
37 縦パイプ
39 横パイプ
41 パレット
43 コンテナ
55a,55b 縦部材
57a,57b 梁部材
59 受け部
62 接続部材
63 引っ掛け片
65 渡し部材

Claims (6)

  1. 同一面に並列に設けられた一対の帯板と該一対の帯板の互いに異なる側の端部間に渡して設けられた一つの連結部材とを有してなる荷台と、該荷台の下面に設けられた少なくとも1つのキャスタを含む複数の車輪とを有してなる台車。
  2. 前記荷台の底部から起立して設けられた複数の柱状部材と、該柱状部材に対応する位置の前記荷台の上部からそれぞれ起立して設けられ、前記柱状部材が挿入可能な複数の筒状部材とを有してなる請求項1に記載の台車。
  3. 前記荷台の対応する一対の側縁からそれぞれ起立して設けられた一対の柱状の縦部材と、該一対の縦部材間を渡してそれぞれ設けられた梁部材と、該梁部材の長手方向側縁から対向する梁部材側に張り出して形成された受け部とを有してなる請求項1又は2に記載の台車。
  4. 前記荷台の対応する一対の側縁からそれぞれ起立して設けられた一対の縦部材と、該一対の縦部材間を渡してそれぞれ設けられた梁部材と、該梁部材の長手方向側縁から対向する梁部材側に張り出して形成された受け部とを有し、
    前記一対の縦部材の端部がそれぞれ前記筒状部材に挿入されてなることを特徴とする請求項2に記載の台車。
  5. 互いに異なる側縁に位置する前記梁部材間には接続部材が架設され、
    前記接続部材は、前記梁部材にそれぞれ引っ掛けられる引っ掛け片と、該引っ掛け片が両端に設けられた渡し部材とを有してなる請求項3又は4に記載の台車。
  6. 前記接続部材は、前記渡し部材が前記荷台の前記連結部材と平行に配置され、
    前記引っ掛け片の上端部と前記受け部の上端部とが、同一高さに設定されてなる請求項5に記載の台車。
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