JP3175302B2 - インクジェットヘッドとその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドとその製造方法

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JP3175302B2 JP14577192A JP14577192A JP3175302B2 JP 3175302 B2 JP3175302 B2 JP 3175302B2 JP 14577192 A JP14577192 A JP 14577192A JP 14577192 A JP14577192 A JP 14577192A JP 3175302 B2 JP3175302 B2 JP 3175302B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットヘッドに
関する。更に詳しくは、インク液滴を選択的に記録媒体
に付着させるインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年インクジェットプリンタは高速印
字、低騒音、高印字品位等の利点から、急速に発展して
いる。インクジェットプリンタに用いられるインクジェ
ットヘッドにはいくつかの方式が提案されているが、一
般的には二つの方式に分けることができる。すなわち第
一の方式は圧電材料を使用して、インクチャンバー内に
圧力パルスを発生させ、ノズルからインク滴を吐出させ
る。第二の方式は発熱抵抗体を使用して、インクチャン
バー内に蒸気バブルを発生させ、ノズルからインク滴を
吐出させる。
【0003】第二の方式は、発熱抵抗体の急速な加熱冷
却を繰り返すために、容易に発熱抵抗体が劣化し、耐久
性に乏しいという課題がある。また蒸気バブルが発生す
るインクしか使えないという課題もある。これに対して
第一の方式は前述の課題を持たない。しかしながら第一
の方式は圧電材料の効率が低いため、インクジェットヘ
ッド自体が大型化する。また複雑な製造工程となり、大
量生産に適さなく、結果として高価なものとなる。さら
にノズル密度の高密度化が困難なため、高印字品位を得
にくい。これらの課題がある為、広く普及するには至っ
ていない。
【0004】第一の方式の課題を解決する方法として、
特開昭63ー247501号公報に、ノズルの並び方向
に互いに間隔を有する複数の平行な長方形の断面積の流
路を有し、前記流路の側壁の一部または全表面に電極が
形成され、前記側壁はその一部または全体が圧電材料で
構成され、前記側壁が流路の並び方向に平行な変形を
し、前記流路内の圧力を変化させて、流路の一端に形成
されたインク滴を吐出せしめるインクジェットヘッドが
提案されている。
【0005】従来例のインクジェットヘッドの構造を図
10をもとに説明する。図10はインクジェットヘッド
の構造を示す図で、1は圧電基板、2はノズル形成部
材、3はノズル開口、4は流路、5は圧電材料からなる
側壁(以下、圧電側壁と略す)、7はインク供給口、8
はスリット基板、9はインク排出口、10は電極、17
はインクチューブである。このインクジェットヘッドは
互いに平行な流路4が多数形成されている。流路4の一
端はノズル形成基板2に形成されたノズル開口3に接続
し、流路4の他の一端は、スリット基板8により構成さ
れるスリット状のインク排出口9に接続する。また、流
路4は、流路ピッチに合わせたインク供給口7を有する
上部基板により蓋をされ、各流路4に対応するインク供
給口7を経て、インクチューブ17によりインク貯蔵タ
ンク(図示せず)に接続している。電極10は流路から
圧電基板1上の導電線につながり、電気的アクチュエー
ト手段(図示せず)に接続される。各流路4を区画する
圧電材料の側壁5は流路方向に対して垂直方向11に分
極されている。
【0006】次に従来例の吐出動作を、流路の断面を示
す図11を基に説明する。図11(a)は電圧パルスが
印加がされない状態を示す図、図11(b)は電圧パル
スが印加された状態を示す図である。図11(a)に於
て、圧電側壁5は両面に形成された電極10に、電気的
アクチュエート手段(図示せず)より電圧パルスを印加
されない為、変形していない。図11(b)に於て、電
圧パルスを印加されると圧電側壁5が上部にズリ方向に
変形し、発生する圧力により流路4を満たされているイ
ンクの一部をノズル開口(図示せず)からインク滴とし
て吐出させ、他の一部をインク供給口(図示せず)を経
てインク貯蔵タンク側に排出する。インク滴吐出後のノ
ズル部へのインクの供給は、ノズル開口の毛管力によ
り、インク貯蔵タンクからインク供給口と流路を経てノ
ズル開口へ供給される。
【0007】また従来の圧電側壁には別の構造もある。
以降、前述の構造を圧電側壁構造Aと呼び、これから説
明する構造を圧電側壁構造Bと呼ぶ。図12を基に圧電
側壁構造Bを説明する。図12(a)に於て、圧電側壁
5は分極方向11が異なる2個の圧電側壁、すなわち圧
電側壁5Aと圧電側壁5Bとにより形成されている。圧
電側壁5は両面に形成された電極10に、電気的アクチ
ュエート手段(図示せず)より電圧パルスを印加されな
い為、変形していない。図12(b)に於て、電圧パル
スを印加されると圧電側壁5A、5Bとも圧電側壁の接
合面にズリ変形し、発生する圧力により流路4を満たす
インクの一部をノズル開口(図示せず)からインク滴と
して吐出させ、他の一部をインク供給口(図示せず)を
経てインク貯蔵タンク側に排出する。インク滴吐出後の
ノズル部へのインク供給は、ノズル開口の毛管力により
インク貯蔵タンクよりインク供給口と流路4を経てノズ
ル開口へ供給される。また圧電壁構造Bは図13に示す
ような、底板部を圧電側壁と別構造とする下部基板13
を有する構造(以降、圧電側壁構造B’と呼ぶ)もあ
る。
【0008】さらに従来例では、圧電側壁の形成方法に
ついても提案されている。それは圧電基板をダイシング
ソーのダイヤモンドブレードにより溝加工し、圧電側壁
を形成するものである。従来のダイシングソーのダイヤ
モンドブレード21は図14に示すような内円24を持
つドーナツ状の円である。そしてその断面形状は図15
に示すような先端が角張った形状である。この理由は、
ダイヤモンドブレードの製造方法による。通常ダイヤモ
ンドブレードはダイヤモンド粒子を含むスラリーを焼結
し、研磨することにより作成される。焼結後のダイヤモ
ンドブレードは図16に示すように、厚さが不均一で且
つ歪みを持っている。その為、精密研磨しこれらを除去
する。研磨により図14の形状になる。溝加工の状態を
図17を基に説明する。圧電基板1を先端が角張ったダ
イヤモンドブレード21で回転切削加工すると、得られ
る溝の形状は図示されるように角張った形状になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
のインクジェットヘッドは高密度化には有効であるが、
図17に示される流路の角張った部分に気泡が溜り易
く、吐出不能になりがちである。またこの傾向はインク
速度、応答周波数を高めると顕著になり、これらを高め
れなかった。そのため吐出性能が低かった。
【0010】本発明はかかる問題を解決するもので、高
密度で且つ、吐出不良にならなく、吐出性能の高いイン
クジェットヘッドを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、インクを吐出するノズルが形成されたノズル
プレートと、圧電材料からなる基板に切削加工により
成された溝と、前記溝を覆う圧電材料とは異なる蓋部材
によって形成された流路を有し、前記溝の側壁には電極
が形成され、前記電極に印加される駆動パルスにより
記流路の容積を収縮・膨張させて、前記ノズルからイン
クを吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記蓋部
材に対向する前記溝の部位の断面形状を円弧形状とし
た。さらに、前記溝に対向する前記蓋部材の部位に、断
面形状が円弧形状である第2の溝を形成した。 また、本
発明のインクジェットヘッドの製造方法は、圧電材料か
らなる基板に切削加工により溝を形成する工程と、前記
溝の側壁に電極を形成する工程と、前記溝を覆う圧電材
料とは異なる蓋部材を接合する工程と、ノズルが形成さ
れたノズルプレートを前記溝の一端と前記蓋部材の一端
とに接合する工程と、を含むインクジェットヘッドの製
造方法において、前記蓋部材に対向する前記溝の部位の
断面形状を円弧形状に切削加工した。なお、前記切削加
工は、ブレードの先端に所定の曲率を持たせたダイシン
グソーによる切削加工とするか、断面形状が所定の直径
をもつ円形状であるワイヤーを用いたワイヤーソーによ
る切削加工とすることができる。
【0012】
【実施例】以下に図を用いて本発明を説明する。
【0013】まず図1に本発明のインクジェットプリン
タヘッドの一例を示し、構造を説明する。図1は、本発
明の一実施例を示す流路の断面図である。図1(a)は
直線状の側壁面16と円弧状の上壁面14、下壁面15
からなる流路の断面形状を示す。図1(b)は直線状の
側壁面16、上壁面14と円弧状の下壁面15からなる
流路の断面形状を示す。吐出動作は従来例と同様であ
る。
【0014】次に本発明のインクジェットヘッドの製造
方法を、図2〜図7を用いて説明する。図2の1は圧電
基板を示し、以下の工程よりインクジェットヘッドが製
造される。
【0015】(1)溝加工工程 :図3 圧電基板1を溝加工し、圧電側壁5を形成する工程。
【0016】(2)電極形成工程 :図4 圧電側壁5に電極10を形成する工程。電極形成装置は
真空蒸着装置、スパッタリング装置等を用いる。
【0017】(3)不用電極除去工程 :図5 基板上面の電極を除去する工程。除去は基板上面を研磨
する。
【0018】(4)上蓋接着工程 :図6 圧電側壁5が形成された圧電基板1に上部基板6を接着
する工程。
【0019】(5)ノズルプレート接着工程 :図7 圧電基板1、上部基板6の端面にノズル開口3を持つノ
ズル形成部材2を接着する工程 本発明のインクジェットヘッドの製造方法の中で溝加工
工程は流路の断面形状を得るために最も重要な工程であ
る。そのため本発明者は検討に検討を重ねることによ
り、以下の方法で本発明の目的形状を得ることができる
ことを見いだした。
【0020】それは、ダイヤモンドブレードを図8に示
すような先端を丸めた形状に形成すること、及びワイヤ
ーソーにより溝加工することである。ワイヤーソーは図
9に示すように、円状の断面形状のワイヤーに、砥粒2
3を分散した研磨液を付着させ、ワイヤーを被加工物に
対して摺動させ加工する。本発明者は目的の形状を得る
為に、ワイヤーの送り速度が加工品質に重要な影響を与
える事を見いだした。以下具体的に実施例と比較例を挙
げ本発明を説明する。
【0021】(実施例1) 圧電壁構造:圧電側壁構造B (1)溝加工工程 1mm厚の圧電基板をダイシングソーにより溝加工し、
圧電側壁を形成する。ダイヤモンドブレードは厚さ70
μm、先端曲率半径35umを用い、ピッチ169μmで
加工する。得られた溝幅は80μmである。
【0022】(2)電極形成工程 圧電側壁に真空蒸着機により電極を形成する。電極はN
iを2μm成膜する。 (3)不用電極除去工程 基板上面の電極を研磨機により除去する。
【0023】(4)上蓋接着工程 圧電側壁が形成された圧電基板にガラス上蓋を接着す
る。接着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0024】(5)ノズルプレート接着工程 圧電基板、上蓋の端面にノズルプレートを接着する。接
着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0025】(6)インク供給手段、印加パルスを発生す
る駆動手段と接続しインクジェットヘッドを作成する。
【0026】(7)インクジェットヘッドに粘度2cps
のインクを注入する。
【0027】(8)電圧50v、パルス幅20μsecの
駆動パルスをインクジェットヘッドに印加する。
【0028】駆動パルスは連続して10億パルスまで印
加した。
【0029】(9)インク滴の吐出速度、応答周波数、気
泡の排出性を評価、測定した。また2、 4、6、8、
10パルスでの動作を確認した。
【0030】(実施例2) 圧電壁構造:圧電側壁構造B (1)圧電基板接着 0.25mm厚の圧電基板と0.75mm厚の圧電基板
を、分極方向が対抗する様に位置し、接着する。
【0031】(2)溝加工工程 圧電基板をダイシングソーにより0.25mm厚の圧電
基板面から溝加工し、圧電側壁を形成する。ダイヤモン
ドブレードは厚さ70μm、先端曲率半径35μmを用
い、ピッチ169μm、溝深さ500μmで加工する。
得られた溝幅は80μmである。
【0032】(3)電極形成工程 圧電側壁に真空蒸着機により電極を形成する。電極はN
iを2μm成膜する。 (4)不用電極除去工程 基板上面の電極を研磨機により除去する。
【0033】(5)上蓋接着工程 圧電側壁が形成された圧電基板にガラス上蓋を接着す
る。接着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0034】(6)ノズルプレート接着工程 圧電基板、上蓋の端面にノズルプレートを接着する。接
着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0035】(7)インク供給手段、印加パルスを発生す
る駆動手段と接続しインクジェットヘッドを作成する。
【0036】(8)インクジェットヘッドに粘度2cps
のインクを注入する。
【0037】(9)電圧50v、パルス幅20μsecの
駆動パルスをインクジェットヘッドに印加する。
【0038】駆動パルスは連続して10億パルスまで印
加した。
【0039】(10)インク滴の吐出速度、応答周波数、気
泡の排出性を評価、測定した。また2、 4、6、8、
10パルスでの動作を確認した。
【0040】(実施例3) 圧電壁構造:圧電側壁構造B’ (1)圧電基板接着 0.25mm厚の2個の圧電基板を、分極方向が対抗す
る様に位置し、接着する。さらに、0.5mm厚のガラ
ス基板を圧電基板に接着する。
【0041】(2)溝加工工程 圧電基板をダイシングソーにより0.25mm厚の圧電
基板面から溝加工し、圧電側壁を形成する。ダイヤモン
ドブレードは厚さ70μm、先端曲率半径35μmを用
い、ピッチ169μm、溝深さ500μmで加工する。
得られた溝幅は80μmである。
【0042】(3)電極形成工程 圧電側壁に真空蒸着機により電極を形成する。電極はN
iを2μm成膜する。 (4)不用電極除去工程 基板上面の電極を研磨機により除去する。
【0043】(5)上蓋接着工程 圧電側壁が形成された圧電基板にガラス上蓋を接着す
る。接着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0044】(6)ノズルプレート接着工程 圧電基板、上蓋の端面にノズルプレートを接着する。接
着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0045】(7)インク供給手段、印加パルスを発生す
る駆動手段と接続しインクジェットヘッドを作成する。
【0046】(8)インクジェットヘッドに粘度2cps
のインクを注入する。
【0047】(9)電圧50v、パルス幅20μsecの
駆動パルスをインクジェットヘッドに印加する。
【0048】駆動パルスは連続して10億パルスまで印
加した。
【0049】(10)インク滴の吐出速度、応答周波数、気
泡の排出性を評価、測定した。また2、 4、6、8、
10パルスでの動作を確認した。
【0050】(実施例4) 圧電壁構造:圧電側壁構造B’ (1)圧電基板接着 0.25mm厚の2個の圧電基板を、分極方向が対抗す
る様に位置し、接着する。さらに、0.5mm厚のガラ
ス基板を圧電基板に接着する。
【0051】(2)溝加工工程 圧電基板をワイヤーソーにより0.25mm厚の圧電基
板面から溝加工し、圧電側壁を形成する。ワイヤーソー
のワイヤーは径75μmを用い、ピッチ169μm、溝
深さ500μmで加工する。研磨液のダイヤモンド粒子
の粒径は5μmを用いた。得られた溝幅は80μmであ
る。
【0052】(3)電極形成工程 圧電側壁に真空蒸着機により電極を形成する。電極はN
iを2μm成膜する。 (4)不用電極除去工程 基板上面の電極を研磨機により除去する。
【0053】(5)上蓋接着工程 圧電側壁が形成された圧電基板にガラス上蓋を接着す
る。接着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0054】(6)ノズルプレート接着工程 圧電基板、上蓋の端面にノズルプレートを接着する。接
着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0055】(7)インク供給手段、印加パルスを発生す
る駆動手段と接続しインクジェットヘッドを作成する。
【0056】(8)インクジェットヘッドに粘度2cps
のインクを注入する。
【0057】(9)電圧50v、パルス幅20μsecの
駆動パルスをインクジェットヘッドに印加する。
【0058】駆動パルスは連続して10億パルスまで印
加した。
【0059】(10)インク滴の吐出速度、応答周波数、気
泡の排出性を評価、測定した。また2、 4、6、8、
10パルスでの動作を確認した。
【0060】(実施例5) 圧電壁構造:圧電側壁構造A (1)圧電基板接着 0.25mm厚の2個の圧電基板を、分極方向が対抗す
る様に位置し、接着する。さらに、0.5mm厚のガラ
ス基板を圧電基板に接着する。
【0061】(2)溝加工工程 圧電基板をダイシングソーにより0.25mm厚の圧電
基板面から溝加工し、圧電側壁を形成する。ダイヤモン
ドブレードは厚さ70μm、先端曲率半径35μmを用
い、ピッチ169μm、溝深さ500μmで加工する。
得られた溝幅は80μmである。
【0062】(3)電極形成工程 圧電側壁に真空蒸着機により電極を形成する。電極はN
iを2μm成膜する。 (4)不用電極除去工程 基板上面の電極を研磨機により除去する。
【0063】(5)上蓋溝加工工程 ガラス上蓋をダイシングソーにより溝加工する。ダイヤ
モンドブレードは厚さ70μm、先端曲率半径35μm
を用い、ピッチ169μm、溝深さ35μmで加工す
る。
【0064】(6)上蓋接着工程 圧電側壁が形成された圧電基板に上蓋を溝面が相対する
ように接着する。上蓋の溝と圧電側壁がずれないように
注意する。接着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0065】(7)ノズルプレート接着工程 圧電基板、上蓋の端面にノズルプレートを接着する。接
着材は流れだし少ないものが好ましい。
【0066】(8)インク供給手段、印加パルスを発生す
る駆動手段と接続しインクジェットヘッドを作成する。
【0067】(9)インクジェットヘッドに粘度2cps
のインクを注入する。
【0068】(10)電圧50v、パルス幅20μsecの
駆動パルスをインクジェットヘッドに印加する。
【0069】駆動パルスは連続して10億パルスまで印
加した。
【0070】(11)インク滴の吐出速度、応答周波数、気
泡の排出性を評価、測定した。また2、 4、6、8、
10パルスでの動作を確認した。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】(比較例) 圧電壁構造:圧電側壁構造A (1)溝加工工程 1mm厚の圧電基板をダイシングソーにより溝加工し、
圧電側壁を形成する。ダイヤモンドブレードは厚さ70
μm、ピッチ169μmで加工する。得られた溝幅は8
0μmである。
【0083】(2)電極形成工程 圧電側壁に真空蒸着機により電極を形成する。電極はN
iを2μm成膜する。 (3)不用電極除去工程 基板上面の電極を研磨機により除去する。
【0084】(4)上蓋接着工程 圧電側壁が形成された圧電基板にガラス上蓋を接着す
る。接着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0085】(5)ノズルプレート接着工程 圧電基板、上蓋の端面にノズルプレートを接着する。接
着材は流れだしの少ないものが好ましい。
【0086】(6)インク供給手段、印加パルスを発生す
る駆動手段と接続しインクジェットヘッドを作成する。
【0087】(7)インクジェットヘッドに粘度2cps
のインクを注入する。
【0088】(8)電圧50v、パルス幅20μsecの
駆動パルスをインクジェットヘッドに印加する。
【0089】駆動パルスは連続して10億パルスまで印
加した。
【0090】(9)インク滴の吐出速度、応答周波数、気
泡の排出性を評価、測定した。また2、 4、6、8、
10パルスでの動作を確認し、耐久性を評価した。
【0091】実施例1〜5、比較例の評価測定結果の一
覧を表1に記す。
【0092】応答周波数とはインク滴が安定して吐出で
きる最大駆動周波数をいう。気泡の排出性は流路内にノ
ズルから気泡の引き込みが起こり易く、且つ排出されに
くいものを不良と評価し、逆にノズルから気泡の引き込
みが起こり難く、且つ排出され易いものを良と評価す
る。
【0093】2から10億パルスの動作は吐出するもの
を○とし、吐出しなかったのものを×とする。吐出しな
かったものを、分解解析したところいずれも、圧電側壁
と下部基板の境界部、破壊されていた。
【0094】表1から明らかなように、本発明によれ
ば、インクジェットヘッドの耐久性が大幅に向上されて
いる。これは本発明者も予期せぬ効果であった。これ
は、図2において、圧電側壁5が繰り返し変形されるこ
とにより、圧電側壁と下部基板の境界部に応力が蓄積さ
れ、破壊に至ると思われる。
【0095】
【表1】
【0096】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明によれば、
インクを吐出するノズルが形成されたノズルプレート
と、圧電材料からなる基板に切削加工により形成された
溝と、前記溝を覆う圧電材料とは異なる蓋部材によって
形成された流路を有し、前記溝の側壁には電極が形成さ
れ、前記電極に印加される駆動パルスにより前記流路の
容積を収縮・膨張させて、前記ノズルからインクを吐出
するインクジェットヘッドにおいて、前記蓋部材に対向
する前記溝の部位の断面形状が円弧形状であることによ
り、インク滴の吐出速度、応答周波数、気泡の排出性の
良好なインクジェットヘッドを提供できるという優れた
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(b)本発明のインクジェットヘッド
の流路形状を示す断面図。
【図2】本発明のインクジェットヘッドの製造方法を説
明する斜視図。
【図3】本発明のインクジェットヘッドの製造方法を説
明する斜視図。
【図4】本発明のインクジェットヘッドの製造方法を説
明する斜視図。
【図5】本発明のインクジェットヘッドの製造方法を説
明する斜視図。
【図6】本発明のインクジェットヘッドの製造方法を説
明する斜視図。
【図7】本発明のインクジェットヘッドの製造方法を説
明する斜視図。
【図8】本発明のダイヤモンドブレードによる加工状態
を示す断面図。
【図9】本発明のワイヤソーによる加工を示す断面図。
【図10】従来のインクジェットヘッドの構造を示す斜
視図。
【図11】(a)〜(c)従来のインクジェットヘッド
の圧電側壁構造Aの形状、動作を説明する断面図。
【図12】(a)〜(c)従来のインクジェットヘッド
の圧電側壁構造Bの形状を説明する断面図。
【図13】従来のインクジェットヘッドの圧電側壁構造
B’の形状を説明する断面図。
【図14】ダイヤモンドブレードの形状を示す平面図。
【図15】従来のダイヤモンドブレードの形状を示す断
面図。
【図16】ダイヤモンドブレードの研磨前の形状を示す
断面図。
【図17】従来技術のダイヤモンドブレードによる加工
状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 圧電基板 2 ノズル形成部材 3 ノズル開口 4 流路 5 圧電側壁 5A 圧電側壁A 5B 圧電側壁B 6 上部基板 7 インク供給口 8 スリット基板 9 インク排出口 10 電極 11 圧電側壁の分極方向 12 導電線 13 下部基板 14 上壁面 15 下壁面 16 側壁面 21 ダイヤモンドブレード 22 ワイヤー 23 砥粒 24 ダイヤモンドブレードの内円
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−293146(JP,A) 特開 昭57−193374(JP,A) 特開 平2−212162(JP,A) 特開 昭63−214452(JP,A) 特開 昭63−129173(JP,A) 実開 昭55−49599(JP,U) 実開 昭53−49796(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B24B 27/06 B41J 2/055 B41J 2/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するノズルが形成されたノ
    ズルプレートと、圧電材料からなる基板に切削加工によ
    形成された溝と、前記溝を覆う圧電材料とは異なる
    部材によって形成された流路を有し、前記溝の側壁には
    電極が形成され、前記電極に印加される駆動パルスによ
    前記流路の容積を収縮・膨張させて、前記ノズルから
    インクを吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記蓋部材に対向する前記溝の部位の断面形状が円弧形
    状である インクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記溝に対向する前記蓋部材の部位に、
    断面形状が円弧形状である第2の溝が形成されている請
    求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 圧電材料からなる基板に切削加工により
    溝を形成する工程と、前記溝の側壁に電極を形成する工
    程と、前記溝を覆う圧電材料とは異なる蓋部材を接合す
    る工程と、ノズルが形成されたノズルプレートを前記溝
    の一端と前記蓋部材の一端とに接合する工程と、を含む
    インクジェットヘッドの製造方法において、 前記蓋部材に対向する前記溝の部位の断面形状が円弧形
    状に切削加工されている インクジェットヘッドの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記切削加工は、ブレードの先端に所定
    の曲率を持たせたダイシングソーによる切削加工である
    請求項3記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記切削加工は、断面形状が所定の直径
    をもつ円形状であるワイヤーを用いたワイヤーソーによ
    る切削加工である請求項3記載のインクジェットヘッド
    の製造方法。
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