JP3175289B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の分野では微細化・集積化の
進行が著しく、シリコン半導体装置の分野においても、
例えばシリコンLSIの高集積化がますます進んでい
る。これに伴い、配線抵抗やコンタクト抵抗を低減させ
る方法の一つとして、ゲート電極及び不純物拡散領域で
あるソース/ドレイン(S/D)領域上に高融点金属を
堆積させ、自己整合的に高融点金属シリサイドを形成す
るいわゆるサリサイド(SALICIDE:Self-Aligned Silici
de) 技術が注目されている。
【0003】中でもチタンシリサイド(TiSix)
は、高融点金属シリサイド中、最も低い抵抗率(15μ
Ω−cm)を有するため、チタンシリサイドを利用した
チタンサリサイド技術が注目されている。
【0004】サリサイド技術、例えば上記したチタンサ
リサイド技術では、S/D拡散層の注入不純物(ドーパ
ント)の活性化をはかるため、一般に例えば900℃以
上の高温アニールが必要である。
【0005】しかしこの活性化アニールにより、拡散層
中のドーパントがチタンシリサイドにより吸い上げら
れ、シリサイドの結晶粒界を通って、ドーパントがシリ
サイド表面より外向拡散してしまうという現象が生じ
る。これは、図5に模式的に示すように、シリコン半導
体基板1上の不純物導入拡散領域2上にチタンシリサイ
ドTiSix等の高融点金属シリサイド3が形成される
と、このチタンシリサイドの粒界3aと粒界3bとの間
からAs,P等の導入不純物が浸み出すような形で外に
拡散してしまうためと考えられる。この結果、チタンシ
リサイド/拡散層面のドーパント濃度の低下がもたら
される。図6に、アニール前のチタンシリサイド層/拡
散層界面付近でのドーパント分布A(図6のa参照)
と、アニール後の同様なドーパント分布B(図6のb参
照)を示す通りである。このため、コンタクト抵抗が増
加する欠点がある。
【0006】このチタンシリサイドの結晶粒界を通って
のドーパントの外向拡散を防止するため、チタンシリサ
イド表面を酸化膜(SiO2 膜)にてキャッピングし
て、ドーパントの外向拡散を防止する方法が提案されて
いる(プレスジャーナル社:Semiconductor World,19
91年12月号203頁参照)。
【0007】しかしこの方法では、図7に示すように、
酸化膜キャップを除去する際、酸化膜キャップ残渣42が
エッチング残りとして酸化膜サイドウォール41と不純物
導入拡散領域2であるS/D領域との界面にフィラメン
ト状に残る欠点がある。
【0008】このため拡散領域2のドーパントの外向拡
散を防止することがチタンサリサイドプロセス上重要な
課題である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みて創案されたものであり、サリサイド技術を用い
半導体装置の製造方法であって、拡散領域のドーパント
の外方への拡散が生じず、よってコンタクト性が低下す
る等の問題のない半導体装置の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体の製造方
法は、第1に、以下の工程を具備することを特徴とする
半導体装置の製造方法であって、この構成により上記目
的を達成するものである。シリコン系材料層上に高融点
金属を形成し、自己整合的に高融点金属シリサイド層を
形成する工程、窒素系雰囲気下で熱処理して前記高融点
金属シリサイド層表面を高融点金属窒化物層とする工
程、前記高融点金属シリサイド層に不純物をイオン注入
する工程、酸素系雰囲気下で熱処理して前記高融点金属
窒化物層を高融点金属酸窒化物層とする工程、熱処理を
施して該高融点金属酸窒化物層により前記不純物の外方
拡散を防止しつつ該不純物を前記シリコン系材料層中に
拡散する工程。
【0011】本発明の半導体の製造方法は、第2に、以
下の工程を具備することを特徴とする半導体装置の製造
方法であって、この構成により上記目的を達成するもの
である。不純物を含有するシリコン系材料層上に高融点
金属を形成し、自己整合的に高融点金属シリサイド層を
形成する工程、窒素系雰囲気下で熱処理して前記高融点
金属シリサイド層表面を高融点金属窒化物層とする工
程、酸素系雰囲気下で熱処理して前記高融点金属窒化物
層を高融点金属酸窒化物層とする工程、熱処理を施して
該高融点金属酸窒化物層により前記不純物の外方拡散を
防止しつつ該不純物を前記シリコン系材料層中に拡散す
る工程。
【0012】
【作用】本発明によれば、上記のように高融点金属酸窒
化物層を形成したので、拡散領域からの高融点金属シリ
サイド結晶粒界を通ってのドーパントの外向拡散が抑制
される。この結果、低コンタクト抵抗が得られる。
【0013】また、窒素系雰囲気下での処理により、高
融点金属窒化物層を形成し、これに酸素系雰囲気下で熱
処理することにより、酸素導入(酸素スタッフィング)
する構成にしたので、その後の配線形成プロセスにおけ
るバリア性を増加させることができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。但
し当然のことではあるが、本発明は以下に述べる実施例
により限定を受けるものではない。
【0015】実施例1 本実施例はチタンサリサイドプロセスにおいて、チタン
シリサイド(TiSix)上に自己整合的に形成された
チタンナイトライド(TiN)膜を酸素雰囲気中にてア
ニールすることによってこれに酸素を導入し、チタンナ
イトライド柱状結晶の結晶粒界をTiOxやTi(O
N)x(またはTiOxNy)にてスタッフさせ、これ
を埋めるようにした後、拡散領域の活性化アニールを行
って、チタンサリサイドを形成し、これにより図1に示
すような半導体装置を得るものである。以下に具体的な
プロセス実施例を図2を参照して説明する。
【0016】(1)シリコン基板1に素子分離領域を形
成し、またポリシリコンにてゲート領域5を形成した
後、LDD(Lightly Doped Drain)形成用のイオン注入
を行い、酸化膜を堆積させ、ゲートサイドウォール6を
形成する。図中、51はゲート酸化膜である。
【0017】(2)次に850℃のドライ酸化にてゲー
ト領域5、不純物導入拡散領域であるソース/ドレイン
(S/D)領域上に、5nmの酸化膜7を形成する(図
2(a))。酸化膜形成条件は次のとおりとした。 酸化条件:O2 流量=10リットル/min 10分
【0018】(3)次に高融点金属31としてTiを30
nm堆積させる(図2(b))。堆積条件は次のとおり
とした。 Ti堆積条件:RFバアイス50W,DC600W,
0.4Pa,Ar40sccm
【0019】その後RTA(Rapid Thermal Anneal) を
行った。即ちここでは650℃,30sec、Ar雰囲
気中にてアニールし、高融点金属31であるTiとSiと
の固相反応にて、高融点金属シリサイド32(ここではT
iSix)を形成する。
【0020】(4)酸化膜サイドウォール6上の未反応
Tiをアンモニアと過酸化水素水との混液にてエッチン
グした後、900℃、30sec、窒素雰囲気中にてア
ニールし、TiSixをストイキオメトリなTiSi2
とした高融点金属シリサイド層32とする。TiSi2
りもTiNの方が生成熱が低いため、このアニールによ
りTiSi2 表面には高融点金属窒化物33(ここではチ
タンナイトライドTiN)が形成される(図2
(c))。
【0021】(5)次のこの高融点金属シリサイド32
(TiSi2 )に、BF2 (ドーズ量1E15/c
2 )あるいはAs(ドーズ量3E15/cm2 )をイ
オン注入する(図2(d))。
【0022】(6)次に酸素雰囲気中にて800℃、3
0sec、再度アニールを行う。このとき高融点金属シ
リサイド32(TiSi2 )表面に形成されている高融点
金属窒化物33(TiN)の柱状結晶粒界は、TiOxや
Ti(ON)x(またはTiOxNy)の形にてスタッ
フィングされ、酸素導入された高融点金属化合物層4と
なる(図2(e)。図3に拡大図で示す)。
【0023】(7)次に1100℃、10sec、窒素
雰囲気中にてアニールを行い、高融点金属シリサイド層
32であるTiSi2 中からの下地Si基板へのドーパン
トの拡散により不純物導入拡散層であるソース/ドレイ
ン(S/D)領域を形成する。このとき高融点金属シリ
サイド32であるTiSi2 表面には結晶粒界が酸素スタ
ッフされたTiON膜(酸素導入された高融点金属化合
物層4)が形成されているため、ドーパントの外向拡散
は抑制され、低コンタクト抵抗が得られる(図1)。
【0024】実施例2 実施例1はTiSi2 からの固相拡散によりS/D領域
を形成するものであるが、実施例2は、予めS/D領域
形成用のイオン注入を行った後、TiON/TiSi2
構造を形成するものである。本実施例では以下の工程を
行った。
【0025】(1)実施例1と同じように、素子分離領
域、LDD構造を形成した後、不純物導入拡散領域であ
るS/D領域に、BF2 (1E15/cm2 )あるいは
As(3E15/cm2 )をイオン注入する(図4
(a))。
【0026】(2)実施例1と同じように2ステップア
ニールにより、ゲート上及びS/D領域2上をTiSi
2 化させ、高融点金属シリサイド32を形成する。その表
面は実施例1で説明したように、高融点金属窒化物33で
あるTiNになる(図4(b))。
【0027】(3)次に酸素雰囲気中にて800℃、3
0secにてアニールを行い、高融点金属シリサイド32
であるTiSi2 表面に形成されている高融点金属窒化
物33(TiN)の柱状結晶粒界をTiOxやTi(O
N)xにてスタッフする。これにより酸素導入された高
融点金属化合物層4を形成する(図4(c))。
【0028】(4)1100℃、10sec、窒素雰囲
気中にてアニールを行い、S/D領域2のドーパントを
活性化させる。このときTiSi2 表面には結晶粒界が
酸素スタッフされたTiON膜(酸素導入された高融点
金属化合物層4)が形成されているため、ドーパントの
外向拡散は抑制され、図4(d)に示す構造の半導体装
置が得られる。
【0029】本発明は、上記した各実施例に限定される
ものではなく、構造、成膜条件等は任意に限定してよ
く、その他の構成についても本発明の範囲を逸脱しない
範囲で適宜選択できる。
【0030】
【発明の効果】上述の如し、本発明によれば、サリサイ
ド技術を用いた半導体装置の製造方法であって、拡散領
域のドーパントの外方への拡散が生じず、コンタクト低
下等の問題のない半導体装置の製造方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の半導体装置の断面図である。
【図2】 実施例1の工程を順に断面図で示すものであ
る。
【図3】 実施例1における酸素導入された高融点金属
化合物部分の模式的拡大図である。
【図4】 実施例2の工程を順に断面図で示すものであ
る。
【図5】 従来技術の問題点を示す図である。
【図6】 従来技術の問題点を示す図である。
【図7】 従来技術の問題点を示す図である。
【符号の説明】 1 基板 2 不純物導入拡散領域(ソース/ドレイン領域) 4 酸素導入された高融点金属化合物 31 高融点金属(Ti) 32 高融点金属シリサイド(TiSi2 ) 33 高融点金属窒化物(TiN)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/28 - 21/288 H01L 21/44 - 21/445 H01L 29/40 - 29/43 H01L 29/47 H01L 29/872

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン系材料層上に高融点金属を形成
    し、自己整合的に高融点金属シリサイド層を形成する工
    程、 窒素系雰囲気下で熱処理して前記高融点金属シリサイド
    層表面を高融点金属窒化物層とする工程、 前記高融点金属シリサイド層に不純物をイオン注入する
    工程、 酸素系雰囲気下で熱処理して前記高融点金属窒化物層を
    高融点金属酸窒化物層とする工程、熱処理を施して該高
    融点金属酸窒化物層により前記不純物の外方拡散を防止
    しつつ該不純物を前記シリコン系材料層中に拡散する工
    程以上の工程を具備することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  2. 【請求項2】不純物を含有するシリコン系材料層上に高
    融点金属を形成し、自己整合的に高融点金属シリサイド
    層を形成する工程、 窒素系雰囲気下で熱処理して前記高融点金属シリサイド
    層表面を高融点金属窒化物層とする工程、 酸素系雰囲気下で熱処理して前記高融点金属窒化物層を
    高融点金属酸窒化物層とする工程、熱処理を施して該高
    融点金属酸窒化物層により前記不純物の外方拡散を防止
    しつつ該不純物を前記シリコン系材料層中に拡散する工
    程以上の工程を具備することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
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