JP3175252B2 - 新規包接化合物 - Google Patents
新規包接化合物Info
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
詳しくはテトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンをホ
ストとしてなる徐放性の芳香剤、抗菌剤、殺虫剤、防虫
剤等として有用な新規包接化合物に関するものである.
室やロビー、車中、トイレなどに幅広く使用されてお
り、その形態からエアゾール、液体及び固体に大別され
る。エアゾール芳香剤は、スプレー方式で用いられるも
のが多く、効果が即効的であり、また芳香剤組成が一定
であることから香りの経時変化が少ない特長を有してい
る。液体の芳香剤は、ガラス瓶などの容器の口に取り付
けたスポンジやフェルトなどの多孔性の基体に吸い上
げ、この基体と容器のシャッターとの開閉度により、芳
香の強さや持続性を調節している。固体芳香剤として
は、香料を可塑剤、安定剤、多孔質担体に混合し、プラ
スチックに混練して成型したものがあり、玩具、インテ
リア商品などに使用されている。抗菌剤、殺虫剤、芳香
剤等をゲスト化合物とする包接化合物の例としては、特
開平2ー178243号等の記載が知られているが、テ
トラキス(ヒドロキシフェニル)エタンをホスト化合物
とする包接化合物は知られていない。
ゾールタイプ芳香剤は、化学変化や缶容器の腐食の原因
となる香料成分の使用は、殊に安全面での配慮が必要で
あり、これらの香料を用いると、香りの変化やエマルジ
ョンの不安定化によるバルブ詰まりの原因となる。従っ
て、香料の選定に大きな制約がある。また、液体タイプ
は開放系容器を用いることから、転倒による液漏れ事故
は避けられず、取り扱い性の点においても問題がある。
更に、固体のタイプは加熱成型工程が入るため、低沸点
香料の加工が困難であという欠点があった。本発明は、
このような実情からみてなされたものであり、効果の持
続性、安定性、取り扱い性、加工性等を改善し、更には
徐放性を有する新規な包接化合物を提供することを目的
とする。
題点を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、精油又は
香料をゲスト分子とし、テトラキス(ヒドロキシフェニ
ル)エタンをホスト分子としてなる新規な包接化合物を
提供することで所期の目的を達成することを見出し、本
発明を完成した。本発明は、精油又は香料と、下記一般
式〔1〕で示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)
エタンとからなることを特徴とする包接化合物である。
おいて、ゲスト化合物である精油又は香料は、天然若し
くは合成のもが用いられる。精油としては、主に天然精
油のシネオール、ヒノキチオール、メントール、テルピ
ネオール、ボルネオール、ノポール、シトラール、シト
ロネロール、シトロネラール、ゲラニオール、リナロー
ル、ジメチルオクタノール等が挙げられる。一方、香料
としてはキンモクセイ、ジャスミン、レモン等が挙げら
れる。これらはいずれも香料として有用であるが、精油
の場合には、更に殺菌作用、殺虫作用、防虫作用等を併
せて有するものである。これらの化合物は単独で、若し
くは必要に応じて二種以上を混合して使用することがで
きる。
一般式〔1〕で示されるテトラキス(ヒドロキシフェニ
ル)エタンが用いられる。
1,1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニ
ル)エタン(以下「TEP−DF」と略記) 、1,1,
2,2−テトラキス(m−ヒドロキシフェニル)エタン
等が挙げられる。中でもTEP−DFは、得られる包接
化合物が常温で固体であり、取り扱いが容易なことから
特に好んで用いられる。
くは溶媒なしで容易に製造することができる。溶媒を用
いる場合には、ホスト化合物をメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、メチルエチルケトン等の溶媒に
溶解し、次いでこの溶液に液体化した精油又は香料を加
え反応させる。反応後、必要に応じて溶媒を蒸発留去す
るか、冷却すると包接化合物が析出する。この析出物を
常法により濾過分離し、目的とする包接化合物を得る。
溶媒を用いない場合には、精油や香料の液中にテトラキ
ス(ヒドロキシフェニル)エタンを直接添加して反応さ
せる。その後は前述の方法と同様に、析出した固形物を
分離すればよい。両者の場合、反応温度は0〜100
℃、好ましくは10〜60℃であり、反応時間は5分〜
24時間である。上記のようにして得られる包接化合物
は、通常粉末状であり、粒度を変えたり、形状の異なる
成形体にすることにより、使用目的に応じた包接化合物
を得ることができる。
ェニル)エタンをホストとする包接化合物は、ホスト化
合物に対して、通常、2倍モルから4倍モルのゲスト化
合物を包接することが出来る。
な態様で使用することができる。 粉末状の本剤を、開孔を有する容器に入れて使用 本剤を適当な形状に成型して使用 塗料、樹脂等に混練りして部材等に塗布 物体の表面に適当な手段により付着させる 具体的には次のような用途に適用できる。 室内及び車内の芳香性、殺虫性、防虫性装飾品 芳香性、殺虫性、防虫性又は防黴性建材や床材 芳香性、殺虫性、防虫性又は防黴性家具類 芳香性、殺虫性、防虫性寝具類 トイレタリー商品(化粧品、浴用剤、洗剤等) 芳香性玩具 芳香性装身具 芳香性アクセサリー類 芳香性文具事務用品類
ドロキシフェニル)エタンと包接化合物を形成してお
り、従って、ゆっくりと精油や香料が放出される。その
揮散速度は、適宜粒度を変えたり、成形体の形状を変え
たりすることによって容易に制御される。本発明で用い
られるゲスト化合物の精油又は香料は香料として用いら
れるが、精油を用いた場合には、更に殺虫、殺菌作用を
も発揮する。
更に詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、これら
の実施例により何等制限を受けるものではない。
0 g (2.51 mmol) を加え、TEP−DFが完全に溶解す
るまで加温しながら攪拌する。これに1,8−シネオー
ル 1.55 g (10.04 mmol)を徐々に滴下し、60℃で10分間
攪拌しながら反応させた後、直ちに濾過し、この濾液を
室温で放置して結晶を析出させた。この析出物を濾別
後、室温にて真空乾燥して白色結晶物の試料A−1を得
た。
加え、TEP−DFが完全に溶解するまで加温しながら
攪拌した。これにヒノキチオール 1.65g(10.04mmol)を
徐々に滴下し、60℃で10分間攪拌しながら反応させた
後、直ちに濾過し、この濾液を室温で放置して結晶を析
出させた。この析出物を濾別後、室温にて真空乾燥して
白色結晶物の試料A−2を得た。
え、攪拌しながら懸濁分散させた。ここへl−メントー
ル 1.57 g (10.04 mmol)を添加し、40℃で30分攪拌しな
がら反応させた後、室温まで放冷した。この懸濁物を濾
別後、室温にて真空乾燥して白色粉末の試料A−3を得
た。
F 1.0 g (2.51 mmol)を加え、60℃で攪拌しながら反応
させて固形物を得た。この固形物を粉砕した後、室温に
て真空乾燥して白色粉末の試料A−4を得た。
の製造条件、得られた包接化合物のゲスト/ホスト mol
比及びゲストの再放出温度を表1に示した。
は、IRスペクトル、X線回折、DTAにより、包接化
合物であることが確認された。
料1,8−シネオール(R−1)、ヒノキチオール(R
−2)単独のそれぞれを、ゲスト化合物換算で0.6g
となるようにシャーレに採り、25℃及び40℃に保持
したデシケーター中にセットした。これに乾燥空気を2
50ml/分で導入し、経時的に重量減少を測定した。そ
の結果を表2に示した。また、その放出曲線を図8及び
図9に示した。
及びゲスト化合物であるヒノキチオールのDTAチャー
トを図1に示した。また、試料A−2のIRスペクトル
を図2に示した。この図2から明らかなように、包接化
に伴うヒドロキシル基吸収が 3182 cm-1付近に認めら
れ、更にカルボニル基吸収が 1594 cm-1に認められる。
更に図5に示す試料A−2のX線回折図から、試料A−
2は結晶性物質であることが判る。従って、本発明で得
られた試料A−2は、包接化合物であることが確認され
た。
料を、テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンのホス
ト化合物に包接させることにより得られる包接化合物
は、徐放性、有効成分の安定性に優れ、徐放速度も容易
に調節することができ、長期間に亘って芳香効果や殺
虫、殺菌効果が持続することができる。本発明の包接化
合物はホスト化合物に対し、4倍モル以上のゲストとな
る精油又は香料を包接することができる、極めて包接効
率の高いものである。また、本発明の包接化合物は固形
状を有し、常温下で任意の形状に適宜成形でき、低沸点
の香料も変性させずに加工できるため、取り扱い性、加
工性に優れている。
す。
す。
トル図を示す。
クトル図を示す。
を示す。
図を示す。
独について、放出試験を行い、放出量を測定して得た放
出曲線を示す。
ついて、放出試験を行い、放出量を測定して得た放出曲
線を示した図である。 (以下余白)
Claims (1)
- 【請求項1】下記一般式〔1〕 【化1】 で示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンを
ホスト化合物とし、1,8−シネオール、ヒノキチオー
ル、l−メントール、α−テルピネオールからなる群か
ら選ばれる1種をゲスト化合物とする包接化合物。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35073491A JP3175252B2 (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | 新規包接化合物 |
EP92924909A EP0589044B1 (en) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | Novel inclusion compound comprising tetrakisphenol as host |
DE69214814T DE69214814T2 (de) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | Neue einschlussverbindungen welche tetrakisphenol als wirt beinhalten |
PCT/JP1992/001620 WO1993012060A1 (en) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | Novel inclusion compound comprising tetrakisphenol as host |
KR1019930702410A KR960004883B1 (ko) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | 호스트로서 테트라키스페놀류를 포함하는 신규 포접 화합물 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35073491A JP3175252B2 (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | 新規包接化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05163187A JPH05163187A (ja) | 1993-06-29 |
JP3175252B2 true JP3175252B2 (ja) | 2001-06-11 |
Family
ID=18412495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35073491A Expired - Lifetime JP3175252B2 (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | 新規包接化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3175252B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6444619B1 (en) * | 2000-09-28 | 2002-09-03 | Rohm And Haas Company | Delivery system for cyclopropenes |
-
1991
- 1991-12-12 JP JP35073491A patent/JP3175252B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05163187A (ja) | 1993-06-29 |
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