JP3174683B2 - バイアスカッターのタイヤ構成材料搬入装置 - Google Patents

バイアスカッターのタイヤ構成材料搬入装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、バイアスカッターのタ
イヤ構成材料搬入装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来は、スチールコード付タイヤ構成材
料専用のマグネット（磁力) による材料保持装置と、テ
キスタイルコード付タイヤ構成材料専用の負圧による材
料保持装置とを、切断するタイヤ構成材料に応じて取り
替えるか、これらの材料保持装置を併置して、切断する
材料に応じていずれかを使用するようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】タイヤを軽量化するた
めに、ポリアラミド繊維（商標名ケブラーコード等称さ
れるが、本明細書中では、スチールコードと対応するた
めテキスタイルコードと称することにする）が多用され
るようになったが、テキスタイルコードは、硬度が非常
に高くて、通常のテキスタイルコード用バイアスカッタ
ーで切断すると、切断刃の寿命が著しく短かくなる。
切断精度が悪くなる。そのため、スチールコード用バ
イアスカッターにより切断している。
【０００４】ところがタイヤ構成材料を切断装置へ切断
幅に応じて搬入するために、スチールコード付タイヤ構
成材料はマグネットの磁力により吸着保持するが、テキ
スタイルコード付タイヤ構成材料は、マグネットの磁力
により吸着保持できないので、負圧による吸着力により
保持するようにしている。そのため、スチールコード付
タイヤ構成材料とテキスタイルコード付タイヤ構成材料
との切断に兼用するバイアスカッターを使用する場合に
は、図７に示すマグネット（磁力) による材料保持装置
と、図８に示す負圧による材料保持装置とを取り替えて
使用するか、併置して切替え使用している。
【０００５】図７に示すマグネット（磁力) による材料
保持装置は、スチールコード付タイヤ構成材料を吸着す
るマグネット２５と、同マグネット２５を上下２位置に
作動させるエアシリンダ２７と、スチールコード付タイ
ヤ構成材料をマグネット２５から引き剥がすセパレータ
２６とにより構成されている。図８に示す負圧による材
料保持装置は、テキスタイルコード付タイヤ構成材料を
負圧により吸着する負圧吸着パット２８と、タイヤ構成
材料を同負圧吸着パット２８から引き剥がすセパレータ
２９と、同負圧吸着パット２８を吸着位置と持ち上げ位
置と引き剥がし位置との３位置に昇降させる２連のエア
シリンダ３０とにより構成されている。 （１）上記図７に示すマグネット（磁力) による材料保
持装置と上記図８に示す負圧による材料保持装置とを取
り替えて使用する場合には、材料保持装置の重量が１０
０ｋｇ以上に及ぶため、専用の吊具設備、搬送設備、休
止中の材料保持装置の保管設備を必要とする。
【０００６】また取り替えのために、多くの時間、労力
を必要として、バイアスカッターの稼動率を著しく低下
させている。 （２）上記図７に示すマグネット（磁力) による材料保
持装置と上記図８に示す負圧による材料保持装置とを併
置して、切替え使用する場合には、材料吸着装置部の構
造が複雑になる。
【０００７】また材料搬入のための移動部の重量が増大
し、移動部の駆動動力が増大するばかりでなく、移動部
の加減速度を下げなければならなくて、タイヤ構成材料
の搬入時間が長くなり、バイアスカッターのサイクルが
長くなる。なお負圧による吸着パットとマグネットとを
一つの材料保持装置に並列的に配置する場合もあるが、
この場合、材料吸着保持装置部が大型化して、上記
（２）項と同様の問題が生じる。
【０００８】本発明は前記の問題点に鑑み提案するもの
であり、その目的とする処は、マグネット（磁力) によ
る材料保持装置と負圧による材料保持装置とを取り替え
たり、併設することなしに、スチールコード付タイヤ構
成材料とテキスタイルコード付タイヤ構成材料とを保持
できて、装置をコンパクト化できる上に、材料変更時の
段取り替えを不要にできるバイアスカッターのタイヤ構
成材料搬入装置を提供しようとする点にある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のバイアスカッターのタイヤ構成材料搬入
装置は、負圧によりタイヤ構成材料を吸着する吸着筒の
内部にマグネットを設置して、テキスタイルコード付タ
イヤ構成材料とスチールコード付タイヤ構成構成材料と
を吸着保持可能にしている。
【００１０】前記バイアスカッターのタイヤ構成材料搬
入装置おいて、前記吸着筒を、テキスタイルコード付タ
イヤ構成材料を吸着する下降位置と、吸着したテキスタ
イルコード付タイヤ構成材料を持ち上げるかスチールコ
ード付タイヤ構成材料を吸着する中間位置と、テキスタ
イルコード付タイヤ構成材料またはスチールコード付タ
イヤ構成材料を吸着筒から引き剥がす上昇位置との３位
置に昇降可能にしてもよい。
【００１１】
【作用】
（１）スチールコード付タイヤ構成材料を保持する場
合、吸着筒を中間位置へ下降させて、スチールコード付
タイヤ構成材料を吸着筒内に設けたマグネットの磁力に
より吸着保持し、切断装置の搬出コンベア上へ搬入後、
吸着筒を上昇位置へ上昇させて、セパレータとによりス
チールコード付タイヤ構成材料を吸着筒から引き剥が
す。 （２）テキスタイルコード付タイヤ構成材料を保持する
場合、吸着筒を下降位置へ下降させて、テキスタイルコ
ード付タイヤ構成材料を吸着筒の負圧により吸着保持
し、次いで中間位置へ上昇させて、搬入テーブルよりも
少し上方ヘ持ち上げ、切断装置の搬出コンベア上へ搬入
後、負圧源を切り、吸着筒を上昇位置ヘ上昇させて、セ
パレータとによりテキスタイルコード付タイヤ構成材料
を吸着筒から引き剥がす。
【００１２】
【実施例】次に本発明のバイアスカッターのタイヤ構成
材料搬入装置を図１に示す一実施例により説明する。バ
イアスカッターは、幅広の通常、原反と称するタイヤ構
成材料を巻き出すレットオフ装置１と、タイヤ構成材料
を使用量に応じて引出すプルドラム装置２と、タイヤ構
成材料をガイドして切断装置へ送り込む搬入装置３と、
タイヤ構成材料を切断して切断したタイヤ構成材料を搬
出する切断装置４と、切断したタイヤ構成材料を接合す
る接合装置５と、接合したタイヤ構成材料を巻き採る巻
取装置６とにより構成されている。
【００１３】図２は、上記バイアスカッターのプルドラ
ム装置２と、搬入装置３と、切断装置４とを図１の矢印
Ａ方向から見た側面図である。搬入装置３は、タイヤ構
成材料をガイドするガイド部材７と、タイヤ構成材料を
乗せて搬送する搬入テーブル８と、タイヤ構成材料の先
端部を吸着保持する前方材料保持装置９と、タイヤ構成
材料の後部を吸着保持する後方材料保持装置１０と、こ
れらの材料保持装置９、１０をガイドして駆動装置（図
示せず）により図１の矢印方向に往復動させる駆動機構
１１とより構成されている。
【００１４】原反１０１は、材料保持装置９，１０が二
点鎖線位置９’、１０’に後退したときに、吸着保持さ
れ、材料保持装置９，１０が図示しない駆動装置により
実線位置に前進したときに、切断装置４の搬出コンベア
１２上へ搬入されて、切断される。そして切断装置４に
より切断、搬出される間に、材料保持装置９，１０がタ
イヤ構成材料を離し、二点鎖線位置９’、１０’へ後退
して、次のタイヤ構成材料を搬入するためにタイヤ構成
材料を吸着保持する。この材料送り量に応じて、プルド
ラム１３が回転して、原反１０１が送り込まれる。
【００１５】図３（ａ）は、材料保持装置９または１０
の搬入テーブル８の上部を示す側面図、図３（ｂ）は、
その平面図、図４は、図３（ａ）の矢視Ｂ−Ｂ線に沿う
縦断側面図である。１４が材料保持装置９または１０の
全体を支持する役目を兼ねたビーム状のセパレータで、
同セパレータ１４は、その下面が搬入テーブル面よりも
約５ｍｍ上方に位置するように駆動機構１１に装架され
ている。
【００１６】１５が吸着筒、１８がセパレータ１４の下
面に吸着筒１５の出入を可能に設けた孔で、吸着筒１５
は、孔１８に対応するようにヘッダ１６に気密的に取り
付けられている。上記ヘッダ１６は、下降位置と、中間
位置（図４の位置）と、上昇位置との３位置に昇降する
ように２連シリンダ１９に連結されている。
【００１７】図５は、吸着筒１５及びヘッダ１６の詳細
を示す縦断側面図である。吸着筒１５は、筒２１と、筒
２１内に形成した凹部２２と、同凹部２２に開口した負
圧導入孔２０とを有し、凹部２２が負圧導入孔２０を介
してヘッダ１６に連結されている。２４がスチールコー
ド付タイヤ構成材料を吸着するマグネットで、同マグネ
ット２４は、筒２１の凹部２２内に位置し（筒２１の下
端面２３から約１ｍｍ奥まった凹部２２内に位置し）、
ボルト１７によりヘッダ１６に取付けられている。
【００１８】このマグネット２４は、筒２１の凹部２２
の負圧によりテキスタイルコード付タイヤ構成材料が吸
着されるとき、同タイヤ構成材料が凹部２２内に吸い込
まれて変形するのを防ぐ役目を持っている。次に前記バ
イアスカッターのタイヤ構成材料搬入装置の作用を図６
により説明する。 （１）スチールコード付タイヤ構成材料を保持する場
合、吸着筒１５を中間位置へ下降させて、スチールコー
ド付タイヤ構成材料を吸着筒１５内に設けたマグネット
２４の磁力により吸着保持し（図６（ａ）参照）、切断
装置４の搬出コンベア１２上へ切断幅に応じて搬入後、
吸着筒１５を磁力の及ばない上昇位置へ上昇させて、セ
パレータ１４とによりスチールコード付タイヤ構成材料
を吸着筒１５から引き剥がす（図６（ｂ）参照）。 （２）テキスタイルコード付タイヤ構成材料を保持する
場合、吸着筒１５を下降位置へ下降させて、テキスタイ
ルコード付タイヤ構成材料を吸着筒１５の負圧により吸
着保持し（図６（ｃ）参照）、次いで中間位置へ上昇さ
せて、搬入テーブル上面よりも少し上方ヘ持ち上げ（図
６（ｄ）参照）、切断装置４の搬出コンベア１２上へ搬
入後、負圧源を切り、吸着筒１５を上昇位置ヘ上昇させ
て、セパレータ１４とによりテキスタイルコード付タイ
ヤ構成材料を吸着筒１５から引き剥がす（図６（ｅ）参
照）。
【００１９】なお図６（ｄ）に示すようにテキスタイル
コードを負圧により吸着しているとき、もしも吸着筒１
５の筒２１の内部に材料受けがない場合、図６（ｆ）に
示すようにタイヤ構成材料が吸着筒内に吸い込まれ、材
料が変形し、品質上好ましくない。一方、材料受けの材
料受け面が吸着筒の筒の下端面と同じレベルにあると、
図６（ｈ）に示すようにタイヤ構成材料は吸着される
が、横方向（切断装置４方向）への搬送力が低下する。
しかし図６（ｇ）に示すように材料受け面が吸着筒の筒
の下端面から約１ｍｍ上方に位置していると、タイヤ構
成材料を変形させることがない上に、横方向への搬送力
が低下しない。またスチールコード付タイヤ構成材料を
吸着するのに充分な磁力も得られる。
【００２０】
【発明の効果】本発明のバイアスカッターのタイヤ構成
材料搬入装置は前記のように（１）スチールコード付タ
イヤ構成材料を保持する場合、吸着筒を中間位置へ下降
させて、スチールコード付タイヤ構成材料を吸着筒内に
設けたマグネットの磁力により吸着保持し、切断装置の
搬出コンベア上へ搬入後、吸着筒を上昇位置へ上昇させ
て、セパレータとによりスチールコード付タイヤ構成材
料を吸着筒から引き剥がす。（２）テキスタイルコード
付タイヤ構成材料を保持する場合、吸着筒を下降位置へ
下降させて、テキスタイルコード付タイヤ構成材料を吸
着筒の負圧により吸着保持し、次いで中間位置へ上昇さ
せて、搬入テーブルよりも少し上方ヘ持ち上げ、切断装
置の搬出コンベア上へ搬入後、負圧源を切り、吸着筒を
上昇位置ヘ上昇させて、セパレータとによりテキスタイ
ルコード付タイヤ構成材料を吸着筒から引き剥がすの
で、マグネット（磁力) による材料保持装置と負圧によ
る材料保持装置とを取り替えたり、併設することなし
に、スチールコード付タイヤ構成材料とテキスタイルコ
ード付タイヤ構成材料とを保持できて、装置をコンパク
ト化できる上に、材料変更時の段取り替えを不要にでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のバイアスカッターのタイヤ構成材料搬
入装置の一実施例を示す平面図である。
【図２】図１の矢印Ａ方向から見た側面図である。
【図３】（ａ）は、材料保持装置の搬入テーブルの上部
を示す側面図、（ｂ）は、その平面図である。
【図４】図３（ａ）の矢視Ｂ−Ｂ線に沿う縦断側面図で
ある。
【図５】吸着筒及びヘッダの詳細を示す縦断側面図であ
る。
【図６】（ａ）は、スチールコード付タイヤ構成材料を
吸着筒のマグネットにより吸着保持した状態を示す作用
説明図、（ｂ）は、上昇する吸着筒とセパレータとによ
りスチールコード付タイヤ構成材料を吸着筒から引き剥
がす状態を示す作用説明図、（ｃ）は、テキスタイルコ
ード付タイヤ構成材料を吸着筒の負圧により吸着保持し
た状態を示す作用説明図、（ｄ）は、吸着筒を搬入テー
ブル上面よりも少し上方へ持ち上げた状態を示す作用説
明図、（ｅ）は、上昇する吸着筒とセパレータとにより
テキスタイルコード付タイヤ構成材料を吸着筒から引き
剥がす状態を示す作用説明図、（ｆ）は、吸着筒内に材
料受けがない場合を示す説明図、（ｇ）は、タイヤ構成
材料を変形させることがなく横方向への搬送力を得られ
る場合を示す説明図、（ｈ）は、タイヤ構成材料を吸着
するものの、横方向への搬送力を得にくい場合を示す説
明図である。
【図７】従来のスチールコード付タイヤ構成材料用保持
装置を示す縦断側面図である。
【図８】従来のテキスタイルコード付タイヤ構成材料用
保持装置の縦断側面図である。
【符号の説明】
１５ 吸着筒 １６ セパレータ １７ ボルト ２１ 筒 ２２ 凹部 ２３ 筒２１の下端面 ２４ マグネット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 負圧によりタイヤ構成材料を吸着する吸
    着筒の内部にマグネットを設置して、テキスタイルコー
    ド付タイヤ構成材料とスチールコード付タイヤ構成構成
    材料とを吸着保持可能にしたことを特徴とするバイアス
    カッターのタイヤ構成材料搬入装置。
  2. 【請求項２】 前記吸着筒を、テキスタイルコード付タ
    イヤ構成材料を吸着する下降位置と、吸着したテキスタ
    イルコード付タイヤ構成材料を持ち上げるかスチールコ
    ード付タイヤ構成材料を吸着する中間位置と、テキスタ
    イルコード付タイヤ構成材料またはスチールコード付タ
    イヤ構成材料を吸着筒から引き剥がす上昇位置との３位
    置に昇降可能にした請求項１記載のバイアスカッターの
    タイヤ構成材料搬入装置。
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NL1029863C2 (nl) 2005-09-02 2007-03-05 Vmi Epe Holland Toevoerder voor snij-inrichting.
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NL194787B (nl) 2002-11-01
NL194787C (nl) 2003-03-04
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