JP3174656U - 湿布薬 - Google Patents
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Abstract
【課題】単純かつ容易な作業により、皺が発生しない正常な貼付けができる湿布薬を提供する。
【解決手段】上方剥離層1、粘着剤層2、柔軟基体層3、薬剤層4、下方剥離層5からなる積層構造体により湿布薬を構成する。薬剤層4は薬剤成分を含有した粘着材料によって構成され、柔軟基体層3の下面に塗布固着されている。柔軟基体層3は、伸縮可能な柔軟性をもった素材によって構成され、その上面は、粘着剤層2の下面から剥離可能な剥離面を形成している。上方剥離層1は、堅牢性をもった素材によって構成される。下方剥離層5の上面は、薬剤層4の下面から剥離可能な剥離面を形成している。使用時には、まず、下方剥離層5を剥離除去し、薬剤層4の下面を肌に貼付ける。このとき、湿布薬全体は堅牢性を有する上方剥離層1によって支持されているため、皺が生じることはない。貼付作業完了後には、上方剥離層1を粘着剤層2とともに剥離除去する。
【選択図】図1
【解決手段】上方剥離層1、粘着剤層2、柔軟基体層3、薬剤層4、下方剥離層5からなる積層構造体により湿布薬を構成する。薬剤層4は薬剤成分を含有した粘着材料によって構成され、柔軟基体層3の下面に塗布固着されている。柔軟基体層3は、伸縮可能な柔軟性をもった素材によって構成され、その上面は、粘着剤層2の下面から剥離可能な剥離面を形成している。上方剥離層1は、堅牢性をもった素材によって構成される。下方剥離層5の上面は、薬剤層4の下面から剥離可能な剥離面を形成している。使用時には、まず、下方剥離層5を剥離除去し、薬剤層4の下面を肌に貼付ける。このとき、湿布薬全体は堅牢性を有する上方剥離層1によって支持されているため、皺が生じることはない。貼付作業完了後には、上方剥離層1を粘着剤層2とともに剥離除去する。
【選択図】図1
Description
本考案は、肌に貼付けて利用する湿布薬に関し、特に、容易な貼付け作業が可能となる付加的な構造をもった湿布薬に関する。
湿布薬は、患部近傍の肌に貼付けることにより、特定の薬効成分を患部に持続的に供給する機能をもった薬であり、打撲傷、肩こり、筋肉痛、腱鞘炎などに対する消炎鎮痛剤として広く利用されている。
現在、一般に市販されている湿布薬は、伸縮可能な柔軟性をもった素材からなる基体層の下面に、湿布薬としての効果をもった薬剤成分を含有した粘着材料からなる薬剤層を形成し、更に、この薬剤層の下面に剥離層を貼付けた3層構造体によって構成される。使用時には、剥離層を剥がし取り、露出した薬剤層を肌に貼付ける作業を行えばよい。基体層は伸縮可能な素材から構成されており、肌表面が伸縮変形しても、これに応じて伸び縮みすることができる。したがって、患者が日常生活をおくるために身体を動かしても、湿布薬は患部に貼付けられた状態を維持することができる。
このように、薬剤層を支持する担体としての役割を果たす基体層には、肌表面の伸縮変形に十分に追従可能な柔軟性が要求されるが、この柔軟性は、貼付け作業を行う上では弊害となる。上述したとおり、湿布薬の使用時には、剥離層を剥がし取り、露出した薬剤層を肌に貼付ける作業を行うことになるが、柔軟性を有する基体層は湾曲するため、貼付け作業時には注意が必要になる。
すなわち、湾曲により薬剤層の表面が相互に接触すると、接触部分が相互に貼付いてしまう事態が発生する。このような事態が発生すると、貼付いた薬剤層同士を剥がす作業が必要になる。また、相互に貼付く事態が生じないまでも、基体層の湾曲により、肌に貼付けた時点で皺が生じてしまう場合も少なくない。皺が生じた部分は凸状に隆起してしまうため、湿布薬を一度剥がして貼り直しを行わざるを得なくなる。
特に、背中などの身体背面部分の患部に自分自身で湿布薬を貼付ける場合、湿布薬の状態を目視できず、しかも無理な姿勢で作業を行わざるを得ないため、貼付作業には多大な労力が必要となる。また、大判の湿布薬の場合も、貼付作業時に部分的な皺が発生しやすく、貼付け作業時には細心の注意が必要になる。
このような問題に対処するため、下記の特許文献1には、肌表面に貼付ける代わりに、下着の内側面に固定するタイプの湿布薬が開示されている。また、特許文献2,3には、湿布薬を貼付ける作業を補助するための固有の貼付器具が開示されている。更に、特許文献4には、基体層の両端間に補助シートを張り、基体層と補助シートとの間に2本の指を挿入した状態で貼付作業を行うことができる構造をもった湿布薬が開示されている。
上述したとおり、貼付作業時の負担を軽減するために、従来から様々な対策が提案されているが、いずれも単純かつ容易な貼付作業を行う上での効果的な対策にはなっていない。たとえば、特許文献1に開示されている下着に固定するタイプの湿布薬では、下着を脱いだり着たりする作業が必要になるため、かえって労力が増えることになる。また、特許文献2,3に開示されているような貼付器具を利用する方法では、余分な器具を用意したり、湿布薬を器具に装着したりする労力が必要になる。更に、特許文献4に開示されている補助シートを備えた湿布薬では、基体層と補助シートとの間に2本の指を挿入した状態で貼付作業を行う必要があるので、慣れない特異な作業が強いられることになる。
そこで本考案は、単純かつ容易な作業により、皺が発生しない正常な貼付けが可能な湿布薬を提供することを目的とする。
(1) 本考案の第1の態様に係る湿布薬は、上方から下方に向かって、上方剥離層、粘着剤層、柔軟基体層、薬剤層、下方剥離層の順に配置された積層構造によって構成されている。ここで、薬剤層は、湿布薬としての効果をもった薬剤成分を含有した粘着材料によって構成され、柔軟基体層の下面に塗布固着される。下方剥離層は、この薬剤層の下面に貼付けられており、その上面は、薬剤層の下面から剥離可能な剥離面を形成している。一方、粘着剤層は、上方剥離層の下面に塗布固着されており、柔軟基体層は、肌に貼付けた場合に肌表面の変形に応じて伸縮可能な柔軟性をもった素材によって構成され、その上面は、粘着剤層の下面から剥離可能な剥離面を形成している。また、上方剥離層は、柔軟基体層を皺が生じないように支持することが可能な堅牢性をもった素材によって構成され、粘着剤層を介して柔軟基体層の上面に貼付けられている。
(2) 本考案の第2の態様は、上述した第1の態様に係る湿布薬において、
柔軟基体層の上面全面が粘着剤層を介して上方剥離層の下面に貼付けられているようにしたものである。
柔軟基体層の上面全面が粘着剤層を介して上方剥離層の下面に貼付けられているようにしたものである。
(3) 本考案の第3の態様は、上述した第1または第2の態様に係る湿布薬において、
上方剥離層の周囲部分の一部もしくは全部が柔軟基体層の平面輪郭線から外側に食み出す構造をなし、この食み出した部分によって剥がし代を構成するようにしたものである。
上方剥離層の周囲部分の一部もしくは全部が柔軟基体層の平面輪郭線から外側に食み出す構造をなし、この食み出した部分によって剥がし代を構成するようにしたものである。
(4) 本考案の第4の態様は、上述した第3の態様に係る湿布薬において、
剥がし代の食み出し方向への寸法を、3〜7mmに設定したものである。
剥がし代の食み出し方向への寸法を、3〜7mmに設定したものである。
本考案による湿布薬を使用するには、まず、下方剥離層を剥がして薬剤層の下面(粘着面)を露出させ、これを患部となる肌表面に貼付ける作業を行う。柔軟基体層は伸縮可能な柔軟性をもった素材からなる層であるが、貼付作業時には、柔軟基体層の上に上方剥離層が貼付けられた状態となっている。上方剥離層は、柔軟基体層を皺が生じないように支持することが可能な堅牢性をもった素材によって構成されているため、貼付作業時には、この上方剥離層の堅牢性によって皺の発生を防止することができる。そして、貼付作業後に、上方剥離層を粘着剤層とともに剥離除去すれば、肌表面には、伸縮可能な柔軟性をもった柔軟基体層および薬剤層のみが残ることになる。このため、単純かつ容易な作業により、皺が発生しない正常な貼付けが可能になる。
また、上方剥離層、粘着剤層、柔軟基体層、薬剤層、下方剥離層を同一の平面形状をもった層によって構成し、上方剥離層の下面全面が粘着剤層を介して柔軟基体層の上面全面に貼付けられているようにすれば、上方剥離層によって柔軟基体層の全面を支持することができるので、貼付作業時に皺の発生を完全に防止することができる。
以下、本考案を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は、本考案に係る湿布薬の基本構造を示す側断面図である。図示のとおり、この湿布薬は、上方から下方に向かって、上方剥離層1、粘着剤層2、柔軟基体層3、薬剤層4、下方剥離層5の順に配置された積層構造を有している。粘着剤層2および薬剤層4は、いずれも粘着性を有しているため、この5層からなる積層構造体は積層状態を維持することになる。
薬剤層4は、湿布薬としての効果をもった薬剤成分を含有した粘着材料によって構成され、柔軟基体層3の下面に塗布固着されている。薬剤成分としては、たとえば、打撲傷、肩こり、筋肉痛、腱鞘炎などに対する消炎鎮痛剤として用いる湿布薬の場合、インドメタシン、サルチル酸メチル、エル−メントールなどを配合すればよい。
柔軟基体層3は、この薬剤層4の担体としての役割を果たす構成層であり、肌に貼付けた場合に肌表面の変形に応じて伸縮可能な柔軟性をもった素材によって構成される。湿布薬は長時間にわたって肌に貼付けられるため、柔軟基体層3としては、肌の変形に馴染みやすく破けにくい素材を用いるのが好ましい。具体的には、繊維を有する織布、あるいは不織布などによって構成するのが最適である。
下方剥離層5は、薬剤層4の下面に貼付けられている構成層であり、その役割は、湿布薬の使用直前まで粘着性を有する薬剤層4の下面を保護することにある。すなわち、図1に示す使用前の状態では、薬剤層4の下面は下方剥離層5によって覆われ保護されている。下方剥離層5は、薬剤層4の粘着性によってその下面に貼付けられているが、湿布薬を使用する際には剥離除去される。したがって、下方剥離層5の少なくとも上面は、薬剤層4の下面から剥離可能な剥離面を形成している必要がある。具体的には、下方剥離層5は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどの高分子重合体フィルムによって構成すればよい。
従来から市販されている一般的な湿布薬は、通常、上述した柔軟基体層3、薬剤層4、下方剥離層5の3層構造から構成される。本考案の特徴は、このような従来の3層式湿布薬に、更に、上方剥離層1および粘着剤層2を付加した点にある。
上方剥離層1は、柔軟基体層3を皺が生じないように支持することが可能な堅牢性をもった素材によって構成され、粘着剤層2は、この上方剥離層1の下面に塗布固着された粘着性をもった材料によって構成される。したがって、上方剥離層1は粘着剤層2を介して柔軟基体層3の上面に貼付けられている。ここで、柔軟基体層3の上面は、粘着剤層2の下面から剥離可能な剥離面を形成しており、上方剥離層1を上方へめくり上げる操作を行うと、粘着剤層2は上方剥離層1側に付着してめくり上がることになり、上方剥離層1とともに粘着剤層2を剥離除去することができる。
上方剥離層1は、柔軟基体層3を皺が生じないように支持する役割を果たす構成要素であるので、そのような役割を果たすことが可能な堅牢性をもった素材によって構成する必要がある。ただ、湿布薬を肌表面に貼付ける作業を行う際に、肌表面の湾曲に応じてある程度は湾曲する柔軟性も備えている必要がある。すなわち、実用上、上方剥離層1は、柔軟基体層3を皺が生じないように支持する堅牢性を備えつつ、肌表面の湾曲に応じて湾曲する柔軟性も兼ね備えている必要がある。したがって、上方剥離層1として、金属板やガラス板などの剛性材料を用いるのは不適当である。
実用上は、上方剥離層1として紙(たとえば、一般に名刺やケント紙などに利用されている程度の厚紙)を用いるのが好ましい。もちろん、湿布薬の用途に応じて、上方剥離層1の材質にバリエーションをもたせるようにしてもよい。たとえば、背中などの比較的広い範囲に貼付ける大判の湿布薬の場合であれば、名刺やケント紙程度の厚紙を上方剥離層1として用いればよいが、関節などの局部に貼付ける湿布薬の場合は、より湾曲しやすい薄い紙を上方剥離層1として用いるようにすればよい。
この図1に示す湿布薬を使用する際には、まず、下方剥離層5を図の下方にめくり下げ、薬剤層4の下面から剥離して除去する。そして、図2に示すように、残った4層からなる湿布薬を患部近傍の肌6に貼付ける作業を行う。薬剤層4の下面は粘着性を有しているため、肌6の表面に貼付けることができる。上述したとおり、上方剥離層1は、ある程度湾曲する柔軟性を備えているため、湿布薬は肌6の湾曲に応じて湾曲させることができるが、柔軟基体層3を皺が生じないように支持する堅牢性も備えているため、貼付作業中に湿布薬に皺が生じたり、薬剤層4の下面同士が接触したりする事態を防ぐことができる。
本考案に係る湿布薬は、背中などの身体背面部分の患部に自分自身で貼付ける作業を行う場合に特に効果的である。上方剥離層1の支持機能により、湿布薬全体は、皺が生じない状態に維持されているので、手を背中にまわして無理な姿勢で作業を行ったとしても、湿布薬を患部近傍に適切な状態で貼付けることができる。具体的には、掌に上方剥離層1側を下に向けて湿布薬を載せ、そのまま掌を背中の患部に当てるようにして貼付ける作業を行えば十分である。
もちろん、本考案に係る湿布薬を用いれば、貼付作業を行う際に固有の貼付器具を利用する必要はなく、また、前掲の特許文献4に開示されている湿布薬のように2層間に2本指を挿入するような特異な貼付作業を行う必要もない。このように、手にもった湿布薬を患部近傍に直接貼付けるという単純な動作を行いつつ、皺の発生を気にかけない容易な作業が可能になる点が、本考案に係る湿布薬の大きな特徴である。
こうして、4層からなる湿布薬を肌6に貼付ける作業が完了したら、上方剥離層1を上方へめくり上げ、上方剥離層1とともに粘着剤層2を剥離除去すれば、湿布薬の貼付作業は完了である。図3は、湿布薬の貼付作業完了時の状態を示す側断面図である。肌6の表面には、柔軟基体層3および薬剤層4の2層のみが残った状態になる。薬剤層4の担体としての役割を果たす柔軟基体層3は、肌表面の変形に応じて伸縮可能な柔軟性をもった素材によって構成されているため、肌6に多少の変形が生じても、この2層は肌6の表面に貼付けられた状態を維持することができる。また、粘着剤層2は上方剥離層1とともに剥離除去されるので、柔軟基体層3の上面がベトつくこともない。
なお、ここに示す実施例の場合、上方剥離層1、粘着剤層2、柔軟基体層3、薬剤層4、下方剥離層5は、いずれも同一の平面形状(たとえば、矩形形状)を有しており、柔軟基体層3の上面全面が粘着剤層2を介して上方剥離層1の下面に貼付けられている。このように、柔軟基体層3の上面全面を上方剥離層1の下面に貼付ける構成にすれば、貼付作業時に皺の発生を完全に防止することができる。
もちろん、本考案を実施する上では、必ずしも5層の平面形状をすべて同一にする必要はない。図4は、図1に示す湿布薬の変形例を示す側断面図である。図示のとおり、この変形例における上方剥離層1′および下方剥離層5′は、図1に示す上方剥離層1および下方剥離層5を左右に若干伸ばした構成になっている。この伸ばした部分には、粘着剤層2や薬剤層4が付着しておらず、この部分は「剥がし代」として機能する。上方剥離層1′や下方剥離層5′を剥離する際には、この「剥がし代」の部分に指先を当てれば、初期段階の作業を容易に行うことができる。
図5は、この変形例に係る湿布薬の上面図であり、図4は、図5に示す湿布薬を切断線X−Xの位置で切断した断面に相当する。図5に示すとおり、この湿布薬の全体形状は矩形であるが、粘着剤層2,柔軟基体層3,薬剤層4という中間3層の平面輪郭線を構成する矩形に対して、上方剥離層1′および下方剥離層5′という上下2層の平面輪郭線を構成する矩形は、横幅が若干長くなっている。すなわち、粘着剤層2,柔軟基体層3,薬剤層4という中間3層は、図に区間Aとして示す領域内に収まる横幅をもった層であるのに対して、上方剥離層1′および下方剥離層5′の2層は、左右にそれぞれ区間B1,B2を付加した領域に跨がる横幅をもった層になっている。ここで、区間B1,B2に位置する部分が、上述したように、「剥がし代」として機能する部分である。
なお、図示の例では、上方剥離層1′および下方剥離層5′について、「剥がし代」の寸法を同一に設定してあるが、必ずしも同一寸法にする必要はなく、たとえば、下方剥離層5′についての「剥がし代」を上方剥離層1′についての「剥がし代」よりも長く(あるいは短く)するようにしてもかまわない。また、左右の「剥がし代」の寸法d1,d2を変えてもかまわない。
一般に、下方剥離層5′を剥離する作業は、作業者の眼前で目視確認しながら両手を使って行うことができるため、「剥がし代」が長くても、短くても、あるいは「剥がし代」がなくても、それほど作業能率に影響を与えることはない。これに対して、上方剥離層1′を剥離する作業は、既に薬剤層4が肌6の表面に貼付けられている状態において行う必要があるため、「剥がし代」の長さは作業能率を左右する要因になる。特に、肩、背中、脇腹、大腿裏部などに自分自身で湿布薬を貼付ける場合、片手で、しかも手探りで上方剥離層1′を剥離する必要が生じるため、「剥がし代」の長さを最適にしておくことは重要である。
本願考案者が行った実験では、上方剥離層1′の「剥がし代」の寸法d1,d2が長すぎても、短かすぎても、作業効率の低下が見られた。長すぎると、この部分を摘んで持ち上げようとする力が働きやすく、せっかく肌6に粘着させた薬剤層4を肌6から剥離させてしまう結果に陥りやすい。逆に短かすぎても、上方剥離層1′のみをめくり上げる操作が行いにくくなる。
上記実験によれば、「剥がし代」の寸法d1,d2(食み出し方向への寸法)を、3〜7mmに設定すると、作業負担を軽減させる良好な結果が得られた。特に、5mm程度に設定した場合に、最も良好な結果が得られた。その理由は、このような寸法に設定しておけば、指の腹の触覚で「剥がし代」の端部を探りながらめくり上げる操作を行いつつ、同じ指の腹で柔軟基体層3の端部を肌6の方へ押し付ける操作も同時に行うことができるためと考えられる。一旦、上方剥離層1′の端部のみをめくり上げることができれば、その後、上方剥離層1′のみを剥離する作業は支障なく行うことができる。
なお、図5に示す変形例では、「剥がし代」を左右にそれぞれ設けているが、もちろん、左右のいずれか一方のみに設ける構成にしてもかまわない。あるいは、上下左右の四方に設けるようにしてもかまわない(この場合、上方剥離層1′の周囲部分の全部が柔軟基体層3の平面輪郭線から外側に食み出す構造となる)。要するに、上方剥離層に「剥がし代」を設ける際には、上方剥離層の周囲部分の一部もしくは全部が柔軟基体層の平面輪郭線から外側に食み出す構造をなすようにし、この食み出した部分によって「剥がし代」が構成されるようにすればよい。
1,1′:上方剥離層
2:粘着剤層
3:柔軟基体層
4:薬剤層
5,5′:下方剥離層
6:肌
A,B1,B2:横幅の区間
d1,d2:剥がし代の寸法
X:切断線
2:粘着剤層
3:柔軟基体層
4:薬剤層
5,5′:下方剥離層
6:肌
A,B1,B2:横幅の区間
d1,d2:剥がし代の寸法
X:切断線
Claims (4)
- 上方から下方に向かって、上方剥離層、粘着剤層、柔軟基体層、薬剤層、下方剥離層の順に配置された積層構造を有し、
前記薬剤層は、湿布薬としての効果をもった薬剤成分を含有した粘着材料によって構成され、前記柔軟基体層の下面に塗布固着されており、
前記下方剥離層は、前記薬剤層の下面に貼付けられており、その上面は、前記薬剤層の下面から剥離可能な剥離面を形成しており、
前記粘着剤層は、前記上方剥離層の下面に塗布固着されており、
前記柔軟基体層は、肌に貼付けた場合に肌表面の変形に応じて伸縮可能な柔軟性をもった素材によって構成され、その上面は、前記粘着剤層の下面から剥離可能な剥離面を形成しており、
前記上方剥離層は、前記柔軟基体層を皺が生じないように支持することが可能な堅牢性をもった素材によって構成され、前記粘着剤層を介して前記柔軟基体層の上面に貼付けられていることを特徴とする湿布薬。 - 請求項1に記載の湿布薬において、
柔軟基体層の上面全面が粘着剤層を介して上方剥離層の下面に貼付けられていることを特徴とする湿布薬。 - 請求項1または2に記載の湿布薬において、
上方剥離層の周囲部分の一部もしくは全部が柔軟基体層の平面輪郭線から外側に食み出す構造をなし、この食み出した部分によって剥がし代が構成されていることを特徴とする湿布薬。 - 請求項3に記載の湿布薬において、
剥がし代の食み出し方向への寸法が、3〜7mmに設定されていることを特徴とする湿布薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012000245U JP3174656U (ja) | 2012-01-20 | 2012-01-20 | 湿布薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012000245U JP3174656U (ja) | 2012-01-20 | 2012-01-20 | 湿布薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3174656U true JP3174656U (ja) | 2012-03-29 |
Family
ID=48001775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012000245U Expired - Lifetime JP3174656U (ja) | 2012-01-20 | 2012-01-20 | 湿布薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3174656U (ja) |
-
2012
- 2012-01-20 JP JP2012000245U patent/JP3174656U/ja not_active Expired - Lifetime
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