以下、本考案の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
<1. 第1の実施の形態>
図1は、本考案に係る計量装置を複数備えた組合計量装置1の斜視図である。また、図2は、組合計量装置1の概略図である。図2では、正面(+Y方向)側の構成を一部省略している。なお、図1および図2において、X軸方向およびY軸方向を水平方向の軸、Z軸方向を垂直方向の軸と定義するが、これは各図を説明するための便宜上の定義であって、これらの方向に限定するものではない。以下の図においても同様である。
組合計量装置1は、分散フィーダ10、供給トラフ11、プールホッパ12、計量ホッパ13、集合シュート14、筐体2、ロードセル3、および連結部材4を備える。組合計量装置1は、例えば、スナック菓子や野菜のように、個々に重量の異なる被計量物を、小口のグループごとに計量し、計量された被計量物のグループを複数個組み合わせることにより、被計量物を所定の重量(規定の商品重量)に組み合わせる機能を有している。
分散フィーダ10は、略円錐形状の部材であって、組合計量装置1の上部中央に配置される。分散フィーダ10は、図示しない加振装置によって振動し、外部から組合計量装置1の上部に供給された被計量物を周囲に均等に分散させる機能を有している。分散フィーダ10によって周囲に分散搬送された被計量物は、分散フィーダ10の周囲に配置された各供給トラフ11に投入されることとなる。
供給トラフ11は、直下に配置された図示しない加振装置によって振動し、分散フィーダ10から投入された被計量物をプールホッパ12に向けて搬送する。組合計量装置1は、複数の供給トラフ11を備えており、それらは放射状に分散フィーダ10の周囲に配置され、それぞれが対応するプールホッパ12に向けて被計量物を搬送する。
プールホッパ12は、上下方向に開口した筒状の部材と、当該部材の下方開口部に配置された開閉自在のゲートとを備えている。供給トラフ11によって搬送された被計量物は、ゲートが閉じた状態のプールホッパ12の上方開口部からプールホッパ12の内部に投入され、一時的に貯留される。そして、プールホッパ12のゲートが開くと、貯留されている被計量物は下方に落下し、当該プールホッパ12の下方に配置された計量ホッパ13に投入される。
プールホッパ12は、計量ホッパ13に一度に投入する被計量物の量を決定しており、いわば被計量物をグループ分けする機能を担っている。すなわち、プールホッパ12のゲートが閉じている間に供給トラフ11から投入された被計量物が、被計量物の1つのグループとなり、当該ゲートが開くことによって計量ホッパ13に1つのグループとなった被計量物が投入される。言い換えれば、1つのグループを形成する被計量物とは、一回に計量される被計量物の集まり(計量単位)である。
計量ホッパ13は、プールホッパ12と同様に、上下方向に開口した筒状の部材と、当該部材の下方開口部に配置された開閉自在のゲートとを備えている。そして、当該ゲートが閉じているときに、プールホッパ12から被計量物が投入されると、計量ホッパ13は、当該被計量物を上記筒状の部材内部に貯留する。すなわち、計量ホッパ13は、本考案における物品貯留部材に相当する。計量ホッパ13のゲートが開くと、貯留されている被計量物は下方に落下し、計量ホッパ13の下方に配置された集合シュート14に投入される。なお、計量ホッパ13は、図2に示すように、連結部材4のホッパ支持部材40に支持されており、連結部材4(ホッパ支持部材40)を介してロードセル3の自由端部側に連結されている。
集合シュート14は、1以上の計量ホッパ13から投入された被計量物を集合させる。集合シュート14によって一箇所に集められた被計量物は、例えば、包装装置等に向けて組合計量装置1から排出される。
筐体2は、略円筒状の側面を構成する側面部材20、内部が中空の箱状の保護カバー21およびブラケット22を備えている。
保護カバー21は、側面部材20の外面に取り付けられ、内部に配置される連結部材4を保護するとともに、プールホッパ12を支持する機能を有している。すなわち、保護カバー21は、プールホッパ12の数(すなわち計量ホッパ13の数)に対応した数だけ設けられている。図2において図示を省略しているが、側面部材20によって形成される内部空間と、保護カバー21の内部とは連通しており、いずれも筐体2の「内部」を構成している。ブラケット22は、側面部材20の内面に固定されており、ロードセル3の固定端部が固設される。すなわち、ブラケット22は、ロードセル3の数に対応した数だけ設けられており、各ロードセル3を筐体2の内部に固設するための取り付け部材としての機能を有している。
ロードセル3の重量検出原理の詳細は省略するが、自由端部側の物体の重みによって発生する「歪み」を検出することにより、当該物体の重さを検出する。
ロードセル3の固定端部は、先述のように、ブラケット22を介して側面部材20に固設されている。また、ロードセル3の自由端部は後述する連結部材4に固設されている。さらに、連結部材4のホッパ支持部材40には、先述のように、計量ホッパ13が取り付けられている。これにより、計量ホッパ13に投入され貯留された被計量物は、計量ホッパ13に貯留されている間に、ロードセル3によって重量が検出される。すなわち、ロードセル3は、本考案における重量検出器に相当する。また、ロードセル3は、計量ホッパ13と一対一で対応付けられるため、計量ホッパ13の数に対応した数だけ設けられている。
連結部材4は、ホッパ支持部材40を備えるとともに、後述するように複数の部材で構成される。連結部材4は、筐体2の内部において、保護カバー21の内部を通って、側面部材20によって形成される内部空間まで延びており、先述のようにロードセル3の自由端部に固設されている。また、連結部材4は、保護カバー21の下方から筐体2の外部に突出している。筐体2の外部に突出した連結部材4は、計量ホッパ13を支持するホッパ支持部材40となっている。このように、連結部材4は、計量ホッパ13とロードセル3とを連結する機能を有している。
図3は、保護カバー21とホッパ支持部材40とを示す部分断面図である。
図3に示すように、保護カバー21は、内部が中空であり、下方(−Z方向:図3において右方向)に向けて略円形に開口した開口部23を形成している。
連結部材4は、すでに説明したホッパ支持部材40の他に、支柱41および支柱42を備えている。
支柱41と支柱42は互いに連結されており、保護カバー21(筐体2)に形成された開口部23より、筐体2の外部に突出している。そして、支柱41にはホッパ支持部材40が取り付けられている。これにより、ホッパ支持部材40、支柱41および支柱42は、一体的な構造物(連結部材4)を構成している。なお、詳細は図示しないが、すでに説明したように、支柱42の(+Z)側は、筐体2の内部に設置されているロードセル3に向けて延びている。
図3に示すように、本実施の形態における組合計量装置1は、ダイヤフラム5、防護部材6およびバックプレート7を備えている。
ダイヤフラム5は、内周部50、外周部51、本体部52およびリング53から構成されている。本実施の形態では、内周部50、外周部51および本体部52はフッ素ゴムであり、リング53は鉄などの金属である。
ダイヤフラム5の内周部50は、ダイヤフラム5において円環状に形成される部分である。内周部50の上面(+Z)側は連結部材4の支柱42に固着され、下面(−Z)側はホッパ支持部材40および支柱41に固着される。すなわち、内周部50は、これらの部材によってZ軸方向に狭持された状態で、連結部材4に取り付けられる。
ダイヤフラム5の外周部51は、ダイヤフラム5において略円筒状に形成される部分である。外周部51の円筒外面側は保護カバー21に固着され、円筒内面側はリング53に固着される。すなわち、外周部51は、保護カバー21とリング53とによって狭持された状態で、筐体2に取り付けられる。
ダイヤフラム5の本体部52は、断面が波状の薄膜部分であり、内縁部は内周部50とつながっており、外縁部は外周部51につながっている。本体部52は、すでに説明したように、変形容易なフッ素ゴムである。従来使用されているシリコーンゴムやEPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)に比べて、フッ素ゴムのダイヤフラム5は耐久性に優れている。したがって、本実施の形態における組合計量装置1については、洗浄時の洗浄水として、高温高圧の洗浄水を用いてもダイヤフラム5の破壊が抑制される。
リング53は、外周部51の内側に固着される略円筒状の金属部材であり、上部(+Z側)が保護カバー21に固定されている。リング53は、保護カバー21とともにダイヤフラム5の外周部51を狭持する機能を有するだけでなく、ダイヤフラム5の芯としての機能も有している。
このように、ダイヤフラム5は、内周部50が連結部材4に取り付けられ、外周部51が筐体2(保護カバー21)に取り付けられることにより、筐体2と連結部材4との間に配置される。そして、ダイヤフラム5は、主に本体部52により、筐体2の内部と外部とを隔てる機能を有している。言い換えれば、ダイヤフラム5は、連結部材4と筐体2との隙間を塞ぎ、液体やゴミが内部に侵入することを防止する。
また、ダイヤフラム5(本体部52)はフッ素ゴム製で変形容易であるため、特に連結部材4のZ軸方向への変位に対する抵抗力を抑制することができる。したがって、ロードセル3の自由端部に連結された部材に作用する外力を抑制することができるため、計量精度への影響を抑制できる。
ダイヤフラム5の外周部51の下面(−Z側)には、略円筒状の防護部材6が固定される。本実施の形態では、防護部材6は、外周部51の下面に埋め込まれるように固定されている。言い換えれば、リング53と防護部材6とによって外周部51が狭持される。このとき、防護部材6の一部をリング53に当接させてもよい。
防護部材6は、先述のように、略円筒状の部材であって、円筒外面60、円筒内面61および下端面62が形成されている。本実施の形態における防護部材6は、円筒外面60および円筒内面61のいずれもが実質的に垂直面(Z軸に略平行な面)となるように防護部材6が配置されている。したがって、防護部材6の内部空間(円筒内部)の水平方向断面形状は垂直方向のいずれの位置においても実質的に同一である。
防護部材6の内部に異物が侵入した場合、当該異物は、主に重力の作用による落下によって外部に排出される。すなわち、従来のように内面が内側に向かって傾斜した斜面となっていれば、当該斜面によって、異物が下方から支持され、排出が抑制されてしまうという問題がある。
しかし、本実施の形態における防護部材6では、円筒内面61(ダイヤフラム側の面)がZ軸に略平行な面として配置され、凹凸のない滑面となっている。したがって、従来のように内面が内側に向かって傾斜した斜面を形成している場合に比べて、防護部材6の内部に侵入した異物(液体を含む。)が外部に排出されやすいという効果がある。
なお、防護部材6の内部に侵入した異物をより効果的に排出するためには、例えば、円筒内面61に汚れ等が付着しにくくなる加工(例えばフッ素加工等)を施すとよい。また、円筒内面61が下方に向かうにつれて外周方向に傾く面(例えば、防護部材6の厚みが下方外側に向けて薄くなる部材等によって実現できる。)であってもよい。
また、防護部材6は、開口部63を形成しており、当該開口部63から連結部材4が突出する。なお、図3に示すように、防護部材6の円筒内面61と、連結部材4(ホッパ支持部材40)との水平距離(XY平面内における直線距離)を「間隔S」とする。
計量装置では、ロードセル3の固定端部側の部材(防護部材6)と、ロードセル3の自由端部側の部材(ホッパ支持部材40)との間に異物が挟まると、清潔さが失われるだけでなく、当該異物を介してロードセル3の自由端部に外力が伝わり、計量精度が低下するという問題を生じる。したがって、計量装置においては、防護部材6とホッパ支持部材40との間に異物が挟まりにくくするために、間隔Sを広く設計する方が好ましい。
また、異物が詰まることを防止するという目的に関して述べれば、間隔Sは、開口部63の近傍に限らず、防護部材6の内部においても、広い方が適している。なぜならば、例え、開口部63の近傍において間隔Sが広くても、円筒内面61にくびれ等が形成され、防護部材6の内部において間隔Sが狭くなっている箇所が存在すれば、結局、その位置に異物が挟まってしまい、同様の問題を生じるからである。
本実施の形態における組合計量装置1では、防護部材6の円筒内面61が実質的に垂直面を形成しており、従来に比べて下方に広く開口した形状となるように設計されている。したがって、組合計量装置1は、Z軸方向のいずれの位置においても、従来に比べて、間隔Sが広く、異物が挟まりにくい構造である。なお、組合計量装置1の動作環境においては、食品のカス等が発生し、それらの異物の大きさを考慮すれば、間隔Sの最小値は3[mm]以上に設計することが好ましい。本実施の形態における間隔Sの最小値は4[mm]である。
また、防護部材6の下端面62と連結部材4との略垂直方向における距離(図3に示す「間隔D」)は、広い方が、防護部材6の下端面62と連結部材4との隙間に異物が詰まることがなく、好ましい。本実施の形態におけるホッパ支持部材40は、防護部材6の下端面62と略垂直方向に対向する面が湾曲しているため、間隔Dは一定ではない。しかし、先述のような組合計量装置1の動作環境においては、間隔Dの最小値は5[mm]以上に設計することが好ましい。本実施の形態における間隔Dの最小値は6[mm]である。
バックプレート7は、板リング状の金属部材である。バックプレート7は、図3に示すように、リング53に固定され、当該リング53によって下方から支持される。これにより、バックプレート7は、ダイヤフラム5の本体部52の内面(上面)直上に配置され、当該本体部52の上方への変形を規制する。
組合計量装置1を洗浄する際には、例え、直接流(後述)を防いだとしても、ホッパ支持部材40によって反射された水流や水流によって生じる風圧等がダイヤフラム5に作用する。これらの外圧(水圧や気圧)によって、ダイヤフラム5の本体部52(柔らかな薄膜)が大きく上方に変形すると、本体部52が上方に引っ張られてダイヤフラム5が破れ破損するおそれがある。
しかし、バックプレート7によって上方への変形が規制されれば、外圧は、本体部52をバックプレート7に向けて押しつける力(押圧力)に変換される。一般に、フッ素ゴム製の薄膜(本体部52)は、張力に比べれば、押圧力に対する耐久性の方が高い。したがって、組合計量装置1は、バックプレート7を設けることによってダイヤフラム5の破損を抑制することができる。
図4は、防護部材6のZ軸方向のサイズを決定する手法を説明する図である。図4における破線L1,L2,L3,L4,L5,L6は、洗浄時に使用される流体(特に洗浄水)によって形成され得る直接流の仮想進路を示す。また、図4において、防護部材6の下端面62のうち、仮想の位置を二点鎖線T1,T2で示す。
なお、ダイヤフラム5の本体部52において、筐体2(保護カバー21)の外部に向けて曝されている面を露出面54と称する。また、先述の流体には、洗浄水の他に、消毒液や洗浄用の高圧ガスなどが想定される。
本実施の形態において、直接流とは、想定される流体の流れのうち、当該流体が噴射される噴射口(例えばノズル等)から直接組合計量装置1に到達する流れのことを言う。一般に、物体に衝突する流れとしては、上記の直接流と、何らかの部材(組合計量装置1を構成する部材を含む。)に一旦衝突した後の流れ(反射流)とが存在する。このうち直接流は、流れの勢いが弱められていないため、反射流に比べて、衝突時に物体に作用させる衝撃が大きい。したがって、組合計量装置1において、ダイヤフラム5の破損を抑制するためには、特に、直接流がダイヤフラム5に衝突することのないように設計することが望まれる。
ここで、理想的には、すべての方向から到来する直接流を遮断することが望ましいが、そのように構成することは現実的に不可能である。なぜならば、そのように構成することは、結局、ダイヤフラム5を密閉しなければならないことを意味し、ダイヤフラム5を密閉するには、固定端部側の筐体2から自由端部側の連結部材4に外力が加わらないように構成することが非常に困難となるからである。
そこで、本実施の形態における組合計量装置1の防護部材は、洗浄時に使用される流体によって形成され得る直接流に絞って、当該直接流がダイヤフラム5に衝突しないように遮断する。
ここで、洗浄時に使用される流体によって形成され得る直接流とは、物理的に生じうる組合計量装置1の外部からの直接流のうち、洗浄時に想定されない直接流を除く意味である。
例えば、図4において左側からの直接流は、物理的には、筐体2のさらに左側からの直接流と、筐体2とホッパ支持部材40との間にノズルを配置して噴射される直接流とが存在し得る。しかしながら、前者の直接流は筐体2によって遮断されており、ダイヤフラム5に衝突することはない。また、後者のような直接流は、組合計量装置1の洗浄時において、そのような洗浄が現実的に実行されることはあまり考えられない。
また、例えば、図4において(−Z)方向からの直接流は、物理的には、ホッパ支持部材40のさらに下方からの直接流と、ホッパ支持部材40と防護部材6との間にノズルを配置して上方に向けて噴射される直接流とが存在し得る。しかしながら、前者の直接流はホッパ支持部材40によって遮断されており、ダイヤフラム5に衝突することはない。また、後者のような直接流は、組合計量装置1の洗浄時において、そのような洗浄が現実的に実行されることはあまり考えられない。
組合計量装置1の洗浄時には、概ね、組合計量装置1から数センチないし十数センチ程度は離れた位置から噴射される流体の直接流を想定すればよい。言い換えれば、通常の使用状態を考慮して防護部材6が設計されていれば、その効果は充分に発揮されると言える。以下、特に断らない限り、本実施の形態においては、洗浄時に使用される流体によって形成され得る直接流を、単に「直接流」と称する。
以下、図4を用いて、本実施の形態における防護部材6の設計手法を説明する。
図3に示す間隔Sが同じである場合、防護部材6の下端面62が下方に配置される方が、放水や異物の侵入を防止する上では好ましいと言える。したがって、その意味では、防護部材6の下端面62は例えば二点鎖線T2で示す位置にある方が、実線で示す位置(実際の下端面62の位置を示す。)よりも好ましい。
ところが、下端面62を下方に配置すれば、その分だけ防護部材6とホッパ支持部材40とが近接し(図3に示す間隔Dの最小値がより小さくなる)、防護部材6の内部からの異物の排出の妨げになるとともに、隙間に異物が挟まるおそれも高まる。
そこで、下端面62を、例えば二点鎖線T1で示す位置に設計したと仮定する。ここで、下方からの直接流の仮想進路のうち、直接ダイヤフラム5に当たることが予想される進路は、破線L1,L2で示される進路である。このような状況で、上記のように下端面62を二点鎖線T1で示す位置に配置したとしも、直接流の仮想進路のうち破線L1で示される進路については防ぐことができる。しかし、破線L2で示される進路を通る直接流は防護部材6によって防ぐことができず、ダイヤフラム5の露出面54に直接衝突することが予想される。したがって、本実施の形態では、下端面62が実線で示す位置となるように防護部材6のZ軸方向のサイズを決定しており、具体的には、当該サイズは8[mm]である。
すなわち、洗浄時に使用される洗浄水によって形成され得る直接流の進路のうち、少なくともダイヤフラム5の露出面54に到達する進路を遮断するように防護部材6の下端面62の高さ位置が決定されている。そして、そのような条件を満たしつつ、かつ、可能な限り、防護部材6とホッパ支持部材40との間隔が広くなるように防護部材6を設計している。これにより、ダイヤフラム5を洗浄水等の直接流から防護してダイヤフラム5の破損を抑制することができるとともに、防護部材6とホッパ支持部材40との隙間に異物が挟まることを抑制している。
さらに、図3から明らかなように、本実施の形態における組合計量装置1は、防護部材6の開口部63の下方におけるホッパ支持部材40(連結部材4)の略水平方向の外径サイズが、防護部材6の略水平方向の外径サイズよりも大きく、かつ、露出面54の略水平方向の外径サイズよりも大きい。これにより、連結部材4が露出面54を下方から覆う蓋機能を奏することになり、連結部材4が下方から露出面54に向かう直接流を遮断できる。逆に言えば、ホッパ支持部材40の外径サイズが例えば防護部材6の開口部63の外径サイズより小さければ、下方からの直接流を防護部材6によって遮断しなければならなくなり、例えば、防護部材6の円筒内面61を垂直面として形成することが困難になる。
以上のように、組合計量装置1は、開口部23が形成された内部が中空の筐体2と、被計量物を貯留する計量ホッパ13と、筐体2の内部に配置され、計量ホッパ13に貯留された被計量物の重量を検出するロードセル3と、ロードセル3に固設され、筐体2の開口部23から筐体2の外部に突出して計量ホッパ13を支持する連結部材4と、筐体2と連結部材4との間に配置され、筐体2の内部と筐体2の外部とを隔てるダイヤフラム5と、ダイヤフラム5において筐体2の外部に向けて曝される露出面54を保護する防護部材6とを備え、防護部材6のダイヤフラム側の面(円筒内面61)が実質的に垂直面または下方に向かうにつれて外周方向に傾く面であることにより、防護部材6の内部に物が詰まりにくい構造であるため、装置を清潔に保つことができる。
また、防護部材6は、洗浄時に使用される流体によって形成され得る直接流のうち、露出面54に向かう直接流を遮断する。したがって、例えば、洗浄液が直接ダイヤフラム5に当たらないので、比較的高圧の洗浄液を使用して洗浄することができ、さらに清潔に保つことができる。
また、防護部材6の開口部63の下方における連結部材4(ホッパ支持部材40)の略水平方向の外径サイズが、防護部材6の略水平方向の外径サイズよりも大きく、かつ、露出面54の略水平方向の外径サイズよりも大きいことにより、連結部材4が露出面54を下方から覆う蓋機能を奏するため、連結部材4が下方から露出面54に向かう直接流を遮断できる。
なお、本実施の形態におけるダイヤフラム5は、フッ素ゴム製であると説明した。しかし、本実施の形態における組合計量装置1では、ダイヤフラム5への直接流が遮断されるとともにバックプレート7によってダイヤフラム5の変形も抑制され、ダイヤフラム5への負荷が軽減されている。したがって、ダイヤフラム5を、従来と同様に、シリコーンゴムまたはEPDMによって製作したとしても、従来に比べて、ダイヤフラム5の破損を充分に抑制することができる。すなわち、ダイヤフラム5の素材はフッ素ゴムに限定されるものではなく、計量誤差とダイヤフラム5の耐久性と、いずれを優先するかに応じて、ダイヤフラム5の素材を決定すればよい。
<2. 第2の実施の形態>
防護部材の位置は、第1の実施の形態に示した位置に限定されるものではない。
図5および図6は、第2の実施の形態における組合計量装置1aを示す図である。なお、第2の実施の形態における組合計量装置1aにおいて、第1の実施の形態における組合計量装置1と同様の構成については、同符号を付し、適宜、説明を省略する。また、図5においては、支柱41およびバックプレート7の図示を省略している。また、図6においては、支柱42の図示を省略している。
図5および図6から明らかなように、組合計量装置1aの防護部材6aは、円筒外面が保護カバー21に当接するように配置されている。
このように配置される防護部材6aにおいても円筒内面は垂直面を形成しており、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2の実施の形態における組合計量装置1aでは、防護部材6aの円筒内面とホッパ支持部材40との間隔が、第1の実施の形態における間隔Sに比べてより広くなっており、より一層、異物が挟まりにくいという効果がある。
さらに、防護部材6aと保護カバー21との間に隙間が形成されていないため、異物が詰まることがなく、衛生的である。
なお、第2の実施の形態におけるダイヤフラム5aは、第1の実施の形態におけるダイヤフラム5のようにリング53に相当する構成を備えていない。しかし、ダイヤフラム5aにリング53に相当する構成を設けてもよい。
<3. 第3の実施の形態>
上記実施の形態では、防護部材が、いずれもダイヤフラムに固定される例を説明したが、本考案はこのような例に限定されるものではない。
図7は、第3の実施の形態における組合計量装置1bを示す図である。なお、第3の実施の形態における組合計量装置1bにおいて、第1の実施の形態における組合計量装置1と同様の構成については、同符号を付し、適宜、説明を省略する。
組合計量装置1bは、防護部材6の代わりに、保護カバー21の下部から下方に延設された防護部材6bを備えている点が組合計量装置1と異なっている。
このような位置に防護部材6bを配置したとしても、防護部材6bの円筒内面を垂直面として形成することができ、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、防護部材6bは金属製の部材であるため、ダイヤフラム5,5aに固定するよりも、同じ金属製の部材である保護カバー21に固定する方が、一般的には、強固に固定することが可能である。したがって、第3の実施の形態における組合計量装置1bは、防護部材6bを筐体2(保護カバー21)から延設することにより、耐久性が向上する。
また、ダイヤフラム5,5aはフッ素ゴム製であり経時劣化による交換が必要となる場合がある。そして、上記実施の形態のように、ダイヤフラム5,5aに防護部材6,6aが固定されていると、防護部材6,6aもダイヤフラム5,5aの交換時に同時に交換することになるため、コストが増大するおそれがある。しかし、第3の実施の形態における防護部材6bは、交換を要しない保護カバー21に固定されているため、ダイヤフラム5の交換時においても交換する必要がない。
なお、防護部材6bは、保護カバー21に溶接等によって固設されていてもよいし、保護カバー21と一体的に成型されていてもよい。
<4. 第4の実施の形態>
防護部材が筐体に延設される例は、第3の実施の形態に示すものに限定されるものではない。
図8は、第4の実施の形態における組合計量装置1cを示す図である。なお、第4の実施の形態における組合計量装置1cにおいて、第1の実施の形態における組合計量装置1と同様の構成については、同符号を付し、適宜、説明を省略する。
組合計量装置1cは、保護カバー21の代わりに、保護カバー21cを備えている点が組合計量装置1と異なっている。
保護カバー21cは、外周面が保護カバー21に比べて、さらに下方に延びた形状をしており、下方に延びた部分が防護部材210を形成している。すなわち、保護カバー21cの最も外側の下端から防護部材210が下方に延設された構造である。
このような防護部材210においても円筒内面は垂直面となっており、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<5. 変形例>
以上、本考案の実施の形態について説明してきたが、本考案は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、計量装置に相当する構成(計量ホッパ13、ロードセル3、連結部材4等)を複数組備えた組合計量装置1,1a,1b,1cについて説明したが、本考案は1つの計量装置のみ備える装置にも適用可能である。
また、上記実施の形態における防護部材6,6a,6b,210は、いずれも略円筒状の部材として説明したが、このような形状に限定されるものではなく、連結部材4の外面形状に合わせた形状の筒状部材であってもよい。
また、防護部材は、完全な筒状でなくてもよく、部分的に欠けた形状(XY平面における断面形状が例えば「略Cの字形状」や「略コの字形状」)であってもよい。この場合は、欠けた部分が側面部材20に向くように防護部材を設置すればよい。すでに説明したように、組合計量装置1を洗浄する場合において、筐体2の側面部材20側からダイヤフラム5に向けて放水等がされることはあまり想定できない。したがって、防護部材6がこのような形状であっても、配置によって高温高圧の洗浄水がダイヤフラム5に直接当たるような状態は回避できる。すなわち、防護部材6は、ダイヤフラム5の周囲360°を完全に取り囲む形状に限定されるものではない。
また、防護部材6のZ軸方向のサイズの決定手法は、上記第1の実施の形態に示した手法に限定されるものではない。例えば、防護部材6の内径サイズを決定して、防護部材6の円筒内面61の位置を決定し当該位置を下方に無限延長した仮想線を設定する。次に、ダイヤフラム5の露出面54の内縁部から連結部材4(ホッパ支持部材40)に向けて接線を引き、当該接線と上記仮想線との交点の高さ位置よりも、防護部材6の下端面62の高さ位置の方が低くなるように、防護部材6のZ軸方向サイズを決定してもよい。このような手順であっても、防護部材6によって直接流がダイヤフラム5の露出面54に衝突しないように遮断できる。
上記の課題を解決するため、請求項1の考案は、計量装置であって、開口部が形成された内部が中空の筐体と、被計量物を貯留する物品貯留部材と、前記筐体の内部に配置され、前記物品貯留部材に貯留された被計量物の重量を検出する重量検出器と、前記重量検出器に固設され、前記筐体の前記開口部から前記筐体の外部に突出して前記物品貯留部材を支持する連結部材と、前記筐体と前記連結部材との間に配置され、前記筐体の内部と前記筐体の外部とを隔てるダイヤフラムと、前記ダイヤフラムにおいて前記筐体の外部に向けて曝される露出面を保護する略円筒状の防護部材とを備え、前記防護部材の前記ダイヤフラム側の面が、水平面に対して実質的に垂直な面である。