JP3174161B2 - 缶胴ブランクの表面処理装置 - Google Patents

缶胴ブランクの表面処理装置

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JP3174161B2
JP3174161B2 JP23232592A JP23232592A JP3174161B2 JP 3174161 B2 JP3174161 B2 JP 3174161B2 JP 23232592 A JP23232592 A JP 23232592A JP 23232592 A JP23232592 A JP 23232592A JP 3174161 B2 JP3174161 B2 JP 3174161B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲料缶等に使用される
缶胴ブランクの表面処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料物等の容器に使用される金属缶体と
して、短冊状の缶胴ブランクの両端縁を溶接して接合す
ることにより缶胴部を形成し、この缶胴部の両端に別途
製造された缶蓋を二重巻締してなる缶体が知られてい
る。
【0003】従来、この種の缶体では、基体金属が直接
的に内容物と接触すると、該基体金属の腐食や溶出が生
じて内容物のフレーバを損なう虞れがあることから、缶
内面をエポキシ・フェノール系樹脂等の塗料を塗布して
被覆するようにしていた。また、缶外面には美粧性を付
与するための塗装を施していた。
【0004】しかるに、このような缶体では、塗料の塗
布や焼き付けに時間がかかり過ぎ、また、焼き付け時の
熱と塗料から揮散する有機溶媒とにより作業環境が害さ
れ易いという傾向がある。
【0005】そこで、本出願人は、先に、缶胴の原材た
る缶胴ブランクの両面をポリエステルフィルムで被覆す
るという缶胴ブランクの表面処理技術を提案した(特願
平3−191986号等)。
【0006】すなわち、この缶胴ブランクの表面処理技
術は、複数枚の缶胴ブランクに分割可能な缶胴ブランク
材料を搬送路で搬送しつつ、該缶胴ブランク材料の両面
にその搬送方向に沿って一組の長尺のポリエステルフィ
ルムを供給して、該フィルムを熱圧着や接着剤により缶
胴ブランクに貼着し、その後に該缶胴ブランク材料を裁
断することにより両面に前記ポリエステルフィルムが貼
着された缶胴ブランクを得るという技術である。そし
て、この技術においては、缶外面側となるポリエステル
フィルムには、美粧用の印刷をあらかじめ施すようにし
ておく。
【0007】かかる技術によれば、缶胴の内外面となる
缶胴ブランクの両面を比較的効率よくポリエステルフィ
ルムにより被覆することができ、内容物のフレーバの保
護や美粧性を得るための缶胴ブランクの表面処理を塗装
によらずに行うことができる。そして、このように両面
をポリエステルフィルムで被覆した缶胴ブランクから得
られる缶体によれば、基体金属の腐食を確実に防止する
ことができ、また、内容物のフレーバの保護を確実に行
うことが可能となる。
【0008】ところで、上記の缶胴ブランクの表面処理
技術においては、缶胴ブランクとポリエステルフィルム
との貼着は、熱圧着やエポキシフェノール系樹脂等の接
着剤を用いて行われている。
【0009】しかしながら、このように熱圧着や、エポ
キシフェノール系樹脂等の接着剤により缶胴ブランクと
ポリエステルフィルムとを貼着する場合には、いずれの
場合においても、貼着前に缶胴ブランクを予熱し、さら
に貼着の際にも缶胴ブランクとポリエステルフィルムと
の両者を加熱する必要がある。また、特にエポキシフェ
ノール系樹脂を接着剤として用いた場合には、あらかじ
め該接着剤をポリエステルフィルムに塗布した後に、こ
れを予備乾燥させる工程も必要となる。
【0010】このため、従来のように缶胴の内外面に塗
料を塗布する場合よりは有利であるものの、種々の加熱
装置や乾燥装置等が必要となって、生産ラインの構成が
大型なものとなり易いと共に、コスト的にも不利なもの
となっていた。
【0011】また、上記のような加熱や乾燥には、ある
程度、時間がかかるため、生産ラインの速度をさらに向
上させる妨げとなるものであった。
【0012】尚、缶胴ブランクとポリエステルフィルム
等の合成樹脂フィルムとを貼着する場合には、紫外線の
照射により硬化する紫外線硬化樹脂を使用することも考
えられるが、前述のように印刷を施した不透明な合成樹
脂フィルムでは、紫外線が透過できなくなるので、該合
成樹脂フィルムと缶胴ブランクとを接着することができ
ない。また、紫外線硬化樹脂を接着剤として用いても、
その接着スピードを大幅に向上させることは困難であ
り、前記の不都合を解消し得るものではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不都合
を解消し、缶胴ブランクを搬送しつつ、その両面をポリ
エステルフィルム等の合成樹脂フィルムで被覆する缶胴
ブランクの表面処理装置において、そのライン構成を加
熱装置や乾燥装置を用いずに簡略なものとすることがで
きると共に、そのライン速度を大幅に向上することがで
きる缶胴ブランクの表面処理装置を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、種
々の検討の結果、缶胴ブランクとポリエステルフィルム
等の合成樹脂フィルムとの貼着を、電子線の照射により
硬化する電子線硬化樹脂を接着剤として用いれば、上記
の目的を達成し得ることを知見した。すなわち、電子線
硬化樹脂は、ラジカル重合性をもったプレポリマー及び
モノマーと、添加剤とからなるものであり、これに電子
線を照射すると重合・硬化する性質を有する。そして、
その電子線硬化反応は、低温でも支障なく行われ、ま
た、通常、数ミリ秒〜数秒程度という短時間で完結す
る。また、電子線は、その照射対象が、印刷を施したポ
リエステル等の不透明な合成樹脂であっても十分に透過
し得る。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は前記の
目的を達成するために、複数枚の缶胴ブランクに分割可
能な缶胴ブランク材料を搬送路で搬送しつつ、該缶胴ブ
ランク材料の両面にその搬送方向に沿って一組の長尺の
合成樹脂フィルムを供給・貼着し、その後に該缶胴ブラ
ンク材料を裁断することにより両面に前記合成樹脂フィ
ルムが貼着された缶胴ブランクを得る缶胴ブランクの表
面処理装置であって、前記一組の合成樹脂フィルムのう
ち少なくとも一方の合成樹脂フィルムの缶胴ブランク材
料に貼着すべき面に印刷を施す印刷手段と、前記一組の
合成樹脂フィルムの缶胴ブランク材料に貼着すべき面ま
たは該缶胴ブランク材料の両面に電子線硬化樹脂を塗布
する塗布手段と、該塗布後に各合成樹脂フィルムを前記
缶胴ブランク材料の各面に供給しつつ前記電子線硬化樹
脂を介して圧着する圧着手段と、該圧着後に前記缶胴ブ
ランク材料と合成樹脂フィルムとの間に介在する前記電
子線硬化樹脂を硬化せしめて両者を貼着すべく前記缶胴
ブランク材料の各面側から該缶胴ブランク材料に電子線
を照射する電子線照射手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0016】
【0017】
【作用】本発明によれば、前記搬送路で前記缶胴ブラン
クが搬送されている際に、前記塗布手段により、前記一
組の合成樹脂フィルムに前記電子線硬化樹脂がそれぞれ
塗布され、あるいは、前記缶胴ブランク材料の両面に前
記電子線硬化樹脂が塗布された状態で、該一組の長尺の
合成樹脂フィルムが缶胴ブランク材料の両面にその搬送
方向に沿って供給され、次いで、前記圧着手段により該
両合成樹脂フィルムが缶胴ブランク材料の両面に前記電
子線硬化樹脂を介して圧着される。次いで、前記電子線
照射手段により、両面に合成樹脂フィルムが圧着された
缶胴ブランク材料の各面側から電子線が照射され、これ
により、缶胴ブランク材料と合成樹脂フィルムとの間に
介在する電子線硬化樹脂が、重合・硬化して、両者が貼
着される。
【0018】かかる本発明においては、合成樹脂フィル
ムと缶胴ブランク材料とが電子線硬化樹脂により貼着さ
れるので、これらを加熱したり乾燥するための装置は特
に必要ない。そして、電子線硬化樹脂は電子線の照射に
より短時間で硬化するので、合成樹脂フィルムと缶胴ブ
ランク材料との貼着が短時間で行われる。
【0019】また、合成樹脂フィルムに印刷をあらかじ
め施しておいても、電子線は該合成樹脂フィルムを支障
なく透過するので、上記の貼着を支障なく行うことが可
能となる。
【0020】尚、前記合成樹脂フィルムとしては、例え
ばポリエステルフィルムが好適である。
【0021】また、電子線照射手段としては、単一ビー
ム状の電子線を発する所謂走査型の電子線照射装置やカ
ーテン状の電子線を発する所謂カーテン型の電子線照射
装置が挙げられるが、カーテン型の電子線照射装置を用
いることが好ましい。これは、カーテン型の方が走査型
よりも、一度に電子線を照射し得る範囲が大きいからで
ある。
【0022】
【実施例】本発明の缶胴ブランク材料の表面処理装置の
一例を図1乃至図3に従って説明する。図1及び図2は
それぞれ該表面処理装置の説明的平面図及び説明的側面
図、図3は該表面処理装置によりポリエチレンテレフタ
レートフィルムで被覆された缶胴ブランク材料を示す平
面図である。
【0023】本実施例の缶胴ブランクの表面処理装置
は、その概略を説明すると、図1に示すように、缶胴ブ
ランク材料1を搬送する搬送路2を備えており、この搬
送路2の上流側には、原板3を裁断して缶胴ブランク材
料1を得る原板裁断手段4と、その裁断により得られた
缶胴ブランク材料1を搬送路2に供給する材料供給手段
5とが設けられている。そして、搬送路2の下流側に
は、搬送路2で後述するように両面に合成樹脂フィルム
であるポリエチレンテレフタレートフィルムが貼着され
た表面処理缶胴ブランク材料6を搬送路2から払出す払
出し手段7と、払出された表面処理缶胴ブランク材料6
を缶胴一個分の単一の缶胴ブランク8に分割する分割手
段9とが設けられている。
【0024】また、図2に示すように、搬送路2の途中
には、缶胴ブランク材料1の両面にそれぞれ長尺帯状の
ポリエチレンテレフタレートフィルム10,11(以
下、単にフィルム10,11という)を圧着する圧着手
段12と、フィルム10,11が圧着された缶胴ブラン
ク材料1に電子線を照射する電子線照射手段13と、電
子線の照射によりフィルム10,11が貼着された缶胴
ブランク材料1の連結体(後述する)を裁断する材料裁
断手段14とが設けられている。さらに搬送路2の上方
及び下方には、フィルム10,11をそれぞれ圧着手段
12に供給するフィルム供給手段15,16と、その供
給途中でフィルム10,11にそれぞれ電子線硬化樹脂
を塗布する一組の塗布手段17,17とが設けられてい
る。
【0025】図1に示すように、前記原板裁断手段4
は、方形状の原板3を所定の幅に裁断するスリッタ18
を備えている。このスリッタ18は、所望の缶胴ブラン
ク材料1の幅に合わせた所定の間隔で支軸18aに回動
自在に軸支された複数の回転刃19を備えるものであ
り、支軸18aの軸方向に直交する方向からスリッタ1
8に供給される原板3をこれらの回転刃19の回転に従
って所定の幅に裁断することにより、該原板3から複数
枚の所定幅の缶胴ブランク材料1を得るようにしてい
る。
【0026】尚、本実施例では、かかる裁断により得ら
れる缶胴ブランク材料1のサイズは、その幅が単一の缶
胴ブランク8から形成される缶胴(図示しない)の周方
向に対応する缶胴ブランク8の幅と同一に形成され、そ
の長手方向に複数枚(本実施例では7枚)の缶胴ブラン
ク8を一列に並列させて得ることができるようなサイズ
とされている。
【0027】また、スリッタ18に供給される原板3
は、矢印G方向(回転刃19と直交する方向)に圧延さ
れている。
【0028】図1及び図2に示すように、前記材料供給
手段5は、上記の裁断により得られた複数枚の缶胴ブラ
ンク材料1をスリッタ18の軸方向(缶胴ブランク材料
1の幅方向)に搬送する横送りコンベア20と、横送り
コンベア20により搬送された複数枚の缶胴ブランク材
料1を互いにその一部を重ね合わせた状態で該缶胴ブラ
ンク材料1の長手方向に搬送するオーバーラップコンベ
ア21と、オーバーラップコンベア21から供給される
複数枚の缶胴ブランク材料1を一時的にストックするホ
ッパー22と、ホッパー22から各缶胴ブランク材料1
を吸引して搬送路2上に移載するサクションカップ23
と、缶胴ブランク材料1を搬送路2に送出するタイミン
グキッカー24とを備えている。
【0029】図2に示すように、前記搬送路2は、その
上流側から下流側にかけて順次、缶胴ブランク材料1を
挟持してその長手方向に搬送する上下各一対のフィード
ロール25a〜25hを備え、これらの各ロール25a
〜25hの前後には、缶胴ブランク材料1を支承して移
動させることにより、該缶胴ブランク材料1の搬送を補
助する複数の補助ロール26が適宜配置されている。
【0030】前記圧着手段12は、搬送路2の上流部の
フィードロール25b,25bを兼ねた上下一対の圧着
ロール25b,25bにより構成されている。これらの
圧着ロール25b,25bは、後述するように、その間
に缶胴ブランク材料1を介在させて供給されるフィルム
10,11を該圧着ロール25b,25bの回転に従っ
て缶胴ブランク材料1の両面に圧着するようにしてい
る。
【0031】前記フィルム10,11のうち、前記フィ
ルム10の片面には、図3に示すように、単一の缶胴ブ
ランク8に対応する印刷パターン26が該フィルム10
の長手方向に無地部分27,27aの間隔を存して連続
して印刷され、さらに、所定数(本実施例では7個)の
印刷パターン26毎の無地部分27aに識別表示である
アイ・スポット28が印刷されている。そして、フィル
ム11は、その全長にわたって無地とされている。
【0032】尚、フィルム10,11は、いずれもその
幅が缶胴ブランク材料1の幅(缶胴ブランク8の幅)よ
りも小さく形成されている。また、フィルム10の無地
部分27aは無地部分27よりも若干、幅広に形成され
ている。さらに、フィルム10は二軸延伸のポリエチレ
ンテレフタレートフィルムであり、フィルム11は一軸
延伸あるいは二軸延伸のものである。
【0033】図2に示すように、フィルム10を圧着手
段12に供給するフィルム供給手段15は、長尺帯状の
フィルム10を巻回してなるフィルムコイル29と、こ
のフィルムコイル29から引き出されるフィルム10の
張力を調整すべくフィルムコイル29と圧着ロール25
bとの間に設けられた複数のダンサーロール30と、フ
ィルム10の缶胴ブランク材料1に対する幅方向の位置
を調整するエッジコントロール装置31と、フィルム1
0の缶胴ブランク材料1に貼着すべき面に電子線硬化樹
脂Aを塗布すべくエッジコントロール装置31の下流側
に設けられた塗布手段17とを備えている。
【0034】これと同様に、フィルム11を圧着手段1
2に供給するフィルム供給手段16も、フィルムコイル
32、ダンサーロール33、エッジコントロール装置3
4及び塗布手段17を備えている。
【0035】この場合、各フィルム供給手段15,16
の塗布手段17は、各フィルム10,11の缶胴ブラン
ク材料1に貼着すべき面に接触して回転自在な塗布ロー
ラ35を備えており、この塗布ローラ35の外周面の一
部は貯蔵タンク36内に貯蔵された電子線硬化樹脂Aに
浸されている。
【0036】これらのフィルム供給手段15,16は、
それぞれフィルム10,11をフィルムコイル29,3
2からダンサーロール30,33及びエッジコントロー
ル装置31,34を介して上下一対の圧着ロール25b
の間に缶胴ブランク材料1の搬送方向に沿って供給する
ものである。そして、この供給途中において、塗布手段
17が、その塗布ローラ35の回転に従って電子線硬化
樹脂Aをフィルム10,11の缶胴ブランク材料1に貼
着すべき面に塗布するようにしている。
【0037】尚、フィルムコイル29,32は、それぞ
れ引き出されるフィルム10,11の張力を調整し得る
ように、その軸部29a,32aに図示しないテンショ
ンコントロール装置を備えており、このテンションコン
トロール装置は、ダンサーロール30,33と協働して
フィルム10,11の張力を調整するように構成されて
いる。
【0038】また、電子線硬化樹脂Aは、ラジカル重合
性をもったプレポリマー及びモノマーと、添加剤とを適
当な組成で配合したものであり、これに電子線を照射す
ると重合・硬化する性質を有するものである。
【0039】また、フィルム供給手段15の塗布手段1
7とエッジコントロール装置31との間の箇所には、フ
ィルム10に密着して連動するエンコーダ用ロール37
が配設されており、このエンコーダ用ロール37はパル
スエンコーダ38を備えている。そして、エンコーダ用
ロールの近傍には、圧着ロール25bに供給されるフィ
ルム10に印刷されている前記アイ・スポット28に対
面するアイ・スポット・センサ39が設けられている。
この場合、パルスエンコーダ38及びアイ・スポット・
センサ39は、前記ホッパー22から搬送路2への缶胴
ブランク材料1の供給のタイミングを制御するために、
前記材料供給手段5に備えられた図示しない供給制御装
置に接続されている。
【0040】前記電子線照射手段13は、圧着ロール2
5b及びフィードロール25cの間と、フィードロール
25c及びフィードロール25dの間とでそれぞれ搬送
路2の上下に配設された2基の電子線照射装置40,4
0により構成されている。各電子線照射装置40は、そ
の基本的構造として、真空状態の加速管41内に、搬送
路2の幅方向に延在して設けられた線状のフィラメント
42と、該フィラメント42を囲包して設けられたグリ
ッド43とを備える所謂カーテン型電子線照射装置とい
われる公知のものであり、グリッド43に高電圧(15
0〜300KV)を印加することにより、フィラメント
42から搬送路2に向かってその幅方向に延在するカー
テン状の電子線を照射するものである。この場合、搬送
路2は、各電子線照射装置40の基部を構成する基部ケ
ース44内を貫通して設けられている。
【0041】前記材料裁断手段14は、搬送路2のフィ
ードロール25dの下流側の箇所に設けられ、後述する
ようにフィルム10,11により連結された缶胴ブラン
ンク材料1の連結体45(図3参照)を等速で搬送する
2対の等速フィードロール25e,25gと、等速フィ
ードロール25e,25gの間に設けられたパルスエン
コーダ46を備える等速フィードロール25fと、等速
フィードロール25e,25fの間で搬送路2の下方に
設けられたアイ・スポット・センサ47と、等速フィー
ドロール25gの下流側で缶胴ブランク材料1の連結体
45を裁断する上下一対のナイフシリンダ48と、ナイ
フシリンダ48の近傍に設けられ、ナイフシリンダ48
に取着されている刃物が缶胴ブランク材料1の連結体4
5に接触しない位置にあることを検知する刃物原点セン
サ48aと、ナイフシリンダ48の回転角を検出して前
記刃物の角速度を測定すべく該ナイフシリンダ48に取
付けられた刃物角速度エンコーダ48bとを備えてい
る。
【0042】アイ・スポット・センサ47は、後述する
ように前記フィルム10,11により長尺状に連結され
た缶胴ブランク材料1の連結体45のフィルム10側の
面で前記アイ・スポット28に対面するように配設され
ている。また、パルスエンコーダ46、アイ・スポット
・センサ47、ナイフシリンダ48、刃物原点センサ4
8a及び刃物角速度エンコーダ48bは図示しない裁断
制御装置に接続されており、後述するように該裁断制御
装置の制御により、ナイフシリンダ48が駆動されて連
結体45が所定の長さに裁断されるようになっている。
【0043】ナイフシリンダ48の下流側は、搬送路2
の下流端部となっており、この下流端部には、ナイフシ
リンダ48により連結体45を裁断して得られた表面処
理缶胴ブランク材料6を前記払出し手段7に導くフィー
ドロール25hが設けられている。
【0044】払出し手段7は、図1及び図2に示すよう
に、フィードロール25hの下流側に連設された排出コ
ンベア49と、排出コンベア49の下方に配設された横
送りコンベア50とを備えている。排出コンベア49
は、前記材料裁断手段14を介して得られた表面処理缶
胴ブランク材料6を横送りコンベア50に移載するため
に設けられており、例えば表面処理缶胴ブランク材料6
を吸着して搬送するサクションコンベア等が用いられ
る。横送りコンベア50は、排出コンベア49により移
載された表面処理缶胴ブランク材料6を搬送路2と直交
する方向(表面処理缶胴ブランク材料6の幅方向)に搬
送し、前記分割手段9に供給するようにしている。
【0045】分割手段9は、図1に示すように、横送り
コンベア49の下流側に連設されたスリッタ51により
構成されている。このスリッタ51は、表面処理缶胴ブ
ランク材料6を缶胴一個分の単一の缶胴ブランク8に分
割するものであり、その支軸51aに複数の回転刃52
が缶胴の高さに相当する缶胴ブランク8の長さに合わせ
た所定の間隔で回動自在に軸支されている。そして、ス
リッタ51は、その支軸51aに直交する方向で前記横
送りコンベア49から供給される表面処理缶胴ブランク
材料6を回転刃52の回転に従って所定の幅に裁断する
ようにしている。
【0046】次に、本実施例の表面処理装置の動作につ
いて説明する。
【0047】まず、図1に示すように、前記原板3がス
リッタ18にその支軸18aに直交する方向から供給さ
れる。原板3は、例えば、829mm×875mmの大
きさであり、これを所望の缶胴の円周長に対応する幅、
例えば206.4mmの幅にスリッタ18により裁断さ
れる。スリッタ18の支軸18aには、829mm幅の
原板3から206.4mmの幅で875mmの長さを有
する缶胴ブランク材料1が4枚得られるように、5枚の
回転刃19が等間隔で回動自在に軸支されている。そし
て、これらの回転刃19の回転に従って原板3が裁断さ
れる。
【0048】この場合、原板3は、図1に矢印Gで示す
方向に圧延されており、その圧延方向をスリッタ18の
回転刃19に直交させた状態でスリッタ18に供給され
る。一般に、金属板を裁断するときに、裁断距離が長い
場合には、金属板の圧延方向を横切るように裁断するこ
とが有利であるので、原板3は前述のように圧延方向G
がスリッタ18の回転刃19と直交するように供給され
て裁断される。
【0049】従って、この裁断により得られた缶胴ブラ
ンク材料1にあっては、その幅方向と圧延方向とが合致
することとなる。
【0050】かかる裁断により得られた缶胴ブランク材
料1は、横送りコンベア20により該缶胴ブランク材料
1の幅方向に搬送され、さらに、該横送りコンベア20
から前記オーバーラップコンベア21に移載される。オ
ーバーラップコンベア21に移載された缶胴ブランク材
料1は、図2に示すように、互いにその一部が重ね合わ
された状態で該缶胴ブランク材料1の長手方向に搬送さ
れて前記ホッパー22に導かれ、該ホッパー22に一時
的にストックされる。この時、ホッパー22は、缶胴ブ
ランク材料1をその長手方向が搬送路2における搬送方
向と合致するように積層・支持する。そして、ホッパー
22にストックされた缶胴ブランク材料1は、ホッパー
22の下方に備えられたサクションカップ23により吸
引されてホッパー22から取り出され、さらに搬送路2
の上流箇所の補助ロール26上に移載される。
【0051】補助ロール22上に移載された缶胴ブラン
ク材料1は、搬送路2の上流端部に備えられた前記タイ
ミングキッカー24により、その長手方向に適当な間隔
をおいて順次、フィードロール25aに送出される。こ
れにより、缶胴ブランク材料1は搬送路2の搬送方向に
列をなして搬送される。タイミングキッカー24は、後
述するように、次工程で缶胴ブランク材料1に圧着され
るフィルム10に施された印刷パターン26と缶胴ブラ
ンク材料1との位置関係が合致するように作動する。
【0052】フィードロール25aは、缶胴ブランク材
料1を上下から挟持してその回転に従って搬送路2の下
流側に供給する。搬送路2に供給された缶胴ブランク材
料1は、フィードロール25aから圧着ロール25bに
導かれる。
【0053】この時、前記フィルム10,11が、それ
ぞれ前記フィルムコイル29,32からダンサーロール
30,33及びエッジコントロール装置31,34を介
して圧着ロール25bに供給され、その供給途中におい
て、フィルム10,11の缶胴ブランク材料1に貼着す
べき面に、前記塗布手段17の塗布ローラ35の回転に
従って電子線硬化樹脂Aが塗布される。そして、電子線
硬化樹脂Aが塗布されたフィルム10,11は、圧着ロ
ール25bの位置でその電子線硬化樹脂Aが塗布された
面を缶胴ブランク材料1に対面させ、且つ、これらの間
に缶胴ブランク材料1を介在させて缶胴ブランク材料1
と共に圧着ロール25bに供給され、該圧着ロール25
bの回転に伴う缶胴ブランク材料1の搬送に従って缶胴
ブランク材料1の両面に電子線硬化樹脂Aを介して同時
に圧着される。
【0054】この場合、フィルム10は、その印刷が施
された面に電子線硬化樹脂Aが塗布されており、その印
刷面が缶胴ブランク材料1に圧着される。このように、
印刷面を内側にして圧着することにより、印刷面が外面
側のフィルムで保護されるとの効果が得られる。
【0055】フィルム10には、前述のように、印刷パ
ターン26がフィルム10の長手方向に無地部分27,
27aの間隔を存して一列に印刷されており、無地部分
27aにはアイ・スポット28が印刷されている。そし
て、フィルム10は、図3に示すように、缶胴ブランク
材料1の搬送に従って、缶胴ブランク材料1の長手方向
(搬送路2の搬送方向)に沿って連続的に圧着され、こ
の時、フィルム10の両側の缶胴ブランク材料1の両端
縁に溶接用の金属露出部53が形成される。図示しない
が、これと同時に、無地のフィルム11も、フィルム1
0と同様に缶胴ブランク材料1の反対側の面にその長手
方向に沿って連続的に圧着され、該缶胴ブランク材料1
の両端縁に溶接用の金属露出部が形成される。
【0056】このように両面にフィルム10,11が圧
着された缶胴ブランク材料1は、図2に示すように、さ
らに電子線照射装置40,40の基部ケース44内を通
過する。この時、各電子線照射装置40のグリッド43
に高電圧を印加しておくことにより、フィラメント42
から搬送路2の幅方向(缶胴ブランク材料1の幅方向)
に延在するカーテン状の電子線が缶胴ブランク材料1の
フィルム10,11を圧着した各面に照射され、この照
射は、缶胴ブランク材料1の搬送に従って、そのほぼ全
面にわたって行われることとなる。そして、このように
照射された電子線は、缶胴ブランク材料1の各面に圧着
されたフィルム10,11を透過して、これらのフィル
ム10,11と缶胴ブランク材料1との間に介在する電
子線硬化樹脂Aに達する。このため、電子線硬化樹脂A
は、電子線の照射によりラジカル重合を生じて硬化し、
これにより、フィルム10,11が電子線硬化樹脂Aを
介して缶胴ブランク材料1に強固に貼着される。
【0057】この場合、一般に、電子線硬化樹脂は、電
子線の照射を酸素が存在する雰囲気中で行うとラジカル
重合反応を生じにくくなるが、本実施例では、電子線硬
化樹脂Aが缶胴ブランク材料1とフィルム10,11と
の間に介在しているので、ほとんど大気中の酸素の影響
を受けず、確実にラジカル重合反応を生じて硬化し、従
って、支障なくフィルム10,11が缶胴ブランク材料
1に貼着される。また、フィルム10は、印刷が施され
て不透明となっているものの、電子線はこのようなフィ
ルム10であっても支障なく透過し、電子線硬化樹脂A
の重合・硬化を生ぜしめる。
【0058】尚、本実施例において、電子線硬化樹脂A
の組成や、電子線の照射強度等は、フィルム10,11
や印刷パターン26の変質等が生じないようにあらかじ
め適切に設定されている。また、電子線硬化樹脂Aの硬
化時に酸素の影響を確実に排除するために、電子線硬化
樹脂Aの塗布雰囲気及び電子線照射装置40の基部ケー
ス44内を不活性ガスで置換して置くようにしてもよ
い。
【0059】かかるフィルム10,11の貼着により、
図3に示すように、搬送方向に列をなす複数の缶胴ブラ
ンク材料1が長尺のフィルム10,11を介して長尺状
に連結され、隣合う缶胴ブランク材料1,1同士の間の
箇所にフィルム10,11による連結部分54を有する
缶胴ブランク材料1の連結体45が形成される。なお、
金属露出部53は、本実施例で得られる缶胴ブランク8
から缶胴を製造する際に、溶接接合部として利用され
る。
【0060】このように長尺状に連結された缶胴ブラン
ク材料1の連結体45においては、フィルム10は、無
地部分27aの位置が缶胴ブランク材料1同士の連結部
分54の位置に合致し、印刷パターン26が連結部分5
4に跨がらないように缶胴ブランク材料1に圧着されて
いる。本実施例の装置では、フィルム10をこのように
圧着するために、缶胴ブランク材料1の搬送路2への供
給を次のように制御している。
【0061】すなわち、本実施例の装置では、前記タイ
ミングキッカー24、パルスエンコーダ38及びアイ・
スポット・センサ39が材料供給手段5の図示しない供
給制御装置に接続されており、また、フィードロール2
5a及び圧着ロール25bは搬送路2に供給された缶胴
ブランク材料1を所定の速度で搬送するように設定され
ている。そして、前記エンコーダ用ロール37は圧着ロ
ール25bに同調して回転している。
【0062】パルスエンコーダ38は、フィルム10が
圧着ロール25bに送られるごとに一定間隔でパルスを
発振しており、このパルスは供給制御装置に入力されて
いる。一方、フィルム10が圧着ロール25bに供給さ
れると、まず、アイ・スポット・センサ39によりフィ
ルム10に印刷されているアイ・スポット28が検知さ
れ、検知信号が供給制御装置に送られる。供給制御装置
は、アイ・スポット・センサ39からアイ・スポット2
8の検知信号を受けると前記パルスをカウントし始め、
一つのアイ・スポット28の検知信号を受信してから、
次のアイ・スポット28の検知信号を受信するまでに、
パルスエンコーダ38が何回パルスを発振するかを計数
して、エンコーダ用ロール37の回転速度とパルスの発
振回数とから、フィルム10の供給速度を算出する。
【0063】そして、供給制御装置は所定数のアイ・ス
ポット28の検知信号をうけるとタイミングキッカー2
4に作動指令を出力し、タイミングキッカー24により
缶胴ブランク材料1を搬送路2に供給させる。このよう
にすることにより、缶胴ブランク材料1はフィルム10
に印刷されたアイ・スポット28の一定数ごとに搬送路
2に供給され、前記所定の速度で搬送されるので、圧着
ロール25bの位置で缶胴ブランク材料1同士の連結部
分54の位置がフィルム10の無地部分27aの位置に
合致するように、フィルム10が缶胴ブランク材料1に
圧着される。
【0064】尚、前記フィルム10,11に関し、フィ
ルム10は印刷を施すために強度が要求されるので二軸
延伸フィルムが用いられるが、フィルム11は印刷が施
されないので大きな強度を必要とせず、延伸されていな
いフィルムであってもよく一軸または二軸延伸フィルム
であってもよい。
【0065】前述のように得られた缶胴ブランク材料1
の連結体45は、次に裁断工程に導かれ、前記連結部分
54が裁断される。
【0066】缶胴ブランク材料1の連結体45は、複数
の缶胴ブランク材料1がフィルム10,11により連結
されて形成されているため、前記連結部分54は前記フ
ィルム10,11だけで構成されており、柔軟になって
いる。このため、缶胴ブランク材料1がフィルム10,
11により挟持されている硬質な部分と、缶胴ブランク
材料1同士の連結部分54とでは搬送速度が微妙に異な
る。そこで、本実施例の装置では、缶胴ブランク材料1
の連結体45を確実に連結部分54で裁断するために、
ナイフシリンダー48の作動を次のように制御してい
る。
【0067】すなわち、本実施例の装置では、パルスエ
ンコーダ46、アイ・スポット・センサ47、ナイフシ
リンダー48、刃物原点センサ48a及び刃物角速度エ
ンコーダ48bが、前記裁断手段14の図示しない裁断
制御装置に接続されている。そして、等速フィードロー
ル25e〜25gは等速で互いに同期して回転してお
り、缶胴ブランク材料1を所定の速度で搬送するように
設定されている。また、パルスエンコーダ46は、等速
フィードロール25fにより缶胴ブランク材料1が送ら
れるごとに一定間隔でパルスを発振しており、このパル
スは、裁断制御装置に入力されている。
【0068】本実施例の裁断制御においては、まず、ア
イ・スポット・センサ47により缶胴ブランク材料1に
圧着されたフィルム10に印刷されている所定のアイ・
スポット28が検知されると、その検知信号が裁断制御
装置に送られる。裁断制御装置は、アイ・スポット・セ
ンサ47からアイ・スポット28の検知信号を受けると
前記パルスエンコーダ46のパルスをカウントし始め、
パルス数により缶胴ブランク材料1の連結体45の移動
距離を算出する。
【0069】次に、裁断制御装置は、アイ・スポット2
8の検知信号を受けたのちパルスの発振数が所定数に達
すると、予め入力されているデータに従って、缶胴ブラ
ンク材料1の連結体45の連結部分54が裁断位置に達
するまでの距離と、ナイフシリンダー48が回転して刃
物が前記裁断位置に達するまでの距離が一致したものと
判断して、ナイフシリンダー48に起動指令を出力す
る。
【0070】ナイフシリンダー48は、通常はその刃物
が搬送路2上を搬送される連結体45に接触しない位置
に待機しており、前記起動指令を受けると予め入力され
ているデータに従って回転し始める。このとき、ナイフ
シリンダー48に取着されている刃物の角速度が刃物角
速度エンコーダ48bにより測定され、裁断制御装置に
入力される。裁断制御装置は、刃物の角速度を予め入力
されているデータと比較し、刃物の角速度が適正でない
ときにはナイフシリンダー48に修正指令を出力して修
正する。
【0071】そして、ナイフシリンダー48に取着され
ている刃物により、等速フィードロール25e〜25g
により所定の速度で搬送されている連結体45がその連
結部分54の位置、すなわちフィルム10の無地部分2
7aの位置でフィルム10と共に裁断される。
【0072】ナイフシリンダー48は、缶胴ブランク材
料1を裁断したのちも、刃物原点センサ48aがナイフ
シリンダー48に取着されている刃物を検知するまで回
転を続ける。刃物原点センサ48aは刃物を検知すると
裁断制御装置に検知信号を出力し、裁断制御装置はナイ
フシリンダー48に取着されている刃物が缶胴ブランク
材料1に接触しない位置に達し、ナイフシリンダー48
が待機位置に復帰したものと判断して、ナイフシリンダ
ー48の回転を停止させ、あるいは減速して待機させ
る。
【0073】前記裁断工程において、両面に前記フィル
ム10,11が圧着された缶胴ブランク材料1の一個分
に相当する表面処理缶胴ブランク材料6(図1参照)が
順次得られる。該表面処理缶胴ブランク材料6は、フィ
ルム10に印刷されている印刷パターン26の所定数分
(本実施例では7枚分)の長さのフィルム10が圧着さ
れている。この表面処理缶胴ブランク材料6は、搬送路
2の下流端部で、排出コンベア49により搬送路2の搬
送方向と直交する方向に払い出され、横送りコンベア5
0に移載される。
【0074】表面処理缶胴ブランク材料6は、横送りコ
ンベア50により搬送路2の搬送方向と直交する方向に
搬送され、横送りコンベア50の下流端部に設けられた
スリッタ51により缶胴一個分の単一の缶胴ブランク8
に分割される。スリッター51の支軸51aには、8枚
の回転刃52が横送りコンベア50の搬送方向と平行に
印刷パターン26の長さ(缶胴の高さに相当する)に対
応する一定の間隔で軸支されており、該回転刃52が回
転しながら、表面処理缶胴ブランク材料6を無地部分2
7で分割する。これにより複数の単一の缶胴ブランク8
が得られる。
【0075】このように、本実施例の表面処理装置によ
れば、両面にフィルム10,11を貼着した缶胴ブラン
ク8を効率よく得ることができる。特に、フィルム1
0,11の貼着に際して、電子線硬化樹脂Aを用いてい
るので、従来の表面処理装置のように、乾燥工程や加熱
工程等が不要となって、電子線の照射だけで極めて短時
間でその貼着を行うことができ、搬送路2の搬送速度を
大幅に向上させることができる。そして、乾燥装置や加
熱装置も不要となるので、ライン構成を比較的簡略なも
のとすることができる。
【0076】また、フィルム10を缶胴ブランク材料1
に圧着するに際しては、フィルム10の圧着ロール25
bへの供給のタイミングをアイ・スポット28を介して
検知し、この検知に応じて缶胴ブランク材料1の搬送路
2への供給のタイミングを調整するようにしていること
によって、搬送路2の搬送方向に列をなす缶胴ブランク
材料1の間の部分とフィルム10の印刷パターン26の
間の無地部分27aとが合致するようにフィルム10を
缶胴ブランク材料1に圧着することができる。
【0077】さらに、該缶胴ブランク材料1の連結体4
5を裁断するに際しては、フィルム10のアイ・スポッ
ト28の検知に応じてナイフシリンダー48の駆動のタ
イミングを調整することにより、確実に該缶胴ブランク
材料1の間の無地部分27aで連結体45を裁断するこ
とができる。従って、缶胴ブランク材料1から確実に所
望個数の缶胴ブランクを得ることができる。
【0078】また、前記缶胴ブランク8では、基体金属
の圧延方向は、両端の金属露出部53を結ぶ方向と一致
するので、缶胴ブランク8の両端縁の金属露出部分53
を重ね合わせて溶接接合して得られる缶胴では、缶胴の
円周方向が基体金属の圧延方向と一致している。一般
に、金属板は圧延方向に沿って延ばされやすいので、前
記缶胴では両端部にフランジを形成する際にフランジ部
に亀裂が生じず、フランジ加工等を有利に行うことがで
きる。前記のような缶胴に形成されたフランジ部に缶蓋
を二重巻締めすると、フランジ部に亀裂がないので、缶
蓋巻締め後にフランジ部から内容物がリークすることを
避けることができる。
【0079】尚、本実施例では、缶胴ブランク材料1等
の加熱工程を完全に不要なものとしたが、電子線硬化樹
脂Aによるフィルム10,11と缶胴ブランク材料1と
の貼着性をさらに確実なものとするために、必要に応じ
て電子線の照射後に加熱処理工程を設けるようにしても
よい。
【0080】また、本実施例では、合成樹脂フィルムと
してポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたが、
他種の合成樹脂フィルムを用いることも可能である。
【0081】さらに、本実施例では、フィルム10,1
1の供給途中で、これらのフィルム10,11に電子線
硬化樹脂を塗布するようにしたが、缶胴ブランク材料1
を圧着手段12に供給する前に、該缶胴ブランク材料1
の両面に電子線硬化樹脂を塗布するようにすることも可
能である。尚、本実施例では、原板3を缶胴ブランク材
料1に裁断したものに、フィルム10を貼着する例を示
したが、本発明は、ロール状にされた原板を裁断せずに
引き出して、これに直接にフィルム10を貼着し、その
後に所定の裁断工程を行うようにしてもよいことはもち
ろんである。
【0082】また、一般に、電子線硬化樹脂を用いて接
着させると、短時間硬化の為に内部応力が緩和されず、
フィルムに皺等の発生が懸念されるが、本発明において
は、使用樹脂を適切に選定し、その使用量を減らし、接
着剤層を薄く設定することにより、また、電子線照射処
理後の後工程で板温度が50°C以上で使用フィルムの
結晶化温度以下の温度条件、例えば本発明の好適材料で
あるポリエステルフィルムでは140°C以下で短時間
加熱し、内部応力を緩和させることによりそのような問
題を軽減することができる。特に後工程の熱処理工程を
入れると、接着性を高めるとともに残存モノマーの重合
完結を図ることができ、好都合である。
【0083】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、缶胴ブランク材料を搬送路で搬送しつつ、該
缶胴ブランク材料の両面にその搬送方向に沿って一組の
長尺の合成樹脂フィルムを供給・貼着する際に、塗布手
段により、各合成樹脂フィルムに電子線硬化樹脂を塗布
し、あるいは、缶胴ブランク材料の両面に電子線硬化樹
脂を塗布した後に、圧着手段により各合成樹脂フィルム
を電子線硬化樹脂を介して缶胴ブランク材料に圧着し、
次いで、該缶胴ブランク材料の各面側から電子線照射手
段により電子線を照射して、該缶胴ブランク材料とこれ
に圧着された合成樹脂フィルムとの間に介在する電子線
硬化樹脂を重合・硬化せしめるようにしたことによっ
て、缶胴ブランク材料や電子線硬化樹脂の加熱工程や乾
燥工程を経ずに、確実に合成樹脂フィルムを缶胴ブラン
ク材料に貼着して該缶胴ブランク材料の両面を被覆する
ことができると共に、その被覆を極めて短時間で効率よ
く行うことができ、ライン速度を大幅に向上させること
ができる。また、缶胴ブランク材料に合成樹脂フィルム
を貼着する際に、加熱装置や乾燥装置等が不要となるの
で、ライン構成を簡略なものとすることができる。
【0084】さらに、缶胴ブランク材料に貼着する合成
樹脂フィルムに印刷が施されている場合であっても、電
子線の照射により支障なく該合成樹脂フィルムを電子線
硬化樹脂を介して缶胴ブランク材料に貼着することがで
き、該缶胴ブランク材料から最終的に得られる缶胴に支
障なく美粧性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の缶胴ブランクの表面処理装置の一例の
説明的平面図。
【図2】図1の缶胴ブランクの表面処理装置の説明的側
面図。
【図3】図1の缶胴ブランクの表面処理装置によりポリ
エチレンテレフタレートフィルムで被覆された缶胴ブラ
ンク材料を示す平面図。
【符号の説明】
1…缶胴ブランク材料、2…搬送路、8…缶胴ブラン
ク、10,11…ポリエチレンテレフタレートフィルム
(合成樹脂フィルム)、12…圧着手段、13…電子線
照射手段、17…塗布手段、26…印刷パターン、A…
電子線硬化樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松島 浩二 埼玉県岩槻市鹿室839−1 北海製罐株 式会社技術本部内 (56)参考文献 特開 平2−51517(JP,A) 特公 平2−22112(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/10 B32B 15/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数枚の缶胴ブランクに分割可能な缶胴ブ
    ランク材料を搬送路で搬送しつつ、該缶胴ブランク材料
    の両面にその搬送方向に沿って一組の長尺の合成樹脂フ
    ィルムを供給・貼着し、その後に該缶胴ブランク材料を
    裁断することにより両面に前記合成樹脂フィルムが貼着
    された缶胴ブランクを得る缶胴ブランクの表面処理装置
    であって、前記一組の合成樹脂フィルムのうち少なくとも一方の合
    成樹脂フィルムの缶胴ブランク材料に貼着すべき面に印
    刷を施す印刷手段と、 前記一組の合成樹脂フィルムの缶
    胴ブランク材料に貼着すべき面または該缶胴ブランク材
    料の両面に電子線硬化樹脂を塗布する塗布手段と、該塗
    布後に各合成樹脂フィルムを前記缶胴ブランク材料の各
    面に供給しつつ前記電子線硬化樹脂を介して圧着する圧
    着手段と、該圧着後に前記缶胴ブランク材料と合成樹脂
    フィルムとの間に介在する前記電子線硬化樹脂を硬化せ
    しめて両者を貼着すべく前記缶胴ブランク材料の各面側
    から該缶胴ブランク材料に電子線を照射する電子線照射
    手段とを備えたことを特徴とする缶胴ブランクの表面処
    理装置。
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