JP3174119B2 - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JP3174119B2
JP3174119B2 JP362592A JP362592A JP3174119B2 JP 3174119 B2 JP3174119 B2 JP 3174119B2 JP 362592 A JP362592 A JP 362592A JP 362592 A JP362592 A JP 362592A JP 3174119 B2 JP3174119 B2 JP 3174119B2
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雄一郎 吉村
潔 兼子
正樹 時岡
淳 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば弾性振動の伝達
遅延時間を利用して振動源の位置を特定し、座標入力を
行わせる座標入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、振動伝達板に圧電素子などを
内蔵した振動ペンにより振動入力を行い、振動伝達板に
設けた複数の振動センサにより入力点の座標を検出する
座標入力装置が知られている。このような座標入力装置
では、図12(全体図)、あるいは図13(断面図)に
示すように、振動を検出するため振動伝達板8の周辺部
に、圧電振動子等により構成されるセンサ6を装着して
いた。
【0003】また、振動伝達板8の外周端面からの反射
波による干渉を軽減するため、振動伝達板8の周辺部に
防振材7をぐるりと装着し、センサ6を防振材7の付近
に据えて、更にその内側に所定の幅を確保して有効領域
Aを定め、その中での座標入力のみ許していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、振動の
板波対称波と非対称波との干渉による検出効率の低下に
より座票の検出精度が低下するという問題点があった。
【0005】また、検出した振動から座標の算出するに
際して誤差や特性を考慮しておらず、それらによる精度
の低下という問題点があった。
【0006】更に、振動伝達板内で反射される多重反射
波による残響振動があると次の周期の検出波に影響を与
えて精度が低下してしまうという問題点があった。
【0007】上記従来例に鑑みて本発明の座標入力装置
は、板波対称波と非対称波との干渉の影響を軽減し、ま
た、誤差あるいは特性を座標算出に組み入れ、また、残
響による座標検出精度の低下を防止した、座標の検出精
度を高めた座標入力装置を提供することを目的とする。
【0008】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に座標入力装置は次のような構成からなる。
【0009】振動を伝播する振動伝達板に複数の振動セ
ンサを配設し、振動を発生する座標指示具と前記センサ
のそれぞれとの距離を振動の到達時間から計測し、前記
座標指示具による前記振動伝達板上での指示点を座標値
として演算出力する座標入力装置であって、前記センサ
は、その振動方向が分極方向と同一で、駆動電極を分極
方向と直角に設けたすべりモードの圧電振動子であり、
前記振動方向が前記振動伝達板の表面と直角をなすよう
に前記駆動電極面の一方が前記振動伝達板の端面に装着
されていることを特徴とする。
【0010】また、振動を伝播する振動伝達板に複数の
振動センサを配設し、振動を発生する座標指示具と前記
センサのそれぞれとの距離を振動の到達時間から計測
し、前記座標指示具による前記振動伝達板上での指示点
を座標値として演算出力する座標入力装置であって、前
記振動伝達板には、前記座標指示具で入力された新動画
直接前記センサへ到達するまでの距離と、前記振動伝達
板の反射面より反射して前記センサへ到達するまでの距
離との伝達距離差が、座標算出のための算出式より導出
される算出値と、実際の値に対応する値との誤差の内、
許容される誤差に基づく値以上となるような有効領域が
設定され、該有効領域内で座標の指示を許すことを特徴
とする。
【0011】
【作用】上記構成により、座標指示具から入力され、振
動伝達板に振動が伝播すると、振動センサは板波非対称
波を効率的に検出する。
【0012】また、座標指示具で振動が入力され、振動
伝達板に振動が伝播すると、振動センサは振動源からの
直接波といったん反射面で反射された反射波とを所定値
以上の距離の差に応じた時間差を持って検出する。
【0013】
【実施例】以下、添付図面に従って本発明に係る実施例
を詳細に説明する。
【0014】[実施例1] <装置構成の説明(図1)>図1は本実施例における座
標入力装置の構造を示している。
【0015】図中、1は装置全体を制御すると共に、座
標位置を算出する演算制御回路である。2は振動子駆動
回路であって、振動ペン3内のペン先を振動させるもの
である。8はアクリルやガラス板等、透明部材からなる
振動伝達板であり、振動ペン3による座標入力はこの振
動伝達板8上をタッチすることで行う。また、実際に
は、図示の実線で示す符号Aの領域(以下、有効エリア
という)内を振動ペン3で指定することを行なう。
【0016】振動伝達板の外周の端面には図1に示すよ
うにすべりモード振動の圧電振動子6a〜6cが振動セ
ンサとして装着されており、機械振動を電気信号に変換
する。このセンサに関して詳しくは後で述べる。
【0017】9は各振動センサ6a〜6cで振動を検出
した旨の信号を演算制御回路1に出力する信号波形検出
回路である。11はCRT(或いは液晶表示器)等のド
ット単位の表示が可能なディスプレイであり、振動伝達
板8の背後に配置している。そしてディスプレイ駆動回
路10の駆動により振動ペン3によりなぞられた位置に
ドットを表示し、それを振動伝達板8(透明部材よりな
るので)を透して見ることが可能になっている。すなわ
ち、検出された振動ペン3の座標に硫黄したディスプレ
イ11上の位置にドット表示が行われ、振動ペン3によ
り入力された点や線などの要素により構成される画像は
あたかも紙に書き込みを行ったように振動ペンの軌跡の
後に現れる。
【0018】また、このような構成によれば、ディスプ
レイ11はそのメニュー表示を行ない、振動ペン3によ
りその項目を選択させたり、プロンプトを表示させて所
定の位置に振動ペン3を接触させるなどの入力方式を用
いることもできる。
【0019】図2に実施例に振動ペン3の構造(断面
図)を示す。
【0020】振動ペン3に内蔵された振動子4は、振動
子駆動回路2により駆動される。振動子4の駆動信号は
演算制御回路1から低レベルのパルス信号として供給さ
れ、低インピーダンス駆動が可能な振動子駆動回路2に
よって所定のゲインで増幅された後、振動子4に印加さ
れる。
【0021】電気的な駆動信号は振動子4によって機械
的な超音波振動に変換され、ホーン部(ペン先)5を介
して振動伝達板8に伝達される。
【0022】ここで振動子4の振動周波数はアクリルや
ガラスなどの振動伝達板8に板波を発生させることが出
来る値に選択される。また、振動子駆動の際、振動伝達
板8に対して図2の垂直方向に振動子4が主に振動する
ような振動モードが選択される。また、振動子4の振動
周波数を振動子4の共振周波数とすることで効率のよい
振動変換が可能である。
【0023】上記のようにして振動伝達板8に伝えられ
る弾性波は板波であり、表面波などに比して振動伝達板
の表面の傷や障害物等の影響を受けにくいという利点を
有する。
【0024】尚、以上の構成における実施例の振動伝達
板8の寸法及び反射防止材7の装着位置、更には振動セ
ンサ6a〜6cの配置位置等の特定に係る原理の詳細は
後述する。
【0025】<演算制御回路の説明(図3)>上述した
構成に於いて、演算制御回路1は所定周期毎(例えば5
ms毎)に振動子駆動回路2に振動ペン3内に振動子4
を駆動させる信号を出力すると共に、その内部のタイマ
(カウンタで構成されている)による計時を開始させ
る。そして、振動ペン3より発生した振動は振動センサ
6a〜6c迄の距離に応じて遅延して到達する。振動波
形検出回路9は各振動センサ6a〜6cからの信号を検
出して、後述する波形検出処理により各振動センサへの
振動到達タイミングを示す信号を生成するが、演算制御
回路1は各センサ毎のこの信号を入力し、各々の振動セ
ンサ6a〜6cまでの振動到達時間の検出、そして振動
ペンの座標位置を算出する。
【0026】そして、演算制御回路1はこの算出された
振動ペン3の位置情報を基に、ディスプレイ駆動回路1
0を駆動して、ディスプレイ11による表示動作を制御
する。
【0027】図3に実施例における演算制御回路1の内
部構成を示し、各構成要素及びその動作概要を以下に説
明する。
【0028】図中、31は演算制御回路1及び本座標入
力装置全体を制御するマイクロコンピュータであり、動
作手順を記憶したROMやワークエリアに使用するRA
Mや内部カウンタ等を内蔵している。33は不図示の基
準クロックを計時するタイマ(カウンタより構成されて
いる)であって、振動子駆動回路2に振動ペン3内の振
動子4を駆動を開始させるためのスタート信号を入力す
ることで、その計時を開始する。すなわち、これによっ
て、計時開始と振動発生の時期の同期が取られることに
なる。
【0029】その他、各構成要素となる回路は順を追っ
て説明する。
【0030】信号波形検出回路9を介して得られた各振
動センサ6a〜6cの振動到達のタイミング信号は、検
出信号入力ポート35を介して、ラッチ回路34a〜3
4cに入力される。ラッチ回路34a〜34cの振動セ
ンサ6a〜6cに対応しており、各々は対応する振動セ
ンサの信号であるタイミング信号を受信すると、その時
点でのタイマ33の計時値をラッチする。そして、全て
の検出信号の受信がなされたことを判定回路36が判定
すると、マイクロコンピュータ31にその旨の信号を出
力する。マイクロコンピュータ31がこの判定回路36
からの信号を受信したときには、ラッチ回路34a〜3
4cから各々の振動センサまでの振動到達時間読み取
り、所定の計算を経て、振動ペン3による振動伝達板8
上の座標位置を算出する。そして、I/Oポート37を
介してディスプレイ駆動回路10に算出した座標位置情
報を出力することにより、例えばディスプレイの対応す
る位置にドット等を表示する。
【0031】<振動伝播時間検出の説明(図4,図5)
>以下、振動センサまでの振動到達時間を計測する原理
を説明する。
【0032】図4は信号波形検出回路9に入力される検
出波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明
するための図である。尚、以下では振動センサ6aのを
用いて説明するが、その他の振動センサ6b・6cにつ
いても全く同じである。
【0033】振動センサ6aへの振動伝達時間の計測
は、振動子駆動回路2へのスタート信号の出力でもって
開始することは既に説明した。
【0034】この時、振動子駆動回路2から振動子4へ
は信号41が印加されている。
【0035】この信号によって、振動ペン3から振動伝
達板8に伝達された超音波振動は、振動センサ6aまで
の距離に応じた時間tgをかけて進行した後、振動セン
サ6aで検出される。図示の42で示す信号は振動セン
サ6aが検出した信号波形を示している。
【0036】ところで、実施例で用いられている振動は
板波であり、そのため振動伝達板8内での伝播距離に対
して、検出波形のエンベロープ421と位相422の関
係はその伝達距離に応じて振動伝達中に変化する。
【0037】ここでエンベロープ421の進む速度、即
ち、群速度をVg、そして位相422の位相速度をVp
とする。この群速度Vg及び位相速度Vpの違いから振
動ペン3と振動センサ6a間の距離を検出することがで
きる。
【0038】まず、エンベロープ421にのみ着目する
と、その速度はVgであり、ある特定の波形上の点、例
えばピークを図示の43で示す信号のように検出する
と、振動ペン3及び振動センサ6aの間の距離dはその
振動伝達時間をtgとして、 d=Vg・tg …(1) となる。
【0039】この式は振動センサ6aの1つに関するも
のであるが、同じ式により他の2つの振動センサ6b・
6cと振動ペン3の距離も同様の原理で表わされる。
【0040】更に、より高精度な座標値を決定をするた
めには、位相信号の検出に基づく処理を行なう。
【0041】位相波形信号422の特定の検出点、例え
ば振動印加から、ピーク通過後のゼロクロス点までの時
間をtp(信号53で所定幅の窓信号44を生成し、位
相信号422と比較することで得る)とすれば振動セン
サと振動ペンの距離は、 d=n・λp+Vp・tp …(2) となる。ここでλpは弾性波の波長、nは整数である。
【0042】前記(1)式と(2)式から上記の整数n
は、 n=int[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+1/N] …(3) と表される。
【0043】ここで、Nは“0”以外の実数であり、適
当な数値を用いる。例えば、N=2とすれば±1/2波
長以内であれば、nを決定することができる。上記のよ
うにして求めたnを(2)式に代入することで、振動ペ
ン3及び振動センサ6a間の距離ひいては振動ペン3と
振動センサ6b,6cの距離を正確に測定することがで
きる。なお、“int[x]”はxの整数部を値とする
関数である。
【0044】上述した2つの振動伝達時間tg及びtp
の測定のための信号43及び45は信号波形検出回路9
により生成されるが、この信号波形検出回路9は図5に
示すように構成される。
【0045】図5において、振動センサ6aの出力信号
は前置増幅回路51により所定のレベルまで増幅され
る。増幅された信号はエンベロープ検出回路52に入力
され、検出信号のエンベロープのみが取り出される。抽
出されたエンベロープのピークのタイミングは、エンベ
ロープピーク検出回路53によって検出される。ピーク
検出回路からモノマルチバイブレータなどから構成され
たTg信号検出回路54によって所定波形のエンベロー
プ遅延時間検出信号である信号Tg(信号43)が形成
され、演算制御回路1に入力される。
【0046】また、この信号Tgは単安定マルチバイブ
レータ55(信号44を発生させる)、コンパレートレ
ベル供給回路56を経て、遅延時間調整回路57によっ
て遅延された基信号と比較するため、コンパレータTp
検出回路58に供給される。そして、このコンパレータ
Tp検出回路58からは位相遅延時間信号Tpが演算制
御回路1に供給されることになる。
【0047】尚、以上説明した回路は振動センサ6aに
対するものであり、他の振動センサ6b,6cにも同じ
回路が設けられる。
【0048】そこで、センサの数を一般化してh個とす
ると、エンベロープ遅延時間Tg1〜h、位相遅延時間
Tp1〜hのそれぞれh個の検出信号が演算制御回路1
に入力される。
【0049】そして、演算制御回路1では上記のTg1
〜h,Tp1〜h信号を入力ポート35から入力し、各
々のタイミングをトリガとしてタイマ33の計時値
((カウント値)をラッチ回路34a〜34cに取り込
む。タイマ33は振動ペンの駆動に同期してスタートさ
れているので、ラッチ回路34〜34cには、各振動セ
ンサ6a〜6cのエンベロープ及び位相のそれぞれの遅
延時間を示すデータがラッチされることになる。
【0050】<座標位置算出の説明(図6)>次に、実
際に振動ペン3による振動伝達板8上の座標位置検出の
原理を説明する。
【0051】今、振動伝達板8上の振動センサ6aの座
標をSa (0,0)、すなわち、原点とし、振動センサ
6b,6cの座標位置をそれぞれSb (X,0),SC
(0,Y)とする。そして、振動ペンの座標をP(x,
y)とする。
【0052】そして、先に説明した原理に基づいて、振
動ペン3と各振動センサ6a〜6cとの距離を夫々da
〜dC とすると、求めるP(x,y)は三平方の定理よ
り、次式のごとくなる。
【0053】 x=X/2+(da +db )・(da −db )/2X y=Y/2+(da +dc )・(da −dc )/2Y 以上のようにして振動ペン3の位置座標をリアルタイム
で検出することができることになる。
【0054】<本実施例のセンサ構成の説明(図7〜図
9)>本実施例の振動センサ6として使用される圧電振
動子を図7に示す。図7に示す圧電振動子は角板状のも
ので、振動方向が分極方向と同一で、しかも、駆動電極
が分極方向と直角に設けられている。従って、振動方向
は図中に矢印で示したように二つの電極面に平行で、し
かも二つの電極面の振動方向は逆向きにずれてすべるよ
うに振動する。すなわち、たとえば矢印71と矢印72
とが一対になるような振動をする。なお、7−bは振動
伝達板8の厚み方向の長さ(センサの高さ)、7−aは
センサが装着される辺に平行な方向の長さ(センサの
幅)、6−aは電極間の長さ(センサの厚さ)である。
【0055】センサ6の振動伝達体への装着部の断面図
を図8に示す。図示の様に、前記センサ6の電極の片面
を振動伝達板8の端面に装着する。この際、センサ6の
振動方向が振動伝達板の表面に垂直(厚み方向)になる
ように装着する。これにより、振動方向が振動伝達板の
厚み方向である板波非対称波は効率よくセンサ8に検出
される。これに対し、振動方向の主成分が振動伝達板の
表面に平行であり厚み方向ではない板波対称波はほとん
どセンサ6では検出されない。
【0056】さらに、図9に示す様に、センサ6を装着
した振動伝達板端面の辺に於けるペンからの反射波の影
響を受けるとこなく検出できるので、他の辺からの反射
波のみを考慮して装置サイズを決定でき小型化が図られ
る。
【0057】尚、上記センサ6で検出する板波非対称波
は、上記の通り振動方向が振動伝達板の表面に垂直な剪
断方向振動であるため、上記装着手段は接着であること
が望ましい。もちろん、振動伝達板からの振動の伝達効
率を向上させるため、音響インピーダンスをマッチング
させるための材料を介在させてもよい。
【0058】また、検出精度を向上させるため、図7に
示したセンサ6の幅7−aは、振動の波長より小さいこ
とが望ましい。
【0059】また、本実施例においては電極からの電気
的な取り出し手段としてリード線を用いるが、電気的接
点等の手段を用いてもよい。尚、リード線等で取り出す
場合には、図7のセンサ6の高さ7−bは、振動伝達板
の厚みより長いことが望ましい。
【0060】また、上記本発明の実施例に於ては、セン
サ6が3つの場合を示したが、図10(配線省略)の様
にセンサ6を振動伝達板の各辺の中央に配置した構成と
して、各センサ6のbとdからx、aとcからyを参照
して求めてもよい。更に、それ以上のセンサの数として
も良い。
【0061】また、図11(配線省略)の様に、振動伝
達板8の周囲背面に残響抑止のための防振材を装着し、
その間に上記センサ6を組み込み装着した構成としても
よい。
【0062】尚、本発明は、複数の機器から構成される
システムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用
しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログ
ラムを供給することによって達成される場合にも適用で
きることは言うまでもない。
【0063】
【他の実施例】
[実施例2]第16図は第2の実施例における座標入力
装置の構成を示している。ほぼ図1の構成と同じである
ので、異なる点のみ説明する。
【0064】振動センサ6としては振動伝達板8の周囲
に6a〜6dの4つが配置されている。センサ6の近傍
の外周側の振動伝達板表面には、振動が伝達板8の端面
で反射して中央部に戻ることを防止するため、短冊上の
防振材7を装着する。防振材7の寸法の決め方について
は後述する。また、センサが4つ設けられているため、
演算制御回路も信号波形検出回路9からの入力がセンサ
4つ分に増え、判定回路36やラッチ回路34も4つの
センサに対応している。
【0065】その他の構成要素については実施例1と同
じものであり、振動ペン3によって振動伝達板8に与え
られセンサ6で検出された振動から振動ペン3とセンサ
6との距離を算出するには、実施例1と同じく式(1)
・(2)・(3)を用いる。
【0066】ただし、図17に見られるように、信号波
形検出回路9に入力される波形とそれに基づいて位相遅
延時間45を求める仕方はやや実施例1と異なる。この
場合には、エンベロープピーク後のゼロクロス点までを
tpとするのではなく、振動が所定のレベル46を越え
たという信号47に基づいて所定幅の窓信号44を生成
し、移送信号422と比較して信号レベル46を越えた
後のゼロクロス点までの時間をtp45とする。
【0067】更に、本実施例では、これに加えて遅延時
間の補正処理について説明する。
【0068】<遅延時間補正の説明>実施例1で説明し
たように、図3のラッチ回路34によってタイマ33か
ら振動伝達時間をラッチするが、ラッチされた振動伝達
時間は、厳密にはホーン5中を音波が進む時間やセンサ
で出力された信号を回路で処理する時間を含んでいる。
そこで、波が振動伝達板8上を伝播する時間以外のこれ
らの遅延時間を固有遅延時間etと定義する。また、基
準となる点における群遅延時間と位相遅延時間の差を位
相オフセツト時間toffと定義する。これらにより生
じる誤差は、振動ペン3から振動伝達板8,振動センサ
6a〜6dへの振動伝達の際には常に同じ量が含まれ
る。そこで、例えば図18の原点Oの位置を前述の基準
点とし、また振動センサ6aまでの距離をR1(=X/
2)とした場合、原点Oにて振動ペン3で入力を行なっ
てセンサ6aから実測された原点Oまでの実測の群遅延
時間と位相遅延時間とをそれぞれtgz’とtpz’と
し、また原点Oからセンサまでの真の群遅延時間と位相
遅延時間とをそれぞれtgz,tpzとすれば、これら
は固有遅延時間etおよび位相オフセットtoffに関
して、 tgz'=tgz+et …(4) tpz'=tpz+et+toff …(5) の関係がある。
【0069】一方、任意の入力点P点での群遅延時間と
位相遅延時間との実測値tg’tp’は同様に、 tg'=tg+et …(6) tp'=tp+et+toff …(7) となる。この(4)式と(6)式、(5)式と(7)式
両者の差を求めると、 tg'-tgz'=(tg+et)-(tgz+et)=tg-tgz …(8) tp'-tpz'=(tp+et+toff)-(tpz+et+toff)=tp-tpz …(9) となり、群遅延時間と位相遅延時間とに含まれる固有遅
延時間etおよび位相オフセットtoffが除去され、
センサ6a位置を起点として原点Oまでの距離と、入力
点Pまでの距離とに応じた真の伝達遅延時間の差を求め
ることができ、前記(2),(3)式を用いればその距
離差を求めることができる。振動センサ6aから原点O
までの距離はあらかじめ不揮発性メモリ等に記憶してあ
り既知であるので、振動ペン3と振動センサ6aとの距
離を決定できる。他のセンサ6b〜6dについても同様
に求めることができる。上記、原点Oにおける実測値t
gz’及びtpz’はあらかじめ測定して不揮発性メモ
リに記憶され、(2),(3)式の計算の前に(8),
(9)式が実行され精度の高い測定ができる。
【0070】<座標位置算出の説明(図18)>次に実
際に振動ペン3による振動伝達板8上の座標位置検出の
原理を図18により説明する。
【0071】今、振動伝達板8上の4辺の中点近傍に4
つの振動センサ6a〜6dを符号S1〜S4の位置に設
けると、先に説明した原理に基づいて、振動ペン3の位
置Pから各々の振動センサ6a〜6dの位置までの直線
距離da〜ddを求めることができる。更に演算制御回
路1でこの直線距離da〜ddに基づき、振動ペン3の
位置Pの座標(x,y)の3平方の定理から次式のよう
にして求めることができる。
【0072】 x=(da+db)・(da−db)/2X …(10) y=(dc+dd)・(dc−dd)/2Y …(11) ここで、X,Yはそれぞれ振動センサ6a,6b間の距
離、振動センサ6c,6d間の距離である。
【0073】以上のようにして振動ペン3の位置座標を
リアルタイムで検出することができる。
【0074】<振動伝達板構成(寸法)特定の説明>本
実施例を説明するにあたり、防振材装着境界面の辺で反
射した反射波Rの影響に関する説明を図19を使って行
う。図のような有効エリアA及び振動センサ6を考えた
場合、振動ペン3からの指示領域に於いて、直接波Dと
反射波Rとの振動伝達距離の差が最少になるのが振動セ
ンサから最遠の有効エリアA内の境界角部である(振動
センサの有効エリアと逆側の振動伝達板端面に於ける反
射波の影響は後で述べる)。図では振動ペン3で指し示
されている。従って、有効エリアから防振材装着境界面
の辺までの距離gは直接波と反射波との関係で決定され
る。つまり、振動ペンから発生した振動の直接波と反射
波とのそれぞれの伝達経路の差が、ある一定の距離L以
上になるように振動伝達板構成の寸法決定を行う。
【0075】ここで、本発明の上記振動伝達板寸法を決
定する距離Lに関して説明する。距離Lは、振動センサ
6で検出される直接波の先頭から検出点までの時間に伝
達速度を乗じた値に基づくものであるが、装置の座標検
出誤差の値により補正し算出する。なお、振動の検出を
高精度で行うためには検出点に於て反射波の重畳による
干渉歪が生じないようにする必要があり、そのために
は、図20に見られるように、直接波201と反射波2
02の伝達時間の差が直接波の先頭から検出点までの時
間τとなるように反射波の伝達領域を確保しなければな
らない。
【0076】<振動伝達時間検出の説明>で述べた様
に、本装置に於ける座標検出の精度は式(2)で算出さ
れるdと、式(3)で算出されるnとに依存している。
今、 Δd[mm]:上記式(2)での算出値と実際の値との
誤差 Δn:上記式(3)の右辺の整数化前の値と整数化後の
値との誤差 とする。但し、このΔnは±0.5の範囲の値をとり、
±0.5の範囲を越えたときに、波長分の誤差が生じ
る。ここで、本実施例に於いて、許容誤差の値をΔd
1,Δn1とすると、それぞれにより算出される上記距
離Ld,Lnは次のように表される。
【0077】 Ld=α−β(Δd1−γ) …(12) Ln=δ−ε(Δn1−ζ) …(13) 例えば、振動子4への駆動信号41のパルス数を5、駆
動周波数(≒検出振動周波数)を260[KHz]、防
振材の反射率を17%、振動伝達板を約1.3[mm]
のガラス板とした場合、 α=7.5,β=121.8,γ=0.121 δ=38.6,ε=81,ζ=0.2 となる。
【0078】上記α〜ζの定数は、上記条件に於いてL
を変化させた場合の実測データ、或は、上記条件に於い
て検出される波形を基に直接波と反射波を計算上重ね合
わせて求めたもので、他の条件に於いても簡単に求める
ことができる。
【0079】尚、<振動伝達時間検出の説明>で述べた
検出方法に於いては、座標検出の精度は、上記ΔdとΔ
nの設定許容値Δd1,Δn1により規定されるが、振
動伝達板構成の寸法決定に当たっては、LdとLnの内
大きい方の値によって規定される。以下、このLdとL
nの内大きい方の値をLとする。
【0080】次に、上記で求めた距離Lにより、幾何学
的に振動伝達板構成の寸法決定する。有効エリアから防
振材装着境界面の辺までの距離gの決定を次のように行
う。
【0081】今振動センサ6a〜dをそれぞれ6−1〜
4とし、センサ6−iがおかれている防振材装着境界を
境界iとする。上記座標検出誤差値内とする為には、有
効エリアA内のある点から振動を与えられ、振動センサ
6−jで検出される直接波の振動伝達経路(距離)をD
j、境界i反射されて振動センサ6−jで検出される反
射波の伝達経路(距離)をRjiとすると、次の式を満
たす必要がある。
【0082】Rji−Dj≧L ここで、図21にセンサ6を振動伝達板8の辺央に配置
した場合の構成を示す。先ほど図19で示したように、
有効エリア境界角部に於けるRji−Djをもっとも短
い値Lとして確保する必要があり、 Rji−Dj=L …(14) を満たす様に振動伝達板のサイズが決定される。
【0083】図21に於いて、 a:有効エリア縦寸法 b:有効エリア横寸法 s:センサ中心と防振材装着境界との距離 gi:防振材装着境界iと有効エリアとの距離(但し、
本実施例に於いては振動センサを辺央に配置しておりg
1=g2,g3=g4)とすると、例えば、振動ペン3
の有効エリア境界角部α、振動センサ6−1,辺4に関
して、直接波D1、反射波R14は次のように表せる。
【0084】 D1=sqrt((a/2)2+(b+g1−s)2) R14=sqrt((a/2+2g4)2+(b+g1−s)2) ここで、sqrt(x)はxの平方根を与える関数であ
る。
【0085】同様にして、他のRji,Djも求めるこ
とができる。以上のRji,Djより、上記式(14)
を満たすd1〜d4を求め、振動伝達板の寸法を決定す
る。
【0086】但し、例えばg2(=g1)に関しては、 R12−D1>R42−D4 ;ただし、R42とD4
とは境界2と境界3との交点付近の有効エリアAの隅点
βから入力された振動に関する。であるので、条件とし
てより厳しい R42−D4=Lを用いる。
【0087】同様の理由で、g4(=g3)に関して
は、R14−D1=Lを用いる。
【0088】本実施例に於いては、以上の方法により、
所定の有効エリアに対する振動伝達板の寸法を決定す
る。
【0089】以上、振動伝達板8に於いて、防振材装着
境界の内側にあって有効エリア外の領域の幅gの決定を
行ったが、振動伝達板8の端面からの反射波に対して防
振材7による減衰が完全である場合を除いて、防振材の
幅が狭かったり、更には防振材を装着しない場合など
は、有効エリアを隔てた側の振動伝達板端面に於ける反
射波の影響による座標検出誤差も考慮して、振動センサ
6の外周領域の寸法を決定する。
【0090】以下に、上記算出される距離Lに基づき、
センサ6の外周領域の寸法を決定する手段について説明
する。
【0091】図22に示す様に、振動センサ6を振動伝
達板の辺央に配置した場合、防振材装着境界iと振動伝
達板端面の辺iとの距離をhiとすると、これを、前記
gi,a,b,sそして距離Lを使った次の式により求
める。この式は、幾何学的に簡単に求めることができ
る。たとえばh1については、 L=sqrt((a/2)2+((g1-s)+2(h1+s))2)-sqrt((a/2)2+(g1-s)2) としてLが与えられる。これをh1について解くと、 h1=1/2(-(g1-s)+sqrt((g1-s)2+2L・sqrt((a/2)2+(g1-s)2)+L2))-s…(15) となる。他のhiについても同様である。
【0092】 h2=1/2(-(g2-s)+sqrt((g2-s)2+2L・sqrt((a/2)2+(g2-s)2)+L2))-s…(16) h3=1/2(-(g3-s)+sqrt((g3-s)2+2L・sqrt((b/2)2+(g3-s)2)+L2))-s…(17) h4=1/2(-(g4-s)+sqrt((g4-s)2+2L・sqrt((b/2)2+(g4-s)2)+L2))-s…(18) 以上、式(12)〜(18)により防振材7の寸法を決
定する。
【0093】尚、本実施例に於いては、振動センサ6を
辺央に配置したので、図22の有効領域Aの隅点からセ
ンサ6−1への直接波と反射波との距離差、すなわち
(R101−D101)と(R102−D102)は等
しいが、振動センサ6−1を辺のどちらかに片寄って設
置した場合は、(R101−D101)と(R102−
D102)の内、振動センサ6から有効エリア境界角部
(γまたはδ)までの距離が長い方に関して上記hを求
める。
【0094】<周波数による補正>上記実施例に於い
て、周波数は一定(例えば260KHz)として距離L
(Ld,Ln)を決定したが、周波数を考慮した次のよ
うな補正を行っても良い。
【0095】つまり、前述したように、本実施例の振動
伝達板を伝達する弾性波は板波であり、一般的に図23
に示す様に、群速度Vg及びVpは板厚と周波数の積に
依存していることが知られている。特に、本実施例では
周波数帯域は数十[KHz]から数百[KHz]、板厚
は1〜2[mm]程度であり、Vg及びVpは板厚と周
波数の積の増大と共に大きくなっていることが分かる。
一方、周波数と検出波の電気信号を示す図24の様に、
周波数が低いもの(b)から周波数が高いもの(a)へ
と周波数f[KHz]を増加するにつれ、先頭から検出
点までの時間が短くなる。
【0096】以上を考慮して、上記周波数帯域で式(1
2)及び式(13)中のΔd,Δnを補正すると、以下
のようになる。
【0097】 Δd=(1-η(f-μ))Δd(f=μ) …(19) Δn=(1-κ(f-μ))Δn(f=μ) …(20) 例えば、μ=260[KHz]に於けるΔd
(f=260[KHz]),Δn(f=260[KHz])を基準とし、振動子4
への駆動信号41のパルス数を5、防振材の反射率を1
7%、振動伝達板の板厚を1.3[mm]とした場合、 μ=260[KHz],η=1.97×10-3,κ=1.84×10-3 となる。上記η,κの定数は、f=260〜600[K
Hz]に於ける波形を基に直接波と反射波を計算上重ね
合わせて求めたもので、式(19)・(20)を用いる
ことで、用いる振動の周波数によりLの補正を行うこと
ができる。なお、定数μ・η・κは、他の周波数帯域に
於いても簡単に求めることができる。
【0098】<防振材特性による補正>上記防振材は本
来振動伝達板端面よりの反射波抑制及び残響の防止を目
的とするものである。従って、従来の防振材を振動伝達
板周囲に装着する構成に於いて、充分な防振材幅を確保
することにより、振動伝達板端面よりの反射波減衰させ
ることができた。しかし、防振材は振動伝達板のほぼ全
域が接している空気と比べて大きな音響インピーダンス
を持っており、防振材を振動伝達板表面に装着すること
により、その装着境界面が、振動伝達上の音響インピー
ダンスの不連続点となり、その不連続の程度に応じて反
射波が発生する。前記振動伝達板構成の寸法のgの決定
は、この防振材装着境界面で発生する反射波に対して許
容座標検出誤差の基づき行ってきた。しかし、防振材の
材質等により上記音響インピーダンスも異なり、従っ
て、この防振材装着境界面で発生する反射波の反射率も
異なり、前記検出点への反射波と直接波の重畳により与
える検出誤差の値が異なってくる。前記振動伝達板構成
の寸法のgの決定は、装着する防振材の反射率に応じて
行うことが望ましい。
【0099】本実施例に於いては、以下に示すΔd,Δ
nと装着防振材の反射率との関係式を用いて、反射率の
値に適確に対応したΔd,Δnを求め、この値を用いて
前記式(12),(13)によりgを求める。
【0100】今、防振材の反射率をreとすると、 Δd=ν+ξ(re−ο) …(21) Δn=ρ+σ(re−φ) …(22) となる。
【0101】例えば、f=260[KHz]、振動子4
への駆動信号41のパルス数を5、振動伝達板の板厚を
1.3[mm]とした場合、 ν=0.112,ξ=3.69×10-3,ο=17 ρ=0.2,σ=8.33×10-3,φ=12 となる。上記定数は、実測データ、或は上記条件に於い
て検出される波形を基に直接波と反射波を計算上重ね合
わせたもので簡単に求めることができる。尚、この反射
率を、次に述べる減衰率のばいあの様に周波数により補
正して用いてもよい。
【0102】更に、外周領域の寸法を決定する際にも、
防振材の特性を考慮することが望ましい。つまり、直接
波は、振動センサの有効エリアと逆側の振動伝達板端面
に於ける反射波が伝達する間に装着された防振材により
減衰され透過して振動センサに到達し振動(図22の
T)により影響を受ける。従って、この振動Tの透過率
をtrとすると、Δd,Δnとの関係は、式(21)と
(22)のreの代わりにtr[%]を用いて次のよう
に同様に表される。
【0103】 Δd=ν+ξ(re−ο) …(21)′ Δn=ρ+σ(re−φ) …(22)′ ここで、定数は、式(21),(22)と同じである。
【0104】防振材への入射角度によりそれぞれ上記透
過率tr[%]を求めても良いし、振動伝達板端面を境
に往復で減衰することにより次の式で、防振材の減衰率
Du[%]より、簡便に求めてもよい。
【0105】 tr=100(1−Du/100)2 …(23) 尚、防振材は一般に樹脂等の高分子材料・ゴムより形成
されることが多く、減衰率は使用周波数により変化す
る。従って、図25に示した装着防振材の幅w([m
m]と共に次式で補正することが望ましい。
【0106】 Du=χ+φ(f−ω)w …(24) 例えば、本実施例で使用した、ポリノルボルネン系の材
料の防振材に於いて、f=260〜600[KHz]、
振動子4への駆動信号41のパルス数を5、振動伝達板
の板厚を1.3[mm]とした場合、 χ=65,φ=2.94×10-3,ω=260 となる。他の材料,条件に応じて上記定数を簡便に求め
ることができる。
【0107】振動センサ外周領域の寸法を決定する際
に、上記許容座標検出誤差に関する条件式を満たせば、
図25に示す様に上記防振材幅wと、防振材装着境界i
と振動伝達板端面の辺iとの距離hiとを異なった値で
設定することも可能であることは言うまでもない。
【0108】以上、駆動信号が5パルスの場合に関する
諸定数設定例を挙げてきたが、他の駆動方法に於いても
その駆動方法による検出波形に対応した同様な設定を行
い、上記式を用いることができる。
【0109】また、本実施例のΔdに関する式(1
9),(21)の定数を求めるにあたって、Tpの検出
ポイントを先頭から2周期(発)目としたが、検出ポイ
ントに応じた補正を行ってもよい。
【0110】また、本実施例に於いては、Δd,Δnに
基づく寸法決定を行ったが、群遅延時間の信号Tgを用
いない検出方式に於いては、当然、Δdのみで規定して
もよい。
【0111】以上説明したように、有効エリアAの境界
を振動ペン3で指定したとき、振動ペン3から発生した
振動の直接波と防振材7の装着境界面で反射した反射波
との振動センサ6への伝達経路長の差が、振動センサ6
で検出された振動の先頭から検出点までに要する時間を
座標検出許容誤差により決定される値で補正した時間に
基づいて算出された伝達距離以上になる様な有効エリア
外領域を設けることにより、反射波の重畳の影響を許容
誤差内で抑えることができ、しかも、装置の小型化が可
能となる。更に、振動伝達板8の寸法と上記許容誤差,
周波数,防振材特性等との関係を明確にすることによ
り、上記各要素をサイズを考慮した上で最適な条件に設
定でき、高精度な位置座標検出が可能となる。
【0112】[実施例3]図面を参照して第3の実施例
である座標入力装置の説明をする。本実施例の装置はお
およそ実施例1の装置と同じ構成であるが、実施例2と
同じくセンサ6が振動伝達板8の周囲に4つ配置されて
いる。また、センサ6近傍の外周側の振動伝達板表面
に、振動が伝達板8の端面で反射して中央部に戻るのを
防止する(減少させる)ために、短冊状の防振材7を図
26に示すようにセンサ近傍のみ部分的に装着してあ
る。この防振材の構成については後で詳しく述べる。そ
れ以外の後の構成や演算制御回路や振動伝搬時間、遅延
時間の補正、座標位置算出等に関しては実施例2と同じ
ものであるため説明は省略し、防振材7の構成について
説明する。
【0113】<防振材の装着構成の説明>まず、振動伝
達板端面での反射波の影響に関する説明を図27を使っ
て行う。辺1・辺2は振動伝達板8の端面である。
【0114】図のように配置された有効エリアA及び振
動センサ6を考えた場合、振動ペン3からの指示による
振動の直接波と反射波の振動伝達距離の差が最少になる
のが、図でペン3が指示しているとおり、振動センサか
ら最遠の有効エリアAの境界角部である(振動センサの
有効エリアと逆側の振動伝達板端面に於る反射波の影響
は後で述べる)。従って、有効エリアAから辺1までの
距離は直接波と反射波との関係に於て決定される。
【0115】その直接波と反射波との関係を説明してい
るのが図20である。本装置に於て、振動検出を高精度
で行うためには、検出点に於て反射波の重畳による干渉
歪が生じないようにする必要があり、そのためには直接
波201と反射波202の伝達時間の差が直接波の先頭
から検出点までの時間τとなるように反射波の伝達領域
を確保しなければならない。例えば、本実施例では図1
7の43で示したエンベロープのピークで検出する。時
間τは直接波の先頭からtg検出点までの時間である
が、例えば前記tpのみで検出する場合には時間τは直
接波の先頭からtp検出点までの時間となる。従って、
今振動センサ6a〜dを→6−1〜4とすると、振動セ
ンサ6−jで振動を受信するに際し、辺iによる反射波
の影響を受けない為には、センサ6−jで受信する直接
波の振動伝達経路(距離)をDj、いったん辺iで反射
される反射波の伝達経路(距離)をRjiとすると、次
の式を満たす必要がある。
【0116】Rji−Dj≧Vg・τ ;Vgは群速度 ここで、図28に示すような、センサを振動伝達板の辺
央に配置した場合の構成を示す。先ほど示したように、
有効エリア境界角部に於けるRji−Djが最短であ
り、これを最低値に確保する必要がある。すなわち、 Rji−Dj=Vg・τ …(25) を満たす様に振動伝達板のサイズが決定される。
【0117】図28に於いて、 a:有効エリア縦寸法 b:有効エリア横寸法 s:センサ中心と防振材装着境界との距離 di:辺iと有効エリアとの距離(但し、本実施例では
振動センサは辺央に配置されており、d1=d2,d3
=d4) w:防振材の幅とすると、振動ペン3の有効エリア境界
角部α、振動センサ6−1,辺4に関して直接波D1と
反射波R14とは次のように表せる。
【0118】 D1=sqrt((a/2)2+(b+d1−s)2) R11=sqrt((a/2+2d4)2+(b+d1−s)2) 同様にして、他のRji,Djも求めることができる。
以上のRji,Djより、上記式(25)を満たす、d
1〜d4を求め、振動伝達板の寸法を決定する。但し、
例えばd2(=d1)に関しては、 D1−R12>D4−R42 であるので、条件としてより厳しい、D4−R42=V
g・τを用いる。
【0119】同様の理由で、d4(=d3)に関して
は、D1−R14=Vg・τを用いる。
【0120】以上の方法により、所定の有効エリアに対
する振動伝達板の寸法を決定する。
【0121】本実施例に於ては、図28に示されている
ように、防振材は上記反射波R14,R42そして不図
示のR13,R23,R24,R34,R32,R44
の振動伝達経路を避けるようにして振動センサ6−1〜
4近傍の外側に装着する(防振材長さの決定)。
【0122】このように振動伝達板8の周囲に均一に防
振材を装着するのではなく、以上述べた様に振動伝達板
8及び防振材7の装着構成をとることにより、幾何学的
に直接波と反射波の振動伝達経路差が最も小さくなる領
域に於て、反射波の振動伝達経路を長くすることがで
き、図29で示した従来構成と比較して明らかなように
小型化ができる。
【0123】図29は、従来の振動伝達板周囲均一に防
振材を装着する構成であり、図示の通り有効エリア境界
角部に於る反射波は防振材装着境界によるものである。
従って、図28の本実施例構成と同一の有効エリアに対
して前記(25)式により決定される振動伝達板の寸法
は、図12の方が大きくなる。
【0124】尚、防振材7の幅Wは、次の2点により決
定されることが望ましい。
【0125】第1点は、図30に示すように、有効エリ
アAの反対側の振動伝達板端面に於る反射波R131
が、振動センサ6に到達するまでに減衰するだけの幅を
設けることである。
【0126】第2点は、図30に示すように、振動セン
サ6近傍の点δで振動入力され、防振材7の装着境界に
よる反射波R132と直接波D13に関して、上記(2
5)式を満たすということである。もちろん、この有効
エリアA上の指示領域は、上記角部と比較して条件がゆ
るい(直接波と反射波の伝達経路差が大きい)領域であ
る。
【0127】以上説明したように振動伝達板8に防振材
7を装着することで、反射波と直接波との干渉を防止し
た上で残響による精度の低下を軽減し、しかも小型な座
標入力装置を実現できる。更に防振材の装着領域が少な
いために、解くに有効エリア角部からセンサ6へ直接到
達する振動に与える防振材の減衰の影響を軽減し、簡単
な構成で高精度な座標検出が可能である。
【0128】[実施例4]上記実施例3の振動伝達板周
囲の一部に防振材を装着した構成に於ては、多重反射
(例えば前記実施例の述べた振動ペン3の駆動周期を5
ms毎とすると、その周期内の反射回数は約500回)
の残響に対しては充分に抑止できる。
【0129】更に、駆動周期を短くする等残響を抑える
必要がある場合は、図31の311に示すように、有効
エリア境界角部から与えられた振動に対する反射波の経
路を除き、振動伝達板8の周辺角部領域に装着しても良
い。
【0130】
【発明の効果】上記説明したように、本発明の座標入力
装置は、入力された座標の検出精度を高めることができ
る。また、座標の検出精度を高めつつ、装置を小型化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の座標入力装置のブロック構成図であ
る。
【図2】振動ペンの構造を示す図である。
【図3】実施例における演算制御回路の内部構成を示す
図である。
【図4】振動ペンと振動センサとの間の距離測定を説明
するための図である。
【図5】実施例における信号波形検出回路の一部構成内
容を示す図である。
【図6】座標位置算出の原理を説明するための図であ
る。
【図7】
【図8】
【図9】本発明のセンサ及びセンサ装着説明図である。
【図10】
【図11】センサの取り付けの説明図である。
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】従来技術の説明図である。
【図16】実施例2の座標入力装置のブロック構成図で
ある。
【図17】信号処理のタイミングチャートである。
【図18】座標位置算出の原理を説明するための図であ
る。
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】振動伝達板の構成を説明する図である。
【図23】板波の一般的性質を説明する図である。
【図24】検出信号の周波数による影響を示す図であ
る。
【図25】防振材の幅と伝達板の周辺アロウワンスとの
関係を示す図である。
【図26】実施例3の座標入力装置のブロック構成図で
ある。
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】振動伝達板の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 演算制御回路、 2 振動子駆動回路、 3 振動ペン、 6・6a〜6c・6−1〜6−4 振動センサ、 7 防振材、 8 振動伝達板、 A 有効エリアである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小林 克行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−130618(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/03 340 G06F 3/03 380

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を伝播する振動伝達板に複数の振動
    センサを配設し、振動を発生する座標指示具と前記セン
    サのそれぞれとの距離を振動の到達時間から計測し、前
    記座標指示具による前記振動伝達板上での指示点を座標
    値として演算出力する座標入力装置であって、 前記センサは、その振動方向が分極方向と同一で、駆動
    電極を分極方向と直角に設けたすべりモードの圧電振動
    子であり、前記振動方向が前記振動伝達板の表面と直角
    をなすように前記駆動電極面の一方が前記振動伝達板の
    端面に装着されていることを特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】前記圧電振動子の、前記駆動電極が設けら
    れた面における前記振動伝達板の表面に平行な辺の長さ
    は、検出する振動の周波数より短いことを特徴とする請
    求項1記載の座標入力装置。
  3. 【請求項3】前記センサの前記駆動電極面の前記振動方
    向の長さが、前記振動伝達板の厚みより大きいことを特
    徴とする請求項1記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】前記センサが検出する振動は板波非対称波
    であることを特徴とする請求項1記載の座標入力装置。
  5. 【請求項5】前記センサは音響インピーダンスを調和さ
    せる材料を介して前記振動伝達板に装着されていること
    を特徴とする請求項1記載の座標入力装置。
  6. 【請求項6】振動を伝播する振動伝達板に複数の振動セ
    ンサを配設し、振動を発生する座標指示具と前記センサ
    のそれぞれとの距離を振動の到達時間から計測し、前記
    座標指示具による前記振動伝達板上での指示点を座標値
    として演算出力する座標入力装置であって、 前記振動伝達板には、前記座標指示具で入力された振動
    が直接前記センサへ到達するまでの距離と、前記振動伝
    達板の反射面より反射して前記センサへ到達するまでの
    距離との伝播距離差が、座標算出のための算出式より導
    出される算出値と、実際の値に対応する値との誤差の
    内、許容される誤差に基づく値以上となるような有効領
    域が設定され、 該有効領域内で座標の指示を許すことを特徴とする座標
    入力装置。
  7. 【請求項7】 前記許容される誤差に基づく値は、前記
    センサで検出する振動の先頭から検出点までの時間に前
    記振動の進む距離を、前記振動の到達時間の測定許容誤
    差をもって補正した値であることを特徴とする請求項6
    記載の座標入力装置。
  8. 【請求項8】 前記許容される誤差に基づく値は、前記
    センサで検出する振動の先頭から検出点までの時間に前
    記振動の進む距離を、前記振動の周波数に応じて補正し
    た値であることを特徴とする請求項6記載の座標入力装
    置。
  9. 【請求項9】 前記振動伝達板周辺には防振材が備えら
    れ、前記許容される誤差に基づく値は、前記センサで検
    出する振動の先頭から検出点までの時間に前記振動の進
    む距離を、前記防振材の反射率に応じて補正した値であ
    ることを特徴とする請求項6記載の座標入力装置。
  10. 【請求項10】 前記振動伝達板周辺には防振材が備え
    られ、前記許容される誤差に基づく値は、前記センサで
    検出する振動の先頭から検出点までの時間に前記振動の
    進む距離を、前記防振材による振動の減衰率及び前記防
    振材の幅に応じて補正した値であることを特徴とする請
    求項6記載の座標入力装置。
  11. 【請求項11】 前記振動伝達板周辺の前記振動センサ
    近傍には、前記伝播距離差が最小となる前記有効領域内
    の点から入力された振動が防振材を介さずに前記振動セ
    ンサに到達するように前記防振材が装着されることを特
    徴とする請求項6項記載の座標入力装置。
  12. 【請求項12】 前記防振材は、前記防振材を介して前
    記振動センサに伝達する振動を十分減衰できる幅を有す
    ることを特徴とする請求項6記載の座標入力装置。
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