JP3173502B2 - 可動部を有する半導体装置の処理方法 - Google Patents
可動部を有する半導体装置の処理方法Info
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Description
より作成される、支持基板と、少なくとも一端が支持基
板に固定された可動部を有する半導体装置及びその処理
方法に関する。本発明は、シリコン基板上に作成され
た、加速度、角速度又は角加速度検出器として使用可能
な振動式検出器に特に有効である。また、本発明は、い
わゆるSOI(Silicon On Insulator)ウエハを用いて
作製される振動式検出器に特に有効である。SOI(Si
licon On Insulator)ウエハは、支持基板上に絶縁層(I
nsulator)を有し、絶縁層の上にシリコン層を有するも
のである。支持基板をシリコン(Si)、絶縁層を酸化珪素
(SiO2)とし、シリコン(Si)−酸化珪素(SiO2)−シリコン
(Si)の3層構造としたものが一般的である。
導体装置は、製造工程に標準的なCMOSプロセス装置
を用いることができ、信号処理回路との集積化も容易で
ある。図7は、加速度、角速度又は角加速度等の物理量
の検出器として使用可能な振動式検出器900の概略を
示した平面図である。図7の振動式検出器900は、紙
面に平行な基板上に、アンカー部951、952、95
3、954にて基板に固定され、その他の部分は基板か
ら浮いた形で形成される。即ち、可動部は、マス部91
と、そこからx軸方向に延伸される第1ビーム921、
922、923及び924と、第1ビーム921他端及
び922他端をつなぐy軸に平行な連結部931、第1
ビーム923他端及び924他端をつなぐy軸に平行な
連結部932、連結部931、932からy軸方向に延
伸される第2ビーム941、942、943及び944
である。第2ビーム941、942、943及び944
がx軸方向に湾曲することにより、マス部91、第1ビ
ーム921、922、923及び924並びに連結部9
31及び932が一体となってx軸方向に変位可能とな
っている。また、第1ビーム921、922、923及
び924がy軸方向に湾曲することによりマス部91が
y軸方向に変位可能となっている。
構成に加えて、可動部と、基板に仮定された電極双方か
ら櫛歯電極が形成されている。即ち、y軸に平行な連結
部931及び932からx軸方向に櫛歯電極961及び
962が形成され、これとかみ合うように、電極981
及び982から櫛歯電極971及び972が形成されて
いる。電極981及び982、即ち櫛歯電極971及び
972に所定の交流電圧を印加することにより、連結部
931及び932を介してマス部91のx軸方向の振動
が励起される。
容量の変化として検出するため、マス部91からx軸方
向に延びた支持部を介してy軸方向に櫛歯963及び9
64が形成され、これとかみ合うように、電極983及
び984から櫛歯電極973及び974が形成されてい
る。そして、紙面に平行で互いに垂直なx軸方向に振動
させ、z軸回りの角速度によりy軸方向に励起される振
動を、櫛歯963及び973により形成される静電容量
の変化並びに櫛歯964及び974により形成される静
電容量の変化により検出するものである。
の概略を示した概念図である。振動式検出器900は、
いわゆるSOI(Silicon On Insulator)ウエハを用い
て製造することができる。即ち、支持基板1と、可動
部、電極を形成する活性層3とを酸化シリコン(SiO2)膜
から成る犠牲層2を介して形成する。支持基板1はシリ
コン基板、活性層3と犠牲層2は1枚のシリコン基板か
ら形成し、これらを張り合わせ、一体の基板とする(図
8の(a))。次に、プラズマCVDによりアンドープ
トシリケートグラス(Undoped Silicate Glass, USG)層
4を形成し(図8の(b))、これをマスクとして反応
性イオンエッチング(RIE)によりトレンチエッチン
グを行う(図8の(c))。こうして可動部300や電
極を所望の形状に形成する。次にフッ酸(フッ化水素(H
F)水溶液)により犠牲層2をエッチし、可動部300を
支持基板1から分離する(図8の(d))。この時、可
動部300と支持基板1の間には、犠牲層2がエッチさ
れてできた空隙20が存在する。尚、酸化シリコン(SiO
2)膜から成る犠牲層2の膜厚は2〜4μm程度であるの
で、空隙20の厚さも同様である。即ち、可動部300
と支持基板1との間隔は2〜4μm程度と極めて小さい。
チングにより空隙20が形成されるが、ここにエッチン
グ液が残存すると、その表面張力により可動部300が
対向する基板面10に固着(スティッキング)する。ま
た、エッチング液の残存しない状態で作製完了したとし
ても、検出器として使用中にやはり可動部300が対向
する基板面10に固着(スティッキング)する可能性が
ある(図8の(e))。図8の(d)に示すシリコン(S
i)から成る支持基板1の基板面10と、同じくシリコン
(Si)から成る可動部300の表面30はどちらも極めて
平滑度が高く、支持基板1と可動部300が接触した場
合その接触面積は大きい。よって、可動部300が対向
する基板面10に固着した場合、その固着力は非常に強
く、分離が極めて困難となり、製造時の歩留まりが悪
く、製造後の信頼性及び長期安定性の低いものとなる。
る方法として、ジクロロベンゼン(C 6H4Cl2)或いはt−
ブチルアルコール(t-C4H9OH)を使用して洗浄したのちそ
れらを昇華させる昇華法、超臨界二酸化炭素(CO2)によ
る洗浄及び乾燥が開発された。また、フッ化水素(HF)蒸
気による犠牲層のドライエッチングも研究されていた。
一方、作製後の構造体(可動部及び対向する基板面)の
表面エネルギーを下げるために、長鎖アルキル基(CnH
2n-1-,n=4〜20)を有するクロロシラン或いはシラザ
ンによるシリル化(Silylation)処理、プラズマ重合によ
るフッ素系ポリマー膜の形成などが研究されている。
は、いずれも特殊装置による処理であり、振動式検出器
の加工工程が複雑になる上、エッチング終了後の、組み
立て時や使用時の固着(スティッキング)防止策とは成
り得なかった。このことは、上記フッ化水素(HF)蒸気に
よる犠牲層のドライエッチングについても同様に言え
る。また、上記の構造体の表面エネルギーを下げる方法
は、特殊装置による処理である上、振動式検出器の全体
に低表面エネルギー膜を形成することとなり、低表面エ
ネルギー膜形成による検出器の特性変化や長期信頼性に
課題が残っていた。
理方法により振動式検出器の基板面への固着を防止する
ものである。また、その簡易な処理方法により得られる
振動式検出器を提供するものである。
よれば、その一部が犠牲層を介して支持基板に支持さ
れ、且つその主要部が支持基板と空隙を介して対向し、
支持基板に対して可動である可動部を有する半導体装置
の処理方法において、支持基板がシリコン(Si)から成
り、シリコン(Si)基板の表面の少なくとも可動部と対向
する部分はp型であり、フッ化物イオン(F-)を含むエッ
チング液を用いて電解エッチングすることにより、シリ
コン(Si)基板の表面の可動部と対向するp型部分の平滑
度を悪化させることを特徴とする。シリコン(Si)基板の
エッチャントとしてフッ化物イオン(F-)は強力であり、
シリコン(Si)基板の表面を陽極に接続して電解エッチン
グすることにより、効率良くシリコン(Si)基板の表面の
平滑度を悪化させることができる。エッチングにより平
滑度を悪化させたい部分がp型シリコン(Si)であるの
で、電解エッチングの際にp型シリコン(Si)を陽極とす
れば、p型シリコン(Si)の酸化及びフッ化珪素(SiF4)或
いはフルオロ珪酸イオン(SiF6 2-)への化学変化を容易に
進行させることができる。
が犠牲層を介して支持基板に支持され、且つその主要部
が支持基板と空隙を介して対向し、支持基板に対して可
動である可動部を有する半導体装置の処理方法におい
て、支持基板がシリコン(Si)から成り、硝酸(HNO3)及び
フッ化水素(HF)を含み、水及び酢酸(CH3COOH)を溶媒と
するエッチング液であって、エッチング液中の酢酸の濃
度が40重量%以上且つ硝酸(HNO3)分のフッ化水素(HF)分
に対する重量比が2以上20以下であるものによりエッチ
ングすることにより、シリコン(Si)基板の表面の可動部
と対向する部分の平滑度を悪化させることを特徴とす
る。シリコン(Si)基板のエッチャントとして硝酸(HNO3)
及びフッ化水素(HF)を含むエッチング液は極めて強力で
あり、これにより容易にシリコン(Si)基板の表面のの平
滑度を悪化させることができる。この際、エッチング液
が水及び酢酸(CH3COOH)を溶媒とし、エッチング液中の
酢酸の濃度を40重量%以上とし、硝酸(HNO3)分のフッ化
水素(HF)分に対する重量比が2以上20以下であるので、
強度を容易に調整することができる上、エッチングする
シリコンの選択性を上げることができる。また、シリコ
ン(Si)基板表面がほぼ平滑であっても面荒れを起こすこ
とができる。
又は請求項2に記載の可動部を有する半導体装置の処理
方法において、シリコン(Si)基板の不純物濃度は1×10
18個/cm3以下であり、シリコン(Si)基板の表面の可動部
と対向する部分の不純物濃度は5×1018個/cm3以上であ
ることを特徴とする。エッチング方法が不純物濃度によ
る選択性を有しているので、エッチングすべきでないシ
リコン(Si)基板の不純物濃度をエッチングすべき可動部
と対向する部分の不純物濃度より小さくすることで、可
動部と対向する部分のみエッチングを促進させることが
できる。
が犠牲層を介して支持基板に支持され、且つその主要部
が支持基板と空隙を介して対向し、支持基板に対して可
動である可動部を有する半導体装置の処理方法におい
て、支持基板がシリコン(Si)から成り、シリコン(Si)基
板の可動部と対向する部分が第1の不純物でドープさ
れ、可動部を有する半導体装置の他の部分が第2の不純
物でドープされており、塩基性エッチング液を用い、シ
リコン(Si)基板を陽極に接続して電圧を印加しながらエ
ッチングすることにより、シリコン(Si)基板の表面の可
動部と対向する部分の平滑度を悪化させることを特徴と
する。
に記載の可動部を有する半導体装置の処理方法におい
て、塩基性エッチング液が、水酸化カリウム(KOH)を含
み、溶媒が水及び炭素数5以下のアルコールの少なくと
も1つから成ることを特徴とする。また、請求項6に記
載の手段によれば、塩基性エッチング液が、アンモニア
(NH3)、エチレンジアミン(H2NC2H4NH2)及びテトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド((CH3)4NOH)のうち少なく
とも1つを含むことを特徴とする。
可動部を有する半導体装置の処理過程を製造過程と共に
示す。図1の(a)乃至(d)は、可動部を有する半導
体装置の製造過程であり、図8の(a)乃至(d)と同
一の工程である。図1の(d)のように、支持基板1
と、犠牲層2と、活性層3とから成る半導体から可動部
300を有し、可動部300の支持基板1と対向する表
面30と、支持基板1の可動部300と対向する表面1
0との間の空隙20を形成された半導体装置1000を
製造する。可動部300の支持基板1と対向する表面3
0と、支持基板1の可動部300と対向する表面10と
がどちらも平滑であるならば、図8の(e)に示したと
おり可動部300が支持基板1に固着することを避けら
れなかった。そこで本願発明においては、支持基板1の
可動部300と対向する表面10を面荒れさせ、平滑で
ない表面100とすることを要部とする。
(フッ化水素(HF)水溶液)、或いはフッ化アンモニウム
(NH4F)又は二フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)の水溶液
ように、フッ化物イオン(F-)或いは二フッ化水素イオン
(HF2 -)を含むエッチング液中で電解エッチングすれば、
容易にシリコン(Si)から成る支持基板1の表面をエッチ
ングできる。この場合、エッチングすべき部分にのみ電
解電流を流せば良い。エッチングすべきでない部分は適
宜接地するか、負電圧をかけておく。
る表面10を含む近傍をp型にドープしてここを陽極に
接続すれば、n型の部分をエッチングすることなく可動
部300と対向する表面10のみをエッチングできる
(請求項1)。これはn型シリコン(Si)の部分に電解電
流が流れないためである。また、不純物濃度を可動部3
00と対向する表面10のみ高くすれば、やはり他の部
分をエッチングすることなく可動部300と対向する表
面10のみをエッチングできる。シリコン(Si)基板の不
純物濃度は1×1018個/cm3以下であり、シリコン(Si)基
板の表面の、可動部と対向する部分の不純物濃度は5×1
018個/cm3以上であることが好ましい(請求項3)。さ
らにはシリコン(Si)基板の不純物濃度は1×1017個/cm3
以下であり、シリコン(Si)基板の表面の、可動部と対向
する部分の不純物濃度は1×1019個/cm3以上であること
がより好ましい。
NO3)及びフッ化水素(HF)を含むエッチング液も有効であ
る。このエッチング液は、溶媒として水或いは酢酸(CH3
COOH)を用いることでエッチングスピードを調整するこ
とができ、且つ硝酸(HNO3)及びフッ化水素(HF)の比率の
調整でエッチングの様態をも調整できることは良く知ら
れている。そこでエッチング液中の酢酸(CH3COOH)の重
量比を40%以上とすれば、不純物濃度差によるいわゆる
選択性エッチングが可能となる(請求項2)。また、硝
酸(HNO3)分のフッ化水素(HF)分に対する重量比を2以上2
0以下とすることでその選択性を高めることができる。
選択性エッチングのためのシリコン(Si)基板の不純物濃
度は、シリコン(Si)基板の表面の可動部と対向する部分
の不純物濃度の10分の1以下であることが好ましく、
さらには100分の1以下であることがより好ましい。
シリコン(Si)基板の不純物濃度は1×1018個/cm3以下で
あり、シリコン(Si)基板の表面の、可動部と対向する部
分の不純物濃度は5×1018個/cm3以上であることが好ま
しい(請求項3)。さらにはシリコン(Si)基板の不純物
濃度は1×1017個/cm3以下であり、シリコン(Si)基板の
表面の、可動部と対向する部分の不純物濃度は1×1019
個/cm3以上であることがより好ましい。
溶液によるエッチングも有用である(請求項4)。この
際、電圧を印加しない場合は結晶異方性エッチングとな
るため、例えばシリコン(Si)基板がn型であり、シリコ
ン(Si)基板の表面の可動部と対向する部分がp型である
場合は、弱い直流正電圧をシリコン(Si)基板のp型表面
以外の部分に印加する。これにより、シリコン(Si)基板
のp型表面以外の部分には薄い酸化膜が形成されてエッ
チングが進行しない。また、例えばシリコン(Si)基板が
p型であり、シリコン(Si)基板の表面の可動部と対向す
る部分がn型である場合は、強いパルス直流正電圧をシ
リコン(Si)基板に印加する。これにより、直流電圧が印
加された瞬間シリコン(Si)基板の表面には薄い酸化膜が
形成されるが、直流電圧が消滅したときもn型部分は不
純物によりエッチング液の酸化を容易に受け、エッチン
グが進行する。このように、陽極の電圧あるいは電流の
印加を変えることで、シリコン(Si)基板と可動部と対向
する部分とがキャリアが違うならば、可動部と対向する
部分のみをエッチングし、面荒れを起こすことが可能と
なる。
ム(KOH)の他、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、ルビジ
ウム(Rb)或いはセシウム(Cs)など任意のアルカリ金属の
水酸化物の、水、或いはエタノール(C2H5OH)、イソプロ
ピルアルコール(i-C3H7OH)その他低分子アルコールを溶
媒とする溶液をエッチング液として使用できる(請求項
5)。また、アンモニア(NH3)その他塩基性窒素化合
物、或いはエチレンジアミン(H2NC2H4NH2)及びテトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド((CH3)4NOH)その他有機
アミン類の溶液をエッチング液として使用できる(請求
項6)。有機アミン類の溶液をエッチング液とする際、
カテコール(ピロカテコール、C6H4(OH)2)のようなフェ
ノール類、アルコール類などを添加した水溶液、低分子
アルコール溶液が使用できる。
n Insulator)ウエハより作製した可動部を有する半導体
装置に適しており、これによりシリコン(Si)から成る可
動部がシリコン(Si)基板に固着しにくい半導体装置とす
ることができる。SOI(Silicon On Insulator)ウエハ
より作製した可動部を有する半導体装置に請求項2乃至
請求項8の手段を適用する際、適宜可動部その他支持基
板以外のエッチングすべきでないシリコン(Si)から成る
部分について、不純物濃度、印加電圧を調整することが
必要であることは自明のことである。
態を図を用いて説明する。尚、各実施例における各エッ
チング液の組成は代表例を挙げたものであり、本願発明
を限定するものではない。
実施例に係る、振動式検出器の処理方法を示した工程図
である。本実施例は、支持基板11をp型シリコン、可
動部及び電極を形成する活性層31をn型シリコンとし
たものである。
ち、フッ化水素(HF)を含むエッチング液により酸化シリ
コン(SiO2)から成る犠牲層2をウェットエッチングする
(図2の(a)、(b))。次に、p型シリコンから成
る支持基板11を陽極とし、陰極に白金電極を用い、フ
ッ酸(5%水溶液)中で電解エッチングを行なう。p型シリ
コンから成る支持基板11には5Vの直流電圧をかける
(図2の(c))。これにより、p型シリコンから成る
支持基板11の表面を数nm〜数百nmエッチングすること
で、可動部310に対向する支持基板面110はその表
面の平滑度が悪化する。これにより、可動部310が支
持基板面110に接触してもその接触面積は極めて小さ
くなるので、可動部310が支持基板面110に固着し
にくい振動式検出器が製造できる。
実施例に係る、振動式検出器の処理方法を示した工程図
である。本実施例は、支持基板12をn+型シリコン、
可動部及び電極を形成する活性層32をn型シリコンと
したものである。支持基板12の不純物(ドナー)濃度
は、活性層32の不純物(ドナー)濃度の10倍とした。
ち、フッ化水素(HF)を含むエッチング液により酸化シリ
コン(SiO2)から成る犠牲層2をウェットエッチングする
(図3の(a)、(b))。次に、n+型シリコンから
成る支持基板12を陽極とし、陰極に白金電極を用い、
フッ酸(5%水溶液)中で電解エッチングを行なう。n+型
シリコンから成る支持基板12には5Vの直流電圧をかけ
る(図3の(c))。これにより、n+型シリコンから
成る支持基板12の表面を数nm〜数百nmエッチングする
ことで、可動部320に対向する支持基板面120はそ
の表面の平滑度が悪化する。これにより、可動部320
が支持基板面120に接触してもその接触面積は極めて
小さくなるので、可動部320が支持基板面120に固
着しにくい振動式検出器が製造できる。
実施例に係る、振動式検出器の処理方法を示した工程図
である。本実施例は、支持基板13をn+型シリコン、
可動部及び電極を形成する活性層33をn型シリコンと
したものである。支持基板13の不純物(ドナー)濃度
は、活性層33の不純物(ドナー)濃度の10倍とした。
ち、フッ化水素(HF)を含むエッチング液により酸化シリ
コン(SiO2)から成る犠牲層2をウェットエッチングする
(図4の(a)、(b))。次に、フッ酸/硝酸/酢酸
の混合エッチング液により、選択的エッチングを行なう
(図4の(c))。フッ酸/硝酸/酢酸の混合比は、例
えば49%フッ酸(水溶液):〜70%濃硝酸(水溶液):純
酢酸(氷酢酸)で、体積比1:3:8とする。これは重
量比でフッ化水素(HF)約4%、硝酸(HNO3)約21%、酢酸(CH
3COOH)約60%、残部水15%となっている。これにより、n
+型シリコンから成る支持基板13は数nm〜数百nmの深
さで選択エッチングされ、可動部330に対向する支持
基板面130はその表面の平滑度が悪化する。これによ
り、可動部330が支持基板面130に接触してもその
接触面積は極めて小さくなるので、可動部330が支持
基板面130に固着しにくい振動式検出器が製造でき
る。
実施例に係る、振動式検出器の処理方法を示した工程図
である。本実施例は、支持基板14及び可動部及び電極
を形成する活性層34をn型シリコンとし、犠牲層2の
下部となる支持基板表面付近の層141をp型としたも
のである。
ち、フッ化水素(HF)を含むエッチング液により酸化シリ
コン(SiO2)から成る犠牲層2をウェットエッチングする
(図5の(a)、(b))。次に、支持基板14、可動
部340及び電極(図5の(c)では34)を陽極と
し、陰極に白金電極を用い、水酸化カリウム(KOH)水溶
液中でエッチングを行なう。n型シリコンから成る支持
基板14、可動部340及び電極(図5の(c)では3
4)には0.6Vの直流電圧をかけ、表面に薄い酸化膜を形
成することでアルカリによるエッチングがされないよう
にする。これにより、p型シリコンから成る支持基板表
面付近の層141は数nm〜数百nmの深さでエッチングさ
れ、可動部340に対向する支持基板面はその表面の平
滑度が悪化する。これにより、可動部340が支持基板
14に接触してもその接触面積は極めて小さくなるの
で、可動部340が支持基板14に固着しにくい振動式
検出器が製造できる。
実施例に係る、振動式検出器の処理方法を示した工程図
である。本実施例は、支持基板15及び可動部及び電極
を形成する活性層35をp型シリコンとし、犠牲層2の
下部となる支持基板表面付近の層151をn型としたも
のである。
ち、フッ化水素(HF)を含むエッチング液により酸化シリ
コン(SiO2)から成る犠牲層2をウェットエッチングする
(図6の(a)、(b))。次に、支持基板15、可動
部350及び電極(図5の(c)では35)を陽極と
し、陰極に白金電極を用い、水酸化カリウム(KOH)水溶
液中でエッチングを行なう。これによりn型シリコンか
ら成る支持基板面にも電圧が印加されることとなる。こ
こでパルス電流を通じ、表面に形成される薄い酸化膜を
破壊しながらアルカリによるエッチングを行なう。これ
により、n型シリコンから成る支持基板面付近の層15
1はエッチングされ、可動部350に対向する支持基板
面はその表面の平滑度が悪化する。これにより、可動部
35が支持基板15に接触してもその接触面積は極めて
小さくなるので、可動部350が支持基板15に固着し
にくい振動式検出器が製造できる。
び電極はエッチングされないようにし、支持基板面の平
滑度が悪化するようエッチングすれば良く、その他の層
は本願発明の要部ではない。よって、第1乃至第3実施
例において、支持基板を均一に不純物ドープされたp
型、n型のシリコン基板としたが、可動部310、32
0又は330に対向する支持基板面110、120又は
130近傍の上層のみを上記第4又は第5実施例のよう
に不純物ドープしても良い。逆に、第4又は第5実施例
において、支持基板全体を上記実施例の支持基板面と同
一に不純物ドープしても良い。
さを達成すれば良いので、そのエッチング時間は短いも
ので良い。
した工程図。
方法を示した工程図。
方法を示した工程図。
方法を示した工程図。
方法を示した工程図。
方法を示した工程図。
程図。
と対向する部分 141、151 シリコン基板14及び15の表面層 2 酸化シリコン(SiO2)犠牲層 3及び31〜35 シリコン活性層 30 可動部表面の、シリコン基板と対向する部分 300及び310〜350 可動部 4 アンドープトシリケートグラス、USG 51 フッ化水素(HF)水溶液(フッ酸) 52 フッ酸/濃硝酸/酢酸混液 53 水酸化カリウム(KOH)水溶液 60 白金電極(陰極) 61 定電圧直流電源 62 直流パルス電圧電源
Claims (6)
- 【請求項1】 その一部が、犠牲層を介して支持基板に
支持され、且つその主要部が、前記支持基板と空隙を介
して対向し、前記支持基板に対して可動である可動部を
有する半導体装置の処理方法において、 前記支持基板がシリコン(Si)から成り、 前記シリコン(Si)基板の表面の、少なくとも前記可動部
と対向する部分はp型であり、 フッ化物イオン(F-)を含むエッチング液を用いて電解エ
ッチングすることにより、前記シリコン(Si)基板の表面
の前記可動部と対向するp型部分の平滑度を悪化させる
ことを特徴とする可動部を有する半導体装置の処理方
法。 - 【請求項2】 その一部が、犠牲層を介して支持基板に
支持され、且つその主要部が、前記支持基板と空隙を介
して対向し、前記支持基板に対して可動である可動部を
有する半導体装置の処理方法において、 前記支持基板がシリコン(Si)から成り、 硝酸(HNO3)及びフッ化水素(HF)を含み、水及び酢酸(CH3
COOH)を溶媒とするエッチング液であって、エッチング
液中の酢酸の濃度が40重量%以上且つ硝酸(HNO3)分のフ
ッ化水素(HF)分に対する重量比が2以上20以下であるも
のによりエッチングすることにより、前記シリコン(Si)
基板の表面の前記可動部と対向する部分の平滑度を悪化
させることを特徴とする可動部を有する半導体装置の処
理方法。 - 【請求項3】 前記シリコン(Si)基板の不純物濃度は1
×1018個/cm3以下であり、前記シリコン(Si)基板の表面
の、前記可動部と対向する部分の不純物濃度は5×1018
個/cm3以上であることを特徴とする請求項1又は請求項
2に記載の可動部を有する半導体装置の処理方法。 - 【請求項4】 その一部が、犠牲層を介して支持基板に
支持され、且つその主要部が、前記支持基板と空隙を介
して対向し、前記支持基板に対して可動である可動部を
有する半導体装置の処理方法において、 前記支持基板がシリコン(Si)から成り、 前記シリコン(Si)基板の前記可動部と対向する部分が第
1の不純物でドープされ、前記可動部を有する半導体装
置の他の部分が第2の不純物でドープされており、 塩基性エッチング液を用い、 前記シリコン(Si)基板を陽極に接続して電圧を印加しな
がらエッチングすることにより、前記シリコン(Si)基板
の表面の前記可動部と対向する部分の平滑度を悪化させ
ることを特徴とする可動部を有する半導体装置の処理方
法。 - 【請求項5】 前記塩基性エッチング液が、水酸化カリ
ウム(KOH)を含み、溶媒が水及び炭素数5以下のアルコ
ールの少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項
4に記載の可動部を有する半導体装置の処理方法。 - 【請求項6】 前記塩基性エッチング液が、アンモニア
(NH3)、エチレンジアミン(H2NC2H4NH2)及びテトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド((CH3)4NOH)のうち少なく
とも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の可動
部を有する半導体装置の処理方法。
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