JP3173417B2 - 熱交換換気装置 - Google Patents

熱交換換気装置

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JP3173417B2 JP11298297A JP11298297A JP3173417B2 JP 3173417 B2 JP3173417 B2 JP 3173417B2 JP 11298297 A JP11298297 A JP 11298297A JP 11298297 A JP11298297 A JP 11298297A JP 3173417 B2 JP3173417 B2 JP 3173417B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は熱交換換気装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に空気調和装置に多用されている熱
交換換気装置は、室外の空気を室内に導入する給気路
と、室内の空気を室外に排出する排気路とをそれぞれ形
成する略多角柱状の熱交換エレメントを本体ケーシング
内に備え、この熱交換エレメントの各気路を通過する空
気の間で熱交換を行なわせている。
【0003】上記熱交換エレメントは、各気路の上流側
に配置される一対のフィルタと併用されるものであり、
このフィルタのメンテナンス等のために、比較的頻繁に
本体ケーシングから着脱される。そこで、熱交換エレメ
ントと本体ケーシングとの着脱作業を容易にするため
に、従来より、熱交換エレメントの取付け構造の改良が
提案されてきた。
【0004】例えば、本件出願人が先に提案している特
願平6−88740号(特開平7−293960号)に
おいては、熱交換エレメントにフィルタを着脱可能に保
持するフィルタホルダを一体的に設け、このフィルタホ
ルダが設けられた熱交換エレメントを本体ケーシングに
形成されたレール体に沿って挿抜可能な熱交換換気装置
が提案されている。
【0005】上記レール体は、当該熱交換エレメントの
稜線を挟んで対向する一対の隆起部で構成されていた。
そして、この隆起部を、当該熱交換エレメントのフィル
タホルダと熱交換エレメントの稜線(柱状部)との間に
区画される凹部に線接触状に摺接させることにより熱交
換エレメントを案内していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、一対の
隆起部を熱交換エレメントと線接触状態で摺接させ、熱
交換エレメントを挿抜可能に支持していた場合には、摩
擦抵抗が低減して滑りがよくなり、歪みもなくなって挿
抜が容易になるという利点がある。しかし、隆起部を熱
交換エレメントのフィルタホルダに区画される凹部に直
接摺接させているため、隆起部の凹部への突出高さが高
くなるというきらいがあった。
【0007】このため、隆起部を形成するための製法に
制約があったり、隆起部が運転中に振動しやすくなると
いう問題があった。この発明は上記不具合に鑑みてなさ
れたものであり、本体ケーシングに対する熱交換エレメ
ントの挿抜容易性や設計の自由度、さらには品質の向上
を図ることのできる熱交換換気装置を提供することを課
題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、多角柱形状に形成され、室外の空気を
室内に導入する給気路と室内の空気を室外に排出する排
気路とを区画するとともに、給気路を流通する空気と排
気路を流通する空気との間で熱交換する熱交換エレメン
トと、熱交換エレメントを、両気路と直交する稜線沿い
に挿抜可能な収容室を区画する本体ケーシングと、本体
ケーシングの収容室に形成され、熱交換エレメントの稜
線部分をガイドするために、熱交換エレメントの挿抜方
向に沿って平行に延びる一対の隆起部とを備え、上記本
体ケーシングの隆起部の肩部に線接触状態で摺接可能な
一対のレール状部材を上記熱交換エレメントに設けてい
ることを特徴とする熱交換換気装置である。
【0009】この場合、本体ケーシングに形成される肩
部は、専らレール状部をガイドするための窪み部分を形
成しているだけで、熱交換エレメントを確実に挿抜方向
に沿って案内することができる。また、請求項2記載の
発明は、請求項1記載の熱交換換気装置において、上記
収容室の肩部は、本体ケーシングに一体成形されたビー
ドで構成されている熱交換換気装置である。
【0010】この場合、肩部が本体ケーシングに一体成
形されるビードで形成されているので、本体ケーシング
の底板に絞り加工等を施すことにより、部材を追加する
ことなく容易且つ廉価に肩部を形成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
この発明の好ましい実施の形態について詳述する。図1
はこの発明の実施の一形態における熱交換換気装置の概
略構成を、細部を省略して示す分解斜視図であり、図2
は図1の実施の形態における平面略図である。
【0012】これらの図を参照して、この熱交換換気装
置Aは、室外からの給気Sと室内からの排気Eとの間で
熱交換エレメント12を介して熱交換させつつ換気する
ものである。この熱交換換気装置Aの本体ケーシング1
は、矩形に形成された有底の箱体2と、箱体2の上部を
覆う蓋部3とを有している。本体ケーシング1の外側壁
には、吸込口4、5と吹出口6、7が室内側(4、6)
と室外側(5、7)のそれぞれに一組ずつ設けられてい
る。各口4〜7は、それぞれ対応するダクトに連結され
る。
【0013】図2を参照して、本体ケーシング1内に
は、室内側吸込口4から室外側吹出口7に至る排気通路
8と、室外側吸込口5から室内側吹出口6に至る給気通
路9とが形成されている。排気Eの流れは、排気通路8
に配置され且つ排気用ファンモータ10Mにより回転駆
動される排気用ファン10によって生成される。他方、
給気Sの流れは、給気通路9に配置され且つ給気用ファ
ンモータ11Mにより駆動される給気ファン11によっ
て生成される。各ファン10、11は、それぞれシロッ
コファン(ロータ)で構成されており、互いに回転軸L
が平行に配置されている(図2参照)。
【0014】各ファン10、11を収容するために、本
体ケーシング1内には、互いに対角に対向する一対のフ
ァン室22、24が仕切り板16B、16Dによって仕
切られている。さらに、各ファン室22、24と交差す
る対角に対向する隅部は、室内側吸込口4と連通する室
27が仕切り板16Eにより、室外側吸込口5と連通す
る室26が仕切り板16Cにより、それぞれ仕切られて
いる。そして、仕切り板16Eに仕切られた室27は、
当該仕切り板16Eに形成された開口30によって上記
排気通路Eを区画している一方、上記仕切り板16Eの
開口33から仕切り板16Aによって仕切られるバイパ
ス通路Bを介して排気ファン室22と連通している。図
2に示すように、バイパス通路Bは、開口33、32を
介して熱交換エレメント12を通過することなく、直接
屋外に排出されるようになっている。図2において、3
4は開口30、33を択一的に開閉するダンパである。
【0015】さらに、給気通路9と排気通路8とを仕切
るために、ファン室22と室26との間には仕切り板1
6Fが、ファン室24と室27との間には、仕切り板1
6Gが、それぞれ配置されており、各仕切り板16F、
16Gと蓋体3との間には、対応するファン10、11
のモータ10M、11Mを収容する収容室41、43が
形成されている。
【0016】各ファン10、11やダンパ34のモータ
(図示せず)等の制御基板Pを取り付けるために、本体
ケーシング1の一側部にはメンテナンス面Mが設定され
ており、このメンテナンス面Mの排気用ファン10と対
向する部分M1に形成された凹部には、上記制御基板P
が嵌め込めまれ、この制御基板P上に電装品ECを装着
し、電装品ボックスEBによって覆っている。
【0017】さらに、本体ケーシング1内には、後述す
る熱交換エレメント12を収容するための収容室21
が、箱体2内部の仕切り板16A〜16Dや底板1A、
さらには蓋体3等によって形成される。この収容室21
は、上記メンテナンス面Mに形成された開口13と連通
している。開口13は、メンテナンス面Mに取り付けら
れた蓋14によって開閉可能になっており、熱交換エレ
メント12は、この蓋14を取り外すことにより、開口
13を通して、その長辺沿い(図1の矢印K沿い)に挿
抜できるようになっている。そして、収容室21内に熱
交換エレメント12を装着することにより、収容室21
は四つの室17、18、19、20に区画される(図3
参照)。
【0018】図3は図1の実施の形態の要部を拡大して
示す拡大部分略図である。図1および図3を参照して、
上記熱交換エレメント12は略直方体形状に形成されて
おり、排気通路8と連通する排気路P1と、給気通路9
と連通する給気路P2とを区画している。そして、熱交
換エレメント12は、本体ケーシング1内に装着される
ことにより、上記排気路P1を排気通路8と連通させ、
給気路P2を給気通路9に連通させて各通路8、9の二
気流間で熱交換を行なうものである。図1において、1
2aは挿抜用の把手である。
【0019】各気路P1、P2の上流側には、エアフィ
ルタ12b、12bが装着されており、図示の実施の形
態では、熱交換エレメント12とエアフィルタ12b、
12bが一体的に本体ケーシング1に対して挿抜できる
ようになっている。図3に示すように、熱交換エレメン
ト12は、その外郭隅部を構成する樹脂製のフレーム体
12Aを有しており、上記フレーム体12Aに略チャネ
ル状のフィルタホルダ12Bを一体形成して、下部に配
置される一の稜線121を境界として両エアフィルタ1
2b、12bを着脱可能に担持している。このフレーム
体12Aは、熱交換エレメント12の各稜線121〜1
24に対応してレール状部材12C〜12Fを形成して
いる。
【0020】他方、ケーシング1の収容室21内には、
熱交換エレメント12の各レール状部材12C〜12F
に対応して、レール体G〜G3が形成されている。図示
の例において、ケーシング1の底板1Aと蓋体3とに
は、それぞれ絞り加工によってビードが形成されてお
り、このビードでレール体G、G3が構成されている。
他方、ケーシング1の仕切り板16Bと16Cの間、並
びに仕切り板16Dと16Eの間には、それぞれチャネ
ル材が掛け渡された状態で固定されており、これらチャ
ネル材が一対のレール体G2を構成している。
【0021】このうち、図示の実施の形態で特徴とすべ
き点は、底板1Aおよび蓋体3にそれぞれ形成されたレ
ール体G、G3とこれに摺動する熱交換エレメント12
のレール状部材12C、12Eの連結構造である。図4
は図3の要部を拡大して示す部分略図である。同図に示
すように、レール体G、レール状部材12Cは、何れも
稜線121を通る垂直線130に対して対称に形成され
ている。
【0022】上記レール体Gは、全体として略台形に隆
起しており、その頂部には、稜線121を挟んで挿抜方
向K(図1参照)に沿い平行に延びる一対の隆起部G1
1を形成している。そして、この隆起部G11、G11
間に区画される凹部G12を上記稜線121に近接させ
た状態で臨ませている。レール状部材12Cは、フィル
タホルダ12Bの内側に形成され、稜線121を挟んで
対向するとともに、下方に垂下することにより、稜線1
21に沿って平行に延びる一対のリブ131により具体
化されている。このリブ131は、稜線121よりも僅
かに下方に突出することにより、レール体Gの隆起部G
11、G11と凹部G12との間に区画される肩部G1
3、G13に線接触状態で挿抜方向Kに摺動可能に載置
される。この結果、レール体Gの隆起部G11、G11
の高さHは、何れも肩部G13、G13を区画するのに
必要十分な寸法にとどめられ、可及的に低くなっている
一方、フィルタホルダ12Bとリブ131との間に区画
される凹部132は、対応する隆起部G11、G11に
沿って隆起部G11、G11を覆っている。図示の実施
の形態において、上記リブ131の肩部G13への摺接
面には面取りがなされており、これによって、両者の滑
らかな摺動が実現されるようになっている。なお、レー
ル体G3はレール体Gと、レール状部材12Eはレール
状部材12Cとそれぞれ同一形状に形成されているの
で、説明を省略する。また、図3において、LBは水平
方向に沿う熱交換エレメント12の中心線であり、図示
の例では、熱交換エレメント12の両側部に形成される
レール状部材12D、12Fが、この中心線LBよりも
上側にずれた位置に設定されている。
【0023】次に、上記実施の形態の作用について説明
する。以上の構成では、ケーシング1のメンテナンス面
Mから蓋14を取り外し、開口13を開放することによ
り、熱交換エレメント12を収容室21内に着脱するこ
とが可能になる。この際、ケーシング1の底部に形成さ
れたレール体Gは、その肩部G13によって熱交換エレ
メント12の下部に形成されたレール状部材12Cを線
接触状態で案内するので、摩擦抵抗が低減して滑りがよ
くなり、歪みもなくなって容易な挿抜作業を実現するこ
とができる。しかも、隆起部G11の突出高さHを可及
的に低く設定することができるので、振動しにくくな
り、静音化を図ることができるとともに、レール体G、
G3を形成するための製法に自由度が高まり、支持強度
の設定も容易になる。従って、本体ケーシング1に対す
る熱交換エレメント12の挿抜容易性や設計の自由度、
さらには品質の向上を図ることができる。
【0024】しかも、上記肩部G13でレール状部材1
2Cのリブ131を案内しているので、隆起部G11を
可及的に低く設定することができる結果、図示のような
ビードで底板1Aと一体成形することが可能になる。従
って、部材を追加することなく容易且つ廉価に肩部G1
3を形成することができる結果、コスト低減に寄与する
ことができる。
【0025】上述した実施の各形態はこの発明の好まし
い具体例を例示したものに過ぎず、この発明は上述した
実施の形態に限定されない。例えば、ケーシング1の底
板1Aに形成されるレール体Gは、ビードによる一体成
形品の他、レール体G2と同様なチャネル材を溶接する
ことにより形成してもよい。その他、この発明の特許請
求の範囲内で種々の設計変更が可能であることは云うま
でもない。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の熱交換
換気装置によれば、本体ケーシングに形成される肩部
は、専らレール状部をガイドするための窪み部分を形成
しているだけで、熱交換エレメントを確実に挿抜方向に
沿って案内することができることから、肩部の凹部への
突出高さを可及的に低く設定することができる。この結
果、摩擦抵抗が低減して滑りがよくなり、歪みもなくな
って挿抜が容易になる一方、レール体を形成するための
製法に自由度が高まり、支持強度の設定も容易になる。
【0027】従って、この発明によれば、本体ケーシン
グに対する熱交換エレメントの挿抜容易性や設計の自由
度、さらには品質の向上を図ることができる。また、肩
部が本体ケーシングに一体に形成されるビードである場
合には、本体ケーシングの底板に絞り加工等を施すこと
により、部材を追加することなく容易且つ廉価に肩部を
形成することができる結果、コスト低減に寄与すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態における熱交換換気装
置の概略構成を、細部を省略して示す分解斜視図であ
る。
【図2】図1の実施の形態における平面略図である。
【図3】図1の実施の形態の要部を拡大して示す拡大部
分略図である。
【図4】図3の要部を拡大して示す部分略図である。
【符号の説明】
A 熱交換換気装置 12 熱交換エレメント G レール体 12C レール状部材 G3 レール体 12E レール状部材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多角柱形状に形成され、室外の空気を室内
    に導入する給気路(P2)と室内の空気を室外に排出する排
    気路(P1)とを区画するとともに、給気路(P2)を流通する
    空気と排気路(P1)を流通する空気との間で熱交換する熱
    交換エレメント(12)と、 熱交換エレメント(12)を、両気路(P1,P2) と直交する稜
    線(121〜124)沿いに挿抜可能な収容室(21)を区画する本
    体ケーシング(1) と、 本体ケーシング(1) の収容室(21)に形成され、熱交換エ
    レメント(12)の稜線(121、124)部分をガイドするため
    に、熱交換エレメント(12)の挿抜方向(K) に沿って平行
    に延びる一対の隆起部(G11,G11) とを備え、 上記本体ケーシング(1) の隆起部(G11,G11) の肩部(G1
    3,G13) に線接触状態で摺接可能な一対のレール状部材
    (131,131) を上記熱交換エレメント(12)に設けているこ
    とを特徴とする熱交換換気装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱交換換気装置において、 上記収容室(21)の肩部(G13,G13) は、本体ケーシング
    (1) に一体成形されたビードで構成されている熱交換換
    気装置。
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