JP3173084B2 - 棟包み用取付具を用いた棟包みの取付方法 - Google Patents

棟包み用取付具を用いた棟包みの取付方法

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貞隆 野口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、棟包み用取付具を用い
た棟包みの取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図6に示すように金属製折板屋根
板aを葺く場合には、その屋根の棟部に金属板で成型し
た棟包みbを取り付けて、棟の上部の隙間を塞ぎ雨水の
浸入を防ぐようにしている。この棟包みbを取り付ける
には、図7に示すように断面がほぼL型の取付金具c
を、屋根板aの上に載せて上からビスdで野地板eに固
定し、この取付金具cの側面部に棟包みbの側面部をリ
ベットf等で止着する手段が採られている(実公昭63
−18659号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような棟包みの
取付手段によると、屋根の上での作業工数が多くて能率
が悪いばかりか非常に危険であり、リベット止めする際
に孔あけ作業を伴うので切り粉が飛散し、取付後の清掃
作業が非常に厄介である。又、孔あけ作業が完全でない
と、僅かな隙間から雨水等が浸入して錆の発生原因にな
る。
【0004】本発明は、このような従来の問題点を解決
するためになされ、屋根の上での取付作業工数を減らし
て、能率良くしかも安全に取り付けることができ、リベ
ット止めを廃止して孔あけ作業を不要とし、厄介な清掃
作業を追放し、かつ孔あけに起因する発錆を未然に防止
できるようにした、棟包み用取付具を用いた棟包みの取
付方法を提供することを課題としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を技術的に解決
するための手段として、本発明は、屋根の野地板に固定
する取付部と、この取付部の一方の端部に立設した受止
部と、取付部の他方の端部に形成した係止部とを備えた
金属板製の棟包み用取付具を用い、屋根の棟部に沿って
所定の間隔をあけて前記棟包み用取付具を、前記受止部
が直立で合掌状態に合わさるようにして両側の傾斜面に
それぞれ固定し、金属板で形成された棟包みを上から被
せてその両側部に形成された弾性係止片を、前記係止部
にそれぞれ嵌合係止すると共に、前記棟包みの頂部を、
合掌状態に合わされた前記受止部に受け止させるように
した、棟包み用取付具を用いた棟包みの取付方法を要旨
とする。更に、この棟包み用取付具を用いた棟包みの取
付方法において、前記棟包みの頂部の内側に弾性係止片
を設け、この弾性係止片を、前記棟包み用取付具におけ
る受止部の上端部に形成された受片に嵌合係止すること
を要旨とするものである。
【0006】
【作用】屋根の棟部に沿って所定の間隔をあけて棟包み
用取付具を野地板にビスで固定し、棟包みを上から被せ
て適圧で押し下げれば、その両端部の弾性係止片が棟包
み用取付具の係止部にそれぞれ嵌合係止すると同時に、
棟包みの頂部は棟包み用取付具の受止部に受止されるの
で安定した取付状態が得られる。又、棟包みの頂部の内
側に設けられた弾性係止片を、棟包み用取付具の上端部
に形成された受片に嵌合係止することで棟包みの取付強
度を向上させることができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳説する。図1において、1は金属板から形成された棟
包み用取付具であり、屋根に固定するための取付部11を
有し、この取付部11の一方の端部には受止部12が立設さ
れると共に、その上端部を内側に折り曲げて受片12aが
形成され、取付部11の他方の端部には断面がほぼへ字型
の係止部13を設け、その先端部を外側に折り曲げて係止
片13aが連設されている。
【0008】上記のように形成された棟包み用取付具1
は、図2に示すように前記取付部11を屋根の棟部2を挟
む両側の傾斜野地板3にビス4等で止着し、両側の取付
具1の受止部12を合掌状態に合わせて直立させ、このよ
うな2つ1組の取付具1を図3に示すように屋根の棟部
2に沿って一定の間隔をあけてそれぞれ取り付ける。
【0009】この取付具1は特に屋根の傾斜勾配に合わ
せて取付部11と受止部12のなす角度θを予め設定してお
き、前記のように屋根の棟部2に取り付けた際に受止部
12がまっすぐ上を向いて両側の受止部12同士が合掌状態
にぴったり合わさるようにする。
【0010】5は金属板で成型された棟包みであり、そ
の両側部に弾性係止片51がそれぞれ形成されており、屋
根の棟部2に上から被せるようにして適圧で押し下げる
と、図4に示すように弾性係止片51が前記取付具1にお
ける係止部13の係止片13aにそれぞれ嵌合係止すると同
時に、棟包み5の頂部が前記受止部12の受片12aによっ
て受止され、これにより棟包み5を簡単に取り付けるこ
とができる。
【0011】尚、6は屋根に取り付けられた金属製の屋
根板であり、7は屋根板6の上縁部に沿って取り付けら
れた止め面戸であり、8はその止め面戸7を固定するた
めに屋根板6にビス9止めされたエプロン付きの面戸押
さえ板である。
【0012】図5に示すのは本発明の他の実施例であ
り、基本的構成は前記実施例と同じであるが、棟包み
5′の頂部の内側に弾性係止片5′aを設け、この弾性
係止片5′aを前記取付具1における受止部12の受片12
aに嵌合係止させた点が異なっている。このようにすれ
ば、棟包み5′の取付強度を更に向上させることができ
る。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
棟包み用取付具を屋根の棟部に固定し、この取付具に棟
包みを嵌合係止して取り付けられるようにしたので、棟
包みの作業工数が減少し、能率良くしかも安全に取り付
けることができ、従来のようなリベット止めを廃止して
孔あけ作業を不要としたので、屋根の上での厄介な清掃
作業を追放し、かつ孔あけに起因する発錆を未然に防止
できる等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る棟包み用取付具の斜視図であ
る。
【図2】 棟包み用取付具を用いて棟包みを取り付ける
状態を示す要部の断面図である。
【図3】 その一部の斜視図である。
【図4】 棟包みを取り付けた状態での要部の断面図で
ある。
【図5】 本発明の他の実施例を示す要部の断面図であ
る。
【図6】 屋根の棟部の説明図である。
【図7】 従来の棟包みの取付構造を示す要部の断面図
である。
【符号の説明】 1…棟包み用取付具 11…取付部 12…受止部
12a…受片 13…係止部 13a…係止片 2…棟
部 3…野地板 4…ビス 5…棟包み 51…弾性係止片 6…金属製屋根板 7…止め面戸
8…面戸押さえ板 9…ビス

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根の野地板に固定する取付部と、この
    取付部の一方の端部に立設した受止部と、取付部の他方
    の端部に形成した係止部とを備えた金属板製の棟包み用
    取付具を用い、屋根の棟部に沿って所定の間隔をあけて
    前記棟包み用取付具を、前記受止部が直立で合掌状態に
    合わさるようにして両側の傾斜面にそれぞれ固定し、金
    属板で形成された棟包みを上から被せてその両側部に形
    成された弾性係止片を、前記係止部にそれぞれ嵌合係止
    すると共に、前記棟包みの頂部を、合掌状態に合わされ
    た前記受止部に受け止させることを特徴とする、棟包み
    用取付具を用いた棟包みの取付方法。
  2. 【請求項2】 前記棟包みの頂部の内側に弾性係止片を
    設け、この弾性係止片を、前記棟包み用取付具における
    受止部の上端部に形成された受片に嵌合係止する請求項
    1記載の棟包み用取付具を用いた棟包みの取付方法。
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