JP3171028B2 - モールド電機子の製造方法 - Google Patents
モールド電機子の製造方法Info
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Description
で、自己融着性絶縁電線を巻回して得た巻線群をモール
ド固定する電機子の製造方法に関する。
周回方向に偏平状に13,23あるいは31等配した巻線群を
形成し、これを熱硬化性樹脂成形材料でモールド固定し
た電機子は、一般に6極着磁した永久磁石界磁と対向し
た構成で無鉄心モータとなる。
形材料は、高温域に曝された状態で巻線群を支えるた
め、電機子の寸法安定性,剛性,熱劣化などモータの信
頼性を維持する上で重要である。
重量%以上の無機質充填剤を含有した3官能トリアジン
化合物を有するアリル系不飽和ポリエステル樹脂が提案
されている。多量の炭酸カルシウム,アルミナ,シリ
カ,溶融石英ガラス,珪酸ジルコンなどの無機質充填剤
を混入する理由は、巻線の導体部分との熱膨脹の差の縮
小や熱伝導を大きくすることで無鉄心モータの信頼性を
向上させるためである。
を付与してモータの高出力化を図る考え方もある。たと
えば、フェライト粉体は電気抵抗が高く、平均粒子径が
≦10μmであれば無機質充填剤の一部または全量置換も
可能で、熱硬化性樹脂成形材料にソフト磁性を付与する
ことができる。しかし、フェライト粉体はキュリー温度
が低いので無鉄心電機子が温度上昇すると高出力化の効
果が失われる。そこでキュリー温度が高いFe粉体の使
用も考えられるが、この場合熱硬化性樹脂成形材料の電
気絶縁性の確保、特にアリル系不飽和ポリエステル樹脂
成形材料に対しては重合開始剤である過酸化物の分解を
おさえてモールド加工での安定性の確保のための配慮も
必要となる。
縁電線を巻回して得た巻線群を、Fe粉体を含有する熱
硬化性樹脂成形材料でモールド固定する電機子において
電気絶縁性の確保、さらにはアリル系不飽和ポリエステ
ル樹脂成形材料に対してモールド加工の安定性の確保を
目的とする。
質粉体と混合して熱処理し、Fe粉体表面にFe 3 O 4 層を形
成し、これを充填剤とした熱硬化性樹脂成形材料で、自
己融着性絶縁電線を巻回した巻線群をモールド固定した
電機子とする。特に粒子径50〜250μmのFe粉体20vol
%、粒子径50〜250μmの無機質粉体10vol%、粒子径≦1
0μmの無機質粉体30vol%のアリル系不飽和ポリエステ
ル樹脂成形材料とすると、電機子の電気絶縁性やモール
ド加工の安定性を確保しながらモータの高出力化が実現
できる。
熱処理し、Fe粉体表面にFe 3 O 4 層を形成し、これを充填
剤とした熱硬化性樹脂成形材料で、自己融着性絶縁電線
を巻回した巻線群をモールド固定した電機子とする。特
に粒子径50〜250μmのFe粉体20vol%、粒子径50〜250
μmの無機質粉体10vol%、粒子径≦10μmの無機質粉体3
0vol%のアリル系不飽和ポリエステル樹脂成形材料とす
ると、電機子の電気絶縁性やモールド加工の安定性を確
保しながらモータの高出力化が実現できる。
シリカ,溶融石英ガラスなど電気絶縁性のものを使用す
る。Fe粉体表面にFe 3 O 4 層を形成する際、Fe粉体を無
機質粉体に混合分散した状態で熱処理する理由は、Fe
粉体を隔離することによりFe粉体の凝集を防ぎ1次粒
子の状態のままFe 3 O 4 層を均質に形成させるためであ
る。
l%、粒子径50〜250μmの無機質粉体を≦10vol%とする
理由は、Fe粉体を同一粒子径の無機質粉体で物理的に
隔離するためである。したがってFe粉体2に対し同一
粒子径範囲の無機質粉体の体積比率で1程度とする。ま
た、粒子径≦10μmの無機質粉体は熱硬化性樹脂を増粘
させモールド加工での粒子径50〜250μmのFe粉体と無
機質粉体の分離を防ぐために使用する。
%、粒子径50〜250μmの無機質粉体10vol%、かつ粒子
径≦10μmの無機質粉体30vol%とし、粉体総量を≦60vo
l%とした理由は熱硬化性樹脂成形材料のモールド加工
性、特に流動性を確保するためである。
ステル樹脂とは不飽和ポリエステルアルキドのアリル系
共重合性単量体溶液で、重合禁止剤など種々の添加剤を
必要に応じて加えたものである。アリル系不飽和ポリエ
ステル樹脂が好ましい理由はその重合硬化が典型的なラ
ジカル反応であるため速硬化性で、しかもアリル基の共
鳴により室温域では重合不活性であるから巻線のモール
ド加工の安定性に有利だからである。
ルボン酸成分として飽和ジカルボン酸、その無水物、あ
るいはそのジアルキルエステルと不飽和ジカルボン酸、
その無水物およびグリコールを原料としてエステル化反
応により製造される。飽和ジカルボン酸としてはオルソ
フタル酸,無水フタル酸,イソフタル酸,テトラおよび
ヘキサヒドロフタル酸なども使用できるが、好ましくは
テレフタル酸である。また、不飽和ジカルボン酸として
はフマル酸,マレイン酸,イタコン酸,シトラコン酸な
どがある。またグリコール成分としてはエチレングリコ
ール,1・2-および1・3-プロパンジオール,1・3-および1・
4-ブタンジオール,ジエチレングリコール,ジプロピレ
ングリコール,ネオペンチルグリコール,ビスフェノー
ル類のアルキレンオキシド付加物,ハロゲン化ビスフェ
ノールのアルキレンオキシド付加物などがある。このよ
うな不飽和ポリエステルアルキドは融点が室温以上の固
体が望ましく、一方の主成分であるアリル系共重合性単
量体はジアリルフタレート,トリアリルイソシアヌレー
ト,トリアリルシアヌレートなどが使用できる。
和ポリエステル樹脂の溶融時の流動性を確保する目的で
カプリン酸,カプリル酸,ミスチリン酸,パルミチン
酸,ステアリン酸,ベヘニン酸などの高級脂肪酸類をペ
ンタエリスリトールとエステル化した滑剤を添加した
り、重合開始剤,ガラス繊維など補強剤を適宜加える。
50〜250μmの炭酸カルシウム10vol%、粒子径≦10μmの
炭酸カルシウム30vol%を室温でV型混合機にて混合し
た。
e表面にFe 3 O 4 層を形成した。Fe 3 O 4 の(104)とαFe(1
10)のX線回折強度比からFe 3 O 4 の量を推定すると、図
1に示すように550〜650℃、1〜2hの熱処理で4.6〜4.8w
t%のFe 3 O 4 が形成される。アトマイズFe粉体は炭酸カ
ルシウムで隔離された状態で熱処理されるので1次粒子
の形態で得られる。粒子径50〜250μmのアトマイズFe
粉体をそのまま直接550〜650℃で熱処理し、Fe表面にF
e 3 O 4 層を形成させると凝集する。
部、ジアリルフタレートモノマー2.60重量部、ジクミル
パーオキサイド0.01重量部、ガラス繊維3.50重量部、ペ
ンタエリスリトール/C17トリエステル1.50重量部を基
準とし、これに粒子径50〜250μmのアトマイズFe粉
体,粒子径50〜250μmの炭酸カルシウム,粒子径≦10μ
mの炭酸カルシウムを一括して混合したのち、90〜100℃
の押出機で混練しアリル系不飽和ポリエステル樹脂成形
材料とした。
粉体をそのまま直接550〜650℃で熱処理し凝集した粉体
は押出機の混練で1次粒子に分散するが新生面の発生に
より熱処理効果が失われる。
粉体と粒子径50〜250μmの炭酸カルシウムの体積比率を
2対1、粒子径≦10μmの炭酸カルシウムを含む粉体充
填剤総量を60vol%としたアリル系不飽和ポリエステル
樹脂成形材料のFe粉体のvol%と飽和磁化,耐電圧,ゲ
ル化時間(100℃)との関係を示す特性図である。な
お、粉体充填剤総量が60vol%を越えると成形材料の流
動性が急激に失われるので粉体充填剤総量は60vol%以
下とする必要がある。
60vol%に固定した場合、Fe粉体vol%に比例して飽和
磁化は増加する。しかし耐電圧やゲル化時間(100℃)
は低下する。耐電圧の低下は電機子の電気絶縁性の低
下,ゲル化時間(100℃)の低下は押出機や巻線をモー
ルド加工する際の成形性の低下の原因となる。特にゲル
化時間はFe粉体が20vol%を越すと急激に低下する。な
お、表面Fe3O4層がないとFe粉体が20vol%であっても
耐電圧は1.5〜2kVゲル化時間(100℃)は600s程度に低
下する。
を整流子片と電気的に接続した。次いで反巻線端をラジ
アル方向へ放射状に配列することにより偏平状巻線群と
した。ただし巻回数は13、巻線数は23である。
料を作成し、(3)の巻線をモールド加工(射出成形)
して厚さ2.2mmのモールド電機子とした。
す。図3において、1Aは封止樹脂、1Bは電磁巻線、
1Cは整流子である。なお、モールド加工条件は射出温
度90〜100℃、射出圧力〜100kgf/cm2、金型温度170℃
±5deg、硬化時間120sである。
イズFe粉体20vol%、粒子径50〜250μmの炭酸カルシウ
ム10vol%、粒子径≦10μmの炭酸カルシウム30vol%と
したアリル系不飽和ポリエステル樹脂成形材料で巻線を
モールド固定した本発明の電機子の誘起電圧を比較例,
従来例とともに示す。Mn−Znフェライトを60vol%含
有するアリル系不飽和ポリエステル樹脂成形材料で巻線
をモールド固定した比較例の電機子は20℃では本発明の
電機子と同等の誘起電圧水準となるが温度が上昇すると
その効果は低下する。
た状態で熱処理をほどこし、Fe粉体表面にFe 3 O 4 層を形
成する。そして粒子径50〜250μmのFe粉体20vol%、粒
子径50〜250μmの無機質粉体10vol%、かつ粒子径≦10
μmの無機質粉体を30vol%とした熱硬化性樹脂成形材料
で巻線群をモールド固定して電機子とする。したがって
アリル系不飽和ポリエステル樹脂成形材料でのモールド
加工の安定性,電機子の電気絶縁性を維持しながらモー
タの使用温度範囲で高出力化を実現することができる。
間の関係を示す特性図
Claims (3)
- 【請求項1】Fe粉体を無機質粉体と混合して熱処理
し、Fe表面にFe 3 O 4 層成し、これを充填剤とした熱硬化
性樹脂成形材料で、自己融着性絶縁電線を巻回した巻線
群をモールド固定するモールド電機子の製造方法。 - 【請求項2】粒子径50〜250μmのFe粉体20vol%、粒子
径50〜250μmの無機質粉体10vol%、粒子径≦10μmの無
機質粉体30vol%を基準とした熱硬化性樹脂成形材料で
巻線群をモールド固定する請求項1記載のモールド電機
子の製造方法。 - 【請求項3】熱硬化性樹脂がアリル系不飽和ポリエステ
ル樹脂である請求項1又は請求項2記載のモールド電機
子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26019694A JP3171028B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | モールド電機子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26019694A JP3171028B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | モールド電機子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08126270A JPH08126270A (ja) | 1996-05-17 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP26019694A Expired - Fee Related JP3171028B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | モールド電機子の製造方法 |
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JP (1) | JP3171028B2 (ja) |
-
1994
- 1994-10-25 JP JP26019694A patent/JP3171028B2/ja not_active Expired - Fee Related
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