JP3170965U - 折り畳み机 - Google Patents
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Abstract
【課題】天板を水平に開き、或いは折り畳む作業中に、隙間に指を挟むことがなく、左右に長い天板を開閉する場合でも操作レバーを回動するためにその都度移動しなくても済み、かつ操作性に優れた折り畳み机を提供する。【解決手段】左右の脚の間に梁3を架設するとともに、この梁の両端近傍に軸受7を夫々固設し、かつ、天板の裏面に左右の前後ケタ22及び前後の左右ケタを略矩形枠状に固設するとともに、前後ケタに枢軸を固設し、前後ケタが、枢軸を介して軸受に枢支され、天板が枢軸を支軸として傾動する。【選択図】図8
Description
この考案は、天板を折り畳んで省スペース収納を可能にした折り畳み机であって、天板を水平に開き、或いは起立させて折り畳む作業を安全に行うことができる折り畳み机に関する。詳しくは、天板を水平に開き、或いは起立させて折り畳む際に、突然天板が傾動して部品の隙間に指を挟むことの無いように、バネの付勢力によって確実に天板の傾動を途中で停止させるようにした折り畳み机に関する。
従来、事務机、座卓、経机等は通常は天板の裏側に固定の脚が設けられており、立ち机又は座り机として専用されている。しかしながら、このような固定脚を有する机は、机を使用しないときには脚の長さ及び天板の広さ分収納スペースを余分に必要とする。収納スペースを確保できない場合は、机のために他の物を収納することできず、或いは事務所、展示場、又は居住の空間を狭めることになる。他に、運搬通路が狭い場合、立ち机の脚が嵩張るため壁等にぶつけて傷付けることもある。
従来の折り畳みフライト机の例を図12に示す。天板が矩形状の折り畳み机Tの例である。図(a)では立脚して立ち机として使用する状態を示し、四本の脚5の上に折り曲げ自在にヒンジや蝶番を介して天板が設けられる。天板は左右中央の天板の対向端面間の隙間Sを境に左右に天板1、1に分割される。同図(b)では、天板1を隙間Sの部位から折り畳み、四本の脚5を左右の天板1、1の間に挟んだ状態を示す。このように、立ち机として使用しないときは、天板を折畳んでコンパクトに収めることができるので収納スペースが少なくて済む。この折り畳み机は、事務所、展示場又はレストラン等で使用される。
用済み後は天板を起立させて折り畳み収納する机の他の例を説明する。この天板を折り畳む機構の要部を図13に示す。図の左側は、天板1を水平にして机として使用する状態における、傾動機構の断面図である。天板1の裏側にケタ2を固設し、天板1を折り畳み或いは起立させる機構としてラッチ体61や軸受7を設ける。折り畳み机の脚部の上端近傍に梁3の端部が固設され、この梁3に軸受7が固設される。そして、第2枢軸222が、チャンネル形状のケタ2及びこの間に挟装された軸受7を貫通してケタ2に固設される。一方、軸受7は、梁3に固設されているので、ケタ2は第2枢軸222を介して軸受7に枢支されていることになる。ラッチ体61は、操作レバー(図示無し)の延長上に一体的に形成され、天板を水平に開き、起立させ、或いは傾動を停止させる機能を有する。また、他の第1枢軸221はケタ2に固設され、ラッチ体61は第1枢軸221を介してケタ2に回動自在に枢支される。そして、軸受7に操作レバー6側の第1ピン71と第2ピン72が固設され、ラッチ体61に操作レバー6側の溝610が設けられる。左側図のように天板1が水平状態では、溝610が第2ピン72の凹みに嵌まって係止されるので、ケタ2が水平を保ち、その上に固着された天板1が水平を保ち、机として使用できる。次に、天板を起立させた状態を右側に示し、天板を傾動させる機構の断面図である。操作レバーを回動し、溝610の凹みを第2ピン72から外しながら、天板1を起立させると、天板1は第2枢軸222を支軸として回動し、更に起立する。そして、図示のように溝610の凹みが第1ピン71に係止されて傾動が停止する。このようにして、天板が水平な左図の状態から起立して右の図のように折り畳んだ状態になる。このような動作の過程で、天板は水平状態から一気に約60度回動して停止する。逆に、天板を水平に開く時は逆の操作をすればよく、天板は起立状態から一気に約60度回動して水平になって停止する。このように、天板は水平状態から起立状態へと広範囲に傾動するので、天板の傾動が速く作業する人にとって危険である。特に、天板を水平に開く時は、操作レバーを回動すると天板の傾動が自重によって加速されるので、作業者にとっては危険を伴う。例えば、作業者が操作レバーを握る他方の手は遊んでいるので、棚、或いは、ケタ、ラッチ体、操作レバー、捩りバネ等の部品との隙間に他方の手、指を挟む恐れがある。
その他にも、折り畳み、拡開が簡単な折り畳み机が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の折り畳み机は、連結手段で折り畳み且つ展開自在に連結された複数の板部材からなる天板と、これら天板の下部へ折り畳み可能に中心の板部材に各々取り付けられる一対の机用脚構造とから構成されている。そして、それぞれ一対の机用脚構造は、2本の脚からなり、一端が一方の脚に固定され、他端が他方の脚に摺動可能に取り付けられる部材が、対称的に2本の脚に取り付けられるリンク構造により、それぞれ脚は、略平行状態の閉脚状態と、上端が近接したまま、かつ着地部分が離れる開脚状態との間で開閉可能に構成されている。
以上の通りであって、特許文献1に代表されるように、従来の折り畳み机には、まとめると以下のような問題点がある。
従来の折り畳みフライト机では、天板を真ん中から左右に開いて一重のロックをする。この場合、ロックが一重なので振動によってロックが外れて天板に載った物が落下する恐れがあった。また、天板を真ん中から左右に開く際に、途中で開きが止まるストッパー機能が無い。そのため、一気に天板が左右に開いて左右の天板の隙間が狭まり、この隙間に指を挟む恐れがあった。その他、天板のサイズが大きい場合、操作レバーの元にその都度移動しないと、机の開閉操作をできなかった。換言すると、机として用済み後、左右の天板を隙間の部位から折り畳んで垂直状態にしたり、あるいは立ち机として使用するために左右の天板を水平状態にしたりする必要から、これらの作業中に二つ割りの対向隙間に指を挟んで思わぬ怪我をしてしまうという問題があった。その他の例では、天板を起立させ、或いは天板を水平に開く作業のために、安全を考慮して直接手を使うことの無いように、操作レバーを設けて片手で操作する。その際に、天板の自重によって傾動が加速され、或いは、天板の広範囲の傾動に対応できず、棚、或いは、ケタ、ラッチ体、操作レバー、捩りバネ等部品の隙間に手、指を挟んでしまい、思わぬ怪我をしてしまうという問題があった。以上のように、製造者責任のPL法に基づく安全基準を遵守する配慮に欠け、折り畳机を使用する人の安全を守ることができなかった。
そこで、本考案の折り畳み机は、このような従来の抱える問題点を解決するためになされたもので、天板を水平に開き、或いは折り畳む作業中に、天板の傾動を一時停止させるためにストッパーの機構を設けることによって、天板と棚、或いは、ケタ、ラッチ体、操作レバー等の隙間に指を挟むようなことの無い構成にし、かつ、操作レバーを左右に夫々設けることによって、左右に長い天板を開閉する場合でも操作レバーを回動するためにその都度移動しなくても済むようにし、PL法に基づく安全基準を遵守した安全、かつ操作性に優れた折り畳み机を提供することを目的としている。即ち、天板を水平に開き、或いは起立させて折り畳み作業をする際に、天板と各種部品間に手や指を挾さんで思わぬ怪我をすることの無いように、一時停止用のストッパー機構を設けることによって、PL法に基づく安全基準を遵守した安全、かつ操作性に優れた折り畳み机を提供することを目的とする。
そこで、本考案者等は、天板を水平に開き、或いは起立した折り畳む作業を行う際に、途中で傾動を一時停止するストッッパー機能を設けることに着目し、この着想に基づき天板を水平に開き、或いは起立させて折り畳む作業を安全に行うことができるという知見を得た。本考案の折り畳み机はかかる知見を基に具現化したもので、請求項1の考案は、左右の脚の間に梁を架設するとともに、この梁の両端近傍に軸受を夫々固設し、かつ、天板の裏面に左右の前後ケタ及び前後の左右ケタを略矩形枠状に固設するとともに、前記前後ケタに枢軸を固設し、前記前後ケタが、前記枢軸を介して前記軸受に枢支され、前記天板が前記枢軸を支軸として傾動することを特徴とする折り畳み机である。請求項2の考案は、請求項1の特徴に加えて、前記前後ケタに、前記枢軸として後方の第2枢軸を固設するとともに、他に前方の第1枢軸を固設し、前記第1枢軸に、ラッチ体が枢支されるとともに、このラッチ体の前方先端に操作レバーが延設され、前記第1枢軸に捩りバネが設けられ、かつ、左右の前記ラッチ体の間にレバーシャフトを架設し、前記軸受に前方の第1ピン及び後方の第2ピンが固設され、かつ、前記ラッチ体に前方の第1溝及び後方の第2溝が刻設され、前記第1枢軸を支軸として左又は右の前記操作レバーを回動することによって、その回動力がレバーシャフトを介して他方の前記ラッチ体に伝達されるとともに、前記捩りバネの付勢力に抗して前記第1枢軸を支軸として前記ラッチ体が回動し、同時に、前記第1ピン又は第2ピンに、前記第1溝又は第2溝が係止され、前記天板が傾動停止することを特徴とする折り畳み机である。請求項3の考案は、請求項1の特徴に加えて、前記前後ケタの外側にカバーを覆設することを特徴とする折り畳み机である。請求項4の考案は、請求項1の特徴に加えて、前記天板の裏側に棚を設けることを特徴とする折り畳み机である。
本考案の折り畳み机によると、天板を水平に開き、或いは、起立させて折り畳む際に、天板の傾動を一時停止するためのストッッパー機構を設けたので、天板と棚、或いは、ケタ、ラッチ体、棚等部品の隙間に指を挟む恐れが無く、PL法に基づく安全基準をクリヤーすることができた。また、天板の操作レバーを左右に夫々設けたので、長いサイズの天板を傾動させる場合、その都度左右へ移動しなくても一方側から操作レバーを動かすことができ、使い勝手が良い。
本考案の実施の形態を、添付図面に示した本考案の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
先ず、本考案の実施例について、図1〜図11を参照しながら説明する。図1は、折り畳み机の天板を水平に開いた状態を天板の裏側から見た全体斜視図である。図2は、天板を起立させて折り畳んだ状態を天板の裏側から見た図である。図3は、天板を折り畳み、或いは起立させるための操作レバーの他、これと天板とを連結する機構を示す図である。図4は、天板を折り畳んだ状態を側方から見た図である。図5は、天板を折り畳み、或いは起立させるための操作レバー及び、レバーシャフトとの連結機構を示す図である。図6は、ラッチ体の回動を制止するための捩りバネを示す図である。図7は、天板を水平に開いた状態におけるラッチ体の機能を説明する図である。図8は、天板を起立させて折り畳む途中で、傾動を一時停止させた状態におけるラッチ体のストッパー機能を説明する図である。図9は、天板を起立させて折り畳んだ状態におけるラッチ体の機能を説明する図である。図10は、天板裏側の棚を開閉する機構を示す図である。図11は、操作レバーの外側に安全カバーを設けた図である。以下、折り畳み机の天板を水平に開いた状態において、天板の長辺に沿って左右方向と称し、天板の短辺に沿って前後方向と称し、脚と天板の方向を上下方向と称する。
本実施例の折り畳み机の全体構造について図1を参照しながら説明する。本図は、天板を水平にして机として使用する状態を示し、天板の裏側から見たものである。折畳み机Tは、矩形状の木製の化粧板からなる天板1を有し、用済み後はこの天板1を手前下側へ倒して折り畳むことができる。天板1は左右方向の長手寸法に比して前後方向の幅寸法が小さい。天板1の左右端近傍に二本の脚5を立設し、夫々が途中で人の字状に二股に分かれるので四本脚として座りが安定である。天板1の裏面において、この外回り寸法より一回り小さいケタ2が廻り、このケタ2は天板1の長辺に沿って前後の左右ケタ21、21及び短辺に沿って左右の前後ケタ22、22から構成され、これらのケタは天板1の裏面に略矩形枠状に一体的に固設されている。そして、天板1の裏側の後方において、左右の脚5、5の間に梁3が架設されており、夫々の基脚51、51の上端近傍に梁3の両端が固設され、かつ、この梁3の両端近傍の基脚51、51の内側に軸受7、7が固設される。そして、前後ケタ22の後方寄り部が、一方の枢軸を支軸として軸受7に回動自在に枢支される。一方、ラッチ体61が、他方の枢軸を支軸として前後ケタ22の前後略真ん中部に回動自在に枢支され、ラッチ体61の前方側先端には操作レバー6が一体的に延設される。
次に、天板を起立させて折り畳み、天板の裏側から見た状態を図2に示し、以下に天板の裏側を構成する梁、棚、操作レバー他について説明する。天板1の裏面において、これより一回り小さい略矩形枠状のケタ2が廻り、このケタ2は天板1の長辺に沿って左右ケタ21、21及び短辺に沿って前後ケタ22、22から構成される。一方、天板1の後方において左右の脚5、5の間に梁3が架設され、夫々の基脚51、51の上端近傍にこの梁3の両端が固設されるとともに、この梁3の両端近傍において基脚51、51の内側に軸受7、7が固設される。そして、前後ケタ22の後方寄り部が、一方の枢軸を支軸として軸受7に回動自在に枢支される。一方、ラッチ体61は、前後ケタ22の前後略真ん中部において、他方の枢軸を支軸として回動自在に枢支される。ここで、天板1を折り畳み或いは起立させる機構(後述の図5参照)として、折り畳み机の右方端の操作レバー6、ラッチ体61、軸受7等が、左右両端部に設けられる。他に、左右のラッチ体61、61の間にレバーシャフト62が架設され、左右どちら側からでも操作レバー6を操作することができる。その他、天板1の裏側に棚4が設けられ、天板1が水平に開くと同時に連動して手前側へ水平に開く。棚4は、長手方向の左右棒41、41とこれに直角方向の前後棒42、42とによって略矩形状に構成される。前後棒42の後方寄りにおいて、前後棒42は棚支軸を介して軸受7に回動自在に枢支される。一方、前後棒42の前方寄り部はローラー43、腕44、ローラー45及び棚支軸を介して前後ケタ22に回動自在に枢支される。
次に、天板を回動させるための操作レバー及び、これと天板とを連結する他のリンク機構を天板の裏側から見た状態を拡大して図3に示し、操作レバーと連結関係について説明する。左右の基脚51、51の間に架設された梁3の右端近傍を同図に示し、基脚51の内側に軸受7の下部が固設される。そして、ラッチ体61が、前後ケタ22の前後略真ん中部において、他方の枢軸を介して回動自在に枢支される。一方、前後ケタ22の後方寄り部は、一方の枢軸を介して軸受7に回動自在に枢支される。
図4では、天板を起立させて折り畳み、側方から見た状態を示す。図の右側が天板1の表面であり、裏面にケタ2の前後ケタ22が固着される。天板1の後方側に脚5が立設され、この基脚51の上端近傍裏側に図示しない梁の端部が固設される(図1参照)。この梁に軸受7が固設され、前後ケタ22の後方寄り部は、一方の枢軸を介して軸受7に回動自在に枢支される。一方、ラッチ体61は、前後ケタ22の前後略真ん中部において、他方の枢軸を介して回動自在に枢支される。なお、左右のラッチ体61の間にレバーシャフト62が架設され、この先端部を示している。
以上、図3、4において説明した天板裏のケタ、軸受、ラッチ体他の相互の連結関係について、更に図5を参照しながら詳細を説明する。図5は天板を起立して折り畳んだ状態で、天板を回動させる操作レバー、レバーシャフト、ラッチ体、軸受他との連結機構の詳細を示す。基脚51の上端近傍において梁3の端部に軸受7が固設される。そして、チャンネル溝状の前後ケタ22及びこの中に挟装された軸受7を貫通して後方の第2枢軸222が固設され、前後ケタ22の後方寄り部がこの第2枢軸222を支軸として回動自在に枢支される。一方、前後ケタ22の前後略真ん中部に前方の第1枢軸221が固設され、ラッチ体61がこの第1枢軸221を支軸として回動自在に枢支される。なお、左右のラッチ体61、61の間にレバーシャフト62が架設される。ここで、前後ケタ22において、操作レバー側で前方に位置する軸を第1枢軸と称し、反対側の後方に位置する軸を第2枢軸と称する。
図6では、ラッチ体の回動を制動する捩りバネの取付け状態を示す。前後ケタ22がチャンネル形状の溝を図の手前側に向けて、天板1の裏面に固設されている。そして、前後ケタ22に第1枢軸221が固設され、この第1枢軸221に捩りバネ8が設けられ、捩りバネ8の一方端81はチャンネル状の前後ケタ22の溝底に当接するともに他方端82はラッチ体61固定される。ラッチ体61は、前後ケタ22のチャンネル状の溝に挟まれるように収まり、捩りバネ8によってその回動が制動される。即ち、捩りバネ8の付勢力によって、第1枢軸221を支軸とするラッチ体61の回動が抑さえられる。こので、捩りバネ8は、図示のように第1枢軸221が捩りバネ8の穴を貫通して設けられている。
以上、本実施例における天板を傾動させるためのケタ、軸受、ラッチ体、操作レバー他は左右対称に構成され、以下に、先ずラッチ体の作用について説明する。図7では、天板を水平にして机として使用する状態のラッチ体周りの構成を示し、以下にこの機能について説明する。図示しない脚の上端近傍に梁3の端部が固設されるとともに、この梁3に軸受7が固設される(図1参照)。軸受7は、チャンネル形状の前後ケタ22の溝の間に挟装され、かつ、この軸受7を貫通して、外側の前後ケタ22に第2枢軸222が固設される。ここで、軸受7は梁3に固設されているので、天板1を含めた前後ケタ22は、この後方の第2枢軸222を介して軸受7に回動自在に枢支されていることになる。一方、前方の第1枢軸221も前後ケタ22に固設され、ラッチ体61はこの第1枢軸221を介して前後ケタ22に回動自在に枢支されていることになる。このような構成によって、天板1は基脚51に固定された軸受7に支えられ、第2枢軸612を介して回動し、傾動する。その他、軸受7に操作レバー6側前方の第1ピン71と後方の第2ピン72が固設される。また、これらの位置に夫々対応するように、ラッチ体61には操作レバー6側前方の第1溝611と後方の第2溝612が刻設されている。図示の天板が水平状態では、第2ピン72が第2溝612の凹みに嵌まって係止されるので、第2枢軸222を支軸として前後ケタ22が水平を保ち、同時にその上に固着された天板1が水平状態を保つので机として使用できる。なお、左右の軸受7の間にレバーシャフト62が架設され、折り畳み机の長手左右方向へ延びる。
図8では、天板を起立し折り畳む途中において、傾動を一時停止させた状態を示す。第1枢軸221に貫設された戻りバネ8(図6参照)による付勢力に抗して操作レバー6を、第1枢軸221を支軸として矢印A方向に動かすと同時に、第2ピン72を第2溝612の凹みから外しながら、天板1を矢印B方向に持ち上げると、天板1は第2枢軸222を支軸として更に矢印B方向へ起き上がる。次いで、図示のように第1溝611の凹みが第1ピン71に嵌まって係止され、天板の矢印B方向への動きが止まる。この状態において、天板1は図7の位置から約30度起立している。このように、天板1が起立する途中で天板の強制的に傾動が停止される。ここで、図6において前述したように、前後ケタ22に第1枢軸221が固設され、この第1枢軸221が捩りバネ8を貫通し、捩りバネ8の一方端81はチャンネル状の前後ケタ22の溝底に当接するともに他方端82はラッチ体61固定される。このため、ラッチ体61には、捩りバネ8の付勢力に抗して第1枢軸221を支軸とする制動力が作用する。即ち、ラッチ61には捩りバネ8の付勢力によって矢印Aと反対方向の回動力が作用するので、一旦係止されたまま第1溝611の凹みは第1ピン71から外れることはない。そのため、天板1は、約30度の傾斜位置で強制的に停止された状態を維持する。操作レバー6を回動して天板を傾斜させる途中で、第1溝611が第1ピン71に係止される。この作用は、天板の傾動を一時停止するストッパーの機能を意味する。天板が大きく傾動して起立する前に天板の動きが一旦止まり、天板の急な動きが抑制されるので操作レバーを安全に回すことができる。即ち、天板の急な動きが途中で停止されるので、操作する人が天板の急な動きに伴って体を持っていかれるようのこともなく、安全に作業をすることができる。同時に、作業者が操作レバーを握る他方の手は遊んでいても、棚、或いは、ケタ、ラッチ体、操作レバー、捩りバネ等の部品との隙間に他方の手、指を挟むようなことも無く、怪我を未然に防ぐことができる。
図9では、天板を起立させて折り畳んだ状態を示す。図8における、天板の途中停止状態から操作レバー6を再び矢印A方向に回動し、第1ピン71を第1溝611の凹みから外しながら、天板1を更に矢印B方向へ押すと、天板1は第2枢軸222を支軸として矢印B方向へ回動する。そして、図示のように第2溝612の凹みが第1ピン71に嵌まって係止され、矢印B方向への動きが止まる。天板1は、図8の位置から更に約30度起立する。以上のように、天板が水平な図7の状態から約30度傾斜して一旦停止する図8の状態を経て、図9のように天板が更に30度起立して折り畳んだ状態になる。この状態では、ラッチ61には捩りバネ8の付勢力によって矢印Aと反対方向の回動力が作用するので、一旦係止された第2溝612の凹みは第1ピン71から外れることはない。そのため、天板1は、起立した位置を保持する。このような一連の動作の過程で、途中で一旦天板の傾動が強制的に停止されるので、天板の大きな傾動が抑えられて作業を安全に行うことができる。逆に、天板を水平に開く時は、前述した図7、図8、図9の逆の操作をすればよく、この場合も途中一端傾動が停止するので作業を安全に行うことができる。特に、天板を起立状態から水平に開く場合は、天板の傾動が自重に追随して加速されるようなこともなく、途中、天板の傾動が一旦停止されるので操作レバーを安全に操作することができる。ここで、方向を定義し、操作レバー6側の前方に位置する枢軸を第1枢軸と称し、反対側の後方に位置する枢軸を第2枢軸と称する。同様に、操作レバー6側の前方に位置するピンを第1ピンと称し、反対側の後方に位置するピンを第2ピンと称する。また、操作レバー6側の前方に位置する溝を第1溝と称し、反対側の後方に位置する溝を第2溝と称する。
操作レバーを回わすことによって、天板裏の棚も天板の動きに連動して起立し、折り畳まれる。図10に示すように、棚4は、長手方向の左右棒41、これと直角方向の前後棒42他によって、略矩形枠状に構成される。前後棒42の後方端部は、棚支軸421を介して軸受7に枢支される。一方、前後棒42の前方部は、ローラー43、腕44、ローラー45を経て、前後ケタ22に連結される。詳しくは、前後棒42の後方部に棚支軸431が固設され、この外周に円筒状のローラー43が回動自在に嵌まる。一方、前後ケタ22に棚支軸451が固設され、この外周に円筒状のローラー45が回動自在に嵌まる。そして、ローラー43とローラー45とが腕44によって連結される。即ち、円筒状のローラー43は中の棚支軸431を支軸として回動し、同様に、円筒状のローラー45は中の棚支軸451を支軸として回動する。第1枢軸221を支軸として操作レバー6を矢印A方向に回動し(図9参照)、第1ピン71を第2溝612の凹みから外しながら天板1を図の手前矢印D方向に引くと、起立状態の棚4が手前に倒れながら、第1ピン71が第1溝611の凹みに係止され、棚4の傾動が一旦停止する。次いで、再び操作レバー6を矢印A方向に回動し、第1溝611の凹みを第1ピン71から外しながら、更に天板1を矢印D方向に引くと、棚4が更に倒れ、第2溝612の凹みが第2ピン72に嵌まって係止され、棚4の傾動が停止する。このまま、棚4は水平状態を保つ(図7、8、9参照)。
天板の裏側において、操作レバー6が左右の前後ケタ22に回動自在に設けられる。図2に示すように、操作レバー6が左右両側に設けられ、かつ、左右のラッチ体61、61の間にレバーシャフト62が架設される。そのため、左右どちらからでも操作レバー6を動かして、天板を水平に開き、或いは起立させ折り畳むことができる。同時に、天板の動きに連動して裏の棚も水平に開き、或いは起立させ折り畳むことができる。
使用後は、天板を起立させて折り畳み机を収納する。図4に示すように、天板1の裏側の操作レバー6とラッチ体61の一部が、チャンネル形状の前後ケタ22の溝の中へ沈むように構成される。従って、天板を起立させ折り畳んだ状態では、天板1とその裏側の操作レバー6、棚4の前後棒42、軸受7を含む最大の寸法Lを薄くすることができる。多数台の折り畳み机を収納する際に、夫々の脚同士が交互に間に入るようにして重ねると、天板と脚までの幅寸法をかせぐことができ、折り畳み机を狭いスペースに多数台を収めることができる。
図1に示すように、天板1の左右端近傍に、二本の脚5を設け、夫々が途中で人の字状に二股に基脚51と補助脚52とに分岐するので脚5の座りが安定する。そして、基脚51と補助脚52には、夫々キャスター53を設けるので折り畳み机を移動する際に楽である。更に、補助脚52には、脚元にアジャスタ54を設けたので、床に多少の凸凹があっても高さを微調整して天板の揺れ又はガタつきを小さくすることができる。
天板を折り畳み又は起立させるために、操作レバーを回わすと、周囲の前後ケタ22、ラッチ体61、レバーシャフト62、棚4の前後棒42等が連動する。これらの部品は複雑にリンク結合して動くので、これらの部品の間には指が入る程度の隙間が多数箇所に形成される(図5参照)。そこで、天板1を水平に開き、或いは起立させて折り畳む操作中に、指先を隙間に挟む恐れが無いように、図11に示すように前後ケタ22の外側にカバー9を覆設する。このことによって、指が入る程度の隙間が目隠しされるので、天板を水平に開き、或いは起立させて折り畳む作業を安全に行うことができる。
なお、本考案の折り畳み机の使途は、事務所や店頭のカウンター等で使用する立ち机の他、デパート、スーパーマーケット等の店頭で、商品を陳列する机としても使用することができる。机として用済み後、狭いスペースに折り畳んでコンパクトにして収納することができるので便利である。
A、B、D 矢印
L 寸法
S 隙間
T 折り畳み机
1 天板
2 ケタ、21 前後ケタ22 前後ケタ
221 第1枢軸、222 第2枢軸
3 梁
4 棚、41 左右棒、42 前後棒
43、45 ローラー
44 腕
421、431、451 棚支軸
5 脚、51 基脚、52 補助脚、53 キャスター、54 アジャスタ
6 操作レバー、61 ラッチ体、62 レバーシャフト
610 溝、611 第1溝、612 第2溝
7 軸受
71 第1ピン、72 第2ピン
8 捩りばね、81一方端、82 他方端
9 カバー
L 寸法
S 隙間
T 折り畳み机
1 天板
2 ケタ、21 前後ケタ22 前後ケタ
221 第1枢軸、222 第2枢軸
3 梁
4 棚、41 左右棒、42 前後棒
43、45 ローラー
44 腕
421、431、451 棚支軸
5 脚、51 基脚、52 補助脚、53 キャスター、54 アジャスタ
6 操作レバー、61 ラッチ体、62 レバーシャフト
610 溝、611 第1溝、612 第2溝
7 軸受
71 第1ピン、72 第2ピン
8 捩りばね、81一方端、82 他方端
9 カバー
Claims (4)
- 左右の脚の間に梁を架設するとともに、この梁の両端近傍に軸受を夫々固設し、
かつ、天板の裏面に左右の前後ケタ及び前後の左右ケタを略矩形枠状に固設するとともに、
前記前後ケタに枢軸を固設し、
前記前後ケタが、前記枢軸を介して前記軸受に枢支され、
前記天板が、前記枢軸を支軸として傾動することを特徴とする折り畳み机。 - 前記前後ケタに、
前記枢軸として後方の第2枢軸を固設するとともに、他に前方の第1枢軸を固設し、
前記第1枢軸に、ラッチ体が枢支されるとともに、このラッチ体の前方先端に操作レバーが延設され、
前記第1枢軸に捩りバネが設けられ、
かつ、左右の前記ラッチ体の間にレバーシャフトを架設し、
前記軸受に前方の第1ピン及び後方の第2ピンが固設され、
かつ、前記ラッチ体に前方の第1溝及び後方の第2溝が刻設され、
前記第1枢軸を支軸として左又は右の前記操作レバーを回動することによって、その回動力がレバーシャフトを介して他方の前記ラッチ体に伝達されるとともに、
前記捩りバネの付勢力に抗して前記第1枢軸を支軸として前記ラッチ体が回動し、
同時に、前記第1ピン又は前記第2ピンに、前記第1溝又は前記第2溝が係止され、
前記天板が傾動停止することを特徴とする請求項1記載の折り畳み机。 - 前記前後ケタの外側にカバーを覆設することを特徴とする請求項1記載の折り畳み机。
- 前記天板の裏側に棚を設けることを特徴とする請求項1記載の折り畳み机。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011004395U JP3170965U (ja) | 2011-07-28 | 2011-07-28 | 折り畳み机 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011004395U JP3170965U (ja) | 2011-07-28 | 2011-07-28 | 折り畳み机 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3170965U true JP3170965U (ja) | 2011-10-06 |
Family
ID=54881362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011004395U Expired - Lifetime JP3170965U (ja) | 2011-07-28 | 2011-07-28 | 折り畳み机 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3170965U (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016019670A (ja) * | 2014-07-15 | 2016-02-04 | 株式会社ホウトク | 回転機構及びスタッキングテーブル |
JP2017070646A (ja) * | 2015-10-09 | 2017-04-13 | 株式会社エルゴジャパン | 下部仕切り板 |
CN108013588A (zh) * | 2018-01-11 | 2018-05-11 | 杭州恒丰家具有限公司 | 一种折叠桌 |
-
2011
- 2011-07-28 JP JP2011004395U patent/JP3170965U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016019670A (ja) * | 2014-07-15 | 2016-02-04 | 株式会社ホウトク | 回転機構及びスタッキングテーブル |
JP2017070646A (ja) * | 2015-10-09 | 2017-04-13 | 株式会社エルゴジャパン | 下部仕切り板 |
CN108013588A (zh) * | 2018-01-11 | 2018-05-11 | 杭州恒丰家具有限公司 | 一种折叠桌 |
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